JP2014176613A - 軟組織修復用合成構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘルニア修復において身体の損傷または弱くなった部位を支持、および/または補強するのに用いることができる繊維性軟組織修復用の合成構造体を提供する。
【解決手段】ヒトの繊維性軟組織のものに匹敵する機械的特性を示す平面フィブリル構造を含み、フィブリル構造は、少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する構成とする。又フィブリル構造の2つの対向する縁が、固定され折り畳まれた縁部を形成する構成とする。
【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2007年2月14日出願の米国仮特許出願第60/901,221号の利益を主張するものであり、この出願の全教示内容は、参照することで本明細書に組み入れられる。
軟組織修復用の合成構造体について説明する。かかる構造体は、実施形態では、軟組織の物理的特性に近づけるのに利用できる繊維構造体を含み得るため、軟組織の修復を促進するインプラントとして有用であり得る。
例えば、靭帯または腱などの様々なタイプの軟組織を補強、および/または、再構築する方法が現在ではいくつかある。組織の断裂または破断した端部を縫合することは、損傷組織の機能を回復させようとする1つの方法である。縫合は、合成の非生体吸収性または生体吸収性材料の使用により補強することもできる。患者の身体の別の部位から組織を取る自己移植は、軟組織を再構築する別の手段である。修復または再構築のさらに別の手段は、同種のドナーからの組織を用いる同種移植により達成することが可能である。軟組織の修復または再構築のさらに別の手段は、異なる種のドナーからの組織を用いる異種移植を通してである。さらに、軟組織を接着、補強、および/または再構築するための生体人工装置は、小腸粘膜下組織(SIS)または他の自然発生する細胞外基質(ECM)、自然発生するECM、あるいは、それに結合した合成部位を有するECM成分を含んでいる。
外科手術でメッシュを用いることは周知である。例えば、外科用メッシュは、例えばヘルニア修復において身体の損傷または弱くなった部位を支持、および/または補強するのに用いることができる。この場合、体内移植後に移植片を通じて組織が成長できるように、メッシュが十分に多孔性であることが望ましい場合もある。回復中の組織は埋め込まれたメッシュの多孔開口部を通じて成長し、メッシュと同化し、組織に構造上の一体性を付加する。外科用メッシュは、複数のヤーンを支持格子に編んだり、織ったり、組んだり、あるいは形成することにより作られる。さらに、かかるメッシュは、ポリプロピレンやポリエステルなどの材料で作られたモノフィラメントまたはマルチフィラメントヤーンによって作られる。モノフィラメントヤーンで形成された外科用メッシュは、満足な補強能力を備えるが、一般的に硬く、限られた柔軟性を有する。それに対して、マルチフィラメントヤーンで形成された外科用メッシュは、モノフィラメントヤーンで形成されたメッシュと比較して軟質かつ柔軟であることが多い。
本開示は、少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する平面フィブリル構造を含むインプラントを提供する。かかるインプラントは、ヒトの軟組織の修復用に利用することができる。フィブリル構造は、ヒトの繊維性軟組織の引張特性を示す。ある実施形態では、フィブリル構造は、ヒトの腱および/または靭帯の機械的特性を示す。
実施形態では、フィブリル構造は、約20〜約80N/mmの剛性を示し、その元の長さの約105%〜約150%で破損歪を示す。
フィブリル構造は、織ることができ、1インチ当たり約5〜約80本の縦糸繊維を有することができ、かつ、1つ以上の層を有していてもよい。フィブリル構造は、約10ミクロン〜約200ミクロンの直径を有する1本以上の繊維を含むことができる。フィブリル構造は、生体吸収性または非生体吸収性であってもよい。
本開示のインプラントにより繊維性軟組織を修復または再構築する方法も考えられる。実施形態では、本開示は、少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する、ヒトの腱の機械的特性を示す平面フィブリル構造を含むインプラントを提供する工程と、フィブリル構造をヒトの腱またはその断片に貼り付ける工程とを含む、ヒトの腱の機能的なサポートを提供する方法を提供する。他の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する、ヒトの腱の機械的特性を示す平面フィブリル構造を含むインプラントを提供する工程と、筋肉、骨、靭帯、腱、およびその断片にフィブリル構造を貼り付ける工程とを含む、ヒトの腱の機能を取り替える方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ヒトの腱の機能的なサポートを提供する方法は、少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する、ヒトの腱の機械的特性を示す平面フィブリル構造を含むインプラントを提供する工程と、小腸粘膜下組織生物性移植材料、無細胞皮膚組織マトリックス、および抗石灰化処理を施した架橋心膜異種移植片とフィブリル構造を組合わせる工程と、該組合わせをヒトの腱またはその断片に貼り付ける工程とを含む。
