JP2014170769A - 超電導コイルボビン及び超電導コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】通電安定性に優れた超電導コイルを得るためのコイルボビン及び超電導コイルを提供する。
【解決手段】巻芯部110の周りに超電導線材が巻回される超電導コイルボビンであって、前記巻芯部の外周面111において、300KにおけるSUS304に対する動摩擦係数が0.04以上、0.16以下であるシート又は樹脂からなる低摩擦係数層112が巻回、接着又は塗布されていることを特徴とする超電導コイルボビン及びこれに超電導線材を巻回してなるコイル。
【選択図】図2

Description

本発明は、超電導機器に使用する超電導コイル用のコイルボビンに関し、特に、クェンチが起こり難く、安定した通電性能を示し、耐久性が高い超電導コイルを作製するための技術に関する。
超電導コイルは、通常常温においてコイルボビンに超電導線材を巻回して作製され、液体窒素温度又は液体ヘリウム温度に冷却された状態で使用される。
ここで超電導コイルは、常温で超電導線材をコイルボビンに巻回した後に300℃近くも一気に冷却されるため、収縮により変形が生じて様々な不具合の要因となる。
例えば、金属系超電導線材を用いる超電導コイルにおいて、室温から液体ヘリウム温度(4K)まで冷却する際に(室温25℃とするとおよそ294℃の温度差がある)、コイルボビンが収縮し超電導線材の固定性が低下することによって、通電中にクェンチ発生などのトラブルが多発した事例が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。超電導コイルを冷却する際の超電導線材の固定性の低下を抑制するために、超電導線材の巻回部分に樹脂を含浸させて固化させたり、コイルボビンに螺旋溝をつけたりするなどの対策が講じられている。
一方、ビスマスやイットリウムの酸化物超電導材料などからなる高温超電導線材は液体窒素温度で超電導状態となるので、これを用いた超電導コイルが実用化できれば大変有用である。ところが該超電導コイルにおいて、熱暴走発生による超電導機能の喪失、超電導線材の焼損、及び交流損失の増大などの問題が未解決である旨が報告されている(例えば、非特許文献2、3参照)。
金属系超電導線材を用いる超電導コイルにおけるクェンチの発生要因は、通電時に超電導線材が電磁力を受けて急激に動き、超電導線材とコイルボビンとの間、及び超電導線材間で摩擦や衝突が起きるため、あるいは超電導線材の固定に用いている樹脂に冷却時や通電時にクラックが発生し熱が生じるためであると考えられる。
高温超電導線材を用いる超電導コイルにおける熱暴走の発生要因は、酸化物超電導材料は熱伝導性が低いので、交流通電による損失や冷却時の固定樹脂のクラックなどにより発生した熱が蓄積されるためであると考えられる。特にイットリウム系酸化物超電導材料を用いる場合は熱伝導性が特に低いので、発熱する箇所が局所的であり且つ熱が発散しないため、熱暴走が発生すると発生箇所が焼損する可能性が高い。
高温超電導線材を用いる超電導コイルにおける交流損失の増大の発生要因は、超電導線材の緩みや固定樹脂のクラックにより超電導線が動き、交流損失を誘発するためであると考えられる。
上記各発生要因に対する対策として、超電導コイルを冷却する際の収縮量を低減させ、発生した熱の拡散性を向上させるために、負の線膨張係数を有し高熱伝導性を有する電気絶縁性コイルボビンや、超電導マグネットを固定するためのスペーサの使用などの様々な対策が検討されている(例えば、特許文献1〜4、非特許文献1〜4参照)。
また、超電導線材をコイルボビンに巻回する際の超電導線材にかかる張力の不均一性について、非特許文献5において詳細な考察がなされている。巻回時において超電導線材に不均一な張力がかかったままの状態で、使用時において冷却されることにより不均一な熱応力がかかり、上記したような諸問題を顕著化させる。
また、超電導マグネットの固定に用いる極低温用スペーサについて、特許文献5に詳細な考察がなされている。
また、巻芯部外周面の摩擦係数の測定方法について、非特許文献6に詳細な記載がなされている。
特開平07―142233号公報 特開平08―195311号公報 特開2001−307915号公報 特開2008−306092号公報 特開平08−127094号公報
