JP2014181484A - 地盤改良方法 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

【課題】自然地下水位より上側の地層に対しても地盤改良を行うことができる方法を提供する。
【解決手段】この地盤改良方法は、地下水位を有する地盤に水を注入し、該地盤の地下水位を上昇させる工程と、地盤改良を行う改良範囲内の地盤へ固化材を注入して、該改良範囲内に存在する地下水を固化材と置換させる工程とを含む。また、前記地盤を掘削し、該地盤の深さ方向へ延びる注入井戸を形成する工程を含み、前記地下水位を上昇させる行程は、前記注入井戸を介して前記地盤へ水を供給する。
【選択図】図6

Description

本発明は、地盤改良方法に関し、より詳細には、地盤中の地下水と置換しながら固化材を浸透させることにより地盤改良を行う方法に関する。
軟弱地盤の地盤改良方法として、薬液注入工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この工法は、地盤内に固化材を注入し、土粒子間の間隙水と置換しながら改良範囲に浸透させ、軟弱地盤のせん断強度を高める工法である。
ここで、図1を参照して、上記薬液注入工法の原理について説明する。地盤が間隙水1で飽和した状態(例えば、地下水位以下の地盤)では、土粒子2が互いに緩く連結した骨格を有している。このため、土粒子2間の間隙は比較的広く、間隙水1が移動しやすい状態になっている。この状態の地盤へ溶液状の固化材3を注入すると、固化材3が間隙水1を押し退けながら浸透していくので、その骨格を壊さないように間隙水1を固化材3に置換することができる。
特許第4555977号公報
しかしながら、飽和していない状態(例えば、地下水位より上側の地層)では、間隙水が存在していない部分が存在し、間隙水が存在していない部分は、間隙に空気が存在している。このような部分に固化材3を注入したとしても、その空気を押し出すのは困難であり、液体状の固化材が土粒子に吸着され、浸透しにくく、その結果、固化材の分布にむらが出来てしまう。これでは、改良範囲の地盤に対して所定のせん断強度を得ることができない。
したがって、従来の薬液注入工法で改良できる範囲は、自然地下水位以下であり、改良範囲が自然地下水位より上側の地層を含む場合は、この工法を使用して地盤改良を行うことができなかった。
本発明は、上記課題に鑑み、地下水位を有する地盤に水を注入し、該地盤の地下水位を上昇させる工程と、地盤改良を行う改良範囲内の地盤へ固化材を注入して、改良範囲内に存在する地下水を固化材と置換させる工程とを含む、地盤改良方法が提供される。
本発明の地盤改良方法を提供することにより、地下水位以下の地盤に限らず、地下水位より上側の地層に対しても、薬液注入工法を採用して地盤改良を行うことが可能となる。また、地下水位より上側の地層の支持力強化、将来の地下水位上昇を見越した液状化対策、トンネル掘削での地盤沈下や切羽崩壊の防止等にも適用することができ、その適用対象を拡大することができる。
薬液注入工法により固化材を浸透注入している様子を例示した図。 薬液注入工法により地盤を改良している様子を例示した図。 地表面に既設の構造物が存在する場合の地盤改良の様子を例示した図。 地下水位を上昇させたところを例示した図。 固化材を注入しているところを例示した図。 本発明の地盤改良処理の一例を示したフローチャート。
本発明の地盤改良方法は、薬液注入工法を利用した方法である。薬液注入工法の原理については既に説明したので、実際に施工する方法について説明する。薬液注入工法では、固化材を、構造物や基礎下等の液状化対策としてグラウチング(注入・充填)する。
固化材としては、水ガラスを用いることができる。水ガラスは、ケイ酸ナトリウムを少量の水に溶かし、加熱することにより得られ、大きな粘性を有する強アルカリ性の物質である。この水ガラスは、空気中の二酸化炭素と水とが反応して生成された炭酸等の酸と中和されることにより、急速に凝集して固化(ゲル化)する。
水ガラスは、二酸化珪素と炭酸ナトリウム等のアルカリとを溶融して得られるが、水ガラス中に残留するアルカリといった劣化成分を取り除くことにより、劣化しない恒久型の固化材(超微粒子シリカ)を得ることができる。この恒久型の固化材を、固化材として用いることも可能である。
