[スロットマシンおよび遊技用装置の構成]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
図1および図3に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。
図2に示すように、リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、物理的なリールに限らず、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられている。前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53,54が設けられている。
前面扉1bには、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。なお、ストップスイッチ8L,8C,8Rおよび演出用スイッチ56は、後述するRTC(リアルタイムクロック)97が計時する日時に対応する情報(以下、日時情報とも称する)を更新する際にも操作される。
前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、およびリプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示する。トップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
スロットマシン1の上方には、遊技に関する制御を行う遊技用装置として、データ表示器200が設置されている。データ表示器200は、スロットマシン1で遊技者が遊技した履歴に関する情報を表示する。本実施の形態において、データ表示器200は、スロットマシン1と通信可能に接続されており、データ表示器200の制御部(図示は省略する)は、遊技者が有利となる大当りが発生したこと(本実施の形態においては、後述するAT(アシストタイム)に制御されたこと)を特定するための大当り信号をスロットマシン1から受信する。データ表示器200の制御部は、受信した大当り信号に基づき、カウンタを用いて、開店時からの大当り回数を算出する。
また、データ表示器200は、現在の日時(日付および時刻)を計時するRTC(図示は省略する)を備えている。RTCは、通常、データ表示器200に電源が供給されているときにはデータ表示器200からの電源によって動作し、データ表示器200への電力供給が遮断(以下、電断とも称する)されているときには、リチウムイオン二次電池などのバックアップ電源から供給される電源によって動作する。
また、データ表示器200の制御部は、RTCから出力された現在の日付を特定可能な日付情報および時刻を特定可能な時刻情報を含む日時情報を取得して、最後に発生した大当りの発生時刻を特定する。さらに、データ表示器200は、前面に画像を表示する表示部212を備えており、制御部の制御によって、開店時からの大当り回数を示す文字画像と、最後に発生した大当りの発生時刻を示す文字画像とを表示する。
スロットマシン1の隣には、遊技に関する制御を行う遊技用装置として、台間機300が設置されている。台間機300は、紙幣を挿入することができる一方で、遊技者に対して発行されるプリペイド機能を備えるプリペイドカードも挿入することができ、挿入された紙幣またはプリペイドカードに記憶されている残高に応じて、遊技者にメダルを貸し出す。具体的に、台間機300は、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、プリペイドカードを挿入するためのカード挿入/排出口309と、メダルの貸し出し操作を行うためのメダル貸ボタン321と、挿入されたプリペイドカードの返却操作を行うためのカード返却ボタン322と、貸し出されたメダルが排出されるメダル排出口330と、排出されたメダルを貯留するメダル受け皿335とが設けられている。遊技者が紙幣挿入口302に紙幣を挿入するか、もしくはカード挿入/排出口309にプリペイドカードを挿入した後に、メダル貸ボタン321を押圧すると、メダル排出口330から所定枚数のメダルが排出されてメダル受け皿335に貯留される。遊技者は、排出されたメダルを用いてスロットマシン1で遊技を行うことができる。なお、貸し出されたメダルは、台間機300から排出されるものに限らず、スロットマシン1のメダル払出口9から直接払い出されるものであってもよい。
また、台間機300は、設置される遊技店で行われるイベントや導入機種の宣伝やスポンサーとなっているメーカの商品の宣伝など、各種宣伝に関する情報を表示する。台間機300は、現在の日時(日付および時刻)を計時するRTC(図示は省略する)を備えている。RTCは、通常、台間機300に電源が供給されているときには台間機300からの電源によって動作し、台間機300への電力供給が遮断(以下、電断とも称する)されているときには、リチウムイオン二次電池などのバックアップ電源から供給される電源によって動作する。
また、台間機300の制御部(図示は省略する)は、RTCから出力された現在の日付を特定可能な日付情報および時刻を特定可能な時刻情報を含む日時情報を取得する。さらに、台間機300は、予め宣伝に関する情報を記憶する記憶部(図示は省略する)と、前面に画像を表示する表示部312とを備えており、制御部の制御によって、宣伝を行う時刻となったときに、予め記憶された宣伝情報に基づき、宣伝に関する文字画像を表示する。
図3および図4に示すように、スロットマシン1には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板91、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた情報を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。外部出力基板1000は、メイン制御基板40に接続されており、メイン制御基板40から一方的に信号を受信する。たとえば、外部出力基板1000は、メイン制御部41から遊技の進行に応じて大当りが発生したことを特定可能な情報を含んだ信号を受信する。さらに、外部出力基板1000は、データ表示器200と有線または無線を介して通信可能であり、メイン制御部41から大当りが発生したことを特定可能な情報を受信したときに、データ表示器200に対して大当り信号を送信する。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L,33C,33Rからの信号に基づき、リールモータ32L,32C,32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。演出制御基板90は、遊技制御基板40と通信ライン(図示は省略)で接続されており、サブ制御部91は、通信ラインを介してメイン制御部41から一方的に信号を受信する。サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備えている。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
演出制御基板90には、リセット回路95が設けられている。リセット回路95は、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブ制御部91に対してリセット信号を出力する。サブ制御部91は、リセット回路95からリセット信号が入力されることを条件に、後述の起動処理(サブ)を実行する。
演出制御基板90には、電断検出回路98が設けられている。電断検出回路98は、スロットマシン1に供給される電力を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する。サブ制御部91は、電断検出回路98から電圧低下信号が入力されることを条件に、後述の電断処理(サブ)を実行する。
演出制御基板90には、RTC97が設けられている。RTC97は、現在の時刻を計時し、出力する。サブ制御部91は、RTC97が出力する現在の日付を特定可能な日付情報および時刻を特定可能な時刻情報を含む日時情報を取得し、取得した日時情報に基づいて各種処理を実行する。日付情報としては、少なくとも現在の「年」,「月」,「日」,「曜日」の情報が含まれる。時刻情報としては、少なくとも現在の「時」,「分」,「秒」の情報が含まれる。
さらに、演出制御基板90には、バックアップ電源99が設けられている。RTC97は、通常、スロットマシン1に電源が供給されているときにはスロットマシン1からの電源によって動作し、スロットマシン1への電力供給が遮断(以下、電断とも称する)されているときには、リチウムイオン二次電池などのバックアップ電源99から供給される電源によって動作する。従って、RTC97は、電断中であってもバックアップ電源99からの電力供給で現在の日時を計時することができる。
RTC97は、たとえば、水晶発振子を内蔵したシリアルインタフェース方式のリアルタイムクロックモジュールとして実現される。RTC97は、水晶発振子、出力制御部、割込制御部、バス/インタフェース回路、クロック出力/カレンダ機能部、アラームレジスタ、タイマレジスタ、コントロールレジスタ、およびシフトレジスタを含む。
水晶発振子は、所定の発振周波数(たとえば、32.768kHz)の発振信号を出力する。クロック出力/カレンダ機能部は、水晶発振子からの発振信号に基づいてクロック信号を出力する機能を備える。また、クロック出力/カレンダ機能部は、水晶発振子からの発振信号に基づいて日時や時刻を計時する機能を備える。
シフトレジスタは、クロック出力/カレンダ機能部が計時する日付や時刻をシリアルデータに変換してバス/インタフェース回路に出力する機能を備える。
バス/インタフェース回路は、サブ制御部91と通信ライン(図示は省略)で接続されており、サブ制御部91との間で双方向に通信可能である。バス/インタフェース回路は、シフトレジスタからの入力に基づいて、計時された現在の日時を特定可能な日付情報や時刻情報をシリアルデータとして出力する機能を備える。さらに、バス/インタフェース回路は、外部(たとえば、サブ制御部91)から入力された指示コマンド(たとえば、後述する所定のフラグをオンまたはオフするためのコマンド、およびRTCが計時した日時を設定するためのコマンドなど)をシリアルデータとして入力する機能を備える。
出力制御部は、水晶発振子からの発振信号に基づいて、あらかじめ設定された周波数のクロック信号(FOUT)を出力する機能を備える。たとえば、出力制御部は、周波数設定レジスタを備え、外部入力(FOE)に基づいて周波数設定レジスタにあらかじめ周波数を設定する。そして、出力制御部は、周波数設定レジスタに設定された設定周波数に基づいてクロック信号(FOUT)を出力する。
割込制御部は、アラームレジスタ内のアラーム領域に記憶された設定値(アラーム時刻)に基づいて、所定の時刻にアラームとしての割込信号(AIRQ)を出力するアラーム機能を備える。アラーム機能を動作させると、RTC97が計時した日時に基づき、設定時刻において、アラーム情報として割込信号(AIRQ)がサブ制御部91に対して出力される。サブ制御部91は、RTC97からアラーム情報を受信することによって、設定時刻で演出などの所定制御を行うことができる。なお、本実施の形態においては、RTC97のアラーム機能は動作していないが、後述するアラーム出力フラグをセット(オン)すれば、アラーム機能を動作させることができる。
割込制御部は、タイマレジスタ内のタイマ領域に記憶された設定値(定周期割込時刻)に基づいて、所定周期毎に割込信号(TIRQ)を出力するタイマ機能を備える。タイマ機能を動作させると、RTC97が計時した日時に基づき、定期的に、タイマ情報として割込信号(TIRQ)がサブ制御部91に対して出力される。サブ制御部91は、RTC97からタイマ情報を受信することによって、設定時刻で定期的に演出などの所定制御を行うことができる。なお、本実施の形態においては、RTC97のタイマ機能は動作していないが、後述するタイマ出力フラグをセット(オン)すれば、タイマ機能を動作させることができる。
また、RTC97は、イネーブル信号(CE)の入力がハイレベルとなったときに、外部(たとえば、サブ制御部91や後述する更新専用装置)からのアクセスが可能となる。たとえば、RTC97の各レジスタ内の記憶領域に記憶された設定値をセットしたり、RTC97が計時する日時を外部から調整したりする場合には、イネーブル信号(CE)の入力がハイレベルとされアクセス許可状態とされて、外部からコマンドが入力される。なお、サブ制御部91は、スロットマシン1の電断による電圧低下を検出したときには、イネーブル信号(CE)をローレベルにしてRTC97をアクセス非許可状態とする。このとき、RTC97は、バックアップ電源99からの電力供給で動作するバックアップ状態に移行する。その後、サブ制御部91は、スロットマシン1の電力供給が復帰(以下、復電とも称する)して電圧上昇を検出したときには、再びイネーブル信号(CE)をハイレベルにしてRTC97をアクセス許可状態とする。
[RTCの記憶領域]
RTC97は、各種の情報を記憶領域に格納する。図5に示すように、RTC97の記憶領域には、時刻格納領域と、アラーム領域と、タイマ領域と、フラグ領域とが含まれる。
時刻格納領域は、RTC97が計時した日時を所定の日時情報の形式で記憶するための領域である。RTC97は、単位更新時間毎に時刻格納領域の日時情報を書き替える。具体的に、RTC97は、水晶発振子からの発振信号に基づいて1秒を単位更新時間として生成し、1秒毎に日時情報の更新を行う。なお、時刻格納領域に格納されている情報は、外部(たとえば、サブ制御部91)から入力された指示コマンドに基づき書き替えることが可能である。RTC97は、「年」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、「秒」などの日時情報を有し、各日時情報には、時刻格納領域の8ビットずつが割り当てられ、それぞれの形式で記憶されている。
たとえば、秒(SEC)を表す格納領域として、時刻格納領域には、ビット0〜ビット7が設けられている。ビット0が1s分を表し、ビット1が2s分を表し、ビット2が4s分を表し、ビット3が8s分を表し、ビット4が10s分を表し、ビット5が20s分を表し、ビット6が40s分を表す。なお、ビット7は、常に“0”が読み出される。
このような時刻格納領域において、たとえば、59sを表すには、ビット6とビット4とに“1”を格納する(ビット5には“0”を格納する)ことにより、50sを表し、ビット3とビット1とに“1”を格納する(ビット2とビット0には“0”を格納する)ことにより、9sを表す。
分(MIN)を表す格納領域として、時刻格納領域には、ビット0〜ビット7が設けられている。ビット0が1m分を表し、ビット1が2m分を表し、ビット2が4m分を表し、ビット3が8m分を表し、ビット4が10m分を表し、ビット5が20m分を表し、ビット6が40m分を表す。なお、ビット7は、常に“0”が読み出される。
時(HOUR)を表す格納領域として、時刻格納領域には、ビット0〜ビット7が設けられている。ビット0が1h分を表し、ビット1が2h分を表し、ビット2が4h分を表し、ビット3が8h分を表し、ビット4が10h分を表し、ビット5が20h分を表す。なお、ビット6およびビット7は、常に“0”が読み出される。
曜日(WEEK)を表す格納領域として、時刻格納領域には、ビット0〜ビット7が設けられている。ビット0が月曜日を表し、ビット1が火曜日を表し、ビット2が水曜日を表し、ビット3が木曜日を表し、ビット4が金曜日を表し、ビット5が土曜日を表し、ビット6が日曜日を表す。なお、ビット7は、常に“0”が読み出される。
日(DAY)を表す格納領域として、時刻格納領域には、ビット0〜ビット7が設けられている。ビット0が1日分を表し、ビット1が2日分を表し、ビット2が4日分を表し、ビット3が8日分を表し、ビット4が10日分を表し、ビット5が20日分を表す。なお、ビット6およびビット7は、常に“0”が読み出される。
月(MONTH)を表す格納領域として、時刻格納領域には、ビット0〜ビット7が設けられている。ビット0が1月分を表し、ビット1が2月分を表し、ビット2が4月分を表し、ビット3が8月分を表し、ビット4が10月分を表す。なお、ビット5、ビット6、およびビット7は、常に“0”が読み出される。
年(YEAR)を表す格納領域として、時刻格納領域には、ビット0〜ビット7が設けられている。ビット0が1年分を表し、ビット1が2年分を表し、ビット2が4年分を表し、ビット3が8年分を表し、ビット4が10年分を表し、ビット5が20年分を表し、ビット6が40年分を表し、ビット7が80年分を表す。
アラーム領域は、アラーム機能を動作させたときに用いる設定時刻を記憶するための領域である。なお、アラーム領域に格納されている情報は、外部(たとえば、サブ制御部91)から入力された指示コマンドに基づき書き替えることが可能である。RTC97は、「日」、「曜日」、「時」、「分」などの日時情報を有し、各日時情報には、アラーム領域の8ビットずつが割り当てられ、それぞれの形式で記憶されている。
タイマ領域は、タイマ機能を動作させたときに用いる設定時刻を記憶するための領域である。なお、タイマ領域に格納されている情報は、外部(たとえば、サブ制御部91)から入力された指示コマンドに基づき書き替えることが可能である。RTC97は、タイマカウンタ0およびタイマカウンタ1に対して8ビットずつが割り当てられ、タイマ情報を出力させたい設定時刻を特定可能な設定値が記憶されている。
フラグ領域は、各種フラグの設定状態を特定可能な情報を記憶するための領域である。なお、フラグ領域に格納されている情報は、外部(たとえば、サブ制御部91)から入力された指示コマンドに基づき書き替えることが可能である。フラグ領域に格納されているフラグには、タイマ出力フラグと、アラーム出力フラグと、バックアップ異常フラグと、計時停止フラグとが含まれる。
タイマ出力フラグは、タイマ機能の動作可否を特定可能なフラグである。タイマ出力フラグがセット(オン)されればタイマ機能が動作状態となる一方で、タイマ出力フラグが初期化(オフ)されればタイマ機能が非動作状態となる。
アラーム出力フラグは、アラーム機能の動作可否を特定可能なフラグである。アラーム出力フラグがセット(オン)されればアラーム機能が動作状態となる一方で、アラーム出力フラグが初期化(オフ)されればアラーム機能が非動作状態となる。
バックアップ異常フラグは、スロットマシン1の電断中におけるバックアップ状態において、バックアップ電源99からの供給電圧の低下によってバックアップ状態が維持できなくなったか否かを特定可能なフラグである。バックアップ異常フラグは、バックアップ電源99からの供給電圧の低下が検出されたときにセット(オン)される一方で、バックアップ電源99からの供給電圧の上昇が検出されたとき、もしくはスロットマシン1が復電したときに初期化(オフ)される。なお、バックアップ異常フラグがオンされたときには、その旨を特定可能なバックアップ異常信号がバス/インタフェース回路を介してサブ制御部91に出力される。
計時停止フラグは、現在日時の計時を停止するか否かを特定可能なフラグである。計時停止フラグがセット(オン)されれば現在日時の計時が停止する一方で、計時停止フラグが初期化(オフ)されれば現在日時の計時が開始する。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をオン状態としてからスロットマシン1の電源をオンする必要がある。設定キースイッチ37をオン状態として電源をオンすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がオフされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
