JP2014170820A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014170820A
JP2014170820A JP2013041383A JP2013041383A JP2014170820A JP 2014170820 A JP2014170820 A JP 2014170820A JP 2013041383 A JP2013041383 A JP 2013041383A JP 2013041383 A JP2013041383 A JP 2013041383A JP 2014170820 A JP2014170820 A JP 2014170820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
atom
group
organic
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013041383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5998989B2 (ja
Inventor
秀雄 ▲高▼
Xiuxiong Gao
Masaru Ikemizu
大 池水
Tatsuo Tanaka
達夫 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2013041383A priority Critical patent/JP5998989B2/ja
Publication of JP2014170820A publication Critical patent/JP2014170820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5998989B2 publication Critical patent/JP5998989B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】発光効率、耐久性の向上した有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置を提供する。
【解決手段】陽極、陰極及び発光層を有し、発光層が下記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体を含有する。
Figure 2014170820

〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。環Aは、Pdと共有結合を形成する炭素原子を有する芳香族環を表す。環Bは、Pdと配位結合を形成するQ(炭素原子、窒素原子又はリン原子)を有する芳香族環を表す。L、L及びLは、各々1座又は2座の配位子を表し、いずれか一つの配位子は環A又は環Bと連結して、3座の配位子を形成してもよい。mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置に関する。より詳しくは、発光効率及び耐久性を向上させた有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)は、陽極と陰極の間を、有機発光物質が含有された厚さ僅か0.1μm程度の有機薄膜層(単層部又は多層部)で構成する薄膜型の全固体素子である。
このような有機EL素子に2〜20V程度の比較的低い電圧を印加すると、有機薄膜層に陰極から電子が注入され、陽極から正孔が注入される。この電子と正孔が発光層(有機発光物質含有層)において再結合することで励起子(エキシトン)が生成し、この励起子が失活する際に発光(蛍光・リン光)が得られることが知られており、次世代の平面ディスプレイや照明として期待されている技術である。
さらに、最近発見されたリン光発光を利用する有機EL素子では、以前の蛍光発光を利用するそれに比べ、原理的に約4倍の発光効率が実現可能であることから、その材料開発を始めとし、発光素子の層構成や電極の研究開発が世界中で行われている。
このようにリン光発光方式は、大変ポテンシャルの高い方式であるが、リン光発光を利用する有機EL素子においては、蛍光発光を利用する有機EL素子とは大きく異なり、発光中心の位置をコントロールする方法、とりわけ発光層の内部で再結合を行い、いかに発光を安定に行わせることができるかが、素子の効率・寿命を捕らえる上で重要な技術的課題となっている。
そこで、近年は、発光層に隣接する形で、発光層の陽極側に位置する正孔輸送層や、発光層の陰極側に位置する電子輸送層等を備えた多層積層型の素子が良く知られている。また、発光層には、発光ドーパントとしてのリン光発光性化合物とホスト化合物とを用いた混合層が多く用いられている。このリン光発光性化合物としては、有機金属錯体、中でも有機イリジウム錯体が広く一般的に使用されてきた。
近年、希少性の観点から汎用性の高い金属を用いた新しいリン光発光材料の開発を目指した研究進められており、例えば、ピンサー型パラジウム錯体等が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、上記ピンサー型パラジウム錯体は、室温での発光強度及び経時安定性が十分ではなかった。そのため、このようなピンサー型パラジウム錯体を含有した有機EL素子の発光効率及び耐久性が十分ではなかった。
Michinori Akaiwa, Takaki Kanbara, Hiroki Fukumoto, and Takakazu Yamamoto,「Luminescent Palladium Complexes Containing Thioamide-Based SCS Pincer Ligands」, J. Organomet. Chem., 690, 2005年, p4192-4196
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、発光効率及び耐久性を向上させた有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、有機EL素子の発光層に、下記一般式(1)で表されるパラジウム錯体を含有させることによって、有機EL素子の発光効率及び耐久性を向上させることができることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも、陽極、陰極及び発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光層が、下記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2014170820
〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。環Aは、Pdと共有結合を形成する炭素原子を有する芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。環Bは、Pdと配位結合を形成するQ(炭素原子、窒素原子又はリン原子)を有する芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有してもよい。また、環Aの置換基と環Bの置換基が結合することで新たな環構造を形成してもよい。L、L及びLは、それぞれ、1座又は2座の配位子を表し、いずれか一つの配位子は、環A又は環Bと連結して、3座の配位子を形成してもよい。ただし、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。〕
2.前記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体が、下記一般式(2)で表される構造を有するパラジウム錯体であることを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2014170820
〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。環Aは、Yと炭素原子とともに形成される芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。これらの置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。Yは、炭素原子又は窒素原子を表す。X〜Xは、Pdに配位したカルベン炭素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、それぞれ、炭素原子、C−R、窒素原子、N−R、酸素原子又は硫黄原子を表し、少なくとも一つは窒素原子又はN−Rを表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。〕
3.前記一般式(2)における環Aが、5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環を表すことを特徴とする第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記一般式(2)で表される構造を有するパラジウム錯体が、下記一般式(3)で表される構造を有するパラジウム錯体であることを特徴とする第2項又は第3項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2014170820
〔式中、Pdは配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。Y〜YはPdに配位した炭素原子とともに6員の芳香族環又は非芳香族環を形成する原子群であり、炭素原子、C−R又は窒素原子を表す。X及びXはカルベン炭素原子、窒素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、C−R又は窒素原子を表す。R及びRは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。〕
5.前記一般式(3)で表される構造を有するパラジウム錯体が、下記一般式(4)で表される構造を有するパラジウム錯体であることを特徴とする第4項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2014170820
〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。X及びXはカルベン炭素原子、窒素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、C−R又は窒素原子を表す。R及びR〜Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。〕
6.前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、複数層の発光層を有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、二種以上の発光素子を含有し、かつ発光色が白色であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.第1項から第7項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子が具備されていることを特徴とする表示装置。
9.第1項から第7項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子が具備されていることを特徴とする照明装置。
本発明の上記手段により、発光効率及び耐久性を向上させた有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
有機EL素子の発光層に、上記一般式(1)で表されるパラジウム錯体を含有させることによって、通常のパラジウム(II)錯体又はパラジウム(0)錯体とは異なり、パラジウム(IV)錯体を用いるので、基底状態と励起状態でのパラジウム原子周りのジオメトリー変化を抑制し、通常大きいとされる無輻射失活が抑制されるものと推察される。その結果、上記一般式(1)で表されるパラジウム錯体を含有した有機エレクトロルミネッセンス素子、及びこの有機エレクトロルミネッセンス素子を具備した表示装置及び照明装置の発光効率及び耐久性を向上させることができる。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図 図1の表示装置の表示部の模式図 図1の表示装置の画素の模式図 パッシブマトリクス方式フルカラー表示装置の模式図 照明装置の一例を示す模式図 照明装置の一例を示す断面図
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも、陽極、陰極及び発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光層が、上記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体を含有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項9までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体が、前記一般式(2)で表される構造を有するパラジウム錯体であることが、錯体の化学的・物理的安定性を得られる点で好ましい。この錯体の安定性は、薄膜やデバイスでの経時的安定性に大きな影響を及ぼすと考えられる
また、前記一般式(2)における環Aが、5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環を表すことで、さらに上記錯体の化学的・物理的安定性が増す点でより好ましい。
また、前記一般式(2)で表される構造を有するパラジウム錯体が、前記一般式(3)で表される構造を有するパラジウム錯体であることで、中心金属との化学的結合が強固となり、上記錯体の化学的・物理的安定性が増す点で好ましい。
さらに、前記一般式(3)で表される構造を有するパラジウム錯体が、前記一般式(4)で表される構造を有するパラジウム錯体であることで、上記錯体の化学的・物理的安定性が増す点でより好ましい。
また、前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、複数層の発光層を有することが、発光色の経時変化が抑制された、長寿命な有機EL素子を提供できる点で好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、二種以上の発光素子を含有し、かつ発光色が白色であることが、表示装置及び照明装置などに具備できる点で好ましい。
本発明の有機EL素子は、表示装置及び照明装置に好適に具備され得る。これによって、発光効率及び耐久性が向上した表示装置及び照明装置を得ることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明を行う。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極の間に、発光層と、該発光層の陰極側に隣接する電子輸送層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、下記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体を含有することを特徴とする。
