JP2014176339A - 高効率一貫環境制御陸上養殖システム - Google Patents

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【課題】本発明の目的は、ランニングコストの削減が可能な高効率一貫環境制御陸上養殖システムを提供することにある。
【解決手段】本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システムは、水棲生物を飼育する飼育水槽10と、物理濾過槽20と、泡沫分離装置80と、生物濾過槽40と、熱交換器60を備え前記飼育水槽10との間で飼育用水を循環させる受水熱交換槽50と、からなる飼育用水循環経路と、前記熱交換器60に冷水または温水を熱媒体として供給する冷温水タンク90と、前記冷温水タンク90に冷水または温水を供給するMH冷温水製造システム70と、により構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、高効率一貫環境制御陸上養殖システムに関する。
世界的に水産養殖産業は安定的な水産物の供給源として重要な立ち位置にあるが、現在、養殖業の主体となっている海面養殖では、養殖過程で排出される養殖魚の糞や残餌による自家汚染が問題となっている。一方、陸上養殖は上記の自家汚染源となる排水を完全に管理できることに加え、陸上の閉鎖的環境で一貫飼育することにより、疾病や有害物質等の外部リスクの回避も期待できることから、産業への普及が強く望まれているものの、水温等の適正な環境条件を維持するために必要なエネルギーやコストの問題が障害となって、産業への普及が滞っている。
図6は、従来の陸上養殖システムの構成例を示す構成図である。図6において、飼育水槽1に溜められた飼育用水は、物理濾過槽2に送られここで糞や残渣が除去されて受水槽3に送られる。次に、受水槽3に溜まった飼育用水は、ポンプP1で生物濾過槽4に送られる。生物濾過槽4では、飼育用水中のアンモニア態窒素が硝化細菌により硝酸態窒素に変化する。生物濾過槽4を通過した飼育用水は、受水槽5に溜められ、次にポンプP2で飼育水槽1に戻される。
飼育水槽1に溜められた飼育用水は、図7に示すように、飼育水槽1内に設置された熱交換器6に冷温水製造装置7から送られて循環する冷水または温水によって熱交換され、飼育する魚に適する温度になるように制御される。
しかしながら、この従来の陸上養殖システムは、飼育水槽1内に熱交換器6が配置されているので、熱交換器6が飼育する魚の障害物となって魚にストレスを与えたり、飼育水槽1を清掃する際に熱交換器6が邪魔になったりする等の問題がある。
特開2003−289747号公報 特開2008−178382号公報 特開2006−006136号公報
世界的な魚の消費拡大により、水産物の安定供給及び増産が求められている。しかし、資源水準の低下等で漁獲によるこれ以上の増産は困難であり、養殖産業の振興が今後の需要増を補填する、最も現実的な手段である。そのため、我が国でも養殖産業の重要性は増しており、安定的な経営を可能とする効率的な養殖システムの開発が求められている。陸上養殖の産業化のためには、イニシャルコストのみならず適正水温等の環境制御に掛かるエネルギーコストつまりランニングコストの削減が必要である。
魚類の養殖時には、良質な水質を維持することに加えて、魚は変温動物であり生育可能な許容温度帯が狭い範囲に限定されているため、魚種に適合した飼育水温を安定的に維持することが必須である。
海面養殖など、自然条件に大きく依存する養殖方法では、飼育水温を管理することは事実上不可能であり、それぞれの地域の気候条件に適合する魚種しか効率的に飼育できず、また養殖が可能な期間が限定されることもある。
かけ流し方式及び半循環方式の陸上養殖においても、飼育用水を外部の水と入れ替える必要があるため、飼育水温の制御においてエネルギーコストが課題となっている。
陸上養殖システムにおいて使用する飼育用水は、自然界の環境変化の影響を大きく受けるため、夏期は高温、冬期は低温となり、水温を管理するために必要なエネルギーコストは、陸上養殖の全体コスト(人件費含む)の内、相当部分を占めると言われており、事業化の大きな障害となっている。
