JP2014171349A - 電磁回転装置 - Google Patents

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JP2014171349A JP2013042657A JP2013042657A JP2014171349A JP 2014171349 A JP2014171349 A JP 2014171349A JP 2013042657 A JP2013042657 A JP 2013042657A JP 2013042657 A JP2013042657 A JP 2013042657A JP 2014171349 A JP2014171349 A JP 2014171349A
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Yasuaki Imai
康章 今井
Masachika Nishimura
政親 西村
Masahiro Ishihara
正浩 石原
Hideto Matsuda
英人 松田
Noriyuki Sato
慶行 佐藤
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Abstract

【課題】モータの駆動安定性を確保しつつ低コストな電磁回転装置を実現するものである。
【解決手段】 回転軸11を有する回転子を取り囲むように設けられた一対のマグネット15と、前記一対のマグネット15の外周を取り囲むように覆うケース16と、前記一対のマグネット15間のうち一方側の隙間に設けられるマグネットピン(バネ部材)30とを備え、前記ケース16には、前記一対のマグネット15間のうち他方側の隙間に対して前記ケース16の一部を切り曲げてなる切り曲げ部160が設けられ、前記一対のマグネット15間のうち前記一方側の隙間に対向するケース部分を通る磁束と、前記他方側の隙間に対向するケース部分を通る磁束とが略同等の磁束密度である電磁回転装置1とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、DCモータ等の電磁回転装置に関する。
従来から、電磁回転装置の構造としては、回転軸と、この回転軸に固定されるロータコアと、ロータコアに対向して周方向に配置される複数のマグネットと、マグネットの周囲を覆うケースとを有するものが知られている。
ところで、この種の構造では、一般的に、マグネットを固定するため、例えば、接着剤を用いたり、あるいはロータのケース内周面にマグネットを固定するための構造を別途設けたりしている。
なお、ロータのケース内においてマグネットを固定する構造としては、例えば、一対のマグネットの対向する一端部間にマグネット固定部材を設け、このマグネット固定部材によって付勢される一対のマグネットの対向する他端部間を、ケースの一部を切り曲げた一対の切り起し部に当接させる構造が知られている(特許文献1参照)。このマグネット固定構造によれば、ケースの一部を切り曲げてマグネットを保持する構造であるので、低コスト化を図ることができる。
実公平8−3152号公報
しかしながら、一対のマグネットの対向する一端部間にマグネット固定部材を配置し、一対のマグネットの対向する他端部間だけ一対の切り起し部を設けた構造の場合、ケースを通る磁束の流れが複雑化し、モータの駆動が不安定となる虞れや、あるいは、磁気的な飽和が発生し、モータの発生トルクを下げる虞れがある。
本発明は、上述した事情に鑑み、モータの安定駆動を確保しつつ回転トルクの低下を防止し、且つ低コストな電磁回転装置を実現するものである。
本発明は、回転軸を有する回転子を取り囲むように設けられた一対のマグネットと、前記一対のマグネットの外周を取り囲むように覆うケースと、前記一対のマグネット間のうち一方側の隙間に設けられるバネ部材とを備え、前記ケースには、前記一対のマグネット間のうち他方側の隙間に対して前記ケースの一部を切り曲げてなる切り曲げ部が設けられ、前記一対のマグネット間のうち前記一方側の隙間に対向するケース部分を通る磁束と、前記他方側の隙間に対向するケース部分を通る磁束とが略同等の磁束密度であることを特徴とする電磁回転装置にある。
本発明によれば、モータの安定駆動を確保しつつ回転トルクの低下を防止し、且つ低コストな電磁回転装置を実現することができる。
