JP2014175893A - 漏洩同軸ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】終端側での放射波を抑制することが可能な漏洩同軸ケーブルを提供する。
【解決手段】 信号が伝搬する線状の中心導体3と、中心導体3を覆う絶縁体5と、絶縁体5を覆い、中心導体3の軸方向に沿って一定のピッチPで複数のスロット10が配列された外部導体7と、外部導体7の外周を覆うシース9とを備える漏洩同軸ケーブル1である。複数のスロット10の長手方向が、軸方向に対して同一の角度γで配列され、信号の伝搬波長をλg、絶縁体の比誘電率をεr、[(εr)1/2/{1+(εr)1/2}]をAとして、ピッチPは、Aλg<P<λgの範囲である。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナとして用いる漏洩同軸ケーブルに関する。
漏洩同軸ケーブル(LCX)は、通常の同軸ケーブルの外部導体に複数のスロットが設けられたものである(非特許文献1参照)。このようなスロットを通じて、ケーブル内部の電磁波信号を外部に放射したり、ケーブル外部の電磁波信号をケーブル内部に取り込むことができる。即ち、LCXはケーブル型アンテナであり、特殊な細長い送受信アンテナと言える。
LCXは、通信領域が細長い環境におけるアンテナとして有効である。特に、曲がりくねったトンネル内や金属体が多数存在する場所では、電磁波の不感地帯が生じやすい。このような場所では、一般のアンテナを用いると、多数のアンテナを設置しなければならない。しかし、LCXではそれぞれのスロットがアンテナとして働くので、LCXに沿って多数のアンテナが配置されることになる。したがって、1本のLCXを布設するだけで、細長い通信領域でも電磁波不感地帯の発生がし難くなる。布設工事も、一般のアンテナを個別に取り付けて電気配線する必要がなく、LCXを延線するだけでよく非常に簡単に実施できる。
通常使用されているLCXでは、スロットがジグザグ配列されている。このようなLCXからの電磁波の放射モードには、電界が円周方向及び軸方向のEφ偏波及びEz偏波がある。Eφ偏波及びEz偏波の放射角度は、使用周波数、スロットのピッチ、及び内部導体と外部導体間の絶縁体の比誘電率から定められる(非特許文献1参照)。
従来のLCXでは、放射電磁波の強度の安定性を確保するため、Eφ偏波単一となる放射モードが採用される。この場合、Eφ偏波の放射角度がLCXの終端側に向かう方向に対して負、即ち給電側に向くバックファイア型アンテナとして使用されることが多い。LCXは複数のスロットの各スロットから電磁波が放射されるので、LCXに沿って安定な通信領域を実現できる。しかも、LCXへの入力電力を適当に弱くすれば、LCX近傍だけに安定な通信領域が得られる。そのため、LCX本体周辺のみに通信対象領域を限定でき、情報漏洩を防止して通信セキュリティを確保するためのアンテナとして使用されている。また、会議室などの机に対してLCXを垂直に配置して、狭い空間だけに無線通信を限定することが提案されている(特許文献1参照)。提案された方法では、LCXからの放射波の放射方向を机側に向かせて、机付近にいる人だけに無線通信を可能とさせている。
特開2012−209636号公報
岸本俊彦、佐々木伸著「LCX通信システム」 電子通信学会、コロナ社出版、昭和57年8月20日出版
しかし、LCXの終端側近傍を詳細に調査すると、実際にはEz偏波の放射が存在していることが判明した。このようなLCX終端側近傍での意図していないEz偏波の放射は不要であり、情報漏洩を防止して通信セキュリティ確保のためには抑制する必要がある。
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、終端側での放射波を抑制することが可能な漏洩同軸ケーブルを提供することにある。
本発明の一態様によれば、信号が伝搬する線状の中心導体と、中心導体を覆う絶縁体と、絶縁体を覆い、中心導体の軸方向に沿って一定のピッチで複数のスロットが配列された外部導体と、外部導体の外周を覆うシースとを備え、複数のスロットの長手方向が、軸方向に対して同一の角度で配列され、信号の伝搬波長をλg、絶縁体の比誘電率をεr、[(εr)1/2/{1+(εr)1/2}]をAとして、ピッチPが、Aλg<P<λgの範囲である漏洩同軸ケーブルが提供される。
