JP2014180343A - コードレス型電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価なユニバーサルモータをバッテリーで駆動でき、ブラシの劣化が抑制され寿命の問題が生じないコードレス型電気掃除機を提供する。
【解決手段】吸引用のユニバーサルモータと、前記ユニバーサルモータを駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーの出力をスイッチングにより昇圧し、前記ユニバーサルモータに供給するDC−DCコンバータと、前記スイッチングを制御する昇圧制御部とを備え、前記昇圧制御部は、デューティ比を正弦波状または全波整流波状に変化させてスイッチングを行うように制御するコードレス型電気掃除機。
【選択図】図3
【解決手段】吸引用のユニバーサルモータと、前記ユニバーサルモータを駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーの出力をスイッチングにより昇圧し、前記ユニバーサルモータに供給するDC−DCコンバータと、前記スイッチングを制御する昇圧制御部とを備え、前記昇圧制御部は、デューティ比を正弦波状または全波整流波状に変化させてスイッチングを行うように制御するコードレス型電気掃除機。
【選択図】図3
Description
この発明は、ユニバーサルモータを電池で駆動するコードレス型電気掃除機に関する。
商用AC電源の代わりにバッテリーを電源とするコードレス型電気掃除機が市販されている。近年は、中型以上のキャニスタータイプの電気掃除機においてもコードレスタイプが市販されている。コードレス型電気掃除機は、バッテリーに蓄えられた電力で電動送風機を駆動するのでACコードによる制約を受けずに掃除中の移動が可能になる。バッテリーはDC電源であるため、AC駆動の掃除機で一般的なユニバーサルモータに代えて通常はDCモータが採用されている。
コードレス型電気掃除機に関する従来技術として、安価に、かつ、サイズや重量をさほど大きくせずに小型コードレスクリーナのゴミ吸取り能力を向上させるという課題に対して、DC−DCコンバータを用いて電池の出力電圧よりも高い電圧をDCモータに印加するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、コードレス型電気掃除機ではないが、ユニバーサルモータと直列に接続されるスイッチング素子を制御して、電源に余分な負荷を与えることなく電力効率を高く保ち、整流ブラシに起因するカーボン粒子の排出を低減させるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、コードレス型電気掃除機ではないが、ユニバーサルモータと直列に接続されるスイッチング素子を制御して、電源に余分な負荷を与えることなく電力効率を高く保ち、整流ブラシに起因するカーボン粒子の排出を低減させるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
商用AC電源で動作する中型以上の電気掃除機には、ユニバーサルモータが多く採用されている。その理由は、安価で、高速回転が得られるからである。しかし、ユニバーサルモータを電池でDC駆動すると、AC駆動の場合に比べてブラシの摩耗が激しい。そのために、モータの寿命が短くて中型以上の電気掃除機にはユニバーサルモータを採用することができない。モータの寿命を考慮してブラシレスDCモータを採用するものがある。しかし、ユニバーサルモータに比べてブラシレスDCモータはコストが高い。また、整流子とブラシに代わる切換回路を必要とするために回路の部品点数がユニバーサルモータに比べて多くなる。よって、回路についてもコストが高くなり、また、サイズが大きくなってしまう。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、安価なユニバーサルモータをバッテリーで駆動できて、ブラシの劣化が抑制され寿命の問題が生じないコードレス型電気掃除機を提供するものである。
この発明は、吸引用のユニバーサルモータと、前記ユニバーサルモータを駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーの出力をスイッチングにより昇圧し、前記ユニバーサルモータに供給するDC−DCコンバータと、前記スイッチングを制御する昇圧制御部とを備え、前記昇圧制御部は、デューティ比を正弦波状または全波整流波状に変化させてスイッチングを行うように制御することを特徴とするコードレス型電気掃除機を提供する。
この発明において、前記昇圧制御部は、スイッチング後の平均電圧が予め定められた全波整流波形状に変化するように前記スイッチングを制御するので、ブラシの劣化が抑制でき、安価なユニバーサルモータをバッテリーで駆動しても寿命の問題が生じない。そして、長期間の使用が可能なコードレス型電気掃除機を提供できる。
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
はじめに、この発明に係るコードレス型掃除機の外観例を述べる。図12はこの発明の実施形態に係るコードレス型電気掃除機の外観斜視図である。
図12に示すように、コードレス型電気掃除機100は、サイクロン方式の集塵ユニット500を離脱可能に内蔵した掃除機本体101と、吸引ホース部300とを備える。
はじめに、この発明に係るコードレス型掃除機の外観例を述べる。図12はこの発明の実施形態に係るコードレス型電気掃除機の外観斜視図である。
図12に示すように、コードレス型電気掃除機100は、サイクロン方式の集塵ユニット500を離脱可能に内蔵した掃除機本体101と、吸引ホース部300とを備える。
