以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施例としてのスロットマシン及びメダル貸出機を示す正面図である。図2は、メダル貸出機の内部機構を示す左側面図である。図3は、スロットマシン及びメダル貸出機の要部を示す斜視図である。図4は、メダル貸出機の構成を示すブロック図である。尚、以下の説明では、図1のスロットマシン1、メダル貸出機100、メダル収容箱200を正面から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を示すものとする。
図1に示すように、スロットマシン1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に複数並設されており、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。筐体1aの内部上方位置には、外周に複数種類の図柄が配列されたリール2L,2C,2Rが水平方向に並設されており、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓3から見えるように配置されている。
スロットマシン1においてゲーム(遊技)を行う場合には、まず、円盤状の遊技媒体の一例であるメダルMをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルMが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。ここでは、リール2L,2C,2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では入賞ラインを1本としているが、複数の入賞ラインを定めても良い。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL1〜L5のいずれかに予め定められた図柄の組合せ(役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルMが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(例えば、50)に達した場合には、メダルMが直接メダル払出口9から前面扉1bの下部に前方に突出するように設けられた遊技媒体貯留部としての下皿5に払い出されるようになっている。
この下皿5の前面を構成する前壁5aには、後述する遊技媒体収容箱(以下、メダル収容箱200と言う)が着脱可能とされており、遊技者は、メダル収容箱200を前壁5aに係止して引っ掛けることで、下皿5に払い出されたメダルMをメダル収容箱200内に移し替えることが可能となっている。尚、本実施例における前壁5aは、約3mmの前後幅寸法(厚み)を有するとともに、上端が下端よりも前側に所定角度(本実施例では約5度)傾倒するように下皿5の底面前辺に沿って立設されている。
また、入賞ラインL1〜L5のいずれかに、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には、図柄の組合せに応じた遊技状態(例えば、レギュラーボーナスやビッグボーナスボーナス等)に移行するようになっている。
次に、メダル貸出機100について説明すると、メダル貸出機100は、スロットマシン1に1対1に対応するように設けられている。尚、本実施例では、1台のスロットマシン1に対応するメダル貸出機100が、該スロットマシン1の右側に配置されている。また、本実施例では、メダル貸出機100はスロットマシン1に1対1に対応するように設けられているが、例えば、メダル貸出機100を2台のスロットマシン1,1の間に2対1に対応するように設け、1台のメダル貸出機100を左右2台のスロットマシン1,1により共用してもよい。
メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側(本実施例では、スロットマシン1に向かって右側)の側方位置に対応設置され、紙幣、または会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(図示略)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カード(図示略)を受付けて、遊技機における遊技に使用される円盤状の遊技媒体であるメダルMを貸し出すための処理と、遊技者がスロットマシン1での遊技にて獲得したメダルMを受付けて、該受付けたメダルMを計数するための処理と、該計数した獲得メダル枚数をビジターカードや会員カードから特定可能とするための処理等を行う。
尚、メダル貸出機100は、メダル貸出機100にて使用されるビジターカードや会員カード並びにメダル貸出機100の管理等を行うカード管理コンピュータ(図示略)や、貯蓄メダル数や持ちメダル数の管理を行うメダル管理コンピュータ(図示略)や、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理するホールコンピュータ(図示略)等の各種のコンピュータが接続されており、これら各コンピュータとの間において双方向のデータ通信が可能とされている。
次に、本実施例のメダル貸出機100について、図1〜図4に基づいて説明する。図1〜図4に示すように、本実施例のメダル貸出機100は、正面視縦長長方形状をなす前面が開口する筐体101と、該筐体101の前面下部開口の開閉可能とする開閉板102と、から構成され、内部には後述する各種装置が内蔵されている。
図1に示すように、開閉板102の前面上部には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口110が設けられ、その下方位置には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでメダル貸出機100の状態等を報知可能とされた状態報知ランプ111や、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口112が設けられている。
状態報知ランプ111の下方位置には、入金の利用可能状態を報知する入金可ランプ113と、挿入中の会員カードやビジターカードを排出する返却ボタン114と、カード残高やエラーコード等を表示するカード残高表示部115と、メダルMの払い出しが行われるメダル貸出ボタン116と、メダルMの貸出が可能なことを表示するメダル貸出ランプ117と、後述する貸出メダル貯留部183(図2参照)の状態を報知するメダル切れランプ118と、会員カードの暗証番号等を入力するためのテンキー120と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯蓄メダル数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン121と、再プレイ遊技を実施する際に入力する暗証番号が表示される暗証番号表示部119と、対応するスロットマシン1にて遊技を行っている遊技者の顔画像を撮影できる顔画像撮影カメラ188(図4参照)と、が配設されている。
これら各種操作部の下方位置には、貸出メダル貯留部183にメダルMを補給する際に開閉板102の一部を開放するためのメダル補給扉130が、下辺を回動軸として開閉可能に設けられている。このメダル補給扉130は、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)をメダル補給扉鍵131に差し込まない限り開放できないようになっている。
メダル補給扉130の下方位置には、遊技者が遊技により獲得したメダルMを受け入れて計数するための受入部140が設けられているとともに、該受入部140の下部からは、受入部140にて受け入れたメダルMを下方に誘導して後述する計数装置190の導入口142に導入するための導入経路を構成する導入経路カバー141が下方に向けて延設されている。
また、この導入経路カバー141の上下方向の中央位置よりもやや下方には、払出装置182から払い出されたメダルMをスロットマシン1の下皿5に誘導する誘導部材の一例であるノズル150が、導入経路カバー141の前後方向に挿通されている。