本発明の一態様において、ピッチPが、0.6λg〜0.9λgの範囲であることが望ましい。また、複数のスロットの長手方向が、軸方向に対して傾斜した角度で配列されてもよく、あるいは、軸方向に対して垂直な角度で配列されてもよい。
本発明によれば、終端側での放射波を抑制することが可能な漏洩同軸ケーブルを提供することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るLCXの一例を示す概略図である。 LCXからの放射の測定系の一例を示す側面概略図である。 従来のジグザグ型LCXの一例を示す概略図である。 従来のジグザグ型LCXの放射モード及び放射方向の測定結果の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るLCXの放射モード及び放射方向の測定結果の一例を示す図である。 図1に示したLCXの結合損失分布の一例を示す図である。 P<0.5λgでのLCXの結合損失分布の一例を示す図である。 0.5λg<P<AλgでのLCXの結合損失分布の一例を示す図である。 1λg<PでのLCXの結合損失分布の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るLCXの他の例を示す概略図である。 図10に示したLCXの結合損失分布の一例を示す図である。
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
又、以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施の形態に係るLCX1は、図1に示すように、中心導体3、絶縁体5、外部導体7、及びシース9を有する。中心導体3は、高周波信号が供給される給電側から終端側に向かう軸方向(z軸方向)に延伸する。絶縁体5は、中心導体3を覆うように設けられる。外部導体7は、絶縁体5を覆うように設けられる。シース9は、外部導体7の外周を覆うように設けられる。外部導体7には、LCXの軸方向に沿って複数のスロット10が一定のピッチPで設けられる。スロット10は、長手方向をz軸方向に対して角度γで傾けて配列された斜めスロットである。
例えば、LCX1には、直径2mmの銅線製の中心導体3、比誘電率εrが1.5で外径5mmの発泡ポリエチレン製の絶縁体5、厚さ0.01mmの銅箔製の外部導体7、及び外径7mmのシース9が用いられる。LCX1の特性インピーダンスは、例えば50Ωである。スロット10は、長さ12mm、幅2mmで、z軸方向に対する角度γは30度である。
実施の形態の説明では、図2に示すように、LCX1を通信領域としての会議机などの天板30に垂直に設置した構成を用いている。座標系として、LCX1の軸方向をz、LCX1を軸にして円周方向をφとする。LCX1からの放射波の放射角θは、z軸の直交方向xを0度として、給電側に向かう場合を負(−)、終端側に向かう場合を正(+)とする。LCX1の給電側に同軸ケーブル16を介して、入力電力Pinの信号を供給する給電部14が接続される。終端側には、LCX1の特性インピーダンス、例えば50Ωの終端器12が接続される。LCX1からの放射波は、半波長標準ダイポールアンテナなどの受信アンテナ20で受信される。受信アンテナ20は、同軸ケーブル22を介して、放射波の受信電力Poutを検出する受信部24に接続される。
非特許文献1に記載のように、LCXからの放射波には複数の放射モードが存在する。各放射モードをm次の放射モードと呼ぶ。ここで、mは負の整数である。m次放射モードの放射角θmは、スロットのピッチ、LCXの絶縁体の比誘電率、及び使用する周波数の波長により計算される。
図3に示すように、一般のLCX1aでは、z軸に沿って複数のスロット10a、10bが一定のピッチPでジグザグ状に設けられる。スロット10aは、長手方向がz軸方向に対して鋭角の角度αで傾けて配置される。スロット10aに隣接するスロット10bは、長手方向がz軸方向に対して鈍角の角度βで傾けて設けられる。角度α、βは互いに補角をなす。