本発明の実施形態1に係る電磁回転装置の分解斜視図。 本発明の実施形態1に係る電磁回転装置の概略を示す断面図及び断面図。 実施形態1に係る電磁回転装置における切り曲げ部の長/ケース長さと逆起定数の関係を示す図。 本発明の実施形態2に係る電磁回転装置の概略を示す側面図及び断面図。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る電磁回転装置の分解斜視図であり、図2は、図1の断面図及び側面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の電磁回転機1は、電磁力モータであり、回転軸(シャフト)11に固定されるロータコア(積層コア)12等を有するロータユニット13と、このロータユニット13を保持するブラシホルダ14と、ロータコア12をその外周側から取り囲む一対の円弧状マグネット15とが円弧状のケース(筒状ケース)16内に収容される構成を有する。なお、電磁回転機1のブラシホルダ14側の端面側には、図示しないが、外部接続用コネクタを有する基板やリード線が装着される。
ここで、電磁回転機1の駆動部を構成するロータユニット13は、回転軸11と、ロー
タコア12と、ロータコア12の両端部にそれぞれ装着される一組のインシュレータ(絶
縁体)17とを有する。そして、ロータユニット13には、ロータコア12に装着された一組のインシュレータ17の上から線材17aが巻かれる。
また、ロータユニット13の一端部側は、ブラシホルダ14に保持され、その状態で、ロータユニット13から突出する回転軸11の一端部は、コンミテータ(整流子)18、軸受20を介してブラシホルダ14の挿通孔に挿入される。このコンミテータ18は、不図示のコンミテータ端子に半田付けされるバリスタと共に回転軸11に固着されている。なお、ロータユニット13の他端部側の回転軸11は、軸受20を介してケースの軸挿入穴(天面孔)に挿入保持される。また、ケース16の軸挿入穴16aから突出する回転軸11の先端部には、歯車(ギア)が圧入され、図示しないが外部に動力を伝達するようになっている。
さらに、このようなロータユニット13を保持するブラシホルダ14には、ロータユニット13の回転軸11に装着されたコンミテータ18に対して電気的に接続される一組のブラシ24がそれぞれ保持される。具体的には、図1に示すように、各ブラシ24は、弾性変形する板ばね部材からなるブラシアーム(ブラシ支持体)の先端にそれぞれ固定される。また、各ブラシアームの基端側はユニットホルダ14にそれぞれ装着固定される。そして、一組のブラシ24は、各ブラシアームの弾性変形によってコンミテータ18をその径方向両側から挟みこむ構成となっている。これにより、コンミテータ18が回転すると、一組のブラシ24がコンミテータ18に電気的に接続されて、不図示の巻き線の各相に順次電流を流し、後述する一対の円弧状マグネット15の内側でロータユニット13が回転する。なお、ブラシアームの背面には、防振ゴムが貼着されている。
ここで、このような電磁回転機1においては、上述したように、ロータコア12の外周側に一対のマグネット、本実施形態では一対の円弧状マグネット15が配置されている。すなわち、一対の円弧状マグネット15は、ケース16とロータコア12との間に配置される。そして、これら一対の円弧状マグネット15は、永久磁石からなり、ロータコア12に対して回転磁力を生じさせる磁力発生手段となる。なお、本実施形態では、一対の円弧状マグネット15は、S極側に配置される第1マグネットと、N極側に配置される第2マグネットとから構成、すなわち、S極及びN極に二分割された円弧状マグネットによって構成した。
また、図1及び図2に示すように、このような一対の円弧状マグネット15のうち隣接する一端部間(一方側の隙間)には、対向する一対の円弧状マグネット15をケース16の内周に沿って離間する方向に付勢する付勢手段となるマグネットピン(バネ部材)30が配置されている。すなわち、マグネットピン30は、ケース16内に配置される一対の円弧状マグネット15の各一端部とケース16とで画成される隙間に圧入固定される。なお、このマグネットピン30は、例えば、本実施形態では、金属製の細長い板状部材を折り曲げて嘴形状に加工したものを用いた。
一方、図1及び図2に示すように、一対の円弧状マグネット15のうち隣接する他端部(他方側の隙間)には、ケース16の一部が切り曲げられた切り曲げ部160が配置される。具体的には、ケース16の胴部分には、ロータユニット13側である内側に切り曲げられた一対の切り曲げ部160が設けられている。この一対の切り曲げ部160は、マグネットピン30で付勢された一対の円弧状マグネット15を受ける。すなわち、一対の円弧状マグネット15は、ケース16内に挿入された後、上記一方側の隙間にマグネットピン30が圧入固定されることにより、回転軸11の回転方向において、マグネットピン30の付勢力を受けてマグネットピン30と一対の切り曲げ部160との間で実質的に把持固定される。