T. Kashima, A. Yamanaka, E. S. Yoneda, S. Nishijima, T. Okada, Advances in Cryogenic Engineering 41, p.441(1996) T. Takao, A. Kawasaki, M. Yamaguchi, H. Yamamoto, A. Niiro, K. Nakamura, A. Yamanaka, IEEE Transactions on Applied Superconductivity, (IEEE. Trans. Appl. Supercond.)vol.13, p.1776-1779 (2003) M. Furuse, M. Umede, T. Takao, Y. Fukasawa, S. Minowa, T. Iwamura, H. Sato, T. Asano, A. Yamanaka, IEEE Transactions on Applied Superconductivity, vol.16, no.2, p.150-153(2006) T. Takao, T. Yuhara, R. Sakuma, T. Goto, A. Yamanaka, IEEE Transactions on Applied Superconductivity, vol.20, no.3, p.2126-2129(2010) Arp V Stresses in Superconducting Magnets Journal of Applied Physics 48, p.2026-2036(1977) T. Takao, T. Kashima, A. Yamanaka, Advances in Cryogenic Engineering, Vol. 46, 127, 2000
しかしながら、金属系超電導線材を用いる超電導コイルにおいては、超電導線材の巻回部分に樹脂を含浸させて固化させたり、コイルボビンに螺旋溝をつけたりするなどの対策を施しても、クェンチ発生のリスクは未だ低いとは言えず、さらなる対策が望まれる。
また例えば樹脂含浸密巻ソレノイドコイルの場合には、上述したような電気絶縁性コイルボビンや極低温用スペーサを使用するなどの対策を施しても、固定樹脂のクラック発生確率の大幅な低減には至らない。
樹脂含浸密巻ソレノイドコイルの場合に該対策が有効に働かないのは、超電導線材を巻回していない状態のコイルボビンが有する負膨張、高熱伝導といった特長が、超電導線材を巻回して得られたコイル全体に及ばないことが要因であると考えられる。詳しくは巻回時において超電導線材にかかる張力は一定ではなく、樹脂含浸密巻ソレノイドコイルにおいては超電導線材が固定樹脂により含浸固定される際に不均一に応力がかかった状態で固定されてしまうため、固定樹脂のクラックの発生リスクは下がらないものと考えられる。さらにクラック発生後は線材固定性が緩む部分が生じているため、高熱伝導性を有するコイルボビンを使用しても、熱伝導効果が十分に得られない。例えばエポキシ樹脂などの熱硬化樹脂を固定樹脂として用いた場合には、硬化収縮により内部に歪が生じ、超電導線材などにかかる応力を増大させてしまう。
コイルボビン表面の摩擦係数に着目すると、摩擦係数が高い場合には超電導線材の可動性が低いので、超電導線材にかかる張力のムラが増大する傾向があり、且つ冷却や通電電磁力により超電導線材にかかる応力が開放されて超電導線材が移動する速度が速くなる傾向がある。摩擦係数が低い場合には超電導線材の可動性が高いので、冷却によりコイルボビンが収縮して超電導線材の固定性が低下した状態で通電すると、超電導線材が容易に動き超電導コイルのクェンチ及び交流損失の増大が起こり易い。
巻回時に超電導線材にかける張力に着目すると、高張力で巻線すると不均一な度合いが大きくなる傾向がある。低張力で巻線すると超電導線材の固定性が低く、且つ冷却時に超電導線材の動きが大きくなる傾向がある。特に樹脂含浸コイルにおいては、固定樹脂の層が厚いため、固定樹脂の硬化収縮による歪ムラの影響をより大きく受けることになる。該歪ムラは固定樹脂のクラックを誘発し、超電導線材の固定性を低下させる。超電導線材の固定性が低下すると、部分的に超電導線材が動いて局所発熱を引き起こし、コイルの熱暴走が発生する要因となる。
コイルボビンの線膨張係数に着目すると、低線膨張係数又は負の線膨張係数の材料を使用してコイルボビンを作製した場合には、高張力で巻線する場合と同様に、不均一な度合いが大きくなる傾向がある。高線膨張係数の材料を使用してコイルボビンを作製した場合には、低張力で巻線する場合と同様に、超電導線材の固定性が低く、且つ冷却時に超電導線材の動きが大きくなる傾向がある。超電導線材の固定性が低いと、コイルの交流損失につながり、ひいては局所発熱及び熱暴走が発生する要因となる。
以上のように超電導コイルの実用に足る性能を発現させるために解決すべき問題は多い。これらの問題の効果的な解決手段の1つとして、コイルボビン表面の摩擦係数を低くすることが挙げられる。さらに、低線膨張係数又は負の線膨張係数の材料を使用してコイルボビンを作製するとより効果的である。例えば非特許文献1〜4及び特許文献1〜3に記載された高強度ポリエチレン繊維は、摩擦係数が低く且つ負の線膨張係数の材料である。高強度ポリエチレン繊維を強化繊維として用いて樹脂成型されるコイルボビンは、通常フィラメントワインディング法によって作製され、コイルボビン表面には該高強度ポリエチレン繊維が露出せず、摩擦係数が低くないエポキシ樹脂などの母材(マトリクス樹脂)により被覆される。よってコイルボビン表面の摩擦係数は低くなっていない。