図2及び図3に示すように、メダル貸出機100内の上部位置には、紙幣挿入口110に連設され、該紙幣挿入口110に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を制御ユニット181に出力する紙幣識別ユニット180が設けられており、該紙幣識別ユニット180にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
紙幣識別ユニット180の下方位置には、カード挿入口112に対応する位置に内蔵される内部カードリーダライタ187、該メダル貸出機100を構成する各部と接続しやすいように該メダル貸出機100の動作を制御するとともに回収したビジターカードを貯留するカードストック部(図示略)等が一体に組み付けられた制御ユニット181が配設されている。尚、制御ユニット181は、メダル補給扉130を開放することにより前方に引き出し可能に設けられており、筐体101から引き出してメンテナンス等を実施できるようになっている。
内部カードリーダライタ187は、カード挿入口112から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを行うとともに、発行に使用するビジターカード(回収したカードを含む)を貯留するカードストック部(図示略)を有しており、該カードストック部(図示略)に貯留されたカードを発行可能とされている。
制御ユニット181の下方位置、つまり、筐体101の上下方向略中央位置には、払い出すメダルMを貯留する貸出メダル貯留部183が設けられている。貸出メダル貯留部183は、該貸出メダル貯留部183に貯留されるメダルMを払い出す払出装置182の上部に設けられた上向きに開口するメダルホッパー183aと、該メダルホッパー183aの上方に形成される空間部と、から構成されており、貸出メダル貯留部183に貯留されたメダルMは、メダルホッパー183aにより払出装置182に向けて整列誘導された後、内部に設けられた図示しない回転ディスク(図示略)によって前面に形成されたメダル排出口(図示略)から排出され、ノズル150を介して下皿5に払い出されるようになっている。
図1及び図2に示すように、メダルホッパー183aの上方位置には、メダル補給扉130が配設されており、メダル補給扉130を開放することで貸出メダル貯留部183にメダルMを補給できるようになっている。尚、本実施例では、メダル補給扉130を開放して貸出メダル貯留部183にメダルMを補給できるようになっているが、図示しない遊技機設置島に設けられたメダル補給装置(図示略)からメダルMが自動補給されるようにしてもよい。
また、払出装置182の下方位置には、導入されたメダルMの枚数を計数する計数装置190が配設されている。図4に示すように、計数装置190は、上面に開口する計数口が形成され、該計数口から受け入れたメダルMは回転ディスク190gに投入され、この回転ディスク190gから1枚ずつ吐出されたメダルMが整列されて、図示しない計数傾斜部に沿って流れ落ちるようになっている。そして、このメダルMの流路の途中に、メダルMの存在を検出するフォトセンサ190eが設けられるとともに、フォトセンサ190eによりメダルMの端部を検知した瞬間に当該メダルMの画像を撮影するメダル撮影カメラ190cが設けられている。
そして、計数装置190のコントローラ190aは、メダル撮影カメラ190cにより撮影したメダル画像に基づいて、メダルMの真贋(正規メダルか不正メダルか)を瞬時に判定し、その判定結果であるメダル判定情報を制御ユニット181に送信するとともに、メダルMの流路を流路切換器190dにより切り換えて、正規メダルMは、正規メダルMとして計数されて排出口192(図2参照)に向けて流し、不正メダルMは、不正メダルと計数されて計数装置190にセットされたメダル貯留ボックス194に向けて流すようになっている。このように不正メダルは、計数された後に排出口192から排出されずに、メダル貯留ボックス194内に貯留されるようになっており、非正規メダルが循環して再使用されてしまうことが防止されている。このように、計数装置190に導入されたメダルMは、その真贋が判定され、かつ計数されるようになっている。また、排出口192から排出されたメダルMは、筐体101の下面に形成された開口を介して図示しない遊技機設置島内に排出され、該遊技機設置島内に設けられた回収装置(図示略)に回収されるようになっている。
また、不正メダルがメダル貯留ボックス194内に所定枚数(例えば、100枚)貯留された場合に、所定のエラー信号が遊技機設置島の島コントローラやホールコンピュータ等に出力されてエラー報知が行われるようになっており、遊技場の店員等が定期的に確認しなくても、不正メダルを適宜回収することができる。さらに、本実施例では、後述するように、営業終了時にメダル貯留ボックス194に所定量の不正メダルMが貯留されている場合に、その旨を店員に対して通知することができるようになっている。
また、本実施例における不正メダルとは、他店等の外部から持ち込まれたメダル(偽メダル)のみならず、自店において所定の領域で使用するメダルに対し他の領域で使用するメダルなども不正メダルに含まれる。例えば、1枚5円の価値を有する第1メダルを使用して遊技を行うスロットマシンが設置されている第1領域と、1枚20円の価値を有する第2メダルを使用して遊技を行うスロットマシンが設置されている第2領域と、が設けられている一の遊技場において、例えば、第2領域において第1メダルを持ち込んで使用する場合、貸出レートが低い第1領域にて借り受けた第1メダルを貸出レートが高い第2領域にて使用することで遊技者は不正に利益を得ることが可能となるため、このような場合、第2領域において第1メダルが不正メダルとなる。
また、筐体101における制御ユニット181の背面には、筐体101内に設けられた各種装置に電力を供給するための電源ユニット198が、筐体101の背面から突出するように設けられている。
図1に示すように、遊技者がスロットマシン1にて遊技を行う場合、紙幣挿入口110に紙幣を挿入することで、1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から排出され、ノズル150を介してスロットマシン1の下皿5に払い出されるため、これを使用して遊技を行うことができる。また、高額紙幣(2000円、5000円、10000円)が挿入された場合は、受付け中のビジターカードがなければ、1000円分のメダルMが払い出され、残額は新たに発行されるビジターカードに記録され、受付け中のビジターカードまたは会員カードがある場合には、該受付け金額が受付け中のビジターカードまたは会員カードの残額に加算更新される。また、受付け中のビジターカードまたは会員カードに1000円分以上のカード残額がある場合は、貸出ボタン116を押圧することで1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から払い出され、残額が減算更新される。また、受付け中の会員カードに所定数以上の貯蓄メダルがある場合には、暗証番号による認証がOKであることを条件に、再プレイボタン121を押圧することで1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から払い出され、貯蓄メダル数が減算更新される。
また、遊技者が遊技にてメダルMを獲得した場合、下皿5に払い出された獲得メダルを手で受入部140に投入することで、受け入れたメダルMは導入経路カバー141内を落下した後、計数装置190の導入部である計数口191に導入される。計数装置190内に導入されたメダルMは、該計数装置190内に設けられたフォトセンサ190eにより検出され、該メダル検出センサによりメダルMが検出されたことに基づいて、回転ディスク190gが駆動して導入されたメダル枚数が計数され、該計数されたメダル枚数が受付け中の会員カードやビジターカードから特定される持ちメダル数に加算更新されるとともに、計数されたメダルMは排出口192から遊技機設置島(図示略)内に排出される。
尚、本実施例では、計数装置190内に設けられたフォトセンサ190eによりメダルMが検出されたことに基づいて計数が開始されるようになっていたが、例えば開閉板102の前面に遊技者が操作可能な計数ボタン等を設け、該計数ボタンが操作されたことに基づいて計数が開始されるようにしてもよい。
