JP2019071867A - 微細藻類の培養方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、建設費及び動力費をより低減化した形で、微細藻類の安定的でかつ効率的な連続培養が可能な微細藻類の培養法及びその装置を提供することを目的とする。することを目的とする。【解決手段】 昼間浅い平面地に微細藻類懸濁液を満たし、太陽光を照射し、夜間該微細藻類懸濁液を上部密閉水槽に収納し、該微細藻類懸濁液を嫌気状態に保ち、微細藻類を培養する方法であって、上部密閉水槽の容量(立方メートル)÷平面池の太陽光照射面積(平方メートル)の値が、微細藻類懸濁液の水温が40℃を超えないよう設定されているとともに、昼間微細藻類懸濁液の一部を平面池に移動し、その後平面池内の微細藻類懸濁液と上部密閉水槽内の微細藻類懸濁液を交換しながら培養することを特徴とする微細藻類の培養方法及び装置に構成した。【選択図】図6
Description
本発明は、浅くて広い平面池を利用した微細藻類等光合成微生物の培養方法及び装置に関するものである。
一般に太陽光を利用した微細藻類の培養は、屋外に建設された水深20cm程度の浅くて広い平面池で行なわれている。屋外の平面池では、ワムシ等微細藻類捕食微小動物の侵入繁殖による微細藻類の消滅が避けられず、微細藻類の安定的連続培養が困難であった。これを解決する技術として、本発明者は、特許第3458192号を考案した。
特許第3458192号は、光合成細菌、微細藻類等光合成微生物を培養するための装置において、太陽光の照射を受けかつ大気と接触する大きな表面積を有する、前記光合成微生物と培養液の懸濁液を満たすための平面池と、前記懸濁液と大気との接触を避けるよう前記懸濁液を収納するための格納槽を有し、前記平面池と格納槽の間の前記懸濁液の移動を行なうための連通管及び液移動装置を備える光合成微生物の培養装置であり、前記格納槽が前記平面池の下方に設けられ、前記格納槽が脱気のための管および開閉弁を備えた密閉容器であるとともに、該密閉容器内に気体を圧入するための通気管を開口配備することにより、前記液移動装置を構成した光合成微生物の培養装置であり、該装置を用いて、夜間には前記懸濁液を前記格納槽に収納し、懸濁液を嫌気状態に保ち、微細藻類を捕食するワムシ等微小動物を死滅させ、昼間には、該懸濁液を前記平面池に移動し、太陽光の照射し微細藻類を増殖させることを特徴とし、微細藻類の安定的連続培養を可能ならしめた。
さらに、本発明者は、特許第3458192号の技術に効果的な懸濁液攪拌機構を付与した特許第3844365号を考案した。特許第3844365号の一実施形態を図1乃至図4に示す。図1は平面図、図2はA−A縦断面図、図3および図4はB−B縦断面図である。微細藻類を増殖させるための装置であって、収容した液体(微細藻類懸濁液)に太陽光を照射しかつ大気に接触させ、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路aと、前記第1流路端部2に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路f1と、前記第2流路端部5に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路f2と、下部が前記第1垂直流路f1と前記第2垂直流路f2とに連通し、上部が密閉されかつ管8及び開閉弁9よりなる排気機構を備え、前記水平流路aに収容された流体を収容する格納槽bと、前記格納槽b内に管7及び開閉弁6を介して気体を供給する気体圧入機10とを設け、前記第1垂直流路f1と前記格納槽bとの間の境界部における連通流路の上限高さを前記第2垂直流路f2と前記格納槽bとの間の境界部における連通流路の上限高さより低くしたことを特徴とする微細藻類の培養装置であり、夜間には微細藻類懸濁液を前記格納槽bに収納し、懸濁液を嫌気状態に保ち、ワムシ等の光合成微生物を捕食する微小動物を死滅させ、昼間には、格納槽b内部に気体を圧入することにより該懸濁液のほぼ全量を前記平面池に移動し、さらに気体圧入を続けると、前記第2垂直流路f2下端4から第2垂直流路f2内に一気に大量の空気が流入し、第1流路端部5に向けて間欠的に大きな噴水が生じ、この噴水により水平流路aに大きな波動と第2流路端部5から第1流路端部2に向けた懸濁液の流動が生じ、懸濁液はよく攪拌され、微細藻類の安定的でかつ効率的な連続培養を可能ならしめた。
