JP2014172948A - 摩擦調整剤および潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油に含有させた際にシャダー防止寿命及び変速特性と伝達トルク容量とを共に満足な水準まで高めることが可能な化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるコハク酸イミド化合物とし、該コハク酸イミド化合物を含有する摩擦調整剤および潤滑油組成物とする。
Figure 2014172948

[式(1)中、Rは炭素数8〜30のヒドロカルビル基を表し、nは1〜7の整数である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、摩擦調整能力を示す新規な化合物、摩擦調整剤、及び摩擦特性に優れた潤滑油組成物に関する。
自動変速機や無段変速機の多くはトルクコンバータを有しており、潤滑油を介してエンジントルクが変速機に伝達されている。トルクコンバータは構造上、入力側(エンジン側)と出力側(変速機側)との間に差回転がないと動力を伝達できず、この差回転が変速機の動力伝達効率を低下させる原因となっている。近年、自動車の省燃費化に対する要求はますます高まっており、変速機にも従来に増して動力伝達効率の向上が求められている。トルクコンバータを有する変速機において動力伝達効率を向上させるための一手段として、トルクコンバータにロックアップクラッチを内蔵させ、潤滑油を介した動力伝達に加えて、走行条件に応じてエンジントルクを直接変速機構へ伝達する手法が、近年多く採用されている。
しかしながらロックアップクラッチを作動させるとエンジンのトルク変動が乗り心地を悪化させることから、従来のロックアップ機構ではエンジンのトルク変動の少ない高速域においてのみロックアップクラッチを作動させ、低速域においては作動させていなかった。このため発進時等の低速域においてはトルクコンバータの伝達ロスが発生しており、したがって総合的な燃費の点では依然として改善の余地があった。
この伝達ロスを低減させるために、最近では低速域においてもロックアップクラッチを作動させ、エンジンのトルク変動はクラッチの相対すべりによって吸収する、スリップ制御(すべり制御)方式が導入されつつある。しかしクラッチをすべり制御する場合には、ロックアップクラッチの摩擦面においてスリップスティック現象に起因する異常振動(シャダー)が発生することにより、自動車の乗り心地が損なわれる場合がある。シャダーの発生を防ぐためには、ロックアップクラッチにおいてすべり速度(V)の増加に伴い摩擦係数(μ)が高くなるようにμ−V特性を調整することが極めて重要であり、このようなμ−V特性調整能力(シャダー防止性能)を潤滑油(変速機油)に担わせることが行われている(例えば特許文献1参照。)。潤滑油のシャダー防止性能は潤滑油の劣化に伴い低下するため、シャダー防止性能の維持能力(シャダー防止寿命)に優れた潤滑油が求められている。燃費改善を追求して、スリップ制御を行う低速度領域の拡大がますます進んでいることから、シャダー防止寿命のさらなる向上が望まれている。
また、自動変速機や無段変速機は、変速機構や前後進切替え機構に湿式の変速クラッチを有している。変速クラッチの摩擦特性が悪い場合、例えば動摩擦係数と静止摩擦係数との差が大きすぎる場合には、変速時にショックが発生し、自動車の乗り心地を損ねる。そのため、これらの変速機に用いられる潤滑油には、変速クラッチ係合時のショックを低減させるために、変速クラッチに良好な変速特性を付与することが求められている。
潤滑油にシャダー防止性能を付与すること、及び変速クラッチの摩擦特性を改善することは、一般に摩擦調整剤を潤滑油に配合することによって行われる。よって潤滑油のシャダー防止寿命や変速特性を向上させるためには、摩擦調整剤を多量に配合するという事も一つの手段として考えられる。しかしながら配合する摩擦調整剤の種類によっては摩擦係数(例えば無段変速機における金属間摩擦係数等。)を大幅に低下させる場合もあり、今度は変速機における伝達トルク容量を十分に確保できないという問題が生じる。このように潤滑油に摩擦調整剤を配合することによるアプローチにおいては、シャダー防止寿命及び変速特性と伝達トルク容量とは、一般にトレードオフの関係にある。
特開2004−155924号公報
そこで本発明は、潤滑油に含有させた際にシャダー防止寿命及び変速特性と伝達トルク容量とを共に満足な水準まで高めることが可能な化合物を提供することを課題とする。また該化合物を含有する摩擦調整剤、及び、該摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物を提供する。
本発明の第1の態様は、下記一般式(1)で表されるコハク酸イミド化合物である。
Figure 2014172948
[式(1)中、Rは炭素数8〜30のヒドロカルビル基を表し、nは1〜7の整数である。]
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様に係るコハク酸イミド化合物を含有する摩擦調整剤である。
本発明の第3の態様は、潤滑油基油と、上記本発明の第2の態様に係る摩擦調整剤とを含有する、潤滑油組成物である。本発明の潤滑油組成物は、無段変速機油として特に好ましく用いることができる。
