JP2014182146A - 時計のヒゲゼンマイ - Google Patents

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Abstract

【課題】構成部品が少なく、かつ組み立て及び調整工程が少ないサブアセンブリを提供する。
【解決手段】少なくとも1つのバー3及び少なくとも1つのヒゲゼンマイ71を含む、時計の脱進機機構サブアセンブリ1であって、ヒゲゼンマイ71の外側端部はヒゲゼンマイ用ヒゲ持ちに固定されている、サブアセンブリ1。少なくとも1つのヒゲゼンマイ71及びこれと関連するヒゲゼンマイ用ヒゲ持ちは、バー3と単一の部品であるアセンブリを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも1つのバー及び少なくとも1つのヒゲゼンマイを含む時計の脱進機機構に関し、ヒゲゼンマイの外側端部はヒゲゼンマイのヒゲ持ちに固定される。
本発明はまた、このタイプの少なくとも1つのサブアセンブリを含む機械式時計ムーブメントにも関する。
本発明は時計機構の分野、より具体的には、直ぐに使用可能な機能モジュールを組み込んだ脱進機機構の分野に関する。
モジュール式アセンブリの使用により、異なるオプション又は機能に、特に機械式時計ムーブメントのケース内の複雑機構によってそれぞれカスタマイズされる、一群の製品を、共通のベースを用いて製造することが可能となる。
極めて高精度なモジュール又はサブアセンブリの概念により、大規模生産と高品質な製品とを両立させることができる。
また、ETA SAによる特許文献1及び特許文献2から、時計ムーブメント用のモジュール式サブアセンブリが公知である。これらの特許出願明細書に開示されている機械式モジュールは、これらの設定の耐久性を保証するために、非可逆的に予備調整されて組み立てられる。
しかしながら、従来の実施形態では、モジュールは構成部品の数を常に減らすことができるわけではない。構成部品の数を減らすことができれば、製造コストの削減及び組み立て方式の簡略化を実現し、中級技術者でも極めて複雑な機能を組み立て及び調整できるようにすることができる。
TISSOTによる特許文献3は、ヒゲゼンマイの外側端部を固定するための、突出したヒゲ持ちを備える剛性支持体を含むデバイスを開示しており、ヒゲゼンマイはこれらヒゲ持ちの間の波状の通路を通り、ヒゲ持ちのうちの一方が備える重複部分によって横方向に保持される。
ROLEXによる特許文献4は、少なくとも2つの同一平面上のストリップを有するヒゲゼンマイを開示しており、これらストリップは、各ストリップの端部のうちの1つがストリップの他の端部に対してアーバの周りで角度的に変位する際に中央アーバに印加され得る横方向の力を打ち消すことができるオフセットを有した状態で巻かれている。変形例では、これらのストリップは、それぞれが有する2つの内側端部及び外側端部によって互いに連結される。
ROLEXによる別の特許文献5は、ヒゲゼンマイを開示しており、このヒゲゼンマイのストリップの外側端部は、時計のフレームに接続するための部材と一体として作製され、この接続部材の剛性はヒゲゼンマイの剛性より高い。接続部材及びフレームは相補的な軸受け表面を有する。
欧州特許出願第11193173.9号 欧州特許出願第11193174.7号 スイス特許第447042号 欧州特許出願第2151722A1号 欧州特許出願第2347126A1号
従って本発明は、構成部品の数が少なく、かつ組み立て及び調整工程が少ないサブアセンブリを提供することを提案する。
特に、ヒゲゼンマイの組み付けは自動化するのが困難な作業である。しかし、本発明によれば、より扱いが容易なサブアセンブリにヒゲゼンマイを一体化するという概念により、組み立ての自動化を改善することができる。
この目的のために、本発明は、新規の微小構成部品製造技術、MEMS、「LIGA」、リソグラフィ等を利用して、ここではサブアセンブリとして示すモジュールの製造を最適化する。これらのサブアセンブリは場合に応じて、上述の2つの特許出願と同様に互いに対して非可逆的に組み付けるか、又は従来の方法で位置決めする及び組み立てることができる。