少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する、ヒトの靱帯の機械的特性を示す平面フィブリル構造を含むインプラントを提供する工程と、フィブリル構造をヒトの靱帯またはその断片に貼り付ける工程とを含む、ヒトの靱帯の機能的なサポートを提供する方法についても開示する。さらに他の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する、ヒトの靱帯の機械的特性を示す平面フィブリル構造を含むインプラントを提供する工程と、筋肉、骨、靭帯、腱、およびその断片にフィブリル構造を貼り付ける工程とによって、ヒトの靱帯の機能を取り替える方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ヒトの靱帯の機能的なサポートを提供する方法は、少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する、ヒトの靱帯の機械的特性を示す平面フィブリル構造を含むインプラントを提供する工程と、小腸粘膜下組織生物性移植材料、無細胞皮膚組織マトリックス、および抗石灰化処理を施した架橋心膜異種移植片などの材料とフィブリル構造を組合わせる工程と、該組合わせをヒトの靱帯またはその断片に貼り付ける工程とを含む。
その両側の2つの端部で固定され折り畳まれた縁部を有する本開示のインプラントの図である。 生物組織における理論的な歪み−応力曲線を示す。 RESTORE(登録商標)SIS、GRAFTJACKET(登録商標)、イヌの棘下(IFS)腱、および本開示によるインプラントにおける歪み−応力曲線を示す。 固定され折り畳まれた縁部、イヌのIFS、ヒトのIFS、RESTORE(登録商標)、GRAFTJACKET(登録商標)、CUFFPATCH(商標)、およびTISSUEMEND(登録商標)を有する本開示のインプラントにおける歪み−応力曲線を示す。 応力−歪み測定中におけるPLA織メッシュの配向性を示す。 RESTORE(登録商標)SIS、GRAFTJACKET(登録商標)、厚手メッシュ、VICRYL(登録商標)、IFS腱、および本開示による種々のインプラントを含む種々の試験材料における歪み−応力曲線を示す。 横糸繊維の密度がメッシュの引張剛性に大きな影響を及ぼさないことを示す、36本の縦糸繊維、および、(A)36本の横糸、(B)52本の横糸、(C)60本の横糸繊維で作られたインプラントにおける歪み−応力曲線を示す。 縦糸繊維の密度が高くなることで引張特性が増すことを示す、1インチ当たり(A)36本の縦糸、(B)52本の縦糸、および(C)60本の縦糸繊維で、52本繊維/インチの横糸密度を有する本開示のインプラント/メッシュにおける歪み−応力曲線を示す。
ヒトの繊維性軟組織を修復するための合成構造体は、ヒトの繊維性軟組織が有するものと同様の機械的特性を示す高分子繊維構造体を含む。実施形態では、フィブリル構造は、ヒトの腱および/または靭帯が有するものと同様の機械的特性を示す平面構造であってもよい。いくつかの実施形態では、平面フィブリル構造は、ヒトの靱帯の機械的特性を示す。本開示による軟組織、および/または高分子繊維構造体の機械的特性は、当業者の範囲内のあらゆる技術により決定することができる。例えば、軟組織、および/または繊維構造体の機械的特性は、機械試験装置に取り付けられたバネ付きクランプに試料を載置し、荷重および変位を測定しながら試料に定速伸長(5mm/分)を施し、得られた歪み−応力曲線を記録することで決定することができる。実施形態では、高分子フィブリル構造は、繊維性軟組織で示された剛性に匹敵する剛性を示すことがある。実施形態では、適当な剛性は、約10〜約500N/mmであり、適当な引張強度は、約20〜約2000Nである。いくつかの実施形態では、高分子繊維構造体の剛性は、約20〜約80N/mmである。いくつかの実施形態では、フィブリル構造は、その元の長さの約105%〜約150%で破損歪を示す。