遊技者が遊技を終了する場合、遊技者は返却ボタン114を操作して、受付け中(現金の投入によって発行されたビジターカードを含む)の会員カードやビジターカードを返却させる。遊技にて獲得して計数済みのメダル数(持ちメダル数)がある場合には、返却する会員カードまたはビジターカードのカードIDと持ちメダル数とを含む持ちメダル数更新要求がメダル管理コンピュータに送信されて、該会員カードまたはビジターカードのカードIDに対応する持ちメダル数に、メダル数更新要求に含まれる持ちメダル数が加算更新されるため、遊技場のカウンタ等において、会員カードまたはビジターカードから持ちメダル数を特定して、該持ちメダル数に相当する景品等に交換、または別の遊技に使用することができる。また、プリペイド残額がある場合には、遊技場に設置されている精算機(図示略)等にてプリペイド残額を精算することができる。
このように、本実施例のメダル貸出機100にあっては、対応するスロットマシン1にて遊技を開始する際にメダルMの貸出を実施するだけでなく、遊技の終了時に精算を実施することができるため、遊技者はスロットマシン1から移動することなく、遊技の開始及び精算を行うことができる。
次に、遊技者により投入されたメダルMを受け入れる受入部140について詳述する。図3に示すように、この受入部140は、導入経路カバー141の上端に設けられて上方に開口するようになっている。また、受入部140は、前述した導入経路カバー141を構成する前面板141aと、この前面板141aの左右側辺に設けられる側板141b,141cと、導入経路カバー141が取り付けられる開閉板102と、により形成されている。
図3に示すように、左右の側板141b,141cの上端縁の高さ位置は、それぞれ異なっており、左右の側板141b,141cには、所定の高低差が設けられている。更に、左右の側板141b,141cのうち左側の側板141bは、右側に設けられる側板141cよりも高く形成されている。尚、左側の側板141bの上端縁は、上方に膨出するように湾曲されて形成されるとともに、右側の側板141cの上端縁は、下方に凹むように湾曲されて形成されている。
また、図3に示すように、受入部140には、メダルMの受け入れを可能とする開放状態とメダルMの受け入れを不可能とする閉鎖状態とに開閉可能に設けられた蓋部材160(蓋体)が設けられている。そして、蓋部材160は、受入部140の開口140’を閉鎖する略板状をなす蓋板160aと、この蓋板160aの左右両側辺に設けられる蓋部材側板160b,160cと、を有している。尚、蓋部材160における左右の蓋部材側板160b,160cは、受入部140における左右の側板141b,141cの内側に重畳及び接触して配置されている。尚、本実施例では、導入経路カバー141の上端に形成される開口が受入部140の開口140’となっている。
また、蓋部材160の左右の蓋部材側板160b,160cは、導入経路カバー141における左右の側板141b,141cの前部側に設けられた枢軸孔149に対して枢支される枢軸を有しており、この枢軸を軸心として蓋部材160が前後方向に回動可能に取り付けられている。そして、蓋部材160は、枢軸を軸心として回動されることで、受入部140を開放する開放位置と、受入部140を閉鎖する閉鎖位置とで変位可能となっている。尚、蓋部材160は、開放位置において蓋板160aの前面側が前述の導入経路カバー141の前面板141aの上端縁に当接されることで、所定の開放角度に維持されるようになっている。
また、開放状態の蓋部材160の左右の蓋部材側板160b,160cの上端縁の高さ位置は、それぞれ異なっており、前述の導入経路カバー141の左右の側板141b,141cと同様に、上下寸法の高低差が設けられている。更に、前述の導入経路カバー141の左右の側板141b,141cと同様に、左右の蓋部材側板160b,160cのうち、左側の蓋部材側板160bは右側に設けられる蓋部材側板160bよりも高く形成されている。尚、左側の蓋部材側板160bの上端縁は、上方に膨出するように湾曲されて形成されるとともに、右側の蓋部材側板160cの上端縁は、下方に凹むように湾曲されて形成されている。尚、後述するように、右側の蓋部材側板160cの下端縁も凹むように湾曲されて形成されている。
また、導入経路カバー141の右側の側板141cの上端縁の湾曲形状と、蓋部材160の右側の蓋部材側板160cの上端縁の湾曲形状は略同一をなしており、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側の側板141b,蓋部材側板160cに湾曲した大きな凹みが形成される。この凹みは、導入経路カバー141の右側の側板141cと蓋部材160の右側の蓋部材側板160cとの間の継ぎ目の位置(図3中において側板141cと蓋部材側板160cとが重なる位置)に段差が生じないように、蓋部材160の開放状態で、右側の側板141cの上端縁と蓋部材側板160cの上端縁とが連続する湾曲形状に形成される。
尚、例えば、遊技者がスロットマシン1の下皿5に払い出されたメダルMを、右方側にある受入部140に投入する際には、下皿5にあるメダルMをメダル収容箱200に移し替え、メダル収容箱200を下皿5から取り外して受入部140に対して傾斜させることで、メダル収容箱200のメダルMを受入部140に投入することができるようになっている。その際に、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側、つまり、当該スロットマシン1の反対側の側板141c、蓋部材側板160cに湾曲した大きな凹みが形成されることで、遊技者がメダル収容箱200からメダルMを投入する際に、メダル収容箱200や、このメダル収容箱200を使わずに遊技者が右手で投入する場合にその右手が右側の側板141c、蓋部材側板160cに邪魔されにくくなり、メダルMの投入作業をスムーズに行うことができる。また、受入部140の左側、つまり、当該スロットマシン1側の側板141b、蓋部材側板160bが高く形成されることで、投入されたメダルMは、この高く形成された左側の側板141b、蓋部材側板160bに当たって受入部140内に導かれるようになるため、メダルMの飛散が防止される。
尚、本実施例では、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側の側板141c、蓋部材側板160cに湾曲した大きな凹みが形成されるようになっているが、この凹みの形状は、湾曲形状に限らず、受入部140の右側の側板141c、蓋部材側板160cに略V字形状に切り欠かれた大きな凹みとなっていてもよいし、矩形状の凹部として形成されていてもよい。
また、図3中1点鎖線で示すように、蓋部材160を閉鎖状態にしたときに、右側の蓋部材側板160cの上端縁となる部位(開放状態における右側の蓋部材側板160cの下端縁)は、凹むように湾曲されて形成されている。そして、導入経路カバー141の右側の側板141cの上端縁の湾曲形状と、蓋部材160の右側の蓋部材側板160cの上端縁の湾曲形状は、略同一をなしており、閉鎖状態にしたときに、この蓋部材側板160cの上端縁と導入経路カバー141の右側の側板141cの上端縁とが略面一をなすように、両側板141c、蓋部材側板160cが重なるようになっている。つまり、蓋部材160の右側の蓋部材側板160cは、導入経路カバー141の右側の側板141cに重畳されて覆われるようになっている。
図3に示すように、受入部140の蓋部材160が開放された状態では、メダルMを受け入れることができる間口140aが上方に開口する皿状に形成され、導入経路カバー141内の導入経路に向かって連通されている。また、この上面開口である間口140aは平面視略正方形に形成され、導入経路カバー141から前方に拡大して形成されている。
また、開閉板102における受入部140の間口140aに対応する位置には、計数装置190にてメダルMが計数された際に発光する発光部165が設けられている。尚、この発光部165は、開閉板102に設けられた横長長方形状の開口から前面側に露呈している。図4に示すように、計数装置190には、メダルMが計数された際に発光するLEDユニット190fが設けられ、開閉板102の背面側には、計数装置190のLEDユニット190fの発光を受光する受光部が設けられている。また、受光部には、導入された光を発光部165に導光する装飾用光ファイバ(図示略)が接続され、この光ファイバが開閉板102の背面に沿って上方に延設されて発光部165に接続されている。