なお、上述した構成の電磁回転機1のケース16の外側(胴回り)には、筒状部材として、スリット部41を有する板状(帯状)の補助ヨーク(被覆部材)40が装着される(図1)。このような補助ヨーク40をケース16の外周に嵌合して磁束Mの通り道を作ることにより、漏れ磁束を少なくできるため、トルクアップを図ることができる。
このような補助ヨーク40は、周方向の一部を不連続とするスリット部41と、ケース16の外周面に係合する係合部となる凸部42とを有する。この凸部42としては、例えば、本実施形態では、円形の凸部42とした。一方、ケース16の外周面には、図示しない凹部が設けられている。すなわち、補助ヨーク40の凸部42と、ケース16の凹部とを係合することで、補助ヨーク40をケース16の外周に位置決め固定することができる。
このような補助ヨーク40とケース16との係合位置、すなわち、両部材の相対的な位置決め固定位置は、スリット部41を係合の位置基準として、補助ヨーク40の端部(縁部を含む)を除いた中央領域内に対応して設けられている。特に、補助ヨーク40とケース16との係合位置は、スリット部41に対向する中央領域内であって且つスリット部41との対称位置とするのが望ましい。本実施形態では、補助ヨーク40とケース16との係合位置を、スリット部41に対向する中央領域の対称位置(補助ヨーク40の幅方向中央部且つ周方向中央部)とした。これにより、補助ヨーク40全体の方向性が実質的に無くなり、ケース16に対する組立性を格段に向上することができる。なお、補助ヨーク40のケース16に対する位置決め用の係合部(凸部42)の位置は、少なくとも補助ヨーク40の幅方向又は周方向での方向性を無くすることができれば、組立性の向上に寄与するため、必ずしも、補助ヨーク40の形状における完全な対称位置でなくてもよい。
また、補助ヨーク40とケース16との係合位置は、一対の円弧状マグネット15の隣接する端部間を除いた当該一対の円弧状マグネット15に対向する位置に設けられている。これは、補助ヨーク40とケース16との係合部分で、各マグネット15の間隙に対応する磁束Mの通り道を阻害することを防ぐためである。但し、補助ヨーク40とケース16との係合部分を小さくすれば、各マグネット15の間隙に対応して設けてもよい。
なお、このように、本実施形態では、ケース16の外周に補助ヨーク40を環状に装着することで、磁束Mの通り道を実質的に広くして磁気抵抗を下げることができる。また、本実施形態では補助ヨーク40を設けた構造を説明したが、必要なトルクが得られるのであれば補助ヨーク40を設けなくてもよい。
ここで、図1のように一対の円弧状マグネット15をケース16内で固定化すると、マグネットピン30が1つで済むため、部品点数が少なくコスト的にも有利である。また、ケース16の外周に形成した切り曲げ部160によって磁気回路の一部が切り欠かれることになるが、回転トルクを発生させるギャップ(一対のマグネット15からロータコア12間)の磁束密度の低下を防止するため、本実施形態では、一対の円弧状マグネット15間のうち一方側の隙間(マグネットピン30)に対向するケース部分を通る磁束Mと、他方側の隙間(切り曲げ部160)に対向するケース部分を通る磁束Mとを略同等の磁束密度となるようにした。
ここで、本実施形態のように、一対の円弧状マグネット15の一方側の隙間にマグネットピン30を設けて他方側の隙間に切り曲げ部160を設けた構造において、一対の円弧状マグネット15の各隙間に対応するケース部分それぞれを通る磁束Mの磁束密度を略同等とするとは、例えば、一対の円弧状マグネット15の各隙間に対応するケース部分それぞれを通る磁束Mの磁束密度を、ケース16の材料特性が持つ飽和磁束密度より小さくする、ということである。マグネットピン30で付勢する一対の円弧状マグネット15の隙間側に対応するケース16の断面積をSp、通る磁束量をΦp、磁気抵抗をRp、切り曲げ部160のある隙間側のケース16の断面積をSc、通る磁束量をΦc、磁気抵抗をRc、材料の飽和磁束密度をBs、とすると、以下の関係式(1)、(2)、(3)を満たす。
Φp/Sp < Bs、 Φc/Sc < Bs ・・・式(1)
Φp+Φc≒マグネット15の発生磁束量 ・・・式(2)
Rp:Rc≒Φc:Φp(Φc×Rc≒Rp×Φp) ・・・式(3)
