JP2014176361A - 微細藻類の培養装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 好気条件下で微細藻類を培養しつつ、好気条件下で培養した微細藻類を十分な嫌気条件下で培養できる微細藻類の培養装置を提供することを課題としている。
【解決手段】 微細藻類と培養液との混合液を収容する槽本体と、該槽本体の内部空間に配され前記混合液に酸素ガスを供給する散気部と、該散気部より下側の前記槽本体の内部空間を上下に仕切る仕切り板とを備え、前記槽本体の内部には、前記仕切り板の上側空間と下側空間とを連通させる開口が形成されている微細藻類の培養装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細藻類の培養装置に関する。
従来、微細藻類の培養装置としては、様々なものが知られており、例えば、微細藻類と培養液との混合液を収容する槽本体を備え、槽本体内部において微細藻類を培養するように構成されたものが知られている。
この種の微細藻類の培養装置としては、例えば、槽本体の内部空間に配され混合液に酸素ガスを含む気体を供給する散気部を備えたものが提案されている(特許文献1)
上記の微細藻類の培養装置においては、例えば、微細藻類としてのクロレラ属微細藻類に対して、微細藻類の呼吸に必要な酸素ガスを散気部によって供給し、酸素ガス濃度が比較的高い好気条件下において微細藻類を培養することができる。
しかしながら、上記の微細藻類の培養装置は、散気部によって好気条件下で微細藻類を培養できるものの、単に散気部を備えただけでは散気部の散気によって混合液が槽本体内で循環され、散気部より下側の混合液にも酸素ガスが供給され得る。
従って、上記の微細藻類の培養装置においては、必ずしも十分な嫌気条件下で微細藻類を培養できないという問題がある。
特開平10−108565
ところで、十分な嫌気条件下で培養されるべき微細藻類としては、例えば、ユーグレナ属微細藻類が挙げられる。ユーグレナ属微細藻類は、酸素ガス濃度が比較的高い好気条件下でパラミロンなどの多糖類を産生し、その後、酸素ガス濃度が比較的低い嫌気条件下でパラミロンをワックスエステルへと変換できる微細藻類である。変換によって生じたワックスエステルは、例えば、燃料等の用途で利用され得る。
ところが、上記の微細藻類の培養装置は、上述したように、微細藻類を必ずしも十分な嫌気条件下で培養できないという問題を有する。従って、上記の微細藻類の培養装置においては、例えば微細藻類としてのユーグレナ属微細藻類が培養されると、散気によってユーグレナ属微細藻類によるパラミロンの産生を促すことができるものの、必ずしも十分に嫌気条件下で培養できないことから、ユーグレナ属微細藻類によるパラミロンからワックスエステルへの変換を十分に促すことができない。
本発明は、上記の問題点等に鑑み、好気条件下で微細藻類を培養しつつ、好気条件下で培養した微細藻類を十分な嫌気条件下で培養できる微細藻類の培養装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る微細藻類の培養装置は、微細藻類と培養液との混合液を収容する槽本体と、該槽本体の内部空間に配され前記混合液に酸素ガスを供給する散気部と、該散気部より下側の前記槽本体の内部空間を上下に仕切る仕切り板とを備え、
前記槽本体の内部には、前記仕切り板の上側空間と下側空間とを連通させる開口が形成されていることを特徴とする。
上記構成からなる微細藻類の培養装置においては、槽本体に収容した混合液における散気部より上側の酸素ガス濃度が比較的高いため、散気部より上側にて微細藻類を好気条件下で培養することができる。
しかも、斯かる微細藻類の培養装置においては、好気条件下で培養された微細藻類が混合液の循環によって前記開口を経由して前記仕切り板よりも下側へ移動し得る。仕切り板の下側は、仕切り板によって酸素ガスによる混合液の流動が抑制されているため、仕切り板の上側よりも酸素ガス濃度が低い状態となっている。従って、仕切り板の下側に移動した微細藻類は、酸素ガス濃度が十分に低い嫌気条件下に暴露されるため、十分な嫌気条件下で培養されることとなる。
このように、上記構成からなる微細藻類の培養装置によれば、好気条件下で微細藻類を培養しつつ、好気条件下で培養した微細藻類を十分な嫌気条件下で培養できる。