そこで、本発明の目的は、ランニングコストの削減が可能な高効率一貫環境制御陸上養殖システムを提供することにある。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、水棲生物を飼育する飼育水槽と、物理濾過槽と、泡沫分離装置と、生物濾過槽と、熱交換器を備え前記飼育水槽との間で飼育用水を循環させる受水熱交換槽と、からなる飼育用水循環経路と、前記熱交換器に冷水または温水を熱媒体として供給する冷温水タンクと、前記冷温水タンクに冷水または温水を供給するMH冷温水製造システムと、により構成されることを特徴とする。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項2に記載の本発明は、請求項1記載の高効率一貫環境制御陸上養殖システムにおいて、前記飼育用水の塩分の濃度を淡水から海水へ可逆的に調整する塩分の濃度調整機能を備えていることを特徴とする。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項3に記載の本発明は、請求項1記載の高効率一貫環境制御陸上養殖システムにおいて、前記飼育用水の循環経路に高低差を設けるため、前記飼育用水を循環させるための少なくとも1台のポンプを含むことを特徴とする。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項4に記載の本発明は、請求項3記載の高効率一貫環境制御陸上養殖システムにおいて、前記飼育用水の前記循環経路中に停電時に全閉となるバルブを前記飼育水槽の飼育用水流入口側に配置したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、飼育用水を適正水温に維持するためのランニングコストを大幅に削減することができる。
請求項2記載の発明によれば、飼育用水の塩分の濃度を淡水、汽水、海水まで調節することができ、降海型の魚種の一貫養殖が可能となる。
請求項3記載の発明によれば、高低差を作ることで引力と大気圧を利用した機器配置を行うことにより、少なくとも1台のポンプによる正常運転が可能となるため、省エネルギー化が計られるとともに、飼育用水の循環調節が容易となる。
請求項4記載の発明によれば、停電時に上層部の機器から飼育用水が流下し、飼育水槽の許容水量を超過して水が溢れる事態となるのを回避し、速やかに運転を復帰することが可能となっている。
本発明の一実施形態に係る高効率一貫環境制御陸上養殖システムの全体構成を示す構成図である。 図1の高効率一貫環境制御陸上養殖システムにおける温度調節機構を模式的に示す構成図である。 図1の高効率一貫環境制御陸上養殖システムの具体的配置を示す図である。 本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システムを海水・汽水養殖時に使用する場合を説明する模式図である。 本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システムを淡水養殖時に使用する場合を説明する模式図である。 従来の陸上養殖システムの構成例を示す構成図である。 従来の陸上養殖システムにおける温度調節機構を模式的に示す構成図である。
(全体構成)図1は、本発明の一実施形態に係る高効率一貫環境制御陸上養殖システムの全体構成を示す構成図である。本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システム200は、飼育水槽10と、物理濾過槽20と、受水槽30と、泡沫分離装置80と、生物濾過槽40と、熱交換器60を備え飼育水槽10との間で飼育用水を循環させる受水熱交換槽50と、殺菌装置100と、からなる飼育用水循環経路と、MH冷温水製造システム70と、冷温水タンク90により構成される。高効率一貫環境制御陸上養殖システム200は、閉鎖循環方式として飼育用水の循環利用を可能とすることにより、飼育用水の水温を正確かつ効率的に制御可能としている。下記機器間の飼育用水の循環は、適宜な直径の配管により行われる。高効率一貫環境制御陸上養殖システム200における各構成要素は、配管も含め、発泡ウレタン等による断熱構造にされている。