なお、本実施形態では、例えば、ケース16の寸法(あるいは補助ヨーク40を含めた寸法)、ケース16における切り曲げ部160の長さ、ケース16の断面積、補助ヨーク40を設ける場合にはケース16及び補助ヨーク40の総断面積を最適化することにより、一対の円弧状マグネット15の各隙間に対応するケース部分それぞれを通る磁束Mの磁束密度が略同等となる。
例えば、本実施形態では、ケース16の切り曲げ部160の長さ(図2に示す回転軸11の軸方向の長さX)は、モータの磁気回路を構成するケース16や補助ヨーク40の断面内で磁気的な飽和が発生しない程度の長さにとどめた。このため、一対の円弧状マグネット15間のうち一方側の隙間に対向するケース部分を通る磁束Mと、他方側の隙間に対向するケース部分を通る磁束Mとが略同等の磁束密度になる。そして、磁気飽和が発生しないため、円弧状マグネット15から発生する磁束Mは、ケース16や補助ヨーク40の断面を通って元の円弧状マグネット15まで実質的に戻ることができる。すなわち、本実施形態では、一対の円弧状マグネット15をマグネットピン30で付勢して切り曲げ部160で受ける構造をとることで低コスト化を図りつつ、回転トルクを落とさないでマグネットを固定保持する構成が可能である。
また、本実施形態では、上述したように、ケース16の外周の一部に補助ヨーク40を嵌めている。図2においては、一対の切り曲げ部160を説明するために、補助ヨーク40は破線で示す。そして、本実施形態では、切り曲げ部の長さXは、ケース16の長さ(図2に示す回転軸11の軸方向の長さY)の約25%以下としている。これにより、切り曲げ部の長さXを含むケース16と補助ヨーク40との断面部(図2のA−A断面)における磁気的飽和を有効に防ぐことが可能となる。すなわち、一対の円弧状マグネット15から発生した磁束Mは、その殆どがケース16及び補助ヨーク40の断面を通る。このときの磁束密度は、ケース材料と補助ヨーク材料の飽和磁束密度を超えない。
以下に、切り曲げ部160の長さXがケース16の長さYの約25%以下であれば磁気的な飽和が発生しないことについて詳細に説明する。
<マグネットの動作点>
本実施形態のマグネットは、フェライト磁石であり、エネルギー積(BH)maxは20〜30[kJ/m]、その磁化方向厚みは3〜5[mm]、エアーギャップは0.3〜0.7[mm]である。マグネットが作る磁気回路のパーミアンス係数は、6〜8程度であるから、マグネットの動作点は、マグネットのB−Hカーブと簡単な作図より、0.32[Wb/m]となる。
<1個のマグネットが発生する磁束>
本実施形態のマグネットの半径を11.025[mm]、円弧角度135[°]、高さ21[mm]とすると、磁化方向のマグネットの面積は、11.25×2π×135/360×21=5.45×10−4[m]となる。また、1個のマグネットが発生する磁束は、0.32[Wb/m]×5.45×10−4[m]=1.74×10−4[Wb]となる。
<ケースの断面積と許容できる磁束量>
ケース16は、板厚0.8[mm]、ケース長33.9[mm]、天面部断面長さ8.1[mm]、飽和磁束密度1.95[Wb/m]とすると、ケース円筒部断面積は、0.8×33.9=2.712×10−5[m]となる。また、ケース天面部断面積は、0.8×
8.1=0.648×10−5[m]となる。そして、ケース断面積が許容できる磁束量は、上記面積に飽和磁束密度をかけた値となり、ケース円筒部断面が許容できる磁束量は、1.95[Wb/m]×2.712×10−5[m]=5.29×10−5[Wb]となり、ケース天面部断面が許容できる磁束量は、1.95[Wb/m]×0.648×10−5[m]=1.26×10−5[Wb]となり、ケース全断面が許容できる磁束量は、両方の和であるから、(5.29+1.26)×10−5[Wb]=6.55×10−5[Wb]となる。
<補助ヨークの断面積と許容できる磁束量>
補助ヨーク40は、板厚1.0[mm]、幅16[mm]、飽和磁束密度1.95[Wb/m2]とすると、断面積は、1.0[mm]×16[mm]=1.6×10−5[m]となり、許容できる磁束量は、1.95[Wb/m]×1.6×10−5[m]=3.12×10−5[Wb]となる。
ここで、ケース16と補助ヨーク40からの漏れ磁束はゼロにはできない。その量は6[mT](6×10−3[Wb/m])とすると、モータ表面からの漏れ磁束量は、モータ円筒面の半分の面積から漏れでていることになるから、モータ径をφ27.5、長さ33.9[mm]とすると、6×10−3[Wb/m]×(27.5[mm]×π×33.9÷2)=8.76×10−6[Wb]となる。