本発明に係る微細藻類の培養装置においては、前記槽本体が、傾斜した底面を有する底壁部を有し、該底壁部が、内部空間の水平方向での断面積が下方ほど小さくなるように形成されており、前記開口が、前記底壁部の上部における前記底面の上方に配されていることが好ましい。
斯かる構成により、開口を経て底壁部の上部における底面に沈降した微細藻類が、仕切り板の下側にて、傾斜した底壁部の底面に沿って底壁部の上部から下部へ移動しつつ、十分な嫌気条件下で培養される。そして、沈降した微細藻類を底壁部の最下部に集めることができる。このように、微細藻類が十分な嫌気条件下で培養される時間をより確実に確保することができる。
本発明に係る微細藻類の培養装置においては、前記槽本体が、前記底壁部の周縁部から上方に延びる側壁部を有し、前記底壁部の最下部が、側壁部の一部の下方に配されていることが好ましい。
本発明に係る微細藻類の培養装置においては、前記微細藻類がユーグレナ属微細藻類であることが好ましい。
本発明の微細藻類の培養装置は、上述したように、好気条件下で微細藻類を培養しつつ、好気条件下で培養した微細藻類を十分な嫌気条件下で培養できるという効果を奏する。
微細藻類の培養装置の概要を表した概略図。
以下、本発明に係る微細藻類の培養装置の一実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本実施形態の微細藻類の培養装置を模式的に表した図である。
本実施形態の微細藻類の培養装置1は、図1に示すように、微細藻類と培養液との混合液Lを収容する槽本体2と、該槽本体2の内部空間に配され前記混合液Lに酸素ガスを供給する散気部3と、該散気部3より下側の前記槽本体2の内部空間を上下に仕切る仕切り板4とを備え、
前記槽本体2の内部に、前記仕切り板4の上側空間と下側空間とを連通させる開口Hが形成されているものである。
本実施形態の微細藻類の培養装置1においては、通常、前記微細藻類として、ユーグレナ属微細藻類が採用される。
本実施形態の微細藻類の培養装置においては、槽本体に収容した混合液における散気部より上側の酸素ガス濃度が比較的高いため、ユーグレナ属微細藻類の培養によって該微細藻類にパラミロンを産生させることができる。
しかも、斯かる微細藻類の培養装置においては、体内にパラミロンを蓄積したユーグレナ属微細藻類が混合液の循環によって前記開口を経由して前記仕切り板よりも下側へ移動し得る。仕切り板の下側は、仕切り板によって酸素ガスによる混合液の流動が抑制されているため、仕切り板の上側よりも酸素ガス濃度が低い状態となっている。従って、体内にパラミロンを蓄積し仕切り板の下側に移動したユーグレナ属微細藻類は、酸素ガス濃度が十分に低い嫌気条件下に暴露されるため、パラミロンをワックスエステルへと変換することとなる。
このように、本実施形態の微細藻類の培養装置によれば、ユーグレナ属微細藻類によるパラミロンの産生を促しつつ、産生されたパラミロンからワックスエステルへの変換をも十分に促すことができる。
前記槽本体2は、内部空間に混合液Lを収容し、微細藻類を培養するように構成されている。
前記槽本体2は、図1に示すように、水平方向に対して傾斜した底面を有する板状の底壁部2aと、該底壁部2aの周縁部から上方へ延びる筒状の側壁部2bとを有している。
前記培養装置1は、散気部3が混合液Lに酸素ガスを供給することにより、槽本体2内に収容した混合液Lにおける散気部3より上側で、微細藻類を好気条件下で培養できるように構成されている。また、前記培養装置1は、散気部3の散気によって混合水を流動させるように構成されている。
さらに、前記培養装置1は、散気部3より下側であり且つ仕切り板4の上側で、上記の好気条件下よりも酸素ガス濃度の低い条件下で微細藻類を培養できるように構成されている。
また、前記培養装置1は、槽本体2内で沈降した微細藻類が、底壁部2aの上部における傾斜した底面の上方に配された前記開口Hを経て仕切り板4の下側に移動し、底壁部2aの底面に沈降した微細藻類が、底壁部2aの底面の傾斜に沿って底壁部2aの最下部へ集まるように構成されている。
前記槽本体2には、底壁部2aの最下部に微細藻類を取り出すための取出口が形成されており、槽本体2は、槽内にて沈降した微細藻類を底壁部2aの底面の傾斜に沿って下方へ移動させ、底壁部2aの最下部に形成された取出口から微細藻類を取り出すことができるように構成されている。
このように、前記培養装置1は、槽本体2内にて微細藻類を培養しつつ、培養された微細藻類を槽本体2の最下部へ集め、集めた微細藻類を槽本体2外へ取り出すことができるように構成されている。即ち、前記培養装置1は、微細藻類を連続的に培養できるように構成されている。