なお、「電源オン」+「設定キーオン」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。さらに、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キーがオフ操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉1bが閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をオン状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をオン状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をオフ状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
なお、「設定キーオン」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。さらに、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キーがオフ操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉1bが閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[入賞役、移行出目]
図6および図7に示すように、名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。また、図7の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。たとえば、図7の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技である。
図8に示すように、移行出目は、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0,2,3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
[遊技状態]
図9および図10に示すように、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜3のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかのRTに制御される(図9の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図10の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図10の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
[抽選対象役]
図11および図12に示すように、抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。たとえば、ベルは、RT〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。
図13に示すように、たとえば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
[リール制御]
図14および図15に示すように、当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せが入賞ラインLNに停止させるリール制御が行われる。たとえば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、たとえば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L,2C,2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L,2C,2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ゲーム制御処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図11〜図13など参照)が行われる。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図14、図15など参照)。
リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図6〜図8など参照)が行われる。入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われる。払い出し処理が終了するとゲーム終了時処理が行われる。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[コマンド]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じたゲームの進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
たとえば、メイン制御部41は、設定変更を行ったときには、設定変更されたことを示す設定変更コマンドをサブ制御部91に送信する。メイン制御部41は、抽選対象役に当選したときには、当選したことを示す当選コマンドをサブ制御部91に送信する。メイン制御部41は、スロットマシン1が電断した後に復電したときには、制御状態が復帰したことを示す復帰コマンドをサブ制御部91に送信する。なお、電断が発生した日時(日付および時刻)を「電断日時」とも称し、復電した日時(日付および時刻)を「復電日時」とも称する。
[AT]
サブ制御部91は、たとえば、所定のAT抽選契機が成立したときにAT(アシストタイム)に制御するか否かを抽選するAT抽選を行う。本実施の形態においては、非AT中の消化ゲーム数が100ゲームに到達することによってAT抽選契機が成立し、AT抽選が実行される。AT抽選でATに制御すると決定されたときにはAT当選となる。サブ制御部91は、AT当選したときに、所定のAT当選報知契機が成立するとAT当選を遊技者に対して報知するAT報知を行う。AT報知を行った後、サブ制御部91は、ATに制御する。
AT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数は、液晶表示器51の画面上に表示される。たとえば、前回のAT抽選から1ゲーム目を消化したときには、液晶表示器51の画面上に「1」と表示され、その後、2ゲーム目を消化したときには、液晶表示器51の画面上に「2」と表示される。100ゲーム目を消化して、液晶表示器51の画面上の表示が「100」に到達するとAT抽選契機が成立し、AT抽選が実行される。このため、遊技者は、液晶表示器51の画面上の消化ゲーム数に注目し、表示が「100」に到達することを期待する。
AT抽選では、ナビストックを付与するか否か、および付与する場合にはナビストック数が決定される。付与されているナビストック数に応じてATに制御される。1ナビストックは、たとえば50ゲーム消化するまでATに制御可能となる。AT報知では、AT当選したこと、または、AT当選したことにより付与されるナビストックを報知する。
AT中においては、内部抽選によりたとえば図14、図15に示す所定の抽選対象役に当選したときに送信される当選コマンド受信時に、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出が実行される。このため、ATに制御されることにより、遊技者は有利となる。有利な図柄組合せとは、たとえば、リプレイGR1〜6当選時には昇格リプレイをいい、リプレイGR11〜13当選時には通常リプレイをいい、リプレイGR21〜23当選時には特殊リプレイをいい、左ベル1〜右ベル4当選時には右下がりベルまたは中段ベルをいう。
メイン制御部41は、サブ制御部91によってATに制御された後、ナビ演出に従って遊技者によって操作されたストップスイッチの操作手順に基づき、ATに制御されたか否かを特定する。さらに、メイン制御部41は、ATに制御されたことを特定したときに、ATに制御されたこと、すなわち大当たりが発生したことを特定するための大当り信号を外部出力基板1000を介してデータ表示器200に送信する。データ表示器200は、大当り信号を受信したときに、開店時からの大当り回数を算出するとともに、RTCから出力された日時情報を取得し、開店時からの大当り回数を示す文字画像と、大当りの発生時刻を示す文字画像とを表示部212に表示する。
なお、上述したAT抽選は、サブ制御部91によって行われるものに限らず、メイン制御部41によって行われてもよい。たとえば、メイン制御部41は、AT抽選契機が成立したときにAT抽選を行い、AT当選したときにはサブ制御部91に対してはAT当選した旨の情報を送信するとともに、データ表示器200に対しては大当り信号を送信してもよい。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部91(CPU91c)が内部クロックのカウント値に基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図16に示すように、タイマ割込処理(サブ)において、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。サブ制御部91は、停電判定処理を行う(Sp2)。サブ制御部91は、停電判定処理において、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
サブ制御部91は、電断フラグが設定されているか否かを判定する(Sp3)。サブ制御部91は、電断フラグが設定されていた場合には(Sp3でY)、電断処理(サブ)に移行する。
サブ制御部91は、電断フラグが設定されていない場合には(Sp3でN)、コマンド解析処理を実行する(Sp4)。サブ制御部91は、コマンド解析処理において、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。サブ制御部91は、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
サブ制御部91は、演出効果LED52(図4参照)やリールLED55(図4参照)などの各種LEDの駆動を制御するLED出力処理を実行する(Sp5)。
サブ制御部91は、各種スイッチの操作を検出するスイッチ検出処理を実行する(Sp6)。
サブ制御部91は、RTC97から取得した日時情報をRAM91cに設けられた更新時刻記憶領域に記憶させる日時制御処理を実行する(Sp7)。日時制御処理を行うことによって、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域に記憶している日時情報を、100ms毎に単位日時情報(「年」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、「秒」)毎に更新していく。RAM91cでの記憶形式はRTC97の時刻格納領域(図5参照)での記憶形式と同様であり、単位更新時間に8ビットずつを割り当てて記憶している。
サブ制御部91は、外部からの操作に基づき、RTC97が計時する日時を所定の日時(たとえば、現在の日時)に設定する日時情報設定処理を実行する(Sp8)。これにより、外部からの操作によって、RTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報を、所定の日時情報に書き換えて更新することができる。
サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に基づいて所定時刻になったことを識別したときに一斉演出を実行する演出実行処理を実行する(Sp9)。一斉演出は所定時刻になると実行されるので、一斉演出が実行されると同一機種のスロットマシン1が複数設置されている遊技場では各スロットマシン1が同時に同一態様の演出の実行を開始する。
サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域の日時情報が正常か否かを判定する日時情報異常判定処理を実行する(Sp10)。
サブ制御部91は、たとえば、ドア開放エラー、払い出しエラー、投入エラー、エンプティエラー、RAM異常エラーなど、なんらかのエラーが発生したときに、その旨を報知するエラー報知処理を実行する(Sp11)。特に本実施の形態においては、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が異常である場合にエラー報知処理が実行される。また、電断日時と復電日時とが同じである場合、および復電日時よりも電断日時の方が前である場合においてもエラー報知処理が実行される。その後、サブ制御部91は、本ルーチンを終了する。
[日時制御処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)内で実行される日時制御処理について説明する。
図17および図18に示すように、サブ制御部91は、単位日時情報「秒」に対応する秒情報を更新することを示す秒情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa1)。サブ制御部91は、秒情報更新フラグがオンの場合には(Sa1でY)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち秒情報を更新する(Sa2)。
次に、サブ制御部91は、秒情報更新フラグをオフにし(Sa3)、単位日時情報「分」に対応する分情報を更新することを示す分情報更新フラグをオンにする(Sa4)。
サブ制御部91は、秒情報更新フラグがオフの場合(Sa1でN)またはSa4の処理が終了した場合には、分情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa5)。サブ制御部91は、分情報更新フラグがオンの場合には(Sa5でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa6)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa6でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち分情報を更新する(Sa7)。
次に、サブ制御部91は、分情報更新フラグをオフにし(Sa8)、単位日時情報「時」に対応する時間情報を更新することを示す時間情報更新フラグをオンにする(Sa9)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa6でY)、分情報更新フラグをオフにし(Sa8)、時間情報更新フラグをオンにする(Sa9)。
サブ制御部91は、分情報更新フラグがオフの場合(Sa5でN)またはSa9の処理が終了した場合には、時間情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa10)。サブ制御部91は、時間情報更新フラグがオンの場合には(Sa10でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa11)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa11でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち時間情報を更新する(Sa12)。
次に、サブ制御部91は、時間情報更新フラグをオフにし(Sa13)、単位日時情報「曜日」に対応する曜日情報を更新することを示す曜日情報更新フラグをオンにする(Sa14)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa11でY)、時間情報更新フラグをオフにし(Sa13)、曜日情報更新フラグをオンにする(Sa14)。
サブ制御部91は、時間情報更新フラグがオフの場合(Sa10でN)またはSa14の処理が終了した場合には、曜日情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa15)。サブ制御部91は、曜日情報更新フラグがオンの場合には(Sa15でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa16)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa16でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち時間情報を更新する(Sa17)。
次に、サブ制御部91は、曜日情報更新フラグをオフにし(Sa18)、単位日時情報「日」に対応する日付情報を更新することを示す日付情報更新フラグをオンにする(Sa19)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa16でY)、曜日情報更新フラグをオフにし(Sa18)、日付情報更新フラグをオンにする(Sa19)。
サブ制御部91は、曜日情報更新フラグがオフの場合(Sa15でN)またはSa19の処理が終了した場合には、日付情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa20)。サブ制御部91は、日付情報更新フラグがオンの場合には(Sa20でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa21)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa21でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち日付情報を更新する(Sa22)。
次に、サブ制御部91は、日付情報更新フラグをオフにし(Sa23)、単位日時情報「月」に対応する月情報を更新することを示す月情報更新フラグをオンにする(Sa24)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa21でY)、日付情報更新フラグをオフにし(Sa23)、月情報更新フラグをオンにする(Sa24)。
サブ制御部91は、日付情報更新フラグがオフの場合(Sa20でN)またはSa24の処理が終了した場合には、月情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa25)。サブ制御部91は、月情報更新フラグがオンの場合(Sa25でY)には、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa26)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa26でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち月情報を更新する(Sa27)。