繊維構造体は、当業者の範囲内のあらゆる方法で作製することができる。例えば、繊維構造体は、織ることができる。繊維構造体は、適当な機械的特性を有するもの、実施形態では、上述の剛性、引張強度、および/または破損歪を有するものであれば、不織構造体であることも考えられる。ある実施形態では、繊維構造体は、織られていてもよく、1インチ当たり約10〜約150本の縦糸繊維を含み、実施形態では、1インチ当たり約30〜約100本の縦糸繊維を含み、他の実施形態では、1インチ当たり約50〜約75本の縦糸繊維を含む。
フィブリル構造は、約10ミクロン〜約1.0mm、実施形態では、約15ミクロン〜約200ミクロン、他の実施形態では、約20ミクロン〜約50ミクロンの直径を有する繊維から作製することができる。フィブリル構造は、モノフィラメント、従来のマルチフィラメントヤーン、または二成分マルチフィラメントヤーンから作製してもよい。フィブリル構造は、少なくとも2本の異なる直径の多数の繊維から作製できることも考えられる。
高分子フィブリル構造は、適当な機械的特性を提供できるあらゆる生体適合性高分子材料から作ることができる。生体適合性材料は、生体吸収性または非生体吸収性であってもよい。適当な吸収性材料としては、限定的ではないが、グリコリド、ラクチド、炭酸トリメチレン、ジオキサノン、カプロラクトン、酸化アルキレン、オルトエステル類、その重合体および共重合体、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルギン酸、およびその組合わせが挙げられる。適当な非吸収性材料としては、限定的ではないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、フッ化ポリビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、そのブレンドおよび共重合体が挙げられる。
フィブリル構造の寸法は重要ではない。繊維構造体の幅や長さ寸法は、特定の用途や送達装置に従来採用されている範囲内で変更可能である。例えば、かかる範囲としては、約1cm×約1cm〜約15cm×約15cmの寸法が挙げられる。いくつかの実施形態では、約0.05mm〜約1.0mm、実施形態では、約0.1mm〜約0.75mmの厚さを有する薄型メッシュを形成する。本フィブリル構造は、関節鏡視下あるいは腹腔鏡下の体内移植が可能な小径を有するカニューレ内に嵌るように、巻いたり、あるいは、折り曲げることが可能な寸法にできるので有利である。実施形態では、本開示によるフィブリル構造は、約0.5mm〜約2mm、実施形態では、約0.7mm〜約1.3mmのオーダーの開口を画定する。
実施形態では、本開示のフィブリル構造は、少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有している。すなわち、本開示のフィブリル構造の縁部は、折り曲げられ、フィブリル構造の本体に貼り付けられる。実施形態では、この固定され折り畳まれた縁部は、「へり」と呼んでもよい。フィブリル構造の固定され折り畳まれた縁部は、フィブリル構造の自由縁端を折り曲げ、残りのフィブリル構造、すなわち、フィブリル構造本体に自由縁端を貼り付けることで形成することができ、それにより、残りのフィブリル構造本体にへり縫いされた縁部を有するフィブリル構造が得られる。そのため、フィブリル構造の折り畳まれた縁部は、フィブリル構造の縁部までの距離において二層を有するフィブリル構造、すなわち、それ自体の上に折り曲げられたフィブリル構造の端部を生成する。いくつかの実施形態では、本開示のフィブリル構造の両方の縁部は、フィブリル構造の2つの両端が固定され折り畳まれた縁部を有するように、両方とも折り曲げられて、フィブリル構造本体に貼り付けられている。
本開示のフィブリル構造の自由縁端は、限定的ではないが、縫合、超音波溶接、加熱、接着剤、その組合わせ等の使用を含む当業者の範囲内の方法を利用して、前記構造本体に取り付けられる。これら固定手段の配置は、フィブリル構造の折り畳まれた縁部のどの部分に沿っていてもよい。
いくつかの実施形態では、折り畳まれた縁部は、縫合を利用してフィブリル構造本体に取り付けられる。かかる縫合としては、本開示のフィブリル構造を生成するのに適当なものとして上記で特定したこれらの材料を含む、当業者の範囲内の任意の生体適合性材料からなる糸または繊維が挙げられる。実施形態では、多数列の縫合を利用して、本開示のフィブリル構造の縁部上にへりを形成してもよい。かかる構造体は、例えば、図1に示され、これは、フィブリル構造10の両端20および30を形成する、折り曲げられた両側の2つの縁部を有する本開示のフィブリル構造10を示す。図1に示すように、2列の縫合24および26はフィブリル構造10の端部20にあり、さらに2列の縫合34および36はフィブリル構造10の端部30にある。他の実施形態では、単一列の縫合(不図示)を利用して、フィブリル構造10の折り畳まれた縁部を固定してもよく、例えば、縫合24または26は、端部30に沿った縫合34または36と必要に応じて組合せて、端部20に沿って配置してもよい。