また、固化材としては、セメントミルク、セメントベントナイト、水ガラスとセメント等を混合した水ガラス系の固化材、アクリルアミドやポリウレタン等の高分子を使用する高分子系固化材等を用いることも可能である。
グラウチングする方法としては、一例として、図2に示すような方法を採用することができる。まず、図2(a)に示すように、地盤を掘孔するためのボーリングマシン10を使用して、先端にビットと呼ばれる削孔部材を取り付けた中空円筒状のケーシング11を一定方向に回転させ、降下させることにより、地盤を掘削し、ボーリング孔12を形成する。ケーシング11は、例えば、鋼製あるいはプラスチック樹脂製のものとすることができ、プラスチック樹脂としては、生分解性プラスチックを用いることもできる。ボーリングマシン10による掘削は、ケーシング11の先端から水の注入を行いながら実施することができる。これは、ビットの発熱を防止し、切削効率を向上させるためである。
次に、図2(b)に示すように、地盤内に配置されたケーシング11内に、先端部の側面に少なくとも1つの穴が設けられた注入管13を挿入する。なお、ケーシング11には、側面に複数の穴が設けられていて、注入管13から供給された固化材を、複数の穴を通して周囲の地盤へ注入することができるようになっている。
次に、図2(c)に示すように、一定方向に回転させた注入管13内に固化材を供給し、注入管13の先端部の側面に設けられた少なくとも1つの穴およびケーシング11の複数の穴を通し、周囲の地盤へ向けて固化材を噴射させて注入する。注入管13から固化材が連続して噴射されるので、固化材が地盤中に存在する地下水を押し退けながら地盤中を浸透する。これを繰り返すことにより、図2(d)に示すように、地盤改良を行う範囲(改良範囲)内の地盤に存在する地下水を固化材へ置換することができる。
詳細には、図1に示すように、注入管13から噴射された固化材は、地盤を構成する土粒子間に介在する、地下水を構成する間隙水を、注入管13を中心としてその径方向へ向けて押し退け、これが繰り返されることにより、略球状に固化材が浸透していき、略球状の範囲に含まれる地下水が固化材へ置換される。
固化材注入のための深さ位置は、ボーリングマシン10により注入管13を昇降させ、注入管13の先端部に設けられた少なくとも1つの穴の位置を変えることにより、変えることができる。図2(c)では、深さ位置を変えて固化材注入を行い、上下に2つの略球状の改良体14を形成している。改良体14は、注入管13をある深さ位置に固定し、その位置で固化材の注入を行い、固化材が浸透した範囲に形成された略球状のものである。
既設の構造物が存在しない場合、図2(d)に示すように、一定間隔で、地表面に対して垂直な深さ方向へボーリング孔12を形成し、複数の改良体14をオーバーラップさせて格子状に形成することにより、改良範囲を地盤改良することができる。複数の改良体14をオーバーラップさせて格子状に形成するのは、出来るだけ固化材が注入されない部分を出来るだけ少なくするためである。
既設の構造物が存在し、その直下の地盤が改良範囲に含まれる場合、上記と同様の方法で地盤改良することはできない。そこで、図3に示すような方法で地盤改良を行う。既設の構造物15の周囲の地盤に対しては、地表面に対して垂直な深さ方向へボーリング孔12を形成し、既設の構造物15の直下の地盤に対しては、地表面に対して所定の角度で傾斜した深さ方向へボーリング孔12を形成し、ケーシング11を設置する。そして、注入管13を挿入し、固化材を注入して、改良範囲内に複数の改良体14をオーバーラップさせて格子状に形成する。なお、この角度は、任意に決定することができ、適切にオーバーラップさせた改良体14を形成することができる角度として決定される。
この工法は、小型のボーリングマシンを使用して実施することができるので、狭い空間において施工することができ、改良による周辺への影響が小さいことが特徴である。
自然に形成された自然地下水位以下の地盤に対しては、薬液注入工法を採用し、上記のように地下水を固化材へ置換して地盤改良を行うことができる。しかしながら、自然地下水位より上側の地層については、薬液注入工法を採用して地盤改良を行うことはできない。そこで、本発明では、改良範囲の自然地下水位より上側の地層に対して、水を注入して地下水位を人工的に上昇させ、地下水位を上昇させた状態で、薬液注入工法を採用して地盤改良を行う。
地下水位が上昇すれば、これまで飽和状態でなかった地表面付近についても、飽和状態となり、地下水を固化材へ置換することができるからである。
