JP2014174139A - 流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法 - Google Patents

流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014174139A
JP2014174139A JP2013049983A JP2013049983A JP2014174139A JP 2014174139 A JP2014174139 A JP 2014174139A JP 2013049983 A JP2013049983 A JP 2013049983A JP 2013049983 A JP2013049983 A JP 2013049983A JP 2014174139 A JP2014174139 A JP 2014174139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow
particles
particle
flow path
outflow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013049983A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Katsumoto
洋一 勝本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2013049983A priority Critical patent/JP2014174139A/ja
Priority to US14/184,904 priority patent/US9429276B2/en
Priority to CN201410074926.5A priority patent/CN104046565A/zh
Publication of JP2014174139A publication Critical patent/JP2014174139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F17STORING OR DISTRIBUTING GASES OR LIQUIDS
    • F17DPIPE-LINE SYSTEMS; PIPE-LINES
    • F17D1/00Pipe-line systems
    • G01N15/134
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/04Cell isolation or sorting
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume, or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume, or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/14Electro-optical investigation, e.g. flow cytometers
    • G01N15/1404Fluid conditioning in flow cytometers, e.g. flow cells; Supply; Control of flow
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2200/00Solutions for specific problems relating to chemical or physical laboratory apparatus
    • B01L2200/06Fluid handling related problems
    • B01L2200/0647Handling flowable solids, e.g. microscopic beads, cells, particles
    • B01L2200/0652Sorting or classification of particles or molecules
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2300/00Additional constructional details
    • B01L2300/08Geometry, shape and general structure
    • B01L2300/0861Configuration of multiple channels and/or chambers in a single devices
    • B01L2300/0864Configuration of multiple channels and/or chambers in a single devices comprising only one inlet and multiple receiving wells, e.g. for separation, splitting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B07SEPARATING SOLIDS FROM SOLIDS; SORTING
    • B07CPOSTAL SORTING; SORTING INDIVIDUAL ARTICLES, OR BULK MATERIAL FIT TO BE SORTED PIECE-MEAL, e.g. BY PICKING
    • B07C5/00Sorting according to a characteristic or feature of the articles or material being sorted, e.g. by control effected by devices which detect or measure such characteristic or feature; Sorting by manually actuated devices, e.g. switches
    • B07C5/34Sorting according to other particular properties
    • B07C5/342Sorting according to other particular properties according to optical properties, e.g. colour
    • G01N15/149
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume, or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N2015/1006Investigating individual particles for cytology
    • G01N2015/1028
    • G01N2015/133
    • G01N2015/136
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume, or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/14Electro-optical investigation, e.g. flow cytometers
    • G01N15/1404Fluid conditioning in flow cytometers, e.g. flow cells; Supply; Control of flow
    • G01N2015/1413Hydrodynamic focussing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T137/00Fluid handling
    • Y10T137/4891With holder for solid, flaky or pulverized material to be dissolved or entrained

Abstract

【課題】、高い精度で粒子を分取することを可能とする流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法を提供すること。
【解決手段】本技術の一形態に係る流路デバイスは、流入部と、第1の流出部と、第2の流出部とを具備する。前記流入部には、粒子を搬送する搬送流体が流入される。前記第1の流出部は、前記流入部から流入された前記搬送流体の一部が流入される流入口と、前記流入口に連結された前記粒子を保持する保持部と、前記流入口から流入された前記搬送流体により前記保持部内の前記粒子を所定の流路領域へ流出させる粒子流出口とを有する。前記第2の流出部は、少なくとも前記粒子流出口を囲む周囲流出路を有し、前記周囲流出路を介して、前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部を、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出させる。
【選択図】図3

Description

本技術は、細胞等の粒子を流通させる流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法に関する。
細胞等の粒子を分取する装置として、蛍光フローサイトメータやセルソータが知られている。これらの装置では、各細胞が適切な振動条件(一般には、出口流速は数m/sであり、振動数は数10kHzである。)の下で流体によって吐出口にて気液界面に閉じ込められ、同時に各細胞には電荷を与えられる。各細胞は、静電場が印加された空中を荷電量に応じた方向へ液滴として飛翔し、最終的に流路外に設けた分取用容器内に分取される。
この技術は流速が前述のように比較的速い場合において有用であるが、流速の遅いフローサイトメータや誘電サイトメータにおいては、液滴化及びその液滴の吐出条件を満足することは困難である。このため、むしろ分岐が設けられた流路内で分取動作を行い、その後段で細胞を保持することが望ましい。
流路内での分取機構として、例えばピエゾ素子等を用いることによって流体の流れ方向を変え、流体中の細胞を間接的に駆動する方法が提案されている。しかしながら、その機械的素子の応答性はミリ秒程度であり、流路の圧力波の応答性を考慮すると、細胞の分取速度には限界がある。
一方、細胞を直接駆動する方法として、誘電泳動法が提案されている。特許文献1では、細胞種間での誘電泳動力の差と沈降速度の差を利用して、電極を敷設した流路を流れる細胞を種類別に分離している。また特許文献2では、流路を流れる細胞を分析して当該細胞が分取対象であるか否かを判定し、その判定結果をもとに発される分取信号に応じて電場を印加する細胞分取方法が記載されている。この方法により、分取対象である細胞を十分な誘電泳動力により分取することが可能となる。
特表2003−507739号公報 特開2012−98075号公報
上記した特許文献1に記載の細胞の分取方法に関して、粒子間のサイズや形状等の違いによる誘電泳動力の差に比べると、粒子の種類の違いによる誘電泳動力の差は非常に小さい。従って特許文献1に記載の分取方法は、実用上要求される、差異の小さい粒子群を対象とした場合には、実際にはうまく機能しないものと予想される。これに対して特許文献2に記載の分取方法は、十分に機能を発揮すると思われるが、さらなる精度の向上が望まれている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、高い精度で粒子を分取することを可能とする流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る流路デバイスは、流入部と、第1の流出部と、第2の流出部とを具備する。
前記流入部には、粒子を搬送する搬送流体が流入される。
前記第1の流出部は、前記流入部から流入された前記搬送流体の一部が流入される流入口と、前記流入口に連結された前記粒子を保持する保持部と、前記流入口から流入された前記搬送流体により前記保持部内の前記粒子を所定の流路領域へ流出させる粒子流出口とを有する。