<一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体>
Figure 2014170820
〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。環Aは、Pdと共有結合を形成する炭素原子を有する芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。環Bは、Pdと配位結合を形成するQ(炭素原子、窒素原子又はリン原子)を有する芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有してもよい。また、環Aの置換基と環Bの置換基が結合することで新たな環構造を形成してもよい。L、L及びLは、それぞれ、1座又は2座の配位子を表し、いずれか一つの配位子は、環A又は環Bと連結して、3座の配位子を形成してもよい。ただし、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。〕
一般式(1)において、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。
環Aは、Pdと共有結合を形成する炭素原子を有する芳香族環又は非芳香族環を表す。
環Aで表される芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ピレン環、フェナントレン環、クリセン環、フルオランテン環、トリフェニレン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、ノルボルネン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、フェナントレン環、フェナジン環、チアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、インドール環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、カルバゾール環、ビフェニル環、アズレン環、ナフタセン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環、オキサゾール環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、カルボリン環又はジアザカルバゾール環等が挙げられる。
これらの中で、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、シクロペンテン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環又はカルバゾール環である。より好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、ピリジン環、チオフェン環、ジベンゾフラン環又はカルバゾール環である。さらに好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、チオフェン環又はカルバゾール環である。
また、一般式(1)において、環Aで表される非芳香族環としては、後述する化合物に含まれる各種の環が挙げられる。
環Aは、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。
なお、環Aは、これらの置換基のいずれかを一つ有していてもよいし、これらの置換基のいずれかを二つ以上有していてもよいし、これらの置換基のうち二種類以上を有していてもよい。
上記ハロゲン原子として、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子である。
真空蒸着法で有機EL素子を作製する場合は、フッ素原子が特に好ましい。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントニル基、フルオレニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、アントニル基、フルオレニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基又はトリフェニレニル基である。より好ましくは、フェニル基、フルオレニル基、フェナントレニル基又はトリフェニレニル基である。特に好ましくは、フェニル基である。
また、アリール基として列挙される置換基は、さらに置換基を有してもよい。
具体的には、メチル基、ターシャリーブチル基、トリフルオロメチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、ジフェニルアミノ基、ジターシャリーブチルアミノ基等の置換アミノ基等が挙げられる。
上記ヘテロアリール基としては、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、カルバゾリル基、フェナントロリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基等が挙げられる。好ましくは、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基又はオキサゾリル基である。さらに好ましくは、ピリジル基又はイミダゾリル基である。
また、ヘテロアリール基として列挙される置換基は、さらに置換基を有してもよい。
具体的には、上記アリール基がさらに有していてもよい置換基と同様の置換基が挙げられる。
上記ジ置換アミノ基としては、導電性や観点から、好ましくは、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基が挙げられる。特に好ましくは、ジフェニルアミノ基である。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
なお、炭素数が2以上のアルキル基である場合は、該アルキル基中の一つ又は隣接しない二つ以上のメチレン基(−CH−)が、−O−,−S−,−CO−で置換されていてもよい。
メチレン基が−O−,−S−,−CO−で置換されたアルキル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、メチルスルファニル基等が挙げられる。
また、アルキル基中の水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されていてもよい。フッ素原子で置換されたアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
以上列挙したアルキル基(メチレン基が−O−等で置換されているもの、及び水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されているものも含む)の中で、好ましくは、メチル基、エチル基、ターシャリーブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基又はメチルスルファニル基である。より好ましくは、メチル基、ターシャリーブチル基、トリフルオロメチル基又はメトキシ基である。
一般式(1)において、環Bは、Pdと配位結合を形成するQを有する芳香族環又は非芳香族環を表す。ここで、Qとして、炭素原子、窒素原子又はリン原子が挙げられる。好ましくは、窒素原子である。
環Bで表される芳香族環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、フェナントロリン環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、オキサゾール環等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中で、好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、フェナントロリン環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環又はイソオキサゾール環である。より好ましくは、ピリジン環、チアゾール環、イアソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、又はトリアゾール環等である。
また、一般式(1)において、環Bで表される非芳香族環としては、後述する化合物に含まれる各種の環が挙げられる。
環Bは、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。
ここで、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロアリール基、ジ置換アミノ基及びアルキル基の具体例は、環Aが有してもよいハロゲン原子、アリール基、ヘテロアリール基、ジ置換アミノ基及びアルキル基の具体例と同様である。
また、該アリール基及び該ヘテロアリール基がさらに有してもよい置換基の具体例は、環Aが有してもよいアリール基がさらに有してもよい置換基の具体例と同様である。
なお、環Bは、これらの置換基のいずれかを一つ有していてもよいし、これらの置換基のいずれかを二つ以上有していてもよいし、これらの置換基のうち二種類以上を有していてもよい。
一方、環Aが有する置換基と環Bが有する置換基とが結合することで、新たな環構造を形成してもよい。
以下に、環Aが有する置換基と環Bが有する置換基とが結合することで形成される新たな環構造を含む配位子を含む部分構造を示す。ただし、これらは、代表例を例示しただけで、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2014170820
一般式(1)において、L、L及びLは、それぞれ、1座又は2座の配位子を表す。
は、1価の2座配位子を表すことが好ましい。ここで、パラジウム原子と配位結合を形成する原子は、特に限定はされないが、好ましくは、窒素原子、リン原子、炭素原子、酸素原子又は硫黄原子である。また、パラジウム原子と共有結合を形成する原子は、特に限定はされないが、好ましくは、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はリン原子である。
また、Lは、好ましくは、下記式のB000で示される配位子である。なお、下記式に示される配位子B000は、パラジウム原子と結合している状態で表記している。
Figure 2014170820
以下に、Lである配位子の具体例を示す。ただし、これらは、代表例を例示しただけで、本発明は、これに限定されるものではない。なお、以下に示される配位子は、パラジウム原子と結合している状態で表記している。
Figure 2014170820
〔R101〜R128は、それぞれ一般式(1)における、環Aが有してもよい置換基と同様の置換基を表す。〕
一般式(1)において、Lは2価の2座配位子を表すことが好ましい。ここで、パラジウム原子と共有結合を形成する原子は、特に限定はされないが、好ましくは、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はリン原子である。
また、Lは、好ましくは、パラジウム原子と共有結合を形成する炭素原子と酸素原子とを有する2座配位子である。
以下に、Lである配位子の具体例を示す。ただし、これらは、代表例を例示しただけで、本発明は、これに限定されるものではない。なお、以下に示される配位子は、パラジウム原子と結合している状態で表記している。
Figure 2014170820
〔R129〜R156は、それぞれ一般式(1)における、環Aが有してもよい置換基と同様の置換基を表す。〕
一般式(1)において、Lは、1座(単座)の配位子を表すことが好ましい。
1座の配位子としては、マイナス1価のアニオン性1座配位子が挙げられる。具体的には、パラジウム原子と共有結合を形成している1座配位子を表す。該配位子の配位原子として好ましくは、炭素原子、水素原子、酸素原子、フッ素原子及び塩素原子である。
また、L、L及びLのいずれか一つの配位子は、環A又は環Bと連結して、3座の配位子を形成してもよい。ただし、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。
<一般式(2)で表される構造を有するパラジウム錯体>
上記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体は、下記一般式(2)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2014170820
〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。環Aは、Yと炭素原子とともに形成される芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。これらの置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。Yは、炭素原子又は窒素原子を表す。X〜Xは、Pdに配位したカルベン炭素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、それぞれ、炭素原子、C−R、窒素原子、N−R、酸素原子又は硫黄原子を表し、少なくとも一つは窒素原子又はN−Rを表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。(p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。)〕
一般式(2)において、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。
環Aは、Yと炭素原子とともに形成される芳香族環又は非芳香族環を表し、特に5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環であることが好ましい。
前記一般式(2)において、環Aで表される芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオランテン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピラントレン環、及びアンスラアントレン環等の芳香族炭化水素環が挙げられる。
また、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、及びジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが、さらに窒素原子で置換されている環を示す)等の芳香族複素環が挙げられる。これらの中でもチオフェン環、ピリジン環、カルバゾール環、カルボリン環、及びジアザカルバゾール環が好ましい。