吸引ホース部300は、吸引ホース301と、延長パイプ302と、延長パイプ302の先端に接続される吸入部303と、手元ハンドル304と、手元ハンドル304に付設された操作部305と、接続部306を備える。
吸引ホース301は接続部306を介して掃除機本体101の前方に離脱可能に接続され、ユーザーは手元ハンドル304を手で保持しながら延長パイプ302の先端の吸入部303を床面に接触させながら移動させることができる。
吸引ホース301は接続部306を介して掃除機本体101の前方に離脱可能に接続され、ユーザーは手元ハンドル304を手で保持しながら延長パイプ302の先端の吸入部303を床面に接触させながら移動させることができる。
掃除機本体101は両側面に一対のリング状車輪140を、後方下部に図示しない自在車輪をそれぞれ備えているので、使用者が手元ハンドル304を手で保持して移動するとき、掃除機本体101はその動作に追随することができる。
掃除機本体101は、床面の塵挨を空気と共に吸入部303から延長パイプ302と吸引ホース301を介して集塵ユニット500へ吸引するようになっている。なお、掃除機本体101は集塵ユニット500を装着する集塵室150を備える。
掃除機本体101は、床面の塵挨を空気と共に吸入部303から延長パイプ302と吸引ホース301を介して集塵ユニット500へ吸引するようになっている。なお、掃除機本体101は集塵ユニット500を装着する集塵室150を備える。
ユーザーは掃除機本体101内部の集塵ユニット500の集塵状況をリング状車輪140の中央開口141から目で確認し、適宜、集塵ユニット500を掃除機本体101の上部から引出して集塵ユニット500に集められた塵挨を廃棄することができる。
また、掃除機本体101は手提げハンドル115を備えるので、ユーザーは手提げハンドル115を把持し、掃除機本体101を持ち上げて運搬することが可能である。
また、掃除機本体101は手提げハンドル115を備えるので、ユーザーは手提げハンドル115を把持し、掃除機本体101を持ち上げて運搬することが可能である。
続いて、前述のコードレス型掃除機が備えるユニバーサルモータの駆動回路について説明する。
図3は、この実施形態に係るユニバーサルモータの駆動回路を示す説明図である。図1と同様の部分には同様の符号を付している。図1の回路と異なるのは、モータ駆動FET21を削除した点、マイクロコンピュータ12が駆動する昇圧スイッチングFET16のゲート信号が、全波整流されたサイン波状にデューティ比を変化させる点である。さらに、平滑コンデンサ16および平滑ダイオード18を削除し、リカバリーダイオード21も削除している。
マイクロコンピュータ12が昇圧スイッチングFET16を駆動するゲート信号の一例は、50Hzのサイン波を全波整流した片側サイン波の電圧波形である。そして、前記片側サイン波を100kHzの周波数でサンプリングし、サンプリングされた電圧値に基づいてPWM変調を行う。即ち、前記ゲート信号は、スイッチング周波数が100kHz、デューティ比の変動が100Hzで繰り返される、PWM変調されたパルス信号である。上記スイッチング周波数は一例であり、これより高くても低くてもよい。スイッチング周波数の上限は、マイクロコンピュータ12の処理能力の上限で制約を受ける。一方、スイッチング周波数を低くするとサイン波状の変化が粗くなってしまう。そこで、発明者は27kHz〜100kHzの範囲で検討を行った。
図3は、この実施形態に係るユニバーサルモータの駆動回路を示す説明図である。図1と同様の部分には同様の符号を付している。図1の回路と異なるのは、モータ駆動FET21を削除した点、マイクロコンピュータ12が駆動する昇圧スイッチングFET16のゲート信号が、全波整流されたサイン波状にデューティ比を変化させる点である。さらに、平滑コンデンサ16および平滑ダイオード18を削除し、リカバリーダイオード21も削除している。
マイクロコンピュータ12が昇圧スイッチングFET16を駆動するゲート信号の一例は、50Hzのサイン波を全波整流した片側サイン波の電圧波形である。そして、前記片側サイン波を100kHzの周波数でサンプリングし、サンプリングされた電圧値に基づいてPWM変調を行う。即ち、前記ゲート信号は、スイッチング周波数が100kHz、デューティ比の変動が100Hzで繰り返される、PWM変調されたパルス信号である。上記スイッチング周波数は一例であり、これより高くても低くてもよい。スイッチング周波数の上限は、マイクロコンピュータ12の処理能力の上限で制約を受ける。一方、スイッチング周波数を低くするとサイン波状の変化が粗くなってしまう。そこで、発明者は27kHz〜100kHzの範囲で検討を行った。
マイクロコンピュータ12は、PWM変調に係るパルスのオン時間が格納された片側サイン波変調テーブルを予めメモリに格納している。表1は、片側サイン波変調テーブルに格納されるデータの一例を示している。マイクロコンピュータ12は、この片側サイン波変調テーブルを参照して各パルス信号のデューティを変化させる。
表1の片側サイン波変調テーブルで、左端の列は片側サイン波のいくつ目のパルスかを示しており、右端の列はそのパルスのオン時間を示している。単位はナノ秒である。この実施形態において片側サイン波の半波のくりかえし周波数が100Hzであり、パルス信号のスイッチング周波数が100kHzである。よって、一つの片側サイン波は1,000個のパルス信号からなる。各パルス信号の周期は10,000ナノ秒である。よって、デューティ比100%に対応するオン時間を10,000ナノ秒に設定している。しかし、DC−DCコンバータの最大昇圧電圧をバッテリー11の電圧の2.5倍とするために、負荷であるユニバーサルモータ20の影響も考慮してオン時間の最大値、即ち片側サイン波のピーク電圧に対応するデューティ比を60%に設定している。オン時間に換算すると6,000ナノ秒である。