ジグザグ型のLCX1aにおいて、絶縁体5の比誘電率εr及び信号の周波数を一定とすると、ピッチPが短い場合は放射波は存在せず、ピッチPが長くなるにしたがい放射が発生する。ピッチPを長くすると、まず最低次モードとして電界がφ方向の偏波のEφ,-1モードが、−90度の放射角θから発生する。ピッチPを増加すると、放射波はz軸に対して垂直方向、即ち0度の放射角θとなる。更にピッチPを増加させると、Eφ,-1モードの偏波は、放射角θが+90度の方向に向かう。また、ピッチPの増加に伴い、2番目の放射モードとして電界がz方向のEz,-2モード、次いで、3番目の放射モードとしてEφ,-3モードなど、高次の放射モードが次々に発生する。
同一の偏波において複数の放射モードが存在すると、各モードの放射波間の干渉によって放射強度が不安定になる。そのため、単一放射モード領域となるピッチPの範囲で使用することが望ましい。従来使用されている単一放射モード領域とは、Ez,-2モードが発生する前のEφ,-1モードだけが存在する領域である。ここで、信号のLCX内の伝搬波長をλg、絶縁体5の比誘電率をεr、[(εr)1/2/{1+(εr)1/2}]をAとすると、単一放射モードとなるピッチPは、0.5Aλg<P<Aλgの範囲である。例えば、図2に示した構成で使用する場合、放射角θは負、即ちバックファイア型アンテナとして用いることにより、通信領域を机の天板30上に限定することができる。バックファイア型とするには、ピッチPを、0.5Aλg<P<0.5λgの範囲とすればよい。なお、放射角θが約0度となるP≒0.5λgの近傍は、スロット10a、10bによる共振が生じて給電側における反射波が増加するので使用されない。
しかしながら、従来Eφ,-1の単一放射モード領域と考えられていたピッチPの範囲のジグザグ型LCX1aを用いたところ、終端側及び給電側から想定外の放射が、LCX1aの垂直方向に発生していることが確認されている。終端側及び給電側からの放射は不要放射であり、通信情報の漏洩を生じる恐れがある。図2に示した構成により、LCX1aのスロット10a、10bのピッチPを変化させて放射波の測定を行った結果を、図4に示す。
図4に示すように、Eφ,-1モードの放射は、P<0.5Aλgで給電側、0.5Aλg<P<0.5λgで放射角θが−90度〜0度、P>0.5λgで放射角θが0度〜+90度である。なお、ピッチPが、0.5λg及び1λgでは共振が生じる。Ez,-2モードの放射は、P<0.5λgで終端側、0.5λg<P<Aλgで給電側、Aλg<P<1λgで放射角θが−90度〜0度、P>1λgで放射角θが0度〜+90度である。Eφ,-3モードの放射は、P<1.5Aλgで放射無し、P>1.5Aλgで放射角θが−90度〜0度である。このように、従来単一放射モード領域といわれていた0.5Aλg<P<Aλgの範囲でも、終端側や給電側に放射が存在する。特に、バックファイア型アンテナとして用いる0.5Aλg<P<0.5λgの範囲では、終端側への放射が存在する。図4に示すように、ジグザグ型LCX1aでは、単一放射モード領域のバックファイア型アンテナを実現することはできず、終端側からの不要放射が存在することがわかる。
図1に示した斜めスロットを有するLCX1を用いて、図2に示した構成により、スロット10のピッチPを変化させて放射波の測定を行った結果を、図5に示す。図5に示すように、スロット10が同一形状であるので、偶数モードの放射だけが存在する。図5に示すような斜めスロットを有するLCX1では、Ez,-2モード及びEφ,-2モードの放射は、P<0.5λgで終端側、0.5λg<P<Aλgで給電側、Aλg<P<1λgで放射角θが−90度〜0度、P>1λgで放射角θが0度〜+90度である。なお、ピッチPが、1λgでは共振が生じる。Ez,-4モード及びEφ,-4モードの放射は、P<2Aλgで放射無し、P>2Aλgで放射角θが−90度〜0度である。なお、ピッチPが、2λgでは共振が生じる。
このように、スロット10として、長手方向がz軸に対して同一の角度で配列された斜めスロットを用いることにより、Aλg<P<1λgの範囲で、Ez,-2モード及びEφ,-2モードの偏波によるバックファイア型アンテナを実現することができる。斜めスロットの場合、Ez,-2モード及びEφ,-2モードの偏波が混在するが、方向が互いに直交するため干渉は生じない。