本発明のコハク酸イミド化合物によれば、潤滑油に含有させることによって該潤滑油のシャダー防止寿命及び変速特性と摩擦係数(伝達トルク容量)とを共に満足な水準まで高めることが可能となる。したがって潤滑油組成物中に摩擦調整剤として好ましく含有させることができる。
本発明の摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物は、向上したシャダー防止寿命及び良好な変速特性を有する一方で、金属間摩擦係数も高められていることにより伝達トルク容量も向上させることができる。したがって特に自動変速機油や無段変速機油として好ましく用いることができる。
製造例1において製造したコハク酸イミド化合物Aの赤外吸収スペクトルである。
以下、本発明について詳述する。なお、特に断らない限り、数値範囲について「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
<1.コハク酸イミド化合物>
(構造)
本発明の第1の態様に係るコハク酸イミド化合物について説明する。本発明のコハク酸イミド化合物は、次の一般式(1)で表される構造を有する。
Figure 2014172948
上記一般式(1)において、Rは炭素数8〜30のヒドロカルビル基を表す。nは1〜7の整数であり、より好ましくは2〜4の整数である。
ここで、炭素数8〜30のヒドロカルビル基としては、具体的には、アルキル基(環構造を有していてもよい)、アルケニル基(二重結合の位置は任意であり、環構造を有していてもよい。)、アリール基、アルキルアリール基、アルケニルアリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等を例示できる。
アルキル基としては、直鎖又は分枝の各種アルキル基が挙げられる。環構造を有するアルキル基としては例えばアルキルシクロアルキル基やシクロアルキルアルキル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5以上7以下のシクロアルキル基を挙げることができる。またシクロアルキル環上の置換位置は任意である。
アルケニル基としては、直鎖又は分枝の各種アルケニル基が挙げられる。環構造を有するアルケニル基としては例えばアルキルシクロアルケニル基、アルケニルシクロアルキル基、シクロアルケニルアルキル基、シクロアルケニルアルケニル基等が挙げられる。シクロアルキル基については上記同様である。シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基等の炭素数5以上7以下のシクロアルキル基を挙げることができる。またシクロアルケニル環及びシクロアルキル環上の置換位置は任意である。
アリール基としては、例えば、(ヒドロカルビル置換基を有する)フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。また上記アルキルアリール基、アルケニルアリール基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基において、アリール基への置換位置は任意である。
Rの炭素数は8〜30であり、好ましくは10以上であり、より好ましくは12以上である。また好ましくは20以下である。Rは脂肪族ヒドロカルビル基(環構造を有していてもよいアルキル又はアルケニル基)であることが好ましく、該脂肪族ヒドロカルビル基は鎖状部位を有することがより好ましい。該鎖状部位は直鎖でも分岐鎖でもよい。ただし該鎖状部位に含まれる根元(窒素原子に最も近い根元とする。)から最長の炭素鎖の炭素数が8以上であることが特に好ましい(例えば4−(2−エチルデシル)シクロヘキシル基が有する鎖状部位に含まれる根元から最長の炭素鎖の炭素数は10であり、4−(9−シクロペンチルデカン−3−イル)シクロヘキシル基が有する鎖状部位に含まれる根元から最長の炭素鎖の炭素数は8である。)。
(コハク酸イミド化合物の製造)
本発明のコハク酸イミド化合物を製造する方法は、特に制限されるものではない。例えば次のようにして製造することができる。すなわち、ω−アミノアルカノニトリルと、2−ヒドロカルビルコハク酸無水物との反応により得ることができる(下記式(2))。
Figure 2014172948
式(2)のイミド化反応は例えば加熱還流条件下Dean−Stark装置を用いて水を有機溶媒(例えばo−キシレン等。)との共沸及び相分離によって反応系中から取り除くことにより行うことができる。また例えば2−ヒドロカルビルコハク酸無水物の消失を確認後、イミド化剤(例えば無水酢酸及びピリジン。)を添加することによってイミド環を形成させてもよい。なお式(2)の反応においてはω−アミノアルカノールのヒドロキシ基を保護することなく反応に供しているが、ヒドロキシ基が適当な保護基(例えばtert−ブチルジメチルシリル基等のシリル保護基。)によって保護された状態でイミド化し、その後に脱保護してヒドロキシ基を再生してもよい。
なお、所望のヒドロカルビル基を有する2−ヒドロカルビルコハク酸無水物が商業的に入手できない場合には、例えば次のようにして用意することが可能である。すなわち、対応するヒドロカルビルハライドから誘導される有機銅試薬を(又はGrignard試薬をI価の銅塩存在下に)ハロ酢酸tert−ブチルと反応させることによりカルボニル基のα位に所望のヒドロカルビル基を導入し(下記式(3))、エステルエノラートをさらにハロ酢酸tert−ブチルと反応させることにより、カルボキシ基が保護された2−ヒドロカルビルコハク酸を得る(下記式(4))。カルボキシ基を脱保護し(例えば85%リン酸水溶液処理(J.Org.Chem.2006,71,9045−9050.)やトリフルオロ酢酸(TFA)処理等。)、加熱する又は無水酢酸を作用させる等により閉環させ、2−ヒドロカルビルコハク酸無水物を得る(下記式(5))。