このように発光部165を設けることで、メダルMが計数装置190で計数されていることを遊技者に知らせることができる。また、対応するスロットマシン1にてメダルMが払い出されていることを発光により周囲の遊技者に知らせることができるので、演出効果を高めることができるとともに、周囲の遊技者の視線を集めることで、不正なメダル(贋メダル)等が受入部140に投入されることを抑止できる。
また、LEDユニット190fを計数装置190に設けて、光ファイバによって発光部165までLEDユニット190fの発光を発光部165まで導くことで、計数装置190と開閉板102との間の配線を不要にできるので、発光部165に直接LEDランプを設けることと比較して、構造を簡略化することができ、開閉板102の着脱作業も容易となる。
図4は、本実施例のメダル貸出機100の構成を示すブロック図である。本実施例の制御ユニット181は、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)181aや、内部カードリーダライタ187に受付け中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、持ちメダル数、貯蓄メダル数、来店ポイント数、対応するスロットマシン1の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータを記憶可能なRAM181bや、中央演算処理回路(CPU)181aが実行する制御プログラムや、当該メダル貸出機100の装置IDを含む設定情報を書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM181cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)181dを含み、RAM181bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。また、制御ユニット181は、通信部184並びに前述したHUB70を介して各種コンピュータとの双方向のデータ通信が可能とされている。
また、制御ユニット181には、前述した紙幣識別ユニット180や、状態報知ランプ111や、内部カードリーダライタ187や、顔画像撮影カメラ188や、払出装置182が接続されている。更に、制御ユニット181には、後述するメダル情報の総メダル貯留数、自店メダル貯留数、偽メダル貯留数の値をリセットするためのリセットスイッチ186が接続されている。このリセットスイッチ186は、筐体101の内部に設けられ、筐体101の前面下部の開閉板102を開放した場合に操作できる。
この開閉板102の上端には、開閉板鍵106が設けられ(図1参照)、この開閉板鍵106により施錠することで、開閉板102がメダル貸出機100の前面側に取り外し不能に取り付けられる。尚、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)を開閉板鍵106に差し込まない限り、開閉板102を取り外せないようになっている。そして、リセットスイッチ186は、店員が後述するメダル貯留ボックス194を空にしたときに、押圧操作されるようになっている。
また、制御ユニット181には、貸出操作基板189が接続されており、この貸出操作基板189には、前述したカード残高表示部115に対応するカード残高表示器115’と、メダル貸出ボタン116に対応するメダル貸出ボタンスイッチ116’と、返却ボタン114に対応する返却ボタンスイッチ114’と、入金可ランプ113と、メダル貸出ランプ117と、メダル切れランプ118と、が設けられている。
また、制御ユニット181には、再プレイ操作基板185が接続されており、この再プレイ操作基板185には、前述した暗証番号表示部119に対応する暗証番号表示器119’と、テンキー120に対応するテンキースイッチ120’と、再プレイボタン121に対応する再プレイボタンスイッチ121’と、が設けられている。
また、制御ユニット181は、当該メダル貸出機100の下部位置に設けられている計数装置190に接続され、該計数装置190による各計数信号が入力可能とされている。この計数装置190からの計数信号の入力に応じて、各種テーブルの更新を行うようになっている。この計数装置190には、前述したメダル撮影カメラ190cや、流路切換器190dが設けられるとともに、発光部165に対応するLEDユニット190fが設けられている。さらに計数装置190には、メダル撮影カメラ190cで撮影したメダル画像等を一時的に記憶するメモリ190bや、これらのデバイスを制御し、かつメダルMの真贋を判定するコントローラ190aが設けられている。
本実施例のRAM181bに記憶されているカードテーブルには、カードリーダライタ187に挿入されたビジターカードや会員カードから読み出した(会員)カードIDと、会員ID(会員カードのみ)と、暗証番号(会員カードのみ)と、(会員)カードID並びにプリペイド残額データに基づくプリペイド残額と、カードIDから特定される持ちメダル数と、(会員)カードIDと会員IDから特定される貯蓄メダル数(会員のみ)と、会員IDから特定される来店ポイント数(会員のみ)と、が記憶される。尚、本実施例では、会員カードのみ暗証番号を設定できるようになっているが、ビジターカードにおいても暗証番号(例えば、1営業日限りまたは1回限り有効な暗証番号など)を設定できるようにし、該暗証番号を入力することで持ちメダル数を用いて再プレイできるようにしてもよい。
また、RAM181bに記憶されているカード受付け中遊技情報には、カードリーダライタ187に会員カードまたはビジターカードが挿入された時点からの遊技情報、つまり、該挿入された会員カードまたビジターカードを所持する遊技者の遊技に関する遊技情報が集計される。具体的には、遊技者が遊技を開始した開始時間(カードの受付け時刻)と、遊技者が遊技を終了した終了時間(カードの返却時刻)と、遊技者の遊技時間と、遊技者のカードを受付けてから使用した持ちメダル数を示す使用持ちメダル数と、遊技者のカードを受付けてから再プレイに使用した再プレイメダル数(会員のみ)と、遊技者のカードを受け付けてから計数装置190に投入されたメダルが不正メダルとして判定された場合にその不正メダルと判定された累積数を示す累積不正メダル数と、が記憶され、対応するスロットマシン1で遊技中の遊技者が遊技を開始してからの遊技情報を把握できるようになっている。
また、RAM181bに記憶されているメダル情報には、払出装置182から本日に払い出されたメダルの総数である払出総メダル数と、計数装置190に本日に投入されたメダルの総数である計数総メダル数(計数遊技媒体数)と、計数装置190にて不正メダルであると判定されたメダルの総数である総不正メダル数と、計数装置190にて不正メダルであると判定されてメダル貯留ボックス194に貯留されたメダルの総数である総メダル貯留数と、この総メダル貯留数のうち、自店の他の領域で用いられるメダルである自店メダルの貯留数を示す自店メダル貯留数と、他店等の外部から持ち込まれたメダルである偽メダルの貯留数を示す偽メダル貯留数と、が記憶される。また、RAM181bには、計数装置190に投入されたメダルが連続して不正メダルであると判定された場合に、1が加算更新(インクリメント)される連続不正メダルカウンタが設定されている。
次に、本実施例におけるスロットマシン1の下皿5に着脱可能に取り付けられるメダル収容箱200について、図5〜図15に基づいて説明する。図5は、メダル収容箱を示す斜視図である。図6は、メダル収容箱を示す平面図である。図7は、メダル収容箱を示す正面図である。図8は、メダル収容箱を示す背面図である。図9は、(A)はメダル収容箱を示す側面図であり、(B)は図7のA−A断面図である。図10は、メダル収容箱を下皿に取り付けた状態を示す縦断面図である。図11は、メダル収容箱を下皿に取り付けた状態を示す平面図である。図12は、図11のB−B断面図である。図13は、(A)は下皿からメダル収容箱へメダルを移し替えている状態を示す縦断面図、(B)は平面図である。図14は、メダル収容箱のメダルを受入部へ投入している状態を示す平面図である。図15は、(A)は下皿の前壁の前後幅寸法が約5mmの場合におけるメダル収容箱の下皿への取り付け状態を示す図であり、(B)は、下皿の前壁の前後幅寸法が約7mmの場合におけるメダル収容箱の下皿への取り付け状態を示す図である。図16は、下皿の前壁の前後幅寸法が約10mmの場合におけるメダル収容箱の下皿への取り付け状態を示す図である。