改良範囲の地盤への水の注入は、地表面に直接散水することにより実施することもできるし、地表面に対して垂直または所定角度に傾斜して深さ方向へ延びる注入井戸を1つ以上形成し、その注入井戸を介して実施することもできる。また、注入井戸とともに、揚水するための、地表面に対して垂直な深さ方向へ延びる揚水井戸を形成し、その揚水井戸内に揚水ポンプ等の揚水手段を設置し、揚水手段で地下水を揚水してそれを再び注入井戸から戻し、人工的に地下水流を作ることで、その水位を所望の水位へ上昇させ、その水位で平衡させることができる。
注入井戸や揚水井戸は、例えば、自然地下水位に到達する深さに形成することができる。これは一例であるので、これに限定されるものではない。また、注入井戸や揚水井戸は、その径や数が、いかなる大きさ、数であってもよい。ただし、揚水井戸は、揚水ポンプ等の揚水手段を挿入し、設置することが可能な径とされる。揚水ポンプとしては、遠心ポンプや往復動ポンプを用いることができる。この注入井戸や揚水井戸は、上記のボーリングマシンやバックホウ等を使用して形成することができる。
図4は、地盤に注入井戸および揚水井戸を形成し、地下水位を上昇させている様子を例示した図である。注入井戸20および揚水井戸21は、地表面22から自然地下水位23まで深さ方向に延びるように形成されている。なお、注入井戸20、揚水井戸21は、自然地下水位23の近くまで延びるように形成されていれば、その深さは、自然地下水位23を若干超えていてもよいし、超えていなくてもよい。
揚水井戸21内には、揚水手段である揚水ポンプ24が挿入され、その底に設置される。揚水ポンプ24には、吸引した水を地上へ揚水し、排出するための配管25が設けられる。この配管25は、注入井戸20内へと連続していて、揚水ポンプ24により揚水された地下水を、注入井戸20へ再注入することを可能にしている。これにより、人工的に地下水流を形成し、水位を所望の状態で平衡させることができる。配管25としては、炭素鋼やステンレス鋼等から製造された鋼管を用いることもできるし、変形可能なゴムホースや蛇腹を有する鋼管を用いることもできる。
地盤への水の注入は、例えば、給水ポンプを別途設置し、給水ポンプにより注入井戸20を介して実施することができる。給水ポンプは、水を貯留する貯留タンクに接続され、その貯留タンクから給水することができる。これに限らず、給水ポンプとして水中ポンプを用い、近くの河川や井戸等から水を給水することも可能である。また、給水ポンプとして、揚水井戸21内へ設置する前の揚水ポンプ24を用い、近くの河川や井戸等から水を揚水し、給水することも可能である。
注入井戸20内へ供給された水は、地盤へ注入され、地盤内を浸透する。一般に、注入井戸20を中心として、略球状に広がるように浸透する。このように浸透すると、注入した水は、最終的に揚水井戸21へ到達する。すると、揚水井戸21内に水がたまってくる。このとき、揚水ポンプ24を適宜起動させ、揚水を開始し、配管25を介して注入井戸20へ水を戻して、地下水流を作りながらその水位を上昇させ、所望の状態で平衡させる。
このようにして上昇させた地下水位は、人工地下水位と呼ばれ、図4に示すようなものとなる。なお、揚水井戸21側で急激に地下水位が低下しているのは、揚水ポンプ24により水を吸引しており、地下水位がそれ以上上昇しないためである。
図4には、破線で、地下トンネルを構造物として構築するために地盤改良される改良範囲26が示されている。改良範囲26は、自然地下水面23より上側の地層を含むが、本発明により地下水位を上昇させることができるので、その改良範囲26を、薬液注入工法を用いて地盤改良することができる。
この改良範囲26を挟むようにして、改良範囲26外の一方側に注入井戸20を、他方側に揚水井戸21をそれぞれ形成し、地下水流を作りながらその水位を上昇させ、所望の状態で平衡させることにより、改良範囲26全体が水で飽和した状態にすることができる。また、揚水ポンプ24により地下水を吸引して地下水流を作ることで、注入井戸20から注入された水が揚水井戸21へ向けて流れるため、改良範囲以外の周囲への影響を最小限のものとすることができる。
