JP2014170432A - 家電稼働最適化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】連続稼働家電、ペア稼働家電が含まれる複数の家電についての制約を考慮して、各家電の稼働時間帯を最適化することである。
【解決手段】家電稼働最適化システム10における制御装置40は、入力部60からユーザの各家電に対する所望稼働時間を取得し、記憶部50に記憶される電力料金制約54、各家電18について連続稼働やペア稼働を含む稼働条件の制約である家電制約56、各家電18の消費電力制約58の下で、各家電18の稼働時間帯を変数として、所定期間内の電力料金を最小とする各家電18の稼働時間帯を算出し、出力部62に算出結果を出力する。
【選択図】図1
【解決手段】家電稼働最適化システム10における制御装置40は、入力部60からユーザの各家電に対する所望稼働時間を取得し、記憶部50に記憶される電力料金制約54、各家電18について連続稼働やペア稼働を含む稼働条件の制約である家電制約56、各家電18の消費電力制約58の下で、各家電18の稼働時間帯を変数として、所定期間内の電力料金を最小とする各家電18の稼働時間帯を算出し、出力部62に算出結果を出力する。
【選択図】図1
Description
本発明は、家電稼働最適化システムに係り、特に、電力料金が時間帯によって異なる場合に、複数の家電を含む電力消費群について、各家電の稼働時間帯を最適化して、所定期間における電力料金を最小化する家電稼働最適化システムに関する。
電力会社は、電力需給に応じて、昼間電力料金と深夜電力料金とで差をつけている。このように時間帯によって電力料金に差があるので、電力消費機器の稼働時間を適切に設定することで、利用者にとって電力料金の低減を図ることができ、また、電力需給が平準化する。
例えば、特許文献1には、家庭内受給電システムとして、電力を受給供給する二次電池と、外部から電力を受給する配電盤と、自家発電する太陽電池パネルと、家庭内の機器について、自家発電量が家庭内の機器で消費する家庭内消費電力量よりも多い場合、その差分を二次電池に供給し、自家発電量が家庭内消費電力量よりも小さい場合、二次電池が充電されている場合は二次電池から電力を受給し、二次電池が充電されていないときは外部から配電盤を介して電力を受給することが述べられている。
また、非特許文献1には、家電の利用時間帯について、数理計画問題を解くことで、各家電の利用時間の最適化を図っている。ここでは、変数として各家電の各時刻における消費電力を取り、制約として各時刻における各家電の消費電力の上限値を与え、目的関数として電力料金を最小とする関数を立てている。
Amir−Hamed,et ai.,Optimal and Autonomous Incentive−based Energy Consumption Scheduling Algorithm for Smart Grid,Innovative Smart Grid Technologies 2010,p.1−6,2010年1月
非特許文献1に述べられているように、数理計画問題を解くことで、複数の家電の稼働時間帯を適切に設定して電力料金を低減できる。非特許文献では、複数の家電のそれぞれの稼働時間を考慮しているが、複数の家電の中には、炊飯器のように、断続的な稼働ではなく連続的稼働が必要なもの、洗濯機と乾燥機のように1つの機器の稼働が終了すると別の機器の稼働が開始するもの等がある。このような家電間の制約も考慮に入れた電力消費の最適化を図ることが望まれる。
本発明の目的は、連続稼働家電やペア稼働家電が含まれる複数の家電についての制約を考慮して、各家電の稼働時間帯を最適化することを可能にする家電稼働最適化システムを提供することである。
