JP2014172104A - ロボット制御装置及びロボット制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ロボットのアームを駆動するサーボモータをサーボロックする場合、速度ループゲインを下げるタイミングに遅れがなく、サーボロック期間中の騒音、発熱を抑制できるロボットの制御装置及びロボット制御方法を提供する。
【解決手段】
CPU91は複数の教示点に基づいて目標軌道を作成し、目標軌道に基づきサーボロックする関節軸とサーボロックする期間を検出する。CPU91は、目標軌道に基づき、サーボロックする関節軸のサーボモータ41〜47をサーボロックする期間が始まる直前に、速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻す。
【選択図】図2
ロボットのアームを駆動するサーボモータをサーボロックする場合、速度ループゲインを下げるタイミングに遅れがなく、サーボロック期間中の騒音、発熱を抑制できるロボットの制御装置及びロボット制御方法を提供する。
【解決手段】
CPU91は複数の教示点に基づいて目標軌道を作成し、目標軌道に基づきサーボロックする関節軸とサーボロックする期間を検出する。CPU91は、目標軌道に基づき、サーボロックする関節軸のサーボモータ41〜47をサーボロックする期間が始まる直前に、速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻す。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロボット制御装置及びロボット制御方法に関する。
ロボットのアームを駆動するサーボモータの制御では、サーボロックを行うことがある。位置制御系では、サーボロック中は現在位置を目標位置としているため、サーボモータは微少な領域で正転と逆転を繰り返している。このため、サーボモータに連係しているギヤは、噛み合っていないバックラッシュ領域を行き来するため、騒音、発熱が生ずる。この問題を解消するための技術として特許文献1の技術が公知である。
特許文献1では、工作機械の送り軸、或いは、ロボットのアームを駆動するサーボモータへの電流指令からサーボモータの加速度を推定するとともに、サーボモータの検出速度から実加速度を求め、実加速度と推定した加速度の比から、サーボモータの回転位置が該、サーボモータで駆動される機械系のバックラッシュ内であるか否かを判断し、バックラッシュ内であると判定したときは、速度ループゲインを下げ、バックラッシュ内でないときは速度ループゲインを上げるようにしている。
しかしながら、特許文献1では、サーボモータの回転位置がバックラッシュ領域内に入ってからでないと、バックラッシュ領域に入ったか否かを判定することができないため、速度ループゲインを下げるタイミングが遅れる問題がある。さらに、サーボモータの回転位置がバックラッシュ領域外に出たときでないと、バックラッシュ領域から出たことを判定することができないため、速度ループゲインを元に戻すタイミングが遅れる問題がある。この遅れによってサーボロック期間中の騒音、発熱の問題が依然として残る。
本発明の目的は、ロボットのアームを駆動するサーボモータをサーボロックする場合、速度ループゲインを下げるタイミングに遅れがなく、サーボロック期間中の騒音、発熱を抑制できるロボットの制御装置及びロボット制御方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本ロボット制御装置は、多関節ロボットの関節軸を駆動するサーボモータを、比例制御及び積分制御を備えた速度制御ループを含む制御部によりサーボ制御するロボット制御装置において、複数の教示点に基づいて目標軌道を作成する目標軌道作成部と、前記目標軌道に基づき、サーボロックする関節軸と前記サーボロックする期間を検出する検出部とを備え、前記制御部は、前記目標軌道に基づき、前記サーボロックする関節軸のサーボモータをサーボロックする期間が始まる直前に、前記速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、前記サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻すことを行うものである。
また、本ロボット制御方法は、多関節ロボットの関節軸を駆動するサーボモータを、比例制御及び積分制御を備えた速度制御ループを含む制御部によりサーボ制御するロボット制御方法において、複数の教示点に基づいて目標軌道を作成し、前記目標軌道に基づき、サーボロックする関節軸と前記サーボロックする期間を検出し、前記目標軌道に基づき、前記サーボロックする関節軸のサーボモータをサーボロックする期間が始まる直前に、前記速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、前記サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさ戻すことを行うものである。