前記培養液は、少なくとも水を含むものである。また、前記培養液は、通常、微細藻類の増殖を促す様々な培養成分をさらに含んでいる。
前記培養成分としては、無機培養成分、又は、有機培養成分などが挙げられる。
前記無機培養成分としては、例えば、窒素含有無機化合物、リン含有無機化合物などが挙げられる。また、前記無機培養成分としては、例えば、カリウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、銅イオン、モリブテンイオン、ニッケルイオンなどが挙げられる。
前記無機培養成分の培養液における濃度は、通常、一般的に知られている程度の濃度である。
前記有機培養成分としては、例えば、ブドウ糖(グルコース),果糖(フルクトース)などの単糖類、ビタミンB6,B12などのビタミン類、アルギニン,アスパラギン酸,グルタミン酸,グリシン,ヒスチジンなどのアミノ酸、リンゴ酸,クエン酸,コハク酸,酢酸などの有機酸、エタノールなどのアルコール類などが挙げられる。
本実施形態の培養装置1で培養される微細藻類としては、上述したように、例えば、ユーグレナ属微細藻類が挙げられる。
前記ユーグレナ属微細藻類は、光合成能を有する単細胞性の微小な藻類である。
前記ユーグレナ(Euglena)属微細藻類としては、例えば、Euglena gracilisEuglena longaEuglena caudataEuglena oxyurisEuglena tripterisEuglena proximaEuglena viridisEuglena sociabilisEuglena ehrenbergiiEuglena desesEuglena pisciformisEuglena spirogyraEuglena acusEuglena geniculataEuglena intermediaEuglena mutabilisEuglena sanguineaEuglena stellataEuglena terricolaEuglena klebsiEuglena rubra、又は、Euglena cyclopicolaなどが挙げられる。
上記のユーグレナ属微細藻類は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(郵便番号292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)、独立行政法人国立環境研究所微生物系統保存施設(郵便番号305-8506 茨城県つくば市小野川16-2)、又は、The Culture Collection of Algae at the University of Texas at Austin, USA(http://web.biosci.utexas.edu/utex/default.aspx)などから容易に入手される。
前記ユーグレナ属微細藻類は、光が照射される条件下での培養にて光合成によって増殖できる。また、前記ユーグレナ属微細藻類は、光が照射されない条件下での培養であっても、酸素ガスと後述する有機培養成分との存在下で増殖できる。
前記ユーグレナ属微細藻類は、酸素ガス濃度の比較的高い好気条件下で培養されると、体内にパラミロンを蓄積しつつ増殖し得る。
一方、前記ユーグレナ属微細藻類は、体内にパラミロンを蓄積した状態で、酸素ガス濃度の比較的低い嫌気条件下で培養されると、蓄積したパラミロンをワックスエステルへと変換し得る。
前記培養装置1は、例えば、槽本体2に収容する微細藻類に光を照射する、照明機器などの光照射部5を有している。
そして、前記培養装置1は、微細藻類に光合成をさせるために、混合液L中の微細藻類へ光照射部5から光を照射できるように構成されている。
また、前記培養装置1は、例えば、太陽光などの自然光が微細藻類に照射されるように構成されていてもよい。
前記培養装置1において微細藻類に光を照射することにより、ユーグレナ属微細藻類は、光合成によって二酸化炭素を細胞内に取り込んでパラミロンなどの多糖類等を産生しつつ増殖し得る。さらに、ユーグレナ属微細藻類は、光合成を行いながら培養液中の成分(例えば、上述した有機培養成分等)を栄養分として利用して、パラミロンなどの多糖類等を産生しつつ増殖し得る。
