JP2014172625A - 樹脂製ボトル - Google Patents

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克幸 高橋
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沙織 長江
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Abstract

【課題】底部の割れを有効に防止することのできる樹脂製ボトルを提供する。
【解決手段】口部2に連続するボトル本体3が胴部4とこの胴部4に連続して形成された底部5とを有するペタロイド型の樹脂製ボトル1である。ゲート位置に対応する軸心部13及びその周囲からなる中央領域14と、この中央領域14から放射状に膨出形成された複数の脚部10とを有しており、このうち中央領域14を容器内方に窪む椀状に形成し、それと共に中央領域14から各脚部10先端の接地部11に渡る脚内側領域20を、滑らかに連続した曲率半径:5mm以上の隆起部分21と弓状部分22によって構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は樹脂製ボトルに関し、内圧がかかった状態での底部の割れ等の破損を防止できる樹脂製ボトルに関する。
ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂で形成された樹脂製ボトルは、透明性とガスバリヤー性に優れ、炭酸飲料、ミネラルウォーター、果汁飲料等の飲料用の容器として広く普及している。その中でも、内圧がかかった状態でも安定した接地性を有する樹脂製ボトルとして、ペタロイド型の底部をもつものが知られている。樹脂製ボトルは、プリフォームからの2軸延伸ブローで成形するのが一般的となっている。このプリフォームの底には、溶融樹脂をキャビティへ流し込む際にできたゲート痕が残存している。2軸延伸ブロー成形時に、成形金型のゲート残型部でプリフォームのゲート痕を押し込み、ゲート痕を潰すようにして樹脂製ボトルを成形する。
かかる樹脂製ボトルでは、内容液を充填する製造ラインにおいて加圧状態で搬送されている際に、滑走剤などの影響によって底部に割れが生じる場合がある。割れの発生は、ゲート残部を通って割れる場合と、ゲート残部の周縁で割れる場合が殆どである。このような割れ現象が進行すると底部の破断となってしまう。かかる現象は、底部への吸湿変化が起こったときに特に顕著に現れることがわかっている。
底部の割れの原因として次の理由が考えられる。ペタロイド型の底部は複数の脚部が膨出した形状となっているため、2軸延伸ブローの際に底部に大きなストレスがかかる。ゲート残部とその周辺には、未延伸部分又は延伸量の極めて小さい部分が多く存在している。そのため、成形の際のストレスによってその未延伸部分等に応力が集中し割れを生じさせる。又は成形時のストレスによってその未延伸部分等と、延伸の大きい部分との境界に応力が集中し割れを生じさせる。
特許文献1では、底部の破裂を防止するために底部のゲート痕の周りに周リブを形成し、応力を分散させている。特許文献2では、ボトル最大径の50%以内の領域に非晶質状態の未延伸部を設け、ゲート痕の近傍に凸部を設けている。特許文献3では、ボトル最大径の20〜50%の範囲内に非晶質の未延伸部を設けている。また、ゲート痕の強度低下を防止するために、ゲート痕を取り囲む環状の溝を形成した樹脂製ボトルも知られている(特許文献4)。底部の変形を防止するものとして、中央部を内方に窪む凹部とした樹脂製ボトルもある(特許文献5、特許文献6)。
特開平6−270929号公報 特開平8−318923号公報 特開平9−58654号公報 実開平6−39716号公報 特開2012−140154号公報 特開2012−140156号公報
特許文献1のようにゲート痕の周りに周リブを形成した場合や、特許文献2のように未延伸部を設け、ゲート痕の近傍に凸部を設えた場合、周リブとその周辺部分、凸部とその周辺部分の境界で肉厚の変化が大きくなる。そのため、境界部分に肉厚の差異による応力集中が生じ、割れを有効に防止することはできない。特許文献3のように、非晶質の未延伸部を設けた場合でも、未延伸部かその周辺に応力が集中する。ゲート痕を取り囲む環状の溝を形成した特許文献4の樹脂製ボトルでは、溝を構成するための大きく屈曲した角へ応力が集中しやすくなる。底部の変形を防止するため中央部を内方に窪む凹部とした特許文献5及び6の樹脂製ボトルの場合、凹部の周縁部分で水平方向に平らになるか、又は内方へ大きく屈曲しており、かかる周縁部分に応力がかかりやすい。このように、肉厚の変化、未延伸部分の存在、屈曲度の大きい形状の存在により、底部の割れの解消には至っていない。