前記第2の流出部は、少なくとも前記粒子流出口を囲む周囲流出路を有し、前記周囲流出路を介して、前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部を、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出させる。
この流路デバイスでは、流入部から流入された搬送流体の一部が、第1の流出部の流入口から保持部に流入される。そして保持部内の粒子が粒子流出口から所定の流路領域へ流出される。粒子流出口の周囲には、第2の流出部の周囲流出路が配置されている。この周囲流出路を介して、流入部から流入された搬送流体の他の一部が、所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出される。これにより粒子を所定の流路領域にて安定して流出することが可能となる。この結果、高い精度で粒子を分取することも可能となる。
前記第1及び前記第2の流出部は、レイノルズ数が1以下の層流として、前記粒子と前記搬送流体とをそれぞれ流出させてもよい。
このようなレイノルズ数が1以下の層流として流出させる場合でも、粒子を所定の流路領域にて安定して流出させることができる。
前記第1及び前記第2の流出部は、前記所定の流路領域の流量と、前記周囲流路領域の流量との比が、1:2から1:100までの範囲に含められるように、前記粒子及び前記搬送流体とをそれぞれ流出させてもよい。
上記の範囲に含まれるような流量比で、粒子及び搬送流体を流出させることで、粒子を安定して流出させることが可能となる。
前記周囲流出路は、前記粒子流出口を中心に同心円状に配置されてもよい。
これにより所定の流路領域に流出される粒子を、周囲流路領域に流出される搬送流体により十分に囲むことが可能となり、粒子の安定した流出を可能とする。
前記保持部は、前記粒子を供給するための前記粒子流出口の口径よりも大きい口径を有する供給口と、前記供給口と前記粒子流出口とを接続し前記供給口から前記粒子流出口に向けて径が小さくなるテーパ部を含む漏斗状の本体部とを有してもよい。
漏斗状の本体部を有することで、粒子を滞りなく粒子流出口に導くことが可能となり、高い精度で粒子を所定の流路領域に流出させることが可能となる。
前記供給口は、封止部材により封止されてもよい。
このように供給口が封止部材により封止されてもよい。封止部材の構成等を適宜設定することで、保持部内の圧力を調整することも可能である。
前記供給口は、大気に開放された状態であってもよい。
このように供給口が大気に開放された状態であってもよい。これにより保持部の構成を簡略化することが可能となる。
前記粒子流出口の口径は、前記粒子の径の10倍の大きさよりも小さくてもよい。
これにより粒子を所定の流路領域へ高い精度で流出させることができる。
本技術の一形態に係る粒子分取装置は、前記流路デバイスと、流路と、複数の分岐路と、電場印加部とを具備する。
前記流路は、前記流路デバイスに連結され、前記流路デバイスから流出された前記粒子及び前記搬送流体が流れる。
前記複数の分岐路は、前記流路から分岐する。
前記電場印加部は、前記複数の分岐路のうち所定の分岐路へ前記粒子を導くガイド電場を、前記粒子の分取を指示する分取信号に応じて前記流路内に形成することが可能である。
本技術の一形態に係る粒子流出方法は、粒子を搬送する搬送流体を流入部に流入させることを含む。
前記流入部から流入された前記搬送流体の一部を、前記粒子を保持する保持部に流入させることで、前記保持部内の前記粒子が、粒子流出口を介して所定の流路流域へ流出される。
前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部が、前記粒子流出口を囲む周囲流出路を介して、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出される。
本技術の一形態に係る粒子分取方法は、粒子を搬送する搬送流体を流入部に流入させることを含む。
前記流入部から流入された前記搬送流体の一部を、前記粒子を保持する保持部に流入させることで、前記保持部内の前記粒子が、粒子流出口を介して所定の流路流域へ流出される。
前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部が、前記粒子流出口を囲む周囲流出路を介して、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出される。
前記粒子流出口から流出された前記粒子と、前記周囲流出路を介して流出された前記搬送流体が、流路に流される。
前記流路に設けられた電場印加部により、複数の分岐路のうち所定の分岐路へ前記粒子を導くガイド電場が、前記粒子の分取を指示する分取信号に応じて前記流路内に形成される。
以上のように、本技術によれば、高い精度で粒子を分取することを可能とする流路デバイスを提供することが可能となる。
図1は、本技術の一実施形態に係る粒子分取装置の構成の概略を示す図である。 図2は、図1に示した分取流路部の例を示す斜視図である。 図3は、本実施形態に係る粒子流出部の構成の概略を示す図である。 図4は、図3に示す全体流出部を上方から見た模式的な平面図である。 図5は、図3に示す粒子流出部の、より具体的な構成例を示す図である。 図6は、図5に示す粒子流出部を、粒子を流通させる主流路(マイクロ流路)と合わせた実デバイス形状に拡張し、流体数値解析した例を示す図である。 図7は、図2に示した分取部の概略構成を示す斜視図である。 図8は、この分取部を示す平面図である。 図9は、図8におけるA−A線断面図である。 図10は、流路デバイスにおける分取部の動作を説明するための図である。 図11は、分取電極部の各部のサイズを示す一例である。 図12Aは、z=10μmの位置におけるx−y平面での電場強度分布を示す。図12Bは、x=50μmの位置におけるy−z平面での電場強度分布を示す。 図13Aは、x=50μmの位置におけるy−z平面でのy右方向に発生する誘電泳動力の強度分布を示す。図13Bは、そのy左方向に発生する誘電泳動力の強度分布を示す。 図14Aは、x=50μmの位置におけるy−z平面でのz上方向に発生する誘電泳動力の強度分布を示す。図14Bは、そのz下方向に発生する誘電泳動力の強度分布を示す。 図15は、高さzの位置においてz方向の誘電泳動力の正負が切り替わる境界におけるy方向に働く誘電泳動力の大きさを示す。 図16は、各粒子がy方向でそれぞれ異なる位置からガイド電極構造体の流路領域に流入する場合の、各粒子の軌道のシミュレーション結果を示す。 図17は、分取流路部の他の構成例を示す概略斜視図である。 図18は、図17に示す分取流路部の概略平面図である。 図19は、この分取流路部による各粒子の軌道のシミュレーション結果を示す。 図20A及びBは、上記2つの構成例に係るガイド電極構造体の助走区間の設計例を示す。 。図21は、流路デバイスにより流出された粒子を分取するための分取流路部の他の構成例を示す図である。 図22は、第1の流路の流路幅方向において、異なる位置から狭窄路に流入する各粒子の軌道のシミュレーション結果を示す。 図23は、分取流路部における、第2の流路の高さ方向における速度分布と細胞の軌跡の模式図である。 図24は、中央流出部の粒子供給口を封止するための封止部材の他の構成例示す模式図である。 図25は、粒子流出口までの中央流出路の他の構成例を示す模式図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[粒子分取装置の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る粒子分取装置の構成の概略を示す図である。図2は、図1に示した分取流路部の例を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る流路デバイスとしての、粒子流出部の構成の概略を示す図である。
図1に示すように、粒子分取装置100は、分取流路部55と、測定部60及び解析部70を備える。分取流路部55は、その上流側から、投入部3、流路(主流路)2、測定電極部4、分取部5、分岐路2a、2b、粒子取出部6、7、排出部10が設けられている。
投入部3には、サンプリングされた粒子Cとして細胞を含む流体(液体)が、図3に示す粒子流出部20を介して投入される。流路2には、投入部3により投入された液体が流れる。液体の主流の方向は、図1中、x方向である。
測定部60は、所定の周波数範囲のうち任意の周波数の交流電圧を測定電極部4に印加する。例えば、流路2を流れる一個一個の細胞に対して、誘電緩和現象が起こる、交流電圧の周波数範囲(例えば0.1MHzから50MHz)の多点周波数(3点以上、典型的には10から20点程度)にわたり、それらの細胞に依存する複素誘電率を測定する。なお、測定部60は、測定電極部4から得られる検出信号からインピーダンスを測定し、測定されたインピーダンスから公知の電気変換式により複素誘電率を算出する。
複素誘電率に電気的に等価な量として、複素インピーダンス、複素アドミッタンス、複素キャパシタンス、複素コンダクタンスなどがある。これらは単純な電気量変換によって相互に変換可能である。また、複素インピーダンスや複素誘電率の測定には、実数部のみあるいは虚数部のみの測定も含まれる。
解析部70は、測定部60により測定された粒子Cの複素誘電率の情報を受け、その複素誘電率に基づき分取すべき粒子Cか否かを判断し、分取すべき粒子の場合には分取信号を発生する。この場合、解析部70は、信号発生部として機能する。
分取部5は、投入部3から投入された複数種類の粒子Cのうち、対象とする粒子Cを粒子取出部6に、それ以外の粒子Cを粒子取出部7に分取する。分取部5は、分取電極部8を有する。分取電極部8が設けられる位置は、測定電極部4が設けられる位置より下流側となる。分取部5は、本実施形態において電場印加部として機能する。
測定部60及び解析部70は、ハードウェアのみで構成されていてもよいし、ハードウェア及びソフトウェアの両方で構成されていてもよい。測定部60及び解析部70は、物理的に1つの機器であってもよい。
分取電極部8には、解析部70から出力された分取信号に応じた直流または交流の駆動電圧が印加される。これにより分取電極部8は、流路2中にガイド電場を発生する。ガイド電場は、粒子Cを、複数の分岐路2a及び2bのうち所定の一方の分岐路に導くような電場である。
複数の分岐路2a及び2bは、流路2から分岐する流路である。分岐路2aは粒子取出部6につながり、分岐路2bは粒子取出部7につながっている。例えば、分取電極部8によるガイド電場が発生しない場合、粒子Cは、分岐路2bを通り粒子取出部7に流れる。一方、分取電極部8により流路2内にガイド電場が発生した場合、粒子Cは、分岐路2aを通り粒子取出部6に流れる。
粒子取出部6及び7は、排出部10へ通じている。粒子取出部6及び7を通過した液体は排出部10より例えばポンプを使って外部に排出される。
ここで、液体中に存在する粒子Cに電場を印加すると、媒質(液体)と粒子Cの分極率の違いにより誘起双極子モーメントが生じる。印加電場の空間分布、つまり電束密度の空間分布が不均一である場合、電場強度が粒子Cの周囲で異なるために、誘起双極子によって式(1)に示す誘電泳動力が生じる。
式(1)において、ε'mは媒質の複素比誘電率(複素比誘電率は式(2)によって定義)の実部、εvは真空誘電率、Rは粒子半径、Ermsは印加された電場のRMS(Root Mean Square)値である。また、Kは式(3)に示されるClausius-Mossotti関数であり、同式中のε*pとε*mはそれぞれ粒子Cと媒質の誘電率である。
既に説明したとおり、特許文献1では、粒子種間のKの違いに着目して誘電泳動法単独で粒子を分別している。これに対して、本技術に係る粒子分取装置100は、粒子種類ごとの誘電泳動力の違い(周波数依存性)をあえて用いない。この粒子分取装置100は、解析部70から発せられる分取信号に応じて、ガイド電場をオン・オフまたは振幅変調して印加し、粒子径や物性にばらつきを持った粒子群であっても、分取対象である粒子Cについてのみ、十分な誘電泳動力によって分取する。