本発明のロボットの制御装置及びロボット制御方法によれば、ロボットのアームを駆動するサーボモータをサーボロックする場合、速度ループゲインを下げるタイミングに遅れがなく、サーボロック期間中の騒音、発熱を抑制できる効果を奏する。
以下、本発明を具体化した一実施形態の7軸マニピュレータを制御するロボット制御装置及びロボット制御方法を図1〜図4を参照して説明する。
まず、本実施形態の作業自由度に対して冗長自由度を有するマニピュレータについて説明する。
まず、本実施形態の作業自由度に対して冗長自由度を有するマニピュレータについて説明する。
図1に示すように、マニピュレータ10は、8個のリンク11〜18が7個の関節21〜27により直列に連結されて形成されている。多関節ロボットであるマニピュレータ10は、7個の関節21〜27においてリンク12〜18が旋回することのできる7自由度(自由度n=7)を有するロボットであり、その作業空間の次元数(次元数m)は6であって、1(=n−m)の冗長性を有する。
第1リンク11は一端が床面FLに固定され、他端が第1関節21の一側に接続されている。第1関節21の他側には、第2リンク12の一端が接続され、第2リンク12の他端には第2関節22の一側が接続されている。以下同様に、第3リンク13、第4リンク14、第5リンク15、第6リンク16、第7リンク17及び第8リンク18が、それぞれ第3関節23、第4関節24、第5関節25、第6関節26及び第7関節27を介して順に連結されている。
第1関節21の他側は一側に対して、矢印31に示すように、図1において上下方向に延びる軸を中心に回転可能とされており、これにより、第2リンク12は隣接する第1リンク11に対して、第1関節21の回転軸(J1軸)を中心に矢印31方向に旋回可能である。
また、第2関節22の他側は一側に対して、矢印32に示すように、図1において紙面に垂直な方向に延びる軸(J2軸)を中心に回転可能とされている。これにより、第3リンク13は隣接する第2リンク12に対して、第2関節22の回転軸を中心に矢印32方向、すなわち、上下方向に回転可能である。
以下、第3関節23、第4関節24、第5関節25、第6関節26及び第7関節27についてもそれぞれ、回転可能とされており、第4リンク14、第5リンク15、第6リンク16、第7リンク17及び第8リンク18も、それぞれ関節23〜27の回転軸(J3軸〜J7軸)を中心に、矢印33〜37方向に旋回可能である。尚、本願の全体にわたって、第1関節21〜27を介して連結されているリンク11〜18同士を、互いに隣接するリンク11〜18という。また、J1軸〜J7軸は、関節軸に相当する。
なお、J2軸、J4軸及びJ6軸の回転方向は、図1に示すように、重力加速度が働く方向と一致している。
図1に示すように、第1関節21には第1サーボモータ41が取り付けられており、電力が供給されることにより、第2リンク12を図示しない減速機を介して第1リンク11に対して旋回させる。
図1に示すように、第1関節21には第1サーボモータ41が取り付けられており、電力が供給されることにより、第2リンク12を図示しない減速機を介して第1リンク11に対して旋回させる。
また、第2関節22には第2サーボモータ42が取り付けられており、電力が供給されることにより、第3リンク13を図示しない減速機を介して第2リンク12に対して旋回させる。以下、同様に、第3関節23、第4関節24、第5関節25、第6関節26及び第7関節27にはそれぞれサーボモータ43〜47が取り付けられており、電力が供給されることにより、各々リンク14〜18を図示しない減速機を介して旋回させる。
なお、各モータは、各関節内に設けられるが、図1では、説明の便宜上、関節とは分離して図示している。また、本実施形態では回転系アクチュエータ(以下、単にアクチュエータという)としてサーボモータであるACモータが使用されているが、限定されるものではない。
第8リンク18の先端には、エンドエフェクタとしてのツール49が取り付けられている。ツール49は第8リンク18とともに、第7関節27の回転軸(J7軸)を中心に図1に示すように矢印37方向に旋回可能とされている。ツール49は、例えば、ワーク等を把持可能なハンドである。なお、ツール49の種類は、本発明とは関係しないため、限定されるものではない。
上述したようにマニピュレータ10は、第1サーボモータ41〜第7サーボモータ47を駆動して第2リンク12〜第8リンク18を回転させることにより、第2リンク12〜第8リンク18の回転角度が累積して先端部にあるツール49に働くため、ツール49の先端の位置および姿勢を、その作業内容に応じた目標位置および目標姿勢に一致させることが可能である。