図6に、スロット10のピッチPが80mmで、全長1mのLCX1を、幅約3mの机の天板30の中央に垂直に立てて設置して、LCX1の周辺の結合損失を測定した結果を示す。図2に示したように、給電部14から入力電力Pinの信号が供給され、LCX1からの放射波が受信アンテナ20で受信される。受信部24で放射波の受信電力Poutが検出される。結合損失Lcは、次式で計算される。

Lc = −10log(Pout/Pin) (dB) ・・・(1)

例えば、周波数が2.4GHzで入力電力Pinの信号がLCX1の給電部から供給される場合、絶縁体5の比誘電率εrが1.5では、Aは0.55、λgは102mmであるので、ピッチPは、Aλg<P<1λgの範囲となる。
図6に示すように、放射波は、設置面、即ち天板30に向かって放射角θが−20度で放射されている。放射波には、Ez偏波とEφ偏波が混在している。これらの放射波は、それぞれEz,-2モードのEz偏波及びEφ,-2モードのEφ偏波である。Ez偏波及びEφ偏波の結合損失Lcは、天板30上のLCX1から約1.5m離れた位置で、それぞれ約65dB及び約70dBである。
また、終端側からの放射も、Ez偏波とEφ偏波が観察されている。終端側でのEz偏波及びEφ偏波の結合損失Lcは、終端器12から約1.5m離れた位置で、それぞれ約75dB及び約85dBである。
次に、図6の同様の構成で、ピッチPをP<0.5λgの範囲として、LCX1の終端側の放射を確認している。例えば、ピッチPをP=0.4λg、即ち41mmとして、LCX1の周辺の結合損失分布を測定した。図7に示すように、放射波は、終端側からLCX1の半径方向であるx軸方向に放射されていることがわかる。放射波には、Ez偏波とEφ偏波が混在している。
同様に、ピッチPを、0.5λg<P<Aλgの範囲として、LCX1の給電側の放射を確認している。例えば、ピッチPをP=0.53λg、即ち54mmとして、LCX1の周辺の結合損失分布を測定した。図8に示すように、放射波は、給電側からLCX1の半径方向であるx軸方向に放射されていることがわかる。放射波には、Ez偏波とEφ偏波が混在している。
更に、ピッチPを1λg<Pの範囲として、LCX1からの放射角θが0度<θ<90度の方向への放射となることを確認している。例えば、ピッチPをP=1.2λg、即ち122mmとして、LCX1の周辺の結合損失分布を測定した。図9に示すように、放射波は、LCX1から放射角θが+12度で放射されていることがわかる。放射波には、Ez偏波とEφ偏波が混在している。
このように、斜めスロットを用いたLCX1は、ピッチPがAλg<P<1λgの範囲で、終端側からの不要放射を抑制したバックファイア型アンテナとして用いることができる。その結果、会議机などの天板30上の狭い空間を通信領域に限定することができ、通信セキュリティを確保することが可能である。また、斜めスロットを用いたLCX1では、Ez,-2モード及びEφ,-2モードの偏波が混在するため、使用する受信アンテナの自由度を高くすることができる。
なお、スロット10として、長手方向のz軸方向に対する角度γが30度の斜めスロットを用いている。角度γは30度に限定されず、任意の傾斜角であってもよい。また、図10に示すように、長手方向の角度γがz軸方向に垂直な形状のスロット10を用いてもよい。垂直形状のスロット10を有するLCX1を用いて、図2に示した構成により、スロット10のピッチPを変化させて放射波の測定を行った結果を、図5に示す。図5に示すように、スロット10が同一の垂直形状であるので、偶数モードのEz偏波の放射だけが存在する。Ez,-2モードの放射は、P<0.5λgで終端側、0.5λg<P<Aλgで給電側、Aλg<P<1λgで放射角θが−90度〜0度、P>1λgで放射角θが0度〜+90度である。なお、ピッチPが、1λgでは共振が生じる。Ez,-4モードの放射は、P<2Aλgで放射無し、P>2Aλgで放射角θが−90度〜0度である。なお、ピッチPが、2λgでは共振が生じる。このように、垂直形状のスロット10を有するLCX1では、Aλg<P<1λgの範囲で、Ez偏波だけの単一放射モードのバックファイア型アンテナを実現することができる。