以上に述べた条件の下、表1の例えば第2番目のパルス信号のオン時間は以下のように計算される。
t=6000×sin(180°×(1/999))≒18.88(ナノ秒)
小数点以下を四捨五入するとオン時間は19ナノ秒になる(表1参照)。
同様の計算により、第3番目のパルス信号のオン時間は38ナノ秒、第4番目は57ナノ秒、…第500番目は6,000ナノ秒になる。さらに、第501番目は6000ナノ秒、第997番目は57ナノ秒、第998番目は38ナノ秒、第999番目は19ナノ秒、第1000番目は0ナノ秒になる。これらの数値が予め片側サイン波変調テーブルに格納されている(表1参照)。
t=6000×sin(180°×(1/999))≒18.88(ナノ秒)
小数点以下を四捨五入するとオン時間は19ナノ秒になる(表1参照)。
同様の計算により、第3番目のパルス信号のオン時間は38ナノ秒、第4番目は57ナノ秒、…第500番目は6,000ナノ秒になる。さらに、第501番目は6000ナノ秒、第997番目は57ナノ秒、第998番目は38ナノ秒、第999番目は19ナノ秒、第1000番目は0ナノ秒になる。これらの数値が予め片側サイン波変調テーブルに格納されている(表1参照)。
マイクロコンピュータ12は、片側サイン波変調テーブルを第1番目から順番に参照して、昇圧スイッチングFET16のゲート信号のオン時間(デューティ比)を1パルス毎に更新する。第1000番目を参照した後は、第1番目に参照先を戻し、以後片側サイン波変調テーブルの第1〜1000番目を繰り返し参照する。
図4は、図3に示すテストピンTP24およびTP26での模式的な波形図である。(a)はテストピンTP24、(b)はテストピンTP26の波形をそれぞれ示している。即ち、(a)はユニバーサルモータ20の一方の端子電圧であるが、他方の端子は接地されているので端子間電圧に等しい。パルスの上端部の電圧は、バッテリー11電圧(約30V)を2.5倍昇圧した約75Vの電圧である。下端部の電圧は、昇圧スイッチングFET16のオン電圧(約0.5V)である。(b)は、昇圧スイッチングFET16のゲート信号である。(a)および(b)は、全波整流されたサイン波状にデューティ比が変化するパルス波形である。(b)のパルスの上端部の電圧は一例でマイクロコンピュータ12の内部プルアップ電圧(約5V)である。
図4は、図3に示すテストピンTP24およびTP26での模式的な波形図である。(a)はテストピンTP24、(b)はテストピンTP26の波形をそれぞれ示している。即ち、(a)はユニバーサルモータ20の一方の端子電圧であるが、他方の端子は接地されているので端子間電圧に等しい。パルスの上端部の電圧は、バッテリー11電圧(約30V)を2.5倍昇圧した約75Vの電圧である。下端部の電圧は、昇圧スイッチングFET16のオン電圧(約0.5V)である。(b)は、昇圧スイッチングFET16のゲート信号である。(a)および(b)は、全波整流されたサイン波状にデューティ比が変化するパルス波形である。(b)のパルスの上端部の電圧は一例でマイクロコンピュータ12の内部プルアップ電圧(約5V)である。
(実施の形態2)
実施の形態1では、ユニバーサルモータ20のモータ電流をオンオフするモータ駆動FET21を廃止した。しかし、ブラシの劣化が激しいのはモータ電流の断続的なオンオフと関係があるところ、図3の回路で昇圧スイッチングFET16はユニバーサルモータ20と並列に挿入されて電流を断続的にオンオフさせており、これに伴って電流の流路が強制的に変更される。よって、モータ電流が昇圧スイッチングFET16のオンオフに伴って大きく変化する。その結果、モータ電流の変化とユニバーサルモータ20のインダクタンス成分とが相まってブラシの部分に高電圧が発生して火花放電が発生し、モータの寿命に悪影響を与える可能性が残る。
そこで、モータ電流の急激な変化を回避する平滑回路を図3の回路に追加する。
実施の形態1では、ユニバーサルモータ20のモータ電流をオンオフするモータ駆動FET21を廃止した。しかし、ブラシの劣化が激しいのはモータ電流の断続的なオンオフと関係があるところ、図3の回路で昇圧スイッチングFET16はユニバーサルモータ20と並列に挿入されて電流を断続的にオンオフさせており、これに伴って電流の流路が強制的に変更される。よって、モータ電流が昇圧スイッチングFET16のオンオフに伴って大きく変化する。その結果、モータ電流の変化とユニバーサルモータ20のインダクタンス成分とが相まってブラシの部分に高電圧が発生して火花放電が発生し、モータの寿命に悪影響を与える可能性が残る。
そこで、モータ電流の急激な変化を回避する平滑回路を図3の回路に追加する。
図5は、この実施形態に係るユニバーサルモータの駆動回路を示す説明図である。図3と同様の部分には同様の符号を付している。図5の回路は、図3の回路に平滑ダイオード18と平滑コンデンサ19からなる平滑回路を追加したものである。平滑コンデンサ19は、100kHzのPWMされたパルス信号を平滑化するが100Hzの片側サイン波の脈動を残すようにその容量を選択する。平滑回路の効果でユニバーサルモータ20に印加される電圧および電流は緩やかな変化の波形になる。ブラシの急激な損耗につながる電圧の跳ね上がりをなくすことができる。ユニバーサルモータ20を直流電圧で駆動する場合や図3の回路で駆動する場合に比べてブラシの劣化が改善される。