前述したように、他の実施形態では、加熱を利用して、フィブリル構造の自由縁端をフィブリル構造本体に貼り付けてもよい。加熱量は、少なくともフィブリル構造の自由縁端が粘着性になり、フィブリル構造本体に貼り付けられる程に十分でなければならない。いくつかの実施形態では、加熱量は、縁部とフィブリル構造本体の両方を粘着性にしてもよく、それにより、自由縁端をフィブリル構造本体に貼り付けることができる。自由縁端をフィブリル構造本体に貼り付けるのに利用できる適当な温度は、当業者の範囲内であり、フィブリル構造を形成するのに利用される材料に応じて変化することがある。実施形態では、適当な温度は、約50℃〜約500℃、実施形態では、約100℃〜約400℃である。
他の実施形態では、接着剤を用いて、フィブリル構造の自由縁端をフィブリル構造本体に貼り付けてもよい。適当な接着剤は、実施形態では、当業者の範囲内のあらゆる生体適合性材料である。かかる接着剤の例としては、限定的ではないが、フィブリン、生体吸収性ゼラチン、アクリル、アクリレート、天然ゴム、多糖類、ペプチド、ポリペプチド、ポリアルキレングリコールを含む接着剤、その置換変更物、その組合わせ等が挙げられる。
使用時、フィブリル構造は、縫合、仮縫い、接着剤、その組合わせ等を用いることを含む、当業者の範囲内の任意の方法を利用して組織に取り付けることができる。図1を参照すると、実施形態では、フィブリル構造10の端部20は、縫合線を縫合24と26との列の間に置くことで、組織に貼り付け、これにより、フィブリル構造10の端部20を組織に取り付けることができる。同様に、フィブリル構造10の端部30は、縫合線を縫合34と36との列の間に置くことで、組織に貼り付け、これにより、フィブリル構造10の端部30を組織に取り付けることができる。
実施形態では、上述したフィブリル構造の固定され折り畳まれた縁部の形成により、付着点の強度を高めた本開示のフィブリル構造を提供することができ、本開示のフィブリル構造が、本開示のフィブリル構造を組織に貼り付けるのに利用した縫合、あるいは、同様の手段から剥離する機会を最小限にすることができる。
生物活性剤をフィブリル構造に適用可能であることも考えられる。用語「生物活性剤」は、本明細書において使用される場合、その最も広い意味において使用され、かつ、臨床上の用途を有するあらゆる物質または物質の混合物を含む。生物活性剤は、薬理学的活性(例えば、色素または芳香)を有しても有していなくてもよい。あるいは、生物活性剤は、治療または予防効果をもたらすことができる。例えば、生物活性剤は、組織増殖、細胞増殖、細胞分化等に影響または関与することができ、免疫応答性などの生物学的作用を惹起し得ることもあり、あるいは、1つ以上の生物学的プロセスにおいてあらゆる他の役割を果たすこともある。
本開示に従って利用され得る生物活性剤の分類の例としては、癒着防止剤、抗菌剤、鎮痛薬、解熱剤、麻酔薬、抗癲癇剤、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、心臓脈管薬、診断用薬、交感神経興奮薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン様作用薬、鎮痙薬、ホルモン類、成長因子、筋弛緩薬、アドレナリン性ニューロン遮断薬、抗新生物薬、免疫原、免疫抑制薬、胃腸薬、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、および酵素が挙げられる。生物活性剤の組合わせを使用することも包含されるものである。
癒着防止剤を用いて、本開示のフィブリル構造と対象組織に対向する周辺組織との間での癒着形成を防止することができる。さらに、癒着防止剤を用いて、本開示のフィブリル構造と任意の包装材料との間での癒着形成を防止することができる。これら薬剤のいくつかの例としては、限定的ではないが、ポリ(ビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、酸化ポリエチレン、ポリビニルアルコール、およびその組合わせが挙げられる。