次に、図2を参照して、前記マニピュレータ10を制御するロボット制御装置としてのコントローラRCを中心とした多関節ロボットの電気的な構成を説明する。
コントローラRCは、コンピュータ90と、コンピュータ90に電気的に接続されたPWMジェネレータ51〜57と、PWMジェネレータ51〜57に電気的に接続されたサーボアンプ61〜67を有する。各サーボアンプ61〜67はそれぞれ第1サーボモータ41〜第7サーボモータ47に電気的に接続されている。
コントローラRCは、コンピュータ90と、コンピュータ90に電気的に接続されたPWMジェネレータ51〜57と、PWMジェネレータ51〜57に電気的に接続されたサーボアンプ61〜67を有する。各サーボアンプ61〜67はそれぞれ第1サーボモータ41〜第7サーボモータ47に電気的に接続されている。
コンピュータ90は、制御指令をPWMジェネレータ51〜57に出力し、PWMジェネレータ51〜57は、当該制御指令に基づいてPWM信号をサーボアンプ61〜67に出力する。サーボアンプ61〜67は、その出力に応じてサーボモータ41〜47を作動させることにより、各リンク12〜18を回転させる。
前記サーボモータ41〜47にはロータリエンコーダ71〜77が内蔵されており、インターフェイス80を介してコンピュータ90と接続されている。ロータリエンコーダ71〜77は、各々のサーボモータ41〜47の回動角度を検出することにより、すなわち、リンク12〜18のそれぞれが隣接するリンク11〜17に対する回転角度(なお、関節軸の関節角度ということがある)を検出して、その検出信号をコントローラRCに送信する。ロータリエンコーダ71〜77は、回転角度検出器に相当する。なお、回転角度検出器としては、ロータリエンコーダに限定するものではなく、レゾルバ、或いは、ポテンショメータであってもよい。
なお、第1サーボモータ41〜第7サーボモータ47に対してロータリエンコーダ71〜77を設ける代わりに、リンク11〜18または第1関節21〜第7関節27に、リンク11〜18の回転角度(関節軸の関節角度)を直接に検出可能なセンサを取り付けてもよい。
前記コンピュータ90は、CPU91、ROM92、RAM93、及びハードディスク等の不揮発性の記憶部94、及びインターフェイス95等を備え、バス96を介して電気的に接続されている。
記憶部94には、各種データ、ロボットに各種作業を行わせるための作業プログラム、各種パラメータ等が記憶されている。作業プログラムは、教示ステップ(教示により記述されたプログラムの行)毎に、教示点、動作指令或いは各種動作条件等のパラメータが記述されている。
本実施形態のロボットは、ティーチングプレイバック方式で作動するロボットであり、前記作業プログラムが実行されることにより、前記マニピュレータ10が動作する。ROM92は、システム全体のシステムプログラムが記憶されている。RAM93は、CPU91の作業用のメモリであって、各種演算等が実行されるときに一時的にデータが格納される。CPU91は、目標軌道作成部、検出部、及び制御部に相当する。
コントローラRCには入力装置82が前記インターフェイス95を介して接続されている。入力装置82は、図示しないモニター画面及び各種入力キー等を有する操作盤であり、ユーザーが各種のデータを入力操作可能とされている。入力装置82は、多関節ロボットの電源スイッチが設けられるとともに、コンピュータ90に対して、マニピュレータ10の先端部にあるツール49の先端(以下、手先という)の最終目標位置および最終目標姿勢、ツール49の先端の補間点における位置および姿勢の入力、並びに、冗長性を利用したマニピュレータ10の姿勢変更のためのジョグ操作等による入力が可能となっている。
(実施形態の作用)
次に、本実施形態による多関節ロボットのコントローラRCにおける作業プログラム再生のフローチャートを図3を参照して説明する。
次に、本実施形態による多関節ロボットのコントローラRCにおける作業プログラム再生のフローチャートを図3を参照して説明する。
(S10)
CPU91は、まず記憶部94から作業プログラムのプログラム行を読込みする。
(S20)
S20では、CPU91は、読込みしたプログラム行に動作指令、教示点、姿勢が記述されているか否かを判定する。なければ、S80に移行する。動作指令及び教示点が記述された行があればS30に移行する。
CPU91は、まず記憶部94から作業プログラムのプログラム行を読込みする。
(S20)
S20では、CPU91は、読込みしたプログラム行に動作指令、教示点、姿勢が記述されているか否かを判定する。なければ、S80に移行する。動作指令及び教示点が記述された行があればS30に移行する。