図6は、図5に示すテストピンTP24およびTP26での模式的な波形図である。(a)はテストピンTP24、(b)はテストピンTP26の波形をそれぞれ示している。即ち、(a)はユニバーサルモータ20の一方の端子電圧である。なお、他方の端子は接地されている。(b)は、昇圧スイッチングFET16のゲート信号である。図4(a)と異なり、図6(a)は、平滑されて緩やかに変化する片側サイン波状の電圧波形である。図5のDC−DCコンバータは非絶縁型であるので、図6(a)の電圧波形は、片側サイン波状にPWM変調されたパルスが平滑化され、さらにバッテリー11の直流電圧が重畳された波形である。一例で、片側サイン波の谷部の電圧はバッテリー11の電圧(約30V)に等しく、頂部の電圧は2.5倍昇圧された電圧(約75V)が重畳された約105Vの電圧である。図6(b)は、片側サイン波でPWB変調されたパルス信号の波形である。(b)のパルスの上端部の電圧は一例でマイクロコンピュータ12の内部プルアップ電圧(約5V)である。
図7は、図5のテストピンTP24の電圧波形を50Hzサイン波の1周期に相当する2000パルス(ただし、パルス周期は10,000ナノ秒)分プロットした模式的な波形図である。図5のDC−DCコンバータは非絶縁型であるので、テストピンTP24ではバッテリー11の直流電圧30VにPWM変調されたパルス電圧波形が重畳された波形が観測される。よって、図7の波形の谷部の電位はバッテリー11の電位に等しい。図7に示すように、テストピンTP24の電圧波形は最大昇圧比が約2.5倍(約75V)である。図7の0〜1000ナノ秒の期間のデューティ比は、表1のテーブルデータに対応する。
(実施の形態3)
この実施形態では、実施の形態1および2よりも、さらに実用的な態様を説明する。
図8は、図6の回路におけるDC−DCコンバータを絶縁型のフォワードコンバータに置き換えた説明図である。即ち、図6のチョークコイル15を昇圧用絶縁トランス28に置換え、平滑ダイオード18および平滑コンデンサ19を含む2次側の平滑回路にダイオード29を追加して全波整流型に代えている。昇圧用絶縁トランス28によってバッテリー11、マイクロコンピュータ12および昇圧スイッチングFET16と、ユニバーサルモータ20とが絶縁されている。
この実施形態では、実施の形態1および2よりも、さらに実用的な態様を説明する。
図8は、図6の回路におけるDC−DCコンバータを絶縁型のフォワードコンバータに置き換えた説明図である。即ち、図6のチョークコイル15を昇圧用絶縁トランス28に置換え、平滑ダイオード18および平滑コンデンサ19を含む2次側の平滑回路にダイオード29を追加して全波整流型に代えている。昇圧用絶縁トランス28によってバッテリー11、マイクロコンピュータ12および昇圧スイッチングFET16と、ユニバーサルモータ20とが絶縁されている。
絶縁型のDC−DCコンバータが適用されるので、昇圧スイッチングFET16に与えるゲート信号のオン時間はサイン波を模したものにする。即ち、表1の片側サイン波変調テーブルに代えて、両側サイン波変調テーブルを予めメモリに格納する。両側サイン波変調テーブルの値の一例を表2に示す。両側サイン波の振幅は、オン時間で0(ゼロ)〜6000(ナノ秒)の範囲に渡り、その中心はオン時間が3000(ナノ秒)である。また、サイン波の周波数は50Hzであり、PWM変調のスイッチング周波数は100kHzである。
表2の各パルス信号のn番目のオン時間は以下の計算式で求められる。
t=3000+3000×sin[360×{(n−1)/1999}]
表2の1番目のパルス信号のオン時間は、サイン波の中心に相当する3000ナノ秒である。2番目は、3009ナノ秒で、以降は増加し、第500番目が最大値の6000である。それ以降は減少し、第1000番目でサイン波の中心である3000ナノ秒に戻る。その後、オン時間はさらに減少し、第1001番目が2991ナノ秒、第1002番目が2981ナノ秒、第1500番目で最小値の0をとる。その後は増加に転じて第2000番目は2991ナノ秒である。
t=3000+3000×sin[360×{(n−1)/1999}]
表2の1番目のパルス信号のオン時間は、サイン波の中心に相当する3000ナノ秒である。2番目は、3009ナノ秒で、以降は増加し、第500番目が最大値の6000である。それ以降は減少し、第1000番目でサイン波の中心である3000ナノ秒に戻る。その後、オン時間はさらに減少し、第1001番目が2991ナノ秒、第1002番目が2981ナノ秒、第1500番目で最小値の0をとる。その後は増加に転じて第2000番目は2991ナノ秒である。
マイクロコンピュータ12は、両側サイン波変調テーブルを第1番目から順番に参照して、昇圧スイッチングFET16のゲート信号のオン時間(デューティ比)を1パルス毎に更新する。第2000番目を参照した後は、第1番目に参照先を戻し、以後両側サイン波変調テーブルの第1〜2000番目を繰り返し参照する。
図9は、図8に示すテストピンTP24−1、TP24−2間の電圧およびTP26の電圧の模式的な波形図である。(a)はテストピンTP24−1、TP24−2間の電圧波形、(b)はテストピンTP26の電圧波形をそれぞれ示している。即ち、(a)はユニバーサルモータ20の両端の端子電圧であり、平滑されて緩やかに変化する両側正弦波状の電圧波形である。一例で、両側サイン波の振幅(最下部と最上部の電圧差)はバッテリ11の電圧(約30V)が2.5倍昇圧されて正負に振れるので約150Vの電圧である。図8のDC−DCコンバータは絶縁型であるので、図7(a)と異なり、図8(a)の電圧波形には、バッテリー11の直流電圧が重畳されない。(b)は、両側サイン波でPWB変調されたパルス信号の波形である。(b)のパルスの上端部の電圧は一例でマイクロコンピュータ12の内部プルアップ電圧(約5V)である。
図10は、図8に示すバッテリー駆動と、商用AC電源によるAC駆動とが切換え可能な構成の説明図である。
図10で、昇圧用絶縁トランス28によってバッテリー11と絶縁された2次側の回路に、ダイオードブリッジ30、AC接続用FET31およびその駆動回路が追加されている。AC接続用FET31の駆動回路は、フォトカプラ32、保護抵抗33、トランジスタ34、電流制限抵抗35およびバイアス抵抗36からなる。