図5〜図9に示すように、メダル収容箱200は、メダル収容箱200の底壁を構成する平面視略多角形状(本実施例では六角形)をなす底板部201と、該底板部201の後辺に立設された後板部202と、底板部201の左側辺に立設された左側板部203aと、底板部201の右側辺に立設された右側板部203bと、底板部201の前辺に立設された前板部204と、底板部201の前左辺に立設された前左板部204aと、底板部201の前右辺に立設された前右板部204bと、により上面が開口する箱状に形成される本体210と、後板部202の上辺に形成される下向きフック状の係止体としての左右一対の係止体250,251と、から構成されている。これら底板部201、左側板部203a、右側板部203b、前板部204は、平面視略六角形状をなす底板部201の周縁にそれぞれ立設される周壁を構成している。尚、本実施例の底板部201は、各辺の角部に面取り加工が施されること等により該角部がR状になっているが、平面視略多角形状であれば、角部がこのようにR状になっているものもの含む。また、底板部201は必ずしも平面視略多角形状に形成されていなくてもよい。
尚、本実施例のメダル収容箱200の本体210は、後述する上面の開口220の左右幅寸法が約200mm、前後幅寸法が約113mm、上下幅寸法が約40mmとされており、所謂一般的なメダル収容箱よりもやや小型であり、後述するように下皿5に収容されたメダルMを、遊技を終了するときなどにメダル貸出機100の受入部140に投入するために移し替える収容箱として利用することを目的としている。
左側板部203aは、底板部201の左辺から上方に向けて左側(外側)に傾斜するように立設されている。また、右側板部203bは、底板部201の右辺から上方に向けて右側(外側)に傾斜するように立設されている。また、前板部204は、底板部201の前辺から上方に向けて前側(外側)に傾斜するように立設されている。また、後板部202は、特に図9(B)に示すように、底板部201の後辺から上方に向けて前側(内側)に傾斜するように立設されている。
前左板部204aは、底板部201の前左辺から上方に向けて左斜め前側に傾斜するように立設されており、前右板部204bは、底板部201の前右辺から上方に向けて右斜め前側に傾斜するように立設されている。このように、前板部204と左側板部203a、前板部204と右側板部203bとの間には、前左板部204a、前右板部204bが形成されている。また、左側板部203a及び右側板部203bは、底板部201の左右側辺からそれぞれ上方に向けて外側に傾斜するように立設されていることで、前板部204と左側板部203a、前板部204と右側板部203bの成す角度は鈍角のみの形状となる。つまり、本体210の前左右側角部が面取りされているとともに、左側板部203a、右側板部203bは下方に向けて内側に傾倒しているため、スロットマシン1において遊技を行っている遊技者の足等が本体210に接触しにくくなっている。
このように、底板部201の各辺に沿って後板部202、左側板部203a、右側板部203b、前板部204、前左板部204a、前右板部204bが立設されていることにより、特に図6中に2点鎖線で示すように、本体210の上面に平面視略六角形状をなす開口220が形成されている。尚、本実施例の開口220は、後板部202、左側板部203a、右側板部203b、前板部204、前左板部204a、前右板部204bの各角部に面取り加工が施されること等により角部がR状になっているが、平面視略六角形状であれば、角部がこのようにR状になっているものもの含む。また、開口220は必ずしも平面視略多角形状に形成されていなくてもよい。
また、後板部202の後面202Bにおける左右側には凹部202a,202bが形成されているとともに、後板部202の前面には、該凹部202a,202bに対応して一対の凸部202c,202dが形成されている。これら凸部202c,202dによって、後板部202の強度の向上が図られている。
前板部204の前面左右側には、図7に示すように、前方に突出する一対のリブ204c,204dが上下方向に向けて延設されており、これらリブ204c,204dによって前板部204の強度の向上が図られているとともに、特に図示しないが、メダル収容箱200を積み重ねる際に下方のメダル収容箱200の前板部204同士が密着して取れにくくなることが防止されている。さらに、前左板部204a、前右板部204bがあることで、積み重ねる際における左右の位置ずれが防止される。また、底板部201には、メダルMの直径よりも小径の円形の孔部240a〜240cが複数個所に形成されており、積み重ねる際における空気抜き及び水抜き用孔として機能しているとともに、底板部201上のゴミ等を落下させることができるようになっている。
左側板部203a及び右側板部203bの上辺は、前板部204、前左板部204a、前右板部204b、後板部202の上辺よりも低位置にある。また、前板部204、前左板部204a、前右板部204bの上辺は、後板部202の上辺よりも高位置にある。尚、左側板部203a、右側板部203b、前板部204、前左板部204a、前右板部204bの上部には、外側に屈曲された後に下向きに折り返されフランジ部が形成されていることで、本体210の強度が向上されている。
後板部202の上端辺における左右両端部には、メダル収容箱200を下皿5の前壁5aの上端に係止する左右一対の係止体250,251が形成されている。尚、左右の係止体250,251は左右対称形で同一構成のため、以下においては左側の係止体250についてのみ説明し、右側の係止体251についての説明は省略する。係止体250は、図6に示すように、後板部202の上端辺から延設される下向きフック状のフック片250aと、これらフック片250aの内外側辺にそれぞれ配設される内側壁250b及び外側壁250cと、から構成されている。フック片250aは横向き板状に形成され、内側壁250b及び外側壁250cは縦向き板状に形成されている。尚、係止体251は、フック片251aと内側壁251b及び外側壁251cとから構成されている。
図9及び図10に示すように、内側壁250b及び外側壁250cの端辺は、後板部202と平行をなすように上方に向けて漸次前側に傾斜する基部230aと、基部230aの上端から後方に向けて上側に傾斜する傾斜部231aと、傾斜部231aの後端から下方に折り返すように屈曲する折返し部232aと、を有している。尚、係止体251の内側壁251b及び外側壁251cの端辺は、基部230bと、傾斜部231bと、折返し部232bと、を有している。
このように係止体250は、前壁5aの上端に係止されるのは内側壁250b及び外側壁250cの端辺とされており、該内側壁250b及び外側壁250cの端辺を構成する基部230a、傾斜部231a、折返し部232aは下向きフック状に形成されている。詳しくは、傾斜部231aが前壁5aの上端面に載置するように当接され、折返し部232aが前壁5aの背面に沿って配置されることで前壁5aに係止されるようになっている。また、折返し部232aにおける上下方向の略中央位置には、該折返し部232aの下部側が上部側に対し後側にずれて形成されることにより係止段部260aが形成されており、後述するようにこの係止段部260aを利用して前壁5aに係止することも可能とされている。尚、係止体251の折返し部232bにおける上下方向の略中央位置には、係止段部260bが形成されている。
傾斜部231aは、その前後幅寸法L1(L1=約5mm、図9参照)が前壁5aの前後幅寸法L2(L2=約3mm、図10参照)よりも長寸に形成されているため、前壁5aの上端に係止したときに傾斜部231aが前壁5aの上端に当接するようになっている。
折返し部232aは、傾斜部231aによって、基部230a及び後板部202の後面202Bに対して後側に所定の隙間(例えば、前壁5aの前後幅寸法L2よりも長寸の隙間)を隔てて、上方から下方に向けて後側に傾斜するように形成されている。これにより、折返し部232aと、基部230a及び後板部202の後面202Bとの間の隙間が下方に向けて漸次幅広となるように形成されているので、前壁5aの上端に上方から係止しやすくなっている。
尚、本実施例では、係止体250は、フック片250aと内側壁250bと外側壁250cとにより側面視下向きコ字形に構成されることにより、フック片250aを肉厚にして強度を向上するよりも強度を維持しつつ軽量化が図られているが、前壁5aの上端に係止可能に構成されていれば、板状のフック片250aのみにより構成されていてもよい。