本発明に係る家電稼働最適化システムは、電力料金が時間帯によって異なる場合に、複数の家電を含む電力消費群について、各家電の稼働時間帯を最適化して、所定期間における電力料金を最小化する家電稼働最適化システムであって、電力料金と時間帯の関係である電力料金制約、及び各家電についての稼働条件の制約である家電制約、及び各家電の消費電力値である消費電力制約を記憶する制約記憶部と、ユーザの各家電に対する所望稼働時間を取得する取得部と、取得された各家電に対する所望稼働時間と記憶部に記憶される制約との下で、各家電の稼働時間帯を変数として、所定期間内の電力料金を最小とする各家電の稼働時間帯を算出する稼働時間帯算出部と、算出された各家電の稼働時間帯を出力する出力部と、を備え、制約記憶部は、各家電についての稼働条件の制約として、各家電を、予め定めた稼働時間の間は連続稼働が必要な連続稼働家電、及び1つの家電の稼働に連動して稼働することが必要なペア稼働家電、及び他の家電と無関係に稼働可能な独立稼働家電に区別し、稼働時間帯算出部は、連続稼働家電の連続稼働時間帯、及びペア稼働家電の稼働時間帯を含めて各家電の稼働時間帯を算出することを特徴とする。
また、本発明に係る家電稼働最適化システムにおいて、稼働時間帯算出部は、連続稼働家電の連続稼働時間帯について予め定めた複数の候補時間帯を定め、複数の候補時間帯を変数として、所定期間内の電力料金を最小とする候補時間帯を選択することが好ましい。
また、本発明に係る家電稼働最適化システムにおいて、稼働時間帯算出部は、複数の候補時間帯についていずれか1を選択したときの所定期間における電力料金をそれぞれ算出し、出力部は、各候補時間帯の選択ごとの所定期間における電力料金を出力し、ユーザによる選択を促すことが好ましい。
上記構成の家電稼働最適化システムによれば、連続稼働家電やペア稼働家電が含まれる複数の家電についての制約を考慮して、各家電の稼働時間帯を最適化することが可能になる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下で述べる複数の家電は、家電稼働最適化の説明のための例示であって、これ以外の家電であってもよい。同様に、各家電についての家電制約、消費電力制約も家電稼働最適化の説明のための例示であって、これ以外の制約であってもよい。また、電力料金制約も、家電稼働最適化の説明のための例示であって、これ以外の電力料金と時間帯の関係であってもよい。
以下では、全ての図面において対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、家電稼働最適化システム10の構成を示す図である。家電稼働最適化システム10は、系統電源12から電力の受給を受ける家庭14に設けられる複数の家電18を家電稼働最適化の対象として、家電稼働最適化を図る制御装置40を備えるシステムである。家電稼働最適化システム10は、系統電源12の電力料金が時間帯によって異なる場合に、複数の家電18を含む電力消費群について、各家電18の稼働時間帯を最適化して、所定期間における電力料金を最小化するシステムである。
系統電源12は、電力会社等であって、送電線を介して家庭14に電力を供給する電源である。系統電源12は、家庭14以外の工場等にも電力を供給するので、一日の間で電力の需要量が大幅に変動する。その変動に対応するため、複数の発電手段の稼働状況を制御する。発電手段には、原子力発電所、火力発電所、水力発電所の他、風力発電手段、太陽光発電手段等が含まれる。
系統電源12の電力需給状態は一日を通して変動するので、単位時間当たりの電力料金について、電力需要の多い時間帯について高額とし、電力需要の少ない時間帯について低額とすることが行われる。すなわち、系統電源12から供給される電力は、その電力料金が時間帯によって異なる。その詳細については後述する。
家庭14は、電力を消費する複数の家電18を有する電力消費体である。家庭14に設けられる電力計16は、系統電源12から供給され、家庭14内で消費される電力量を計測する測定器である。電力計16の計測値は、適当な信号線、あるいは無線手段によって制御装置40に伝送される。無線手段によって電力量の値を時々刻々制御装置40に送信する電力計16は、スマートメータと呼ばれる。
家庭内に設けられる複数の家電18として、図1には、テレビジョン20、炊飯器22、食器洗い機24、電子レンジ26、電気コンロ28、冷凍冷蔵庫30、洗濯機32、乾燥機34、照明器具36、電気自動車38が示される。