ダイオードブリッジ30は、ユニバーサルモータ20を駆動するための商用AC電源を全波整流する回路である。AC接続用FET31は、ダイオードブリッジ30とユニバーサルモータ20の端子の間に配置されて全波整流されたAC電源をユニバーサルモータ20に印加するか否かを切換えるスイッチである。AC接続用FET31のオンとオフはマイクロコンピュータ12が制御する。制御用に、マイクロコンピュータ12の1つの出力ポートが保護抵抗33を介してフォトカプラ32に接続されている。フォトカプラの出力はトランジスタ34のベースに接続され、トランジスタ34はAC接続用FET31を駆動する。
図10で、昇圧用絶縁トランス28によってバッテリー11と絶縁された2次側の回路に、ダイオードブリッジ30、AC接続用FET31およびその駆動回路が追加されている。AC接続用FET31の駆動回路は、フォトカプラ32、保護抵抗33、トランジスタ34、電流制限抵抗35およびバイアス抵抗36からなる。
ダイオードブリッジ30は、ユニバーサルモータ20を駆動するための商用AC電源を全波整流する回路である。AC接続用FET31は、ダイオードブリッジ30とユニバーサルモータ20の端子の間に配置されて全波整流されたAC電源をユニバーサルモータ20に印加するか否かを切換えるスイッチである。AC接続用FET31のオンとオフはマイクロコンピュータ12が制御する。制御用に、マイクロコンピュータ12の1つの出力ポートが保護抵抗33を介してフォトカプラ32に接続されている。フォトカプラの出力はトランジスタ34のベースに接続され、トランジスタ34はAC接続用FET31を駆動する。
マイクロコンピュータ12がフォトカプラ32を駆動すると、バイアス抵抗36に電流が流れてトランジスタ34がオンする。トランジスタ34がオンすると、AC接続用FET31が駆動されてオンし、商用AC電源がユニバーサルモータ20の両端に印加される。
マイクロコンピュータ12は、図示しない検出回路によってコードレス型電気掃除機がAC電源に接続されたことを認識する。そして、昇圧スイッチングFET16のスイッチングを停止させてバッテリー11からの電力供給を停止させる。さらに、前記出力ポートをアサートしてフォトカプラ32を駆動する。フォトカプラ32が駆動されるとトランジスタ34がオンし、AC接続用FET31がオンする。このようにして、ユニバーサルモータ20はバッテリー11による駆動が停止し、商用AC電源による駆動に切換わる。
以上のように、図10の回路によって交直両用のコードレス型電気掃除機が実現できる。
図11は、図10に示すテストピンTP24およびTP26での模式的な波形図である。図11の波形は図9と同じである。
なお、上述の通り、コードレス型電気掃除機を例に述べたが、この発明の本質はこれに限定されず、コードレスタイプでユニバーサルモータを使用する装置に適用ができる。例えば、ユニバーサルモータを使用した電動式草刈り機や電動芝刈り機にも適用が可能である。
マイクロコンピュータ12は、図示しない検出回路によってコードレス型電気掃除機がAC電源に接続されたことを認識する。そして、昇圧スイッチングFET16のスイッチングを停止させてバッテリー11からの電力供給を停止させる。さらに、前記出力ポートをアサートしてフォトカプラ32を駆動する。フォトカプラ32が駆動されるとトランジスタ34がオンし、AC接続用FET31がオンする。このようにして、ユニバーサルモータ20はバッテリー11による駆動が停止し、商用AC電源による駆動に切換わる。
以上のように、図10の回路によって交直両用のコードレス型電気掃除機が実現できる。
図11は、図10に示すテストピンTP24およびTP26での模式的な波形図である。図11の波形は図9と同じである。
なお、上述の通り、コードレス型電気掃除機を例に述べたが、この発明の本質はこれに限定されず、コードレスタイプでユニバーサルモータを使用する装置に適用ができる。例えば、ユニバーサルモータを使用した電動式草刈り機や電動芝刈り機にも適用が可能である。
(参考例)
以下、参考例として、発明者がバッテリーでユニバーサルモータを駆動する検討を行った初期の段階における構成を参考例として説明する。参考例の構成では望ましい結果が得られなかったが、この発明に至る検討の過程を示すことでこの発明の理解が容易になるであろう。
以下、参考例として、発明者がバッテリーでユニバーサルモータを駆動する検討を行った初期の段階における構成を参考例として説明する。参考例の構成では望ましい結果が得られなかったが、この発明に至る検討の過程を示すことでこの発明の理解が容易になるであろう。
図1は、参考例の回路構成を示す説明図である。
図1で、ユニバーサルモータ20は、空気と共に塵埃を吸込むための気流を発生させる。バッテリー11は、ユニバーサルモータ20をはじめマイクロコンピュータ12や他の素子の電源である。マイクロコンピュータ12、チョークコイル15、昇圧スイッチングFET16、保護抵抗17、平滑ダイオード18および平滑コンデンサ19は、非絶縁型の昇圧DC−DCコンバータを構成する。マイクロコンピュータ12は、処理ユニット(MPU)を中心に処理プログラムを格納するROM、ワークエリアを提供するRAM、入出力信号を扱うI/Oポート等を含んで構成される。さらに前記ROMは、後述する片側サイン波変調テーブルや両側サイン波変調テーブルを格納する。
前記DC−DCコンバータは、バッテリー11の直流電圧を昇圧してユニバーサルモータ20に印加する。商用AC電源の電圧に比べてバッテリー11の電圧は低いので、AC駆動用に設計されたユニバーサルモータ20を効率よく駆動するための昇圧回路である。