本発明は、少なくとも1つのバー及び少なくとも1つのヒゲゼンマイを含む時計の脱進機機構サブアセンブリに関し、ヒゲゼンマイの外側端部はヒゲゼンマイのヒゲ持ちに固定され、
少なくとも1つの上記ヒゲゼンマイ及びこれと関連する上記ヒゲゼンマイ用ヒゲ持ちは、上記バーと単一の部品であるアセンブリを形成する。
本発明の特徴によると、少なくとも1つの上記ヒゲ持ちは位置調整可能であり、ロック手段によって予備調整位置にロックされる。
本発明の特徴によると、上記ヒゲ持ちは、上記ヒゲ持ち及び上記バーと単一の部品である弾性復元手段によって上記バーに固定される。
本発明はまた、このタイプの少なくとも1つのサブアセンブリを含む機械式時計ムーブメントにも関する。
複数の構成部品を、単一の組立体にすること、特に地板又はバーと一緒に構成する利点は、組立体の数を削減でき、組み立てに関する問題を回避できるということである。本発明の利点は、これらのモノリシックな構成部品を作製する際の精度に起因するものである(典型的には、これらの部品は例えばシリコン製であり、従ってマイクロメートル単位の精度を有する)。
モノリシックなサブアセンブリは、中心間の距離を保証し、特に好ましい応用例において発振器である即時使用可能な機構を形成するという主な利点を有する。
本発明は特に可撓性支持体に関し、この可撓性ガイド部材は以下の利点:
−保証された精度;
−極めて低減された摩擦レベル又はゼロ摩擦レベル;
−摩擦が存在しないか又は少なくとも摩擦レベルが極めて低減されていることによる、移動中のヒステリシスの不在;
−潤滑の不在;
−遊びの不在;及び
−摩耗の不在
を有する。
可撓性支持体の使用は、例えば移動距離の制限や、低い復元力の点でいくつかの制限を受ける。しかしながら、これらの制限は特に調速に関する多数の時計学的機能を妨害するものではない。
これらの制限は、高い精度の中心間距離、作製する構成部品の数の少なさ、並びにそれらに伴う複雑性及び組付け時間の削減によって十分に補償される。本発明によるサブアセンブリは、サブアセンブリ内の機構、特に発振器が、ムーブメント内への組付け準備済みの構成部品を形成する、という大きな工業的利点を有する。更に、本発明のサブアセンブリの形態でムーブメント全体を考案することも当然可能である。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
図1は、本発明によるサブアセンブリの概略側面図であり、このサブアセンブリは脱進機機構の特定の場合に関するものであり、バーと単一の部品として作製されたヒゲゼンマイを含む。 図2は、同様の変形例を示す図1と同様の図である。 図3は、ある変形例の図1と同様の図であり、ここでは、ヒゲゼンマイはヒゲ持ちと単一の部品として作製され、ヒゲ持ちはバーと単一の部品として作製され、かつ一体化された弾性復元手段によってバーに接続される。 図4は、ある変形例の図1と同様の図であり、ここでは、ヒゲゼンマイはヒゲ持ちと単一の部品として作製され、ヒゲ持ちはバーと単一の部品として作製され、またヒゲゼンマイの外側端部はバーと単一の部品として形成されたピンによってクランプ留めされ、これらピンのうちの少なくとも一方は、一体化された弾性復元手段によってバーに接続される。 図4Aは、ヒゲゼンマイの内側端部を受承するよう設計されたテンプを枢動させるために、弾性復元手段によってバーに接続された軸受けキャリヤに格納されたピボットを含む、バーを示す。 図5は、遊びを有する従来のピンの平面図及び側面図である。 図6は、一体化された弾性復元手段の効果によってヒゲゼンマイをクランプ留めするこのタイプの一対のピンの側面図である。 図7〜9は、モノリシックなサブアセンブリの平面図を示し、このサブアセンブリは、これもまたアセンブリに一体化された構成部品のための位置調整手段を含み、この調整手段はクランプ留め手段によって所定の位置にロックすることができる。図7は、ヒゲゼンマイを引っ掛けるためのピボットの、櫛状部を含む弾性調整手段を介した調整を示し、櫛状部は調整された位置にロックされ、ロック機構はクランプ留め手段を制御する。 図8は、図7と同様の実施例を示し、ここで櫛状部は2つの可撓性ストリップの間に保持され、双安定性構成部品を形成する。 図9は、櫛状部が可撓性ストリップの端部に配置された緩急針を固定する、図7と同様の機構を示し、櫛状部は、板バネクランプによって緩急針に押圧され、この板バネクランプはロック用フィンガによって固定される。 図10は、地板又はバーと単一の部品である衝撃吸収軸受けを有する、ピボットのアーバを通る断面図である。 図11は、本発明によるサブアセンブリを含む時計ムーブメントの図である。