また、一般式(2)において、環Aで表される非芳香族環としては、後述する化合物に含まれる各種の環が挙げられる。
環Aは、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。
なお、環Aは、これらの置換基のいずれかを一つ有していてもよいし、これらの置換基のいずれかを二つ以上有していてもよいし、これらの置換基のうち二種類以上を有していてもよい。
また、上記ハロゲン原子、アリール基、ヘテロアリール基、ジ置換アミノ基、アルキル基は、上述した一般式(1)の環Aで説明したものと同様である。
また、環Aに置換される上記の置換基は、さらに置換基を有してもよい。また、上記の芳香族環又は非芳香族環に、さらに芳香族環炭化水素基、芳香族複素環基等が置換して、縮環構造を形成することも可能である。
一般式(2)において、Yは、炭素原子又は窒素原子を表す。
前記一般式(2)において、X〜Xは、Pdに配位したカルベン炭素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、それぞれ、炭素原子、C−R、窒素原子、N−R、酸素原子又は硫黄原子を表し、少なくとも一つは窒素原子又はN−Rを表す。
前記5員の芳香族複素環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、インドール環、トリアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、及びベンゾイソオキサゾール環等が挙げられる。これらの中でもイミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、及びトリアゾール環が好ましい。
5員の非芳香族複素環としては、後述する化合物に含まれる各種の環が挙げられる。
前記Rは、水素原子又は置換基を表し、該置換基としては、上記環Aで表される5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環に置換する置換基が挙げられる。
一般式(2)において、LはPdに配位する2座配位子を表す。該2座配位子については、後述する。
一般式(2)において、p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。
<一般式(3)で表される構造を有する化合物>
前記一般式(2)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(3)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2014170820
〔式中、Pdは配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。Y〜YはPdに配位した炭素原子とともに6員の芳香族環又は非芳香族環を形成する原子群であり、炭素原子、C−R又は窒素原子を表す。X及びXはカルベン炭素原子、窒素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、C−R又は窒素原子を表す。R及びRは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。〕
一般式(3)において、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。
〜Yは、Pdに配位した炭素原子とともに6員の芳香族環又は非芳香族環を形成する原子群であり、炭素原子、C−R又は窒素原子を表す。
該6員の芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオランテン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、及びアンスラアントレン環等の芳香族炭化水素環が挙げられる。
また、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、及びジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つがさらに窒素原子で置換されている環を示す)等の芳香族複素環が挙げられる。これらの中でもピリジン環、トリアジン環、カルバゾール環、カルボリン環、及びジアザカルバゾール環が好ましい。
また、6員の非芳香族環としては、後述する化合物に含まれる各種の環が挙げられる。
また、これらの芳香族環は、置換基を有してもよく、置換基としては、前記環Aで表される5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環に置換する置換基が挙げられる。
一般式(3)において、X及びXは、カルベン炭素原子、窒素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、C−R又は窒素原子を表す。
該5員の芳香族複素環としては、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。これらの中でもイミダゾール環が好ましい。
また、5員の非芳香族複素環としては、後述する化合物に含まれる各種の環が挙げられる。
これらの芳香族複素環は、置換基を有してもよく、置換基としては前記環Aで表される5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環に置換する置換基が挙げられる。
また、前記R及びRは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表す。R、R及びRで表される置換基としては、一般式(2)における前記環Aで表される5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環に置換する置換基が挙げられる。
一般式(3)において、Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。該2座配位子については、後述する。
一般式(3)において、p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。
<一般式(4)で表される構造を有する化合物>
前記一般式(3)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(4)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2014170820
〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。X及びXはカルベン炭素原子、窒素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、C−R又は窒素原子を表す。R及びR〜Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。〕
一般式(4)において、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。
及びXはカルベン炭素原子、窒素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、C−R又は窒素原子を表す。
該5員の芳香族複素環としては、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。これらの中でもイミダゾール環が好ましい。
また、5員の非芳香族複素環としては、後述する化合物に含まれる各種の環が挙げられる。
及びR〜Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表す。
、R〜Rで表される置換基、及びX、Xに置換する置換基としては、一般式(2)における前記環Aで表される5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環に置換する置換基が挙げられる。
一般式(4)において、Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。該2座配位子については、後述する。
一般式(4)において、p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。
<2座配位子の説明>
前記一般式(2)から一般式(4)において、Lで表される2座配位子としては、従来公知のものが使用できる。2座配位子を選択することによって、発光波長を最適化することや発光量子効率を向上させることが可能である。又は、2座配位子の立体的な効果によって錯体同士の相互作用を抑えることが可能であり、それによって有機EL素子としたときの発光効率を向上させることができる。
2座配位子は、一つであっても二つであってもよく、二つである場合、それらが互いに同じであり、中心金属のパラジウム原子との間の価数と配位数を満足させる、すなわち、全体が配位数6、かつ4価のパラジウム錯体が形成されなければならない。
複数の空き配位座がある場合には、キレート効果による錯体自身の安定化を得るためにも複座の配位子である方がより好ましい。
従来、金属錯体に用いられる公知の配位子としては、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」 裳華房社 山本明夫著 1982年発行 等に記載の配位子(例えば、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子など)が挙げられる。
さらに、置換又は無置換のフェニルピリジン、フェニルピラゾール、フェニルイミダゾール、フェニルトリアゾール、フェニルテトラゾール、ピラザボール、ピコリン酸、及びカルベン等も好ましい配位子として併用することが可能である。
以下、本発明に係る、配位数6、かつ4価のパラジウム錯体を構成することができる2座配位子について説明する。
(マイナス1価のアニオン性2座配位子)
マイナス1価のアニオン性2座配位子は、パラジウム原子と共有結合及び配位結合を形成している2座の配位子を表す。該配位子の配位原子として好ましくは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、及びリン原子である。
(マイナス2価のアニオン性2座配位子)
マイナス2価のアニオン性2座配位子は、パラジウム原子と共有結合を形成している2座の配位子を表す。該配位子の配位原子としては、炭素原子及び窒素原子の組み合わせが好ましく、フェニルピリジン配位子、フェニルイミダゾール配位子、及びベンゾキノリン配位子が好ましい。
本発明に係る、配位数6、かつ4価のパラジウム錯体は、中性錯体(非イオン性)であることが好ましい。中性の金属錯体は、錯体間におけるイオン性の相互作用がないので昇華されやすく、金属錯体の昇華精製、及び有機EL素子作製の真空蒸着の際に有利であるからである。
本発明に係る、配位数6、かつ4価のパラジウム錯体の具体例を以下に例示する。
(例示化合物)
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
Figure 2014170820
これらの配位数6、かつ4価のパラジウム錯体は、公知のパラジウム錯体の製造方法を始め、公知の有機金属錯体の製造方法により合成することができる。
[有機EL素子の構成]
本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(1)陽極/発光層//陰極
(2)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/(電子阻止層/)発光層/(正孔阻止層/)電子輸送層/電子注入層/陰極
上記の中で(7)の構成が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
本発明に係る発光層は、単層又は複数層で構成されており、発光層が複数の場合は各発光層の間に非発光性の中間層を設けてもよい。
必要に応じて、発光層と陰極との間に正孔阻止層(正孔障壁層ともいう。)や電子注入層(陰極バッファー層ともいう。)を設けてもよい。また、発光層と陽極との間に電子阻止層(電子障壁層ともいう。)や正孔注入層(陽極バッファー層ともいう。)を設けてもよい。
本発明に係る電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層であり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。また、複数層で構成されていてもよい。
本発明に係る正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。また、複数層で構成されていてもよい。
上記の代表的な素子構成において、陽極と陰極を除いた層を「有機層」ともいう。
<タンデム構造>
本発明に係る有機EL素子は、少なくとも1層の発光層を含む発光ユニットを複数積層した、いわゆるタンデム構造の素子であってもよい。
タンデム構造の代表的な素子構成としては、例えば以下の構成を挙げることができる。
陽極/第1発光ユニット/中間層/第2発光ユニット/中間層/第3発光ユニット/陰極
ここで、上記第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットは全て同じであっても、異なっていてもよい。また二つの発光ユニットが同じであり、残る一つが異なっていてもよい。
複数の発光ユニットは、直接積層されていても、中間層を介して積層されていてもよく、中間層は、一般的に中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、陽極側の隣接層に電子を、陰極側の隣接層に正孔を供給する機能を持った層であれば、公知の材料構成を用いることができる。
中間層に用いられる材料としては、例えば、ITO(インジウム・スズ酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)、ZnO、TiN、ZrN、HfN、TiOx、VOx、CuI、InN、GaN、CuAlO、CuGaO、SrCu、LaB、RuO、Al等の導電性無機化合物層や、Au/Bi等の2層膜や、SnO/Ag/SnO、ZnO/Ag/ZnO、Bi/Au/Bi、TiO/TiN/TiO、TiO/ZrN/TiO等の多層膜、またC60等のフラーレン類、オリゴチオフェン等の導電性有機物層、金属フタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、金属ポルフィリン類、無金属ポルフィリン類等の導電性有機化合物層等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
発光ユニット内の好ましい構成としては、例えば上記の代表的な素子構成で挙げた(1)〜(7)の構成から、陽極と陰極を除いたもの等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