次に、サブ制御部91は、月情報更新フラグをオフにし(Sa28)、単位日時情報「年」に対応する年情報を更新することを示す年情報更新フラグをオンにする(Sa29)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa26でY)、月情報更新フラグをオフにし(Sa28)、年情報更新フラグをオンにする(Sa29)。
サブ制御部91は、月情報更新フラグがオフの場合(Sa25でN)またはSa29の処理が終了した場合には、年情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa30)。サブ制御部91は、年情報更新フラグがオンの場合には(Sa30でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa31)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa31でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち年情報を更新する(Sa32)。
次に、サブ制御部91は、年情報更新フラグをオフにし(Sa33)、秒情報更新フラグをオンにする(Sa34)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa31でY)、年情報更新フラグをオフにし(Sa33)、秒情報更新フラグをオンにする(Sa34)。
なお、本実施の形態では100ms毎に各単位日時情報を順次更新していくが、タイマ割込み処理(サブ)は1.12ms毎に実行されるため、各単位日時情報の更新をタイマ割込み毎に行うと100ms毎の更新が行われない。このため、本実施形態では、タイマ割込み(サブ)が実行された回数をカウントするカウンタを設けている。そして、カウント値が100msに相当する回数(たとえば、100回)になったときに単位日時情報の更新を行うとともにカウント値をリセットしている。この後、引き続きカウントを行い、再度カウント値が100msに相当する回数になったときに次の単位日時情報の更新を行うとともにカウンタをリセットしている。この処理を繰り返すことにより、タイマ割込み毎に単位日時情報の更新が行われてしまうことを防止している。
このように、RTC97の日時情報は、複数回の処理に分けてRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶されるため、演出制御基板90における処理落ちなどの不具合の発生を低減することができる。
単位時間情報毎にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶されている日時情報が更新される。たとえば、RTC97が演出制御基板90の外部に取り付けられ、かつシリアル通信によってサブ制御部91がRTC97から出力された日時情報を取得する場合、サブ制御部91が日時情報を取得できるまで時間が掛かることがある。この点、本実施の形態においては、無作為ではなく、所定周期ごとにRTC97が出力した日時情報を記憶することができるため、日時情報の管理を容易にすることができる。
100ms毎にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶されている日時情報が更新され、最小の時間情報単位である1秒間のうちに全ての単位の日時情報が更新される。このため、RAM91cに記憶されている日時情報が示す時刻と実際の時刻との間に大きな齟齬が生じることを防止することができる。
秒情報が59秒になったときにRAM91cの日時情報の更新が制限されるため、誤った日時情報が記憶されてしまうことを防止することができる。
[電断処理(サブ)]
図19を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行する電断処理(サブ)について説明する。
サブ制御部91は、電断時(すなわち現在)の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得して、更新時刻記憶領域とは別の一時記憶領域に格納して保持する(Sd1)。なお、保持された電断時の日時情報は、後述する初期化判定処理で参照される。
サブ制御部91は、次回起動時にRAM91cが正常か否かを判定可能とするため、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティが0となるようにパリティ調整用データを計算してRAM91cの所定領域に格納する(Sd2)。
サブ制御部91は、RAMアクセスを禁止し(Sd3)、割込禁止を設定する(Sd4)。その後、サブ制御部91は、ループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。これにより、電断時にサブ制御部91の動作が停止する。なお、サブ制御部91は、動作停止状態となる前の電圧低下を検出したときに、RTC97のイネーブル信号(CE)をローレベルにする。これにより、RTC97がアクセス非許可状態となり、バックアップ状態に移行する。
[起動処理(サブ)]
図20を参照しながら、リセット回路95からリセット信号が入力されたときにサブ制御部91が実行する起動処理について説明する。
なお、リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動する。このため、電源投入時には、メイン制御部41が起動するよりも先にサブ制御部91が起動し、メイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態で待機できる。
図20に示すように、サブ制御部91は、内蔵デバイスなどを初期化(たとえば、液晶表示器51の初期画面設定、図示しない役物装置の初期位置設定)する(Sr1)。
次に、サブ制御部91は、RTC97のフラグ領域に格納されているバックアップ異常フラグがオンか否かを判定する(Sr2)。なお、サブ制御部91は、RTC97から出力されたバックアップ異常フラグがオンされたことを特定可能なバックアップ異常信号が入力されたか否かに基づき、バックアップ異常フラグがオンか否かを判定する。ここで、スロットマシン1が電断してしまった場合、RTC97に何らかの異常が発生してしまう虞がある。たとえば、スロットマシン1の電断中において、バックアップ電源99からの供給電圧が低下してしまってバックアップ状態が維持できない虞がある。この場合、RTC97が動作しなくなるため、現在日時の計時も停止してしまう。また、バックアップ状態が維持できなくなってしまったことに起因して、時刻格納領域に記憶された日時情報が初期化されてしまったり、計時停止フラグがオンされてしまったり、さらには、所定のフラグ(たとえば、タイマ出力フラグやアラーム出力フラグ)が意図せずオンまたはオフに切り替えられてしまったりすることも考えられる。
そこで、本実施の形態においては、サブ制御部91は、復電したときの起動処理において、RTC97に対して所定の指示を行う。
具体的に、サブ制御部91は、バックアップ異常フラグがオンであるときには(Sr2でY)、RTC97に対して時刻格納領域に所定値を格納するための指示コマンドを出力して、時刻格納領域に格納されている日時情報を基準日時の日時情報に書き換える(Sr3)。基準日時とは、スロットマシン1の出荷時に予め定められた日時でもよく、店員やメーカの営業マンによって設定された日時でもよい。本実施の形態においては、基準日時として、「2000年1月1日00時00分00秒」が用いられる。
このように、バックアップ状態が維持できずにRTC97に対する電力供給が遮断されてRTC97に何らかの異常が発生した場合でも、復電したときにはサブ制御部91からRTC97に対して時刻格納領域に格納されている日時情報を基準日時の日時情報に書き換えるように指示される。これにより、RTC97の計時が停止したり、時刻格納領域に記憶された日時情報が初期化されてしまったりしても、復電した後においては、日時情報から特定される日時が意図しない日時となっていることを防止することができる。
また、サブ制御部91は、バックアップ異常フラグがオフであるとき(Sr2でN)、もしくはSr3の後、RTC97に対してフラグ領域に格納されている計時停止フラグ、タイマ出力フラグ、およびアラーム出力フラグを初期化(オフ)するための指示コマンドを出力する(Sr4)。これにより、計時停止フラグが初期化(オフ)されることで現在日時の計時が開始し、タイマ出力フラグが初期化(オフ)されることでタイマ機能が非動作状態となり、アラーム出力フラグが初期化(オフ)されることでアラーム機能が非動作状態となる。
このように、バックアップ異常フラグがオンか否かに関わらず、復電したときにはサブ制御部91からRTC97に対して計時の開始が指示される。これにより、仮に電断中にバックアップ状態が維持できずにRTC97に対する電力供給が遮断されてRTC97の計時が停止してしまっても、復電した後においては、RTC97の計時が停止したままになっていることを防止することができる。
さらに、バックアップ異常フラグがオンか否かに関わらず、復電したときにはサブ制御部91からRTC97に対してタイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示される。これにより、仮に電断中にバックアップ状態が維持できずにRTC97に対する電力供給が遮断されてタイマ出力フラグおよびアラーム出力フラグが意図せずオンされてタイマ機能およびアラーム機能が動作状態となってしまっても、復電した後においては、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態にすることで、意図せずアラーム情報やタイマ情報を含む割込信号が出力されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施の形態のように、バックアップ異常フラグがオンか否かに関わらず、復電したときにはサブ制御部91からRTC97に対して計時の開始が指示され、さらに、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示されるようにしておけば、バックアップ状態が維持できなくなってしまったにも関わらずバックアップ異常フラグがオンされていないといった万一の事態が生じても、復電したときにはRTC97に対して正常に計時を開始させ、さらに、意図せずアラーム情報やタイマ情報を含む割込信号(AIRQ)が出力されてしまうことを防止することができる。
Sr4の後、サブ制御部91は、RAM91cへのアクセスを許可する(Sr5)。サブ制御部91は、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sr6)、RAMパリティが0であるか否かを判定する(Sr7)。
電断処理において、予めRAMパリティが0となるように調整されているため、サブ制御部91は、RAMパリティが0であれば(Sr7でY)、RAM91cに格納されているデータが正常であると判定し、RAMパリティが0でなければ(Sr7でN)、RAM91cに格納されているデータが異常であると判定するし、RAM異常が発生したことを示すエラーフラグをオンする(St8)。
一方、サブ制御部91は、RAMパリティが0である場合(Sr7でY)、設定変更されたか否か、電断日時と複電日時とに基づき所定の初期化条件が成立するか否か、および電断日時と複電日時とに基づき所定の異常条件が成立するか否かを判定する初期化判定処理を実行する(Sr9)。
サブ制御部91は、初期化判定処理において、設定変更されたことを示す初期化フラグ1がオンされたか否かを判定する(Sr10)。サブ制御部91は、初期化フラグ1がオンされた場合(Sr10でY)、RAM91cに記憶されたエラー履歴情報以外の情報を初期化する(Sr11)。
ここで、エラー履歴情報以外の情報には、AT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数の計数情報が含まれる。このため、設定変更されたときには、消化ゲーム数の計数が「0」に初期化される。すなわち、再度1ゲーム目から消化ゲーム数が計数されるため、AT抽選契機が成立するまで100ゲーム消化しなければならない。また、エラー履歴情報以外の情報には、消化ゲーム数の報知情報も含まれる。このため、設定変更されたときには、消化ゲーム数の報知も初期化される。すなわち、液晶表示器51の画面上のゲーム数の表示が「0」になる。
一方、サブ制御部91は、初期化フラグ1がオンされていない場合(Sr10でN)、初期化条件が成立したことを示す初期化フラグ2がオンされたか否かを判定する(Sr12)。サブ制御部91は、初期化フラグ2がオンされた場合(Sr12でY)、RAM91cに記憶されたAT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数の計数情報以外の情報を初期化する(Sr13)。
ここで、消化ゲーム数の計数情報以外の情報には、消化ゲーム数の報知情報が含まれる。このため、電断日時と複電日時とに基づき初期化条件が成立したときには、消化ゲーム数の報知が初期化される。すなわち、液晶表示器51の画面上のゲーム数の表示が「0」になる。なお、この場合、消化ゲーム数の計数は初期化されずに継続しているため、消化ゲーム数の計数と、消化ゲーム数の報知内容との間には誤差が生じることになる。たとえば、消化ゲーム数の計数が「99」であり、かつ消化ゲーム数の報知も「99」である場合において、消化ゲーム数の報知情報が初期化されたときには、消化ゲーム数の計数は「99」のままであるのに対して、消化ゲーム数の報知は「0」になる。
また、消化ゲーム数の計数情報以外の情報には、エラー履歴情報が含まれる。このため、電断日時と複電日時とに基づき初期化条件が成立したときには、エラー履歴情報が初期化される。
一方、サブ制御部91は、初期化フラグ2がオンされていない場合(Sr12でN)、正常に電断復帰したことを示す正常電断復帰フラグをオンする(Sr14)。
サブ制御部91は、Sr8、Sr11、Sr13、およびSr14のうちのいずれかの処理が終了した場合には、メイン制御部41の制御状態が復帰したことを示す復帰コマンドの受信待ちであることを示す復旧待ちフラグをRAM91cに設定して(Sr15)、割込を許可し(Sr16)、ループ処理に移行する。
[初期化判定処理]
図21を参照しながら、サブ制御部91が起動処理(サブ)において実行する初期化判定処理について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41から設定変更コマンドを受信したか否かに基づき、設定変更された否かを判定する(St1)。サブ制御部91は、設定変更された場合(St1でY)、初期化フラグ1をオンし(St2)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、設定変更されなかった場合(St1でN)、復電時(すなわち現在)の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得する(St3)。なお、電断中はタイマ割込処理における日時制御処理が実行されないため、復電直後に更新時刻記憶領域に格納されている日時情報は、電断時の日時情報とほぼ同じになる。このため、St3において、サブ制御部91は、復電後に少なくとも1回以上の日時制御処理が実行された後に、復電時(すなわち現在)の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得する。
次に、サブ制御部91は、電断時に保持していた電断時の日時情報をRAM91cの一時記憶領域から取得する(St4)。以下の処理において、サブ制御部91は、取得した復電時の日時情報から特定した復電日時と、保持していた電断時の日時情報から特定した電断日時とを比較して、初期化条件が成立するか否か、および異常条件が成立するか否かを判定する。
ここで、図22を参照しながら、初期化条件および異常条件について説明する。
図22(a)に示すように、本実施の形態においては、初期化条件1〜4といった4種類の初期化条件が設定されている。サブ制御部91は、初期化条件1〜4のうちのいずれかが成立するか否かを判定することにより、4時間以上の電断が発生した後に復電したか否かを判定する。具体的には、初期化条件1〜4のいずれかが成立すれば、4時間以上の電断が発生した後に復電したことになる。一方、初期化条件1〜4のいずれも成立しなければ、4時間未満の電断が発生した後に復電したことになる。このように、4時間以上の電断が発生した後に復電したか否かを判定することによって、開店中の停電復帰などのように瞬断後に復電したのか、あるいは、閉店中の電断などのように長期間の電断後に復電したのかを見極めることができる。
また、初期化条件1は、日時情報のうちの日付情報のみに基づき成立有無が判定可能であるのに対して、初期化条件2〜4は、日付情報のみに基づき成立有無が判定不可能である。このため、初期化条件2〜4は、日付情報に加えて時刻情報も用いて成立有無が判定される。サブ制御部91は、まず初期化条件1についての成立有無を判定し、初期化条件1が成立しなかったときには、初期化条件2〜4についての成立有無を判定する。これにより、初期化条件1のみで判定できるときには、時刻情報を用いることなく日付情報のみに基づいて、4時間以上の電断が発生した後に復電したことを特定することができる。
初期化条件1は、「復電日−電断日≧2日」であることを条件に成立する。たとえば、電断日が11月15日であり、復電日が11月17日であれば、「復電日−電断日≧2日」が成立する。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したといえる。一方、電断日が11月15日であり、復電日が11月16日であれば、「復電日−電断日≧2日」が成立しない。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件1は不成立となる。
初期化条件2は、「復電日−電断日=1日」、かつ「復電時刻がAM4:00以降」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM9:00であれば、「復電日−電断日=1日」、かつ「復電時刻がAM4:00以降」が成立する。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM2:00であれば、「復電日−電断日=1日」が成立するが、「復電時刻がAM4:00以降」が成立しない。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したとはいえないため、初期化条件2は不成立となる。
初期化条件3は、「復電日−電断日=1日」、かつ「電断から復電まで4時間以上経過」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM10:00であり、復電日時が11月17日のAM3:00であれば、「復電日−電断日=1日」、かつ「電断から復電まで4時間以上経過」が成立する。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM2:00であれば、「復電日−電断日=1日」が成立するが、「電断から復電まで4時間以上経過」が成立しない。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したとはいえないため、初期化条件3は不成立となる。