しかし、特許第3458192号及び特許第3844365号の装置は、水平流路aと格納槽bの2つの水槽が必要であり、建設費が高価となる欠点がある。
微細藻類の増殖は太陽光に依存する。微細藻類の連続培養では、藻濃度は500mg/L〜1500mg/Lであり、透視度は1cm〜3cmであり、太陽光は水平流路aの水面から5cm以上にはほとんど到達しないので、水平流路a内の水深が5cm程度あれば太陽光の利用率は最大となる。従って水平流路a内の水深を5cmとすれば、水平流路aの側壁高さと格納槽b容量を最小化できる。しかし、気温30℃以上、太陽光照射の条件では、(格納槽bの容量÷水平流路aの太陽光照射面積)の値が小さいと、微細藻類が死滅する水温を越えてしまい連続培養は不能となる。
表1に各地で本発明者が設計し、建設運転された特許第3844365号に係る装置の仕様と最高水温を示した。格納槽bは鉄筋コンクリート製で地下に設置され、水平流路aはコンクリート製で地上に設置された。北緯5.5度ペナン州の例では、(A格納槽bの容量÷C水平流路aの光照射面積)×100=24.6〜25.1cmで最高水温は39.4〜39.8℃となったがクロレラは死滅しなかった。北緯31.3度南九州市の例では、(A格納槽bの容量÷C水平流路aの光照射面積)×100=11.7cmで最高水温は42℃となりクロレラは死滅した。北緯38.6度大崎市の例では、(A格納槽bの容量÷C水平流路aの光照射面積)×100=20.0〜21.2cmで最高水温は36.2〜36.5℃でクロレラは死滅しなかった。北緯36.0度秩父市の例では、(A格納槽bの容量÷C水平流路aの光照射面積)×100=16.7cmで最高水温は36℃でクロレラは死滅しなかった。これらの結果から、(A格納槽bの容量÷C水平流路aの光照射面積)×100は、設置場所の緯度、気候、光遮蔽物の有無等の条件を考慮して15〜25cm以上に設定すれば良いことが示唆された。
また、特許第3844365号に係る装置においては、前述のように、昼間には、格納槽b内部に気体を圧入することにより該懸濁液のほぼ全量を前記平面池に移動し、さらに気体圧入を続けると、前記第2垂直流路f2下端4から第2垂直流路f2内に一気に大量の空気が流入し、第1流路端部5に向けて間欠的に大きな噴水が生じ、この噴水により水平流路aに大きな波動と第2流路端部5から第1流路端部2に向けた懸濁液の流動が生じ、懸濁液はよく攪拌さる。この流動攪拌は微細藻類の沈積を防ぐとともに、栄養物の吸収を促進し、微細藻類の増殖を促進するので、微細藻類の効率的な培養が可能となる。表1に示した各地での実施例では、この大きな波によって各水平流路a側壁高さでかろうじて水が溢れることはなかった。従って特許第3844365号に係る装置においては、水平流路a側壁高さは昼間水平流路a水深の約2倍以上に設定すれば良いことが示唆された。
また、特許第3844365号に係る装置においては、前述のように、昼間には、格納槽b内部に気体を圧入することにより該懸濁液のほぼ全量を水平流路aに移動するが、この気体圧入に係る動力の低減化が望まれる。
特許第3458192号 特許第3844365号
本発明は上記の背景に鑑みなされたもので、建設費及び動力費をより低減化した形で、微細藻類の安定的でかつ効率的な連続培養が可能な微細藻類の培養法及びその装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
第1に、昼間浅い平面地に微細藻類懸濁液を満たし、太陽光を照射し、夜間該微細藻類懸濁液を上部密閉水槽である格納槽に収納し、該微細藻類懸濁液を嫌気状態に保ち、微細藻類を培養する方法であって、格納槽の容量(立方メートル)÷平面池の太陽光照射面積(平方メートル)の値が、微細藻類懸濁液の水温が40℃を超えないよう設定されているとともに、昼間微細藻類懸濁液の一部を平面池に移動し、その後平面池内の微細藻類懸濁液と格納槽内の微細藻類懸濁液を交換しながら培養することを特徴とする微細藻類の培養方法であり
第2に、収容した液体に太陽光を照射しかつ大気に接触させ、ほぼ水平で、第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、