Figure 2014172948
<2.摩擦調整剤>
本発明の第2の態様に係る摩擦調整剤は、上記本発明の第1の態様に係るコハク酸イミド化合物を含んでなることを特徴とする。
(含有量)
本発明の摩擦調整剤中における上記本発明のコハク酸イミド化合物の含有量は特に制限されるものではないが、摩擦調整剤全量基準で、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、100重量%であってもよい。
<3.潤滑油組成物>
本発明の第3の態様に係る潤滑油組成物は、基油と、上記本発明の第2の態様に係る摩擦調整剤(以下、「多官能コハク酸イミド系摩擦調整剤」ということがある。)とを含んでなる。
(潤滑油基油)
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油は、特に制限はなく、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油や合成系基油が使用できる。
鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるGTL WAX(ガス・トゥ・リキッド・ワックス)を異性化する手法で製造される潤滑油基油等が例示できる。
合成系潤滑油としては、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィンまたはその水素化物、イソブテンオリゴマーまたはその水素化物、パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。このほか、アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、及び芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示できる。
本発明の潤滑油組成物においては、潤滑油基油として、鉱油系基油、合成系基油又はこれらの中から選ばれる2種以上の潤滑油の任意混合物等が使用できる。例えば、1種以上の鉱油系基油、1種以上の合成系基油、1種以上の鉱油系基油と1種以上の合成系基油との混合油等を挙げることができる。
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油の動粘度、NOACK蒸発量、及び粘度指数は、当該潤滑油組成物の用途に応じて適宜設定することが可能である。
(多官能コハク酸イミド系摩擦調整剤)
本発明の第2の態様に係る摩擦調整剤については既に説明した通りである。その含有量は特に限定されるものではない。潤滑油組成物の全量を基準とする、上記一般式(1)で表されるコハク酸イミド化合物の含有量として、例えば0.1〜10重量%等とすることができる。好ましい含有量は用途によって異なり得る。例えば自動変速機や無段変速機用の潤滑油組成物とする場合には、好ましくは0.1重量%以上であり、また好ましくは5重量%以下である。
(その他の添加剤)
本発明の潤滑油組成物は、上記説明した潤滑油基油及び摩擦調整剤のほかに、無灰分散剤、酸化防止剤、上記本発明のコハク酸イミド化合物以外の摩擦調整剤、摩耗防止剤、極圧剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、腐食防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、消泡剤及び着色剤からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
無灰分散剤としては、公知の無灰分散剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物に無灰分散剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、すなわち潤滑油組成物全量を100重量%として、通常0.01重量%以上であり、好ましくは0.1重量%以上である。また、通常20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物に酸化防止剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常5.0重量%以下であり、好ましくは3.0重量%以下であり、また好ましくは0.1重量%以上であり、より好ましくは0.5重量%以上である。
上記本発明のコハク酸イミド化合物以外の摩擦調整剤としては、公知の摩擦調整剤を使用可能である。例えば、脂肪酸エステル等の油性剤系摩擦調整剤、モリブデンジチオカーバメート、モリブデンジチオホスフェート等の硫黄含有モリブデン錯体、モリブデンアミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体等の硫黄を含有しないモリブデン錯体や二硫化モリブデン等のモリブデン系摩擦調整剤を挙げることができる。本発明の潤滑油組成物にこれらの摩擦調整剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005重量%以上5重量%以下である。