本発明は時計機構の分野に関し、より具体的には、即時使用可能な機能モジュールと一体であるムーブメントに関する。
本発明は、少なくとも1つのバー3及び少なくとも1つのヒゲゼンマイ71を含む時計の脱進機機構サブアセンブリ1に関し、ヒゲゼンマイ71の外側端部はヒゲゼンマイのヒゲ持ち73に固定される。
本発明によると、このタイプの少なくとも1つのヒゲゼンマイ71及びこれと関連するヒゲ持ち73は、バー3と単一の部品であるアセンブリを形成する。
図7〜9に示す有利な変形例では、このタイプの少なくとも1つのヒゲ持ち73は位置調整可能であり、ロック手段によって予備調整位置に固定される。
図1は、ヒゲゼンマイ71の平面においてヒゲ持ちが地板72と一体であり、この平面は実際のバー3の平面と平行でありかつこれと一体化されており、これら全てによって単一部品である構成部品20が構成される場合を図示している。
図2は、ヒゲ持ち73がバー3から突出しており、ヒゲ持ち73の端部がヒゲゼンマイ71の平面にあり、この平面はバー3の平面と平行であり、これら全てによって単一部品である構成部品20が構成される場合を図示している。
図3、4は、ヒゲ持ち73が同時に2つの高さ、即ちヒゲゼンマイ71の高さ及びバー3の高さにわたって延在しており、これら全てによって単一部品である構成部品20が構成される場合を図示している。
特に図2、3からわかるように、ヒゲゼンマイ71は、ヒゲゼンマイが外側コイル77を介して取り付けられるヒゲ持ち73と単一の部品として作製されている。このヒゲ持ち73はバー3と単一の部品として作製され、ヒゲ持ち73及びバー3の両方と単一の部品として作製された第2の一体化された弾性復元手段75によってバー3に接続される。好ましくは、第2の弾性復元手段の弾性を利用して達成されるヒゲ持ちの位置調整は、クランプ留め手段によって維持され、このクランプ留め手段は図3には図示されていないが、その一例が図7、9に示されている。
ヒゲゼンマイ71の外側コイルの有効長の調整は、様々な様式で達成できる。
ある変形例では、ヒゲゼンマイ71の外側コイル77は、バー3と単一の部品である2つのピン74A、74Bによってクランプ留めされる。
別の変形例では、ピン74の少なくとも一方は第2の弾性復元手段76で上側のバー3に固定され、この弾性復元手段76は上記少なくとも一方のピン74A又は74B及びバー3と単一の部品であり、上記ピンを他方のピン74B又は74Aに近づくように移動させる。
従って図4は図3の実施形態の変形例を示し、ここでもまたヒゲゼンマイ71はヒゲ持ち73と単一の部品として作製され、ヒゲ持ち73はバー3と単一の部品として作製され、またヒゲゼンマイの外側端部は、バー3と単一の部品であるピン74A、74Bによってヒゲ持ち73と離間してクランプ留めされ、ヒゲゼンマイ71の有効長を修正するための緩急針74の均等物を形成する。
図6に示す、遊びがない実施形態では、これらのピン74A、74Bの少なくとも一方は弾性復元手段76によってバー3に接続され、この弾性復元手段76もまたバー3と一体化され、上記少なくとも一方のピン74及びバー3と単一の部品であり、上記ピンを他方のピン74に近づくように移動させる。
しかしながら図5は、ごく僅かな遊びを有する実施形態を示しており、ここではピン74A、74Bの径方向への独立した調整により、ムーブメントの等速性を様々な位置において調整する。
この弾性復元手段76は特に、ヒゲゼンマイ71の平面又はバー3の平面又は他のいずれの平面に位置する1つ又は複数の可撓性要素から形成される。有利な変形例では、ヒゲゼンマイ71及び/又はピン74A若しくは74Bには局所的にノッチを設けてよく、これによって不連続的な、ノッチ毎の調整が可能となる。