MH冷温水製造システム70は、例えば、特許第4149251号公報に記載のものであり、水素吸蔵合金の温度特性により、通常利用できない温度帯の工場廃熱(200〜400℃以下)を有効活用することで電力をほとんど消費しないで済む高効率な熱交換システムであり、適正水温維持に関する大幅なランニングコストの削減が可能となる。すなわち、MH冷温水製造システム70は、工場廃熱等の有効利用(廃熱リサイクル)により、強力な冷温熱を出力して、夏期の飼育温水の水温上昇を抑制し、冬期はその水温調整機構を活用し、工場廃熱により製造した温水により、飼育用水の水温が低下することを抑制する。
泡沫分離装置80は、例えば、特許第5130248号公報に記載のものであり、気泡を微細化して多量に供給すると共にその多量の気泡を膨張させて表面積を大きくし、大きな気泡を大量に供給することによって懸濁物を吸着させやすくして懸濁物の吸着効率(懸濁物除去能力)を高めて水の浄化を行うものである。
上記構成の陸上養殖システム200において、飼育水槽10に溜められている飼育用水は、飼育水槽の底部からサイフォン効果により物理濾過槽20に送られ、ここで飼育用水に含まれている糞や残渣が除去されて受水槽30に送られる。次に、受水槽30に溜まった飼育用水は、ポンプPで泡沫分離装置80に送られ、飼育用水に含まれている微細塵等の懸濁物(汚物)が除去される。泡沫分離装置80を通過した飼育用水は、次に生物濾過槽40に送られる。生物濾過槽40では、飼育用水中のアンモニア態窒素が硝化細菌により硝酸態窒素に変化する。生物濾過槽40を通過した飼育用水は、受水熱交換槽50に溜められ、その水温が熱交換器60で適宜な水温に調整される。水温調整された飼育用水は、紫外線による殺菌装置100を介して飼育水槽10に戻される。
(温度調節機能)飼育用水の水温は以下に説明する温度調節機能により調節可能である。すなわち、図2に示すように、飼育水槽10に溜められた飼育用水は、受水熱交換槽50に内蔵された熱交換器60により冷温水タンク90から送られて循環する冷水または温水によって熱交換され、飼育する魚に適する温度になるように制御される。
飼育用水の水温の調節は、管理精度の向上及び出力の小さい設備で効率的な水温管理を図るため、二段階の水温管理を行う。一段階目は、MH冷温水製造システム70に温度調節機能を付加し、独立した断熱構造の冷温水タンク90における熱媒体(冷温水)温度を検知し、設定した温度の熱媒体を冷温水タンク90に貯留する。二段階目は、飼育水槽10に取り付けられた不図示の温度センサで飼育用水の水温を検知し、断熱構造の受水熱交換槽50内に熱交換器60を設け、それに冷温水タンク90から供給される熱媒体(温度調整用水)の熱量を管理し、飼育用水の水温が目的の水温になるように冷却(または加温)する構造となっている。
尚、断熱構造とするためには、例えば槽全体を発泡ウレタン等の断熱材で覆う等公知の方法を採用することができる。また、これらの循環系においては、温度を一定に保ちたい系統の連通配管(例えば、受水熱交換槽50と飼育水槽10の間の配管)についても、断熱構造とすることが望ましい。冷温水タンク90内の熱媒体となる水は、比熱が大きいため蓄熱に適しており、飼育用水の冷却時は、顕熱が減少する夜間に冷熱を蓄熱し、日中における冷却に必要な熱量を軽減することができる。また、飼育用水の加温時は、顕熱が増加する日中に温熱を蓄熱し、夜間における加温に必要な熱量を軽減することができる。また、冷温水タンク90の蓄熱効果が高いことにより、MH冷温水製造システム70の出力を小さくすることも可能となる。
これにより、飼育する魚種が変更となった場合も、魚種の特性に合わせて任意に水温を設定することが可能となり、また、夏期の高温障害や冬期の低温障害を回避することが可能となるため、養殖魚の効率的な飼育や周年出荷も可能となる。
また、従来の飼育水温管理手法では、飼育水槽内に設置される熱交換器周辺部の水温が激変することとなり、魚にストレスを与えていたが、本発明では、飼育用水がシステムを循環することにより水温を調節することとなるため、飼育用水の水温を緩やかに変化させ飼育している魚種の設定水温を維持することができるため、魚に与えるストレスが軽微となる。
本発明により、陸上養殖の事業化に際し、支障となるエネルギーコストの大幅な削減が可能となる。また、魚の快適な温度帯を維持可能であることから、これまで養殖が困難であった魚の養殖が可能となる。例えば、温暖な地域で寒冷な地域に生息する魚種を養殖することが可能となり、またその逆も可能となる。さらに、体内に寄生する細菌の活性化を抑制することが可能となる。
