JP2014176332A - 光によって水槽底部に集まる性質を持つ仔魚の飼育方法及び装置 - Google Patents

光によって水槽底部に集まる性質を持つ仔魚の飼育方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多量の仔魚を高い生残率で効率的に飼育することができる光によって水槽底部に集まる性質を持つ仔魚の飼育方法及び装置を提供すること
【解決手段】給水管と排水管を有する水槽を二方向に交互に所定間隔で傾斜させて、仔魚を下方に傾斜した半底面の最深部に蝟集させ、他端の上方に傾斜した半底面及び側壁面を清掃する飼育方法、及び2つの副水槽を接続して一体とした水槽と該水槽を傾斜させる手段を備え、該傾斜させる手段が、一方の副水槽の飼育水の全てが他の副水槽に移送されるまで前記水槽を傾斜させることができる手段である仔魚の飼育装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、ウナギの仔魚のように、孵化仔魚から浮遊生活を送り,光によって水槽底部に集まる葉形仔魚(レプトケファレス)のごとき浮遊生物の飼育に適した飼育方法に関する。
ウナギ養殖用種苗として用いられるシラスウナギの採捕量減少のため、人工種苗技術の確立が強く望まれているが、ウナギの人工孵化が可能となった現在、仔魚をシラスウナギまで成長させる効率的な飼育方法の開発が急務である。
ウナギ仔魚の初期飼料としてサメ卵粉末(特許文献1)や、オキアミ分解物(特許文献2)などが提案されている。
しかし、これらの先行技術は、いずれも飼育水の中を泳ぐ魚が飼料をついばむことを前提とするものであり、懸濁態飼料を底面に置いて、それをウナギ仔魚に摂餌させる方式を取っている。
しかし、ウナギ仔魚には、自発的な索餌行動が認められないことから、効率的に摂餌させることが困難であり、現状では底部を小さく絞った水槽、例えば、図1に示されるボウル水槽、又は図2に示される半円筒型水槽を使用し、この最深部に懸濁態飼料とウナギ仔魚を集めることにより、ウナギ仔魚が摂餌しやすい環境を作っていた。このように、ウナギ仔魚は、底部を小さく絞った水槽でしか飼育することができなかった。
さらに、原因は不明であるが、1〜3日に1回程度は清潔な水槽を用意して仔魚を移しかえなければ長期の飼育が不可能であった(非特許文献1、2,3)。
そして、水槽交換するためには、ウナギ仔魚を別の水槽へ移動させる必要があり、小さな仔魚を安全に移動させるため通常サイホンが利用されている(特許文献1)。しかしこの方法では、どうしても移動元の水槽に仔魚の一部が残存してしまうため、逸失する仔魚が生じるという問題があった。
1〜3日に1回程度行っている清潔な水槽への水槽交換は、上述したように作業の際に仔魚が逸失する危険があり、その危険を回避するため仔魚の探索と捕獲を要するが、現状では、人手によって、移動元の水槽に残留した仔魚を探し出し、ピペットを用いて一尾ずつ移動させるしかなかった。
このように、ウナギの飼育は多くの工程と時間を必要とすることから管理できる水槽の数が限られる一方、仔魚が透明であるため視認し難いこともあり、目視で仔魚を探索することが大型水槽では困難なことから結果として飼育可能な尾数が少なくなってしまい、大量生産ができず、飼育方法の一層の効率化が求められていた。
特開平11−253111号 特開2005−13116号公報
TANAKA,H.,他、Productin of leptocephali of Japanese eel(Anguilla japonica) in captivity. Aquaculture 201,(2001) 51-60 OKAMURA,A., 他、Rearing eel leptocephali (Anguilla japonica Temmink & Schegel) in a planktonkreisel. Aquaculture Res. 40,(2009) 509-512 岡村他「ウナギ卵・仔魚の飼育における銀イオンの添加:毒性と抗菌作用、日水誌 75巻、786-792