分取電極部8によるガイド電場の発生によって分岐路2aに導く対象となる粒子Cを、以下、ターゲット粒子という。ガイド電場を発生させることなく、分岐路2bに導かれる粒子Cを、以下、非ターゲット粒子という。ターゲット粒子と非ターゲット粒子の違いは、例えば正常細胞と死細胞、あるいは、正常細胞とガン化した細胞、などである。
ターゲット粒子の複素誘電率の範囲の情報(及び/または非ターゲット粒子の複素誘電率の範囲の情報)が、予め図示しない記憶デバイスに記憶されていればよい。この記憶デバイスは、少なくとも解析部70がアクセス可能なデバイスである。解析部70は、その記憶デバイスに記憶された情報に基づき、測定部60により測定された、粒子Cの複素誘電率が、ターゲット粒子の複素誘電率の範囲に属するか否か(非ターゲットの粒子の複素誘電率の範囲に属するか否か)を判定する。この判定は、測定部60による複素誘電率の測定直後にリアルタイムで行われる。そして、解析部70は、測定対象とされた粒子Cがターゲット粒子であると判定した場合は、分取信号を出力し、分取電極部8に所定の駆動電圧を印加する。
図2に示すように、本実施形態では、分取流路部55はチップ形状を有し、基板12及び高分子膜等からなるシート状の部材13を有する。基板12には、上述の流路2、分岐路2a、2b、投入部3としての液体投入部3a、粒子取出部6、7、及び、排出部10が設けられている。これらは、基板12の表面に溝などを形成し、その表面をシート状の部材13で覆うことで構成される。
粒子Cを含む液体が投入される粒子投入部3bは、シート状の部材13に形成された微細な投入孔3cを有する。この投入孔3cに、図3に示す粒子流出部20を用いて粒子Cを含む液体が流出される。流出された液体は、上流側から流れる液体と合流して流路2の下流に流れていく。本実施形態に係る粒子流出部20を用いることにより、粒子Cを整列した状態で安定して流路2へ流出することが可能となる。
投入孔3cを挟むように一対の測定電極4a及び4bが設けられている。一方の測定電極4aはシート状の部材13の表面に、他方の測定電極4bはシート状の部材13の裏面側に設けられている。
粒子取出部6及び7の上部は、シート状の部材13により覆われている。シート状の部材13にピペットを刺してそのピペットを介して粒子Cが取り出される。
測定電極部4は、電極パッド14に電気的に接続されている。電極パッド14は測定部60に接続されている。測定部60は、電極パッド14を介して交流電圧を測定電極部4に印加し、また、電極パッド14を介して、測定電極部4からの検出信号を受ける。
分取部5における分取電極部8は、電極パッド15に電気的に接続されている。解析部70は、電極パッド15を介して分取電極部8に駆動電圧を印加する。
貫通孔26は、固定用の孔である。
[粒子流出部(流路デバイス)の構成]
図3に示すように、粒子流出部20は、液体投入部3の投入孔3cの上方に配置される。粒子流出部20により、重力方向に沿って、粒子Cが投入孔3cに流出される。粒子流出部20は、任意の固定方法により、分取流路部55に固定される。分取流路部55と、粒子流出部20とが一体的に形成されてもよい。
粒子流出部20は、粒子C及び粒子Cを搬送する搬送流体(作動流体とも呼ばれる)を流出させる全体流出部21と、全体流出部21に連結され粒子C及び搬送流体を分取流路部55へ導く全体流路22とを有する。図3に示すように、全体流出部21及び全体流路22は、その長軸方向が重力方向に沿うように設定される。また全体流出部21及び全体流路22は、長軸方向に直交する方向(x−y平面方向)での断面が円形状である、略円柱状の外形を有する。
全体流出部21の上面23は最も径(直径)が大きい円形状となっている。これに対して全体流出部21と全体流路22との接続部分24の断面、言い換えると全体流路22の最も上部側の部分の断面は、上面22よりも径が小さい円形状となっている。全体流出部21のz方向での途中の部分25から、接続部分24にかけて径が徐々に小さくなるテーパ部26が構成されている。全体流出部21や、全体流路22の形状は限定されず、後述する粒子C及び搬送流体の流出に合わせて適宜設計されればよい。
全体流出部21は、搬送流体が流入される流入部27と、粒子Cを内部に保持し当該粒子Cを全体流路22の中央流路領域28(所定の流路領域)へ流出させる中央流出部29(第1の流出部)とを有する。また全体流出部21は、搬送流体を中央流路領域28を囲む周囲流路領域30へ流出させる周囲流出部(第2の流出部)31を有する。
図4は、全体流出部21を上方から見た模式的な平面図である。円形状の外形を有する上面22は、中央に形成された開口32と、開口32の周囲を囲む上面部33を有する。この上面部33の所定の位置に搬送流体が流入される搬送流体流入口34が流入部27として形成される。搬送流体流入口34へ搬送流体を適宜流入可能なように、流入部27のその他の構成が任意に設計されてよい。
図3に示すように、中央流出部29は、内部に空間部35を有する本体36(保持部)と、搬送流体流入口34から流入された搬送流体の一部を、本体36の空間部35へ送出する分流経路37とを有する。また中央流出部29は、空間部35へ粒子Cを供給するための粒子供給口38と、空間部35にて保持された粒子Cを中央流路領域28へ流出させる粒子流出口39とを有する。
本体36の上方に粒子供給口38が形成され、本実施形態では図1に示す開口32が、この粒子供給口38に相当する。粒子供給口38は、ゴム等からなる可動栓等の封止部材40により封止される。本体36の下方には、粒子流出口39が形成される。粒子供給口38と、粒子流出口39は、z方向で互いに対向する向きで、互いの中心軸Pが略等しくなるように形成される。また粒子供給口38の設計は、粒子流出口39の口径よりも大きく設計される。
粒子供給口38及び粒子流出口39の形状や大きさ、位置関係は上記したものに限定されない。その中で粒子流出口39の口径に関しては、例えば流出させる粒子Cの径に応じて設計される。例えば粒子Cの径の10倍の大きさよりも小さい口径にて、粒子流出口39が形成されてもよい。この場合、粒子Cを中央流路領域28へ高い精度で流出させることが可能となる。
本体36は、粒子供給口38と、粒子流出口39とを接続する本体部41を有する。本体部41は、粒子供給口38と略等しい径で下方に延在する側壁部42と、側壁部42から粒子流出口39に向けて径が小さくなるテーパ部43とを含み、漏斗状の形状を有する。なお本体36の形状は適宜設計されてよい。本実施形態のように、漏斗状の本体部41が形成されることで、粒子Cを滞りなく粒子流出口39に導くことが可能となる。また図3に示すように、粒子流出口39を、全体流路22の中央流路領域28の上方に、比較的近い位置に配置することで、粒子Cを高い精度で中央流路領域28へ流出させることが可能となる。
本実施形態では、テーパ部43の下端部から粒子流出口39にわたり同じ径のままz方向に延在する部分が形成されている。以後、この部分を中央流出路44と記載する。粒子Cは、中央流出路44を通り、粒子流出口39から中央流路領域28へ流出される。
分流経路37は、本体36の側壁部42に連結される。分流経路37の先端は流入口45となっており、流入口45と本体36とが分流経路37を介して連通することになる。当該流入口45は搬送流体流入口34と対抗するように上方に開口して形成される。従って搬送流体流入口34に搬送流体に流入されると、その一部が流入口45に流入され、分流経路37を介して本体36の空間部35に送出される。流入口45の形状や大きさ、分流経路37の径の大きさ等は限定されない。例えば分流経路37の流路抵抗や、流出口45から粒子流出口39までの流路抵抗、あるいは、中央流路領域28と周囲流路領域30との流量比を初期のものとするために、分流経路37の径等が適宜設計される。
周囲流出部31は、少なくとも粒子流出口39を囲む、周囲流出路46を有する。本実施形態では、本体36の全体を囲むように周囲流出路46が形成されている。すなわち図1に示す上面部33の下方側の全体が周囲流出路46となっている。周囲流出路46は、搬送流体流入口34に連結されている。従って搬送流体流入口34から流入された搬送流体の他の一部、すなわち本体36の流入口45に流入された分を除く搬送流体が、周囲流出路46に流入される。そして周囲流出路46を介して、その搬送流体の他の一部が、全体流路22の周囲流路領域30へ流出する。
周囲流出路46は、少なくとも粒子流出口39を囲むように形成されておればよく、本実施形態のように、本体36全体の周囲を囲むような構成に限定されるわけではない。また典型的には、粒子流出口39の全周にわたって周囲流出路46は形成されるが、粒子流出口39の周囲を間隔をあけて複数の周囲流出路が形成されてもよい。この場合、粒子流出口39の周囲に搬送流体を流出させる流出口が複数形成されることになる。
全体流路22は、全体流出部21との接続部分24の径を維持したまま、z方向の下方に向けて延在する側壁部47を有する。接続部分24は、中央流出部29からの粒子Cと、周囲流出路46からの搬送流体とが合流する部分である。以後この部分を合流部分24と記載する場合がある。全体流路22の長軸方向に沿う中心軸Pの近傍の領域が、粒子Cが流出される中央流路領域28となる。その中央流路領域28を囲む、側壁部47の近傍の領域が周囲流路領域30となる。図3に示すように、全体流路22の下方の流出口48において、中央流路領域28が投入孔3cの略中央に位置するように、粒子流出部20が分取流路部55に固定される。
[粒子流出部(流路デバイス)の動作]
まず粒子Cを含む試料が、可動栓が外された状態でピペット等により本体36内の空間部35に注入される。粒子Cを含む試料とは、典型的には、粒子Cと搬送流体とが混合された液体である。すなわち本体36の空間部35には、試料としての搬送流体が予め注入される。搬送流体とは異なる材料を用いて、粒子Cを含む試料が作成されてもよい。このように本体36は、いわゆる試料留めとして用いられる。
本体36に試料を注入する方法は限定されない。本実施形態のように、可動栓を外して、ピペット等により注入する場合は、空間部35と連結する2つの流路(粒子流出口39へと続く中央流出路44と、分流経路37となる細管)の圧力損失を十分に高めておくとよい。これにより、ピペットによる注入時に発生する圧力による流れは、大気側である上方側へと向かい、粒子流出口39等からの漏出を抑制することができる。本体36への試料の注入が完了すると、可動栓により粒子供給口38が封止される。
次に、上面部33に形成された搬送流体流入口34から搬送流体が流入される。流入された搬送流体の大部分は、周囲流出路46を通り同軸流外周流となって、全体流路22の周囲流路領域30へ流出される。一方、中央流出部29の流入口45に流入した搬送流体は、本体36の空間部35へ流通する。その圧力により、本体36の空間部35に保持されていた粒子Cが、粒子流出口39を介して中央流路領域28へ流出する。この際、本体36に流入した搬送流体及び予め注入されていた搬送流体と粒子Cとを含む流れが、同軸流内周流となり中央流路領域28へ流れ出す。この結果粒子Cを、中央流路領域28において整列した状態で安定して流通させることが可能となる。
中央流路領域28への流れ(以後中央流と記載する)の流量と、周囲流路領域30への流れ(以後周囲流と記載する)の流量との流量比は、それぞれの経路の流路抵抗の逆比で定まる。ここで全体流路22の直径を代表長さLとし、全体流路のx−y平面方向での断面に対する平均流速を代表速度uとする。また全体流路22を流れる混合流体(中央流及び周囲流)の流体動粘性をνとすると、レイノルズ数Reは以下の式(4)にて表される。
本実施形態では、中央流出部29及び周囲流出部31により、粒子Cと搬送流体とが、レイノルズ数Reが1以下の層流として流出される。このようにレイノルズ数Reが十分に小さい層流域である場合には、中央流の周囲流に対する流量比を十分小さくすれば、全体流路22内において中央流を中央流路領域28に安定させることができる。一般的に粒子Cの径が十分に小さければその慣性は小さい。従って流体粘性により、速やかに周囲流の速度ベクトルと粒子Cの速度ベクトルは同一化する(緩和時間が小さい)。この結果、粒子Cは中央流に従い、中央流路領域28を整列して流れることになる。本実施形態では、中央流と周囲流との流量比が概ね1:9となるように設計されており、粒子Cが中央流路領域28を安定して流通することが可能となっている。