従来、熱交換器は飼育水槽内に設けられているが、本発明では受水熱交換槽内に設けている。これにより、養殖の障害物がないため、飼育水槽内を広く利用可能となり、魚に不要なストレスを与えることがなくなる他、飼育水槽内にごみが溜まりにくくなる。
閉鎖循環式陸上養殖システムが有する、飼育用水の排水量が極端に少ない特徴により、飼育水温を所望の温度に維持し易い。さらに、飼育用水が受ける顕熱の影響を軽減させるため、閉鎖循環式陸上養殖システムの主要部分を断熱構造とすることにより、熱の浸入や流出を防止することが可能となり、設定水温の維持を容易にする。
(具体的配置)図3は、図1の高効率一貫環境制御陸上養殖システムの具体的配置を示す図である。図3に示すように、飼育水槽10、物理濾過槽20及び受水槽30は、横並びに配置され、生物濾過槽40及び受水熱交換槽50は架台120の上に積み重ねられ、横並びに配置された飼育水槽10との間に高低差をつくっている。受水熱交換槽50から殺菌装置100を介して飼育水槽10に戻される飼育用水循環経路には、飼育水槽10の飼育用水流入口の手前にバルブ110が配置されている。このバルブ110は、通常は適宜な水量が戻されるように開放されているが、システムの停電時には全閉となるように制御されるバルブである。
従来の陸上養殖システムにおいては、飼育用水の循環には通常2台のポンプを使用するが、2台のポンプを同一機種としても、配管延長の違いや配管の屈折回数の違い等により、2台のポンプの送水量及び送水圧力の変化に差が生じることにより、オーバーフローによる排水の発生や吸い込み過剰による安全装置の作動などの問題が発生し、飼育用水の循環バランスの適正化を図るための調整に時間を要する。そのため、本発明では高低差を作ることで引力と大気圧を利用した機器配置を行い、飼育用水の循環経路に適切な直径の配管を使用したシステムの構築により、1台のポンプによる正常運転が可能となるため、省エネルギー化が計られる。なお、停電時に、上層部の機器から飼育用水が流下し、飼育水槽の許容水量を超過した場合に水が溢れる事態となるが、飼育水槽への流入口側に、停電時には全閉となるバルブ110を配置することによりこの事態を回避し、速やかに運転を復帰することが可能となっている。
(塩分の濃度調整機能)
飼育用水として海水を使用する閉鎖循環式陸上養殖システムに対して、塩分の投入や淡水への切り替えを可能とすることにより、塩分の濃度を淡水から海水まで調節する塩分の濃度調節機能を付加し、淡水掛け流しでの飼育も可能としている。
図4は、本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システムを海水・汽水養殖時に使用する場合を説明する模式図である。図4に示すように、受水槽30には、淡水給水口30aと塩分投入口30bが設けられている。受水槽30に溜められる飼育用水(海水)に対して淡水吸水口30aから適宜な量の淡水を給水したり、塩分投入口30bから適宜な量の塩分を投入したりすることにより、飼育用水の塩分の濃度(汽水、海水)を自由に変更することが可能となる。
図5は、本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システムを淡水養殖時に使用する場合を説明する模式図である。図5に示すように、飼育水槽10には、淡水給水口10aが設けられており、この淡水給水口10aから淡水を供給することにより、飼育水槽10と、物理濾過槽20と、に淡水を掛け流すことができる。
海水に対応する生物濾過槽40の硝化細菌は、淡水を循環させると死滅する恐れが高いため、淡水掛け流しと別回路で、生物濾過槽30、生物濾過槽40及び受水熱交換槽50の間で海水を循環させることにより、海水に対応する硝化細菌の生存を維持することが可能となる。
これらの設備により降海型の魚種を養殖する場合に、幼魚期は淡水で飼育し、成長にあわせて徐々に塩分の濃度を高め、最終的には海水と同じ濃度とすることが可能となり、サケ、ヒメマス(→ベニザケ)、ヤマメ(→サクラマス)、アマゴ(→サツキマス)といった降海型の魚種の一貫養殖が実現される。