前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、
前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、
内部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉されかつ脱気装置を備え、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、
前記格納槽内に気体を供給する気体圧入器とを設け、
前記第1垂直流路が前記格納槽の中間部に開口し、前記第2垂直流路が前記第1垂直流路の前記格納槽内開口部より下方に開口したことを特徴とする微細藻類の培養装置である。
第1に、昼間浅い平面地に微細藻類懸濁液を満たし、太陽光を照射し、夜間該微細藻類懸濁液を上部密閉水槽である格納槽に収納し、該微細藻類懸濁液を嫌気状態に保ち、微細藻類を培養する方法であって、格納槽の容量(立方メートル)÷平面池の太陽光照射面積(平方メートル)の値が、微細藻類懸濁液の水温が40℃を超えないよう設定されているとともに、昼間微細藻類懸濁液の一部を平面池に移動し、その後平面池内の微細藻類懸濁液と格納槽内の微細藻類懸濁液を交換しながら培養することを特徴とする微細藻類の培養方法であり
第2に、収容した液体に太陽光を照射しかつ大気に接触させ、ほぼ水平で、第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、
前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、
前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、
内部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉されかつ脱気装置を備え、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、
前記格納槽内に気体を供給する気体圧入器とを設け、
前記第1垂直流路が前記格納槽の中間部に開口し、前記第2垂直流路が前記第1垂直流路の前記格納槽内開口部より下方に開口したことを特徴とする微細藻類の培養装置である。
以上のことから、本発明の微細藻類培養法及び微細藻類培養装置によれば、
(1)ワムシ等の微細藻類を捕食する微小動物を死滅させ微細藻類の安定的連続培養が可能であり、
(2)微細藻類懸濁液が過熱され死滅すること防止することが可能であり
(3)間欠噴水による攪拌と流動でより効率的に微細藻類を増殖させることが可能であり、
(4)昼間微細藻類懸濁液のほぼ全量でなく一部を水平流路aに移動するので、水平流路aの水深を小さくでき、その結果側壁を低くできることから建設費の低減化が可能であり、
(5)微細藻類懸濁液(以後懸濁液と記す)のほぼ全量を水平流路aに移動するのでなく懸濁液の一部を移動するので、懸濁液移動量が少なくかつ移動の水位差も小さくできるので移動のための動力量が低減化できるとともに、
(6)ブロワー等気体圧入機もより小型のものを採用でき、建設費の低減化につながる。
(1)ワムシ等の微細藻類を捕食する微小動物を死滅させ微細藻類の安定的連続培養が可能であり、
(2)微細藻類懸濁液が過熱され死滅すること防止することが可能であり
(3)間欠噴水による攪拌と流動でより効率的に微細藻類を増殖させることが可能であり、
(4)昼間微細藻類懸濁液のほぼ全量でなく一部を水平流路aに移動するので、水平流路aの水深を小さくでき、その結果側壁を低くできることから建設費の低減化が可能であり、
(5)微細藻類懸濁液(以後懸濁液と記す)のほぼ全量を水平流路aに移動するのでなく懸濁液の一部を移動するので、懸濁液移動量が少なくかつ移動の水位差も小さくできるので移動のための動力量が低減化できるとともに、
(6)ブロワー等気体圧入機もより小型のものを採用でき、建設費の低減化につながる。
次に、図面に基づいて、本発明の実施形態を更に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成機器の形状、その相対配置、温度などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