図1で、ユニバーサルモータ20は、空気と共に塵埃を吸込むための気流を発生させる。バッテリー11は、ユニバーサルモータ20をはじめマイクロコンピュータ12や他の素子の電源である。マイクロコンピュータ12、チョークコイル15、昇圧スイッチングFET16、保護抵抗17、平滑ダイオード18および平滑コンデンサ19は、非絶縁型の昇圧DC−DCコンバータを構成する。マイクロコンピュータ12は、処理ユニット(MPU)を中心に処理プログラムを格納するROM、ワークエリアを提供するRAM、入出力信号を扱うI/Oポート等を含んで構成される。さらに前記ROMは、後述する片側サイン波変調テーブルや両側サイン波変調テーブルを格納する。
前記DC−DCコンバータは、バッテリー11の直流電圧を昇圧してユニバーサルモータ20に印加する。商用AC電源の電圧に比べてバッテリー11の電圧は低いので、AC駆動用に設計されたユニバーサルモータ20を効率よく駆動するための昇圧回路である。
しかし、バッテリー11の直流電圧を昇圧してユニバーサルモータ20に印加した場合、商用AC電源を全波整流してユニバーサルモータ20の端子に印加する場合に比べて、ブラシの劣化が激しくモータの寿命が短い。その原因について発明者は、全波整流した電圧を印加するときは電流が脈動するのに対して直流電圧を印加するときは電流が一定であるため、整流子が切換わる際ブラシの接触部に定常的な火花放電が発生するためと推測した。
そこで、ユニバーサルモータ20と直列にモータ駆動FET21を接続し(図1参照)、全波整流されたサイン波状にモータ駆動FET21のデューティ比を変化させるようにした。このようにすれば、ユニバーサルモータ20に印加する平均電圧がAC全波整流と等価になるので、モータ電流が脈動してブラシの劣化が抑制されると考えた。
そこで、ユニバーサルモータ20と直列にモータ駆動FET21を接続し(図1参照)、全波整流されたサイン波状にモータ駆動FET21のデューティ比を変化させるようにした。このようにすれば、ユニバーサルモータ20に印加する平均電圧がAC全波整流と等価になるので、モータ電流が脈動してブラシの劣化が抑制されると考えた。
ここで、DC−DCコンバータの動作を説明しておく。マイクロコンピュータ12が昇圧スイッチングFET16をオンすると、昇圧スイッチングFET16のオン電流はチョークコイル15を流れ、チョークコイル15のインダクタンスの作用によりオン電流は徐々に増加する。マイクロコンピュータ12は、チョークコイル15のコアが磁気飽和する前の予め定められた期間が経過した後に昇圧スイッチングFET16をオフする。昇圧スイッチングFET16のオン電流が遮断されると、チョークコイル15の両端には自己誘導作用によって高電圧が発生する。バッテリー11の電圧と自己誘導作用による誘起電圧の合計が平滑コンデンサ19の両端にかかるので、平滑コンデンサ19はバッテリー11よりも高い電圧までチャージされる。平滑ダイオード18は電流の逆流を阻止し、平滑コンデンサ19に溜まった電荷がチョークコイル15の側へ逃げないようにする。マイクロコンピュータ12は、予め定められた一定の周期およびデューティ比で昇圧スイッチングFET16のスイッチングを繰り返す。平滑コンデンサ19の両端には平均すると電池電圧よりも高い直流電圧が表われる。
次に、DC−DCコンバータ以外の部分について説明する。マイクロコンピュータ12には、バッテリー11からドロッパレギュレータ13および14を介して電源が供給される。一例では、バッテリー11の電圧は30Vであり、ドロッパレギュレータ13を経て15Vに降圧され、さらにドロッパレギュレータ14を経て5Vに降圧されてマイクロコンピュータ12に供給される。
ユニバーサルモータ20と直列にモータ駆動FET21が挿入されており、ユニバーサルモータ20に印加する直流電圧をPWM変調する。モータ駆動FET21は、保護抵抗22を介してマイクロコンピュータ12の出力ポートに接続されている。マイクロコンピュータ12は、ユニバーサルモータに印加される平均電圧が片側サイン波状に変化するようにモータ駆動FET21のスイッチングを制御する。
ユニバーサルモータ20の端子間には、モータ駆動FET21がオフしたときにユニバーサルモータ20のインダクタンスの作用により端子電圧が跳ね上がるのを防止するためのリカバリーダイオード23が挿入されている。
ユニバーサルモータ20と直列にモータ駆動FET21が挿入されており、ユニバーサルモータ20に印加する直流電圧をPWM変調する。モータ駆動FET21は、保護抵抗22を介してマイクロコンピュータ12の出力ポートに接続されている。マイクロコンピュータ12は、ユニバーサルモータに印加される平均電圧が片側サイン波状に変化するようにモータ駆動FET21のスイッチングを制御する。
ユニバーサルモータ20の端子間には、モータ駆動FET21がオフしたときにユニバーサルモータ20のインダクタンスの作用により端子電圧が跳ね上がるのを防止するためのリカバリーダイオード23が挿入されている。
図2は、図1に示すテストピンTP24−1とTP24−2間の電圧、TP25およびTP26の各箇所での模式的な波形図である。(a)はテストピンTP24−1とTP24−2間の電圧波形、(b)はテストピンTP25、(c)はテストピンTP26の電圧波形をそれぞれ示している。即ち、(a)はユニバーサルモータ20の端子間電圧である。(b)は、モータ駆動FET21のゲート信号である。(a)および(b)は、デューティ比が全波整流されたサイン波状に変化するパルス状の波形である。(a)のパルスの上端部の電圧は、バッテリー11電圧(約30V)を2.5倍昇圧した約75Vの電圧である。下端部の電圧はGND電位の電圧である。(b)のパルスの上端部の電圧は一例でマイクロコンピュータ12の内部プルアップ電圧(約5V)である。(c)は、昇圧スイッチングFET16のゲート信号であり、デューティ比一定(一例では、50%に固定)のパルス状の波形である。パルスの上端部の電圧は一例でマイクロコンピュータ12の内部プルアップ電圧(約5V)である。