図5は、固化材を注入しているところを例示した図である。図5では、2つの注入井戸20から固化材を注入し、揚水井戸21内に設置された揚水ポンプ24により地下水を吸引することにより、揚水井戸21へ向けて固化材を浸透させている。一点鎖線で示される領域が、水の注入により人工的に地下水位が上昇した範囲で、2本の破線で示される間の領域が、改良範囲26である。改良範囲26は、地下トンネルという構造物を設置するために地盤改良が行われる範囲であるから、紙面に向かって上下に延びている。
この改良範囲26の外部の一方側に、2つの注入井戸20が形成され、他方側に、1つの揚水井戸21が形成されている。このような位置に、注入井戸20および揚水井戸21を設けることにより、揚水井戸21内の揚水ポンプ24により改良範囲26内に存在する地下水を吸引し、その地下水が存在していた部分に固化材を浸透させることができるので、改良範囲26内の地下水を、より適切に固化材へ置換することができる。また、改良範囲に大部分の固化材を浸透させることができるので、使用する固化材の量を最小限のものとすることができる。
注入井戸20から水や固化材を注入するにあたって、注入した水や固化材がすべて揚水井戸21へ向けて浸透することが望ましい。適切に改良範囲26内の地下水位を上昇させ、また、改良範囲26に存在する地下水を固化材に置換することができるからである。しかしながら、現実には、揚水ポンプ24で吸引したとしても、水や固化材は揚水井戸21以外の方向へも浸透する。
改良範囲26に近い場所に重要構造物が存在する場合、地下水を上昇させるために水の注入を行うと、その重要構造物直下の地盤強度が低下してしまい、地盤沈下や崩壊等を引き起こす可能性がある。
そこで、図5に示すように、改良範囲26内と、重要構造物が構築されている地盤がある改良範囲26外とを仕切るための複数の仕切板から構成される締切工27を設置し、水がそれ以上浸透しないように防護することができる。締切工27としては、施工前に地盤に打ち込まれる板状の杭であるシートパイル(矢板)を用いることができる。この締切工27は、鋼製の板であってもよいし、プラスチック樹脂製の板であってもよい。また、地盤改良を行う期間のみ防護できればよいのであれば、生分解性プラスチックの板を締切工27として用いることもできる。
注入井戸20を用いた注水か、地表面への散水かの選択や、注入井戸20の数や配置、締切工27や揚水井戸21による周囲への影響防止策等は、改良範囲、土質、周辺への影響防止の程度、経済性等を考慮して決定することができる。例えば、複数の注入井戸20および揚水井戸21を直線上に設けたり、また、改良範囲26を取り囲むように設けたりすることができる。揚水井戸21内に設置する揚水ポンプ24の高さ位置を可変とし、これを調整パラメータとして人工地下水位の三次元的な分布を調整し、その結果として、改良範囲の形状を整える機能を備えるようにしてもよい。
本発明の地盤改良方法を、図6に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。ステップ600からこの方法を開始し、ステップ610では、改良範囲26内に注入井戸20および揚水井戸21を設ける。そして、揚水井戸21に揚水ポンプ24を設置する。なお、注入井戸20や揚水井戸21等によらず、地表面に散水することにより地下水面を上昇させる場合は、この工程は不要である。また、必要に応じて、改良範囲の境界部分の地盤に締切工27を設けることができる。これも必要に応じて設けることができるので、必要がなければ設けなくてもよい。
ステップ620では、注入井戸20を介して改良範囲の地盤に注水する。そして、改良範囲内の地下水位を所定の深さ位置まで上昇させる。ここでは、揚水井戸21内に設置した揚水ポンプ24により適宜揚水を行い、人工地下水流を形成しつつ、その地下水位を所定位置まで上昇させ、その水位に平衡させる。なお、地表面に散水して地下水面を上昇させる場合は、この工程において散水を行う。例えば、地盤を掘孔して水が流出してくる深さを調べることにより、地下水位の深さ位置を知ることができる。
ステップ630では、注入井戸20を介して固化材を供給し、改良範囲の地盤に浸透させる。この場合も、地表面に固化材を散布し、改良範囲の地盤に浸透させるようにしてもよい。なお、この浸透により、地盤内に存在する地下水は、浸透してきた固化材により押し退けられ、置換されていく。
このとき、注入井戸20や地表面からだけではなく、改良範囲の地盤に追加のグラウチング孔(供給孔)を設け、そのグラウチング孔へ固化材を供給し、そこからも浸透させるようにしてもよい。グラウチング孔は、上記のボーリングマシン10を使用し、任意の位置に形成することができる。