また、フック片250aの裏面における折返し部232aに対応する部位の下端には、前側に向けて突出するリブ233aが左右方向に向けて延設されている。また、フック片250aにおける折返し部232aに対応する部位の下端は、図8に示すように、背面視で左右幅寸法が上方から下方に向けて漸次短寸をなすように先細りテーパ状に形成されているため、係止体250を前壁5aに係止する際において下皿5内に貯留されているメダルMに接触したときに、係止体250の下端がメダルMを押し分けるようにして入り込むので、下皿5にメダルMが貯留されているときでも、大きな力を要せずして前壁5aに係止することができる。
また、係止体250のフック片250aの前面と前左板部204aとの間には、左側板部203aが前左板部204aよりも低いことによりメダルMを流出可能な側面視略上向きコ字形の流出部206aが形成され、係止体251のフック片251aの前面と前右板部204bとの間には、右側板部203bが前右板部204bよりも低いことによりメダルMを流出可能な側面視略上向きコ字形の流出部206bが形成されている。つまり、本体210の周壁における左側板部203a及び右側板部203bの上部が切欠かれることにより側面視略上向きコ字形の流出部206a,206bが形成されることで、後述するようにメダルMを流出するときに、これら前左板部204a、前右板部204bとフック片250a,251aの前面とによりメダルMがガイドされ、前後に散乱して零れ落ちないようになっている。尚、図14に示すように、この流出部206a,206bの前後幅寸法L11は約66mmとされ、メダル貸出機100の受入部140の開口140’の左右幅寸法L12(約90mm)よりも短寸とされている(L11<L12)。尚、本実施例では、流出部206a,206bの前後幅寸法L11は、受入部140の開口140’の左右幅寸法L12よりも短寸とされていたが、前後幅寸法L11と左右幅寸法L12とは略同一(例えば、誤差約1mm程度)としてもよい。
また、流出部206a,206bは本体210の左右両端部に形成されているので、本体210内に収納されているメダルMを受入部140に投入する際には、左右いずれの流出部206a,206bからでも受入部140にメダルMを投入することが可能となっている。尚、本実施例では、流出部206a,206bは左右側に形成されていたが、流出部206a,206bは左右のうちいずれか一方にのみ形成されていてもよいし、特に流出部を設けなくてもよい。
また、図6に示すように、左右の係止体250,251の内側壁250b,251bは、平面視において、前方に向けて互いに近づくように傾斜している(図6中1点鎖線P1に沿うように傾斜している)。つまり、内側壁250b,251bは、互いの離間幅寸法が前方に向けて漸次短寸となるようにテーパ状に形成されている。
さらに、図7に示すように、係止体250,251の内側壁250b,251bは、下方に向けて互いに近づくように傾斜している(図7中1点鎖線P2に沿うように傾斜している)。つまり、内側壁250b,251bは、互いの離間幅寸法が下方に向けて漸次短寸となるようにテーパ状に形成されている。
次に、メダル収容箱200が下皿5に取り付けられたときの態様について、図10〜図12に基づいて説明する。
図10に示すように、本実施例において、本体210の開口220は、前板部204、前左板部204a、前右板部204b、左側板部203a、右側板部203b、後板部202それぞれの上辺のうち最も高さが低い左側板部203a、右側板部203bの上辺に沿うように設けられているものとする(図中に示す線分Cに沿うように設けられている)。また、開口220は、底板部201に対し平行をなしている。尚、左側板部203a、右側板部203b以外の前板部204、前左板部204a、前右板部204b、後板部202のいずれかの上辺に沿うように設けられているものとしてもよい。
そして、本体210は、開口220の後辺220a、言い換えると、後板部202における開口220に臨む辺(後板部202における線分Cと交差する辺)から該開口220に対し直交する垂線である線分Dよりも後側に膨出する膨出部210Aを有している。具体的には、膨出部210Aは、下方に向けて漸次後側に膨出するように、側面視略三角形状に形成されている。つまり、後板部202は、上辺から下辺に向けて漸次後側に傾斜するように開口220に対し傾倒して設けられているため、本体210の後側に、線分D(後辺220a)よりも後側に膨出する膨出部210Aが形成される。また、後板部202は開口220に対し傾倒しているとともに、底板部201に対し開口220が平行をなすことで、底板部201と後板部202との内角θ1は90度未満とされている。
このように構成されたメダル収容箱200を下皿5の前壁5aに取り付けるには、図10〜図12に示すように、左右の係止体250,251を上方から前壁5aの上端に係止する。具体的には、折返し部232a,232bと後板部202の後面202Bとの間に前壁5aを差し込むようにして係止する。
そして、前壁5aの上端に傾斜部231a,231bと折返し部232a,232bとからなる係止部が係止されると、本体210は、傾斜部231aと折返し部232aとの境界位置(傾斜部231bと折返し部232bとの境界位置)である境界部Kを支点として、自重により前側が下方に下降する方向に揺動しようとするが、後板部202の後面202Bの下部、つまり、膨出部210Aの後面における所定の当接部Tが前壁5aの前面下部に当接することにより揺動が規制され、所定の姿勢に維持される。
ここで、本体210は開口220の後辺220aよりも後側に膨出する膨出部210Aを有することで、下皿5の前壁5aが前傾していても(例えば、垂線に対して約5度傾斜)、該前壁5aの上端に係止体250,251を係止したときに、後板部202の後面202Bの下部所定箇所である当接部Tが開口220の後辺220aよりも後側で前壁5aの前面5bと当接することにより、本体210の上部左右側の係止体250,251と下部の当接部Tとの3点で支持され、係止体250,251を中心とした本体210の開口220の前側の下方への傾倒が規制されるとともに、係止体250,251の傾斜部231a,231bに対し本体210の開口220の前側が上方に傾倒しているため、本体210は、開口220の前側が後側よりも上方に位置するように傾斜して配置される姿勢で支持される。つまり、開口220の前側が水平面(図示略)に対し上方に位置するように傾倒する。よって、前壁5aの上端が前側に傾倒していても、本体210の開口220の前側が下方に傾いてメダルMが零れ落ちやすくなることが防止される。
具体的には、メダル収容箱200が下皿5に取り付けられている状態において、開口220は、傾斜部231aと折返し部232a(または傾斜部231bと折返し部232b)との境界部Kと後板部202の後面202Bにおける前壁5aの前面5bとの当接部Tとを結ぶ線分Aに直交する前後方向を向く線分Bに対し、後側よりも前側が上方に位置するように傾倒するように構成されている。つまり、境界部Kと当接部Tとを通る上下方向を向く線分Aは、実質的に前壁5aに沿う線分であるため、前壁5aの傾斜角度が異なる場合であっても、少なくともこの線分Aに対し直交する線分Bよりも開口220の前側が下方に傾倒しないように本体210を形成しておけば、前壁5aに係止したときに開口220の前側が下方に大きく傾いてしまうことを防止できる。尚、線分Bは、境界部Kを通る線分とされているが、境界部K以外の点を通過する線分であってもよい。また、当接部Tは、前壁5aの傾斜角度や高さ、膨出部210Aの形状等に応じて種々に変更可能である。
このように、本実施例におけるメダル収容箱200は、前壁5aの上端に係止体250,251を係止したときに後板部202の後面202Bの少なくとも一部である当接部Tが前壁5aの前面5bに当接することで、本体210の開口220が上向きに支持される、つまり、開口220の前側が後側よりも上方に位置するように支持される。よって、遊技者が下皿5のメダルMを手前側に掻き出すようにしてメダル収容箱200内に移し替えても、前板部204の上辺が前壁5aの上端とほぼ同じ高さ位置に保持されていることで、該メダル収容箱200内のメダルMがメダル収容箱200の前方から零れ落ちてしまうことが防止される。さらに、前壁5aに係止した状態で底板部201が後方に向けて下側に傾斜することで、本体210内に収容されたメダルMが膨出部210A側に偏り、後板部202の当接部Tが前壁5aの前面5bに圧接されるため、本体210が安定して支持される。