図1の回路でユニバーサルモータ20を駆動しところ、発明者の意図に反してブラシの劣化は単純な直流駆動よりもさらに激しく、モータの寿命が一層短くなった。その原因について考察した結果、整流子が切換わる際の火花放電だけでなく、モータ駆動FET21によるモータ電流の断続的なオンオフに伴って火花放電が発生するからではないかと考えた。即ち、図1の構成において、ユニバーサルモータ20にかかる平均電圧はモータ駆動FET21のデューティを全波整流波状に変化させるので従来のAC駆動と等価であるが、モータ電流はモータ駆動FET21により断続的にオンとオフが繰り返される。電流のオフ時にユニバーサルモータ20のインダクタンスの作用で高電圧が発生し、これが火花放電を発生させてブラシの劣化を激しくすると考えた。ユニバーサルモータ20の端子間にリカバリーダイオード23が挿入されているが、火花放電はブラシに接触する整流子の切換え、即ちユニバーサルモータ20の内部のローターの巻き線の切換で発生するために火花放電を抑制することができないと考えられる。
そこで発明者は、図1のようにユニバーサルモータ20と直列にモータ駆動FET21を挿入するのをやめて、実施の形態1に係る図3に示す構成を考えた。
そこで発明者は、図1のようにユニバーサルモータ20と直列にモータ駆動FET21を挿入するのをやめて、実施の形態1に係る図3に示す構成を考えた。
以上に述べたように、
(i)この発明によるコードレス型電気掃除機は、吸引用のユニバーサルモータと、前記ユニバーサルモータを駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーの出力をスイッチングにより昇圧し、前記ユニバーサルモータに供給するDC−DCコンバータと、前記スイッチングを制御する昇圧制御部とを備え、前記昇圧制御部は、デューティ比を正弦波状または全波整流波状に変化させてスイッチングを行うように制御することを特徴とする。
この発明において、コードレス型電気掃除機は、バッテリーの電力で動作する掃除機である。その具体的な態様は、例えば、商用AC電源で充電可能な二次電池を搭載し、二次電池が充電された状態で前記二次電池の電力により動作するキャニスター型の電気掃除機である。ただし、キャニスター型に限定されるものでなく、スタンド型等他のスタイルもこの発明に含まれる。この発明のコードレス型電気掃除機は吸引用のユニバーサルモータを備えるので、中型あるいは大型の掃除機に好適であるが発明の本質は小型の掃除機にも適用可能なものであり、大小は問わない。
また、DC−DCコンバータは、直流電源である電池の電圧を昇圧してユニバーサルモータに供給するためのものである。一般に、DC−DCコンバータは昇圧のためにスイッチングを行うが、特にこの発明に係るDC−DCコンバータは、スイッチングのデューティ比を正弦波状または全波整流波状に変化させて脈動した出力波形を得る点で、変動の少ない出力電圧を得ようとする一般のDC−DCコンバータと異なる。これは、この発明がユニバーサルモータの駆動を前提としており、商用AC電源の全波整流波を模した駆動を目指しているからである。
(i)この発明によるコードレス型電気掃除機は、吸引用のユニバーサルモータと、前記ユニバーサルモータを駆動するためのバッテリーと、前記バッテリーの出力をスイッチングにより昇圧し、前記ユニバーサルモータに供給するDC−DCコンバータと、前記スイッチングを制御する昇圧制御部とを備え、前記昇圧制御部は、デューティ比を正弦波状または全波整流波状に変化させてスイッチングを行うように制御することを特徴とする。
この発明において、コードレス型電気掃除機は、バッテリーの電力で動作する掃除機である。その具体的な態様は、例えば、商用AC電源で充電可能な二次電池を搭載し、二次電池が充電された状態で前記二次電池の電力により動作するキャニスター型の電気掃除機である。ただし、キャニスター型に限定されるものでなく、スタンド型等他のスタイルもこの発明に含まれる。この発明のコードレス型電気掃除機は吸引用のユニバーサルモータを備えるので、中型あるいは大型の掃除機に好適であるが発明の本質は小型の掃除機にも適用可能なものであり、大小は問わない。
また、DC−DCコンバータは、直流電源である電池の電圧を昇圧してユニバーサルモータに供給するためのものである。一般に、DC−DCコンバータは昇圧のためにスイッチングを行うが、特にこの発明に係るDC−DCコンバータは、スイッチングのデューティ比を正弦波状または全波整流波状に変化させて脈動した出力波形を得る点で、変動の少ない出力電圧を得ようとする一般のDC−DCコンバータと異なる。これは、この発明がユニバーサルモータの駆動を前提としており、商用AC電源の全波整流波を模した駆動を目指しているからである。
続いて、この発明の好ましい態様について説明する。
(ii)前記スイッチングのパターンを予め格納するメモリをさらに備え、前記昇圧制御部は、前記パターンに基づいて前記DC−DCコンバータのスイッチングを制御してもよい。
(iii)前記DC−DCコンバータと前記ユニバーサルモータの間に配置され、前記DC−DCコンバータでスイッチングされた電流を平滑化する平滑回路をさらに備え、前記平滑回路は前記ユニバーサルモータを流れる電流が動作中にオフにならないように電流を平滑化してもよい。
このようにすれば、平滑回路で電流を平滑化してブラシの部分の火花放電を抑制できる。
(ii)前記スイッチングのパターンを予め格納するメモリをさらに備え、前記昇圧制御部は、前記パターンに基づいて前記DC−DCコンバータのスイッチングを制御してもよい。