そこで本発明は従来技術の問題点に鑑み、底部の割れを有効に防止することのできる樹脂製ボトルを提供することを目的とする。
本発明者は底部の割れを有効に防止するためには、応力が集中する部分を低減することが重要であることに着目し次の技術的手段を講じた。即ち、本発明の樹脂製ボトルは、口部と、2軸延伸ブロー成形して得られるボトル本体とを備え、このボトル本体が胴部とこの胴部に連続して形成された底部とを有し、前記底部が、ゲート位置に対応する軸心部及びその周囲からなる中央領域と、この中央領域から放射状に膨出形成された複数の脚部とを有する樹脂製ボトルにおいて、前記底部の中央領域が容器内方に窪む椀状に形成されており、当該中央領域から前記各脚部先端の接地部に渡る脚内側領域が、滑らかに連続した曲率半径:5mm以上の複数の湾曲部によって構成されていることを特徴とする。
本発明の樹脂製ボトルによれば、底部の中央領域が容器内方に窪む椀状に形成されてゲート残部が無く、しかも底部の中央領域から各脚部の接地部に渡る脚内側領域が、滑らかに連続した曲率半径:5mm以上の複数の湾曲部によって構成されているため、全体として波型で滑らかな形状となっている。そのため屈曲度が小さく、形状の影響による肉厚の変化も少ない。さらに、全域に渡って延伸され易くなっており未延伸部分を無くすことができる。また、波型の形状をもつ底部にかかる内圧の方向がばらばらになる。従って、応力が分散し、底部の割れを防止することができる。
底部の形状はどのようなものであってもよく、例えば前記複数の湾曲部は、前記中央領域に滑らかに連続し容器外方へ隆起する環状の隆起部分と、この隆起部分に連続する前記各脚部の弓状部分とで構成されていることが好ましい。このような形状とすれば、ゲート残部の無い中央領域から各脚部の接地部にわたる範囲を緩やかな波状にすることができる。
前記隆起部分の頂部の直径が12.4mm〜13.0mmであり、この頂部から前記各脚部の接地部までの軸方向寸法が2.9mm〜5.0mmであり、この頂部から前記軸心部までの軸方向寸法が0.6mm〜0.8mmであることが好ましい。
本発明によれば、底部の中央領域が容器内方に窪む椀状に形成されてゲート残部が無く、しかも底部の中央領域から各脚部の接地部に渡る脚内側領域が、滑らかに連続した曲率半径:5mm以上の複数の湾曲部によって構成されているため、全体として波型に滑らかな形状となる。そのため屈曲度が小さく、形状の影響による肉厚の変化が少ない。さらに、全域にわたって延伸され易くなり未延伸部分を無くすことができる。波型の形状をもつ底部にかかる内圧の方向がばらばらになることで、応力が分散し、底部の割れを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る樹脂製ボトルの正面(一部断面)図である。 (a)は樹脂製ボトルの胴部の下半部及び底部の正面図であり、(b)は底面図である。 (a)は底部の断面図であり、(b)は要部輪郭図である。 (a)〜(c)は実施例1〜3の樹脂製ボトルの要部輪郭図である。 (a)〜(c)は比較例1〜3の樹脂製ボトルの要部輪郭図である。 実施例1の樹脂製ボトルと比較例1の樹脂製ボトルの底部を並べて撮影した断面写真である。 (a)はカーター試験後の実施例1の樹脂製ボトルの底面写真であり、(b)はカーター試験後の比較例1の樹脂製ボトルの底面写真である。 実施例6の底部の断面図である。
本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る樹脂製ボトル1の正面図であり、図2(a)は樹脂製ボトル1の胴部の下半部及び底部の正面図であり、(b)は底面図である。樹脂製ボトル1は、軸方向(図1の下側を単に下側、上側を単に上側という)上端に位置する口部2と、内容物が充填されるボトル本体3とで構成されている。ボトル本体3は、口部2に連続した上下方向に長い筒状の胴部4とこの胴部4に連続して形成され当該胴部4の下方を閉塞する底部5とで構成されている。