初期化条件4は、「復電日=電断日」、かつ「復電時刻−電断時刻≧4時間」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM7:00であり、復電日時が11月16日のPM11:00であれば、「復電日=電断日」、かつ「復電時刻−電断時刻≧4時間」が成立する。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM7:00であり、復電日時が11月16日のPM8:00であれば、「復電日=電断日」が成立するが、「復電時刻−電断時刻≧4時間」が成立しない。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したとはいえないため、初期化条件4は不成立となる。
図22(b)に示すように、本実施の形態においては、異常条件1,2といった2種類の異常条件が設定されている。サブ制御部91は、異常条件1,2のうちのいずれかが成立するか否かを判定することにより、バックアップ状態が維持できずにRTC97の計時が停止したなど、何らかの異常が発生したことによるRTC97からサブ制御部91に対して出力された日時情報の誤りや、RAM91cの異常などによる更新時刻記憶領域に記憶された日時情報の誤りを特定する。具体的には、異常条件1,2のうちのいずれかが成立すれば、RTC異常やRAM異常などが発生していることになる。一方、異常条件1,2のうちのいずれも成立しなければ、RTC異常やRAM異常などが発生していないことになる。これにより、RTC異常やRAM異常などの発生を見極めることができる。
異常条件1は、「復電日時=電断日時」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM7:00であり、復電日時も11月16日のPM7:00であれば、「復電日時=電断日時」が成立する。復電日時と電断日時とが全く同じ日時になることはあり得ないため、この場合、RTC異常やRAM異常などが発生している可能性が高い。
異常条件2は、「復電日時<電断日時」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM7:00であり、復電日時が11月16日のPM6:00であれば、「復電日時<電断日時」が成立する。電断日時よりも復電日時の方が前になることはあり得ないため、この場合、RTC異常やRAM異常などが発生している可能性が高い。なお、バックアップ異常フラグがオンされた場合、起動処理のSr3においてRTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報が基準日時の日時情報に書き換えられ、復電日時が「2000年1月1日00時00分00秒」から計時された時刻になるため、異常条件2が成立する。このように、バックアップ状態が維持できなかったときには、明らかに異常条件2が成立する基準日時を設定しておけば、RTC97に何らかの異常が発生している場合でも、異常の発生を見逃してしまうことを防止することができる。
図21の初期化判定処理の説明に戻り、St4の処理の後、サブ制御部91は、「復電日時=電断日時」で異常条件1が成立するか否かを判定する(St5)。サブ制御部91は、異常条件1が成立する場合(St5でY)、異常が発生したことを示すエラーフラグをオンし(St6)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、異常条件1が成立しない場合(St5でN)、「復電日時<電断日時」で異常条件2が成立するか否かを判定する(St7)。サブ制御部91は、異常条件2が成立する場合(St7でY)、異常が発生したことを示すエラーフラグをオンし(St6)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、異常条件2が成立しない場合(St7でN)、「復電日−電断日≧2日」で初期化条件1が成立するか否かを判定する(St8)。サブ制御部91は、初期化条件1が成立する場合(St8でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、初期化条件1が成立しない場合(St8でN)、「復電日−電断日=1日」であるか否かを判定する(St10)。サブ制御部91は、「復電日−電断日=1日」である場合(St10でY)、「復電時刻がAM4:00以降」で初期化条件2が成立するか否かを判定する(St11)。サブ制御部91は、初期化条件2が成立する場合(St11でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、初期化条件2が成立しない場合(St11でN)、「電断から復電まで4時間以上経過」で初期化条件3が成立するか否かを判定する(St12)。サブ制御部91は、初期化条件3が成立する場合(St12でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、初期化条件3が成立しない場合(St12でN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。
St10の処理において、サブ制御部91は、「復電日−電断日=1日」でない場合(St10でN)、「復電日=電断日」であるため、「復電時刻−電断時刻≧4時間」で初期化条件4が成立するか否かを判定する(St13)。サブ制御部91は、初期化条件4が成立する場合(St13でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、初期化条件4が成立しない場合(St13でN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。
以上のように、サブ制御部91は、初期化判定処理において、設定変更されたときには初期化フラグ1をオンし、起動処理において、RAM91cに記憶されたエラー履歴情報以外の情報を初期化する。また、サブ制御部91は、初期化判定処理において、4時間以上の電断が発生した後に復電したことによりいずれかの初期化条件が成立したときには初期化フラグ2をオンし、起動処理において、RAM91cに記憶された消化ゲーム数の計数情報以外の情報を初期化する。さらに、RTC97の異常やRAM91cの異常などが発生したことによりいずれかの異常条件が成立したときにはエラーフラグをオンし、後述するエラー報知処理において、エラー報知する。
このように、初期化判定処理においては、まず、日時情報のうちの日付情報のみに基づき成立有無が判定可能である初期化条件1の成立有無が判定され、初期化条件1が成立しないときに、日付情報に加えて時刻情報に基づき初期化条件2〜4の成立有無が判定される。このため、日付情報に基づき判定結果が出るときには、時刻情報に基づく判定を省略することができるため、日時情報を用いた判定が煩雑になることを防止するともに判定に掛かる処理負荷を軽減することができる。
日付情報のみに基づく初期化条件1の判定の結果、「復電日−電断日=1日」である場合には、初期化条件2および初期化条件3の成立有無が判定され、「復電日=電断日」である場合には、初期化条件4の成立有無が判定される。このように、日付情報に基づく判定において初期化条件1が成立しない理由に応じて、時刻情報に基づく判定基準を適切に選択することができるため、日時情報を用いた判定を効率良くすることができる。
設定変更されて初期化フラグ1がオンされたときには、エラー履歴情報が初期化されないのに対して、設定変更されずに初期化条件が成立して初期化フラグ2がオンされたときには、エラー履歴情報が初期化される。このため、日時情報に基づき初期化条件が成立するまで、エラー履歴情報を初期化することなく保持することができ、エラー履歴情報によって異常の発生有無を確認することができる。
復電日時と電断日時とに基づき異常条件が成立したときには、初期化条件の成立有無を判定することなく、エラー報知が行われる。このように、初期化条件の成立有無の判定において異常が発生しているときには初期化条件が成立しない。言い換えると、初期化条件の成立有無の判定において異常が発生しているときにはエラー履歴情報の初期化が禁止される。このため、日時情報を用いた判定において、誤った判定結果によってエラー履歴情報が初期化されてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態においては、初期化条件を店員などの操作によって適宜変更することもできる。具体的には、設定確認状態に移行したときに、液晶表示器51の画面上に初期化条件を設定する初期化条件設定モードに移行するためのアイコンが表示される。たとえば、店員は、初期化条件設定モードに移行するためのアイコンを選択すると、初期化条件設定モードに移行し、当該モードにおいては、ストップスイッチを操作することによって初期化条件が成立する電断時間を選択することができ、スタートスイッチ7を操作することによって選択した電断時間を確定することができる。
たとえば、営業時間がAM10:00〜PM:11:00であれば、閉店時間は13時間である。このため、店員の準備時間などを考慮すると、通常、閉店中におおよそ12時間以上の電断が生じる。よって、店員の操作によって初期化条件が成立する電断時間を「4時間」から「12時間」に変更してもよい。たとえばこの場合、初期化条件4は、「復電日=電断日」、かつ「復電時刻−電断時刻≧12時間」となる。また別の観点からすると、停電などの瞬断が生じたときに、通常、2時間あれば復電できる場合、初期化条件が成立する電断時間を「4時間」から「2時間」に変更してもよい。このように、営業時間などを考慮して、初期化条件が成立する電断時間を店員などに設定させることができる。
[ゲーム数の報知態様の変化]
図23を参照しながら、ゲーム数の報知態様の変化について説明する。
本実施の形態においては、AT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数が計数されるとともに、その計数結果が液晶表示器51によって報知される。たとえば、液晶表示器51の画面上における左下に、現在まで消化したゲーム数が表示される。消化ゲーム数の計数が98ゲームであるときには、液晶表示器51の画面上には「98」が表示される。その後、1ゲーム消化したときには、消化ゲーム数の計数が99ゲームに更新されるともに、液晶表示器51の画面上には「99」が表示される。
図23(a)に示すように、電断時に設定変更されたときには、起動処理においてエラー履歴情報以外の情報が初期化される。このため、消化ゲーム数の計数情報および消化ゲーム数の報知情報の両方が初期化される。よって、復電したときには、消化ゲーム数の計数が「0」に初期化されるとともに、液晶表示器51の画面上における消化ゲーム数の報知も「0」に初期化される。その後、1ゲーム消化したときには、消化ゲーム数の計数が「1」になり、消化ゲーム数の報知は「1」になる。この場合、AT抽選契機が成立しないため、AT抽選が実行されない。
図23(b)に示すように、電断時に設定変更されず、かつ4時間未満の電断が発生した後に復電していずれの初期化条件も成立しなかったときには、起動処理においていずれの情報も初期化されない。このため、消化ゲーム数の計数情報および消化ゲーム数の報知情報の両方が継続する。よって、復電したときには、消化ゲーム数の計数が「99」のまま維持されるとともに、液晶表示器51の画面上における消化ゲーム数の報知も「99」のまま維持される。その後、1ゲーム消化したときには、消化ゲーム数の計数が「100」になり、消化ゲーム数の報知は「100」になる。この場合、AT抽選契機が成立するため、AT抽選が実行される。
図23(c)に示すように、電断時に設定変更されず、かつ4時間以上の電断が発生した後に復電したためいずれかの初期化条件が成立したときには、起動処理において消化ゲーム数の計数情報以外の情報が初期化される。このため、消化ゲーム数の計数情報は継続するが、消化ゲーム数の報知情報は初期化される。よって、復電したときには、消化ゲーム数の計数が「99」のまま維持されるのに対して、液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知は「0」に初期化される。その後、1ゲーム消化したときには、消化ゲーム数の計数が「100」になるのに対して、ゲーム数の報知は「1」になる。この場合、遊技者からの見た目上は消化ゲーム数が「1」であるが、内部で計数されている消化ゲーム数は「100」になってAT抽選契機が成立するため、AT抽選が実行される。
このように、開店中の停電復帰などのように、4時間未満の瞬断後に復電したときには、消化ゲーム数の計数情報および報知情報のいずれも初期化されない。よって、4時間未満の瞬断後に復電したときには、液晶表示器51の画面上における消化ゲーム数の報知態様は変化することなく電断前と同じ報知態様が継続される。このため、停電時に消化ゲーム数の報知態様が変更されてしまうことによって消化ゲーム数の計数情報も初期化されてしまったのではないかという不信感を遊技者に与えてしまうことを防止することができる。
一方、閉店中の電断などのように4時間以上の長期間の電断後に復電したときには、消化ゲーム数の計数情報は継続されるが、消化ゲーム数の報知情報は初期化される。よって、4時間以上の電断後に復電したときには、液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知態様が変化し、「0」の表示に変更される。ここで、設定変更されたときにも消化ゲーム数の報知情報が初期化されるため、復電後には液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知態様が変化し、「0」の表示に変更される。つまり、設定変更されて復電したときと、設定変更されずに4時間以上の長期間の電断後に復電したときとで、消化ゲーム数の報知態様は同じになる。このため、復電時における消化ゲーム数の報知態様の変更有無によって設定変更の実行有無が遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。
[日時情報設定処理]
図24を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行する日時情報設定処理について説明する。
上述したように、スロットマシン1が電断したときにバックアップ状態が維持できなかった場合、復電したときの起動処理において、時刻格納領域に格納されている日時情報が基準日時の日時情報に書き換えられる。また、RTC97に対する電力供給が十分であったとしても、RTC97が計時する日時が現在の日時とずれてしまうこともある。そこで、日時情報設定処理では、外部からの操作(たとえば、店員やメーカの営業マンの操作)によって、RTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報を、所定の日時情報に書き換えて、現在の日時に合わせることができる。
ここで、RTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報を更新する場合、設定の順番によっては意図しない日時情報に設定されてしまう虞がある。たとえば、「秒」、「分」、「時」、「曜日」、「日」、「月」、「年」の順番で更新される場合、全ての更新が完了したときには最初に更新された「秒」が設定したい現在時刻と異なる場合があり得る。
そこで、本実施の形態においては、サブ制御部91は、日時情報を更新する前には、RTC97の計時を停止させるとともに、日時情報を更新する後には、RTC97の計時を開始させる。
具体的に、図24を参照しながら説明する。図24に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報の設定を開始するための設定開始入力を受け付けたか否かを判定する(Su1)。本実施の形態の場合、設定開始入力は、以下のようにして行われる。たとえば、設定確認状態に移行したときに、液晶表示器51の画面上にRTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報を設定する日時情報設定モードに移行するためのアイコンが表示される。たとえば、店員もしくはメーカの営業マンが、日時情報設定モードに移行するためのアイコンを選択すると、日時情報設定モードに移行し、日時情報設定モードに移行したことを特定可能な設定開始入力信号がサブ制御部91によって受け付けられる。なお、現在日時よりも未来の日時に到達したときに、メーカ側からスロットマシン1に対して新たな演出曲や演出画像が配信される場合、店員によって不正にRTC97の日時情報を未来の日時情報に設定されてしまうことが考えられる。このため、メーカの営業マンのみが日時情報を設定できるように、日時情報設定モードに移行するときにはメーカの営業マンのみが知っているパスワードを要求するものであってもよい。
サブ制御部91は、日時情報の設定を開始するための設定開始入力を受け付けていない場合には(Su1でN)、本ルーチンを終了する。一方、サブ制御部91は、設定開始入力を受け付けた場合には(Su1でY)、RTC97に対してフラグ領域に格納されている計時停止フラグをオンするための指示コマンドを出力する(Su2)。これにより、日時情報を更新する前には、RTC97は、計時を停止する。
次に、サブ制御部91は、日時情報を所定の日時情報に書き換えるための更新入力を受け付けたか否かを判定する(Su3)。本実施の形態の場合、更新入力は、以下のようにして行われる。たとえば、日時情報設定モードに移行すると、液晶表示器51の画面上に単位日時情報(「年」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、「秒」)毎に対応したアイコンが表示される。店員もしくはメーカの営業マンは、ストップスイッチを操作することで設定したい単位日時情報を選択し、演出用スイッチ56を操作することで日時情報を更新することができる。ストップスイッチおよび演出用スイッチ56の操作によって単位日時情報毎に日時情報が更新されると、日時情報を更新したことを特定可能な更新入力信号がサブ制御部91によって受け付けられる。
サブ制御部91は、日時情報を更新するための更新入力を受け付けていない場合には(Su3でN)、再びSu3に移行して更新入力を受け付ける。一方、サブ制御部91は、更新入力を受け付けた場合には(Su3でY)、受け付けた更新入力に基づき、RTC97に対して時刻格納領域に所定値を格納するための指示コマンドを出力して、時刻格納領域に格納されている日時情報を所定日時の日時情報に書き換えて更新する(Su4)。
次に、サブ制御部91は、日時情報の設定を確定するための設定確定入力を受け付けたか否かを判定する(Su5)。本実施の形態の場合、設定確定入力は、スタートスイッチ7を操作することによって行われる。スタートスイッチ7が操作されると、日時情報の設定を確定したことを特定可能な設定確定入力信号がサブ制御部91によって受け付けられる。
サブ制御部91は、日時情報の設定を確定するための設定確定入力を受け付けていない場合には(Su5でN)、再びSu3に移行して更新入力を受け付ける。一方、サブ制御部91は、設定確定入力を受け付けた場合には(Su5でY)、RTC97に対してフラグ領域に格納されている計時停止フラグを初期化(オフ)するための指示コマンドを出力する(Su6)。これにより、日時情報を更新した後には、RTC97は、計時を開始する。その後、サブ制御部91は、本ルーチンを終了する。