機構1の予備調整を容易に行えるようにするために、その構成部品のうちの少なくとも1つは調整可能であり、ロック手段によって予備調整位置にロックされる。
図7〜9に示す特定の変形例では、サブアセンブリ1は、剛性構造81を含む位置調整機構80を含む。この剛性構造81は好ましくはバー3で形成され、少なくとも1つの弾性ストリップ83を介して、(特にヒゲ持ちで形成されるか又はヒゲ持ち73を支持する)少なくとも1つの位置調整用構成部品82を支持する。この位置調整用構成部品82は、調整機構90が備える相補的インデックス手段91と協働するよう配設されるインデックス手段84を含む。この相補的インデックス手段91はインデックス手段84に着脱可能に取り付けられ、構造81に弾性的に固定されたクランプ留め機構94によって協働位置にロックすることができる。クランプ留め機構94はロック機構98の作用を受け、これにより機構94は、調整機構90が自由となる分離位置又はクランプ留め機構94が調整機構90を妨害する係合位置を取ることができる。ロック機構98もまた、構造81に弾性的に固定される。
ある変形例では、この位置調整機構80は位置調整用構成部品82を支持し、この位置調整用構成部品82は、ヒゲゼンマイ71の内側端部を前述のものと同一の構造で受承するよう設計された、テンプ41のピボットを受承するための軸受け44又は軸受けキャリヤ13を支持する。
図7の場合、この位置調整用構成部品82はインデックス手段84を含み、このインデックス手段84は、ここでは櫛状部即ち歯付きセクタで形成された、調整機構90が備える相補的インデックス手段91と協働するよう配設される。この相補的インデックス手段91は、インデックス手段84に着脱可能に取り付けられる。相補的インデックス手段91はまた、クランプ留め機構94によって協働位置にロックすることができる。
このクランプ留め機構94は、少なくとも1つの可撓性要素96によって構造81に弾性的に固定され、好ましくはロック機構の作用を受け、これにより機構94は、調整機構90が自由となる分離位置又はクランプ留め機構94が調整機構90を妨害する係合位置を取ることができる。このロック機構は、ジャンパを形成し構造81に弾性的に固定される少なくとも1つの可撓性要素98を含み、上記少なくとも1つの可撓性要素98は、クランプ94の嘴状部97と協働して、位置調整中はクランプを離間させて保持するか、又は位置調整実行時のクランプの安全装置としてクランプ94の相補的停止表面95と協働する嘴状部99を含む。後者はフォークの形状であり、これによって櫛状部91が備えるアーム93の移動距離を制限する。
図8は同様の実施例を示し、櫛状部91は2つの実質的に整列された可撓性ストリップ92、92Aの間に保持され、バックリングによって動作する双安定性構成部品を形成し、このアセンブリは2つの安定位置:櫛状部91が可動ヒゲ持ち82のフィンガ84と協働する第1の作動位置A、及び櫛状部がフィンガから取り外される第2の解放位置Bを取ることができる。
図9は、櫛状部91が可撓性ストリップ83の端部に配置された緩急針84をロックする、同様の機構を示し、櫛状部91は、クランプ94が備える板バネクランプ96によって緩急針84に押圧され、この板バネクランプ96は、少なくとも1つの可撓性ストリップ98に設置されたロック用フィンガ99によってロックされ、上記フィンガ99はストリップ96の停止表面97と協働する。
上述のように、クランプ留め機構及びロック機構を組み合わせたこのような調整は、ここではヒゲゼンマイの軸と同心の移動においてヒゲ持ちを調整するための特定の応用例を示したが、軸受け、停止部材、インデックスピン又は他の要素の位置決めといった広範な応用例に応用できる。
図10によるある変形例では、バー3は、ヒゲゼンマイ71の内側端部又は脱進機機構の構成部品の内側端部を受承するよう設計されたテンプ41のピボットを受承するための少なくとも1つの衝撃吸収軸受けと共に、分離不可能な単一部品の構成部品を形成する。