(S30)
CPU91は、プログラム行に記述された行の軌道計画を行う。すなわち、CPU91は、前記プログラム行に記述されている教示点及び姿勢に基づいて目標軌道を設定する。また、CPU91は、図示しない補間周期カウンタをゼロに設定する。
CPU91は、プログラム行に記述された行の軌道計画を行う。すなわち、CPU91は、前記プログラム行に記述されている教示点及び姿勢に基づいて目標軌道を設定する。また、CPU91は、図示しない補間周期カウンタをゼロに設定する。
(S40)
S40では、CPU91は補間が終了したか否かを判定する。
すなわち、前記補間周期カウンタと軌道計画で定められた補間点数とを比較し、補間周期カウンタが補間点数以上ならば、その行の動作は終了したことになり、処理はS10に戻って次に選択される行を実行する。一方、補間周期カウンタが補間点数未満の場合は、その行の動作は終了しておらず、次のS50の処理に移行する。
S40では、CPU91は補間が終了したか否かを判定する。
すなわち、前記補間周期カウンタと軌道計画で定められた補間点数とを比較し、補間周期カウンタが補間点数以上ならば、その行の動作は終了したことになり、処理はS10に戻って次に選択される行を実行する。一方、補間周期カウンタが補間点数未満の場合は、その行の動作は終了しておらず、次のS50の処理に移行する。
(S50)
S50では、CPU91は、動作補間を行う。CPU91は、前記軌道計画に基づいて、補間周期毎のツール49(エンドエフェクタ)の目標位置を作成する。
S50では、CPU91は、動作補間を行う。CPU91は、前記軌道計画に基づいて、補間周期毎のツール49(エンドエフェクタ)の目標位置を作成する。
(S60)
S60では、CPU91は、前記目標軌道上の各点(なお、各点には教示点及び補間点を含む)における手先位置姿勢から関節角度を求めるために各関節軸の回転角度の逆変換演算を行う。なお、冗長ロボットにおける各関節軸の回転角度の逆変換演算は公知であるため、説明を省略する。
S60では、CPU91は、前記目標軌道上の各点(なお、各点には教示点及び補間点を含む)における手先位置姿勢から関節角度を求めるために各関節軸の回転角度の逆変換演算を行う。なお、冗長ロボットにおける各関節軸の回転角度の逆変換演算は公知であるため、説明を省略する。
(S70)
S70では前記7軸の関節軸に対して、S60で求めた関節角度に基づく制御指令を生成して当該関節軸のサーボモータを制御する。
S70では前記7軸の関節軸に対して、S60で求めた関節角度に基づく制御指令を生成して当該関節軸のサーボモータを制御する。
すなわち、S70では、サーボロックする関節軸のサーボモータに対して後述するサーボロックを行う。また、サーボロックを行わない関節軸のサーボモータに対しては、通常のモータ制御を行う。
また、CPU91は、補間周期カウンタに1を加算して、S40に戻る。
(S80)
S20からS80に移行した場合には、全軸に対して、後述するサーボロックを開始してこの作業プログラム再生を終了する。
(S80)
S20からS80に移行した場合には、全軸に対して、後述するサーボロックを開始してこの作業プログラム再生を終了する。
(位置制御、速度制御及び電流制御)
次に、サーボモータの制御、すなわち、前記制御指令、すなわち位置指令θs*に基づく位置制御、速度制御及び電流制御について図4を参照して説明する。
次に、サーボモータの制御、すなわち、前記制御指令、すなわち位置指令θs*に基づく位置制御、速度制御及び電流制御について図4を参照して説明する。
図4に示すように、CPU91は、位置制御部110、速度制御部120及び電流制御部130としてそれぞれ位置制御、速度制御及び電流制御を実行する。なお、図4は、一点鎖線から左側は、コントローラRC側の動作を表わし、右側は、サーボモータ側の動作を表わしている。
図4に示すように、CPU91が、RAM93に格納された作業プログラムに記述されているエンドエフェクタ(ツール49)の目標位置及び目標姿勢に基づいて逆変換演算を行って求めた各サーボモータの回転位置を位置指令θs*とする。
この位置指令θs*と、ロータリエンコーダ71〜77にて求めた各サーボモータ41〜47の実位置θkとの偏差を算出する。なお、前記ロータリエンコーダ71〜77は作業プログラムでの制御周期よりも、十分に短い検出周期で回転角度(すなわち、関節角度)を検出している。
そして、この算出した位置偏差に、位置制御部110では、P制御(比例制御)にて、予め設定されている位置ゲインK0を乗じて、サーボモータの目標速度(速度指令ωs*)を算出する。位置ゲインK0は、位置制御ループのゲインである。