図5乃至図8は本発明の装置の一実施形態を示す図面であり、図5は平面図、図6は昼間の状態を示すC−C縦断面図、図7は昼間の状態を示すD−D縦断面図、図8は夜間の状態を示すD−D縦断面図である。本装置は、上方から太陽光の照射を受ける浅い平面池である水平流路aとその下方に設けられた上部密閉水槽である格納槽bからなる。
水平流路aは、隔壁1で区画された並行した第1流路a1と第2流路a2で構成され、第1流路端部2は垂直下方にのびる第1垂直流路f1により格納槽b底部に連絡し、格納槽b中間部から垂直上方にのびる第2垂直流路f2を経て、第2流路端部5に連絡され、1つの無終端流路が形成されている。第2垂直流路f2の上方には、噴水の方向を第2流路a2方向に変換するための天板14が設けられている。
格納槽bの上部には、炭酸ガス強化空気または空気等の気体を圧入するための通気管7が開口配備され、通気管7は弁6を経て気体圧入機としてのブロワー10に連絡されている。微細藻類と培養液の懸濁液を収納するための格納槽bは、水平流路aの下方に設けられ、格納槽bの上部には気体を抜くための排気管8が弁9とともに設けられている。
図7に示すように、弁9を閉じ、通気管7を介して気体を圧入すると、懸濁液は水平流路a、第1垂直流路f1、第2垂直流路f2及び格納槽bよりなる無終端流路内に存在する。図8に示すように、気体の圧入をやめ、弁9を開けると、懸濁液は、第1垂直流路f1、第2垂直流路f2および格納槽bの内部に収納される。
日の出とともに、弁9が閉じられブロワ−10を作動させる。気体が弁6により調節された流量で通気管7を介して格納槽bに送られ、格納槽b内の第2垂直流路f2下端4より上方の容積に相当する懸濁液が水平流路aへと送り出される。さらに気体が送られると、第2垂直流路f2下端4から気体は一気に第2垂直流路f2内に溢れ出て気体層を形成し。気体層は上方の水を押し上げ下方の水を引き上げながら、第2垂直流路f2内を上昇し、第2垂直流路f2上端から水とともに噴出する。これにより水平流路a、第1垂直流路f1、第2垂直流路f2格納槽bよりなる無終端水平流路に沿った懸濁液の流動が生じ水平流路aの懸濁液と格納槽b内の懸濁液が交換され、同時に水平流路aに大きな波が生じる。これらにより水平流路a及び格納槽b内の懸濁液は撹拌される。この噴出により、格納槽b内の液面は第2垂直流路f2下端4の上端より上に移動するが、気体の圧入の継続により、気体液体界面は再び下降し、前記の噴出が一定の規模及び一定の周期で繰り返される。周期は気体の通気量に比例する。通気量が多ければ周期は短くなり、通気量が少なければ周期は長くなる。このようにして平面池である水平流路a内の微細藻類懸濁液と上部密閉水槽である格納槽b内の微細藻類懸濁液が交換されながら、懸濁液は流動攪拌され、微細藻類は太陽光の照射を受け増殖する。格納槽b内には、水平流路aにおける光合成反応により発生した酸素を含む懸濁液が順次流入してくるので、呼吸機能を有する微細藻類を培養する場合は、この酸素を利用して格納槽b内でも微細藻類が増殖する。また水平流路a内の懸濁液は水平流路aを移動しながら太陽光の照射を受け水温が上昇するが、格納槽bに戻り、水温は下降する。
日の入りになると、ブロワー10を停止し、弁9が開ける。水平流路a内の懸濁液は格納槽bへと一気に流下し、最終的には第1垂直流路f1、第2垂直流路f2および格納槽b内に収納される。その後格納槽b内に水を添加あるいは懸濁液を引き抜いて、水位が水平流路a底部より下かつ格納槽b上部より上になるよう調節する。この様に格納槽b内に収納された懸濁液は大気との接触面積がほとんどなく、特に格納槽b内の液は全くなく、各微生物の呼吸による酸素消費により次第に嫌気状態となり、ワムシ、ミジンコなどの微細藻類を捕食する微小動物の生存や増殖が制限される。以後培養期間中は上記の動作が繰り返され、微細藻類が捕食されることはほとんどなく、微細藻類の連続培養が効率的かつ安定的に行なわれる。