本開示のフィブリル構造により生物活性剤として含まれ得る適当な抗菌剤としては、トリクロサン(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルとしても公知)、クロルヘキシジンおよびその塩(酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、および硫酸クロルヘキシジンを含む)、銀およびその塩(酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、プロテイン銀、およびスルファジアジン銀を含む)、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシンおよびゲンタマイシン)、リファンピシン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン(例えば、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、およびシプロフロキサシン)、ペニシリン(例えば、オキサシリンおよびピプラシル)、ノンオキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、およびその組合わせが挙げられる。さらに、ウシラクトフェリンおよびラクトフェリシンBなどの抗菌性のタンパク質およびペプチドは、生物活性剤として本開示のフィブリル構造と一緒に含むことができる。
生物活性剤として本開示のフィブリル構造と一緒に含まれ得る他の生物活性剤としては、局所麻酔薬;非ステロイド性避妊薬;副交感神経作用薬;精神治療薬;精神安定薬;うっ血除去薬;催眠鎮静薬;ステロイド;スルホンアミド;交感神経作用薬;ワクチン;ビタミン;抗マラリア薬;片頭痛治療薬;抗パーキンソン病薬(例えば、L−ドーパ);鎮痙薬;抗コリン作用薬(例えば、オキシブチニン);鎮咳薬;気管支拡張薬;心臓血管作用薬(例えば、冠動脈拡張薬およびニトログリセリン);アルカロイド;鎮痛薬;麻酔薬(例えば、コデイン、ジヒドロコデイノン、メペリジン、モルヒネ等);非麻酔薬(例えば、サリチル酸塩、アスピリン、アセトアミノフェン、d−プロポキシフェン等);オピオイド受容体拮抗薬(例えば、ナルトレキソンおよびナロキソン);抗癌剤;抗痙攣薬;制吐薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症薬(例えば、ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン剤、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾン等);プロスタグランジンおよび細胞傷害性薬物;エストロゲン;抗菌薬;抗生物質;抗真菌薬;抗ウイルス薬;抗凝血薬;抗痙攣薬;抗うつ薬;抗ヒスタミン薬;および免疫学的薬剤が挙げられる。
本開示のフィブリル構造と一緒に含まれ得る適当な生物活性剤の他の例としては、ウイルスおよび細胞、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質、ならびにこれらのアナログ、ムテイン、および活性フラグメント(例えば、免疫グロブリン、抗体)、サイトカイン(例えば、リンホカイン、モノカイン、ケモカイン)、血液凝固因子、造血因子、インターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−6)、インターフェロン(β−IFN、α−IFN、およびγ−IFN)、エリスロポエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、制癌薬および腫瘍抑制遺伝子、血液タンパク質、ゴナドトロピン(例えば、FSH、LH、CG等)、ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン)、ワクチン(例えば、腫瘍抗原、細菌抗原、およびウイルス抗原);ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子;細胞外基質分子(例えば、フィブロネクチンおよびラミニン);ヒアルロン酸;コラーゲン;グリコサミノグリカン;モルフォゲン;化学誘引剤;成長因子(例えば、神経増殖因子、インスリン様増殖因子、EGF、FGF、PDGF、およびVEGF);タンパク質インヒビター、タンパク質アンタゴニスト、およびタンパク質アゴニスト;核酸(例えば、アンチセンス分子、DNA、およびRNA);オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;ならびにリボザイムが挙げられる。
当業者の範囲内のあらゆる技術を用いて、生体活性材料をフィブリル構造に適用することができる。例えば、生物活性剤は、任意の適当な形態(例えば、フィルム、粉末、液体、ゲル等)で本開示のフィブリル構造に適用することができる。実施形態では、適当な溶媒中の生物活性剤の溶液を調製し、溶媒を取り除いて、生体活性材料をフィブリル構造上に被着させることができる。別の例としては、フィブリル構造に生物活性剤を埋め込むように、フィブリル構造の周囲で架橋可能な生物活性剤がある。