また、図11及び図12に示すように、メダル収容箱200が下皿5に取り付けられている状態では、後板部202の上辺は下皿5の前壁5aの上端よりも下方位置に配置される。さらに、図11に示すように、前壁5aが、平面視において左右方向の中央部が前側に膨出するように緩やかに湾曲しているとともに、後板部202の後面が平坦面である場合、当接部Tは、後板部202の後面202Bにおける左右方向に延設されず、後板部202の後面202Bにおける左右方向の略中央部のみとなるが、左右の係止体250,251により3点で支持されることで、係止された状態で本体210の左右側が前後方向に揺動することがなく、安定して支持される。また、図12に示すように、後板部202の上辺は前壁5aの上端よりも下方に位置する。
次に、メダル収容箱200が下皿5に取り付けられている状態において、下皿5からメダル収容箱200へメダルMを移し替えた後、メダル収容箱200内のメダルMを受入部140に投入する際の態様を、図13〜図14に基づいて説明する。
図13(A)(B)に示すように、下皿5に払い出されたメダルMをメダル収容箱200へ移し替える場合は、先ず、遊技者が自身の手によって下皿5内のメダルMを手前側に掻き出すようにして、メダルMを前壁5aの後面の傾斜に添ってメダル収容箱200側に移動させて前壁5aを乗り越えさせる。このとき、後板部202の上辺は、前壁5aの上端よりも下方に配置されているため、メダルMを後板部202の上辺に引っかけること無く前壁5aを乗り越えさせることができる。
また、左右の係止体250,251における対向面に内側壁250b,251bが立設されていることで、前壁5aの上端に係止体250,251を係止したときに、前壁5aの前面5b、上端面、背面から外側に張り出すように内側壁250b,251bが立設されることで、左右の係止体250,251の間でメダルMを移し替える際に、これら左右の内側壁250b,251bが落下防止壁の役割を果たすため、前壁5aを乗り越えさせてメダルMを移し替える際に本体210の左右側からメダルMが零れ落ちにくくなる。
また、互いに対向する内側壁250b,251bは、平面視において、前方に向けて互いに近づくように傾斜していることで(図6中1点鎖線P1参照)、下皿5内のメダルMを手前側に移し替える際に下皿5側の間口が大きくなり、かつ、手前側にある本体210側に向けて掻き出されたメダルMが中央に寄せられるようにガイドされるため、メダルMが本体210の左右側から零れ落ちにくくなる。さらに、互いに対向する内側壁250b,251bは、下方に向けて互いに近づくように傾斜していることで(図7中1点鎖線P2参照)、下皿5内のメダルMを手前側に移し替える際に内側壁250b,251b間における上側の間口が大きくなるため、上方から内側壁250b,251b間に手を差し込みやすく、また、視認しやすいので、メダルMを移し替えやすくなる。
下皿5のメダルMの一部または全てをメダル収容箱200へ移し替えた後、メダル収容箱200を上昇させることで係止体250,251による係止状態が簡単に解除されるので、下皿5からメダル収容箱200を容易に取り外すことができる。次いで、図14に示すように、例えば、メダル収容箱200の右側の流出部206bを受入部140に向け、他方の流出部206a側を上昇させることにより、メダル収容箱200内のメダルMが右側板部203b及び前右板部204bの傾斜に添って流出部206bに誘導され、該流出部206bから受入部140内に投入される。尚、メダル収容箱200の左側の流出部206aを受入部140に向け、他方の流出部206b側を上昇させることにより、メダル収容箱200内のメダルMを受入部140内に投入してもよい。
また、このようにメダル収容箱200のメダルMを流出部206bから受入部140内に投入する際に、本体210を図14において平面視右側、つまり、前板部204側を下方に傾倒させることで、後板部202と底板部201との間の鋭角な角部内に入り込んだメダルMが右側の前板部204側に誘導されやすくなるとともに、前板部204側に誘導されたメダルMが前右板部204bにより流出部206b側にスムーズに誘導するようになるので、後板部202の反対側(前側)に前右板部204bが配置されていることで、膨出部210Aの内側に入り込んだメダルMをスムーズに流出部206bに誘導して流出させることができる。
また、本実施例では、前述したように、前後幅寸法(厚み)L2が約3mmの前壁5aへ係止体250,251を係止することでメダル収容箱200を下皿5に取り付けているが、メダル収容箱200は、前壁5aの前後幅寸法L2が3mm以下または3mm以上であっても下皿5に対して取り付けることが可能となっている。
具体的には、図15(A)に示すように、前壁5aの前後幅寸法が例えば約5mm(前後幅寸法L2’=約5mm)である場合、係止体250,251の傾斜部231a,231bの前後幅寸法L1は約5mmで略同一であることで、傾斜部231a,231bが前壁5aの上端に当接されるため、前壁5aの前後幅寸法L2が約3mmである場合と同様にメダル収容箱200の下皿5への取り付けを行うことができる。このように、傾斜部231a,231bの前後幅寸法L1は前壁5aの上端の前後幅寸法L2’と略同寸であってもよい。尚、略同寸とは、例えば、前後幅寸法L1と前後幅寸法L2’との誤差が例えば約1mm範囲内であるものを含む。このように、前壁5aの前後幅寸法2が約5mm以下である場合は、図10や図15(A)に示すように傾斜部231a,231bを前壁5aの上端に当接させた状態で係止することができる。
また、図15(B)に示すように、前壁5aの前後幅寸法が約7mm(前後幅寸法L2’’=約7mm)である場合は、傾斜部231a,231bを前壁5aの上端に当接するようにして係止することはできないが、折返し部232a,232bは、下方に向けて漸次後側に傾斜していることで、前壁5aの前後幅寸法L2’’に応じて、折返し部232a,232bにおける係止段部260a,260bの上方位置と基部230a,230bとの間で前壁5aを挟み込みようにして係止することができる。このように、前壁5aの前後幅寸法が約6mm以上9mm以下である場合は、図15(B)に示すように、折返し部232a,232bと基部230a,230bとの間で前壁5aを挟み込みようにして係止することができる。
また、図16に示すように、前壁5aの前後幅寸法が例えば約10mm(前後幅寸法L2’’’=約10mm)である場合は、折返し部232a,232bに係止段部260a,260bが形成されていることで、折返し部232a,232bの下側における後板部202の後面202Bとの離間幅が上側よりも広がっているため、この係止段部260a,260bを前壁5aの上端に当接するようにして係止することができる。また、この場合、フック片250a,251aの下部における後板部202との対向部に設けられているリブ233a,233bが前壁5aの背面に当接する。このため、メダル収容箱200に該メダル収容箱200が下皿5から脱落する方向に負荷がかかったとしても、リブ233a,233bと前壁5aとの間に生じる摩擦力によってメダル収容箱200の下皿5に対する取り付けを維持することが可能となっているとともに、メダルMがフック片250a,251aと前壁5aとの間に入り込むことが防止される。
このように、メダル収容箱200は、遊技機の一例であるスロットマシン1の製造メーカーや機種が異なることで、前壁5aの傾斜角度や高さや肉厚が異なる場合でも、これらに応じた態様で係止体250,251を係止して当接部Tを前面5bに当接させて支持することができるようになっている。
以上、本発明の実施例としてのメダル収容箱200にあっては、係止体250,251は、本体210の開口220に対し後方に向けて上側に傾斜する傾斜部231a,231bと、傾斜部231a,231bの先端から下向きに延びる折返し部232a,232bと、を含み、本体210は、開口220の後辺220aよりも後側に膨出する膨出部210Aを有することで、遊技媒体貯留部としての下皿5の前壁5aが前傾していても、該前壁5aの上端に係止体250,251を係止したときに後板部202の後面202Bが開口220の後辺220aよりも後側で前壁5aの前面5bと当接することにより、係止体250,251を中心とした本体210の開口220前側の下方への傾倒が規制されるとともに、係止体250,251の傾斜部231a,231bに対し開口220の前側が上方に傾倒しているため、前壁5aの傾倒に応じて本体210の開口220の前側が下方に傾いてメダルMが零れ落ちることが防止される。