流量比の数値は限定されず、適正な流通が可能な範囲で適宜設定されてよい。例えば中央流と周囲流との流量比が、1:2(1/2)から1:100(1/100)までの範囲に含められるように、粒子C及び搬送流体とがそれぞれ流出されてもよい。中央流と周囲流との流量比が1:2よりも小さい、すなわち周囲流が中央流の2倍よりも小さいと、中央流が合流直後から拡大し粒子Cが流路幅の略半分を占めてしまい、粒子Cの位置を制御することが難しくなってしまう。中央流に対する周囲流の流量比が大きくなると中央流の直進性がよくなる。しかしながらその流量比が1:100よりも大きい、すなわち周囲流が中央流の100倍よりも大きいと、全体流に占める粒子Cの密度が減少し、計測や分取の時間効率が低下してしまう。また全体流量が大きくなりすぎて、計測部等の通過速度条件を満足させることが困難になる。なお全体流量が固定されている状態で、流量比を1:100よりも大きくする場合には、中央流が非常に小さくなり、安定送液ができなくなる。
このような点を考慮して、上記の範囲内において、流量比の設定範囲を適宜選択してもよい。例えば流量比が1:10から1:70の範囲に含まれるような設定や、流量比が1:30から1:50の範囲に含まれるような設定等、適宜流量比の設定範囲が選択されてよい。
図5は、図3に示す粒子流出部20の、より具体的な構成例を示す図である。図5では、主に図1に示す全体流出部21に相当する部分の構成例が図示されている。また図5では、中央流出路44から流出される中央流の流束と、周囲流出路46から流出される周囲流の流束が数値計算をもとに示されている。中央流の流束は実線で示されており、周囲流の流束は破線で示されている。本願出願人は、実際には互いの流束を色で分けたカラー図面として、図5の流線図(及び図6の流線図)を開示することができる状態にある。
図5に示す粒子流出部20では、図中左側のx方向(水平方向)に突出している部分が搬送流体Fが流入される流入部27となる。流入部27の先端には、搬送流体流入口34が形成さており、ここから搬送流体Fが流入される。流入部27の内部を進むと、分岐部49に到達する。この分岐部49により、流入部27から流入された搬送流体Fが分流される。搬送流体Fの一部は、x方向をそのまま直進し、中央流出部29の流入口45を介して、本体36内の空間部35に流入する。空間部35へ流入された搬送流体Fは、漏斗状の本体部41の内面に沿って流通する。そして本体36の下方に設けられた中央流出路44を通り、空間部35に保持された図示しない粒子とともに、粒子流出口39から中央流F1として流出される。
流入部27の分岐部49により、搬送流体Fの他の一部はz方向に分流される。そして周囲流出部31の周囲流出路46に流し込まれる。そして搬送流体Fは、周囲流出路46の内面に沿って進み、中央流F1を囲む周囲流F2として流出される。
図5に示す構成例では、周囲流F2に対する中央流F1の流動抵抗(分岐部49から合流部24間の流路抵抗)が10倍となるように設計されている。流線図に示すように、流入部27から分岐した中央流F1が、同じく流入部27から分岐した周囲流F2によって包囲され、安定して下流へと流出している様子が分かる。
図6は、図5に示す粒子流出部20を、粒子Cを流通させる主流路(マイクロ流路)50と合わせた実デバイス形状に拡張し、流体数値解析した例を示す図である。ここで示す主流路50は、中央流F1と直交している矩形断念流路であり、図1に示す流路2に相当する。すなわち図5は、重力方向で流出した中央流F1及び周囲流F2が、水平方向に延在する主流路50へどのように搬送されるかを解析した図である。
この例では、中央流F1の流路抵抗が周囲流F2の20倍となるように設計されている。また粒子流出部20と主流路50との間には、周囲流F2が流出される流出口51の径よりも大きい径を有する接続部52が形成されている。そして接続部52の底面と略等しい位置にて、接続部52の側面から延びるように主流路50が形成されている。このような構成にて流体数値解析した結果、中央流F1は周囲流F2に包含された状態で、矩形断面をもつ主流路50へと相似形を保って流入していることが分かる。
この数値解析を実験的に確認した結果を説明する。図6と同じ構造を有する粒子流出部において、粒子流出口39の径t1を10μmとし、周囲流出路46の径t2を100μmとする。そしてこれに接続される主流路50の幅t3(y方向の大きさ)を250μmとし、高さt4(z方向の大きさ)を50μmとする。実験においては、多数の10μmポリスチレン粒子を水中に懸濁した試料を本体35内に注入する。その上で、流入部27をから搬送流体Fを毎分1μLの体積流量にて流した。
本技術に係る整流構造を備えた粒子流出部20を用いた場合には、主流路50中での幅方向での粒子分布幅の標準偏差は4μmであった。一方、粒子流出部20を用いることなく、主流路50に粒子を含む試料を同じ流量で流出させた場合には、粒子はほぼ幅方向全体にわたって流れた。このことからも、本技術を用いることで、粒子を整列した状態で安定して流通させることが可能であることがわかる。
このように本技術に係る流路デバイスとしての粒子流出部20では、搬送流体流入口34から流入された搬送流体Fの一部が、中央流出部29の流入口45から本体36内に流入される。そして本体36内の粒子Cが粒子流出口39から中央流路領域28へ流出される。粒子流出口39の周囲には、周囲流出部31の周囲流出路46が配置されている。この周囲流出路46を介して、搬送流体流入口39から流入された搬送流体Fの他の一部が、中央流路領域28を囲む周囲流路領域30へ流出される。これにより粒子Cを中央流路領域28にて安定して流出することが可能となる。この結果、後述する粒子Cの分取工程において、高い精度で粒子を分取することが可能となる。
例えば粒子Cを流通させる中央流F1と、粒子の整流性を促すための周囲流F2とを、互いに独立して制御しながら流入させることも考えられる。すなわちシース流と呼ばれる流れを周囲流F2として流通させる方法である。しかしながら、本実施形態のような毎分1μL程度の微小流量域においては、中央流F1と周囲流F2との流量比を一定に保つための自動制御機構を構成すること、あるいはそのための流量計測自体が難しく、精密な制御が困難であった。
本実施形態では、搬送流体注入口34から流入された搬送流体Fが分流され、中央流出部29及び周囲流出部31にそれぞれ流入される。これにより上記したように、一定の流量比にて、中央流F1と周囲流F2とが流出されている。すなわち搬送流体注入口34から流入された搬送流体Fのみでパッシブに流量比を一定に保つことが可能となる。従って、特別な流量自動制御法無しに安定に粒子Cを整列させて流路50内を流すことができる。粒子Cを整列させることにより、主流路50内、あるいは主流路50後段における粒子Cの光学的手法・電気的手法等の解析精度を向上させることができる。また、主流路50内、あるいは主流路50後段においてなんらかの駆動力を用い、粒子Cの選別採取を行う場合に、その性能も向上させることができる。
また本技術に係る粒子流出部20を用いない場合、粒子解析装置等の試料導入機構において、試料導入配管内に粒子が留まってしまうこと、あるいは粒子懸濁液が一度でも配管に触れてしまうこと等により、別試料由来物の混入の可能性が排除できなかった。これに対し、本実施形態では、粒子Cが整列した状態で安定して流通させることができ、また試料懸濁液も中央流路領域28にて安定して流通させることができるので、上記の問題を防止することが可能である。
図7は、図2に示した分取部5の概略構成を示す斜視図である。図8は、この分取部5を示す平面図である。図9は、図8におけるA−A線断面図である。
分取電極部8は、第1の面積を持つ共通電極81と、第1の面積と異なる第2の面積をそれぞれ持つガイド電極83及び84とを備える。本実施形態では、第2の面積は第1の面積より小さく形成されている。以降では、一対のガイド電極83及び84を指す名称として、「ガイド電極構造体82」を用いる。
共通電極81は、例えばシート状の部材13の裏面側に設けられ、ガイド電極構造体82は、流路2内の底面2dに設けられている。共通電極81及びガイド電極構造体82の上流側端部は、粒子投入部3bより下流側に配置され、その下流側端部は、分岐路2a及び2bより上流側に配置されている。
共通電極81は、例えばシート状の部材13の表面側に設けられていてもよい。
共通電極81はグランド電極として機能する。共通電極81は、例えば流路2のy方向の幅と実質的に同じy方向の幅を有し、また、例えば図8に示すようにガイド電極構造体82を覆う程度のx方向の長さを有している。共通電極81は、典型的には平面状で矩形状を有している。共通電極81のx方向の長さは、ガイド電極構造体82のx方向の長さより所定の距離分、長くてもよいし、短くてもよい。
ガイド電極は複数、例えば2本設けられている。各ガイド電極83及び84は、液体が流れる方向に細長形状(帯状あるいはレール状)を有する。その1つのガイド電極83または84のy方向の幅は、共通電極81のそれより小さく形成されている。ガイド電極構造体82は、液体の主流方向であるx方向に沿って設けられた直線部82aと、その直線部82aから分岐路2aに向かって方向を変えるように、つまり折れるように設けられた方向変換部82bとを含む。折れ角度α(図8参照)については後述する。直線部82aは、方向変換部82bへ到達するまでの粒子の助走区間として機能する。
図8に示すように、直線部82aは、流路2のうちy方向において分岐路2b側に寄って配置されている。さらに詳細に述べると、直線部82aにおいて、流路2内のy方向における内側のガイド電極83と外側のガイド電極84との間の領域が分岐基準線Jより分岐路2b側に配置されている。分岐基準線Jは、分岐路2a及び2bの分岐点のy方向の位置を示している。この分岐基準線Jは、実質的には、流路2内におけるy方向での中央位置となる。
これら共通電極81及びガイド電極構造体82には、解析部70により操作される交流電源75によって、例えば交流電圧が印加される。共通電極81は、上述したようにグランドに接続され、実質的に0Vに維持される。2本のガイド電極83及び84は、実質的に同電位で駆動されるアクティブ電極として機能する。これらの電極には、例えば振幅1V〜30Vの駆動電圧が印加される。この交流の駆動電圧の周波数は、1kHz〜100MHzである。
図8に示すように、粒子投入部3bに設けられた投入孔3cは、分岐基準線Jよりy方向において分岐路2b側に設けられている。これにより、投入孔3cから投入された粒子Cは、分岐基準線Jよりy方向において分岐路2b側を通り、ガイド電極構造体82上を通ることができる。
[分取流路部による分取動作]
典型的には、粒子投入部3bを介して投入される1つ1つの粒子C同士の間隔は、少なくとも、分取電極部8のx方向の長さ分の距離と同等、あるいは、それより長い距離に設定される。その趣旨は、典型的には、分取部5は粒子Cごとにガイド電場を印加及びその停止のいずれか一方を行って、粒子Cごとに分取を行うからである。液体の流速(粒子Cの移動速度)は適宜設定可能であり、例えば数mm/s程度に設定される。この速度は、図示しないポンプによりコントロールされ得る。
分取電極部8に駆動電圧が印加されない場合、ガイド電場は形成されない。この場合、ガイド電極構造体82上の非ターゲット粒子は、図10に示すように、y方向の位置をほぼそのまま維持しながら、分取電極部8を通過し、液体の流れと一体的に分岐路2bに流入する(粒子C2を参照)。
分取電極部8に駆動電圧が印加される場合、ガイド電極構造体82上のターゲット粒子は、ガイド電場により、y方向に向かう誘電泳動力が与えられる。後述するように、ガイド電場は、ターゲット粒子が2本のガイド電極83及び84の間に位置するような誘電泳動力をターゲット粒子に与える。これにより、ターゲット粒子は、ガイド電極83及び84の間を配置されるように液体とともに移動する。その結果、ターゲット粒子C1は分岐路2aに流入する。