さらにこの速度指令ωs*と、実位置θkから求められた各サーボモータ41〜47の実速度ωとの速度偏差に、速度制御部120では、PI制御により、予め設定されている所定の速度ゲインK1又は速度ゲインK10を乗じて、各サーボモータ41〜47に対する電流指令iq*を算出し、この電流指令iq*を電流制御部130に出力する。ここでは、実速度ωがフィードバックされた速度制御ループが構成されている。速度ゲインK1又は速度ゲインK10は速度ループゲインに相当する。
速度ゲインK1は、サーボロックを行わないときのゲインであって、PI制御における比例制御の比例ゲイン、及び積分制御の積分ゲインを総合したものであり、各ゲインは予め設定されたものである。
速度ゲインK10は、サーボロックを行うときのゲインであって、前記サーボロックを行わないときの速度ゲインK1よりも小さい値である。速度ゲインK10は、サーボロックを行わない場合の速度ゲインK1の比例制御の比例ゲイン及び積分制御の積分ゲインのうち、少なくともいずれか一方のゲインを小さくしたものである。
ここで、サーボロックを行うときの速度ゲインK10は、サーボロックする期間が始まる直前に、前記速度ゲインK1に切替える。サーボロックする期間が始まる直前とは、サーボロックする期間が始まる少なくとも1つ手前の補間周期であるが、1又は2つ手前が好ましい。
また、速度ゲインK10から速度ゲインK1への切り替えは、サーボロックする期間経過完了直後に行う。サーボロックする期間経過完了直後とは、サーボロックする期間経過が完了した直後の補間周期である。
また、電流制御部130は、図示しない電流検出回路にて検出されるとともにA/D変換された各サーボモータ41〜47の各相の相電流(実電流iq)と前記電流指令iq*の電流偏差を取り込む。また、電流制御部130は後述する制御フローチャートの実行時のために実電流iqを取り込む。なお、図4において、実電流をA/D変換にて取り込むブロックに記載のKは、実電流をデジタル値に変換する際の変換定数を表わす。
電流制御部130は、速度制御部120からの電流指令iq*と、実電流iqの偏差を入力してPI制御を行う。ここでの電流制御部130が行うPI制御での所定のゲインK2は、PI制御における比例制御の比例ゲインKp、及び積分制御の積分ゲインKIを総合したものである。
電流制御部130は、前記PI制御により算出した制御指令を図2に示すPWMジェネレータ51〜57に出力する。
前記制御指令が図2に示すPWMジェネレータ51〜57に出力されると、PWMジェネレータ51〜57はPWM信号を生成する。
前記制御指令が図2に示すPWMジェネレータ51〜57に出力されると、PWMジェネレータ51〜57はPWM信号を生成する。
そして、PWMジェネレータ51〜57は生成したPWM信号を各サーボアンプ61〜67に出力して、各サーボモータ41〜47の通電電流を制御する。
この結果、各サーボモータ41〜47のモータ巻線には、各サーボアンプ61〜67から、PWM信号に応じて駆動電圧が印加され、モータ巻線の端子電圧は、この駆動電圧と、モータの回転角速度に逆起電力定数Keを乗じて得られる逆起電圧とを合成した電圧となる。そして、各モータ巻線には、この端子電圧に、モータインダクタンスL及びモータ抵抗Rをパラメータとする係数{1/(R+Ls)}を乗じた電流(つまり実電流)が流れる。
この結果、各サーボモータ41〜47のモータ巻線には、各サーボアンプ61〜67から、PWM信号に応じて駆動電圧が印加され、モータ巻線の端子電圧は、この駆動電圧と、モータの回転角速度に逆起電力定数Keを乗じて得られる逆起電圧とを合成した電圧となる。そして、各モータ巻線には、この端子電圧に、モータインダクタンスL及びモータ抵抗Rをパラメータとする係数{1/(R+Ls)}を乗じた電流(つまり実電流)が流れる。
また、モータ巻線に電流が流れると、各サーボモータ41〜47においては、回転子に、実電流とトルク定数Ktとにより決定されるモータトルクTMが発生し、モータ軸のイナーシャJによる遅れ(1/J)を伴って回転角加速度が発生し、その回転角加速度を積分(1/s)した回転速度に制御される。そして、この回転速度を積分(1/s)した回転位置が、各サーボモータ41〜47に設けられたロータリエンコーダ等のセンサにて検出され、その検出信号がコントローラRC内にフィードバックされる。
このようにして、コントローラRCは、各サーボモータ41〜47の回転位置,速度をフィードバック制御するサーボ系の制御装置として構成され、各サーボモータ41〜47の回転位置、及びツール49の位置を制御する。
本実施形態では、上記のようにサーボロックする関節軸は、予め目標軌道設定により分かるため、マニピュレータ10が作動する際は、上記の方法により、当該サーボロックする対象の関節軸のサーボモータ41〜47は、サーボロックする期間が始まる直前から始まって、サーボロックの期間完了直後までは、サーボロックを行わないときの速度ゲインK1よりも小さい値となる。従って、ロボットのアームを駆動するサーボモータ41〜47をサーボロックする場合、速度ゲインを下げるタイミングに遅れがなく、サーボロックする期間中の騒音、発熱を抑制できる。