摩耗防止剤又は極圧剤としては、公知の摩耗防止剤又は極圧剤を使用可能である。例えば、(モノ、ジ、トリ−チオ)(亜)リン酸エステル類やジチオリン酸亜鉛等のリン化合物、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、ジチオカーバメート類等の硫黄含有化合物等が挙げられる。本発明の潤滑油組成物にこれらの摩耗防止剤を含有させる場合には、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005重量%以上5重量%以下である。
金属系清浄剤としては、公知の金属系清浄剤を使用可能である。例えば、アルカリ金属スルホネート、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ金属サリシレート、アルカリ土類金属サリシレート、及びこれらの混合物等を挙げることができる。これら金属系清浄剤は過塩基化されていてもよい。本発明の潤滑油組成物に金属系清浄剤を含有させる場合、その含有量は特に制限されない。ただし、自動変速機あるいは無段変速機用の場合、潤滑油組成物全量基準で、金属元素換算量で通常、0.01重量%以上5重量%以下である。
粘度指数向上剤としては、公知の粘度指数向上剤を使用できる。例えば、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの重合体又は共重合体及びそれらの水添物等の、いわゆる非分散型粘度指数向上剤、さらに窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン共重合体の水素化物、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びに、ポリアルキルスチレン等を挙げることができる。粘度指数向上剤の平均分子量は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートの場合では、通常、重量平均分子量で5,000以上1,000,000以下である。また例えばポリイソブチレン又はその水素化物を内燃機関用に用いる場合には、数平均分子量で通常800以上5,000以下である。また例えばエチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物を内燃機関用に用いる場合には、数平均分子量で通常800以上500,000以下である。
本発明の潤滑油組成物にこれらの粘度指数向上剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.1重量%以上20重量%以下である。
流動点降下剤としては、使用する潤滑油基油の性状に応じて、例えばポリメタクリレート系ポリマー等の公知の流動点降下剤を適宜使用可能である。本発明の潤滑油組成物に流動点降下剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.01重量%以上1重量%以下である。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、及びイミダゾール系化合物等の公知の腐食防止剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物にこれらの腐食防止剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005重量%以上5重量%以下である。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、及び多価アルコールエステル等の公知の防錆剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物にこれらの防錆剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005重量%以上5重量%以下である。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、並びにβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等の公知の金属不活性化剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物にこれらの金属不活性化剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005重量%以上1重量%以下である。
消泡剤としては、例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、及びフルオロアルキルエーテル等の公知の消泡剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物にこれらの消泡剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.0005重量%以上1重量%以下である。
着色剤としては、例えばアゾ化合物等の公知の着色剤を使用可能である。
(用途)