樹脂製ボトル1は、熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレートにより一体的に成形された飲料用容器であって炭酸飲料等を充填した後に、口部2に図示しないキャップを装着することで密封できるようになっている。
口部2は全体に略断面円形状に形成されており、当該口部2にはキャップを装着するための雄ねじ2aと、大径のネックリング2bが設けられている。口部2にキャップを螺合させることによって充填された内容物が密封される。胴部4は、口部に連続する上胴部6と下胴部7からなり、上胴部6は、口部2の下端から拡径されて全体として下拡がりに形成されている。
下胴部7は、上下方向にわたって略同径に形成されている。下胴部7には、ラベルを装着するための径内方向へ窪ませたラベル装着領域8が設けられている。ラベル装着領域8の上下にはそれぞれ段差部分8aが形成されており、上下の段差部分8aの上下方向内側にラベルが装着される。
底部5には、樹脂製ボトル1を起立させた状態で接地させるための5つの脚部10が周方向に等間隔で設けられている。この底部5は、内圧がかかった状態でも安定した接地性を有するようにペタロイド型に形成されている。図1に示すように各脚部10の接地部11のみが接地するようになっており、樹脂製ボトルの底面部12の軸心部13は、内方へ窪みかつ載置面から離間している。従って、樹脂製ボトル1に内圧がかかった状態で仮に底面部12が容器外方へ若干膨れた場合でも、その部分が樹脂製ボトル1を押し上げることなく、5つの脚部10で安定した状態で載置することができる。
図2のように底部5には成形時のゲート位置に対応する軸心部13及びその周囲からなる中央領域14と、この中央領域14から放射状に膨出形成された5つの脚部10とが形成されている。中央領域14は、容器内方へ窪む位置に存在し、その部分から各脚部10が下斜め外側方向に伸びている。各脚部10の外側面10aは下方へ向かうにしたがって先窄み状に形成されており、各脚部10の先端が樹脂製ボトル1の接地部11となっている。
図3(a)は底部5の断面図である。底部5の形状は、底部側壁5aから各脚部10に繋がる部分で若干径方向内側へ曲がり、そこから接地部11まで伸び、接地部10から容器内方へと窪んで、中央領域14を経由して、各脚部10の軸対象位置となる底湾部15を経由して底部側壁5aへと繋がっている。図3(b)はゲート位置である軸心部13を中心とする要部輪郭図である。中央領域14は容器内方に窪む椀状に形成されており、当該中央領域14から各脚部10先端の接地部11に渡る脚内側領域20が、滑らかに連続した複数の湾曲部によって構成されている。複数の湾曲部は、中央領域14に滑らかに連続し容器外方へ隆起する環状の隆起部分21と、この隆起部分21に連続する各脚部10の弓状部分22とで構成されている。
樹脂製ボトル1の成形法に関して説明する。樹脂製ボトル1はプリフォーム成形工程とブロー成形工程とからなる2軸延伸ブロー成形法で成形される。プリフォーム成形工程では、プリフォーム成形用金型で予備成形体であるプリフォームを成形し、ブロー成形工程では、得られたプリフォームをブロー成形用金型内で2軸延伸ブロー成形する。詳細には、原料である溶融状態のポリエチレンテレフタレートを、射出成形機を用いて中空部を形成するインコアが設けられたプリフォーム成形用金型内に射出し、口部、及び中空の本体部で構成されたプリフォームを成形する。
続いて、得られたプリフォームの口部を挟持した状態で、当該プリフォームに、所定の形状を有するブロー成形用金型を装着し、プリフォームの中空部に挿入されたストレッチロッドで軸方向に延伸(縦延伸)し、同時にブローノズルで導入される気体により径方向に延伸(横延伸)する。この2軸延伸により、ブロー成形用金型のキャビティの形状に沿って樹脂製ボトル1が成形される。
プリフォームを射出成形する時の熱可塑性樹脂の通路痕である長いゲート痕がプリフォームの底部分に残存する。このゲート痕を除去するために、プリフォーム成形工程の後、ゲートカッターによってゲート痕をカットする。しかし、プリフォームの底部分は球状であるため、ゲート痕をその根元から完全に取り除くことはできず、僅かに根本部分の短いゲート痕が残存する。このようなゲート痕をカット作業によって完全に無くなるようにするのは困難であり、ブロー成形工程では、プリフォームのゲート痕が存在したままブロー成形が行われる。仮に、製造工程中にゲート痕を完全に無くすための工程を導入すると、コスト高となってしまう。そのため、ブロー成形工程では、ゲート痕が残存した状態でブロー成形され、ブロー成形金型によりゲート痕が潰されるものの、ゲート痕の一部は得られた成型品に残るのが一般的である。