このような作業プログラムは、例えば、PTP(point to point)動作が要求される場合において、マニピュレータの教示点から教示点への移動が迅速に行われるため有効である。また、作業プログラムとして、PTP(point to point)動作以外の動作においても、7軸ロボットを6軸ロボットとして使用させたい場合にも有効である。
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1) 本実施形態のロボットの制御装置は、多関節ロボットのJ1軸〜J7軸(関節軸)を駆動するサーボモータ41〜47を、比例制御及び積分制御を備えた速度制御ループを含むCPU91(制御部)によりサーボ制御する。そして、CPU91は、複数の教示点に基づいて目標軌道を作成する目標軌道作成部と、前記目標軌道に基づき、サーボロックする関節軸と前記サーボロックする期間を検出する検出部の機能を備える。また、CPU91(制御部)は、目標軌道に基づき、サーボロックするJ1軸〜J7軸(関節軸)のサーボモータ41〜47をサーボロックする期間が始まる直前に、速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻す。
(1) 本実施形態のロボットの制御装置は、多関節ロボットのJ1軸〜J7軸(関節軸)を駆動するサーボモータ41〜47を、比例制御及び積分制御を備えた速度制御ループを含むCPU91(制御部)によりサーボ制御する。そして、CPU91は、複数の教示点に基づいて目標軌道を作成する目標軌道作成部と、前記目標軌道に基づき、サーボロックする関節軸と前記サーボロックする期間を検出する検出部の機能を備える。また、CPU91(制御部)は、目標軌道に基づき、サーボロックするJ1軸〜J7軸(関節軸)のサーボモータ41〜47をサーボロックする期間が始まる直前に、速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻す。
この結果、本実施形態によれば、ロボットのアームを駆動するサーボモータをサーボロックする場合、速度ループゲインを下げるタイミングに遅れがなく、サーボロック期間中の騒音、発熱を抑制できる効果を奏する。
(2) 本ロボット制御方法は、多関節ロボットのJ1軸〜J7軸(関節軸)を駆動するサーボモータ41〜47を、比例制御及び積分制御を備えた速度制御ループを含むCPU91(制御部)によりサーボ制御する。そして、本ロボット制御方法は、複数の教示点に基づいて目標軌道を作成し、目標軌道に基づき、サーボロックするJ1軸〜J7軸(関節軸)とサーボロックする期間を検出し、前記目標軌道に基づき、前記サーボロックするJ1軸〜J7軸(関節軸)のサーボモータ41〜47をサーボロックする期間が始まる直前に、速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくする。また、サーボロックする期間経過完了直後に、小さくしたゲインを元の大きさ戻す。
この結果、本実施形態のロボット制御方法によれば、ロボットのアームを駆動するサーボモータをサーボロックする場合、速度ループゲインを下げるタイミングに遅れがなく、サーボロック期間中の騒音、発熱を抑制できる効果を奏する。
(3) 本実施形態において、冗長自由度を有するマニピュレータの場合、エンドエフェクタの位置姿勢は変わらず、リンク位置姿勢のみが変化することもある。この場合、特定の関節軸のサーボモータをサーボロックすることが多くなる。
このような場合、本実施形態によれば、サーボロック期間中は、サーボロックするJ1軸〜J7軸(関節軸)のサーボモータ41〜47をサーボロックする期間が始まる直前に、速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻す。このため、冗長性を有するマニピュレータにおいて、上記(1)、又は(2)の効果を享受できることになる。
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・ 前記実施形態では、7軸マニピュレータのロボット制御装置に具体化したが、6軸以下のマニピュレータを制御するロボット制御装置、または8軸以上のマニピュレータを制御するロボット制御装置に具体化してもよい。
・ 前記実施形態では、7軸マニピュレータのロボット制御装置に具体化したが、6軸以下のマニピュレータを制御するロボット制御装置、または8軸以上のマニピュレータを制御するロボット制御装置に具体化してもよい。