本発明は以上のような従来の課題を考慮してなされたものであり、超電導線材を均一な張力で巻回でき、超電導線材の固定性がよい超電導コイルボビン、及び安定した通電性能を備える該超電導コイルボビンを用いた超電導コイルを提供することを目的とする。
本発明の超電導コイルボビンは、巻芯部の周りに超電導線材が巻回される超電導コイルボビンであって、巻芯部外表面には300KにおけるSUS304に対する動摩擦係数が0.04以上、0.50以下であるシート又は樹脂からなる低摩擦係数の層が巻回、接着又は塗布されている。
前記外表面に巻回されるシートとしては、例えばポリエチレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維からなる繊維シート、ポリエチレンシート、ポリテトラフルオロエチレンシートなどが挙げられる。繊維シートの形態としては、平織り、綾織等に代表される織物、編物、不織布などいずれの形態でもよい。またシート材としては、フィルム状の平板シートでもよいし、テープ状のものでもよい。
前記低摩擦係数のシートの巻回方法としては、接着剤を用いずに巻回し、その上から超電導線材を巻回する手法をとる方法、前記シートと巻芯表面とを接着剤を用いて接着する方法が挙げられるが、いずれでもよい。接着剤としてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、熱可塑性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられるが、いずれでもよい。
巻芯部外表面には低摩擦係数の樹脂を塗布してもよい。塗布する樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が有効であるが、特にパラフィンワックスが取り扱い性に優れている。
本発明に係る超電導コイルボビンは、巻芯部の外周面に低摩擦係数を有するシート又は樹脂が巻回、接着または塗布されている。よって、超電導線材を巻回する際に巻芯部の外周面に巻回又は接着、塗布された低摩擦性のシート又は樹脂を超電導線材が滑らかに動いて、張力が均一にかかる安定位置に移動し、線材間に不必要な隙間が生じない。
また冷却によって超電導コイルボビンと超電導線材とが異なる熱膨張率で変形するが、巻芯部の外周面上の巻線方向に超電導線材が滑らかに動き、均一な張力がかかった状態となる位置へと再び移動する。さらに、樹脂含浸の際に該超電導線材に均一に張力がかかった状態で樹脂固定がなされて冷却されるため、冷却クラックが生じ難い。従って、本発明にて得られた超電導コイルはほぼ均一な張力で超電導線材が巻かれるため、クェンチが起こり難く、安定した通電性能を示し、且つ耐久性が高い。
本発明に係る超電導コイルボビンの外観図である。 図1の超電導コイルボビンの断面図である。 本発明に係る超電導コイルボビンの形状の概要を示す断面図である。 本発明に係る超電導コイルの形状の概要を示す断面図である。 実験用システムを示す概略図である。 使用している超電導線材の短尺線臨界を示すグラフ、及び評価対象の超電導コイルへの通電電流値と発生磁場との関係を示すグラフである。 通電プログラムを示すグラフである。 本発明に係る高温超電導コイルボビンの形状の概要を示す断面図である。 本発明に係る高温超電導コイルの形状の概要を示す断面図である。
<実施形態1>
本発明に係る実施形態1の超電導コイルボビンは、超電導線材が巻回されることにより超電導コイルとなる超電導コイル用のコイルボビンである。
図1に示す超電導コイルボビン100は、巻芯部110、第1ツバ部121、第2ツバ部122、第1保護フィルム131、及び第2保護フィルム132を備える。
巻芯部110は、超電導線材が巻回される部分であり、高強度ポリエチレン繊維強化複合材料、高強度PBO繊維強化複合材料、ガラス繊維強化複合材料、アルミニウム、ステンレスなどからなる。特に負膨張、高熱伝導性を有する電気絶縁材である高強度ポリエチレン繊維強化複合材料、高強度PBO繊維強化複合材料が望ましい。繊維強化複合材料の母材(マトリックス樹脂)には、例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びウレタン樹脂などを用いることができる。特に、成形性、強度、及び接着性の点から、母材にはエポキシ樹脂を用いることが望ましい。
図2は、図1に示す超電導コイルボビン100を図1中の破線Xの位置で水平に切断し、上方向から見た断面図であり、巻芯部110の一部を拡大し外周面111周辺の概要を示している。巻芯部110の外周面111において、図2に示すように、低摩擦係数層112が巻回、接着又は塗布されている。