固化材は、水ガラスから劣化成分を取り除いた恒久型の固化材である超微粒子シリカが望ましいが、構造物完成までの一時的な改良効果を得られればよいのであれば、恒久型の固化材でなくてもよく、水ガラスやセメントミルク等であってもよい。
ステップ640では、揚水井戸21における水質が、地下水から固化材へ変化したことを検出し、浸透固化処理が所望の領域へ到達したことを確認する。ここでは、揚水井戸21を利用したが、揚水井戸21がない場合、改良範囲26の外部の任意の位置に孔を形成し、その孔において上記変化を検出することで確認を行うことができる。この孔は、1つのみ形成してもよいし、2以上形成してもよい。上記の変化は、成分を検査して検出することも可能であるが、固化材が水ガラスのように水とは粘性が大きく異なる場合、触ってみて粘性の変化により検出することができる。セメントミルクのように水とは色が異なる場合、色を見て、変化を検出することができる。
ステップ650では、固化材が浸透し、その地盤が固化したところで、必要に応じて、地下水位を元の自然地下水位に復位させ、ステップ660でこの処理を終了する。固化したかどうかは、人工地下水位以下の任意の深さにある土壌を採取し、固化材が完全に固化しているかどうかをチェックすることにより確認することができる。なお、自然地下水位も、上記と同様の方法により、その深さ位置を調べることができる。このため、その調べたその深さ位置になるように復位させることができる。
元の自然地下水位へは、注水を停止すれば、水位が自然に低下していくので、復位させることが可能であるが、例えば、改良範囲26外の揚水井戸21に設置した揚水ポンプ24により地下水を揚水することにより復位させることができる。また、改良範囲26外の注入井戸20に揚水ポンプ24を設置し、その揚水ポンプ24により地下水を揚水することにより復位させることも可能である。別途、掘削孔を形成し、その中に別途揚水ポンプを設置し、地下水を揚水することにより復位させることも可能である。なお、改良範囲26内は、既に固化材へ置換され、固化しているので、その改良範囲26の周囲に存在する地下水が揚水されることになる。
これまで本発明の地盤改良方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1…間隙水、2…土粒子、3…固化材、10…ボーリングマシン、11…ケーシング、12…ボーリング孔、13…注入管、14…改良体、15…構造物、20…注入井戸、21…揚水井戸、22…地表面、23…自然地下水位、24…揚水ポンプ、25…配管、26…改良範囲、27…締切工

Claims (6)

  1. 地下水位を有する地盤に水を注入し、前記地盤の地下水位を上昇させる工程と、
    地盤改良を行う改良範囲内の地盤へ固化材を注入して、前記改良範囲内に存在する地下水を前記固化材と置換させる工程とを含む、地盤改良方法。
  2. 前記地盤を掘削し、該地盤の深さ方向へ延びる注入井戸を形成する工程を含み、前記地下水位を上昇させる工程は、前記注入井戸を介して前記地盤へ水を供給する、請求項1に記載の地盤改良方法。
  3. 前記地盤の改良範囲内と改良範囲外とを仕切るための複数の仕切板を設置する工程、もしくは地下水を揚水する揚水手段を設置するための揚水井戸を形成する工程、またはその両方を含む、請求項1または2に記載の地盤改良方法。
  4. 前記地下水位を上昇させた後、前記地盤を掘削し、前記固化材を供給するための供給孔を形成する工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤改良方法。
  5. 前記地下水を揚水する揚水手段を設置するための揚水井戸を形成した場合、前記揚水井戸における水質が地下水から固化材へ変化したことを検出する工程をさらに含む、請求項3に記載の地盤改良方法。
  6. 前記水の注入を停止することにより、もしくは前記改良範囲外の地盤に揚水手段を設置し、地下水を揚水することにより、またはその両方により、該改良範囲外の地盤において上昇した地下水位を元の地下水位へ復位させる工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の地盤改良方法。
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