タンデム型有機EL素子の具体例としては、例えば、米国特許第6337492号、米国特許第7420203号、米国特許第7473923号、米国特許第6872472号、米国特許第6107734号、米国特許第6337492号、国際公開第2005/009087号、特開2006−228712号公報、特開2006−24791号公報、特開2006−49393号公報、特開2006−49394号公報、特開2006−49396号公報、特開2011−96679号公報、特開2005−340187号公報、特許第4711424号、特許第3496681号、特許第3884564号、特許第4213169号、特開2010−192719号公報、特開2009−076929号公報、特開2008−078414号公報、特開2007−059848号公報、特開2003−272860号公報、特開2003−045676号公報、国際公開第2005/094130号等に記載の素子構成や構成材料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
以下、本発明の有機EL素子を構成する各層について説明する。
<発光層>
本発明に係る発光層は、電極又は隣接層から注入されてくる電子及び正孔が再結合し、励起子を経由して発光する場を提供する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても、発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に係る発光層は、該発光層に、上述した一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体を発光ドーパントとして含有していれば、その構成に特に制限はない。
発光層の膜厚の総和は、特に制限はないが、形成する膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、かつ駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、2nm〜5μmの範囲内に調整することが好ましい。より好ましくは、2〜500nmの範囲内に調整され、さらに好ましくは、5〜200nmの範囲内に調整される。
また、本発明の個々の発光層の膜厚としては、2nm〜1μmの範囲内に調整することが好ましく、より好ましくは2〜200nmの範囲内に調整され、さらに好ましくは3〜150nmの範囲内に調整される。
本発明に係る発光層には、発光ドーパント(発光性ドーパント化合物、ドーパント化合物、単にドーパントともいう。)と、ホスト化合物(マトリックス材料、発光ホスト化合物、単にホストともいう。)とを含有することが好ましい。
(1)発光ドーパント
発光ドーパントとしては、蛍光発光性ドーパント(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう。)と、リン光発光性ドーパント(リン光ドーパント、リン光性化合物ともいう。)が好ましく用いられる。
本発明に係る配位数が6、かつ4価のパラジウム錯体は、リン光発光性ドーパントであり、本発明においては、少なくとも1層の発光層が、本発明に係る配位数が6、かつ4価のパラジウム錯体を含有する。
発光層中の発光ドーパントの濃度については、使用される特定のドーパント及びデバイスの必要条件に基づいて、任意に決定することができ、発光層の膜厚方向に対し、均一な濃度で含有されていてもよく、また任意の濃度分布を有していてもよい。
また、本発明に係る発光ドーパントは、本発明に係る配位数が6、かつ4価のパラジウム錯体以外に、複数種を併用して用いてもよく、構造の異なるドーパント同士の組み合わせや、蛍光発光性ドーパントとリン光発光性ドーパントとを組み合わせて用いてもよい。これにより、任意の発光色を得ることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタオプティクス(株)製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
本発明においては、1層又は複数層の発光層が、発光色の異なる複数の発光ドーパントを含有し、白色発光を示すことも好ましい。
白色を示す発光ドーパントの組み合わせについては、特に限定はないが、例えば、青と橙や、青と緑と赤の組み合わせ等が挙げられる。
本発明の有機EL素子における白色とは、2度視野角正面輝度を前述の方法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がx=0.39±0.09、y=0.38±0.08の領域内にあることが好ましい。
(1.1)蛍光発光性ドーパント
本発明における蛍光発光性ドーパント(以下、「蛍光ドーパント」ともいう。)は、励起一重項からの発光が可能な化合物であり、励起一重項からの発光が観測される限り特に限定されない。
蛍光ドーパントとしては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、ペリレン誘導体、フルオレン誘導体、アリールアセチレン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、スチリルアミン誘導体、アリールアミン誘導体、ホウ素錯体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、シアニン誘導体、クロコニウム誘導体、スクアリウム誘導体、オキソベンツアントラセン誘導体、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体、ピリリウム誘導体、ペリレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、又は希土類錯体系化合物等が挙げられる。
また、近年では、遅延蛍光を利用した発光ドーパントも開発されており、これらを用いてもよい。
遅延蛍光を利用した発光ドーパントの具体例としては、例えば、国際公開第2011/156793号、特開2011−213643号公報、特開2010−93181号公報等に記載の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
(1.2)リン光発光性ドーパント
本発明におけるリン光発光性ドーパント(以下、「リン光ドーパント」ともいう。)は、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は、種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に係るリン光ドーパントは、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
リン光ドーパントの発光は、原理としては二種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光ドーパントに移動させることでリン光ドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型である。
もう一つは、リン光ドーパントがキャリアトラップとなり、リン光ドーパント上でキャリアの再結合が起こりリン光ドーパントからの発光が得られるというキャリアトラップ型である。いずれの場合においても、リン光ドーパントの励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光ドーパントは、本発明に係る配位数が6、かつ4価のパラジウム錯体以外に、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
本発明に使用できる公知のリン光ドーパントの具体例としては、以下の文献に記載されている化合物等が挙げられる。
Nature 395,151 (1998)、Appl. Phys. Lett. 78, 1622 (2001)、Adv. Mater. 19, 739 (2007)、Chern. Mater. 17, 3532 (2005)、Adv. Mater. 17, 1059 (2005)、国際公開第2009/100991号、国際公開第2008/101842号、国際公開第2003/040257号、米国特許公開第2006835469号、米国特許公開第20060202194号、米国特許公開第20070087321号、米国特許公開第20050244673号、Inorg. Chern. 40, 1704 (2001)、Chern. Mater. 16, 2480 (2004)、Adv. Mater. 16, 2003 (2004)、Angew. Chern. lnt. Ed. 2006, 45, 7800、Appl. Phys. Lett. 86, 153505 (2005)、Chern. Lett. 34, 592 (2005)、Chern. Commun. 2906 (2005)、Inorg. Chern. 42, 1248 (2003)、国際公開第2009/050290号、国際公開第2002/015645号、国際公開第2009/000673号、米国特許公開第20020034656号、米国特許第7332232号、米国特許公開第20090108737号、米国特許公開第20090039776号、米国特許第6921915号、米国特許第6687266号、米国特許公開第20070190359号、米国特許公開第20060008670号、米国特許公開第20090165846号、米国特許公開第20080015355号、米国特許第7250226号、米国特許第7396598号、米国特許公開第20060263635号、米国特許公開第20030138657号、米国特許公開第20030152802号、米国特許第7090928号、Angew. Chern. lnt. Ed. 47, 1 (2008)、Chern. Mater. 18, 5119 (2006)、Inorg. Chern. 46, 4308 (2007)、Organometallics 23, 3745 (2004)、Appl. Phys. Lett. 74, 1361 (1999)、国際公開第2002/002714号、国際公開第2006/009024号、国際公開第2006/056418号、国際公開第2005/019373号、国際公開第2005/123873号、国際公開第2005/123873号、国際公開第2007/004380号、国際公開第2006/082742号、米国特許公開第20060251923号、米国特許公開第20050260441号、米国特許第7393599号、米国特許第7534505号、米国特許第7445855号、米国特許公開第20070190359号、米国特許公開第20080297033号、米国特許第7338722号、米国特許公開第20020134984号、米国特許第7279704号、米国特許公開第2006098120号、米国特許公開第2006103874号、国際公開第2005/076380号、国際公開第2010/032663号、国際公開第2008/140115号、国際公開第2007/052431号、国際公開第2011/134013号、国際公開第2011/157339号、国際公開第2010/086089号、国際公開第2009/113646号、国際公開第2012/020327号、国際公開第2011/051404号、国際公開第2011/004639号、特開2012−069737号公報、特開2009−114086号公報、特開2003−81988号公報、特開2002−302671号公報、特開2002−363552号公報等である。
中でも、好ましいリン光ドーパントとしては、Irを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含む錯体が好ましい。
(2)ホスト化合物
本発明におけるホスト化合物は、発光層において主に電荷の注入及び輸送、又はエネルギーを担う化合物であり、有機EL素子においてそれ自体の発光は実質的に観測されない。
好ましくは、室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物であり、さらに好ましくは、リン光量子収率が0.01未満の化合物である。また、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
また、ホスト化合物の励起状態エネルギーは、同一層内に含有される発光ドーパントの励起状態エネルギーよりも高いことが好ましい。
ホスト化合物は、単独で用いてもよく、又は複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動又はエネルギー移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。
本発明で用いることができるホスト化合物としては、特に制限はなく、従来、有機EL素子で用いられる化合物を用いることができる。低分子化合物でも繰り返し単位を有する高分子化合物でもよく、また、ビニル基やエポキシ基のような反応性基を有する化合物でもよい。
公知のホスト化合物としては、正孔輸送能又は電子輸送能を有しつつ、かつ発光の長波長化を防ぎ、さらに、有機EL素子を高温駆動時や素子駆動中の発熱に対して安定して動作させる観点から、高いガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。好ましくは、Tgが90℃以上であり、より好ましくは120℃以上である。
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。
本発明の有機EL素子に用いられる、公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報、等である。
<電子輸送層>
本発明において電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよい。
本発明の電子輸送層の総膜厚については、特に制限はないが、通常は2nm〜5μmの範囲内であり、より好ましくは2〜500nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜200nmの範囲内である。
また、有機EL素子においては、発光層で生じた光を電極から取り出す際、発光層から直接取り出される光と、光を取り出す電極と対極に位置する電極によって反射されてから取り出される光とが干渉を起こすことが知られている。光が陰極で反射される場合は、電子輸送層の総膜厚を数nm〜数μmの範囲内で適宜調整することにより、この干渉効果を効率的に利用することが可能である。
一方で、電子輸送層の膜厚を厚くすると電圧が上昇しやすくなるため、特に膜厚が厚い場合においては、電子輸送層の電子移動度は10−5cm/Vs以上であることが好ましい。
電子輸送層に用いられる材料(以下、電子輸送材料という)としては、電子の注入性又は輸送性、正孔の障壁性のいずれかを有していればよく、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