外周面111において、巻回、接着又は塗布されている低摩擦係数のシート又は樹脂層112の厚みは、平均で1μm以上、特に平均で20μm以上がより望ましい。低摩擦係数層が1μm未満であると、巻線時の摩擦で剥離破壊を起こしやすくなる。本実施形態においては、外周面111において、低摩擦係数層112が平均で20μm以上となっている。
ここで、巻芯部110に含まれる材料は1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。例えば、巻芯部110を、外周面111を有する外層部分113とその他の部分である内層部分114とからなる多層パイプ構造としてもよい。
ここで外周面に配された低摩擦係数層112は、300KにおけるSUS304に対する動摩擦係数が0.04以上、0.16以下であることが望ましく、さらに0.05以上、0.15以下であることがより望ましい。動摩擦係数が0.16より大きいと巻線時の超電導線材にかかる張力を均一化できる。動摩擦係数が0.04未満であると滑り性が高すぎて、超電導線材を巻回し難くなる。
ここで低摩擦係数層112には、例えばポリオレフィン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスイミダゾール繊維及びポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維などのあらゆる低摩擦繊維からなる繊維シート、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどあらゆる低摩擦係数フィルム、又はこれらからなるテープを用いることができる。またパラフィンワックスなどオレフィン系樹脂層を用いてもよい。
ここで巻芯部110の形状は、対称性を考慮して水平断面が真円を成す円筒型としているが、水平断面が楕円形を成す楕円型や、水平断面がレーストラック形状を成すレーストラック型などの他の筒状の形状であってもよい。
外周面111の表面形状は、コイルの巻き易さを考慮して、密巻に適した円形面としているが、超電導線材の巻回状態をより安定に保持するために、螺旋溝やディンプルなどをつけてもよい。
第1ツバ部121及び第2ツバ部122は、巻回された超電導線材が巻芯部110から外れないように、巻芯部110の端に取り付けられているガイドであり、例えばG10製である。ここでG10とはグラスファイバーにエポキシ樹脂を染み込ませ、高温・高圧下で硬化させたガラスエポキシ樹脂積層板である。
第1保護フィルム131及び第2保護フィルム132は、例えばポリイミド製のフィルムであり、超電導線材を巻回した際に、それぞれ第1ツバ部121と超電導線材との間、及び第2ツバ部122と超電導線材の間に位置し、超電導線材が第1ツバ部121及び第2ツバ部122に直接接触しないように間に挟まり摩擦抵抗を低減させる。
超電導コイルボビン100に巻回する超電導線材は、例えば、NbTi、NbSn、及びNbAlなどの金属系超電導線、ビスマス系酸化物超電導線、イットリウム系酸化物超電導線、及びホウ化マグネシウム系超電導線などである。
超電導線材は、例えば丸線、矩形線、撚線、及びテープ状線材などであり、他の形状の線材であってもよい。
超電導コイルボビン100に超電導線材を巻回した後に、樹脂含浸により超電導線材を固定する樹脂含浸式とするか、樹脂含浸しない樹脂非含浸式とするかは、適宜選択することができる。
樹脂含浸式とする場合において、固定用樹脂には、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ニカワ、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、パラフィン樹脂、及びシアノアクリレート樹脂などを用いることができる。特に、成形性、強度、及び接着性の点から、固定用樹脂にはエポキシ樹脂が望ましい。
本発明の超電導コイルの冷却方法には、液体ヘリウム及び液体窒素などを用いた冷媒浸漬方式や冷凍機伝導冷却方式などを用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下に金属系超電導線を用いた低温超電導コイル、及び酸化物超電導線を用いた高温超電導コイルのそれぞれについての実施例を示す。
<測定方法>
(1)動摩擦係数の測定方法
繊維シート材、フィルム状シート材もしくはテープ上シート材の動摩擦係数はJIS−K−7125に従って評価した。具体的にはステンレスの板の上に試料シートを貼り付けた重量1.4kgのステンレスブロックを置き、これに引張り荷重によって移動せしめ、かかる荷重から摩擦係数を算出した。試料がシート状でないもの、例えばパラフィン樹脂などの場合はステンレスブロックの底面にこれを塗布した。また複合材料試料の場合は板材を成形し、ステンレスブロックの下に貼り付けた。
<低温超電導コイルの性能評価>
(1)超電導線材
超電導線材は、超電導材料がNbTiで、安定化材に銅を用いた直流用金属系超電導線であり、ここでは、NbTi/銅比率が1:1.8(断面積比)、超電導線径が0.69mmのフォルマル被覆線を用いている。