制御装置40は、ユーザによって入力される各家電に対する所望稼働時間について、系統電源12が時間帯によって異なる電力料金体系を有する制約の下で、所定期間における家庭14の全体の電力料金を最小にする最適化制御を行う装置である。かかる制御装置40は、与えられた制約の下で、いろいろな変数を変化させて、電力料金に関する目的関数の値を最小にする最適化問題を解くのに適したコンピュータで構成することができる。
制御装置40は、ユーザの各家電18に対する所望稼働時間を取得する所望稼働時間取得部42と、与えられた制約の下で、各家電18の稼働時間帯を変数として、所定期間内の電力料金を最小とする各家電18の稼働時間帯を算出する稼働時間帯算出部44と、算出された各家電18の稼働時間帯を出力する算出結果出力部46を含んで構成される。かかる各機能は、家電稼働最適化プログラムを制御装置40が実行することで実現できる。かかる機能の一部をハードウェアで実現するものとしてもよい。
家電稼働最適化プログラムとしては、HEMS(Home Energy Management Sysytem)と呼ばれる家庭14内のエネルギ管理を行うためのシステムに用いられる市販のソフトウェアを用いることができる。かかる市販のソフトウェアとしては、パナソニック社の商品名AiSEGを用いることができる。
制御装置40に接続される記憶部50は、制御装置40が実行する家電稼働最適化プログラムや、演算データ等を記憶するメモリ装置である。ここでは特に、家電稼働最適化に用いられる制約52を格納する機能を有する。
制約52の1つである電力料金制約54は、系統電源12における電力料金と時間帯の関係の制約である。図2に、電力料金制約54の一例を示す。電力料金制約54は、横軸に一日の時間をとり、縦軸に単位時間当たりの電力料金をとって、電力料金と時間帯の関係を示すものである。図2の例では、電力料金制約54は、深夜料金Aが、0時から7時の間の未明時間帯と、23時から24時の間の深夜時間帯について適用され、昼間料金Bが、7時から13時の間の前半昼間時間帯と、16時から23時の間の後半昼間時間帯について適用され、ピーク料金Cが、13時から16時の間のピーク時間帯に適用される。
制約52の1つである家電制約56は、各家電18についての稼働条件の制約である。家電制約56は、各家電18を、予め定めた稼働時間の間は連続稼働が必要な連続稼働家電と、1つの家電18の稼働に連動して稼働することが必要なペア稼働家電と、他の家電18と無関係に稼働可能な独立稼働家電に区別する制約である。制約52の1つである消費電力制約58は、各家電18の消費電力値に関する制約である。
図3は、各家電18について、家電制約56と消費電力制約58を一覧表として示す図である。例えば、テレビジョン20は、独立駆動家電であり、その消費電力は0.3kWである。炊飯器22は、連続稼働家電であり、その消費電力は1.5kWである。食器洗い機24は、連続稼働家電であり、その消費電力は1.0kWである。電子レンジ26は、独立稼働家電であり、その消費電力は1.0kWである。電気コンロ28は、独立稼働家電であり、その消費電力は1.5kWである。冷凍冷蔵庫30は、連続稼働家電であり、その消費電力は一日を平均して0.5kWである。洗濯機32と乾燥機34は、ペア稼働家電で、洗濯機32の稼働終了後に乾燥機34の稼働開始となる。洗濯機32の消費電力は1.0kWであり、乾燥機34の消費電力は1.5kWである。照明器具36は、独立稼働家電であり、その消費電力は照明期間を通しての平均値が1.0kWである。電気自動車38は、連続稼働家電であり、その消費電力は、充電期間全体として、15kwhである。
図2の電力料金制約54はマップ様式で、図3の家電制約56と消費電力制約58はルックアップテーブル様式として説明した。制約52の様式は、マップ様式、ルックアップテーブル様式、入力パラメータを入力すると出力値が出力されるROM等のいずれの様式であってもよい。
再び図1に戻り、制御装置40に接続される入力部60は、ユーザが、各家電18に対する所望稼働時間を入力する端末である。入力部60としては、パーソナルコンピュータ等の対話型入力装置を用いることができる。図1では、入力部60における入力画面が示される。入力画面には、家電稼働最適化を図る所定期間における各家電に対する所望稼働時間が入力される。