本発明の潤滑油組成物は、上記本発明の第2の態様に係る摩擦調整剤(多官能コハク酸イミド系摩擦調整剤)を含有することにより、向上したシャダー防止寿命及び良好な変速特性を有する一方で、金属間摩擦係数も高められていることにより伝達トルク容量も向上させることができる。したがって特に自動変速機油や無段変速機油として好ましく用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<製造例1>
本発明の第1の態様に係るコハク酸イミド化合物Aを製造した。なおIRスペクトルの測定は日本分光株式会社製FT/IR−4100を用いて行い、室温で固体の試料に関しては加熱溶融しKBr板に少量を塗布して測定し、室温で液体の試料に関してはそのまま少量をKBr板に塗布して測定した。
(製造例1)
以下の手順により、上記一般式(1)においてR=オクタデセニル基、n=2である態様のコハク酸イミド化合物Aを製造した。
ディーンスターク装置をつけた200mL四つ口フラスコに、オクタデセニルコハク酸無水物(東京化成工業株式会社製)57.1mmol(20g)、3−アミノプロピオニトリル(東京化成工業株式会社製)68.5mmol(4.8g)、o−キシレン60mLを加えてから内部を窒素置換した。加熱撹拌しキシレンを還流させて、生成する水を系外に除去した。3時間還流後、微量の窒素を流しながら減圧し、o−キシレンと未反応アミンを除去した。IRスペクトルで反応の進行を確認した。約24gの目的化合物を得た。
生成物のIRスペクトル(Neat)を図1に示す。
<実施例1及び比較例1〜3>
表1に示される組成となるように、本発明の第3の態様に係る潤滑油組成物(実施例1)、及び比較用の潤滑油組成物(比較例1〜3)をそれぞれ調製した。表中、成分量の数値は全て組成物全量基準であり、単位について「wt%」は重量%を意味し、「wtppm」は重量ppmを意味する。
Figure 2014172948
(金属間摩擦係数の評価)
ブロックオンリング摩擦試験機(FALEX社製LFW−1)を用いて、摩擦面に潤滑油組成物が存在している条件での金属間摩擦係数を評価した。試験条件は荷重889N、面圧0.54GPa、すべり速度0.125m/s、試験温度80℃、試験時間3分とし、試験時間内の1.5〜2.5分の摩擦係数を平均化した平均摩擦係数で評価した。結果を表1中に併せて示している。本試験の条件で金属間摩擦係数が0.110以上であれば、良好な伝達トルク容量を確保できるといえ、また良好な変速特性を有すると推定できる。
(シャダー防止寿命の評価)
JASO M349:2010に規定の低速滑り試験機を用いて、潤滑油組成物のシャダー防止寿命を評価した。試験方法はJASO M349:2010に準拠し、温度40℃、80℃、及び120℃でμ−Vカーブを測定した。シャダー防止寿命の判定はJASO M315:2004に準拠して、上記測定した温度でのμ−Vカーブをそれぞれ5次関数で最小二乗近似し、近似関数をそれぞれ滑り速度(V)が0.3m/s及び0.9m/sの2点で微分して勾配を求め、そのうち40℃及び80℃における計4つの勾配値のいずれかが負になった時点をもって寿命と判断した。結果を表1中に併せて示している。本試験の条件でシャダー防止寿命が100時間以上であれば、シャダー防止性能の維持能力に優れているといえる。
(評価結果)
摩擦調整剤として本発明のコハク酸イミド化合物Aを配合した実施例1の潤滑油組成物は、金属間摩擦係数及びシャダー防止寿命ともに優れた成績を示した。
摩擦調整剤を配合しなかった比較例1の潤滑油組成物は、シャダー防止性能を有していなかった。
また従来公知の一般的な摩擦調整剤であるグリセロールモノオレアート及びアルキルジエタノールアミンをそれぞれ配合した比較例2及び3の潤滑油組成物は、いずれもシャダー防止寿命に著しく劣っていた。加えて比較例3の潤滑油組成物は金属間摩擦係数も満足な水準に至らなかった。
以上の結果から、本発明のコハク酸イミド化合物を摩擦調整剤として含有する潤滑油組成物によれば、長いシャダー防止寿命と、高い金属間摩擦係数による良好な伝達トルク容量とを同時に実現できることが示された。
本発明のコハク酸イミド化合物を摩擦調整剤に用いた潤滑油組成物は、変速機油として好ましく利用でき、特に自動変速機油や無段変速機油として好適に利用できる。とりわけ、ロックアップ機構をそなえたトルクコンバータを有する変速機に用いる潤滑油、中でもロックアップクラッチにおいてスリップ制御を行うトルクコンバータを有する変速機に用いる潤滑油として、好ましく用いることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるコハク酸イミド化合物。
    Figure 2014172948
    [式(1)中、Rは炭素数8〜30のヒドロカルビル基を表し、nは1〜7の整数である。]
  2. 請求項1に記載のコハク酸イミド化合物を含有する摩擦調整剤。
  3. 潤滑油基油と、
    請求項2に記載の摩擦調整剤と
    を含有する、潤滑油組成物。
  4. 潤滑油基油と、
    請求項2に記載の摩擦調整剤と
    を含有する、無段変速機用潤滑油組成物。
JP2013044683A 2013-03-06 2013-03-06 摩擦調整剤および潤滑油組成物 Pending JP2014172948A (ja)

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