(iii)前記DC−DCコンバータと前記ユニバーサルモータの間に配置され、前記DC−DCコンバータでスイッチングされた電流を平滑化する平滑回路をさらに備え、前記平滑回路は前記ユニバーサルモータを流れる電流が動作中にオフにならないように電流を平滑化してもよい。
このようにすれば、平滑回路で電流を平滑化してブラシの部分の火花放電を抑制できる。
(iv)前記DC−DCコンバータは絶縁型であり、前記昇圧制御部はデューティ比を正弦波状に変化させてスイッチングを行ってもよい。
(v)商用AC電源から前記ユニバーサルモータ駆動用の電力を受けるAC給電部をさらに備え、前記昇圧制御部は、前記AC給電部が商用AC電源に接続されたとき前記DC−DCコンバータのスイッチングを停止し、前記DC−DCコンバータの出力を停止させるようにしてもよい。
このようにすれば、AC給電部が商用AC電源に接続されたことに応答して駆動用の電力が切換わるので、電池とAC電源のいずれでもユニバーサルモータを駆動できる。さらに、絶縁型DC−DCコンバータを介して電池はAC給電部やユニバーサルモータから絶縁されている。
(v)商用AC電源から前記ユニバーサルモータ駆動用の電力を受けるAC給電部をさらに備え、前記昇圧制御部は、前記AC給電部が商用AC電源に接続されたとき前記DC−DCコンバータのスイッチングを停止し、前記DC−DCコンバータの出力を停止させるようにしてもよい。
このようにすれば、AC給電部が商用AC電源に接続されたことに応答して駆動用の電力が切換わるので、電池とAC電源のいずれでもユニバーサルモータを駆動できる。さらに、絶縁型DC−DCコンバータを介して電池はAC給電部やユニバーサルモータから絶縁されている。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
11:バッテリー、 12:マイクロコンピュータ、 13,14:ドロッパレギュレータ 15:チョークコイル、 16:昇圧スイッチングFET、 17:保護抵抗、 18:平滑ダイオード、 19:平滑コンデンサ、 20:ユニバーサルモータ、 21:モータ駆動FET、 22:保護抵抗、 23:リカバーダイオード、 28:昇圧用絶縁トランス、 29:ダイオード、 30:ダイオードブリッジ、 31:AC接続用FET、 32:フォトカプラ、 33:保護抵抗、 34:トランジスタ、 35:電流制限抵抗、 36:バイアス抵抗、 100:コードレス型電気掃除機、 101:掃除機本体、 115:手提げハンドル、 140:リング状車輪、 141:中央開口、 150:集塵室、 300:吸引ホース部、 301:吸引ホース、 302:延長パイプ、 303:吸入部、 304:手元ハンドル、 305:操作部、 306:接続部、 500:集塵ユニット
Claims (5)
- 吸引用のユニバーサルモータと、
前記ユニバーサルモータを駆動するためのバッテリーと、
前記バッテリーの出力をスイッチングにより昇圧し、前記ユニバーサルモータに供給するDC−DCコンバータと、
前記スイッチングを制御する昇圧制御部とを備え、
前記昇圧制御部は、デューティ比を正弦波状または全波整流波状に変化させてスイッチングを行うように制御することを特徴とするコードレス型電気掃除機。 - 前記スイッチングのパターンを予め格納するメモリをさらに備え、
前記昇圧制御部は、前記パターンに基づいて前記DC−DCコンバータのスイッチングを制御する請求項1に記載のコードレス型電気掃除機。 - 前記DC−DCコンバータと前記ユニバーサルモータの間に配置され、前記DC−DCコンバータでスイッチングされた電流を平滑化する平滑回路をさらに備え、
前記平滑回路は前記ユニバーサルモータを流れる電流が動作中にオフにならないように電流を平滑化する請求項1または2に記載のコードレス型電気掃除機。 - 前記DC−DCコンバータは絶縁型であり、前記昇圧制御部はデューティ比を正弦波状に変化させてスイッチングを行う請求項1〜3の何れか一つに記載のコードレス型電気掃除機。
- 商用AC電源から前記ユニバーサルモータ駆動用の電力を受けるAC給電部をさらに備え、
前記昇圧制御部は、商用AC電源が前記AC給電部に接続されたことに応答して前記DC−DCコンバータのスイッチングを停止し、前記DC−DCコンバータの出力を停止させる請求項4に記載のコードレス型電気掃除機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013055579A JP2014180343A (ja) | 2013-03-18 | 2013-03-18 | コードレス型電気掃除機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013055579A JP2014180343A (ja) | 2013-03-18 | 2013-03-18 | コードレス型電気掃除機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014180343A true JP2014180343A (ja) | 2014-09-29 |
Family
ID=51699644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013055579A Pending JP2014180343A (ja) | 2013-03-18 | 2013-03-18 | コードレス型電気掃除機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2013
- 2013-03-18 JP JP2013055579A patent/JP2014180343A/ja active Pending
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