格納槽2の高さは2〜4mが適当で通常地下に埋設する。格納槽bの容量は、格納槽bの容量(立方メートル)÷水平流路aの太陽光照射面積(平方メートル)×100の値が5〜25の範囲で、微細藻類懸濁液の水温が40℃を超えないよう設定すればよい。通常微細藻類の増殖最適温度は30〜40℃の範囲にあり、40℃を越すと増殖が阻害され、さらに上昇すると死滅する。例えば、表1の低緯度地域であるペナン州に100m2の水平流路aをもつ本発明の装置を建設する場合、格納槽bの容量(立方メートル)÷水平流路aの太陽光照射面積(平方メートル)×100の値は25が適当であり、格納槽bの容量は100m2×0.25=25m3が適当である。日本国内における格納槽bの容量は、格納槽bの容量(立方メートル)÷水平流路aの太陽光照射面積(平方メートル)×100の値が15〜20の範囲が適当である。また、格納槽bは水平流路aの下方でない別の位置に独立して設けることもできるが、本実施例のように水平流路aの下方に設ければ敷地の節約になる。
前述のように、ペナン州に100m2の水平流路aをもつ本発明の装置を建設する場合、水平流路aでの平均水深は5cm以上必要であるが、5〜10cmが適当である。10cmとすると水平流路aでの懸濁液量は100m2×0.1=10m3となり、これは格納槽b容量の0.4倍である。第2垂直流路f2は、下端が格納槽b高さのほぼ0.6倍の位置になるよう設置される。水平流路aの側壁高さは、水深10cmの2.1倍として、21cmが適当である。特許第3844365号に係る従来の装置においては、懸濁液のほぼ全量の約22m3を水平流路aに移動するのに対して、本発明では、ほぼ全量でなく、全体の一部(ほぼ半分)の10m3となるので、移動の動力が低減化され、水平流路aの側壁も、従来の約46cmを21cmに縮小でき、建設費の低減化につながる。
水平流路aの底面は、第1垂直流路f1及び第2垂直流路f2にむけて低くかつ側壁から隔壁1に向けて低く設けられることが望ましい。水平流路aの材質としてはコンクリートまたは合成樹脂が適当である。本発明の装置では、漏水があった場合でも、水平流路a内の懸濁液を格納槽bに収納し、迅速に漏水箇所を発見修理できる。
第2垂直流路f2は、水平流路aの規模100〜500m2の場合、口径250〜450mmの硬質塩ビ管が適当である。第1垂直流路f1の流積は、第2垂直流路f2より大きくするとよい。これにより、水平流路aにおける移動が円滑になり、また水平流路aの懸濁液を格納槽bに収納するとき、速やかに格納槽bに流下させることにより、格納槽b内をより効果的に撹拌できるとともに、藻体が水平流路aに残存しないようにできる。
本実施形態では、炭酸ガス強化空気または空気等の気体を圧入するための通気管7が格納槽bの上部に開口されているが、ここに限定されるものではなく、格納槽b内であればよい。また、微細藻類の有機培養では炭酸ガス強化空気または空気を通気し、光独立培養では炭酸ガス強化空気を通気するとよい。
排気管8を開けて水平流路aから第1垂直流路f1及び第2垂直流路f2を介して懸濁液を格納槽bに流下させる際に、格納槽b内を効果的に撹拌するためかつ生じる流動によって水平流路a底部に藻体が沈積するのを防ぐため、排気管8の排気流速が水平流路aでの流れを律速しないよう、排気管8の口径は可能な限り大きくする。排気管8の口径は40mm以上が適当である。開閉弁は手動式あるいは電磁弁等電動式開閉弁を用いる。電動式開閉弁を用いて上記開閉操作を自動化することは容易にできる。
図9乃至図12は本発明の装置の別の一実施形態を示す図面であり、図9は平面図、図10は昼間のE−E縦断面図、図11は昼間のF−F縦断面図、図12は夜間のF−F縦断面図である。実施形態1において通気管7が格納槽b内上部に開口しているのに対して、本実施形態は通気管7が格納槽b内底部に開口している点が実施形態1と異なる。通気管7開口部には散気装置11が設けられている。
日の出とともに、弁9が閉じられブロワ−10を作動させる。気体が弁6により調節された流量で通気管7及び散気装置11を介して格納槽b内底部から微細気泡として送られ、格納槽b内の第2垂直流路f2下端4より上方の懸濁液は水平流路aへと送り出される点が実施形態1と異なる。
実施形態1の場合、噴水時に格納槽b内に大きな流動が生じ格納槽b内が撹拌されるが、本実施形態では加えて微細気泡の上昇により格納槽b内に循環流が形成され、懸濁液が攪拌される。特に、格納槽bの底面積が大きい場合、本実施形態は有効である。呼吸機能を有する微細藻類を培養する場合は、微細藻類の増殖がより活性化する。また、炭酸ガスを炭素源とした光独立培養では、酸気装置11を介して炭酸ガス強化空気を微細気泡として送ればよい。懸濁液への炭酸ガスの供給がより効率的に行える。