例えば、含窒素芳香族複素環誘導体(カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体(カルバゾール環を構成する炭素原子の一つ以上が窒素原子に置換されたもの)、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリダジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、アザトリフェニレン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体等)、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、シロール誘導体、芳香族炭化水素環誘導体(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン等)等が挙げられる。
また、配位子にキノリノール骨格やジベンゾキノリノール骨格を有する金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。
その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。
また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
また、これらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
本発明に係る電子輸送層においては、電子輸送層にドープ材をゲスト材料としてドープして、n性の高い(電子リッチ)電子輸送層を形成してもよい。
ドープ材としては、金属錯体やハロゲン化金属など金属化合物等のn型ドーパントが挙げられる。
このような構成の電子輸送層の具体例としては、例えば、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されたものが挙げられる。
本発明の有機EL素子に用いられる、公知の好ましい電子輸送材料の具体例としては、以下の文献に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
米国特許第6528187号、米国特許第7230107号、米国特許公開第20050025993号、米国特許公開第20040036077号、米国特許公開第20090115316号、米国特許公開第20090101870号、米国特許公開第20090179554号、国際公開第2003/060956号、国際公開第2008/132085号、Appl. Phys. Lett. 75, 4 (1999)、Appl. Phys. Lett. 79, 449 (2001)、Appl. Phys. Lett. 81, 162 (2002)、Appl. Phys. Lett. 81, 162 (2002)、Appl. Phys. Lett. 79, 156 (2001)、米国特許第7964293号、米国特許公開第2009030202号、国際公開第2004/080975号、国際公開第2004/063159号、国際公開第2005/085387号、国際公開第2006/067931号、国際公開第2007/086552号、国際公開第2008/114690号、国際公開第2009/069442号、国際公開第2009/066779号、国際公開第2009/054253号、国際公開第2011/086935号、国際公開第2010/150593号、国際公開第2010/047707号、EP2311826号、特開2010−251675号公報、特開2009−209133号公報、特開2009−124114号公報、特開2008−277810号公報、特開2006−156445号公報、特開2005−340122号公報、特開2003−45662号公報、特開2003−31367号公報、特開2003−282270号公報、国際公開第2012/115034号、等である。
本発明におけるより好ましい電子輸送材料としては、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体が挙げられる。
電子輸送材料は単独で用いてもよく、また複数種を併用して用いてもよい。
<正孔阻止層>
正孔阻止層とは、広い意味では電子輸送層の機能を有する層である。好ましくは、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が小さい材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、前述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子に設ける正孔阻止層は、発光層の陰極側に隣接して設けられることが好ましい。
本発明に係る正孔阻止層の膜厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲内である。
正孔阻止層に用いられる材料としては、前述の電子輸送層に用いられる材料が好ましく用いられ、また、前述のホスト化合物として用いられる材料も正孔阻止層に好ましく用いられる。
<電子注入層>
本発明に係る電子注入層(「陰極バッファー層」ともいう)とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陰極と発光層との間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
本発明において電子注入層は、必要に応じて設け、上記のように陰極と発光層との間、又は陰極と電子輸送層との間に存在させてもよい。
電子注入層は、ごく薄い膜であることが好ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1〜5nmの範囲内が好ましい。また、構成材料が断続的に存在する不均一な膜であってもよい。
電子注入層は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、電子注入層に好ましく用いられる材料の具体例としては、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等に代表されるアルカリ金属化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等に代表されるアルカリ土類金属化合物、酸化アルミニウムに代表される金属酸化物、リチウム8−ヒドロキシキノレート(Liq)等に代表される金属錯体等が挙げられる。また、前述の電子輸送材料を用いることも可能である。
また、上記の電子注入層に用いられる材料は単独で用いてもよく、複数種を併用して用いてもよい。
<正孔輸送層>
本発明において正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する材料からなり、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有していればよい。
本発明の正孔輸送層の総膜厚については、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲内であり、より好ましくは2〜500nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜200nmの範囲内である。
正孔輸送層に用いられる材料(以下、正孔輸送材料という)としては、正孔の注入性又は輸送性、電子の障壁性のいずれかを有していればよく、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
例えば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、イソインドール誘導体、アントラセンやナフタレン等のアセン系誘導体、フルオレン誘導体、フルオレノン誘導体、及びポリビニルカルバゾール、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー、ポリシラン、導電性ポリマー又はオリゴマー(例えば、PEDOT:PSS、アニリン系共重合体、ポリアニリン、ポリチオフェン等)等が挙げられる。
トリアリールアミン誘導体としては、α−NPDに代表されるベンジジン型や、MTDATAに代表されるスターバースト型、トリアリールアミン連結コア部にフルオレンやアントラセンを有する化合物等が挙げられる。
また、特表2003−519432号公報や特開2006−135145号公報等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体も同様に正孔輸送材料として用いることができる。
さらに、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、いわゆる、p型正孔輸送材料やp型−Si、p型−SiC等の無機化合物を用いることもできる。さらにIr(ppy)に代表されるような中心金属にIrやPtを有するオルトメタル化有機金属錯体も好ましく用いられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、アザトリフェニレン誘導体、有機金属錯体、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー等が好ましく用いられる。
本発明の有機EL素子に用いられる、公知の好ましい正孔輸送材料の具体例としては、上記で挙げた文献の他、以下の文献に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
例えば、Appl. Phys. Lett. 69, 2160 (1996)、J. Lumin. 72−74, 985 (1997)、Appl. Phys. Lett. 78, 673 (2001)、Appl. Phys. Lett. 90, 183503 (2007)、Appl. Phys. Lett. 90, 183503 (2007)、Appl. Phys. Lett. 51, 913 (1987)、Synth. Met. 87, 171 (1997)、Synth. Met. 91, 209 (1997)、Synth. Met. 111,421 (2000)、SID Symposium Digest, 37, 923 (2006)、J. Mater. Chern. 3, 319 (1993)、Adv. Mater. 6, 677 (1994)、Chern. Mater. 15,3148 (2003)、米国特許公開第20030162053号、米国特許公開第20020158242号、米国特許公開第20060240279号、米国特許公開第20080220265号、米国特許第5061569号、国際公開第2007/002683号、国際公開第2009/018009号、EP650955、米国特許公開第20080124572号、米国特許公開第20070278938号、米国特許公開第20080106190号、米国特許公開第20080018221号、国際公開第2012/115034号、特表2003−519432号公報、特開2006−135145号公報等である。
正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、また、複数種を併用して用いてもよい。
<電子阻止層>
電子阻止層とは、広い意味では正孔輸送層の機能を有する層である。好ましくは、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、前述する正孔輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る電子阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子に設ける電子阻止層は、発光層の陽極側に隣接して設けられることが好ましい。
本発明に係る電子阻止層の膜厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲内である。
電子阻止層に用いられる材料としては、前述の正孔輸送層に用いられる材料が好ましく用いられ、また、前述のホスト化合物として用いられる材料も電子阻止層に好ましく用いられる。
<正孔注入層>
本発明に係る正孔注入層(「陽極バッファー層」ともいう。)とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陽極と発光層との間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
本発明において正孔注入層は、必要に応じて設け、上記のように陽極と発光層又は陽極と正孔輸送層との間に存在させてもよい。
正孔注入層は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、正孔注入層に用いられる材料としては、例えば前述の正孔輸送層に用いられる材料等が挙げられる。
中でも、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニン誘導体、特表2003−519432号や、特開2006−135145号等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体、酸化バナジウムに代表される金属酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体等に代表されるオルトメタル化錯体、トリアリールアミン誘導体等が好ましい。
本発明において正孔注入層は、必要に応じて設け、上記、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体等に代表されるオルトメタル化錯体、トリアリールアミン誘導体等が好ましい。
前述の正孔注入層に用いられる材料は単独で用いてもよく、また複数種を併用して用いてもよい。
<その他化合物>
前述した本発明における有機層は、さらにその他の化合物が含まれていてもよい。
その他の化合物としては、例えば臭素、ヨウ素及び塩素等のハロゲン元素やハロゲン化化合物、Pd、Ca、Na等のアルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属の化合物や錯体、塩等が挙げられる。
上記化合物の含有量は、任意に決定することができるが、含有される層の全質量%に対して1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは500ppm以下であり、さらに好ましくは50ppm以下である。
ただし、電子や正孔の輸送性を向上させる目的や、励起子のエネルギー移動を有利にするための目的などによってはこの範囲内ではない。
<有機層の形成方法>
本発明の有機層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)の形成方法は、特に制限はなく、従来公知の例えば、真空蒸着法、湿式法(ウェットプロセスともいう)等による形成方法を用いることができる。
湿式法としては、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、LB法(ラングミュア−ブロジェット法)等があるが、均質な薄膜が得られやすく、かつ高生産性の点から、ダイコート法、ロールコート法、インクジェット法、スプレーコート法などのロール・ツー・ロール方式適性の高い方法が好ましい。