すなわち、6軸以下のマニピュレータの場合、サーボロックする関節軸を、作業プログラムに基づく目標軌道の作成時に、作成した目標軌道に基づいてサーボロックする関節軸のサーボモータをCPUは検出できるため、このサーボロックする対象の関節軸に対して、前記実施形態と同様に、サーボロックする関節軸のサーボモータをサーボロックする期間が始まる直前に、速度制御ループの速度ループゲインの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、前記サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻すようにすればよい。
また、8軸以上のマニピュレータを制御するロボット制御装置においても、前記7軸ロボットと同様に、サーボロックする関節軸は目標軌道で分かるため、当該サーボロックするた対象の関節軸をサーボロックする場合、そのサーボロックする期間が始まる直前に速度ループゲインを小さくし、サーボロックする期間の経過完了直後において、速度ループゲインを元に戻すようにしてもよい。
・ 前記実施形態では、サーボモータをACモータとしたが、DCモータに変更してもよい。
・ 前記実施形態では、電流制御部130は、PI制御を行うようにしたが、PID制御を行うようにしてもよい。
・ 前記実施形態では、電流制御部130は、PI制御を行うようにしたが、PID制御を行うようにしてもよい。
RC…コントローラ(ロボット制御装置)、
10…マニピュレータ、41〜47…サーボモータ、
91…CPU(目標軌道作成部、検出部、及び制御部)。
10…マニピュレータ、41〜47…サーボモータ、
91…CPU(目標軌道作成部、検出部、及び制御部)。
Claims (2)
- 多関節ロボットの関節軸を駆動するサーボモータを、比例制御及び積分制御を備えた速度制御ループを含む制御部によりサーボ制御するロボット制御装置において、
複数の教示点に基づいて目標軌道を作成する目標軌道作成部と、
前記目標軌道に基づき、サーボロックする関節軸と前記サーボロックする期間を検出する検出部とを備え、
前記制御部は、前記目標軌道に基づき、前記サーボロックする関節軸のサーボモータをサーボロックする期間が始まる直前に、前記速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、
前記サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻すことを行うロボット制御装置。 - 多関節ロボットの関節軸を駆動するサーボモータを、比例制御及び積分制御を備えた速度制御ループを含む制御部によりサーボ制御するロボット制御方法において、
複数の教示点に基づいて目標軌道を作成し、
前記目標軌道に基づき、サーボロックする関節軸と前記サーボロックする期間を検出し、
前記目標軌道に基づき、前記サーボロックする関節軸のサーボモータをサーボロックする期間が始まる直前に、前記速度制御ループの比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方のゲインをサーボロックする期間に入る前の値より小さくし、
前記サーボロックする期間経過完了直後に、前記小さくしたゲインを元の大きさに戻すことを行うロボット制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013044203A JP2014172104A (ja) | 2013-03-06 | 2013-03-06 | ロボット制御装置及びロボット制御方法 |
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JP (1) | JP2014172104A (ja) |
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CN111745646A (zh) * | 2020-06-10 | 2020-10-09 | 杭州凯尔达机器人科技股份有限公司 | 机器人伺服电机增益参数控制方法及系统 |
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2013
- 2013-03-06 JP JP2013044203A patent/JP2014172104A/ja active Pending
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CN111745646B (zh) * | 2020-06-10 | 2021-12-24 | 杭州凯尔达机器人科技股份有限公司 | 机器人伺服电机增益参数控制方法及系统 |
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