ガイド電極83に駆動電圧が加えられるタイミングは、ターゲット粒子が分取電極部8に流入する前である。この駆動電圧の印加タイミングは、投入孔3cから分取電極部8までの距離、及び、液体の流速等によって予め設定される。
本実施形態では、整流構造を有する粒子流出部20により、投入孔3cへ粒子Cが整列した状態で投入される。従って粒子Cを流路2内の適正な位置にて安定して流通させることが可能となる。これによりガイド電場を印加することでターゲット粒子C1の誘電泳動力を適正に発生させることが可能となる。この結果、高い精度で各粒子Cを分取することが可能となる。
[ガイド電場による誘電泳動力]
A.発生原理
誘電泳動力は、電場の強い領域から弱い領域へ向かう方向に形成されるという性質がある。この強弱の勾配が急であるほど誘電泳動力も大きくなる。本技術は、あえて電場強度の弱い領域を、ガイド電極83及び84間に形成する。これにより、例えばガイド電極83(及び84)エッジから、ガイド電極83及び84間の中心までの領域に急峻な電場の強度差を発生させる。ガイド電場がこのような状態をとることにより、ターゲット粒子C1はこのガイド電極83の間の領域に位置決めされる。
B.分取電極部の実施例
図11は、分取電極部の各部のサイズを示す一例である。図12〜14は、図11で示された分取電極部が発生するガイド電場を説明するための、電場強度分布のシミュレーション結果を示す。これらの図では、電場強度分布を把握しやすいように、破線で補助線が引かれている。本願出願人は、実際にはカラー図面として図12〜14を開示することができる状態にある。
図11に示すように、直方体形状の流路2Aがある。この流路2Aのサイズとして、主流方向(x方向)の長さがLch(=100μm)、幅がWch(=100μm)、高さがHch(=50μm)に設定される。共通電極81の主流方向の長さはLch、幅はWchに設定される。各ガイド電極83の主流方向の長さはLch、幅はWel(=10μm)に設定される。また、ガイド電極構造体82の間の領域の幅はWgap(=30μm)と設定される。ここでの電場Eの単位は[kV/m]である。
図12Aは、高さ方向z=10μmの位置におけるx−y平面での電場強度分布を示す。図12Bは、主流方向x=50μmの位置におけるy−z平面での電場強度分布を示す。各ガイド電極(83及び84)は、y方向における0〜100μmの範囲のうち、25〜35μmの範囲及び65〜75μmの範囲にそれぞれ配置されている。
図13Aは、x=50μmの位置におけるy−z平面でのy方向に働く誘電泳動力FDEPyのうち、図中右方向のみに発生する誘電泳動力の強度分布を示す。図13Bは、同じくx=50μmの位置におけるy−z平面での誘電泳動力FDEPyのうち、図中左方向のみに発生する誘電泳動力を示す。また、図14Aは、x=50μmの位置におけるy−z平面でのz方向に働く誘電泳動力FDEPzのうち、図中上方向のみに発生する誘電泳動力の強度分布を示す。図14Bは、x=50μmの位置におけるy−z平面での誘電泳動力FDEPzのうち、図中下方向のみに発生する誘電泳動力の強度分布を示す。
図13A及びBは、互いに反転した分布となっており、また、図14A及びBも、互いに反転した分布となっている。例えば、図13Aで白い領域は、左方向に働く誘電泳動力が分布していることを示し、図13Bで白い領域は、右方向に働く誘電泳動力が分布していることを示す。図14A及びBもそれと同様の趣旨である。
誘電泳動力は、上記式(1)に基づき算出され得る。ここでの誘電泳動力の単位は[nN]である。
これらの図のうち、例えば図12Bから分かるように、各ガイド電極83のエッジ付近で最も強い電場が発生し、ガイド電極(83及び84)間で最も弱い電場が発生する。また、y方向における0μm付近及び100μm付近も弱い電場が存在する。図14A及びBを参照すると、ガイド電極(83及び84)間の中心に対して約15μm、z方向に約30μmの範囲で、誘電泳動力の強度勾配が発生しているのが分かる。
これらのことから、形成されたガイド電場によって、z方向の強度勾配よりも急峻なy方向の強度勾配によって、ガイド電極83及び84間の中心へ向かう方向に引き込まれる誘電泳動力を与えられる。
ガイド電極構造体82の方向変換部82bにおける粒子のy方向の移動性能は、主に、方向変換部82bの折れ角度α及び主流方向での液体の速度で決定される。z方向下向きの誘電泳動力の働く領域境界(FDEPz =0で表される曲面)におけるy方向に働く誘電泳動力の大きさによって、その移動性能が定まる。
図15は、高さzの位置においてz方向の誘電泳動力の正負が切り替わる境界におけるy方向に働く誘電泳動力FDEPy(ここではガイド電極83及び84の間の中心へ向かう左右両方の誘電泳動力を含む)の大きさを示す。図15から、FDEPyは、z方向で大きく変化し、高さ位置が低いほど強いことが分かる。つまり、粒子運動の高さ方向の平衡位置に依存して、得られる性能(つまり内側へ向かうFDEPy)が大きく変化する。高さ方向の平衡位置は、粒子の大きさ、あるいは、流路の壁面近傍での液体から粒子に働く力に大きく影響される。
本実施形態では、中央流路領域にて粒子を整列させて投入孔に流出させることができる。従って、流路の高さ方向に対してもばらつきなく整列した状態で、粒子を流通させることができる。この結果、各粒子に作用する誘電泳動力FDEPyも安定させることが可能となる。
図16は、各粒子がy方向でそれぞれ異なる位置からガイド電極構造体82が配置される領域に流入する場合の、各粒子の軌道のシミュレーション結果を示す。上図はy方向で見た図であり、下図は、z方向で見た図である。
図16の下図に示すように、ガイド電極83間の領域に流入した粒子のうち、一点鎖線で示す軌跡を持つ粒子(yp,0=34μm)以外は、ガイド電極83及び84に沿った経路を移動するような結果が得られた。ガイド電極83及び84間のy方向中心に近い領域を通る粒子ほど、z上方向への誘電泳動力の影響を受けにくく、内側へのFDEPy及びz下方向の誘電泳動力により、ガイド電極構造体82に沿った経路を安定して移動する。ガイド電極83及び84間の中心からy方向で離れた領域を通る粒子ほど、z上方向の誘電泳動力を受けやすくなるが、内側へのFDEPyにより中心へ引き寄せられる力により、ガイド電極構造体82に沿った経路を移動する。
一点鎖線で示す軌跡を持つ粒子は、x=50μm付近においてz方向の高さが比較的高い状態となり、FDEPyが小さくなるため(図15参照)、そのままx方向に直進する。また、ガイド電極84上の領域に流入した粒子(実線の軌跡を持つ粒子(yp,0=30μm))も、それと同様の結果となった。本技術に係る流路デバイス(粒子流出部)を用いることで、このような軌跡で流通してしまう粒子が発生することを防ぐことができ、高い精度での粒子分取を実現することができる。
以上のように、本実施形態に係る分取流路部55によれば、共通電極81の面積とガイド電極83(及び84)の面積とが異なるため、分取電極部8は、流路2内に不均一な電束密度を持つガイド電場を形成することができる。また、このガイド電場は予め定められた分岐路2aへターゲット粒子C1を導くように形成されるので、分取流路部55は、適切に粒子を分取することができる。
また、ガイド電極83及び84の形状が細長形状であるため、共通電極81の幅が各ガイド電極83及び84の幅に比べ大きいほど、分取流路部55の製造において、共通電極81の配置に対するガイド電極83の配置の自由度が高くなる。換言すると、共通電極81に対するガイド電極83及び84の精密なアライメントが不要になる。また、これにより、分取流路部55の生産性が向上し、その分コストも抑えることができる。
本実施形態では、2本の細長形状のガイド電極83及び84が設けられることにより、ガイド電場を形成しやすい。また、これにより分岐路2aに粒子を導きやすくなり、分取精度を高めることができる。
なお、分取流路部55の構成は限定されず、種々の構成が採用されてもよい。本技術に係る流路デバイスを用いることで、流路内に整列した状態で粒子を流通させることができるので、高い精度で粒子を分取することが可能となる。
[分取流路部の他の構成例]
図17は、分取流路部55の他の構成例を示す概略斜視図である。図18は、その概略平面図である。これ以降の説明では、上記の構成例に係る部材や機能等について同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
本構成例に係るガイド電極構造体182は、その上流側端部に設けられた入口部182cを有する。ここでは、直線部182aと方向変換部182bを主部とする。入口部182cは、入口部182cにおける各ガイド電極183及び184間の距離は、主部のそれより大きく形成されている。本実施形態では、入口部182cにおけるガイド電極183及び184間の距離が上流側に向かうにしたがい大きく形成されている。さらに詳細には、2本のガイド電極183及び184の両方が、上流側に向かうにしたがい、その方向を主流方向から変えるように折れている。
共通電極は、図示しないが、上記の構成例に係る共通電極81と同様の形状等を有する。
このようなガイド電極構造体182の入口部182cの形状によって、粒子Cは、ガイド電極構造体82の主部において、それらガイド電極183及び184間の領域に引き込まれやすくなる。従って、本技術に係る流路デバイスによる粒子の流出位置に関して、すなわち粒子が流れる中央流路領域を投入口3cのどこに合わせるかに関して、許容範囲を広くとることができる。また、投入孔3cのy方向の配置の自由度も高まる。
図19は、図17及び18に示す分取流路部による各粒子の軌道のシミュレーション結果を示す。このシミュレーションの趣旨は、図16で説明したものと同様である。図19に示すシミュレーションでは、y方向において図16の場合と同じばらつきを有する各粒子のすべてが、ガイド電極183及び184間の領域に引き込まれる結果となった。
なお、図20A及びBに、上記の2つの構成例に係る、ガイド電極構造体82及び182の助走区間の設計例を示した。これらの図の各値は、図11の下の表に示した値をとってもよい。
ガイド電場によって、効率良く粒子を誘導するためには、例えば粒子サイズ、液体材料に応じた流路幅、高さ、または粒子の速度が考慮された上で、入口部の形状、折れ角度及びサイズ等が設計され得る。
一例として、図18示すように、入口部182cの上流側端部の幅t1は、次のように設計される。幅t1は、流路2の対向する内側面2f及び2gのうち、y方向で分岐路2b側に設けられた内側面2gから、そのy方向において、分岐路2a及び分岐路2bの分岐位置までの距離(すなわち分岐基準線Jまでの距離)より大きく設定される。
あるいは、図18に示すように、一対のガイド電極183及び184のうちy方向において分岐路2a側にあるガイド電極183の入口部(182c)の少なくとも一部が、分岐路2a及び2bの分岐位置よりy方向において分岐路2a側に配置されるように、ガイド電極構造体182が設計される。
あるいは、y方向における粒子の存在位置のばらつきが考慮されて、入口部182cのガイド電極183及び184間の距離が設計されてもよい。例えば、そのy方向のばらつきが正規分布で表される場合に、その標準偏差σである場合、入口部182cの上流側端部の幅t1がそのσの存在幅より大きい存在幅(1σを超える存在幅)に設定されてもよい。
本実施形態では、粒子流出部により粒子を整列させた状態で流通可能であるので、上記したようなガイド電極構造体の設計に費やされる負担を軽減させることができる。すなわち、粒子のy方向のばらつきが少ないので(標準偏差σが小さい値となるので)、ガイド電極183及び184間の距離を厳密に設計しなくても、粒子を効率良く誘導可能となる。
図21−図23は、本技術に係る流路デバイス20(粒子流出部20)の有効性を説明するための図である。図21は、流路デバイス20により流出された粒子Cを分取するための分取流路部255の他の構成例を示す図である。この分取流路部255は、分取流路部255の厚さ方向(z方向)に2段に設けられた流路210を備える。図21中、上側に設けられた第1の流路211は、第1の入口211aを有する。この第1の入口211aの上方に本技術に係る流路デバイス20が配置され、第1の入口211aに向けて、粒子Cを含む中央流とそれを囲む周囲流が流出される。粒子Cは、第1の流路211の所定の流路領域(典型的には中央流路領域)を整列した状態で流通する。