本発明に係る有機EL材料を溶解又は分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。
また、分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
さらに、層毎に異なる製膜法を適用してもよい。製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃の範囲内、真空度10−6〜10−2Paの範囲内、蒸着速度0.01〜50nm/秒の範囲内、基板温度−50〜300℃の範囲内、膜厚0.1nm〜5μmの範囲内、好ましくは5〜200nmの範囲内で適宜選ぶことが望ましい。
本発明の有機層の形成は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施しても構わない。その際は、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
<陽極>
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上、好ましくは4.5V以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。
このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、若しくはパターン精度を余り必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
若しくは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。
陽極の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm〜1μmの範囲内、好ましくは10〜200nmの範囲内で選ばれる。
<陰極>
陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する。)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μmの範囲内、好ましくは50〜200nmの範囲内で選ばれる。
なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの範囲内の膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げる導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで、陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
<支持基板>
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。
支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル若しくはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)若しくはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−2g/(m・24h)以下のバリアー性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度が、1×10−5g/(m・24h)以下の高バリアー性フィルムであることが好ましい。
バリアー膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。
さらに、該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリアー膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し量子効率は、1%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。
ここで、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。
<封止>
本発明の有機EL素子の封止に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と、電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に限定されない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、有機EL素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。さらには、ポリマーフィルムはJIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/m/24h以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%)が、1×10−3g/(m/24h)以下のものであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が、熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。
さらに、該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。これらの膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
<保護膜、保護板>
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、又は前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために、保護膜若しくは保護板を設けてもよい。特に、封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。
これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
<光取り出し向上技術>
有機EL素子は、空気よりも屈折率の高い(屈折率1.6〜2.1程度の範囲内)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。
これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極又は発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として、光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(例えば、米国特許第4774435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(例えば、特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(例えば、特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(例えば、特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(例えば、特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)などが挙げられる。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率性を有する平坦層を導入する方法、又は基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
本発明は、これらの手段を組み合わせることにより、さらに高輝度又は耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚さで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど、外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマーなどが挙げられる。
透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度の範囲内であるので、低屈折率層は、屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。さらに、1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚さは、媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは、低屈折率媒質の厚さが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面、又はいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は、回折格子が1次の回折や、2次の回折といった、いわゆるブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち、層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間若しくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは、発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な一次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。
しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては、いずれかの層間、若しくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でも良いが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。このとき、回折格子の周期は、媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度の範囲内が好ましい。
回折格子の配列は、正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状など、二次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
<集光シート>
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、支持基板(基板)の光取出し側に、例えばマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、又はいわゆる集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmで、その頂角が90度となるような四角錐を二次元に配列する。一辺は、10〜100μmの範囲内が好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して着色したり、大きすぎると厚さが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば、液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして、例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)などを用いることができる。
プリズムシートの形状としては、例えば、基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であっても良い。
また、有機EL素子からの光放射角を制御するために、光拡散板・フィルムを、集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)などを用いることができる。
[表示装置]
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。
表示デバイス、ディスプレイにおいて、青、赤、緑発光の三種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。又は、一色の発光色、例えば、白色発光をカラーフィルターを用いてBGRにし、フルカラー化することも可能である。
さらに、有機ELの発光色を色変換フィルターを用いて他色に変換し、フルカラー化することも可能であるが、その場合、有機EL発光のλmaxは480nm以下であることが好ましい。
表示デバイス、ディスプレイとしては、テレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に、静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよく、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は、単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でも、アクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。
また、本発明の有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いてもよい。このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザー発振をさせることにより、上記用途に使用してもよい。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。有機EL素子の発光により画像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレイの模式図である。
ディスプレイ1は、複数の画素を有する表示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う制御部B等からなる。
制御部Bは、表示部Aと電気的に接続され、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づいて走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
図2は、表示部Aの模式図である。
表示部Aは、基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、複数の画素3等とを有する。表示部Aの主要な部材の説明を以下に行う。図2においては、画素3の発光した光Lが、白矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。