このように、RTC97において計時中の日時に対応する時刻格納領域に格納されている日時情報を更新する際には、まず計時が停止された上で日時情報が更新され、その後計時が再開される。このため、計時を続けた状態で日時情報が更新されることがなく、日時情報を更新する際に意図しない日時に更新されてしまうことを防止することができる。
また、日時情報を更新するためのスイッチとして、スロットマシン1が備えるストップスイッチおよび演出用スイッチ56を用いることができるため、日時情報を更新するためのスイッチを後付けする必要がない。
[演出実行処理]
図25を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行する演出実行処理について説明する。
図25に示すように、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報を識別する(Sg1)。サブ制御部91は、識別した日時情報に基づいて所定時刻であるか否かを判定する(Sg2)。サブ制御部91は、所定時刻でない場合には(Sg2でN)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、所定時刻の場合には(Sg2でY)、一斉演出を開始し(Sg3)、本ルーチンを終了する。一斉演出が実行されると、たとえば、液晶表示器51からキャラクタ画像や文字が表示される。
このように、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に基づいて、一斉演出が実行されるため、日時に応じて好適な制御を行うことができる。
[日時情報異常判定処理]
図26を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行する日時情報異常判定処理について説明する。
図26に示すように、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域に格納されている日時情報の各ビットのデータを識別する(Sb1)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域に格納されている日時情報の各ビットのデータが異常であるか否かを判定する(Sb2)。サブ制御部91は、異常でない場合には(Sb2でN)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、異常の場合には(Sb2でY)、異常が発生したことを示すエラーフラグをオンし(Sb3)、本ルーチンを終了する。
[エラー報知処理]
図27を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行するエラー報知処理について説明する。
図27に示すように、サブ制御部91は、エラーフラグがオンされたか否かを判定する(Sc1)。たとえば、メイン制御部41が検出する異常については、メイン制御部41からのエラーコマンドを受信したときに、サブ制御部91によってエラーフラグがオンされる。また、サブ制御部91が直接検出する異常については、サブ制御部91が直接異常を検出したときにエラーフラグがオンされる。
サブ制御部91は、エラーフラグがオンされていない場合には(Sc1でN)、本ルーチンを終了する。一方、サブ制御部91は、エラーフラグがオンされている場合には(Sc1でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報に基づいて異常が発生した時刻を特定し、異常発生時刻をRAM91cの異常発生時刻記憶領域に記憶する(Sc2)。
サブ制御部91は、発生した異常の報知レベルが「低」であるか否かを判定する(Sc3)。異常の報知レベルは、予めエラー毎に「高」と「低」のいずれかに振り分けられている。異常の重要度が高いものは「高」に振り分けられ、異常の重要度が低いものは「低」に振り分けられる。
サブ制御部91は、発生した異常の報知レベルが「低」の場合には(Sc3でY)、報知レベルが「低」である異常の発生回数を異常の種類毎にカウントする異常発生カウンタのカウント値をカウントアップするとともに、異常の発生回数が3回に達したか否かを判定する(Sc4)。
サブ制御部91は、異常の発生回数が3回に達していない場合には(Sc4でN)、本ルーチンを終了する。一方、サブ制御部91は、異常の発生回数が3回に達した場合には(Sc4でY)、エラー報知を実行し(Sc5)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、異常の報知レベルが「低」でない場合、つまり、報知レベルが「高」の場合には(Sc3でN)、エラーの発生回数に関わらずエラー報知を実行し(Sc5)、本ルーチンを終了する。
このように、たとえば、起動処理においてRAMパリティが「0」にならないRAM異常、初期化判定処理において異常条件が成立するRTC異常やRAM異常、および日時情報異常判定処理において検出されるRAM91cに記憶されている日時情報の異常といった様々な異常が生じたときには、エラー報知処理においてエラー報知が行われる。
このように異常の発生時にエラー報知が行われることにより、店員による適切な処理を促すことができる。たとえば、起動処理においてRAMパリティが「0」にならないRAM異常が生じた場合、店員はエラー報知によって設定変更を促され、設定変更後にはRAM91cの初期化によってRAM異常が解消される。
さらに、スロットマシン1が電断したときにバックアップ状態が維持できなかった場合でも、復電したときの起動処理において、時刻格納領域に格納されている日時情報が基準日時の日時情報に書き換えられて異常条件2が成立し、エラー報知処理においてエラー報知が行われる。エラー報知が行われると、店員は、自ら、あるいはメーカの営業マンを呼んで、RTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報を更新するように促され、時刻格納領域に格納されている日時情報が正確な日時情報に設定される。なお、エラー報知が行われない形態であっても、復電したときの起動処理において、明らかに異常が発生している基準日時(たとえば、本実施の形態のように「2000年1月1日00時00分00秒」)に日時情報を書き換えておけば、店員などによって異常が発見されやすくなる。
また、異常が発生したときには、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報から異常発生時刻が識別して記憶される。さらに、異常の報知レベルが「低」のときには即座にエラー報知が行われるのに対して、異常の報知レベルが「低」のときには即座にエラー報知が行われず、異常発生回数が3回に達したことを条件にエラー報知が行われる。
たとえば、起動処理においてRAMパリティが「0」にならないRAM異常の報知レベルを「高」にした場合、エラーフラグがオンされたときには、エラー報知処理で即座にエラー報知が行われる。一方、初期化判定処理において異常条件が成立するRTC異常やRAM異常の報知レベルを「低」にした場合、エラーフラグがオンされたときには、エラー報知処理で即座にエラー報知が行われずに、異常発生回数が3回に達したことを条件にエラー報知が行われる。この場合、エラー報知は即座に行われないが、異常の検出は日時情報から識別した異常発生時刻に対応付けて取りこぼすことなく記憶される。
このように、エラー報知が行われることの煩わしさを低減しつつも、異常の検出を取りこぼすことなく記憶して確認することができる。
[更新時刻記憶領域の情報更新の具体例]
図28を参照しながら、RAM91cの更新時刻記憶領域の情報更新の具体例について説明する。
図中の「RTCの時刻」は、RTC97が出力する日時情報が示す日付および時刻を示す。「RAMの更新」は、RAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報の更新を示す。「RAMの時刻」は、RAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報が示す日付および時刻を示す。
図28に示すように、たとえば、RTC97の日時情報が示す日付、曜日および時刻が2014年8月1日金曜日10時59分58秒であるとする。
サブ制御部91は、秒情報の更新タイミングとなったときに、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分58秒であることに基づいて、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち秒情報を58秒に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分58秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち分情報を59分に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分58秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち時間情報を10時に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す曜日が金曜日であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち曜日情報を金曜日に更新する。
ここで、RTC97の日時情報が示す時刻が2014年8月1日金曜日10時59分59秒になったとする。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す日付が1日であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち日付情報を1日に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す月が8月であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち月情報を8月に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す年が2014年であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち年情報を2014年に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち秒情報を59秒に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち分情報を59分に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち時間情報を10時に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す曜日が金曜日であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち曜日情報を金曜日に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す日付が1日であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち日付情報を1日に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す月が8月であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち月情報を8月に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す年が2014年であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち年情報を2014年に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち秒情報を59秒に更新する。
ここで、RTC97の日時情報が示す時刻が2014年8月1日金曜日11時00分00秒になったとする。
ここで、本来であれば、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち分情報を00分に更新するはずである。しかし、分情報を00分に更新してしまうと、未だ時間情報が11時に更新されていないため、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻(10時00分59秒)とで、約1時間の誤差が生じてしまい、誤差が大きくなる。このため、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻が正確性に欠ける。よって、秒情報が59秒になったときは、RAM91cに記憶している日時情報の更新を制限し、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻を10時59分59秒のままにしておく。
これにより、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻(10時59分59秒)と実際の時刻との誤差を1秒に抑えることが可能になるため、誤差を小さくしておくことができる。そして、引き続き、時間情報、曜日情報、日付情報、月情報、年情報も同様に誤差が1秒より大きくなることを防止するため、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の更新を制限する。なお、更新される時間情報単位の桁が順次繰り上がるように、秒情報から順にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新する場合に上記のような誤差が生じるため、最小の時間情報単位から順番に日時情報を更新するように構成した場合にRAM97からの日時情報の取得の制限が有効になる。
そして、サブ制御部91は、秒情報の更新タイミングとなったときに日時情報の更新の制限を解除し、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち秒情報を00秒に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち分情報を00分に更新する。
次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち時間情報を11時に更新する。このとき、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(11時00分00秒)とが一致する。
ここで、日時情報の更新の制限を解除して秒情報を更新したときに、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(10時59分00秒)とで1分の誤差が生じてしまうものの、約200ms後という僅かな期間でRTC97の日時情報が示す時刻と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻とが一致し、この期間に異常などが発生することも稀なので、誤差を許容している。
また、日時情報の更新の制限を解除して分情報を更新したときに、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(10時00分00秒)とで1時間の誤差が生じてしまうものの、約100ms後という僅かな期間でRTC97の日時情報が示す時刻と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻とが一致し、この期間に異常などが発生することも稀なので、誤差を許容している。
その後、サブ制御部91は、上記と同様に、曜日情報、日付情報、月情報、年情報を更新する。
[変形例]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[起動処理について]
本実施の形態においては、図20に示すように、バックアップ異常フラグがオンか否かに関わらず(Sr2でYおよびNのいずれであるかに関わらず)、Sr4において、サブ制御部91からRTC97に対して計時の開始が指示されるとともに、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示されるものであった。しかし、図29に示すように、バックアップ異常フラグがオンであること(Sr2でY)を条件に、Sr4において、サブ制御部91からRTC97に対して計時の開始が指示されるとともに、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示されるものであってもよい。
バックアップ異常フラグがオンであることを条件に、復電したときにはサブ制御部91からRTC97に対して計時の開始が指示される場合、電断中にバックアップ状態が維持できずにRTC97に対する電力供給が遮断されてRTC97の計時が停止してしまっても、復電した後においては、RTC97の計時が停止したままになっていることを防止することができる。
さらに、バックアップ異常フラグがオンであることを条件に、復電したときにはサブ制御部91からRTC97に対してタイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示される場合、電断中にバックアップ状態が維持できずにRTC97に対する電力供給が遮断されてタイマ出力フラグおよびアラーム出力フラグが意図せずオンされてタイマ機能およびアラーム機能が動作状態となってしまっても、復電した後においては、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態にすることで、意図せずアラーム情報やタイマ情報を含む割込信号が出力されてしまうことを防止することができる。
なお、変形例のように、バックアップ異常フラグがオンであることを条件に、復電したときにはサブ制御部91からRTC97に対して計時の開始が指示され、さらに、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示されるようにしておけば、バックアップ状態が正常であるときにはSr4の処理を省略することができるため、起動処理を簡素化することができる。
なお、図20および図29に示す例では、Sr4において、RTC97に対して、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示するものであったが、これに限らない。たとえば、本実施の形態においては、サブ制御部91が、RAM91cの更新時刻記憶領域に記憶している日時情報に基づき、一斉演出などの所定制御を行っていたが、RTC97のタイマ機能やアラーム機能を動作状態にして、RTC97から出力されたアラーム情報やタイマ情報を含む割込信号に基づき、一斉演出などの所定制御を行ってもよい。この場合、復電した後においては、意図せずタイマ機能およびアラーム機能が非動作状態になってしまうことを防止するため、Sr4において、タイマ出力フラグおよびアラーム出力フラグをオンするための指示コマンドをRTC97に出力するものであってもよい。
[比較処理について]