また、1個のマグネットが発生する磁束は1.74×10−4[Wb]、ケース16と補助ヨーク40とが通すことのできる磁束量は(6.55+3.12)×10−5[Wb]=9.67[Wb]、ケース16から漏れ出る磁束は8.76×10−6[Wb]となり、図1に示すように、1個のマグネットから発生する磁束の半分がケース16及び補助ヨーク40の断面を通るから、ケース16及び補助ヨーク40の断面を通る磁束は、(1.74×10−4−8.76×10−6)[Wb]÷2=8.26×10−5[Wb]
< 9.67×10−5[Wb]、ケース16と補助ヨーク40が飽和する磁束(9.67×10−5[Wb])より小さいので、ケース16と補助ヨーク40とは磁気飽和しないことが分かる。
さらに、ケース16と補助ヨーク40が飽和する直前までケース16を切り曲げて断面積を小さくしても、逆起定数や出力トルクには影響しない。補助ヨーク40とケース天面部に飽和磁束密度の磁束が通ると仮定すると、ケース円筒部断面を通る磁束は、(8.26−3.12−1.26)×10−5[Wb]=3.88[Wb]となり、ケース円筒部断面が許容できる磁束量は、5.29×10−5[Wb]から、実際にケース円筒部断面を通る磁束を引いた分だけ、ケース円筒部を切り曲げても、ケース円筒部断面は磁気的に飽和しない。ケース断面を磁気飽和させない程度の切り曲げ部160の長さXは、(5.29−3.88)×10−5[Wb]/5.29×10−5[Wb]=0.27、すなわち、切り曲げ部160の長さXは、ケース長の25%程度までなら、ケース断面では磁気飽和しない。ここでの計算値は27%となったが、部品のばらつきやマグネット特性の幅を考慮して、25%以下とするのがよい。
なお、図3には、切り曲げ部160の長さX/ケース長さYとモータの逆起定数の関係を示す。(切り曲げ部160の長さX/ケース長さY)が0.25を超えた辺りから逆起定数は下がり始める。これは、ケース16及び補助ヨーク40の断面が磁気飽和して漏れ磁束が発生するため、磁束がマグネットに戻らなくなり、結果としてマグネットの発生する磁束量が減るからである。
また、本実施形態では、図1に示すように、切り曲げ部160は、その曲げ部である立ち上がりから先端に向かってテーパが形成される形状とした。これは、一対の円弧状マグネット15をケース16に挿入する時に、一対の円弧状マグネット15の周方向側面を切り曲げ部先端がガイドする役割を成す、テーパ部にガイドされた後に、一対の円弧状マグネット15は所定の位置に確実に組み込むことができる。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、ケース16の切り曲げ部160において、残ったケース16の本体側の切り口の端部をR形状としている。R形状にすることにより、磁束が切り口の端部まで通りやすくなる。これにより、ケース16を通る磁束Mの通り道を十分に確保でき、磁気飽和を防ぐと共に、回転トルクの低下をより有効に防止することができる。
(実施形態2)
上述した実施形態1では、ケース16の外周に補助ヨーク40を装着した構造を例示して説明したが、本実施形態では、図4に示すように、補助ヨークがない場合の構造例を用いて説明する。
実施形態1において図1等を用いて説明したように、実施形態1の構成から補助ヨーク40を除くと、断面積を通る磁束量(8.26×10−5[Wb])に対して、切り曲げ部160がないときのケース断面の許容磁束量は(6.55×10−5[Wb])と小さくなってしまい、切り曲げ部160がなくても磁気飽和が発生することが分かる。そこで、本実施形態では、ケース16の板厚を0.8mmから1.2mmに厚くすることで実現可能である。実施形態1にて説明した計算を行うことにより、ケース16の切り曲げ部160の長さXは、ケース長Yの約25%以下であれば、ケース断面に磁気飽和は発生しないことが本実施形態からも分かる。
本発明のマグネット保持手段を構成する電磁回転機は、紙幣、小切手、有価証券、原稿、記録用紙等の各種原稿を給送する各種装置、例えば、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の駆動モータに適用可能である。
1 電磁回転機
11 回転軸
12 ロータコア
13 ロータユニット
14 ブラシホルダ
15 一対の円弧状マグネット
16 ケース
17 インシュレータ
18 コンミテータ
20 軸受
24 ブラシ
30 マグネットピン
40 補助ヨーク
41 スリット部
42 凸部
160 切り曲げ部