前記培養装置1において照射される光の強度は、特に限定されるものではないが、50μmol/m2・s〜200μmol/m2・sであることが好ましい。
光の強度が50μmol/m2・s以上であることにより、光合成をより促すことができるという利点がある。また、光の強度が200μmol/m2・s以下であることにより、光による増殖阻害をより確実に抑制できるという利点がある。
前記培養装置1は、微細藻類に光を照射する期間と、光を照射しない期間とを交互に設けることにより、槽本体2内にて微細藻類を増殖させるように構成されていてもよい。
即ち、前記培養装置1は、微細藻類に光を照射して光合成させつつ微細藻類を増殖させる期間と、暗条件下にて光合成を抑制させつつ微細藻類を増殖させる期間とを繰り返し交互に設けるように構成されていてもよい。
前記培養装置1において微細藻類に光を照射する期間は、例えば、日光が出ている昼の時間に相当する8時間〜15時間である。また、微細藻類に光合成を行わせない暗条件の期間は、例えば、日光が出ていない夜の時間に相当する9時間〜16時間である。これらの期間は、状況や目的に応じて変化させることができる。
前記槽本体2は、散気部3より上側にて微細藻類の光合成を促進させるために、散気部3より上側の混合液Lに側方から光が照射されるように、側壁部2bの上部が透明であることが好ましい。具体的には、側壁部2bは、例えば、散気部3より上側が透明であることが好ましい。
斯かる構成により、散気部3より上側の混合液Lにて好気条件下で微細藻類に光合成させることをより促進できるという利点がある。
なお、透明とは、照射された光の半分以上が透過することである。
前記側壁部2bの透明部分を構成する材質としては、例えば、透明なガラス、透明な樹脂などが挙げられる。
前記培養装置1は、上記のごとき透明な側壁部2bを覆うことができる取り外し可能な不透明の被覆材(図示せず)を備えていてもよい。
透明な側壁部2bの上部を外側から被覆材で覆うことにより、側壁部2bの上部において側方からの光の照射を防止できるため、槽本体2内の微細藻類の光合成を抑制しつつ微細藻類を培養することができる。
なお、不透明とは、照射された光の透過量が半分未満であることである。
前記被覆材の材質としては、例えば、金属、コンクリート、不透明樹脂などが挙げられる。
なお、本発明においては、前記側壁部2bの上部は、光合成を抑制しつつ微細藻類を培養するために、透明でないものであってもよい。
前記底壁部2aは、例えば、板状の部材によって形成されている。
前記底壁部2aは、水平方向に対して傾斜した底面を有しており、内部空間の水平方向での断面積が下方ほど小さくなるように形成されている。前記底壁部2aの傾斜した底面の少なくとも一部は、前記開口Hの下方に配されている。
前記底壁部2aによれば、上述した開口Hを経て、底壁部2aの上部における傾斜した底面に沈降したユーグレナ属微細藻類が、傾斜した底面に沿って底壁部2aの上部から下部へ移動できる。また、ユーグレナ属微細藻類は、散気による混合液Lの流動が抑制された仕切り板4の下側において移動するため、十分な嫌気条件下で、産生したパラミロンをワックスエステルへと変換し得る。
前記底壁部2aの最下部には、例えば図1に示すように、取出口が形成されている。該取出口が形成されていることにより、底壁部2aの最下部に形成された取出口を介して、パラミロンをワックスエステルへと変換したユーグレナ属微細藻類を槽本体2から取り出すことができる。
前記底壁部2aにおいては、図1に示すように、底壁部2aの最下部が、側壁部2bの一部の下方に配され、底壁部2aの内部空間の水平方向での断面積が、下方ほど小さくなるように形成されていることが好ましい。
斯かる構成により、仕切り板より下側の十分な嫌気条件下において、槽内で沈降したユーグレナ属微細藻類が、底壁部2aの傾斜した底面に沿って上方から下方へ移動する時間がより十分なものとなる。即ち、斯かる構成により、ユーグレナ属微細藻類が底面に沿って上方から下方へ移動する時間は、例えば底壁部2aの最下部が上面視にて底壁部2aの中央部分に配されているときよりも、長いものとなる。従って、ユーグレナ属微細藻類がパラミロンをワックスエステルへと変換する時間がより十分に確保され得るという利点がある。
なお、前記底壁部2aは、上面視における中央部分が最下部となるように形成されていてもよい。即ち、前記底壁部2aは、底面がテーパー状となるように形成されていてもよい。