フィブリル構造の縁部を折り曲げ、それをフィブリル構造本体に取り付けることによって、フィブリル構造の固定され折り畳まれた縁部が形成される場合、フィブリル構造の折り畳まれた縁部内に生体活性材料を配置してもよい。生物活性剤は、フィブリル構造の折り畳まれた縁部内であればどこに配置してもよく、実施形態では、フィブリル構造の縁部が折り曲げられて形成された溝もしくは折り目に配置してもよい。上述したどの生体活性材料も、フィブリル構造の折り畳まれた縁部内に配置することができる。これにより、フィブリル構造の付着部位で生物活性剤を放出することができ、実施形態では、欠損自体が治療されることにより、欠損の治癒が高まる。
実施形態では、生体活性材料を管構造体に配置し、次いで、フィブリル構造の縁部が折り曲げられて形成された任意の溝もしくは折り目を含む、フィブリル構造の折り畳まれた縁部内に配置することができる。当業者の範囲内の任意の生体適合性材料を利用して、チューブを形成し、その内部に生体活性材料を配置することができる。かかる材料としては、実施形態では、本開示のフィブリル構造を形成するのに利用されるあらゆる材料が挙げられる。
本開示によるフィブリル構造の2層以上の層を組合わせて、他の実施形態による軟組織修復装置を調製することができることも考えられる。2層以上の層の組合わせが軟組織の機械的特性を示すのであれば、2層以上の層の各々は、同じまたは異なる機械的特性を有してもよい。さらに、2層以上の層の各々は、同じまたは異なる生体内吸収特性を有してもいてよい。さらに、2層以上の層の各々は、必要に応じて同じまたは異なる生体活性材料であってもよい。前述したように、フィブリル構造が単層である場合、フィブリル構造の折り畳まれた縁部は、二層を有するフィブリル構造の端部を成し;同様に、フィブリル構造本体が複数の層を有する場合、固定され折り畳まれた縁部は、フィブリル構造の縁部までの距離においてフィブリル構造がそれ自体の上に折り曲げられているため、2倍の数の層を有する。
フィブリル構造は、当業者の範囲内の任意の技術に従って包装し、滅菌することができる。インプラントあるいは複数のインプラントを維持する包装は、当業者の範囲内で種々の形態をとることができる。包装材料自体は、バクテリアおよび液体または蒸気が不透過性なものであってよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ビニルクロリド)、ポリ(エチレンテレフタレート)等からなるフィルム、シート、またはチューブなどである。シーム、ジョイント、シール等は、例えば、ヒートシールおよび接着結合などの従来技術による包装により形成することができる。ヒートシールの例としては、加熱ローラを用いたシール、加熱バーを用いたシール、高周波シール、および超音波シールが挙げられる。感圧接着剤に基づく可剥性シールも用いられる。
本明細書に記載されるフィブリル構造を用いて、繊維性軟組織を修復、支持、および/または再構築することができる。フィブリル構造により、繊維性軟組織への機械的機能性を急速に回復することができる。フィブリル構造は、従来の外科あるいは腹腔鏡下/関節鏡視下の技術を用いて埋め込まれる。フィブリル構造は、軟組織、または、修復される軟組織に隣接あるいは関連する骨に貼り付けることができる。実施形態では、フィブリル構造は、筋肉、骨、靭帯、腱、またはその断片に貼り付けてもよい。フィブリル構造を貼り付けることは、適当な固定具、綿撒糸等を使用して、または使用せずに、例えば、縫合、ステープル等を用いて、当業者の範囲内の技術を用いて達成することができる。
本フィブリル構造は、単独で、あるいは、当業者の範囲内の他の組織修復用製品と組合わせて用いることができる。本フィブリル構造と組合わせて用いることができる適当な組織修復用製品としては、例えば、RESTORE(登録商標)、Depuy Orthopedics Inc.(インディアナ州ワルシャワ)から市販されている小腸粘膜下組織(SIS)生物学的移植材料;GRAFTJACKET(登録商標)、Wright Medical Technology,Inc.(テネシー州アーリントン)から市販されている無細胞性皮膚組織マトリックス;CUFFPATCH(商標)、Biomet Sports Medicine,Inc./Arthrotek(インディアナ州ワルシャワ)製のI型ブタコラーゲン材料;TISSUEMEND(登録商標)、Stryker(ミシガン州カラマズー)製の無細胞性コラーゲン膜材料;およびENCUFF(登録商標)、Selhigh,Inc.(ニュージャージー州ユニオン)から市販されている抗石灰化処理を施されている架橋された心膜異種移植片が挙げられる。本フィブリル構造に関連して使用するのに適当な他の組織修復用製品は、当業者には明らかであろう。他の組織修復用製品は、フィブリル構造とは別であってもよいし、フィブリル構造に取り付けていてもよい。
当業者が本明細書に記載の組成物および方法をより良く実用化できるように、本組成物および本方法を調製する実例として以下の実施例を与える。本発明は、実施例で具体化された特定の詳細に限定されない点に留意されたい。
(実施例1)
ポリ乳酸薄織メッシュの定速伸長試験