下側に設けられた第1の流路212は、第2の入口212aを有する。図示しないポンプ等により、粒子Cを含まない搬送流体が、第2の入口212aを介して第2の流路212に流出される。図21に示すように、第1の流路211と第2の流路212とは、所定の位置に形成された狭窄路213により連通している。狭窄路213は、単一の粒子が通ることができる程度の流路サイズを有し、第1の流路211を整列して流れる粒子Cは、狭窄路213を介して第2の流路212に流入する。
図21に示す分取流路部255では、狭窄路213を含む領域が測定部260となる。測定部260は、狭窄路213を挟むように設けられた測定電極214a及び214bを有する。測定電極214a及び214bは、図2に示す測定電極4a及び4bに相当する電極であり、第1の流路211の下部側と第2の流路212の上部側とにそれぞれ設けられる。測定電極214a及び214bに交流電圧が印加され、狭窄路213を粒子が通過するときの電気的特性が測定される。
第2の流路212の下流側には、ガード部290と、分取部205とが順に設けられる。ガード部290は、第2の流路212の上部側及び下部側に対向して配置されたガード電極291a及び291bを有する。ガード電極291a及び291bは、電極対を構成し、ともにグラント接続される。ガード部290は、測定部260と分取部205との間に配置され、これらの間の電気的なガード機能を発揮する。例えば、ガード部290により、分取部205に加えられる電圧信号に起因する測定部260へのノイズの混入を抑制することができる。
分取部205は、ガイド電場を形成する分取電極部208を有する。図21に示すように、第2の流路212の上部側には共通電極281が配置され、それに対向するように第2の流路212の下部側にはガイド電極283が配置される。分取電極部208により適宜ガイド電場が形成され、ターゲット粒子には誘電泳動力が与えられる。これによりターゲット粒子とその他の粒子が分取され、各粒子Cは所定の粒子取得部250に流される。
図22は、第1の流路211の流路幅方向において、異なる位置から狭窄路213に流入する各粒子の軌道のシミュレーション結果を示す。例えば流路幅方向(y方向)において、狭窄路213の中心を通る基準線Oから非常に離れた位置を進行する粒子Cは、狭窄路213に流入せず通過してしまう。そうすると粒子Cの分取ができなくなってしまう。また狭窄路213に流入する粒子Cであっても、流路幅方向での位置にばらつきがあると、各粒子Cが狭窄路213を通過する狭窄路通過位置にばらつきが発生してしまう。
図22に示すシミュレーションでは、基準線Oを進む粒子は、そのまま狭窄路213に流入し、狭窄路213を通過して第2の流路212に流入する。従ってこの場合では、基準線Oに沿って(基準線Oに対して0°の角度で)粒子Cが狭窄路213に流入する。基準線Oから流路幅方向で25μm離れた位置を進む粒子Cは、基準線Oに対して約30°の角度で狭窄路213へ流入する。35μm離れた位置を進む粒子Cは基準線Oに対して約45°の角度で流入し、50μm離れた位置を進む粒子Cは約90°の角度で流入する。このように狭窄路213に流入する角度が異なれば、各粒子Cが狭窄路213を通過する位置も異なってくる。従って流路幅方向における流路位置のばらつきにより、狭窄路通過位置のばらつきが発生してしまうのである。狭窄路通過位置にばらつきが発生してしまうと、測定部260による測定及び測定した信号の解析の精度が低下してしまう。その結果ターゲット粒子の判別精度も低下してしまう。
また上記でも説明したが、狭窄路通過位置のばらつきにともなって、第2流路212内おける流路幅方向及び高さ方向において、粒子の位置にばらつきが発生してしまうと、ガイド電場による誘電泳動力の発生を適切に行うことが難しくなる。
図23は、分取流路部255における、第2の流路212の高さ方向における速度分布と細胞の軌跡の模式図である。図23に示すように、第2の流路212の高さ方向において、粒子Cが流通する速度が異なってくる。第2の流路212の高さ方向における中央部分では速度が大きくなり、上方側及び下方側にいくにつれて速度は小さくなる。各粒子の狭窄路通過位置のばらつきにより、第2の流路212を流れる粒子Cの高さ位置がばらつき、これにより粒子Cの流通速度にもばらつきが発生してしまう。第2の流路212を進む各粒子Cの速度にばらつきが発生すると、分取部205による分取タイミング(ガイド電場の発生タイミング)を調整することが困難となり、分取精度が低下してしまう。
このように、第1の流路211に流出される粒子Cに流路幅方向でばらつきがあると、分取精度を低下させてしまう種々の要因が発生してしまう。従って本技術に係る流路デバイス20を用いて、整列した状態で粒子Cを第1の流路211に流出させることは非常に有効である。上記シミュレーションを実験的に確認した結果、流路デバイス20を用いることで、第1の流路211における流路幅方向の位置ばらつきが低減した。また狭窄路213を通過する通過高さが一定化し、これにより第2の流路212における粒子速度が安定した。この結果、高い精度で粒子の分取を実行することが可能となった。
<その他の実施形態>
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、以下のように他の種々の実施形態を実現することができる。
例えば図24は、中央流出部329の粒子供給口338を封止するための封止部材340の他の構成例を示す模式図である。例えば図24に示すような、試料注入工程においてピペットの挿入動作(矢印A)により開閉するエストラマ等からなるバルブ等が、封止部材340として用いられてもよい。ピペットが挿入孔341に挿入されると、その圧力により開閉部342が開かれてピペットが内部に挿入される。この状態でピペットを介して中央流出部329内の空間部335に試料が供給される。供給後ピペットが抜去され、それに応じて開閉部342が閉じられ、粒子供給口338が封止される。封止部材340の内部側から圧力が加えられても(矢印B)、開閉部342は開閉されず、粒子供給口338は適正に封止される。このような、いわゆるチェック弁(逆止弁)のような構造を有するものが用いられてもよい。また、空間部335の圧力を調整する機能を有する部材が、封止部材340として用いられてもよい。
また粒子供給口338が封止されず、大気に開放された状態で、中央流及び周囲流の流出が行われてもよい。例えば、適切な容器形状設計と圧力損失設計により、動作時間内には試料がデバイスの外側へ(大気側へ)漏出しない構成を実現することも可能である。例えば合流部や主流路の下流側に陰圧を与えて動作させることにより、そのような構成を実現することができる。この結果、保持部の構成を簡略化することも可能となる。
上記したような封止部材の構成の設計、あるいは供給口は開放した状態での容器形状等の設計等を適宜実行することにより、搬送流体流入口からの搬送流体を分流させることなく、マイクロ流路における中央流及び周囲流の流出が可能であるのならば、上記で説明した効果と同様の効果を発揮することができる。そのように構成された流路デバイスも、概念的には本技術に係る流路デバイスと同じ技術思想を有するものとみなすこともできる。すなわち毎分1μL程度の微小流量域において、中央流と周囲流との流量比を一定に保つための技術として、これらの技術は包含されると考えることもできる。そしてそのような流路デバイス(例えば搬送流体を分流させることで流量比を一定にする流路デバイスや、他の構成により流量比を一定にする流路デバイス等)が互いに取り換え可能なデバイスとして適宜用いられてもよい。
図25は、粒子流出口(439、539、639)までの中央流出路の他の構成例を示す模式図である。図25Aに示すように、側壁部442から粒子流出口439に向けて径が小さくなるテーパ部443において、内面451と外面452との傾斜角度が互いに異なっていてもよい。空間部435での搬送流体の流れと、周囲流出路446での搬送流体の流れとに合わせて、内面451及び外面452の傾斜角度がそれぞれ個別に設計されてよい。
図25Bでは、テーパ部543がそのまま中央流出路として構成されている。すなわちテーパ部543の最下端部に粒子流出口539が形成されている。これにより中央流出部の構成を簡略化することが可能となる。この場合、図25Cに示すように、粒子流出口639に向かうにつれて、テーパ部643の厚みが徐々に小さくなるように設計されてもよい。
図3及び4に示すように、上記では、粒子流出口39を中心に同心円状に、周囲流出路46が形成された。これにより、粒子Cを中央流路領域28にて整列した状態で、安定して流出させることができる。しかしながら、例えば周囲流出路46が、同心円状に形成されていなくてもよい。すなわち環状の周囲流出路46に対して偏心した位置に、粒子流出口39が配置されてもよい。これにより、粒子Cを流出させたい位置を適宜設定することが可能となる。なお上記では、粒子Cを流出させたい所定の領域を中央流路領域28として説明した。しかしながらこの所定の領域が流路の中央に設定されることに限定されるわけではない。粒子Cを流出させたい位置に、粒子流出口39の位置が適宜合わせられればよい。
本技術に係る流路デバイスの粒子を流出させる方向は、重力方向に限定されない。例えば水平方向に沿って流路デバイスが配置され、水平方向に沿って粒子が流出されてもよい。その他粒子を流出させる角度は任意に設定されてよい。また流出先の流路の延在方向も限定されない。上記したような水平方向に延びる主流路に対して粒子を流出させるために、本技術に係る流路デバイスが用いられるといった限定は全くない。また流路デバイスと分取装置等の流出先までの経路の方向や構成も限定されず適宜設計されてよい(例えば図6に示す接続部52)。
上記では、粒子分取装置に粒子を流出させるために、本技術に係る流路デバイスが用いられた。しかしながらそれに限定されず、粒子を分析するための装置やその他の装置に、本技術に係る流路デバイスが用いられてもよい。すなわち粒子を流出させる用途や粒子の種類等は限定されない。
上記の構成例に係るガイド電極構造体として2本のガイド電極を例に挙げた。しかし、3本以上のガイド電極が設けられていてもよい。
また分取電極部に印加される駆動電圧は交流とされたが、直流であっても構わない。
上記した流路や分岐路等は、直線状であったが、カーブしていてもよい。流路の断面形状は矩形であったが、円、楕円、4角形以外の多角形、またはこれらの組み合わせの形状であってもよい。
共通電極の形状は矩形状であったが、円、長円、楕円、多角形等、何でもよい。また、共通電極の形状は、流路2の形状によっても異なる形状をとり得る。
上記測定部は、粒子に依存するインピーダンスを測定したが、粒子に依存する蛍光強度または散乱光強度を測定してもよい。解析部は、測定されたそれらの値に基づき、分取信号を発生する。
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。
本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)粒子を搬送する搬送流体が流入される流入部と、
前記流入部から流入された前記搬送流体の一部が流入される流入口と、前記流入口に連結された前記粒子を保持する保持部と、前記流入口から流入された前記搬送流体により前記保持部内の前記粒子を所定の流路領域へ流出させる粒子流出口とを有する第1の流出部と、
少なくとも前記粒子流出口を囲む周囲流出路を有し、前記周囲流出路を介して、前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部を、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出させる第2の流出部と
を具備する流路デバイス。
(2)(1)に記載の流路デバイスであって、
前記第1及び前記第2の流出部は、レイノルズ数が1以下の層流として、前記粒子と前記搬送流体とをそれぞれ流出させる
流路デバイス。
(3)(1)又は(2)に記載の流路デバイスであって、