前記底壁部2aの底面の傾斜角は、15〜45°であることが好ましい。即ち、底壁部2aの底面の水平方向に対する傾斜角(図1のθ)は、15〜45°であることが好ましい。
前記傾斜角が15°以上であることにより、底壁部2aの最下部にて微細藻類をより確実に回収できるという利点がある。また、前記傾斜角が45°以下であることにより、沈降した微細藻類が底壁部2aの底面に沿って移動する時間がより十分になるため、ユーグレナ属微細藻類が産生したパラミロンをより十分にワックスエステルへ変換させることができ、しかも、底壁部2aの最下部にて微細藻類を回収できるという利点がある。
前記培養装置1は、図1に示すように、酸素ガスを微細藻類に供給するために、酸素ガスを含む気体Aを混合液Lに供給する散気部3を有している。
前記散気部3は、培養装置1外から供給された酸素ガスを含む気泡状の気体Aを混合液Lに供給することにより、混合液Lを散気するように構成されている。
前記散気部3によれば、槽本体内に収容された散気部3より上側の微細藻類に呼吸用の酸素ガスを供給できるため、微細藻類の生育を促すことができる。従って、微細藻類の増殖が促され、その結果、ユーグレナ属微細藻類によるパラミロンの産生が促される。
前記散気部3は、例えば図1に示すように、槽本体2の内部空間に複数が配されている。また、複数の散気部3は、横方向に並ぶように配されている。
前記散気部3は、例えば、槽本体2に収容される混合液Lを上側の散気領域と下側の非散気領域とに分けるように、散気領域と非散気領域との間に配され、複数が槽本体2内にて横方向に並べられている。
前記散気部3から混合液Lに供給される酸素ガスを含む気体Aは、微細藻類の光合成を促進させるべく、さらに、炭酸ガスを含んでいてもよい。
散気によって混合液Lに供給される気体Aが酸素ガス及び炭酸ガスの両方を含んでいることにより、微細藻類に酸素呼吸をさせつつ、光照射による微細藻類の光合成を促進できるという利点がある。
前記散気部3から混合液Lに供給される気体Aとしては、例えば、空気、排気ガス、又は、これらの混合ガス等が挙げられる。
前記仕切り板4は、板状に形成されており、散気部3より下側の槽本体2の内部空間を上下に仕切るように、槽本体2内に配されている。
前記仕切り板4は、図1に示すように、槽本体2の内部空間において、散気部3の下側に配されている。また、前記仕切り板4は、底壁部2aの最下部よりも上側に配されている。
前記仕切り板4は、図1に示すように、それぞれの面が上方向及び下方向を向くように配されている。即ち、前記仕切り板4は、板面が横方向に広がるように配されている。
前記仕切り板4は、前記開口H側が低くなるように配されていてもよい。即ち、前記仕切り板4は、前記開口H側が低くなるように傾斜していてもよい。
前記仕切り板4の上側であって、散気部3の下側の混合水は、散気部3によって散気される散気部3の上側の混合水よりも酸素ガス濃度が低い状態となっている。斯かる状態で培養されるユーグレナ属微細藻類は、散気部3の上側における酸素ガス濃度の比較的高い培養条件下で産生したパラミロンの一部を、散気部3の下側におけるより酸素ガス濃度の低い条件下で、混合水中を浮遊している間に、ワックスエステルへと変換し得る。
前記仕切り板4の下側は、仕切り板4によって、酸素ガスを含む気体Aの散気による混合液Lの流動が抑制されるため、仕切り板4の上側よりも酸素ガス濃度が低い状態となっている。従って、仕切り板4の下側に移動し体内にパラミロンを蓄積したユーグレナ属微細藻類は、酸素ガス濃度が十分に低い嫌気条件下に暴露されるため、パラミロンをワックスエステルへと変換することとなる。
前記仕切り板4は、不透明であることが好ましい。仕切り板4が不透明であることにより、仕切り板4より下側におけるユーグレナ属微細藻類に光が照射されることが抑制されるため、微細藻類の光合成によるパラミロンの産生を抑制できる。従って、ユーグレナ属微細藻類のパラミロン産生を抑制する分、ユーグレナ属微細藻類によるパラミロンからワックスエステルへの変換をより確実に促すことができる。
なお、不透明とは、照射された光の透過量が半分未満であることである。
前記開口Hは、例えば、仕切り板4の周縁部と槽本体2との間に配されている。斯かる開口Hは、底壁部2aの上部における傾斜した底面の上方に配されている。
前記培養装置1において前記開口Hが形成されていることにより、開口Hを経て底壁部2aの底面に沈降した微細藻類が、仕切り板4の下側にて、傾斜した底面に沿って底壁部2aの上部から下部へ移動しつつ、パラミロンをワックスエステルへと変換し得る。