配線部の走査線5及び複数のデータ線6は、各々導電材料からなり、走査線5とデータ線6は格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。
画素3は、走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を、適宜、同一基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
次に、画素の発光プロセスを説明する。
図3は、画素の回路の模式図である。
画素は、有機EL素子10、スイッチングトランジスタ11、駆動トランジスタ12、コンデンサー13等を備えている。複数の画素に有機EL素子10として、赤色、緑色、青色発光の有機EL素子を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラー表示を行うことができる。
図3において、制御部Bからデータ線6を介してスイッチングトランジスタ11のドレインに画像データ信号が印加される。そして、制御部Bから走査線5を介してスイッチングトランジスタ11のゲートに走査信号が印加されると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオンし、ドレインに印加された画像データ信号がコンデンサー13と駆動トランジスタ12のゲートに伝達される。
画像データ信号の伝達により、コンデンサー13が画像データ信号の電位に応じて充電されるとともに、駆動トランジスタ12の駆動がオンする。駆動トランジスタ12は、ドレインが電源ライン7に接続され、ソースが有機EL素子10の電極に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号の電位に応じて電源ライン7から有機EL素子10に電流が供給される。
制御部Bの順次走査により走査信号が、次の走査線5に移ると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフしてもコンデンサー13は充電された画像データ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ12の駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行われるまで有機EL素子10の発光が継続する。順次走査により次に走査信号が印加されたとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位に応じて駆動トランジスタ12が駆動して有機EL素子10が発光する。
すなわち、有機EL素子10の発光は、複数の画素それぞれの有機EL素子10に対して、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタ11と駆動トランジスタ12を設けて、複数の画素3それぞれの有機EL素子10の発光を行っている。このような発光方法をアクティブマトリックス方式と呼んでいる。
ここで、有機EL素子10の発光は、複数の階調電位を持つ多値の画像データ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。
また、コンデンサー13の電位の保持は、次の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
本発明においては、上述したアクティブマトリックス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみデータ信号に応じて有機EL素子を発光させるパッシブマトリックス方式の発光駆動でもよい。
図4は、パッシブマトリックス方式による表示装置の模式図である。図4において、複数の走査線5と複数の画像データ線6が画素3を挟んで対向して格子状に設けられている。
順次走査により走査線5の走査信号が印加されたとき、印加された走査線5に接続している画素3が、画像データ信号に応じて発光する。パッシブマトリックス方式では画素3にアクティブ素子がなく、製造コストの低減が計れる。
また、複数の発光色を得るための発光材料の組み合わせは、複数のリン光又は蛍光を発光する材料(ドーパント)を、複数組み合わせたもの、蛍光又はリン光を発光する発光材料と、該発光材料からの光を励起光として発光する色素材料とを組み合わせたもののいずれでもよいが、本発明に係る白色有機EL素子においては、ドーパントを複数組み合わせる方式が好ましい。
複数の発光色を得るための有機EL素子の層構成としては、複数のドーパントを、一つの発光層中に複数存在させる方法、複数の発光層を有し、各発光層中に発光波長の異なるドーパントをそれぞれ存在させる方法、異なる波長に発光する微小画素をマトリックス状に形成する方法等が挙げられる。
本発明の有機EL素子においては、必要に応じ、製膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよく、電極と発光層をパターニングしてもいいし、素子全層をパターニングしてもいい。
発光層に用いる発光材料としては、特に制限はなく、例えば、液晶表示素子におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルター)特性に対応した波長範囲に適合するように、本発明に係る白金錯体、また公知の発光材料の中から任意のものを選択して組み合わせて白色化すればよい。
[照明装置]
本発明の照明装置は、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の露光光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれらに限定するものではない。
本発明の有機EL素子を具備した本発明の照明装置の一態様について説明する。
本発明の有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚さ300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを陰極上に重ねて透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止し、図5及び図6に示すような照明装置を形成することができる。
図5は、照明装置の模式図を示している。
図5に示すとおり、有機EL素子101はガラスカバー102で覆われている。
ガラスカバー102での封止作業は、好ましくは、有機EL素子101を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行われる。
図6は、照明装置の断面図を示している。
図6に示すとおり、照明装置は、主に陰極105、有機EL層106及び透明電極付きガラス基板107で構成され、これら部材がガラスカバー102で覆われている。
ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
このように、本発明の有機EL素子は、前記表示デバイス、ディスプレイに加えて、各種発光光源、照明装置として、家庭用照明、車内照明、また、露光光源のような一種のランプとして、また液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。
その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等、さらには表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例1及び2で使用する化合物を示す。
Figure 2014170820
[実施例1]
本発明のパラジウム(IV)錯体の有用性を確認するため、以下の方法により薄膜を形成し、その発光強度(量子収率)及び発光強度の経時安定性について検討を行った。
<薄膜−28の製造>
30mm×30mm×1.1mmの石英基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、市販のスピンコータに取り付けた。別途、本発明のパラジウム錯体として、3.6mgのPd−245と5mgのポリメチルメタクリレート(アルドリッチ社製;重量平均分子量Mw120000)を1mLテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、Pd換算で約5×10−3mol/Lの溶液を調製した。この溶液を前述の石英基板上に1500rpm、30秒の条件下、スピンコート法により成膜し、さらに、25℃で1時間真空乾燥して「薄膜−28」を得た。
<薄膜01〜27、29及び30の製造>
上記「薄膜−28」の製造において、Pd−245の代わりに、表1に記載のパラジウム錯体(Pd錯体)を用いることで、「薄膜−01〜27、29及び30」を得た。
<パラジウム錯体の評価>
上記で得られた「薄膜−01〜30」について、下記の方法にしたがって、各評価を行った。
(1)量子収率
常法に従い、分光蛍光光度計(日立ハイテック社製 F−4500型)を用いて、得られた薄膜の量子収率を算出した。
(2)経時安定性
上記で得られた薄膜をグローブボックス中で、スポット光源(浜松ホトニクス社製LC−8)を用いて発光させ、分光放射輝度計(コニカミノルタオプティクス社製CS−1000)を用いて、輝度のモニターリングを行った。
初期輝度100000cd/cmとなるように光源強度を調節し、60分間照射を行った。60分後の輝度と初期輝度の比(%表示)を経時安定性とした。すなわち、60分後の輝度が100000cd/cmで輝度の減少がなかった場合、100000(60分後)/100000(初期)×10=100%となる。
表1中、「薄膜−30」の量子収率及び経時安定性を100とした場合の相対値で示した。その結果を表1に示す。なお、数字が大きいほど経時安定性が良好である。
Figure 2014170820
表1に示した結果より、発光性が確認されているパラジウム(II)錯体(「薄膜−30」)に比べ、本発明のパラジウム(IV)錯体(「薄膜−01〜29」)が発光性に優れていることが明らかである。これは、基底状態と励起状態でのパラジウム原子周りのジオメトリー変化を抑制し、通常大きいとされる無輻射失活が抑制されたものと推察される。経時的安定性に関しても、パラジウム(IV)錯体の安定性向上は明らかであり、特に配位子の構造にカルベン種を含む錯体での安定性向上が認められる。
[実施例2]
以下に示すように、パラジウム錯体を発光ドーパントとし、「有機EL素子1−1〜1−4」を作製した。
<有機EL素子1−1の作製>
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を100nm製膜した基板(AvanStrate(株)製、NA−45)にパターニングを行った。その後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥して、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS(HT−1)、Bayer(株)製、Baytron P Al4083)を純水で70%に希釈した溶液を用い、スピンコート法により薄膜を形成した後、200℃にて1時間乾燥し、膜厚30nmの第1正孔輸送層を設けた。
次に、20mgの1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP)と、本発明のパラジウム錯体として、1mgのPd−131を2mLのトルエンに溶解し、スピンコート法により薄膜を形成した。80℃で1時間加熱乾燥し、膜厚40nmの発光層を設けた。
次いで、この発光層まで製膜した基板を真空蒸着装置に取り付けた。真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、電子輸送材料としてのトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)を20nm蒸着して電子輸送層を設けた。
続いて、フッ化リチウムを蒸着して膜厚1.0nmの陰極バッファー層を形成し、さらにアルミニウムを蒸着して膜厚110nmの陰極を形成することで、「有機EL素子1−1」を作製した。
<有機EL素子1−2〜1−4の作製>
上記「有機EL素子1−1」の作製において、「有機EL素子1−1」の発光層中の発光ドーパントPd−131の代わりに、表2に記載のPd錯体を用いることで、「有機EL素子1−2〜1−4」を作製した。
<有機EL素子の評価>
上記のようにして作製した「有機EL素子1−1〜1−4」について、下記の方法にしたがって、各評価を行った。
(1)発光効率の評価
各有機EL素子について、室温23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で、2.5mA/cm定電流を印加したときの外部取り出し量子効率(%)を測定し、これを発光効率の指標とした。測定には、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタオプティクス社製)を用いた。
発光効率は、有機EL素子1−4の外部取り出し量子効率の測定値を100としたときの相対値で表した。数値が大きいほど、発光効率に優れていることを表す。
(2)耐久性(半減寿命)の評価
各有機EL素子を、50℃の一定環境条件下で、初期輝度が1000cd/mを与える電流で定電流駆動させ、初期輝度の1/2(500cd/m)に到達するまでの時間(高温保存時の半減寿命)を求め、これを耐久性の尺度とした。
耐久性は、有機EL素子1−4の半減寿命を100とした相対値で求めた。数値が大きいほど、素子寿命が高く、耐久性に優れていることを表す。
Figure 2014170820
表2に示した結果より、本発明のパラジウム(IV)錯体を含有する「有機EL素子1−1〜1−3」は、パラジウム(II)錯体を含有する「有機EL素子1−4」に比べ、発光効率及び耐久性に優れていることが認められる。
1 ディスプレイ
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサー
A 表示部
B 制御部
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板

Claims (9)

  1. 少なくとも、陽極、陰極及び発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光層が、下記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2014170820
    〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。環Aは、Pdと共有結合を形成する炭素原子を有する芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。環Bは、Pdと配位結合を形成するQ(炭素原子、窒素原子又はリン原子)を有する芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有してもよい。また、環Aの置換基と環Bの置換基が結合することで新たな環構造を形成してもよい。L、L及びLは、それぞれ、1座又は2座の配位子を表し、いずれか一つの配位子は、環A又は環Bと連結して、3座の配位子を形成してもよい。ただし、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。〕