本実施の形態におけるスロットマシン1において、図30に示す比較処理を実行するものであってもよい。図30を参照しながら、RTC97から出力された日時情報と、RAM91cに記憶された日時情報とが一致するか否かを判定する比較処理について説明する。
この実施形態において、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の更新を制限することに代えて、RTC97から連続して取得した前後の日時情報が一致するか否かを判定し、一致した場合にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新する。これにより、RTC97の日時情報が示す日時と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す日時とに誤差が生じないようにしている。
なお、同一単位時間情報の更新がRTC97の日時情報が示す日時が変化する間に少なくとも2回は行われるように更新間隔が設定されている。また、RAM91cには、更新時刻記憶領域とは別に、比較に用いる日時情報を記憶する比較用時刻記憶領域が設けられている。なお、以下の例では、「曜日」、「日」、「月」、「年」の日時情報の更新は省略して説明する。
図30に示すように、たとえば、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であるとする。
図30(a)に示すように、サブ制御部91は、時間情報の更新タイミングとなったときに、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて時間情報(10時)を取得し、時間情報を更新した後の日時情報(10時59分59秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。
図30(b)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて秒情報(59秒)を取得し、秒情報を更新した後の日時情報(10時59分59秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。
サブ制御部91は、比較の結果、一致した場合にはRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新する。この例では、両者は一致するため、更新される。これにより、RTC97の日時情報が示す時刻(10時59分59秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(10時59分59秒)とが一致する。次に、サブ制御部91は、前回記憶した日時情報をクリアする。
ここで、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒になったとする。
図30(c)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて分情報(00分)を取得し、分情報を更新した後の日時情報(10時00分59秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。この例では、両者は一致しないため、更新されない。次に、サブ制御部91は、前回記憶した日時情報をクリアする。
図30(d)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて時間情報(11時)を取得し、時間情報を更新した後の日時情報(11時00分59秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。この例では、両者は一致しないため、更新されない。次に、サブ制御部91は、前回記憶した日時情報をクリアする。
図30(e)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて秒情報(00秒)を取得し、秒情報を更新した後の日時情報(11時00分00秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。この例では、両者は一致しないため、更新されない。次に、サブ制御部91は前回記憶した日時情報をクリアする。
図30(f)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて分情報(00分)を取得し、秒情報を更新した後の日時情報(11時00分00秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。この例では、両者は一致するため、更新される。これにより、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(11時00分00秒)とが一致する。次に、サブ制御部91は前回記憶した日時情報をクリアする。
ここで、図30(c)の状態でRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新してしまうと、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻(10時00分59秒)とで、約1時間の誤差が生じてしまう。また、図30(d)の状態でRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新してしまうと、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻(11時00分59秒)とで、約1分の誤差が生じてしまう。この場合、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻が正確性に欠けてしまう。
よって、図30(c)の状態および図30(d)の状態にある場合、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新せず、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とが一致したときに更新する。これにより、誤差が大きくなることを防止することができる。なお、RTC97の日時情報が示す時刻と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻とが一致するまで1秒の誤差が生じてしまうが、両者が一致するまでの期間が1秒未満のわずかな期間であるため、この期間にエラーなどが発生することも稀なので、誤差を許容している。
このように、RTC97から連続して取得した日時情報を比較し、一致した場合にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶されている日時情報が更新されるため、誤った日時情報を記憶してしまうことを防止することができる。
ここで、本実施の形態においては、図19に示す電断処理のSd1において、サブ制御部91は、電断時の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得している。しかし、RAM91cの更新時刻記憶領域に記憶している日時情報は、100ms毎に更新されていくため、RTC97の日時情報が示す日時と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す日時とに誤差が生じている可能性がある。
そこで、電断時においては、図30で説明した比較処理のように、RTC97が出力した日時情報を連続して取得し、取得した前後の日時情報が一致するか否かを判定し、一致した場合にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新してもよい。そして、サブ制御部91は、更新後の日時情報を、電断時の日時情報として一時記憶領域に格納して保持してもよい。
また、本実施の形態においては、図21に示す初期化判定処理のSt3において、サブ制御部91は、復電時の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得している。ここで、電断中はタイマ割込処理における日時制御処理が実行されないため、復電直後に更新時刻記憶領域に格納されている日時情報は、電断時の日時情報とほぼ同じになる。このため、St3において、サブ制御部91は、復電後に少なくとも1回以上の日時制御処理が実行された後に、復電時の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得していた。しかし、この場合、復電直後から少し遅れて日時情報が取得されるため、正確ではない。
そこで、復電時においては、図30で説明した比較処理のように、復電直後にRTC97が出力した日時情報を連続して取得し、取得した前後の日時情報が一致するか否かを判定し、一致した場合にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新してもよい。そして、サブ制御部91は、更新後の日時情報を、復電時の日時情報として判定処理に用いてもよい。
なお、上記の比較処理は、電断時および複電時の両方で行われてもよいし、いずれか一方で行われてもよい。これにより、電断時および復電時のうちの少なくとも一方においては、RTC97が出力した正確な日時情報を初期化条件の成立有無の判定に用いることができる。
[日時情報の取得について]
本実施の形態において、サブ制御部91は、100ms毎に更新されるRAM91cの更新時刻記憶領域に記憶された日時情報を用いて、図21に示す初期化条件の判定、図25に示す一斉演出の実行、および図27に示す異常発生時刻の記憶といった、所定制御を実行するものであった。
ここで、停電などの電断が生じていない安定時においては、100ms毎に更新時刻記憶領域の日時情報が更新される。このため、所定制御に用いる日時情報の更新に関する通信形態が、RTC97とRAM91cとの間に制限されるとともに、その通信頻度も一定となる。これにより、サブ制御部91が頻繁にRTC97と通信することがなく、RTC91cに掛かる負担を軽減させている。
一方、停電などの電断が生じた場合、電断処理に移行するなどの割込処理が実行されるため、更新時刻記憶領域の日時情報が安定して更新されない可能性がある。また、電断中も更新時刻記憶領域の日時情報が更新されないため、復電したとしても、更新時刻記憶領域の日時情報が正確ではない可能性がある。このような場合、サブ制御部91は、正確な時刻に基づいて所定制御を実行することが難しくなる。
そこで、電断が生じたときには、電断時および複電時の少なくとも一方、望ましくは電断時および複電時の両方において、サブ制御部91がRTC97に対して直接通信し、正確な日時情報を取得してもよい。
このように、安定時においては、RTC91cとRAM91cとの間の所定周期の通信によって負担を掛けることなく安定的に更新された日時情報に基づき所定制御が実行される一方で、異常時においては、サブ制御部91がRTC97に対して直接通信することによって正確な日時情報に基づき所定制御が実行される。
[初期化条件について]
本実施の形態において、サブ制御部91は、図22(a)に示す初期化条件1〜4を用いて、4時間以上の電断が発生した後に復電したか否かを判定するものであった。また、店員などの操作によって、初期化条件が成立する電断時間を設定できるものであった。しかし、初期化条件は、所定期間以上の電断発生後に復電したときに成立するものに限らず、他の場合に成立するものであってもよい。
たとえば、図31および図32に示すように、初期化条件は、電断発生から所定時刻を跨いで復電したときに成立するものであってもよい。
図31は、図21の初期化判定処理におけるSt8〜St13を、St8a〜St13aに代えたものである。図32は、図22(a)の初期化条件判定用テーブルにおける初期化条件1〜4を、初期化条件1a〜4aに代えたものである。
図31を参照しながら、サブ制御部91が起動処理(サブ)において実行する変形例における初期化判定処理について説明する。また、図32を参照しながら、変形例における初期化条件判定用テーブルについて説明する。なお、図31に示すSt1〜St7は、図22のSt1〜St7と同じ処理であるため説明を割愛する。
図32に示すように、変形例においては、初期化条件1a〜4aといった4種類の初期化条件が設定されている。サブ制御部91は、初期化条件1a〜4aのうちのいずれかが成立するか否かを判定することにより、電断発生からAM4:00を跨いで復電したか否かを判定する。具体的には、初期化条件1a〜4aのいずれかが成立すれば、電断発生からAM4:00を跨いで復電したことになる。一方、初期化条件1a〜4aのいずれも成立しなければ、電断発生からAM4:00を跨ぐことなく復電したことになる。このように、電断中にAM4:00を跨いだか否かを判定することによって、開店中の停電復帰などのように閉店中のAM4:00を跨ぐことなく復電したのか、あるいは、閉店中の電断などのように閉店中のAM4:00を跨いで復電したのかを見極めることができる。
また、初期化条件1aは、日時情報のうちの日付情報のみに基づき成立有無が判定可能であるのに対して、初期化条件2a〜4aは、日時情報のうちの日付情報に基づき成立有無が判定不可能である。このため、初期化条件2a〜4aは、日付情報に加えて時刻情報も用いて成立有無が判定される。サブ制御部91は、まず初期化条件1aについての成立有無を判定し、初期化条件1aが成立しなかったときには、初期化条件2a〜4aについての成立有無を判定する。これにより、初期化条件1aのみで判定できるときには、時刻情報を用いることなく日付情報のみに基づいて、電断発生からAM4:00を跨いで復電したことを特定することができる。
初期化条件1aは、「復電日−電断日≧2日」であることを条件に成立する。たとえば、電断日が11月15日であり、復電日が11月17日であれば、「復電日−電断日≧2日」が成立する。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したといえる。一方、電断日が11月15日であり、復電日が11月16日であれば、「復電日−電断日≧2日」が成立しない。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件1aは不成立となる。
初期化条件2aは、「復電日−電断日=1日」、かつ「復電時刻がAM4:00以降」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM9:00であれば、「復電日−電断日=1日」、かつ「復電時刻がAM4:00以降」が成立する。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM2:00であれば、「復電日−電断日=1日」が成立するが、「復電時刻がAM4:00以降」が成立しない。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件2aは不成立となる。
初期化条件3aは、「復電日−電断日=1日」、かつ「電断時刻および復電時刻がAM0:00〜AM3:59の間」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM10:00であり、復電日時が11月17日のAM3:00であれば、「復電日−電断日=1日」、かつ「電断時刻および復電時刻がAM0:00〜AM3:59の間」が成立する。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM2:00であれば、「復電日−電断日=1日」が成立するが、「電断時刻および復電時刻がAM0:00〜AM3:59の間」が成立しない。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件3aは不成立となる。
初期化条件4aは、「復電日=電断日」、かつ「電断からAM4:00を跨いで復電した」ことを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のAM2:00であり、復電日時が11月16日のAM5:00であれば、「復電日=電断日」、かつ「電断からAM4:00を跨いで復電した」ことが成立する。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM2:00であり、復電日時が11月16日のPM5:00であれば、「復電日=電断日」が成立するが、「電断からAM4:00を跨いで復電した」ことが成立しない。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件4aは不成立となる。
図31に示すように、変形例において、サブ制御部91は、St1〜St7の処理を実行した後、「復電日−電断日≧2日」で初期化条件1aが成立するか否かを判定する(St8a)。サブ制御部91は、初期化条件1aが成立する場合(St8aでY)、初期化フラグ2をオンし(St9a)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、初期化条件1aが成立しない場合(St8aでN)、「復電日−電断日=1日」であるか否かを判定する(St10a)。サブ制御部91は、「復電日−電断日=1日」である場合(St10aでY)、「復電時刻がAM4:00以降」で初期化条件2aが成立するか否かを判定する(St11a)。サブ制御部91は、初期化条件2aが成立する場合(St11aでY)、初期化フラグ2をオンし(St9a)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、初期化条件2aが成立しない場合(St11aでN)、「電断時刻および復電時刻がAM0:00〜AM3:59の間」で初期化条件3aが成立するか否かを判定する(St12a)。サブ制御部91は、初期化条件3aが成立する場合(St12aでY)、初期化フラグ2をオンし(St9a)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、初期化条件3aが成立しない場合(St12aでN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。
St10aの処理において、サブ制御部91は、「復電日−電断日=1日」でない場合(St10aでN)、「復電日=電断日」であるため、「電断からAM4:00を跨いで復電した」ことで初期化条件4aが成立するか否かを判定する(St13a)。サブ制御部91は、初期化条件4aが成立する場合(St13aでY)、初期化フラグ2をオンし(St9a)、本ルーチンを終了する。
一方、サブ制御部91は、初期化条件4aが成立しない場合(St13aでN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。
以上のように、サブ制御部91は、変形例における初期化判定処理において、電断発生からAM4:00を跨いで復電したことによりいずれかの初期化条件が成立したときには初期化フラグ2をオンし、起動処理において、RAM91cに記憶された消化ゲーム数の計数情報以外の情報を初期化する。
このように、開店中の停電復帰などのように、閉店中のAM4:00を跨ぐことなく復電したときには、消化ゲーム数の計数情報および報知情報のいずれも初期化されない。よって、電断中にAM4:00を跨ぐことなく復電したときには、液晶表示器51の画面上における消化ゲーム数の報知態様は変化することなく電断前と同じ報知態様が継続される。このため、停電時に消化ゲーム数の報知態様が変更されてしまうことによって消化ゲーム数の計数情報も初期化されてしまったのではないかという不信感を遊技者に与えてしまうことを防止することができる。