また、海水の塩分の濃度は3.4%であるが、海水魚の中には低濃度の塩分(汽水)でも支障なく生存可能な魚種や、成長段階により汽水域で生活する魚種も存在する。
これらの魚種は、汽水で養殖することにより海水の浸透圧調整に必要な代謝エネルギーが削減され、削減された代謝エネルギーは魚体の成長に回るため、魚の成長に対する餌の歩留まりが向上し、経費の削減が図られる。
陸上養殖においては、飼育水温の調節に要するエネルギーコストの割合が大きいことが課題となっているが、本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システムの冷却(加温)装置として、MH冷温水製造システムを用いているので、冷却(加温)に必要な主たるエネルギーを工場廃熱から取得することが可能となるため、大幅なエネルギーコストの削減が可能となる。
これまで降海型魚種を閉鎖循環式陸上養殖システムにより、稚魚から成魚まで一貫飼育に成功した事例はないが、本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システムの水温調整機能を用いて飼育水温(海水)を年間を通じて適正な温度帯に保持し、また、塩分の濃度調整機能を用いて飼育用水を淡水から徐々に塩分の濃度を上昇させて海水に切り替えることにより、例えば、冷水系の降海型魚種であるアマゴを、閉鎖循環式陸上養殖システムにより、成魚であるサツキマスに成長させることが可能となる。
また、1年以上の寿命延長に成功し、海面養殖やかけ流し方式の養殖では不可能である周年出荷を可能とした点についても新規性を有する。
本発明の高効率一貫環境制御陸上養殖システムを、冷水性の魚類であるサツキマスの陸上養殖に適用し、周年16℃以下での温度帯で飼育した。その結果、従来の熱交換装置(ヒートポンプ等)と比較し、50%の省エネ効果が実証された。また、サツキマスのように、川と海を行き来する特性を持つ魚に対しても、本願の養殖システムにより、飼育用水を淡水→全海水(または1/2海水)→淡水のように、塩分条件を自在に制御することにより、効率的に養殖することが可能となった。
なお、前述した実施例は本発明の代表的なシステム形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、MH冷温水製造システムを用いているが、これ以外にも、冷却には地下水や省エネ型チラー等の装置、また加温には省エネ型ボイラー等の装置の利用も可能である。
また、上述の実施形態では、魚の飼育の例を説明しているが、魚に限らず、水棲生物なら何でも良く、貝類、藻類、哺乳類等でも飼育することができる。
本発明は、現在の養殖産業の基板整備分野及び沿岸防災分野への適用が可能であり、今後の水産物の生産力向上技術として有用なものとなる。
10 飼育水槽
20 物理濾過槽
30 受水槽
40 生物濾過槽
50 受水熱交換槽
60 熱交換器
70 MH冷温水製造システム
80 泡沫分離装置
90 冷温水タンク
100 殺菌装置
110 バルブ
120 架台
200 高効率一貫環境制御陸上養殖システム
P ポンプ

Claims (4)

  1. 水棲生物を飼育する飼育水槽と、物理濾過槽と、泡沫分離装置と、生物濾過槽と、熱交換器を備え前記飼育水槽との間で飼育用水を循環させる受水熱交換槽と、からなる飼育用水循環経路と、
    前記熱交換器に冷水または温水を熱媒体として供給する冷温水タンクと、
    前記冷温水タンクに冷水または温水を供給するMH冷温水製造システムと、
    により構成されることを特徴とする高効率一貫環境制御陸上養殖システム。
  2. 前記飼育用水の塩分の濃度を淡水から海水へ可逆的に調整する塩分の濃度調整機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の高効率一貫環境制御陸上養殖システム。
  3. 前記飼育用水の循環経路に高低差を設けるため、前記飼育用水を循環させるための少なくとも1台のポンプを含むことを特徴とする請求項1記載の高効率一貫環境制御陸上養殖システム。
  4. 前記飼育用水の前記循環経路中に停電時に全閉となるバルブを前記飼育水槽の飼育用水流入口側に配置したことを特徴とする請求項3記載の高効率一貫環境制御陸上養殖システム。
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