本発明者らは、図3に示されるような底部が平面の水槽1であっても、傾斜を与え、その端部に最深部3が形成されるようにすれば、該最深部にウナギ仔魚が蝟集するので、この部分に餌を供給することにより効率的な給餌が可能となり、少なくともふ化後20日まで生残することを実験的に確認した(飼育例1)。
これは、光によって水槽底部に集まる性質を利用したもので、水槽を傾斜させることにより、底面に向かって遊泳する仔魚は、この傾斜した底面に沿って水槽の端部の最深部3に集中的に蝟集する。
飼育に当っては、水槽内に飼育水の滞留区域が生じないよう、円周方向に給水し、給餌に際しては、水流により懸濁態飼料が浮遊しない様、水槽への給水を一時的に停止させた。
ウナギ仔魚は、光照射時に底面に向かって遊泳活動をし、また、水槽底面に置かれた懸濁態飼料を摂餌するので、底面に向かっての遊泳時や給餌時に仔魚の水槽底面への接触が不可避であった。
本発明者らは、このとき生じる水槽底面や壁面の細菌等との接触によって感染症が発症し、これが原因で水槽交換なくして長期の飼育が不可能であったのではないかと考え、底面半円筒形の水槽底面及び壁面を毎日スポンジで拭き掃除をして清潔に保ったところ、水槽交換を行うことなく給餌開始時から変態開始時(本試験ではふ化後251日で最初の1尾が変態中期に達して飼育水槽から隔離した)までの飼育が可能であることを実験的に確認した(飼育例2)。
水槽底面や壁面に付着していた汚物は、スポンジによる拭き掃除により、一旦、飼育水中に懸濁されるが、この状態では仔魚に害を与えることはなく、水槽への給水と溢流により、徐々に槽外に排出される。しかし、給餌中は仔魚が底部に蝟集しているため、水槽底部の清掃は避けるべきである。
以上の飼育実験により、水槽交換の必要性は水槽壁面の汚れのためであることが明らかとなった。
しかしこの方法では、仔魚が遊泳する水槽内の壁面を清掃するため、仔魚を巻き込んで殺傷してしまう危険があった。特に照明条件下では仔魚は水槽底面付近に多く遊泳するので、給餌中以外でも水槽底面の拭掃の際には、仔魚を巻き込む危険が高い。
そこで、本発明者らは、図3に示すように、水槽1を傾斜させることによって水槽底面の片方の端部の最深部3に仔魚を蝟集させ、仔魚が蝟集したのとは反対側の端部の底面や側面4(図3b、3cのハッチング部分)を拭き掃除することとした(飼育例3)。これにより、清掃時に仔魚を巻き込んで殺傷してしまう危険を回避することができる。そして、水槽1を向かって左右両側に交互に傾斜させることを可能とする装置を使用して水槽1を1〜3日に1又は2回程度傾斜させ、水槽の両端部の底面や側面4で交互に清掃することによって、水槽1の全面の拭き掃除が可能となる。図面において2は水面を示す。
この方法では、仔魚の底面への遊泳行動により最深部3へ移動する程度の傾斜があればよいので、水槽1の上方半面の飼育水を完全に下方半面に移動させる必要はない。
この方法は、基本的には飼育例2と同じであり、この方法によれば、仔魚の存在を気にすることなく清掃できるので、飼育例2と比べ清掃時間及び労力が低減できる。
次に、本発明者らは、移槽作業に際して移槽元水槽および移槽先水槽をサイホンで接続した上で移槽元水槽を持ち上げることによって飼育水を短時間で移槽先水槽に移し、引き続き、移槽元水槽に残った飼育水中の仔魚を、探索して移槽する代わりに残留飼育水とともに移槽先水槽に注ぎ込むことによって移槽作業を完了させるという移槽方法を採用して、サイホンで接続した上で移槽元水槽に注水し移槽先水槽から排水することによって仔魚を移槽先水槽に移し、次に移槽元水槽に残った仔魚をピペットで移し変える従来方法と同様に、変態開始時(本試験ではふ化後268日で最初の1尾が変態中期に達して飼育水槽から隔離した)までの飼育が可能であることを実験的に確認した(飼育例4)。