一方、閉店中の電断などのように閉店中のAM4:00を跨いで復電したときには、消化ゲーム数の計数情報は継続されるが、消化ゲーム数の報知情報は初期化される。よって、電断中にAM4:00を跨いで復電したときには、液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知態様が変化し、「0」の表示に変更される。ここで、設定変更されたときにも消化ゲーム数の報知情報が初期化されるため、復電後には液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知態様が変化し、「0」の表示に変更される。つまり、設定変更されて復電したときと、設定変更されずに電断中にAM4:00を跨ぐような長期間の電断後に復電したときとで、消化ゲーム数の報知態様は同じになる。このため、復電時における消化ゲーム数の報知態様の変更有無によって設定変更の実行有無が遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。
また、変形例における初期化判定処理においては、まず、日時情報のうちの日付情報のみに基づき成立有無が判定可能である初期化条件1aの成立有無が判定され、初期化条件1aが成立しないときに、日付情報に加えて時刻情報に基づき初期化条件2a〜4aの成立有無が判定される。このため、日付情報に基づき判定結果が出るときには、時刻情報に基づく判定を省略することができるため、日時情報を用いた判定が煩雑になることを防止するともに判定に掛かる処理負荷を軽減することができる。
日付情報のみに基づく初期化条件1aの判定の結果、「復電日−電断日=1日」である場合には、初期化条件2aおよび初期化条件3aの成立有無が判定され、「復電日=電断日」である場合には、初期化条件4aの成立有無が判定される。このように、日付情報に基づく判定において初期化条件1aが成立しない理由に応じて、時刻情報に基づく判定基準を適切に選択することができるため、日時情報を用いた判定を効率良くすることができる。
設定変更されて初期化フラグ1がオンされたときには、エラー履歴情報が初期化されないのに対して、設定変更されずに初期化条件が成立して初期化フラグ2がオンされたときには、エラー履歴情報が初期化される。このため、日時情報に基づき初期化条件が成立するまで、エラー履歴情報を初期化することなく保持することができ、エラー履歴情報によって異常の発生有無を確認することができる。
また、変形例においても、初期化条件を店員などの操作によって適宜変更できるものであってもよい。たとえば、営業時間がAM10:00〜PM:11:00であれば、閉店時間はPM11:00〜AM10:00である。よって、店員の操作によって、初期化条件が成立する電断中に跨る時刻を「AM4:00」から「AM2:00」に変更してもよい。このように、営業時間などを考慮して、初期化条件が成立する電断中に跨る時刻を店員などに設定させることができる。
なお、初期化条件は4つに限らず、4つ未満であってもよいし、5つ以上であってもよい。
[更新情報について]
本実施の形態においては、更新情報の一例として、AT抽選契機が成立するまでの消化ゲーム数を適用したが、その他の情報であってもよい。
たとえば、更新情報は、入賞回数、ポイント数(たとえば、入賞時や特定役の当選時に得られるポイント)、ボーナス入賞回数、ATの残り回数、ユーザ所有の携帯端末を介して特典と交換可能なポイント数など、遊技の進行に伴い更新される情報であれば、いずれの情報であってもよい。
[更新情報の報知態様について]
本実施の形態においては、更新情報の報知態様の一例として、液晶表示器51の画面上に消化ゲーム数を加算方式で表示する態様であった。また、初期化条件が成立したときには表示していた消化ゲーム数を「0」に初期化することによって、報知態様を変更するものであった。しかし、更新情報の報知態様、および報知態様の変更はこれに限らない。
たとえば、更新情報の報知態様としては、本実施の形態のような「報知のありさま」に限らず、「報知の有無」または「報知の方法」であってもよい。
たとえば、更新情報の報知態様を「報知の有無」とした場合、液晶表示器51の画面上に表示された消化ゲーム数を、初期化条件が成立したときには表示されないものであってもよい。
たとえば、更新情報の報知態様を「報知の方法」とした場合、液晶表示器51の画面上にキャラクタ付きの数字で表示された消化ゲーム数を、キャラクタが消え、かつ消化ゲーム数が「0」に初期化されるものであってもよい。
[初期化条件の設定について]
本実施の形態においては、設定確認状態において、ストップスイッチおよびスタートスイッチ7を操作することによって初期化条件を設定できるものであったが、これに限らず、その他の方法で初期化条件を設定できるものであってもよい。
[報知情報を初期化したときの対処について]
本実施の形態においては、図23(c)に示すように、初期化条件が成立したときには、消化ゲーム数の計数が「100」になるのに対して、ゲーム数の報知は「1」となり、遊技者からの見た目上は消化ゲーム数が「1」であるが、内部で計数されている消化ゲーム数は「100」になってAT抽選契機が成立することになる。特に、AT抽選契機が成立したときに「チャンス」などの画像が表示されることによってAT抽選の実行が報知されるものであれば、遊技者に違和感を与えてしまう。また、復電したときに、見た目上の消化ゲーム数と内部で計数されている消化ゲーム数とがずれているか否かを確認することによって、設定変更されたか否かについても遊技者に認識されてしまう。このような事態を解消するため、以下のような対処をしてもよい。
たとえば、設定変更されて復電したときには、AT抽選契機が成立する消化ゲーム数を抽選によって決定してもよい。このようにすれば、設定変更されず、かつ初期化条件が成立して復電したときと同様に、設定変更されて復電したときにも、100ゲームではなく97ゲームなどでAT抽選契機が成立することになる。これにより、必ずしも100ゲームに到達することによってAT抽選契機が成立するものに限らないため、設定変更されたか否かについて遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。
また、たとえば、見た目上の消化ゲーム数と内部で計数されている消化ゲーム数とがずれている場合には、1周期分、AT抽選を飛ばして見た目上の消化ゲーム数と内部で計数されている消化ゲーム数とを一致させてもよい。たとえば、内部で計数されている消化ゲーム数が「97」であるのに対して、見た目上の消化ゲーム数が初期化されて「0」である場合、内部で計数されている消化ゲーム数を1周期分繰り上げて「0」にする。この場合、1回分のAT抽選が受けられないが、その分、AT制御が確定する天井ゲーム数(たとえば、1000ゲーム)に近づくため、遊技者が不利とならない。
[異常条件の判定について]
本実施の形態においては、図21に示す初期化判定処理において、先に異常条件の成立有無を判定し、異常条件が成立していない場合に限り初期化条件の成立有無を判定するものであった。しかし、これに限らず、先に初期化条件の成立有無を判定し、その後、異常条件の成立有無を判定し、初期化条件の成立有無に関わらず、異常条件が成立しているときにはエラー履歴情報の初期化を禁止するものであってもよい。
また、本実施の形態において、異常条件は、「復電日時=電断日時」または「復電日時<電断日時」であるといったように、異常条件が成立すれば、おのずと初期化条件が成立しないものであった。しかし、これに限らず、異常条件は、他の場合に成立するものであってもよく、初期化条件の成立有無と、異常条件が成立有無とは無関係であってもよい。
たとえば、異常条件は、RAM91cの更新時刻記憶領域におけるビット数の異常が検出された場合に成立するものであってもよい。この場合、たとえば、「復電日−電断日≧2日以上」の初期化条件1が成立している場合であっても、時刻情報を特定するビット数(たとえば、時間情報や分情報を特定するビット数)が異常であるときには異常条件が成立する。
また、上記のように、RAM91cの更新時刻記憶領域におけるビット数の異常が検出された場合に異常条件が成立するものにおいても、異常条件の成立有無と初期化条件の成立有無とにおける判定順序はいずれが先であってもよい。
なお、日時情報を用いた判定が煩雑になることを防止するという観点からすると、RAM91cの更新時刻記憶領域におけるビット数の異常を全て検出すると、日時情報を用いた判定が煩雑になるため、異常判定自体をしないものであってもよい。あるいは、異常判定においても、先に日付情報に関してビット数の異常有無を判定し、その後、日付情報におけるビット数が正常である場合に限り時刻情報(時間情報や分情報)に関してビット数の異常有無を判定するものであってもよい。
一方、異常が発生しているときにエラー履歴情報の初期化を禁止するという観点からすると、初期化条件の前もしくは後において異常条件の成立有無を判定するものであってもよい。
[日時情報に応じた制御について]
本実施の形態においては、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に応じて一斉演出を行った。しかし、これに限らず、たとえば、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に応じて演出を選択する、あるいは、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に応じて内部抽選やAT抽選の抽選確率を変更するなど、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に応じて上記実施形態と異なる制御を行ってもよい。
[日時情報の更新について]
本実施の形態においては、一の処理においてRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち単位時間情報(「年」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」)の更新を行い、一の処理に続く次の処理において他の単位時間情報の更新を行った。しかし、これに限らず、たとえば、一度の処理で複数の単位時間情報を更新する、あるいは、各単位時間情報を桁単位に分けて更新する、日時情報に変換可能なデータを所定量に分けて変換するなど、一度の処理で更新する時間情報を上記実施形態と異ならせてもよい。
本実施の形態においては、更新される時間情報単位の桁が順次繰り上がるように、秒情報から順にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新した。しかし、これに限らず、たとえば、分情報や時間情報から更新するなど、更新する時間情報の順番を上記実施形態と異ならせてもよい。
本実施の形態においては、最小の時間情報単位である1秒以内に全ての日時情報を更新したが、最小の時間情報単位である1秒以内に全ての日時情報を取得しないものであってもよい。
なお、サブ制御部91は、100ms毎の更新において、RTCが計時する日時のうち、時刻に対応する時刻情報のみを取得してもよいし、日付に対応する日付情報のみを取得して、RAM91cの更新時刻記憶領域に記憶してもよい。また、100ms毎の更新のうち、第1の更新では日付情報のみを取得し、第2の更新では時刻情報のみを取得してもよい。たとえば、開店時にスロットマシン1に対して最初に電力が供給されたときには、日付情報と時刻情報とを取得し、その後、閉店するまでは時刻情報のみを取得してもよい。
[制御履歴について]
本実施の形態においては、異常の発生とRAM91cの日時情報とを対応付けして記憶したが、ストップスイッチやスタートスイッチ7など各種操作部の操作、設定値の変更あるいは確認、メダルの投入や払い出しの検出など、エラーの発生以外の制御と日時情報とを対応付けして記憶するものであってもよい。
[日時情報の異常判定について]
本実施の形態においては、RAM91cの日時情報の各ビットのデータが異常であるか否かを判定することにより日時情報が異常であるか否かを判定した。しかし、これに限らず、連続して取得した日時情報同士を比較し、日時情報が正常に進んでなければ異常と判定してもよい。
[報知レベルについて]
本実施の形態においては、報知レベルを「高」と「低」の2段階に分けたが、2段階に限らず3段階以上に分けてもよい。
[演出や報知について]
本実施の形態においては、演出や報知を液晶表示器51で行ったが、たとえばスピーカ53,54、演出効果LED52、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(たとえば、リールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED(たとえば、演出効果LED52)、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記実施形態と異なる手段で履歴の報知を行ってもよい。また、報知は他の機能を有する装置の一部を利用して行ってもよいし(たとえば、リールLED55を用いて演出を行う場合にリールLED55はリールを背面側から照明する機能を有する)、演出のみを行う装置を設けて行ってもよい。
[日時情報の更新について]
本実施の形態においては、設定確認状態に移行した後に日時情報設定モードが選択され、日時情報設定モードにおいて、店員もしくはメーカの営業マンによるストップスイッチおよび演出用スイッチ56の操作に基づき、RTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報が所定の日時情報に更新される方法が用いられた。しかし、日時情報の更新はその他の方法で行われてもよい。
たとえば、スロットマシン1が備える操作手段(本実施の形態の場合、ストップスイッチ,演出用スイッチ56)を操作することによって日時情報を更新するものに限らず、スロットマシン1とは別の更新専用装置をスロットマシン1に接続して日時情報を更新するものであってもよい。
更新専用装置を用いた日時情報の更新例としては以下のようなものがある。たとえば、遊技制御基板40と演出制御基板90との間に設けられた通信ラインと同じように、演出制御基板90側に設けられたコネクタ差込口に更新専用装置のコネクタを差し込むことによって、更新専用装置と演出制御基板90との間にも通信ラインが形成されるものであってもよい。なお、更新専用装置を用いるときには、遊技制御基板40と演出制御基板90との間に設けられた通信ラインを取り外す方がよい。
更新専用装置には、複数のスイッチが設けられており、店員やメーカの営業マンは、これらのスイッチを外部から操作することによって、図24のSu1で受け付けられる日時情報の設定を開始するための設定開始入力、Su3で受け付けられる日時情報を所定の日時情報に書き換えるための更新入力、およびSu5で受け付けられる日時情報の設定を確定するための設定確定入力を行うことができる。これらの入力を受け付けたサブ制御部91は、図24に示す日時情報更新処理に基づき、RTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報を更新することができる。
また、更新専用装置を用いた日時情報の他の更新例としては以下のようなものがある。たとえば、サブ制御部91とRTC97のバス/インタフェース回路との間に設けられた通信ラインと同じように、RTC97のバス/インタフェース回路に設けられたコネクタ差込口に更新専用装置のコネクタを差し込むことによって、更新専用装置とRTC97との間にも通信ラインが形成されるものであってもよい。なお、更新専用装置を用いるときには、サブ制御部91とRTC97との間に設けられた通信ラインを取り外す方がよい。
更新専用装置には、複数のスイッチが設けられており、店員やメーカの営業マンは、これらのスイッチを外部から操作することができる。たとえば、日時情報の設定を開始するための設定開始スイッチが操作されたときには、更新専用装置からRTC97に対してフラグ領域に格納されている計時停止フラグをオンするための指示コマンドが出力される。これにより、日時情報を更新する前には、RTC97は、計時を停止する。その後、日時情報を所定の日時情報に書き換えるための更新スイッチが操作されたときには、更新専用装置からRTC97に対して時刻格納領域に所定値を格納するための指示コマンドが出力される。これにより、時刻格納領域に格納されている日時情報が所定日時の日時情報に書き換えられて更新される。その後、日時情報の設定を確定するための設定確定スイッチが操作されたときには、更新専用装置からRTC97に対してフラグ領域に格納されている計時停止フラグを初期化(オフ)するための指示コマンドが出力される。これにより、日時情報を更新した後には、RTC97は、計時を開始する。
以上のように、スロットマシン1とは別の更新専用装置を用いた場合でも、RTC97の時刻格納領域に格納されている日時情報を所定の日時情報に更新することができる。さらに、メーカの営業マンのみが更新専用装置を所有するようにすれば、メーカの営業マンのみが日時情報を更新でき、店員によって不正にRTC97の日時情報を更新されてしまうことを防止することができる。
また、更新専用装置を用いた場合でも、日時情報を更新する際には、まず計時が停止された上で日時情報が更新され、その後計時が再開される。このため、計時を続けた状態で日時情報が更新されることがなく、日時情報を更新する際に意図しない日時に更新されてしまうことを防止することができる。
さらに、RTC97に対して日時情報を更新するための指示コマンドを入力するための入力手段として、演出制御基板90およびRTC97のバス/インタフェース回路には、更新専用装置のコネクタを差し込むコネクタ差込口が予め設けられている。このため、日時情報を更新するための入力手段(コネクタ差込口など)を後付けする必要がない。
[パチンコ遊技機への適用について]
以上、所定の遊技を行う遊技機の一例としてスロットマシンを説明したが、所定の遊技を行う遊技機はパチンコ遊技機であってもよい。図33を参照しながら、変形例におけるパチンコ遊技機201について説明する。