本実施形態の樹脂製ボトル1では、中央領域14の軸心部13であるゲート位置に、ゲート残部が残存していない。ゲート残部が残存していない点が本発明の特徴的な部分の一つである。従って中央領域14は容器内方へ緩やかな曲面のみで構成されおり、従来には存在していたゲート残部による屈曲度の大きい部分を、本実施形態の樹脂製ボトル1では無くしている。
中央領域14から各脚部10先端の接地部11に渡る脚内側領域20が、上記のとおり中央領域14に滑らかに連続する環状の隆起部分21と、この隆起部分21に連続する弓状部分22とで構成されている。隆起部分21と弓状部分22は、いずれも曲率半径:5mm以上、45mm以下の曲面で形成されている。中央領域14を含め、当該中央領域14から各脚部10先端の接地部11に渡る底面部12の全体を、緩やかな曲面のみで構成した点が本発明の最大の特徴である。中央領域14と同じく、隆起部分21も非常に緩やかな曲面のみで形成されており、これに繋がる弓状部分22も非常に緩やかな曲面のみで形成されている。また中央領域14と隆起部分21、隆起部分21と弓状部分22の境界部位もつなぎ目がなく、滑らかに連続している。
中央領域14を含め、当該中央領域14から各脚部10先端の接地部11に渡る底面部12の全体を、緩やかな曲面のみで構成しているので、全体として波型に滑らかな形状となり、底面部12にかかる内圧が多様な方向に分散する。曲率半径で5mmよりも小さい部分が存在すれば、滑らかでない部分ができてしまい、その部分に内圧が集中し易くなって、これが割れの原因となる。曲率半径が45mmよりも大きい部分があれば、内圧の方向が分散しにくく、膨れやへこみが生じやすくなる。
本実施形態の樹脂製ボトル1は1.5mL用として構成されたボトルであり、各部の寸法は次のとおりである。ボトル本体3の全長L1は283mmであり、ボトル本体の最大径φAは96.5mmである。隆起部分21の頂部21aの直径φBは13mmである。椀状の中央領域の曲率半径R1は16.5mmであり、隆起部分21の曲率半径R2は10mmであり、弓状部分22の曲率半径R3は40mmであり、隣り合う脚部10間である底湾部15の曲率半径R4は46mmである。本実施形態における各寸法は一例であり当該各寸法は限定されるものではない。
1.5L用の本実施形態の樹脂製ボトル1の場合の各部間の寸法は次のとおりである。隆起部分21の頂部21aの直径φBは12.0mm〜13.0mmであることが好ましく、より好ましくは12.4mm〜12.9mmである。図3(a)を参照して、隆起部分21の頂部21aから接地部11までの軸方向寸法L2は4.00mm〜4.60mmであることが好ましい。隆起部分21の頂部21aから軸心部13までの軸方向寸法L3は0.60mm〜0.80mmであることが好ましく、より好ましくは0.70mm〜0.80mmである。
0.5mL用として構成された樹脂製ボトルの場合の各部間の寸法は次のとおりである。隆起部分21の頂部21aの直径φBは12.4mm〜12.9mmであることが好ましい。隆起部分21の頂部21aから各脚部10の接地部11までの軸方向寸法L2は2.9mm〜5.0mmであることが好ましく、より好ましくは2.9mm〜3.9mmである。隆起部分21の頂部21aから軸心部13までの軸方向寸法L3は0.6mm〜0.7mmであることが好ましい。
上記直径φB、軸方向寸法L2、及び軸方向寸法L3について、1.5L用と0.5mL用とを分けて示したが、これらの容量の樹脂製ボトル及びこれらとは異なる容量の樹脂製ボトルで、各部間の寸法は次の範囲とする。隆起部分21の頂部21aの直径φBの好ましい範囲は12.0mm〜13.0mmである。隆起部分21の頂部21aから各脚部10の接地部11までの軸方向寸法L2の好ましい範囲は2.9mm〜5.0mmである。隆起部分21の頂部21aから軸心部13までの軸方向寸法L3の好ましい範囲は0.6mm〜0.8mmである。