この実験の目的は、Depuy Orthopedics Inc.(インディアナ州ワルシャワ)から市販されている小腸粘膜下組織(SIS)生物学的移植材料であるRESTORE(登録商標)、Wright Medical Technology,Inc.(テネシー州アーリントン)から市販されている無細胞性皮膚組織マトリックスであるGRAFTJACKET(登録商標)、および犬の棘下(IFS)腱と比較して、52本の縦糸繊維×52本の横糸繊維からなる薄織ポリ乳酸(PLA)の機械的特性を判定することであった。図2に示すように、生物組織を伸張させる際に、機械的特性が著しく異なる2つの領域がある。すなわち、マトリックス成分が縮れている、または非組織化されている先端領域と;マトリックス成分が伸張中に荷重が増していく伸張方向に配列されている直線領域とである。
機械試験装置に取り付けられたバネ付きクランプに試料を置き、荷重および変位を測定しながら定速伸長(5mm/分)を施した。歪み−応力曲線を各試料ごとに記録し、IFS腱について得られたものとデータを比較した。図3で分かるように、薄織メッシュの引張特性は、IFS腱のものに匹敵する。
(実施例2)
図1に示すようにへりを有する本開示のメッシュと、イヌのIFS腱、ヒトのIFS腱、RESTORE(登録商標)SIS移植片材料、GRAFTJACKET(登録商標)無細胞性皮膚組織マトリックス、Biomet Sports Medicine,Inc./Arthrotek(インディアナ州ワルシャワ)製のCUFFPATCH(商標)I型ブタコラーゲン材料、およびStryker(ミシガン州カラマズー)製のTISSUEMEND(登録商標)無細胞性コラーゲン膜材料とのさらなる比較を上記の実施例1の方法を利用して行った。
これらの試験結果を図4に示す。図4で分かるように、へりを有する本開示のメッシュの引張特性は、IFS腱のものと同様であった。
(実施例3)
種々の縦糸および横糸の繊維構造のポリ乳酸織メッシュの定速伸長試験
この実験の目的は、定められた数の縦糸繊維および横糸繊維で構築された一連のポリ乳酸(PLA)織メッシュの機械的特性を判定することであった。この研究では、自然腱の強度と比較するため、ヒトと犬の棘下(IFS)腱の試料を入れていた。データを用いて、ヒトまたはイヌのIFS腱に近い機械的特性をもつメッシュを設計するのに必要な縦糸と横糸の繊維本数の関係を築くことができる。試料は、機械試験装置で同一条件下にて試験した。全てのメッシュについて水平方向で試験し、繊維の端部は固定されなかった(図5を参照)。
機械試験装置に取り付けられたバネ付きクランプに試料を置き、荷重および変位を測定しながら定速伸長(5mm/分)を施した。データを分析し、2ニュートン(N)の荷重でのランプ弾性率(ramp modulus)(剛性)と歪みを判定した。ランプ弾性率は、記録した最大荷重の25〜75%間で算出した。さらに、歪み−応力曲線を各試料ごとに記録し、ヒトおよびイヌのIFS腱について得られたものとデータを比較した。表1は、本試験で試した試料における縦糸と横糸の繊維本数を示す。
表1.試験に関わった異なるメッシュ設計
Figure 2014176613
いくつかの試験材料の歪み−応力曲線を図6に示す。結果は、メッシュの機械的特性が、メッシュの製造に応じて、ヒトやイヌのIFS腱よりも大きい、それと同様、あるいはそれ未満になることを示している。図7では、メッシュ構成と得られた機械的特性との間の潜在的な関係を試験するため、歪み−応力曲線は、縦糸繊維の本数に従って分類される。結果は、横糸方向の繊維本数が、フィブリル構造の引張特性に大きな影響を及ぼさないことを示している。定速伸長試験は縦糸方向で行っているため、横糸方向の繊維は、メッシュの強度に貢献してはならない。図8から分かるように、縦糸繊維の本数が多くなるほど、グラフの直線領域でより急峻な勾配がもたらされ、これは、36本、52本、および60本の縦糸繊維に対し、それぞれ、平均ランプ弾性率が356、557、および562MPaであることで確認される。
定速伸長試験は縦糸方向で行っているため、縦糸繊維の本数の増加は、横糸繊維の本数が同じである場合、縦糸方向におけるメッシュ強度を増す結果でなければならない。
表2は、試験したメッシュの寸法ごとの最大荷重を示す。当業者であれば、腱板腱が耐えられる最大荷重は550〜1,800Nの範囲であることが分かるであろう。さらに、合成腱は、腱板腱の機能的機械的範囲で行うため、下限範囲のおよそ40%の最小値、すなわち、約220Nの強度をもたなければならない。従って、表2のデータによれば、幅が2インチの修復装置は、荷重要件を満たすため、約2〜3のメッシュ層を必要とする。当業者であれば分かるように、必要となる層の数は、選択された縦糸および横糸の繊維本数による。場合によっては、たった1つの層の幅の僅かな増加、例えば、2インチ〜3.2インチの増加により、メッシュが耐える最大荷重を満たすであろう.