図11に、長さが5mmで、幅が2mmの垂直形状で、ピッチPが80mmのスロット10を有する全長1mのLCX1を、幅約3mの机の天板30の中央に垂直に立てて設置して、LCX1の周辺の結合損失を測定した結果を示す。図11に示すように、放射波は、設置面、即ち天板30に向かって放射角θが−20度で放射されている。放射波は、Ez,-2モードのEz偏波が主であり、Eφ偏波は弱い。Ez偏波の結合損失Lcは、天板30上のLCX1から約1.5m離れた位置で、約73dBである。
また、終端側からの放射も、Ez偏波とEφ偏波が観察されている。終端側でのEz偏波及びEφ偏波の結合損失Lcは、終端器12から約1.5m離れた位置で、それぞれ約85dB及び約100dBである。このように、垂直形状のスロット10を用いたLCX1は、終端側からの不要放射を抑制したバックファイア型アンテナとして用いることができる。その結果、会議机などの天板30上の狭い空間を通信領域に限定することができ、通信セキュリティを確保することが可能である。
また、上記説明では、LCX1の長さを1m、放射角θを約−20度として、約3mの通信領域を確保しているが、LCX1の長さ及び放射角θは限定されない。例えば、LCX1の長さは、0.5m〜3mの範囲が実用的である。また、会議室などの机上の通信領域としては、約1m〜約6mの空間を考えればよい。このような場合、放射角θとしては、約−10度〜約−80度の範囲とすればよい。m次放射モード偏波の放射角θmは、ピッチP、絶縁体5の比誘電率εr、及び信号のLCX1内の伝搬波長λgより、次式で計算される。

sinθm = mλg(εr)1/2/(2P)+(εr)1/2 ・・・(2)

ピッチPは次式で表される。

P = [m(εr)1/2λg/{(εr)1/2−sinθm}]/2 ・・・(3)

例えば、Ez,-2モード及びEφ,-2モードの偏波について、絶縁体5の比誘電率εrを1.5とすると、放射角θ-2を−10度〜−80度の範囲とするには、式(3)よりピッチPを0.6λg〜0.9λgの範囲にすればよい。
また、スロット10の形状として、角丸長方形を用いているが、形状は限定されない。例えば、スロット10は、矩形状であってもよく、あるいは、円状、楕円状、正方形状であってもよい。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…漏洩同軸ケーブル(LCX)
3…中心導体
5…絶縁体
7…外部導体
9…シース
10…スロット
12…終端器
本発明の一態様によれば、机の天板上に垂直に設置したアンテナとして用いる漏洩同軸ケーブルであって、周波数が一定である高周波信号が伝搬する線状の中心導体と、中心導体を覆う絶縁体と、絶縁体を覆い、中心導体の軸方向に沿って一定のピッチで複数のスロットが配列された外部導体と、外部導体の外周を覆うシースとを備え、複数のスロットの長手方向が、軸方向に対して同一の角度で配列され、高周波信号の伝搬波長をλg、絶縁体の比誘電率をεr、[(εr)1/2/{1+(εr)1/2}]をAとして、ピッチPが、Aλg<P<λgの範囲である漏洩同軸ケーブルが提供される。

Claims (4)

  1. 信号が伝搬する線状の中心導体と、
    前記中心導体を覆う絶縁体と、
    前記絶縁体を覆い、前記中心導体の軸方向に沿って一定のピッチで複数のスロットが配列された外部導体と、
    前記外部導体の外周を覆うシース
    とを備え、
    前記複数のスロットの長手方向が、前記軸方向に対して同一の角度で配列され、
    前記信号の伝搬波長をλg、前記絶縁体の比誘電率をεr、[(εr)1/2/{1+(εr)1/2}]をAとして、前記ピッチPが、Aλg<P<λgの範囲であることを特徴とする漏洩同軸ケーブル。
  2. 前記ピッチPが、0.6λg〜0.9λgの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の漏洩同軸ケーブル。
  3. 前記複数のスロットの長手方向が、前記軸方向に対して傾斜した角度で配列されることを特徴とする請求項1又は2に記載の漏洩同軸ケーブル。
  4. 前記複数のスロットの長手方向が、前記軸方向に対して垂直な角度で配列されることを特徴とする請求項1又は2に記載の漏洩同軸ケーブル。
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