隆起部分21の頂部21aの直径φBが上限値を超すと、各脚部10が急な角度で立ち上がる形状となって屈曲度が大きくなり、下限値よりも小さいと、椀状の中央領域14の屈曲度が大きくなる。隆起部分21の頂部21aから各脚部10の接地部11までの軸方向寸法L2が上限値を超すと、各脚部10が急な角度で立ち上がる形状となって屈曲度が大きくなる。これら屈曲度が大きくなるいずれの場合にも、割れが生じやすくなる。軸方向寸法L2が下限値よりも小さければ、内圧によって中央領域14が垂れてきて、場合によっては各接地部11よりも下方へ飛び出し、ロッカーボトムになってしまう。隆起部分21の頂部21aから軸心部13までの軸方向寸法L3が上限値を超すと、椀状の中央領域14の屈曲度が大きくなり、下限値よりも小さいと、中央領域14の軸心部13が下方へ飛び出しやすくなり、ロッカーボトムを招く。
このように、底部5の中央領域14が容器内方に窪む椀状に形成されてゲート残部が無く、しかも底部5の中央領域14から各脚部10の接地部11に渡る脚内側領域20が滑らかに連続した曲率半径:5mm以上の複数の湾曲部によって構成されているため、全体として波型に滑らかな形状となっている。そのため、底湾部15を含み、中央領域14及び脚内側領域20の全域に渡って屈曲度が小さく、底面部12にかかる内圧がより多様な方向に分散される。また、中央領域14及び脚内側領域20の全てが延伸されやすくなっているため、当該両領域を延伸部分のみで構成できる。さらに、形状の影響による肉厚の変化を少なくすることができる。
本発明の樹脂製ボトル1によれば、中央領域14が容器内方に窪む椀状に形成されてゲート残部が無く、脚内側領域20が滑らかに連続した複数の湾曲部によって構成されているため、全体として波型となって滑らかな形状となる。そのため屈曲度が小さく、形状の影響による肉厚の変化も少ない。さらに、全域に渡って延伸され易くなり未延伸部分を無くすことができる。また、波型の形状をもつ底部にかかる内圧の方向がばらばらになる。従って、応力が分散し、底部の割れを防止することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本発明が適用される実施例1〜3として、それぞれ図4(a)〜(c)の要部輪郭図に示す形状の樹脂製ボトルを製作し、割れの評価試験を実施した。従来の形状を含む比較例1〜3として、図5(a)〜(c)の要部輪郭図に示す形状の樹脂製ボトルを製作し、同様に割れの評価試験を実施した。実施例1〜3の直径φB、軸方向寸法L2、及び軸方向寸法L3を表1に示す。比較例1及び2は、本発明と大きく異なる形状の樹脂製ボトルであり、比較例3は、隆起部分の頂部から各脚部の接地部までの軸方向寸法L2を本発明の適用範囲外とした樹脂製ボトルである。実施例1〜3及び比較例3の中央領域及び底面部における最小の曲率半径R2は以下のとおりである。実施例1のR2は5mm、実施例2のR2は11.5mm、実施例3のR2は5mmであり、比較例3のR12は5mmである。
比較例1及び2の樹脂製ボトルの中央領域は下方に凸状となっており、それぞれ最小の曲率半径R10は0.3mmであり、R11は0.3mmである。なお、実施例1〜3及び比較例1〜3の樹脂製ボトルは1.5L用であり、最大径は上記実施形態と同径の96.5mmである。図6は実施例1の樹脂製ボトルと比較例1の樹脂製ボトルの底部を並べて撮影した断面写真である。
割れの評価試験はカーター法を用い、各実施例及び各比較例を2個ずつ行った。カーター法による試験では、まず試験品を加湿し一旦内圧をかけ、その後、炭酸液を所定の圧力になるように充填して、この状態で苛性ソーダ溶液に浸漬して割れまでの時間を計測する。試験条件は次のとおりである。加湿条件:40℃、90%、20時間、加圧条件:7bar、30秒、充填圧力:5GV、苛性ソーダ濃度:0.2%。
各実施例及び各比較例のカーター法による試験結果を表1に示す。図7(a)は実施例1の試験後の樹脂製ボトルの底面写真であり、(b)は比較例1の試験後の樹脂製ボトルの底面写真である。
ゲート残部が残存する比較例1及び2では、割れるまでの時間が非常に短く、実施例1〜3では割れるまでの時間が最も短いものでも37分であった。特に実施例1の形状では2時間経過後も割れは起こらなかった。隆起部分の頂部から各脚部の接地部までの軸方向寸法L2を本発明の適用範囲外とした比較例3では、割れまでの時間が短くなっていることから、当該L2寸法は大きく影響を及ぼしているものと考えられる。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜3について、カーター法の条件を変えて割れ評価試験を実施した。各実施例及び各比較例を2個ずつ行った。試験条件は次のとおりである。加湿条件:水中、26時間、加圧条件:7bar、30秒、充填圧力:4GV、苛性ソーダ濃度:0.2%。試験結果を表2に示す。