図1の例では、家電稼働最適化を図る所定期間を一日間として、2013年3月21日の一日間における炊飯器22、食器洗い機24、洗濯機32、乾燥機34、電気自動車38に対するユーザの所望稼働時間がそれぞれ示される。すなわち、炊飯器22は1.0時間、食器洗い機24は3.0時間、洗濯機32は1.0時間、乾燥機34は0.5時間、電気自動車38は7時間の稼働がユーザによって希望されていることが示される。
図1の入力部60には、冷凍冷蔵庫30と、テレビジョン20、電子レンジ26と電気コンロ28、照明器具36が示されていない。このうち、冷凍冷蔵庫30は、24時間稼働が必要である。また、電子レンジ26と電気コンロ28は厨房器具であって、食事時間によって稼働時間が定まる。照明器具36も夜間稼働は避けられない。テレビジョン20は、番組時間で稼働時間が定まる。このように、これらは家電稼働最適化の対象とすることが難しいので、ユーザの入力対象外としているが、これらの家電18の稼働時間は、家庭14の電力料金を最小化するときの制約となる。
図3には、家庭14におけるすべての家電18ついて、既に説明した家電制約56、消費電力制約58の他に、図1のユーザ所望稼働時間と、上記のようにユーザによって入力されないが制約となる稼働時間をまとめて、稼働時間制約61として示されている。このように、図3に示される家電制約56、消費電力制約58、稼働時間制約61は、電力料金の最小化の際の制約となるものである。
再び図1に戻り、制御装置40に接続される出力部62は、制御装置40の稼働時間帯算出部44によって算出され、算出結果出力部46の機能によって出力される算出結果を表示する端末である。出力部62としては、ディスプレイ等のモニタ装置、プリンタを用いることができる。入力部60がパーソナルコンピュータであるときは、そのパーソナルコンピュータのモニタを出力部62とすることができる。図1では、出力部62の出力画面が示される。
図1の例では、入力部60においてユーザが入力した家電18について、記憶部50に記憶されている電力料金制約54、家電制約56、消費電力制約58、図3で説明したその他の家電18の必要稼働時間の制約の下で、稼働時間帯を変数として、目的関数である電力料金を最小値とする変数を求めた結果が示されている。ここでは、電力料金が最小値となる計算結果64がプラン1で示される。プラン1には、入力部60によって入力された炊飯器22、食器洗い機24、洗濯機32、乾燥機34、電気自動車38の稼働時間帯66と、その他の家電18の稼働時間の条件67と、そのときの電力料金68が示される。プラン2、プラン3は、プラン1よりは電力料金が高くなるが、他の稼働時間帯の設定の例を示すものである。
図1において、連続稼働家電である炊飯器22の稼働時間帯は、6時から7時に設定される。この稼働時間帯は、図2の電力料金制約54で深夜料金Aが適用される時間帯である。
連続稼働家電である食器洗い機24は、図1によってユーザの所望稼働時間は3.0時間であるが、これは3回の食事で用いられる食器を一度に洗ったときの連続稼働時間である。そこで、これを食事時間に対応させて連続稼働時間1時間ずつ3回に分け、それぞれ7時から8時、13時から14時、18時から19時に設定される。これらの稼働時間帯は、図2の電力料金制約54で、それぞれ昼間料金B、ピーク料金C、昼間料金Bが適用される時間帯である。
ペア稼働家電である洗濯機32と乾燥機34の稼働時間帯は、洗濯機32について20時から21時、乾燥機34について21時から21時30分に設定される。これらの稼働時間帯は、図2の電力料金制約54で、いずれも深夜料金Aが適用される時間帯である。
連続稼働家電である電気自動車38についての図1の所望稼働時間は7時間と長いので、23時から翌日の6時に稼働時間帯が設定される。この稼働時間帯は、図2の電力料金制約54で、深夜料金Aが適用される時間帯である。
このように、与えられた制約の下で、各家電18の稼働時間帯を変数として、所定期間内の電力料金を最小とする各家電18の稼働時間帯を算出するのは、制御装置40の稼働時間帯算出部44の稼働時間帯最適化機能である。そこで、稼働時間最適化機能の内容について、説明する。