(2)超電導コイルボビンの形状
図3は、図1に示す超電導コイルボビン100を垂直に中央で切断し、切断面の正面方向から見た断面図であり、超電導コイルボビン100の形状の概要を示している。
図3の断面図に示すように、超電導コイルボビン100の形状は、全長が91mm、巻芯部外径が55mm、巻芯部内径が50mm、第1ツバ部121及び第2ツバ部122の外径が120mm、2つのツバ部間の距離が71mm、第1保護フィルム131及び第2保護フィルム132間の距離が67mmである。
(3)巻線
上記(2)の超電導コイルボビン100に、超電導線材を、巻き線張力を4kgfかけた状態のままで1層につき95回巻き、これを繰返し70層(95回/層×70層=665回)巻いている。
(4)超電導コイルの形状
超電導コイルの形状は、図4の断面図に示すように、図3に示す超電導コイルボビン100に、超電導線材の巻線140が巻かれたものである。
(5)冷却方法
上記(4)の超電導コイルを液体ヘリウムに浸漬し4.3Kに冷却した状態で、超電導に関する性能を測定し評価する。
(6)実験用システム
本実験では、超電導コイルの性能を通電試験により評価する。具体的には、図5に示す実験用システムにおいて、評価対象の超電導コイルAと、10Tまでの磁場発生が可能な外部磁場発生超電導コイルBとを例えば100mm程度の間隔で近接させて配置し、評価対象の超電導コイルの巻き始め部分と巻き終わり部分との間の電圧(以下「コイル電圧」という)を測定する。ここで外部磁場発生超電導コイルBに電流を流し磁場を発生させると、外部磁場がある状態における超電導コイルAの性能を評価することができる。また外部磁場発生コイルBに電流を流さなければ、外部磁場がない状態における超電導コイルAの性能を評価することができる。
(7)通電条件、低温超電導コイル負荷率
図6は、本実験で使用している超電導線材の短尺線臨界を示すグラフC、及び、評価対象の超電導コイルへの通電電流値と発生磁場との関係を示すグラフ(外部磁場がない場合:グラフD、外部磁場が5Tの場合:グラフE)である。
外部磁場を5Tにした状態において、図6に示すグラフEのロードラインに沿って、図9に示すように0Aから75Aまで序々に通電電流値を上げていき、75Aを1分間通電した後、序々に0Aまで通電電流値を下げる。ここで通電の際の掃引速度は5.50A/secとする。図6におけるグラフCとグラフEとの交点のX座標の値より、外部磁場が5Tの状態における臨界電流値を75Aとし、これをIcと定義する。ここでIcは、外部磁場が5Tの状態において通電し得る通電電流の理論的な限界値である。
上記通電中にコイル電圧の測定を継続し、急速にコイル電圧が上昇したときにクェンチが発生したものと考え、その時の電流値をクェンチ電流値と呼ぶことにする。ここで外部磁場が5Tの状態におけるクェンチ電流値をIqと定義する。
さらに負荷率Iq/Icを定義し、超電導コイルの性能を該負荷率で評価することとする。
<高温超電導コイルの性能評価>
(1)高温超電導線材
高温超電導線材は、ビスマス系高温超電導テープ線材、及びイットリウム系高温超電導テープ線材の2種類を使用した。ビスマス系高温超電導テープ線材は、Bi2223テープ線材を用い、ここでは、幅2.7mm厚み0.24mm、77Kにおける臨界電流値が70Aである。イットリウム系高温超電導テープ線材は、YBCO線材(基板材料はハステロイ)を用い、ここでは、幅4mm厚み0.1mm、77Kにおける臨界電流値が90Aである。
(2)高温超電導コイルボビンの形状
図8は、高温超電導コイルボビン200を垂直に中央で切断し、切断面の正面方向から見た断面図であり、高温超電導コイルボビン200の形状の概要を示している。
図8の断面図に示すように、高温超電導コイルボビン200の形状は、図3の超電導コイルボビン100と較べ、第1ツバ部121、第2ツバ部122、第1保護フィルム131、及び第2保護フィルム132に相当する部分がなく、巻芯部110に相当する巻芯部210を備えており、全長が14mm、巻芯部外径が55mm、巻芯部内径が50mmである。
(3)巻線
上記(2)の高温超電導コイルボビン200に、巻き線張力を0.1kgfをかけた状態のままで、超電導テープ線材間に厚み0.025mmにポリイミドテープを介した状態で1段につき80層を巻回し、これを2段重ねにして合計160層のダブルパンケーキコイルにしている。
(4)高温超電導コイルの形状
高温超電導コイルの形状は、図9の断面図に示すように、図8に示す高温超電導コイルボビン200に、ダブルパンケーキコイル220が巻かれたものである。ここで図9には、冷却用のGM冷凍機の冷却ヘッド300を記載している。
(5)冷却方法
上記(4)の高温超電導コイルを、GM冷凍機を用いて77Kまで冷却した状態で、超電導に関する性能を測定し評価する。
(6)実験用システム
本実験では、高温超電導コイルの性能を通電試験により評価する。具体的には、上記低温超電導コイルの性能評価において用いた実験用システムと同様である。