これにより、移槽元の水槽内に残った仔魚を探索し、一尾ずつ手作業で移動させるという手間が不要となり、飼育水ごと仔魚を移槽先水槽に注ぎ込むという飼育条件でもウナギ仔魚が生存できることが明らかとなった。しかしこの方法では、水槽を持ち上げる際、および飼育水を注ぎ込む際に飼育水が水槽外に溢れたり、こぼれることで仔魚を殺傷してしまう危険があった。また、サイホンで移槽しきれなかった飼育水を注ぎ込むには、移槽元の水槽を移槽先の水槽よりも高く持ち上げなければならず、大型の水槽には適さない。
そこで、本発明者らは、図4に示されるように、2つの副水槽5,6を接続して一体化した水槽8を形成し、該水槽8を軸7を中心にして回動させ、1〜3日に一回、左または右に傾斜させることによって2つの副水槽のうち1つの副水槽だけを使用するようにし、他の副水槽を空の状態で清掃するようにした(図5参照)。
この方法によれば、仔魚は全ての飼育水とともに副水槽間を移送するので、移送の際の飼育水の溢流などは完全に防止できる。
このように、副水槽間の仔魚の移動に関しては、副水槽を傾けることによっても飼育水ごと行うことが可能であり、かつそのような条件下でもウナギ仔魚が十分生存できることが判明した(飼育例5)。
この方法によれば、不使用側の副水槽の飼育水が空の状態で水槽の壁面を清掃することになるので水槽壁面の清掃が容易に行なえ、汚水が飼育水に混入することがなく、且つ清掃に際して仔魚を巻き込んで殺傷する危険はなくなる。また2つの副水槽が固定されているため、上述したように飼育水槽を持ち上げる際および飼育水を注ぎ込む際に飼育水をこぼしてしまうこともない。そして、2つの副水槽を接続した水槽8を向かって左右両側に傾斜させることを可能とする装置を使用すれば、水槽8を傾斜させるだけで、仔魚を、飼育水ごと副水槽間を移送させることができる。
以上、本発明の方法で飼育される生物として、孵化仔魚から浮遊生活を送りつつ、照明点灯時に水槽底部に集まり、また積極的な索餌行動が認められない葉形仔魚(レプトケファレス)までのウナギ仔魚について説明してきたが、本発明の趣旨に基づけば、ウナギ仔魚と同様に積極的な摂餌行動を行わず、照明点灯時には水槽底部に集まる浮遊生物に対しても、本発明の方法は有効である。
したがって、本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決し、多量の仔魚を高い生残率で効率的に飼育することができる、光によって水槽底部に集まる性質を持つ仔魚の飼育方法及び装置を提供することである。
本発明の態様は、以下のとおりである。
(1)給水管と排水管を有する水槽を二方向に交互に所定間隔で傾斜させて、仔魚を下方に傾斜した半底面の最深部に蝟集させ、他端の上方に傾斜した半底面及び側壁面を清掃することを特徴とする光によって水槽底部に集まる性質を持つ仔魚の飼育方法。(一槽式)
(2)給餌する際、一時的に注水を停止する(1)の飼育方法。
(3)前記水槽が2つの副水槽を接続して一体としたものであり、傾斜によって一方の副水槽の飼育水の全てを他の副水槽に移送させるようにした(1)又は(2)の飼育方法。(二槽接続式)
(4)飼育される仔魚がウナギ仔魚である(1)ないし(3)の何れかの飼育方法。
(5)2つの副水槽を接続して一体とした水槽と該水槽を傾斜させる手段を備え、該傾斜させる手段が、一方の副水槽の飼育水の全てが他の副水槽に移送されるまで前記水槽を傾斜させることができる手段であることを特徴とする光によって水槽底部に集まる性質を持つ仔魚の飼育装置。
本発明で使用する水槽には、水槽を傾斜させる手段を有する。水槽を傾斜させるには、水槽の片側を持ち上げ及び/または片側を降下させればよく、又は回転軸を設け、水槽自体を回動させるようにしてもよい。大型の水槽の場合、枠体に水槽を載置し、油圧機などで枠体ごと傾斜させればよい。
本発明において必要な傾斜角度は、一槽式の場合は、仔魚が確実に水槽の半面に蝟集する角度以上であり、水槽の形状は問わないが、清掃の便を考えると幅方向の寸法よりも、深さ方向の寸法が小さい方が好ましい。
また、二槽接続式の場合は、片方の副槽から他の副槽へ全ての飼育水が移送するのに必要な角度ということになるが、小さい角度で飼育水が完全に移送されるためには、各水槽の底面(傾斜したときの最深部)が接続部とスムーズな面で連なっている必要がある。二槽連結式水槽の好ましい形状としては、図4に示される、二つのデカンターをスムーズな曲面で接続した落花生型水槽が例示できる。