Claims (7)

  1. 回転軸を有する回転子を取り囲むように設けられた一対のマグネットと、
    前記一対のマグネットの外周を取り囲むように覆うケースと、
    前記一対のマグネット間のうち一方側の隙間に設けられるバネ部材とを備え、
    前記ケースには、前記一対のマグネット間のうち他方側の隙間に対して前記ケースの一部を切り曲げてなる切り曲げ部が設けられ、
    前記一対のマグネット間のうち前記一方側の隙間に対向するケース部分を通る磁束と、前記他方側の隙間に対向するケース部分を通る磁束とが略同等の磁束密度であることを特徴とする電磁回転装置。
  2. 前記ケースは軟磁性体からなる円筒状ケースからなり、前記一対のマグネットは前記ケースの内周に当接した一対の円弧状マグネットからなり、
    前記バネ部材が前記一対のマグネットのうち前記一方側の隙間に対向する各円周方向側面部を付勢して、前記一対のマグネットのうち前記他方側の隙間に対向する各円周方向側面部が前記切り曲げ部に対して当接することを特徴とする請求項1に記載の電磁回転装置。
  3. 前記切り曲げ部は、その曲げ部から先端に向かってテーパが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁回転装置。
  4. 前記切り曲げ部の長さは、前記切り曲げ部を含む磁路を横切る前記ケースの断面に対して磁気的飽和状態を発生させない程度の長さであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電磁回転装置。
  5. 前記ケースは、前記切り曲げ部に対応する開口を覆う被覆部材を含み、
    前記切り曲げ部の長さは、前記切り曲げ部と含む磁路を横切る前記ケースと前記被覆部材との断面に対して磁気的飽和状態を発生させない程度の長さであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電磁回転装置。
  6. 前記回転子は、巻き線された突極を含むコアと、コンミテータとが前記回転軸を介して一体的に構成されるロータユニットを有し、
    前記ケースは外径27〜29mmであり、厚さ1.2mmの鋼板から形成され、
    前記一対のマグネットは、(BH)maxが20〜30kJ/mであり、3〜5mm厚のフェライトマグネットから形成され、
    前記コアは、外径16〜18mmの積層電磁鋼板または軟磁性部材から形成され、
    前記一対のマグネットと前記回転子との間に形成されるエアーギャップは0.3〜0.7mmであり、
    前記切り曲げ部の長さは、前記ケースの長さの25%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電磁回転装置。
  7. 前記回転子は、巻き線された突極を含むコアと、コンミテータとがシャフトを介して一体的に構成されるロータユニットを有し、
    前記ケースは外径27〜29mmであり、厚さ0.8〜1.0mmの鋼板から形成され、
    前記一対のマグネットは、(BH)maxが20〜30kJ/mであり、3〜5mm厚のフェライトマグネットから形成され、
    前記コアは、外径16〜18mmの積層電磁鋼板または軟磁性部材から形成され、
    前記一対のマグネットと前記回転子との間に形成されるエアーギャップは0.3〜0.7mmであり、
    前記被覆部材は、厚さ0.8〜1.0mmの鋼板から形成され、
    前記切り曲げ部の長さは、前記ケースの長さの25%以下であることを特徴とする特徴とする請求項5に記載の電磁回転装置。
JP2013042657A 2013-03-05 2013-03-05 電磁回転装置 Pending JP2014171349A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017079591A (ja) * 2015-10-20 2017-04-27 周 文三 放熱効果を有するモータ構造
CN109067058A (zh) * 2018-09-05 2018-12-21 揭阳市汇宝昌电器有限公司 一种直流电机及基于该电机的剪毛机

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JP2017079591A (ja) * 2015-10-20 2017-04-27 周 文三 放熱効果を有するモータ構造
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