  2. 前記一般式(1)で表される構造を有するパラジウム錯体が、下記一般式(2)で表される構造を有するパラジウム錯体であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2014170820
    〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。環Aは、Yと炭素原子とともに形成される芳香族環又は非芳香族環を表し、さらにハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、ジ置換アミノ基又は炭素原子数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。これらの置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。Yは、炭素原子又は窒素原子を表す。X〜Xは、Pdに配位したカルベン炭素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、それぞれ、炭素原子、C−R、窒素原子、N−R、酸素原子又は硫黄原子を表し、少なくとも一つは窒素原子又はN−Rを表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。〕
  3. 前記一般式(2)における環Aが、5員又は6員の芳香族環又は非芳香族環を表すことを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記一般式(2)で表される構造を有するパラジウム錯体が、下記一般式(3)で表される構造を有するパラジウム錯体であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2014170820
    〔式中、Pdは配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。Y〜YはPdに配位した炭素原子とともに6員の芳香族環又は非芳香族環を形成する原子群であり、炭素原子、C−R又は窒素原子を表す。X及びXはカルベン炭素原子、窒素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、C−R又は窒素原子を表す。R及びRは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。〕
  5. 前記一般式(3)で表される構造を有するパラジウム錯体が、下記一般式(4)で表される構造を有するパラジウム錯体であることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2014170820
    〔式中、Pdは、配位数が6、かつ4価のパラジウム原子を表す。X及びXはカルベン炭素原子、窒素原子とともに5員の芳香族複素環又は非芳香族複素環を形成する原子群であり、C−R又は窒素原子を表す。R及びR〜Rは水素原子又は置換基を表し、Rは置換基を表す。Lは、Pdに配位する2座配位子を表す。p及びqは、1以上の整数を表し、p+q=3の関係式を満たす。qが2のとき、二つのLは互いに異なっている。〕
  6. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、複数層の発光層を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、二種以上の発光素子を含有し、かつ発光色が白色であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子が具備されていることを特徴とする表示装置。
  9. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子が具備されていることを特徴とする照明装置。
JP2013041383A 2013-03-04 2013-03-04 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 Active JP5998989B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013041383A JP5998989B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013041383A JP5998989B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014170820A true JP2014170820A (ja) 2014-09-18
JP5998989B2 JP5998989B2 (ja) 2016-09-28

Family

ID=51693004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013041383A Active JP5998989B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5998989B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014019701A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 Universal Display Corp 置換イミダゾールカルベンを配位子として含有する遷移金属錯体及びoledにおけるそれらの用途
CN110698501A (zh) * 2018-12-17 2020-01-17 广州华睿光电材料有限公司 一种过渡金属配合物及其应用
CN113024607A (zh) * 2019-12-24 2021-06-25 广州华睿光电材料有限公司 过渡金属配合物、聚合物、混合物、组合物及有机电子器件
EP3978583A1 (en) * 2020-10-02 2022-04-06 Universal Display Corporation Organic electroluminescent materials and devices

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006100393A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 有機電界発光素子
WO2007058255A1 (ja) * 2005-11-17 2007-05-24 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 遷移金属錯体化合物
JP2008530332A (ja) * 2005-02-18 2008-08-07 オーエルイーディー−ティー リミテッド エレクトロルミネセンス物質およびデバイス

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006100393A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 有機電界発光素子
JP2008530332A (ja) * 2005-02-18 2008-08-07 オーエルイーディー−ティー リミテッド エレクトロルミネセンス物質およびデバイス
WO2007058255A1 (ja) * 2005-11-17 2007-05-24 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 遷移金属錯体化合物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014019701A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 Universal Display Corp 置換イミダゾールカルベンを配位子として含有する遷移金属錯体及びoledにおけるそれらの用途
JP2018048148A (ja) * 2012-07-19 2018-03-29 ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション 置換イミダゾールカルベンを配位子として含有する遷移金属錯体及びoledにおけるそれらの用途
JP2019163257A (ja) * 2012-07-19 2019-09-26 ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション 置換イミダゾールカルベンを配位子として含有する遷移金属錯体及びoledにおけるそれらの用途
CN110698501A (zh) * 2018-12-17 2020-01-17 广州华睿光电材料有限公司 一种过渡金属配合物及其应用
CN110698501B (zh) * 2018-12-17 2022-10-04 广州华睿光电材料有限公司 一种过渡金属配合物及其应用
CN113024607A (zh) * 2019-12-24 2021-06-25 广州华睿光电材料有限公司 过渡金属配合物、聚合物、混合物、组合物及有机电子器件
CN113024607B (zh) * 2019-12-24 2023-12-01 广州华睿光电材料有限公司 过渡金属配合物、聚合物、混合物、组合物及有机电子器件
EP3978583A1 (en) * 2020-10-02 2022-04-06 Universal Display Corporation Organic electroluminescent materials and devices

Also Published As

Publication number Publication date
JP5998989B2 (ja) 2016-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017195669A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP5978843B2 (ja) イリジウム錯体化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
WO2017018326A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
WO2016017757A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、π共役系化合物、発光性薄膜
WO2016017684A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、発光性薄膜、表示装置及び照明装置
JP6319319B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP6146415B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
WO2016181844A1 (ja) π共役系化合物、遅延蛍光体、発光性薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置
JP6011542B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP6065557B2 (ja) イリジウム錯体、有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2016036022A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、電荷移動性薄膜、表示装置及び照明装置
WO2016181772A1 (ja) π共役系化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子材料、発光性薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
WO2017115753A1 (ja) 架橋化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
WO2016181773A1 (ja) π共役系化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子材料、発光材料、発光性薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP5849867B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
KR102426959B1 (ko) 유기 일렉트로루미네센스 소자용 재료, 유기 일렉트로루미네센스 소자, 표시 장치 및 조명 장치
JP2016210728A (ja) π共役系化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子材料、発光性薄膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP6686891B2 (ja) イリジウム錯体、有機エレクトロルミネッセンス材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP5998989B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JPWO2015046452A1 (ja) イリジウム錯体、イリジウム錯体の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JPWO2013114966A1 (ja) イリジウム錯体化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
WO2018168292A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置及び化合物
JPWO2017104242A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
WO2016084648A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、それが具備された照明装置及び表示装置
JP2017031184A (ja) イリジウム錯体、有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5998989

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350