一槽式でも、二槽接続式でも、水槽の形状や給水管の数や向きを調整して、水槽内に飼育水が滞留してしまう領域が生じないようにすることが望ましい。
また、水槽からの飼育水の排水は、溢流管によることが好ましい。溢流管によれば、給水管からの給水量に見合った量が排水され、水槽内の水面が一定となる。なお、溢流管の開口部は網で覆い、仔魚が排水とともに流出することを防ぐ必要がある。
水槽の傾斜させた場合、夫々の位置で水槽内の水面を一定に保つためには、夫々の傾斜位置に対応した溢流管を別個用意してもよいし、1本の溢流管の先端部が夫々の傾斜位置に対応した位置となるよう可動式にしてもよい。
本発明でいう懸濁態飼料とは、サメ卵主体のウナギ仔魚用懸濁態飼料のように注水によって水槽中層に容易に舞い上がり、排水とともに除去される形状のものをいう。したがって、給餌時には、一時的に給水を停止することが好ましい。
このような飼料を給餌するには、ピペットなどを使用して、仔魚が蝟集した水槽の最深部に直接供給する。また、給餌後残った飼料は、注水を再開するか、別途設けた給水管より飼料に向けて給水することにより仔魚とともに水槽中に舞い上げる。飼料は水中に懸濁したままとなるので、清掃時の汚物と同様、次第に溢流し、水槽外に排出される。
本発明で水槽壁面の清掃に使用される清掃具は、壁面の汚物を物理的に除去できるものであればよく、通常の水槽の清掃に使用されるスポンジや雑巾などが使用できる。
1日に1回程度であれば、拭き残しがないようスポンジなどで軽く1回こすれば充分である。
本発明によれば、広い底面を持つ飼育水槽での飼育が可能となり、また手間のかかる水槽交換作業が省略されるので、大規模な飼育が可能となる。
ボウル水槽の図面 半円筒型水槽の図面 円柱型水槽及び該水槽を傾斜させたときの図面 落花生型水槽の図面 落花生型水槽を回動させたときの図面 サイホン式で残留仔魚を飼育水とともに移槽する方法(流し込み区)とピペットを使用する方法(サイホン区)における、仔魚の生残率、平均全長、平均体高を比較したグラフ
符号の説明
1 円柱型水槽
2 水面
3 最深部
4 清掃すべき側壁面及び底面部
5 落花生型水槽
6,7 副水槽
8 水槽の回転軸
<飼育用仔魚の調達>
雌親魚は、稚魚期にエストラジオール-17βを投与して雌化養成したもの、または天然雌を、雄親魚は、養殖ウナギを使用し、人工催熟させて産卵、受精させ、得られた受精卵を孵化させ、5〜7日目まで飼育管理した仔魚を試験に供した。
<飼育例1>
10L円柱型水槽(底面が5cm/40cmの角度で傾斜、図3a参照)を製作した。
この水槽に給水管より注水し、水平方向に円状の水流を与えた。給餌時(1日5回、1回あたり15分)には注水を停止し、給餌(サメ卵主体ウナギ仔魚用懸濁態飼料、7mL)後、注水を再開した。
この水槽でウナギ仔魚(ふ化後5日)を250尾収容して飼育したところ、ふ化後20日で140尾(56.0%)の生残率があった。
本方法によれば、底部を小さく絞った水槽でなくても、傾斜させることにより、給餌を効率よく行なえ、高い生残率を維持できることが確かめられた。
<飼育例2>
10L半円筒型水槽を製作した(図2参照)。給餌時(1日5回、1回あたり15分)には注水を停止し、給餌(サメ卵主体ウナギ仔魚用懸濁態飼料、7mL)後、注水を再開した。また、毎日、水槽の壁面及び底面の全てをスポンジで擦り、清潔に保った。この水槽でウナギ仔魚(ふ化後5日)を250尾収容して飼育したところ、水槽交換は行わなかったにもかかわらず長期に生残し、245日齢には最初の変態開始個体を確認し、その個体は変態が進んだことに対応して251日齢に変態期専用の水槽に移槽した。
<飼育例3>
40L円柱型水槽(図3a参照)を製作した。
この水槽を、その底面が20cm/60cmの角度となるよう傾斜させ、給水管より注水し、水平方向に円状の水流を与えた。給餌時(1日5回、1回あたり15分)には注水を停止し、給餌(サメ卵主体ウナギ仔魚用懸濁態飼料、20mL)後、注水を再開した。