即ち、前記培養装置1において前記開口Hが形成されていることにより、開口Hを経て底壁部2aの上部における底面に沈降したユーグレナ属微細藻類が、仕切り板4の下側にて、底壁部2aの傾斜した底面に沿って底壁部2aの上部から下部へ移動しつつ、パラミロンをワックスエステルへと変換し得る。そして、沈降したユーグレナ属微細藻類を底壁部2aの最下部に集めることができる。このように、ユーグレナ属微細藻類がパラミロンをワックスエステルへ変換するための時間をより確実に確保することができる。
前記開口Hは、上面視において、例えば、円状、又は、矩形状に形成されている。
前記開口Hは、1つ形成されていてもよく、複数形成されていてもよい。
なお、前記開口Hは、仕切り板4の一部を中空とすることにより形成されていてもよい。
なお、前記培養装置1は、槽本体2における培養温度が、例えば、20℃〜35℃に制御されるように構成されている。
前記培養装置1における混合液LのpHは、微細藻類が増殖できるpHであれば、特に限定されない。該pHとしては、微細藻類がユーグレナ属微細藻類である場合、例えば、3.0〜5.5が採用される。
また、前記培養装置1は、混合液LのpHを調整すべく、塩酸のような無機酸を混合液Lに添加するように構成されていてもよく、酢酸のような有機酸を混合液Lに添加するように構成されていてもよい。
前記槽本体2は、具体的には例えば、混合液Lの深さが0.8m〜1.0mとなるように形成されている。また、例えば、内部空間の横方向長さが0.8m〜1.0mとなるように形成されている。
前記槽本体2としては、例えば、上方が開口した開放系のもの、又は、上方が覆われた閉鎖系のものなどが挙げられる。
本実施形態の微細藻類の培養装置は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の微細藻類の培養装置に限定されるものではない。
また、一般の微細藻類の培養装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
本発明の微細藻類の培養装置は、例えば、細胞内にワックスエステルを貯蔵するユーグレナ属微細藻類を培養によって増殖させるために好適に使用できる。また、本発明の微細藻類の培養装置は、例えば、槽本体内に酸素ガスを供給しつつ連続的にユーグレナ属微細藻類を培養して、産生されたワックスエステルを得るために好適に使用される。そして、例えば、培養したユーグレナ属微細藻類から取り出されたワックスエステルは、燃料等の用途で好適に利用され得る。
1:培養装置、
2:槽本体、 2a:底壁部、 2b:側壁部、
3:散気部、
4:仕切り板、
5:光照射部、
A:酸素ガスを含む気体、L:混合液、H:開口。

Claims (4)

  1. 微細藻類と培養液との混合液を収容する槽本体と、該槽本体の内部空間に配され前記混合液に酸素ガスを供給する散気部と、該散気部より下側の前記槽本体の内部空間を上下に仕切る仕切り板とを備え、
    前記槽本体の内部には、前記仕切り板の上側空間と下側空間とを連通させる開口が形成されている微細藻類の培養装置。
  2. 前記槽本体が、傾斜した底面を有する底壁部を有し、該底壁部が、内部空間の水平方向での断面積が下方ほど小さくなるように形成されており、前記開口が、前記底壁部の上部における前記底面の上方に配されている請求項1に記載の微細藻類の培養装置。
  3. 前記槽本体が、前記底壁部の周縁部から上方に延びる側壁部を有し、
    前記底壁部の最下部が、側壁部の一部の下方に配されている請求項2に記載の微細藻類の培養装置。
  4. 前記微細藻類がユーグレナ属微細藻類である請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細藻類の培養装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017042131A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 株式会社神鋼環境ソリューション 藻類培養方法及びパラミロン製造設備
JP2018505692A (ja) * 2014-12-09 2018-03-01 林伯剛LIN Po−Kang 光合成マイクロ流体チャンバ及び光合成の方法
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