特に、図4Aに示す有利な変形例では、ヒゲゼンマイ71の内側端部を受承するよう設計されたテンプ41を枢動させるために、バー3は、弾性復元手段14でバー3に接続された軸受けキャリヤ13に格納されたピボット45を含む。同様に、このピボット45を地板2上に配設してよい。
ピボット45は、従来のピボット又は可撓性支持体で形成してよい。
特定の例では、ピボット45は、場合に応じてバー3又は地板2と単一の部品である、可撓性支持体である。
特定の例(図示せず)では、テンプ41の一方の端部は可撓性支持体及びバー3(又は地板2)と単一の部品であり、テンプは可撓性支持体のクリアランスによって制限された移動距離を有し、可撓性支持体は有利には、テンプの十分な角度的移動距離を可能とするために複数の段階を有するよう作製され、バー3(又は地板2)と単一の部品である。より具体的には、このタイプの可撓性支持体をヒゲゼンマイ71で形成してよい。
別の変形例(図示せず)では、テンプ41はその各側において、ヒゲゼンマイ71を形成する可撓性支持体によってバー3及び地板2の両方に引っ掛けられ、これら2つのヒゲゼンマイ71は同一方向又は逆方向のトルクを発生させる。
好ましくは、この弾性復元手段14はバー3及び軸受けキャリヤ13と単一の部品であり、ある変形例では、ピボット45もまたこの単一部品サブアセンブリ1の一部を形成する。
サブアセンブリ1の特定の実施形態では、バー3は、ヒゲゼンマイの内側端部を受承するよう設計されたテンプを枢動させるための、少なくとも1つの軸受け44若しくは45又は軸受けキャリヤ13を含み、少なくとも1つの上記軸受け44若しくは45又は上記軸受けキャリヤ13は、バー3と単一の部品として作製され、テンプ41のアーバ47を径方向に保持するための回転肩部46、及び上記アーバ47の端部を軸方向に制限するための前方肩部49を含み、回転肩部46及び前方肩部49は、これもまたバー3と単一の部品である弾性衝撃吸収装置48によって共に支持される。
有利な実施形態では、サブアセンブリ1はシリコン製である。ピボット45の枢動点は、例えばシリコン基材への異方性(KOH)エッチングによって画定される。宝石のアセンブリを有するタイプも考えられる。その大きな利点としては、枢動点を極めて正確に位置決め(中心からの距離、鉛直度)できることが挙げられる。
従って衝撃吸収装置は部分的又は全体的に地板内に作製されてよく、衝撃吸収装置のバネは地板と連接するように作製されてよい。2つの宝石のうちの1つ(又は両方)は、地板と連接するように作製されてよい。そして、シリコンにおいて直接枢動が起こる。枢動点は、DLC又は他の表面コーティングを有するシリコンに直接作製してよい。よって、これ以上の宝石は必要なく、回転点は極めて正確に位置決めされる。
特定の実施形態では、サブアセンブリ1は、より大きなアセンブリ内でのサブアセンブリの組み立てを容易にすることを目的とした分割可能な要素を含み、これら分割可能な要素は、構造1の構成要素のうちのいくつかに1つ又は複数の自由度を与えるため以外には分解する必要はない。特に、これら分割可能な要素はバーと隣接してヒゲゼンマイの内側端部に配置され、テンプ41を組み付けてヒゲゼンマイ71をテンプのヒゲ玉に固定する際にのみ分解される。
特定の変形例(図示せず)では、サブアセンブリ1は脱進機機構全体を含む。
特定の実施形態では、サブアセンブリ1が備える一体化された弾性復元手段は、例えば図8に示すような少なくとも1つの双安定性又は多安定性要素を含み、図8はバックリングによって動作中の、2つの実質的に整列された弾性ストリップ92、92Aの間に櫛状部91を含む双安定性要素を示し、このアセンブリは2つの安定位置:櫛状部91が可動ヒゲ持ち82のフィンガ84と協働する第1の作動位置A、及び櫛状部91がフィンガ84から外れる第2の解放位置Bを取ることができる。
シリコン製である本発明によるサブアセンブリ1の有利な実施形態では、サブアセンブリ1が備える一体化された弾性復元手段は、酸化シリコン状態でプレストレスを与えられる。