(7)通電条件、高温超電導コイル不安定化開始時間(s)
評価対象の高温超電導コイルに、臨界電流値Icの95%の電流値の電流を通電して、コイル電圧の時間変化を観測し、コイル電圧が増大し始める時間を比較する。
コイル電圧の上昇は局所的な温度上昇などによる部分的常伝導転移によるものであり、コイルの安定性を示す指標になる。なお通電は直流と交流(60Hz)との2種類で実施した。
以下に、実施例1〜8、比較例1〜7の概要を示す。
<実施例1>
高強度ポリエチレン繊維(東洋紡績(株)、ダイニーマ(登録商標)SK−60)を強化繊維とし、マトリクス樹脂を三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用い、巻角度60度でフィラメントワインディングし、これを120℃で5時間かけて加熱成形して複合材料パイプを製造した。該パイプの表面に、高強度ポリエチレン繊維(東洋紡(株)製、ダイニーマ(登録商標)SK−60)1320dtexの繊維束が縦15本/インチ、横15本/インチの密度で構成されてなる平織り織物を、接着してコイルボビンとした。該コイルボビンを用いて、樹脂非含浸型超電導コイル及び樹脂非含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。なおパイプと高強度ポリエチレン繊維織物との接着には三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用いた。
<実施例2>
実施例1のコイルボビンを用いて樹脂含浸型超電導コイル及び高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはEmerson and Cummings社製エポキシ樹脂W19を用いた。
<実施例3>
ガラス繊維(日東紡(株)、E−ガラス)を強化繊維とし、マトリクス樹脂を三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER828(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用い、巻角度85度でフィラメントワインディングし、これを120℃で5時間かけて加熱成形して複合材料パイプを製造した。さらに該複合材料パイプの表面に厚さ0.125mmのポリエチレンフィルムを接着したものをコイルボビンとした。該コイルボビンを用いて、樹脂非含浸型超電導コイル及び樹脂非含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。なおパイプとポリエチレンフィルムとの接着には三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用いた。
<実施例4>
実施例3のコイルボビンを用いて樹脂含浸型超電導コイル及び高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはブレニー技研のGM6800エポキシ樹脂を用いた。
<実施例5>
アルミニウム製パイプの表面にパラフィンを塗布したものをコイルボビンとした。該コイルボビンを用いて、樹脂非含浸型超電導コイル及び樹脂非含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。
<実施例6>
実施例5のコイルボビンを用いて樹脂含浸型超電導コイル及び高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはグレース社製エポキシ樹脂スタイキャスト2850GTを用いた。
<実施例7>
ステンレススチール(SUS−304)からなるパイプの表面に厚さ0.125mmのポリイミドフィルムを巻回し、さらに高強度ポリエチレン繊維(東洋紡(株)製、ツヌーガ(登録商標))からなる440dtexヤーンが縦15本/インチ、横15本/インチ配されてなる平織りの織物を接着させたものをコイルボビンとした。なおパイプと高強度ポリエチレン繊維の織物との接着には三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用いた。該コイルボビンを用いて、樹脂含浸型超電導コイル及び樹脂含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここでコイルの樹脂含浸にはシアノアクリレート樹脂を用いた。
<実施例8>