図13は本発明の装置の別の一実施形態を示す平面図面である。第1流路a1の幅が第2流路a2の幅より大きく構成され、第1流路端部2に2つの第1垂直流路f1及び第1垂直流路f3が設置されている点が実施形態1及び実施形態2と異なる。細長い敷地が無い場合は、本実施形態に示したように第1流路a1の幅を大きくし、第1垂直流路の数を多くして、水平流路aの幅を大きくし長さを小さくできる。
本発明の微細藻類の培養方法及び装置は、クロレラ、ユーグレナ等微細藻類の生産及びこれら微細藻類を利用した有機性排水の浄化処理、排ガス中の炭酸ガス固定に利用できる。
1は隔壁、2は第1流路端部、3は第1垂直流路下端、4は第2垂直流路下端、5は第2流路端部、6は開閉弁、7は通気管、8は排気管、9は開閉弁、10はブロワー、11は散気装置、12は微細気泡、13は隔壁、14は天板、aは水平流路、a1は第1流路、a2は第2流路、bは格納槽、f1は第1垂直流路、f2は第2垂直流路1、f3は第1垂直流路、実線矢印は懸濁液の流れを示す。
Claims (6)
- 昼間浅い平面地に微細藻類懸濁液を満たし、太陽光を照射し、夜間該微細藻類懸濁液を上部密閉水槽に収納し、該微細藻類懸濁液を嫌気状態に保ち、微細藻類を培養する方法であって、上部密閉水槽の容量(立方メートル)÷平面池の太陽光照射面積(平方メートル)の値が、微細藻類懸濁液の水温が40℃を超えないよう設定されているとともに、昼間微細藻類懸濁液の一部を平面池に移動し、その後平面池内の微細藻類懸濁液と上部密閉水槽内の微細藻類懸濁液を交換しながら培養することを特徴とする微細藻類の培養方法。
- 昼間平面池の平均水深が0.15m以下になるよう微細藻類懸濁液の一部を平面池に移動することを特徴とする請求項1記載の微細藻類の培養方法。
- 収容した液体に太陽光を照射しかつ大気に接触させ、ほぼ水平で、第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、
前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、
前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、
内部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉されかつ脱気装置を備え、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、
前記格納槽内に気体を供給する気体圧入器と
を設け、
前記第1垂直流路が前記格納槽の中間部に開口し、前記第2垂直流路が前記第1垂直流路の前記格納槽内開口部より下方に開口したことを特徴とする微細藻類の培養装置。 - 前記第1垂直流路が前記格納槽の中間部の開口部より上方の格納槽の容量(立方メートル)を水平流路の水面面積(平方メートル)で除した値が0.15以下であることを特徴とする請求項3記載の微細藻類の培養装置。
- 前記第1垂直流路が前記格納槽の中間部の開口部より上方の格納槽の容量(立方メートル)を水平流路の水面面積(平方メートル)で除した値が0.1以下であることを特徴とする請求項3記載の微細藻類の培養装置。
- 前記格納槽の下部に前記格納槽内に空気または炭酸ガス強化空気を供給する散気装置を設けたことを特徴とする請求項3または請求項4または請求項5記載の微細藻類の培養装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021068604A1 (zh) * | 2019-10-11 | 2021-04-15 | 孙旭阳 | 移动式机械翻搅薄液层微藻附壁培养方法与装置 |
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- 2017-10-16 JP JP2017212250A patent/JP2019071867A/ja active Pending
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WO2021068604A1 (zh) * | 2019-10-11 | 2021-04-15 | 孙旭阳 | 移动式机械翻搅薄液层微藻附壁培养方法与装置 |
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