また、本体210の後側に膨出部210Aが形成されていることで、前壁5aに係止したときに本体210が所定の姿勢、つまり、開口220の前側が後側よりも上方に傾倒するまたは略水平となる姿勢で支持されるため、遊技者が脚でメダル収容箱200を下方から支えたりしなくても開口220が上方を向くのでメダルMを移し替えやすい。さらに、メダルMの収容スペースが後側に向けて張り出すように形成されるため、例えば、後板部202の後面202Bに突出部を形成して当接部Tを構成した場合に比べて、メダルMの収容スペースを遊技者の脚等が邪魔にならない本体後側に確保することができるようになる。
また、本実施例では、前壁5aの上端に係止体250,251を係止したときに、開口220の前側が後側よりも上方に傾倒するように本体210が支持されるようになっていたが、開口220は略水平に配置されても良いし、前側が後側よりも若干下方に傾倒するように本体210が支持されても良い。尚、この場合、開口220は線分Cに対し前側が下方に位置しない程度の傾倒とすることが好ましい。
また、傾斜部231a,231bの長さ(前後幅寸法L1)は、前壁5aの上端の厚み幅寸法(前後幅寸法L2)よりも長寸または前壁5aの上端の厚み幅寸法(前後幅寸法L2’)と略同寸に形成されていることで、係止したときに傾斜部231a,231bが前壁5aの上端に当接するので、安定性が向上する。
また、開口220は、傾斜部231a,231bと折返し部232a,232bとの境界部Kと当接部Tとを結ぶ線分Aに直交する前後方向を向く線分Bに対し、後側よりも前側が上方に位置するように傾倒することで、開口220の前側が下方に傾いてメダルMが零れ落ちやすくなることが防止される。
また、折返し部232a,232bは、境界部Kから下方に向けて後側に傾斜していることで、後板部202の後面202Bと折返し部232a,232bとの間口が広がるため、前壁5aに係止しやすくなる。
後板部202の左右側に互いに離間した2つの傾斜部、つまり、左右の係止体250,251それぞれの傾斜部231a,231bと該2つの傾斜部からそれぞれ延びる2つの折返し部232a,232bと、が形成されていることで、下皿5のメダルMを左右の傾斜部231a,231b及び折返し部232a,232bの間から本体210に移し替えることができるので、移し変えの際に係止体250,251が邪魔になることがない。
また、係止体250,251は、メダルMの落下を防止する落下防止壁としての内側壁250b,251bが立設されていることで、下皿5のメダルMを本体210に移し替えるときにメダルMが落下することが防止される。
係止体250,251は、折返し部232a,232bの一部に、前壁5aの上端に係止可能な係止段部260a,260bが形成されていることで、厚み幅の違う前壁5aにも対応して係止することができる。尚、本実施例では、折返し部232a,232bの一部に前壁5aの上端に係止可能な係止段部260a,260bが形成されていたが、傾斜部231a,231bの少なくとも一部に係止段部が形成されていてもよい。また、係止段部は複数個所に形成されていてもよい。
また、折返し部232a,232bの下端における後板部202との対向面(対向部)には該後板部202に向けて突出する突出部であるリブ233a,233bが形成されていることで、下皿5からメダルMを取り出すときに折返し部232a,232bと前壁5aとの間にメダルMが進入して挟まってしまうことが防止される。
また、本実施例では、メダル収容箱200の本体210は、底板部201は平面視略六角形に形成されていたが、平面視六角形以外の多角形状に形成されていてもよいし、平面視多角形以外の形状に形成されていてもよい。
また、本実施例では、係止体250,251は後板部202の上辺長手方向左右端部に形成されていたが、1箇所に形成されていてもよいし、2箇所以上形成されていてもよい。
図17には、変形例としてのメダル収容箱200Aが示されている。図17は、本発明の変形例としてのメダル収容箱を示す斜視図である。尚、本変形例において、前記実施例に記載のメダル収容箱200と同様の構成部位には同様の符号を付すことでその詳細な説明は省略するものとする。
本変形例におけるメダル収容箱200Aは、本体210における後板部202の上辺に、一の係止体250Aが形成されている。係止体250Aは、左右幅寸法が後板部202の上辺の左右幅寸法と同寸の板部材にて下向きフック状に形成されており、その裏面は、後板部202と平行をなすように上方に向けて漸次前側に傾斜する基部230cと、基部230cの上端から後方に向けて上側に傾斜する傾斜部231cと、傾斜部231cの後端から下方に折り返すように屈曲する折返し部232cと、を有している。また、係止体250Aの左右側には、メダルMの落下を防止する落下防止壁270a,270bが上方及び後方に向けて立設されている。
このように本発明にあっては、本変形例に示すように、係止体250Aは1つのみ形成されていてもよい。また、係止体250Aは、左右幅寸法が後板部202の上辺の左右幅寸法と同寸の板部材にて構成されていることで、下皿5のメダルMを係止体250Aを乗り越えるようにして本体210に移し替えることができるので、移し替えの際に前壁5aと後板部202との間からメダルMが零れ落ちることがないとともに、後板部202の上部が長手方向にわたり下向きフック状に形成されることで本体210の強度が向上する。尚、係止体は、本変形例の係止体250Aのように左右幅寸法が後板部202の上辺の左右幅寸法と同寸の板部材にて構成されていなくても、後板部202の上辺の左右幅寸法よりも短寸であってもよい。
また、前記実施例では、係止体250,251は、後板部202の上辺から上方に向けて延設された基部230a,230bを有し側面視下向き略U字形に形成されていたが、少なくとも傾斜部231a,231bと折返し部232a,232bとを有していれば、基部230a,230bはなくてもよい。つまり、側面視略L字形に形成されていてもよい。
また、本実施例では、傾斜部231a,231bと折返し部232a,232bとは、内側壁250b,251bと外側壁250c,251cの端辺に形成されていたが、フック片250a,251aの裏面に形成されていてもよい。また、これら傾斜部231a,231bと折返し部232a,232bとは直線状に形成され、互いの境界部Kが屈曲部として形成されていたが、傾斜部231a,231bと折返し部232a,232bとが連続する一の曲線(曲面)にて形成されていてもよい。
また、本実施例では、本体210の膨出部210Aは、下方に向けて漸次後側に膨出するように形成されていたが、開口220の後辺220a(線分D)よりも後側に膨出していれば、例えば、開口220に対し直交して設けられた後板部202の後面202Bの一部が後側に膨出しているもの等も含む。つまり、後板部202は必ずしも開口220に対し直交するように形成されていなくてもよい。また、底板部201は、必ずしも開口220に対し平行に配置されていなくてもよい。
また、本実施例では、メダル収容箱200は、下皿5のメダルMをメダル貸出機100の受入部140に投入するために一時的にメダルを収容する際に使用するものとして記載されていたが、例えば、サイズを大型化して、所謂一般的なメダル収容箱のように下皿5のメダルを遊技場の計数器等に投入するまで収容しておくメダル収容箱にも適用可能である。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、本発明の遊技機の一例として、遊技用価値としてメダル(遊技媒体)やクレジット等を用いて遊技を行うスロットマシン1を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、払い出された遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部を有しているものであれば、遊技用価値としてパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行うスロットマシンであってもよいし、パチンコ遊技機や雀球遊技機等も適用可能である。