また、毎日2回、1回目の給餌と5回目の給餌の前に水槽を転回させることにより傾斜の向きを転換し、上方に持ち上がった水相の半面(図3b、cのハッチング部分)をスポンジで拭き掃除した。
この水槽でウナギ仔魚(ふ化後5日)を1000尾収容して飼育したところ、ふ化後20日で440尾(56.0%)、ふ化後140日で16尾(1.6%)の生残率があった。
本実験は事故のためこれ以上のデータが得られなかったが、この方法によれば、水槽の清掃を仔魚の存在を気にすることなく行なえるので、大型の水槽での飼育も可能であることが確認できた。
<飼育例4>
10Lボウル水槽(図1参照)を使用し、2試験区を3面ずつ用意した。5日齢の仔魚を水槽あたり250〜265尾収容し、10、15、20日齢の生残尾数を計数した。給餌時(1日5回、1回あたり15分)には注水を停止し、給餌(サメ卵主体ウナギ仔魚用懸濁態飼料、7mL)後、注水を再開した。毎回5回目の給餌後にサイホンを用いて清潔な水槽に仔魚を移した。移槽時間は30分間とし、残った仔魚はピペットを用いて移す試験区と、残った仔魚を飼育水ごとに流し込む試験区との生残尾数を比較したところ、孵化後60日までの間は、いずれの日齢でも生残率、平均全長、平均体高に有意な差は認められなかった(図6参照)。
<飼育例5>
2水槽を1つに接続した形状の10L落花生型水槽を製作した。給餌時(1日5回、1回あたり15分)には注水を停止し、給餌(サメ卵主体ウナギ仔魚用懸濁態飼料、7mL)後、注水を再開した。毎日水槽の傾きを左右反転し、2面のうち1面を隔日で使用した。移槽作業直後に、新たに非使用側となった面をスポンジで拭うことにより、清掃を行った。
この水槽でウナギ仔魚(ふ化後20日)を220尾収容して飼育したところ、ふ化後40日で190尾(86.4%)の生残率であった。
同様に、ふ化後5日の仔魚250尾を収容して飼育したところ、ふ化後100日で生残率38%であった。
また、この落花生型水槽を使用する方法によれば、水槽の交換作業は、水槽の回転と水槽内壁の清掃で、約1分かかったが、飼育例3のサイホンを使用する方法では、水槽の清掃に加え、サイホンの取り付け取り外し作業が加わるので、約2分半かかり、さらに、サイホンによる移動に30分を要するので、大幅に水槽交換に要する時間が節約できる。
従来は効率的な給餌のために水槽底面を小さく絞る必要があり、またこの形の水槽底面に効率よく通水して清潔さを保つためには水槽の規模を拡大するにつれて水槽水深が大きくなってしまうという問題があった。一方で水槽交換時の便利や仔魚の除去、給餌作業等には水深が大きいと作業の効率が著しく悪化する。このため、水槽の規模の拡大が制限されており、現在でも100L程度が限界である。しかし本発明によれば、水槽の規模を拡大しても水深を比較的小さく抑えることができるので、ウナギ仔魚の大量飼育に利用可能であると考えられる。

Claims (5)

  1. 給水管と排水管を有する水槽を二方向に交互に所定間隔で傾斜させて、仔魚を下方に傾斜した半底面の最深部に蝟集させ、他端の上方に傾斜した半底面及び側壁面を清掃することを特徴とする光によって水槽底部に集まる性質を持つ仔魚の飼育方法。
  2. 給餌する際、一時的に注水を停止する請求項1記載の飼育方法。
  3. 前記水槽が2つの副水槽を接続して一体としたものであり、傾斜によって一方の副水槽の飼育水の全てを他の副水槽に移送させるようにした請求項1又は2記載の飼育方法。
  4. 飼育される仔魚がウナギ仔魚である請求項1ないし3の何れかに記載の飼育方法。
  5. 2つの副水槽を接続して一体とした水槽と該水槽を傾斜させる手段を備え、該傾斜させる手段が、一方の副水槽の飼育水の全てが他の副水槽に移送されるまで前記水槽を傾斜させることができる手段であることを特徴とする光によって水槽底部に集まる性質を持つ仔魚の飼育装置。
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