高強度PBO繊維(東洋紡(株)製、ザイロンHM(登録商標))を強化繊維とし、マトリクス樹脂を三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827/日立化成HN5500/三菱化学BMI−12=100/85/1(重量部)混合したものを用い、巻角度60度でフィラメントワインディングし、これを120℃5時間で加熱成形した複合材料パイプを得た。さらにパイプ表面を研磨して強化繊維を露出せしめたものを巻芯とした。これに厚み100ミクロンのポリテトラフルオロエチレンシートを接着してコイルボビンとした。なおパイプとポリテトラフルオロエチレンシートとの接着には三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用いた。該コイルボビンを用いて樹脂含浸型超電導コイル及び樹脂含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはプレニー技研製エポキシ樹脂GM6800を用いた。
<実施例9>
ガラス繊維(日東紡(株)製、E−ガラス)を強化繊維とし、マトリクス樹脂を三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER828(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用い、巻角度85度でフィラメントワインディングし、これを120℃で5時間かけて加熱成形して複合材料パイプを製造した。これに高強度PBO繊維(東洋紡(株)製、ザイロンHM(登録商標))からなる織物を接着してコイルボビンとした。なお使用したPBO繊維織物は、ザイロンHM550dtexが縦に1インチ当たり32本、横に1インチ当たり32本用いた平織りのものとした。パイプとPBO繊維の織物との接着には三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用いた。該コイルボビンを用いて、樹脂含浸型超電導コイル及び高温超電導コイル2種をそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはプレニー技研製エポキシ樹脂GM6800を用いた。
<実施例10>
ガラス繊維(日東紡(株)、E−ガラス)を強化繊維とし、マトリクス樹脂を三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER828(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用い、巻角度85度でフィラメントワインディングし、これを120℃で5時間かけて加熱成形して複合材料パイプを製造した。さらに該複合材料パイプの表面に、高強度ポリエチレン繊維(東洋紡(株)製、ダイニーマ(登録商標)SK−60)1320dtexの繊維束が縦15本/インチ、横15本/インチの密度で構成されてなる平織り織物を、巻回してコイルボビンとした。該コイルボビンを用いて、樹脂非含浸型超電導コイル及び樹脂非含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。
<実施例11>
実施例10のコイルボビンを用いて樹脂含浸型超電導コイル及び高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはグレース社製エポキシ樹脂スタイキャスト2850GTを用いた。
<比較例1>
高強度ポリエチレン繊維(東洋紡(株)製、ダイニーマ(登録商標)(SK−60)を強化繊維とし、マトリクス樹脂を三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用い、巻角度60度でフィラメントワインディングし、これを120℃で5時間かけて加熱成形して複合材料パイプを製造した。該複合材料パイプの表面を未研磨のままコイルボビンとした。該コイルボビンを用いて、樹脂非含浸型超電導コイル及び樹脂非含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。
<比較例2>
比較例1のコイルボビンを用いて樹脂含浸型超電導コイル及び高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはEmerson and Cummings社製エポキシ樹脂W19を用いた。
<比較例3>
ガラス繊維(日東紡(株)製、E−ガラス)を強化繊維とし、マトリクス樹脂を三菱化学のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER827(100質量部)、日立化成HN5500(85質量部)、三菱化学BMI−12(1質量部)を混合したものを用い、巻角度60度でフィラメントワインディングし、これを120℃で5時間かけて加熱成形して複合材料パイプを製造し、これをコイルボビンとした。該コイルボビンを用いて、樹脂非含浸型超電導コイル及び樹脂非含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。
<比較例4>
比較例3のコイルボビンを用いて樹脂含浸型超電導コイル及び高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはEmerson and Cummings社製エポキシ樹脂W19を用いた。