表2.各メッシュが耐えた最大荷重
Figure 2014176613
以上に示したデータを用いて、横糸繊維の本数の関数として、縦糸繊維ごとの最大耐荷重を算出することができる(表3)。表3のデータから分かるように、縦糸繊維1本当たりの最大荷重は、異なる数の横糸繊維を有するメッシュと非常に似通っている。平均最大荷重は0.764Nであるため、最大荷重220Nに耐えられるメッシュを構築するには228本の縦糸繊維が必要となる。
表3.各縦糸繊維の最大荷重
Figure 2014176613
この試験の結果としては、メッシュは、特定の機械的特性を有するよう意図的に設計でき、なおかつ、これらは、ヒトやイヌのIFS腱の機械的特性と同様になり得ることが挙げられる。従って、メッシュは、ヒトの腱板腱の損傷を修復するのに十分な強度をもつであろう。特に、縦糸繊維の本数が最大耐荷重に影響を及ぼし、かつ、縦糸繊維1本当たりが耐えた荷重はおよそ0.764Nであることが分かった。これらのデータにより、所望の腱修復に影響を及ぼすメッシュ幅の選択に必要な情報がもたらされ、なおかつ、必要となる最大耐荷重をもたらすのに必要な縦糸繊維の本数が分かる。
本明細書に開示された実施形態に対して様々な改変を行ってもよいことを理解されたい。従って、上記説明は、限定するものと解されるべきではなく、好適な実施形態の単なる例示に過ぎない。当業者であれば、本明細書に添付されている請求項の範囲および精神の逸脱しない範囲における他の改変が考えられるであろう。

Claims (24)

  1. 少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部を有する織られた平面フィブリル構造を含むインプラント。
  2. 前記平面フィブリル構造が、ヒトの繊維性軟組織の機械的特性を示す、請求項1に記載のインプラント。
  3. 前記フィブリル構造の2つの対向する縁が、固定され折り畳まれた縁部を形成する、請求項1に記載のインプラント。
  4. 前記固定され折り畳まれた縁部が、縫合、超音波溶接、加熱、接着剤、またはそれらの組合わせによって前記フィブリル構造に固定されている、請求項1に記載のインプラント。
  5. 前記フィブリル構造の固定され折り畳まれた縁部が、少なくとも1列の縫合によって前記フィブリル構造に貼り付けられる、請求項1に記載のインプラント。
  6. 前記フィブリル構造の固定され折り畳まれた縁部が、フィブリン、生体吸収性ゼラチン、アクリル、アクリレート、天然ゴム、多糖類、ペプチド、ポリペプチド、ポリアルキレングリコール、およびそれらの組合わせからなる群から選択される接着剤によって前記フィブリル構造に貼り付けられる、請求項1に記載のインプラント。
  7. 前記平面フィブリル構造が生体吸収性である、請求項1に記載のインプラント。
  8. 前記平面フィブリル構造が、グリコリド、ラクチド、炭酸トリメチレン、ジオキサノン、カプロラクトン、酸化アルキレン、オルトエステル、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルギン酸、およびそれらの組合わせからなる群から選択される少なくとも1つの部材から作製される、請求項7に記載のインプラント。
  9. 前記平面フィブリル構造が非生体吸収性である、請求項1に記載のインプラント。
  10. 前記平面フィブリル構造が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアルキレンテレフタレート、フッ化ポリビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、およびそれらの組合わせからなる群から選択される少なくとも1つの部材から作製される、請求項9に記載のインプラント。
  11. 前記平面フィブリル構造が、ヒトの腱の機械的特性を示す、請求項1に記載のインプラント。
  12. 前記平面フィブリル構造が、10〜500N/mmの剛性を示す、請求項11に記載のインプラント。
  13. 前記平面フィブリル構造が、20〜2000Nの引張強度を示す、請求項11に記載のインプラント。
  14. 前記平面フィブリル構造が、その元の長さの105%〜150%で破損歪を示す、請求項11に記載のインプラント。
  15. 前記平面フィブリル構造が、ヒトの靱帯の機械的特性を示す、請求項1に記載のインプラント。
  16. 前記平面フィブリル構造が、10〜500N/mmの剛性を示す、請求項15に記載のインプラント。
  17. 前記平面フィブリル構造が、20〜2000Nの引張強度を示す、請求項15に記載のインプラント。
  18. 高分子繊維構造体が、その元の長さの105%〜150%で破損歪を示す、請求項15に記載のインプラント。
  19. 前記平面フィブリル構造が、1インチ当たり10〜150の縦糸繊維を有する、請求項1に記載のインプラント。
  20. 前記平面フィブリル構造が、10ミクロン〜200ミクロンの直径を有する少なくとも1本の繊維を含む、請求項1に記載のインプラント。
  21. 前記平面フィブリル構造が、少なくとも2本の異なる直径の繊維を含む、請求項1に記載のインプラント。
  22. 前記平面フィブリル構造が、少なくとも2つの層を有する、請求項1に記載のインプラント。
  23. 前記平面フィブリル構造が、その上に生物活性剤を含む、請求項1に記載のインプラント。
  24. 前記平面フィブリル構造が、前記少なくとも1つの固定され折り畳まれた縁部内に生物活性剤を含む、請求項1に記載のインプラント。
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