前記第1及び前記第2の流出部は、前記所定の流路領域の流量と、前記周囲流路領域の流量との比が、1:2から1:100までの範囲に含められるように、前記粒子及び前記搬送流体とをそれぞれ流出させる
流路デバイス。
(4)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の流路デバイスであって、
前記周囲流出路は、前記粒子流出口を中心に同心円状に配置される
流路デバイス。
(5)(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の流路デバイスであって、
前記保持部は、
前記粒子を供給するための前記粒子流出口の口径よりも大きい口径を有する供給口と、
前記供給口と前記粒子流出口とを接続し前記供給口から前記粒子流出口に向けて径が小さくなるテーパ部を含む漏斗状の本体部と
を有する
流路デバイス。
(6)(5)に記載の流路デバイスであって、
前記供給口は、封止部材により封止される
流路デバイス。
(7)(5)に記載の流路デバイスであって、
前記供給口は、大気に開放された状態である
流路デバイス。
(8)(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の流路デバイスであって、
前記粒子流出口の口径は、前記粒子の径の10倍の大きさよりも小さい
流路デバイス。
C…粒子
F…搬送流体
20…粒子流出部(流路デバイス)
28…中央流路領域
29、329…中央流出部
30…周囲流路領域
31…周囲流出部
39、439、539、639…粒子流出口
46、446…周囲流出路
55、255…分取流路部
60…測定部
70…解析部
100…粒子分取装置

Claims (11)

  1. 粒子を搬送する搬送流体が流入される流入部と、
    前記流入部から流入された前記搬送流体の一部が流入される流入口と、前記流入口に連結された前記粒子を保持する保持部と、前記流入口から流入された前記搬送流体により前記保持部内の前記粒子を所定の流路領域へ流出させる粒子流出口とを有する第1の流出部と、
    少なくとも前記粒子流出口を囲む周囲流出路を有し、前記周囲流出路を介して、前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部を、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出させる第2の流出部と
    を具備する流路デバイス。
  2. 請求項1に記載の流路デバイスであって、
    前記第1及び前記第2の流出部は、レイノルズ数が1以下の層流として、前記粒子と前記搬送流体とをそれぞれ流出させる
    流路デバイス。
  3. 請求項1に記載の流路デバイスであって、
    前記第1及び前記第2の流出部は、前記所定の流路領域の流量と、前記周囲流路領域の流量との比が、1:2から1:100までの範囲に含められるように、前記粒子及び前記搬送流体とをそれぞれ流出させる
    流路デバイス。
  4. 請求項1に記載の流路デバイスであって、
    前記周囲流出路は、前記粒子流出口を中心に同心円状に配置される
    流路デバイス。
  5. 請求項1に記載の流路デバイスであって、
    前記保持部は、
    前記粒子を供給するための前記粒子流出口の口径よりも大きい口径を有する供給口と、
    前記供給口と前記粒子流出口とを接続し前記供給口から前記粒子流出口に向けて径が小さくなるテーパ部を含む漏斗状の本体部と
    を有する
    流路デバイス。
  6. 請求項5に記載の流路デバイスであって、
    前記供給口は、封止部材により封止される
    流路デバイス。
  7. 請求項5に記載の流路デバイスであって、
    前記供給口は、大気に開放された状態である
    流路デバイス。
  8. 請求項1に記載の流路デバイスであって、
    前記粒子流出口の口径は、前記粒子の径の10倍の大きさよりも小さい
    流路デバイス。
  9. 粒子を搬送する搬送流体が流入される流入部と、
    前記流入部から流入された前記搬送流体の一部が流入される流入口と、前記流入口に連結された前記粒子を保持する保持部と、前記流入口から流入された前記搬送流体により前記保持部内の前記粒子を所定の流路領域へ流出させる粒子流出口とを有する第1の流出部と、
    少なくとも前記粒子流出口を囲む周囲流出路を有し、前記周囲流出路を介して、前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部を、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出させる第2の流出部と
    を有する流路デバイスと、
    前記流路デバイスから流出された前記粒子及び前記搬送流体が流れる、前記流路デバイスに連結された流路と、
    前記流路から分岐する複数の分岐路と、
    前記複数の分岐路のうち所定の分岐路へ前記粒子を導くガイド電場を、前記粒子の分取を指示する分取信号に応じて前記流路内に形成することが可能な電場印加部と
    を具備する粒子分取装置。
  10. 粒子を搬送する搬送流体を流入部に流入させ、
    前記流入部から流入された前記搬送流体の一部を、前記粒子を保持する保持部に流入させることで、前記保持部内の前記粒子を、粒子流出口を介して所定の流路流域へ流出させ、
    前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部を、前記粒子流出口を囲む周囲流出路を介して、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出させる
    粒子流出方法。
  11. 粒子を搬送する搬送流体を流入部に流入させ、
    前記流入部から流入された前記搬送流体の一部を、前記粒子を保持する保持部に流入させることで、前記保持部内の前記粒子を、粒子流出口を介して所定の流路流域へ流出させ、
    前記流入部から流入された前記搬送流体の他の一部を、前記粒子流出口を囲む周囲流出路を介して、前記所定の流路領域を囲む周囲流路領域へ流出させ、
    前記粒子流出口から流出された前記粒子と、前記周囲流出路を介して流出された前記搬送流体を、流路に流し、
    前記流路に設けられた電場印加部により、複数の分岐路のうち所定の分岐路へ前記粒子を導くガイド電場を、前記粒子の分取を指示する分取信号に応じて前記流路内に形成する
    粒子分取方法。
JP2013049983A 2013-03-13 2013-03-13 流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法 Pending JP2014174139A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013049983A JP2014174139A (ja) 2013-03-13 2013-03-13 流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法
US14/184,904 US9429276B2 (en) 2013-03-13 2014-02-20 Flow channel device, particle sorting apparatus, particle outflow method, and particle sorting method
CN201410074926.5A CN104046565A (zh) 2013-03-13 2014-03-03 流路设备、粒子分选装置、粒子流出方法和粒子分选方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013049983A JP2014174139A (ja) 2013-03-13 2013-03-13 流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014174139A true JP2014174139A (ja) 2014-09-22

Family

ID=51499965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013049983A Pending JP2014174139A (ja) 2013-03-13 2013-03-13 流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9429276B2 (ja)
JP (1) JP2014174139A (ja)
CN (1) CN104046565A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015114243A1 (de) 2014-08-28 2016-03-03 Denso Corporation Spannungswandlersteuerungsgerät
JP2017129545A (ja) * 2016-01-22 2017-07-27 日本光電工業株式会社 フローセル、粒子分析装置および粒子分析方法
CN107847929A (zh) * 2015-06-05 2018-03-27 米梅塔斯私人有限公司 微流体板
WO2020067025A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 京セラ株式会社 粒子分離計測デバイスおよび粒子分離計測装置
WO2020175458A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 京セラ株式会社 粒子分離計測デバイスおよび粒子分離計測装置

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013145905A1 (ja) 2012-03-30 2013-10-03 ソニー株式会社 微小粒子分取装置及び該装置における流体ストリーム最適化方法
JP5924077B2 (ja) 2012-03-30 2016-05-25 ソニー株式会社 微小粒子分取装置及び微小粒子分取装置における軌道方向判定方法
JP6065527B2 (ja) * 2012-11-08 2017-01-25 ソニー株式会社 微小粒子分取装置及び微小粒子分取方法
JP6304034B2 (ja) 2013-01-28 2018-04-04 ソニー株式会社 微小粒子分取装置、微小粒子分取方法及びプログラム
JP6493204B2 (ja) * 2013-05-08 2019-04-03 ソニー株式会社 流路デバイス、分析装置及び流体装置
EP3035030B1 (en) 2013-10-16 2019-07-10 Sony Corporation Particle fractionation device, particle fractionation method, and program
EP3690424B1 (en) 2014-02-13 2023-12-27 Sony Group Corporation Particle sorting device, particle sorting method, and program
JP6657625B2 (ja) 2014-09-05 2020-03-04 ソニー株式会社 液滴分取装置、液滴分取方法及びプログラム
JP6729597B2 (ja) 2015-10-19 2020-07-22 ソニー株式会社 画像処理装置、微小粒子分取装置及び画像処理方法
JP6441838B2 (ja) * 2016-01-29 2018-12-19 株式会社Afiテクノロジー 解析装置及び分離装置
CN107552258B (zh) 2016-07-01 2019-06-07 江苏鲁汶仪器有限公司 气体喷射装置
DE202017101427U1 (de) * 2017-03-13 2018-06-14 Neoperl Gmbh Durchflussmengenregler