<比較例5>
アルミニウムパイプをコイルボビンとして用いて、表面にポリイミドフィルムを巻回して樹脂非含浸型超電導コイル及び樹脂非含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。
<比較例6>
ステンレススチールパイプをコイルボビンとした。該コイルボビンを用いて、表面にポリイミドフィルムを巻回して樹脂非含浸型超電導コイル及び樹脂非含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。
<比較例7>
窒化アルミからなるパイプを超電導コイルボビンとして用いて、樹脂含浸型超電導コイル及び樹脂含浸型高温超電導コイルをそれぞれ作製した。ここで樹脂含浸にはCTD社製エポキシ樹脂CTD101を用いた。
実施例1〜11及び比較例1〜7の各超電導コイルにおける性能評価の結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜11の超電導コイルは、超電導コイルボビンの外周面に使用されるシート材料の動摩擦係数0.09〜0.15、低温超電導コイルの負荷率は全て100%であるため、安定した通電性能を備える超電導コイルであると言える。さらに高温超電導コイルの不安定化開始時間においても、実施例1〜8では、Bi2223系に直流を流した場合に385〜420s(比較例1〜7では186〜265s)、Bi2223系に交流を流した場合に392〜410s(比較例1〜7では122〜270s)、YBCOに直流を流した場合に385〜405s(比較例1〜7では180〜245s)、YBCOに交流を流した場合に380〜401s(比較例1〜7では132〜238s)であるため、安定性が大幅に向上している。
一方比較例1〜7の超電導コイルは、超電導コイルボビンの外周面にて超電導線材と接する材料の動摩擦係数は0.54〜0.84(実施例1〜11と較べかなり高い)、低温超電導コイルの負荷率は52〜78%(実施例1〜11と較べて低い)であるため、安定した通電性能を備える超電導コイルであるとは言えない。高温超電導コイルについても安定性は低い。
本発明の超電導コイルボビンを用いた超電導コイルは安定した通電性能を備えるため、MRI、NMR、結晶引き上げ装置、電力貯蔵システム、変圧器、限流機、及びリニアモーターカー用超電導コイルなどに利用可能である。
100 超電導コイルボビン
110 巻芯部
111 巻芯部の外周面
112 外周面に巻回、接着又は塗布された低摩擦係数層
113 外層部分
114 内層部分
121 第1ツバ部
122 第2ツバ部
131 第1保護フィルム
132 第2保護フィルム
140 超電導線材の巻線
200 高温超電導コイルボビン
210 巻芯部
220 ダブルパンケーキコイル
300 GM冷凍機の冷却ヘッド

Claims (10)

  1. 巻芯部の周りに超電導線材が巻回される超電導コイルボビンであって、
    前記巻芯部の外周面において、300KにおけるSUS304に対する動摩擦係数が0.04以上、0.16以下であるシート又は樹脂からなる低摩擦係数層が巻回、接着又は塗布されていることを特徴とする超電導コイルボビン。
  2. 前記低摩擦係数層がポリエチレン繊維シートである請求項1に記載の超電導コイルボビン。
  3. 前記低摩擦係数層がポリエチレンフィルムである請求項1記載の超電導コイルボビン。
  4. 前記低摩擦係数層がポリエチレンテープである請求項1記載の超電導コイルボビン。
  5. 前記低摩擦係数層がポリテトラフルオロエチレン繊維シート、ポリテトラフルオロエチレンフィルム又はテープのいずれかである請求項1記載の超電導コイルボビン。
  6. 前記低摩擦係数層がパラフィンワックスである請求項1記載の超電導コイルボビン
  7. 前記低摩擦係数層がポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維シートである請求項1記載の超電導コイルボビン
  8. 前記巻芯が高強度ポリエチレン繊維強化複合材料からなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の超電導コイルボビン
  9. 前記巻芯が高強度PBO繊維強化複合材料からなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の超電導コイルボビン
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の超電導コイルボビンに、前記超電導線材が巻回されている超電導コイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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