この目的関数を計算するときの制約はいくつかある。1つ目は、所定期間における家庭14における全部の家電18の総消費電力の制約で、式(2)で与えられる。この制約は、各家電18が所定期間において、既定の電力量を消費する制約である。
制約の2つ目は、所定期間の各時刻における各家電18の消費電力の上限値と下限値で、式(3)で与えられる。この制約により、各時刻における各家電18の消費電力は各家電18の最大消費電力以下、かつ最低消費電力以上となる。
家庭14における家電18の全部が独立駆動家電の場合には、図2で説明した電力料金制約54と、図3で説明した消費電力制約58、稼働時間制約61と、式(2)、式(3)の制約の下で、式(5)で示される変数を変化させ、式(1)で示される目的関数を最小化とする変数を探すことで、家電稼働最適化を図ることができる。ここまでは、従来技術で行われている家電稼働最適化である。この家電最適化の演算は、市販のソフトウェア、例えば、パナソニック社の商品名AiSEGを用いて実行することができる。
家電18の中に、連続稼働家電、ペア稼働家電が含まれる場合には、上記の演算では不十分である。連続稼働家電が含まれる場合には、式(6)から式(8)の制約、ペア稼働家電が含まれる場合には、式(9)の制約が必要である。
式(6)は、家電aを連続稼働させるための制約であり、連続稼働の時間帯についての複数の候補パターンから1つの候補パターンを選択することを示す。連続稼働の時間帯についての複数の候補パターンの例を図4に示す。図4は、連続稼働時間が2時間の場合に、横軸に時間をとって、連続稼働の時間帯の3つの候補パターンp1、p2,p3が示されている。候補パターンp1は、8時から10時の時間帯で連続稼働するもので、候補パターンp2は、9時から11時の時間帯で連続稼働するもので、候補パターンp3は、10時から12時の時間帯で連続稼働するものである。
このような候補パターンp1、p2,p3の中でいずれを選択するかを変数とすることで、連続稼働について、目的関数である式(1)の演算が可能となる。式(7)は、家電aの時刻hにおける稼働状況を示す式で、候補パターンpiが選択され、かつ時刻hにおいて候補パターンpiが可動するとき、稼働状況を示す式(7)の値=1となる。式(8)は、時刻hにおける家電aの消費電力を表している。
式(9)は、ペア稼働家電を考慮した制約であり、ペア稼働家電である2つの家電abとafのうち、時刻hに家電abが稼働した場合、時刻h+1に家電afが稼働する制約を示す。
このように、家庭14における家電18において、連続稼働家電が含まれる場合には、式(6)から式(8)の制約を追加し、ペア駆動家電が含まれる場合には、式(9)の制約を追加して、式(11)で示される変数を変化させ、式(1)で示される目的関数を最小化とする変数を探すことで、家電稼働最適化を図ることができる。この家電最適化の演算にも、市販のソフトウェア、例えば、パナソニック社の商品名AiSEGを用いて実行することができる。
上記では、式(11)で示す変数を変化させて式(1)の目的関数を最小化するものとしたが、連続稼働の時間帯についての候補パターンをユーザに選択させるものとしてもよい。その場合には、候補パターン別に電力料金がどのように相違するかを示すことがよい。
図5は、消費電力制約が1.0kWで、稼働時間制約が3.0時間であるが1.0時間ごとに分けることができる家電18について、3つの稼働時間帯の候補72をプラン3−1、プラン3−2、プラン3−3として示し、各プランについての電力料金74を示して、ユーザに選択76を行わせる例を示す図である。このような家電18としては、食器洗い機24がある。
プラン3−1とプラン3−2は、3回の食事に用いた全部の食器を1回の3時間連続稼働で処理するものである。プラン3−1は、0時から3時にまとめ洗いをするもので、この稼働時間帯は、電力料金制約54における深夜料金Aが適用され、電力料金74は33円であることが示される。プラン3−2は、19時から22時にまとめ洗いをするもので、この稼働時間帯は、電力料金制約54における昼間料金Bが適用され、電力料金74は84円であることが示される。プラン3−3は、図1の出力部62で説明したもので、食事時間に対応させて連続稼働時間を1時間ずつ3回に分け、それぞれ7時から8時、13時から14時、18時から19時に設定される。これらの稼働時間帯は、電力料金制約54で、それぞれ昼間料金B、ピーク料金C、昼間料金Bが適用される時間帯である。このときの電力料金74は109円である。