図33に示すように、パチンコ遊技機201は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤202と、遊技盤202を支持固定する遊技機用枠203とから構成されている。遊技盤202には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤202の所定位置(図33に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置204Aと、第2特別図柄表示装置204Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置204Aおよび第2特別図柄表示装置204Bは、それぞれ、たとえば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などから構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示(可変表示ともいう)される。たとえば、第1特別図柄表示装置204Aおよび第2特別図柄表示装置204Bは、それぞれ「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号などから構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。以下では、第1特別図柄表示装置204Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置204Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤202における遊技領域の中央付近には、画像表示装置205が設けられている。画像表示装置205は、たとえばLCD(液晶表示器)などから構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置205の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置204Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置204Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、たとえば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rが配置されている。特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置204Aにおける第1特図の変動および第2特別図柄表示装置204Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rにおいて飾り図柄の変動(たとえば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置205における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rにおいて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置205の表示領域では、第1特別図柄表示装置204Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置204Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rにおいて可変表示される飾り図柄には、たとえば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、たとえば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。たとえば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rにおいて、たとえば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(たとえば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(たとえば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rのうちの少なくともいずれか1つ(たとえば「左」の飾り図柄表示エリア205Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置205の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア205Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア205Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置206Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置206Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
始動入賞記憶表示エリア205Hにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(たとえば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。
画像表示装置205の表示領域の始動入賞記憶表示エリア205Hの左側方には、変動中特図表示エリア205Iが設けられている。変動中特図表示エリア205Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置204Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア205Iに丸型で青色の画像が表示される。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置204Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中図柄表示エリア205Iに丸型で赤色の画像が表示される。すなわち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア205Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア205Iにシフトして表示される。この変動中特図表示エリア205Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置204Aまたは第2特別図柄表示装置204Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができる。
図33に示す例では、始動入賞記憶表示エリア205Hとともに、第1特別図柄表示装置204Aおよび第2特別図柄表示装置204Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器225Aと第2保留表示器225Bとが設けられている。第1保留表示器225Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器225Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。
画像表示装置205の下方には、普通入賞球装置206Aと、普通可変入賞球装置206Bとが設けられている。普通入賞球装置206Aは、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置206Bは、普通電動役物用となるソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置206Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置206Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置206Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、たとえば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過しにくいまたは通過できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置206Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、第1始動口スイッチによって検出される。普通可変入賞球装置206Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、第2始動口スイッチによって検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置206Aと普通可変入賞球装置206Bの下方には、特別可変入賞球装置207が設けられている。特別可変入賞球装置207は、大入賞口扉用となるソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置207では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置207では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過した遊技球は、カウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置207において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、たとえば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置207において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置207において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤202の所定位置(図33に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器220が設けられている。一例として、普通図柄表示器220は、第1特別図柄表示装置204Aや第2特別図柄表示装置204Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLEDなどから構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。
普通図柄表示器220の上方には、普図保留表示器225Cが設けられている。普図保留表示器225Cは、たとえば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート241を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤202の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音などを再生出力するためのスピーカ208L,208Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ209が設けられている。遊技機用枠203の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者などによって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。たとえば、打球操作ハンドルは、遊技者などによる操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠203の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠203の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機201の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ231Aが取り付けられている。スティックコントローラ231Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ231Aの操作桿を操作手で把持した状態において、所定の操作指で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ231Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。たとえば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ231Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン231Bが設けられている。プッシュボタン231Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン231Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン231Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
以上のようなパチンコ遊技機201においても、スロットマシン1における図17および図18の日時制御処理と同様の処理が実行されるものであってもよい。たとえば、パチンコ遊技機201は、スロットマシン1が備えるRTC97と同様の構成を備えたRTCを備えてもよい。そして、パチンコ遊技機201が備えるRTCから取得した日時情報に基づいて、100ms毎にRAMの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を単位日時情報毎に更新してもよい。これにより、処理落ちなどの不具合の発生を低減することができる。
また、パチンコ遊技機201においても、スロットマシン1における図21の初期化判定処理および図31の初期化判定処理と同様の処理が実行されるものであってもよい。
たとえば、遊技の進行に伴い更新される更新情報として、大当り遊技状態中に開放する大入賞口の残り開放回数、通常の状態に比べて大当りが発生する確率が高く確変状態への残り制御回数、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が通常の状態に比べて短縮される時短状態への残り制御回数など、遊技者が注目する更新情報を画像表示装置205の画面上に表示してもよい。
さらに、初期化判定処理において、初期化条件が成立しなかったときには、更新情報、更新情報を報知するための報知情報、およびエラー履歴情報のいずれも初期化されないものであってもよい。一方、所定条件が成立したときには、更新情報は継続されるが、更新情報の報知情報およびエラー履歴情報は初期化されるものであってもよい。
また、初期化判定処理においては、まず、日時情報のうちの日付情報のみに基づき初期化条件の成立有無が判定され、初期化条件が成立しないときに、日付情報に加えて時刻情報に基づき初期化条件の成立有無が判定されるものであってもよい。
初期化判定処理においては、日付情報に基づく判定において初期化条件が成立しない理由に応じて、時刻情報に基づく判定基準を異ならせてもよい。
また、初期化判定処理においては、復電日時と電断日時とに基づき異常条件が成立したときには、初期化条件の成立有無を判定することなく、エラー報知が行われるものであってもよい。
また、パチンコ遊技機201においても、スロットマシン1における図20の起動処理および図29の起動処理と同様の処理が実行されるものであってもよい。
たとえば、パチンコ遊技機201においては、パチンコ遊技機201が復電したときに、バックアップ異常フラグがオンか否かに関わらず、あるいは、バックアップ異常フラグがオンされていることを条件に、RTCに対して、計時の開始が指示されるとともに、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示されるものであってもよい。
また、パチンコ遊技機201においては、バックアップ異常フラグがオンされていることを条件に、RTCに対して、時刻格納領域に格納されている日時情報を基準日時の日時情報に書き換えるように指示されるものであってもよい。
さらに、パチンコ遊技機201においても、スロットマシン1における図24の日時情報設定処理と同様の処理が実行されるものであってもよい。
たとえば、パチンコ遊技機201においては、日時情報を更新する前に、RTCに対して、まず、フラグ領域に格納されている計時停止フラグをオンするための指示コマンドが入力されて計時が停止し、日時情報を更新した後には、フラグ領域に格納されている計時停止フラグを初期化(オフ)するための指示コマンドが入力されて計時が開始するものであってもよい。なお、パチンコ遊技機201においても、更新専用装置を用いて、外部からの操作によって日時情報を更新できるものであってもよい。
[遊技用装置への適用について]
以上、スロットマシン1およびパチンコ遊技機201といった遊技機について説明したが、上記で説明した実施形態は、遊技に関する制御を行う遊技用装置に適用してもよい。
たとえば、図1に示したデータ表示器200や台間機300が備えるRTCは、スロットマシン1が備えるRTC97と同様の構成を有するものであってもよい。そして、データ表示器200や台間機300においては、復電したときに、バックアップ異常フラグがオンか否かに関わらず、あるいは、バックアップ異常フラグがオンされていることを条件に、RTCに対して、計時の開始が指示されるとともに、タイマ機能およびアラーム機能を非動作状態とするように指示されるものであってもよい。また、バックアップ異常フラグがオンされていることを条件に、RTCに対して、時刻格納領域に格納されている日時情報を基準日時の日時情報に書き換えるように指示されるものであってもよい。さらに、日時情報を更新する前に、RTCに対して、まず、フラグ領域に格納されている計時停止フラグをオンするための指示コマンドが入力されて計時が停止し、日時情報を更新した後には、フラグ領域に格納されている計時停止フラグを初期化(オフ)するための指示コマンドが入力されて計時が開始するものであってもよい。なお、データ表示器200や台間機300においても、更新専用装置を用いて、外部からの操作によって日時情報を更新できるものであってもよい。
遊技用装置は、図1に示したデータ表示器200や台間機300に限らず、複数の遊技機が連なって設置された遊技島の端に設けられる液晶画面を有する両替機、あるいは遊技店の内外に設置されたデジタルサイネージ(電子看板)など、遊技に関する制御を行うその他の装置であってもよい。
[その他の変形例]
上述したスロットマシン1では、演出制御基板90にRTC97が設けられ、サブ制御部91からRTC97に対して各種の指示コマンドが入力されるものであったが、これに限らず、遊技制御基板40にRTC97が設けられ、メイン制御部41からRTC97に対して各種の指示コマンドが入力されるものであってもよい。このような形態であっても、メイン制御部41とRTC97との間の処理に対して、上述した実施の形態を適用することができる。
上述した実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上述した実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機(スロットマシン、パチンコ遊技機201)を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機に本発明を適用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
また、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンに限らず、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
さらに、このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末などの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。