EP3602003A1 (en) * 2017-03-31 2020-02-05 Life Technologies Corporation Apparatuses, systems and methods for imaging flow cytometry
US11559817B2 (en) 2017-05-17 2023-01-24 University Of Cincinnati Using electrokinetic forces to manipulate suspended particles
US10591400B2 (en) * 2018-03-29 2020-03-17 Sony Corporation Micro particle analyzer and micro particle analysis method
EP3932562A4 (en) * 2019-02-27 2022-12-07 Kyocera Corporation PARTICLE SEPARATION AND MEASURING DEVICE AND PARTICLE SEPARATION AND MEASURING DEVICE
US11506591B2 (en) * 2019-09-11 2022-11-22 Woods Hole Oceanographic Institution System and method of use for electrically differentiating particles in a liquid
CN113702270A (zh) * 2021-11-01 2021-11-26 碧兴物联科技(深圳)股份有限公司 一种基于文丘里效应的气溶胶鞘流检测结构

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE793185A (fr) * 1971-12-23 1973-04-16 Atomic Energy Commission Appareil pour analyser et trier rapidement des particules telles que des cellules biologiques
US3989381A (en) * 1975-05-05 1976-11-02 Coulter Electronics, Inc. Optical chamber with spherical reflective portion and apparatus employing same
US5437200A (en) * 1993-01-15 1995-08-01 Coulter Corporation Liquid metering and transfer valve assembly particularly for flow cytometer
US6641708B1 (en) 1996-01-31 2003-11-04 Board Of Regents, The University Of Texas System Method and apparatus for fractionation using conventional dielectrophoresis and field flow fractionation
US5985216A (en) * 1997-07-24 1999-11-16 The United States Of America, As Represented By The Secretary Of Agriculture Flow cytometry nozzle for high efficiency cell sorting
US6263745B1 (en) * 1999-12-03 2001-07-24 Xy, Inc. Flow cytometer nozzle and flow cytometer sample handling methods
US7201875B2 (en) * 2002-09-27 2007-04-10 Becton Dickinson And Company Fixed mounted sorting cuvette with user replaceable nozzle
US20040260157A1 (en) * 2003-06-20 2004-12-23 Montes Miguel A. Method for automated screening of cervical/endocervical malignant and premalignant epithelial lesions using flow cytometry with HPV DNA fluorescent in-situ hybridization ( FISH) technology
US20080213821A1 (en) * 2004-05-06 2008-09-04 Nanyang Technological University Microfluidic Cell Sorter System
US7392908B2 (en) * 2005-01-12 2008-07-01 Beckman Coulter, Inc. Methods and apparatus for sorting particles hydraulically
US7355696B2 (en) * 2005-02-01 2008-04-08 Arryx, Inc Method and apparatus for sorting cells
US7746466B2 (en) * 2007-05-14 2010-06-29 The Regents Of The University Of California System and method for flow cytometry
WO2011077765A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 古河電気工業株式会社 検体識別分取装置および検体識別分取方法
JP5732816B2 (ja) 2010-10-29 2015-06-10 ソニー株式会社 細胞分取装置及び細胞分取チップ
EP4230996A3 (en) * 2012-09-19 2023-10-11 Inguran, LLC A method of sorting cells and a flow cytometer system

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015114243A1 (de) 2014-08-28 2016-03-03 Denso Corporation Spannungswandlersteuerungsgerät
CN107847929A (zh) * 2015-06-05 2018-03-27 米梅塔斯私人有限公司 微流体板
JP2018517433A (ja) * 2015-06-05 2018-07-05 ミメタス ビー.ブイ. マイクロ流体プレート
US10532355B2 (en) 2015-06-05 2020-01-14 Mimetas B.V. Microfluidic plate
CN107847929B (zh) * 2015-06-05 2020-08-11 米梅塔斯私人有限公司 微流体板
JP2017129545A (ja) * 2016-01-22 2017-07-27 日本光電工業株式会社 フローセル、粒子分析装置および粒子分析方法
WO2020067025A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 京セラ株式会社 粒子分離計測デバイスおよび粒子分離計測装置
JPWO2020067025A1 (ja) * 2018-09-27 2021-08-30 京セラ株式会社 粒子分離計測デバイスおよび粒子分離計測装置
WO2020175458A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 京セラ株式会社 粒子分離計測デバイスおよび粒子分離計測装置
JPWO2020175458A1 (ja) * 2019-02-27 2021-12-16 京セラ株式会社 粒子分離計測デバイスおよび粒子分離計測装置
JP7098044B2 (ja) 2019-02-27 2022-07-08 京セラ株式会社 粒子分離計測デバイスおよび粒子分離計測装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20140261757A1 (en) 2014-09-18
CN104046565A (zh) 2014-09-17
US9429276B2 (en) 2016-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014174139A (ja) 流路デバイス、粒子分取装置、粒子流出方法、及び粒子分取方法
JP5924276B2 (ja) 流路デバイス、粒子分取装置及び粒子分取方法
JP7354368B2 (ja) マイクロ流体チャネルを使用してマイクロ粒子のバルク選別を行う方法及び装置
USRE48827E1 (en) Microchip for sorting micro particles and cartridge including same
Luo et al. A simplified sheathless cell separation approach using combined gravitational-sedimentation-based prefocusing and dielectrophoretic separation
US7294249B2 (en) Microfluidic component and method for sorting particles in a fluid
US8657121B2 (en) Microparticle sorting apparatus, microchip and microchip module
JP2012098075A (ja) 細胞分取装置、細胞分取チップ及び細胞分取方法
JP2005037346A (ja) マイクロ流体制御システム
CN113484207A (zh) 颗粒物检测装置及检测方法
US20220283078A1 (en) Microfluidic system with combined electrical and optical detection for high accuracy particle sorting and methods thereof
CN102802775A (zh) 物质混合设备和物质混合方法
US20030108452A1 (en) Method and device for withdrawing suspended microparticles from a fluidic microsystem
US20210331169A1 (en) Microfluidic apparatus for separation of particulates in a fluid
CN106066343A (zh) 基于微流控芯片润滑油中颗粒分离的方法与装置
CN104923322B (zh) 一种介电泳粒子分选微流控芯片
JP2012095550A (ja) 細胞分取装置、細胞分取チップ及び細胞分取方法
JP2020201239A (ja) 粒子分別装置
CN115555068A (zh) 一种阈值可调的微流控液滴尺寸分选装置
JP5659698B2 (ja) 試料流入装置、試料流入チップ及び試料流入方法
US20190049407A1 (en) Electrophoresis chip with an integrated optical sensor
KR20090092138A (ko) 미세 입자분리 장치
US20210213449A1 (en) Dielectrophoresis and density separators
US8778160B2 (en) Method and apparatus for separating particles by dielectrophoresis
CN209348659U (zh) 微流控芯片及样本融合装置