実施例1、2では2時間経っても割れが見られず優位性が確認できた。また、実施例1〜3はいずれもひび程度に収まるが、比較例1〜3ではいずれも割れが認められた。
上記とは異なる寸法の実施例4、5及び比較例4の樹脂製ボトルを製作して、カーター法による割れ評価試験を実施した。いずれの例の樹脂製ボトルも500mL用として成形しており、ボトル本体の最大径は68.5mmである。実施例4、5では、隆起部分の頂部の直径φB、隆起部分の頂部から接地部までの軸方向寸法L2、隆起部分の頂部から軸心部までの軸方向寸法L3を、表3に示す寸法とした。比較例4は比較例1と同形状とした。
各実施例及び各比較例の底重量を変えて5個ずつ行った。底重量は厚みを変更して調整した。なお、底重量とはラベル添付領域の下端よりも底部側の重量のことである。実施した底重量は7g、6gである。それぞれ、実施例4−1、4−2、5−1、5−2、比較例4−1、4−2とした。試験条件は次のとおりである。加湿条件:無加湿、加圧条件:無加圧、充填圧力:5GV、苛性ソーダ濃度:0.2%。試験結果を表4に示す。
上記の実施例4−1、4−2、5−1、5−2、比較例4−1、4−2についてバースト試験を実施した。バースト試験は樹脂製ボトル内に送り込む空気圧を序々に上げていき破裂させる試験である。各例とも、加湿無しで50個実施した。試験結果を表5に示す。表5から、各実施例は比較例よりも高圧まで耐えることが認められる。
上記の実施例4−1、4−2、5−1、5−2、比較例4−1、4−2について落下試験を実施した。落下試験は樹脂製ボトルに内圧をかけた状態で、2mの高さから3回落下させて割れの状態を観察する試験である。各例の樹脂製ボトルに4GVで炭酸液を充填した状態で10個実施した。試験結果を表6に示す。表6から各実施例で比較例よりも割れにくいことがわかる。
さらに、実施例6として図8に示す底部形状を有する樹脂製ボトルを製作し、この試料についてカーター法による試験(加湿条件:40℃、90%、20時間、加圧条件:7bar、30秒、充填圧力:5GV、苛性ソーダ濃度:0.2%)、バースト試験、及び落下試験を実施した。実施例6の樹脂製ボトルの直径φBは12.4mmであり、軸方向寸法L2は2.9mmであり、軸方向寸法L3は0.6mmである。試験結果を表7に示す。
また、樹脂製ボトルの着色と上記の割れ現象に関して、無色透明の樹脂製ボトルの方が、有色の樹脂製ボトルよりも割れが生じにくい傾向にあることが判明しており、割れ現象の観点からは樹脂製ボトルを着色しない方が良好な結果を得ることができる。開示した実施形態及び実施例は本発明に係る樹脂製ボトルを例示したものであり制限的なものではない。樹脂製ボトルの形状、樹脂製ボトルの各部の寸法は適宜変更することができる。
1 樹脂製ボトル
2 口部
3 ボトル本体
4 胴部
5 底部
10 脚部
10a 外側面
11 接地部
12 底面部
13 軸心部
14 中央領域
15 底湾部
20 脚内側領域
21 隆起部分
22 弓状部分

Claims (3)

  1. 口部と、2軸延伸ブロー成形して得られるボトル本体とを備え、このボトル本体が胴部とこの胴部に連続して形成された底部とを有し、
    前記底部が、ゲート位置に対応する軸心部及びその周囲からなる中央領域と、この中央領域から放射状に膨出形成された複数の脚部とを有する樹脂製ボトルにおいて、
    前記底部の中央領域が容器内方に窪む椀状に形成されており、
    当該中央領域から前記各脚部先端の接地部に渡る脚内側領域が、滑らかに連続した曲率半径:5mm以上の複数の湾曲部によって構成されていることを特徴とする樹脂製ボトル。
  2. 前記複数の湾曲部は、前記中央領域に滑らかに連続し容器外方へ隆起する環状の隆起部分と、この隆起部分に連続する前記各脚部の弓状部分とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製ボトル。
  3. 前記隆起部分の頂部の直径が12.0mm〜13.0mmであり、この頂部から前記各脚部の接地部までの軸方向寸法が2.9mm〜5.0mmであり、この頂部から前記軸心部までの軸方向寸法が0.6mm〜0.8mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製ボトル。
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