電力料金からいえば、プラン3−1が最小値となるが、深夜のまとめ洗いが不便と感じるユーザは、夕食後のまとめ洗いであるプラン3−2を選択することができ、さらに毎食後ごとに食器洗いをしたいと考えるユーザはプラン3−3を選択することができる。ユーザは、選択76の3つのウインドのいずれかをクリックすることで、好ましいプランを選択することができる。選択76が行われると、その選択76を新しい制約として、他の変数を変化させて式(1)の目的関数を最小にする変数を探し、その制約の下での家電稼働最適化が図られる。
図6は、家電稼働最適化の効果を示す図である。図6の縦軸は、家庭14の一月の電力料金の額で、横軸に上記で説明した家電稼働最適化を全く行わない場合と、上記の連続稼働家電とペア稼働家電の制約を考慮した家電稼働最適化を行った場合を示す。図6で示すように、家電稼働最適化を行うことで、電力料金はΔY円低減した。一例を示すと、ΔY=1020円である。
10 家電稼働最適化システム、12 系統電源、14 家庭、16 電力計、18 家電、20 テレビジョン、22 炊飯器、24 食器洗い機、26 電子レンジ、28 電気コンロ、30 冷凍冷蔵庫、32 洗濯機、34 乾燥機、36 照明器具、38 電気自動車、40 制御装置、42 所望稼働時間取得部、44 稼働時間帯算出部、46 算出結果出力部、50 記憶部、52 制約、54 電力料金制約、56 家電制約、58 消費電力制約、60 入力部、61 稼働時間制約、62 出力部、64 計算結果、66 稼働時間帯、67 その他条件、68,74 電力料金、72 候補パターン、76 選択。
Claims (3)
- 電力料金が時間帯によって異なる場合に、複数の家電を含む電力消費群について、各家電の稼働時間帯を最適化して、所定期間における電力料金を最小化する家電稼働最適化システムであって、
電力料金と時間帯の関係である電力料金制約、及び各家電についての稼働条件の制約である家電制約、及び各家電の消費電力値である消費電力制約を記憶する制約記憶部と、
ユーザの各家電に対する所望稼働時間を取得する取得部と、
取得された各家電に対する所望稼働時間と記憶部に記憶される制約との下で、各家電の稼働時間帯を変数として、所定期間内の電力料金を最小とする各家電の稼働時間帯を算出する稼働時間帯算出部と、
算出された各家電の稼働時間帯を出力する出力部と、
を備え、
制約記憶部は、各家電についての稼働条件の制約として、各家電を、予め定めた稼働時間の間は連続稼働が必要な連続稼働家電、及び1つの家電の稼働に連動して稼働することが必要なペア稼働家電、及び他の家電と無関係に稼働可能な独立稼働家電に区別し、
稼働時間帯算出部は、連続稼働家電の連続稼働時間帯、及びペア稼働家電の稼働時間帯を含めて各家電の稼働時間帯を算出することを特徴とする家電稼働最適化システム。 - 請求項1に記載の家電稼働最適化システムにおいて、
稼働時間帯算出部は、
連続稼働家電の連続稼働時間帯について予め定めた複数の候補時間帯を定め、複数の候補時間帯を変数として、所定期間内の電力料金を最小とする候補時間帯を選択することを特徴とする家電稼働最適化システム。 - 請求項2に記載の家電稼働最適化システムにおいて、
稼働時間帯算出部は、
複数の候補時間帯についていずれか1を選択したときの所定期間における電力料金をそれぞれ算出し、
出力部は、各候補時間帯の選択ごとの所定期間における電力料金を出力し、ユーザによる選択を促すことを特徴とする家電稼働最適化システム。
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Cited By (1)
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CN105739308A (zh) * | 2016-02-01 | 2016-07-06 | 北方工业大学 | 应用于温控电器的功率优化控制方法及系统 |
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