本発明によるサブアセンブリ1の有利な実施形態では、バー3は、精密機械加工可能な材料、即ちシリコン又は酸化シリコン製であり、バー3が備える一体化された弾性復元手段は、酸化シリコン状態でプレストレスを与えられる。MEMS又は「LIGA」技術における他の材料も使用してよい。石英、DLC、少なくとも部分的に非晶質の材料又は金属ガラスをこれらの応用例に使用してよいが、上記リストは限定的なものではない。
バー3及び/又はこれが備える分離不可能な単一部品の構成部品の特定の構成により、機構サブアセンブリ1のこれら構造要素又は構成部品の膨張による影響を補償できる。例えば、安定性のために、バー3をシリコンで作製してこれを酸化させることができる。
本発明はまた、このタイプの少なくとも1つのサブアセンブリ1を含む機械式時計ムーブメント100にも関する。
1 サブアセンブリ
2 地板
3 バー
13 軸受けキャリヤ
14 弾性復元手段
20 モノブロック構成部品
41 テンプ
44 軸受け
45 ピボット、軸受け
46 回転肩部
47 アーバ
48 弾性衝撃吸収装置
49 前方肩部
71 ヒゲゼンマイ
72 地板
73 ヒゲ持ち
74 ピン
74A ピン
74B ピン
75 弾性復元手段
76 弾性復元手段
77 外側コイル
80 位置調整機構
81 剛性構造
82 位置調整用構成部品、可動ヒゲ持ち
83 弾性ストリップ、可撓性ストリップ
84 インデックス手段、フィンガ、緩急針
90 調整機構
91 相補的インデックス手段、櫛状部
92 可撓性ストリップ、弾性ストリップ
92A 可撓性ストリップ、弾性ストリップ
93 アーム
94 クランプ留め機構、クランプ
95 相補的停止表面
96 可撓性要素、ストリップ、板バネクランプ
97 嘴状部、停止表面
98 ロック機構、可撓性要素、可撓性ストリップ
99 嘴状部、ロック用フィンガ
100 機械式時計ムーブメント
A 第1の作動位置
B 第2の解放位置

Claims (12)

  1. 少なくとも1つのバー(3)及び少なくとも1つのヒゲゼンマイ(71)を含む、時計の脱進機機構サブアセンブリ(1)であって、
    前記ヒゲゼンマイ(71)の外側端部はヒゲゼンマイ用ヒゲ持ち(73)に固定され、
    少なくとも1つの前記ヒゲゼンマイ(71)及び前記ヒゲゼンマイ(71)と関連する前記ヒゲゼンマイ用ヒゲ持ち(73)は、前記バー(3)と単一の部品であるアセンブリを形成することを特徴とする、サブアセンブリ(1)。
  2. 少なくとも1つの前記ヒゲ持ち(73)は位置調整可能であり、ロック手段によって予備調整位置にロックされることを特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  3. 前記ヒゲ持ち(73)は、前記ヒゲ持ち(73)及び前記バー(3)と単一の部品である弾性復元手段(75)によって前記バーに固定されることを特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  4. 前記ヒゲゼンマイ(71)は、前記バー(3)と単一の部品である2つのピン(74)によってクランプ留めされる外側コイル(77)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  5. 前記ピン(74)の少なくとも一方は、弾性復元手段(76)で前記バー(3)に固定され、
    前記弾性復元手段(76)は、前記少なくとも一方のピン(74)及び前記バー(3)と単一の部品であり、前記ピン(74)を他方の前記ピン(74)に近づくように移動させる
    ことを特徴とする、請求項4に記載のサブアセンブリ(1)。
  6. 前記バー(3)は、前記ヒゲゼンマイ(71)の内側端部又は前記脱進機機構の構成部品の内側端部を受承するよう設計されたテンプ(41)のピボットを受承するための少なくとも1つの衝撃吸収軸受けと共に、分離不可能な単一部品の構成部品を形成することを特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  7. 前記バー(3)は、前記ヒゲゼンマイ(71)の内側端部を受承するよう設計された前記テンプ(41)を枢動させるために、弾性復元手段(14)で前記バー(3)に接続された軸受けキャリヤ(13)に格納されたピボット(45)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  8. 前記サブアセンブリは、剛性構造を含む位置調整機構(80)を含み、
    前記剛性構造は、少なくとも1つの弾性ストリップ(83)を介して少なくとも1つの位置調整用構成部品(82)を支持し、
    前記位置調整用構成部品(82)は、1つの前記ヒゲ持ち(73)を支持し、調整機構(90)が備える相補的インデックス手段(91)と協働するよう配設されるインデックス手段(84)を含み、
    前記相補的インデックス手段(91)は、前記インデックス手段(84)に着脱可能に取り付けられ、前記構造(81)に弾性的に固定されたクランプ留め機構(94)によって協働位置にロックすることができ、
    前記クランプ留め機構(94)は、ロック機構(98)の作用を受け、これにより前記クランプ留め機構は、前記調整機構(90)が自由となる分離位置又は前記クランプ留め機構(94)が前記調整機構(90)を妨害する係合位置を取ることができ、
    前記ロック機構(98)もまた、前記構造(81)に弾性的に固定される
    ことを特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  9. 前記サブアセンブリは、前記剛性構造を含む位置調整機構(80)を含み、
    前記剛性構造は、少なくとも1つの前記弾性ストリップ(83)を介して少なくとも1つの前記位置調整用構成部品(82)を支持し、
    前記位置調整用構成部品(82)は、前記ヒゲゼンマイ(71)の内側端部を受承するよう設計された前記テンプ(41)の前記ピボットを受承するための軸受け(44)又は前記軸受けキャリヤ(13)を支持し、前記調整機構(90)が備える前記相補的インデックス手段(91)と協働するよう配設される前記インデックス手段(84)を含み、
    前記相補的インデックス手段(91)は、前記インデックス手段(84)に着脱可能に取り付けられ、前記構造(81)に弾性的に固定された前記クランプ留め機構(94)によって協働位置にロックすることができ、
    前記クランプ留め機構(94)は、前記ロック機構(98)の作用を受け、これにより前記クランプ留め機構は、前記調整機構(90)が自由となる前記分離位置又は前記クランプ留め機構(94)が前記調整機構(90)を妨害する前記係合位置を取ることができ、
    前記ロック機構(98)もまた、前記構造(81)に弾性的に固定される
    ことを特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  10. 前記バー(3)は、前記ヒゲゼンマイ(71)の前記内側端部を受承するよう設計された前記テンプ(41)の前記ピボットを受承するための、少なくとも1つの前記軸受け(44)又は前記軸受けキャリヤ(13)を含むこと、並びに
    少なくとも1つの前記軸受け(44)又は前記軸受けキャリヤ(13)は、前記バー(3)と単一の部品として作製され、前記テンプ(41)のアーバ(47)を径方向に保持するための回転肩部(46)、及び前記アーバ(47)の端部を軸方向に制限するための前方肩部(49)を含み、前記回転肩部(46)及び前記前方肩部(49)は、これもまた前記バー(3)と単一の部品である弾性衝撃吸収装置(48)によって共に支持されること
    を特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  11. 前記サブアセンブリ(1)が備える前記一体化された弾性復元手段は、酸化シリコン状態でプレストレスを与えられることを特徴とする、請求項1に記載のサブアセンブリ(1)。
  12. 少なくとも1つのサブアセンブリ(1)を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の、機械式時計ムーブメント(100)。
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