JP2014170413A - 需要予測装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】商品群に含まれる所定の商品である目的商品以外の非自己商品の購買数の和が前記目的商品の購買数の変動に寄与する度合いを示す非自己和回帰係数と、目的商品の変動因子情報が当該目的商品の購買数の変動に寄与する度合いを示す変動回帰係数と、目的商品の変動因子情報と、を用いて、第1所定期間以降の期間である第2所定期間における、商品群に含まれる商品毎の予測購買数を算出する予測購買数算出部を備え、予測購買数算出部は、変動因子情報として時間帯を採用することによって購買数の曲線を統計的に近似する回帰曲線を算出するとともに、平均的な購買数に対する平均化回帰曲線を基準として、時間帯別に購買数の回帰曲線の傾きが平均化回帰曲線より少ない場合には商品陳列状態に異常ありと判断し、前記予測購買数を補正する。
【選択図】図8
Description
以下、図面を参照しながら本実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる需要予測装置を含んだ本部のシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように、小売業者のシステムでは、本部に、需要予測装置1と、データ収集・変換システム2と、予定データ収集・変換システム3と、業務支援端末4と、業務システム5と、を備える。
需要予測装置1は、小売業における店舗における、販売側の商品の売価(販売価格)・陳列・販促等の販売状態に対する購買客の商品の購買状況をシミュレーションする。需要予測装置1は、現時点から過去の所定の時点までの販売状態と購買状況とを示す過去情報を用いて、例えば数週間、数か月、もしくは1年間程度なら時間的に変化しないと見なせる部分の購買数の回帰係数と、その回帰係数に対してより早く変化する部分である変動因子とに分割した購買客の購買モデルを構築する。そして、需要予測装置1は、構築した購買モデルの、変動因子に対して、現時点から未来の所定の時点での販売状態と購買環境とを示す未来予定情報を当てはめ、その未来の所定の時点での各商品別の購買数を予測する。
データ収集・変換システム2は、現時点から過去の所定の時点までの、店舗における複数の商品の購買データ、売価データ、発注データ、在庫データ、気象データ、曜日データ、および地域のイベントデータなどの過去情報を収集する。そして、データ収集・変換システム2は、複数の各種データ(収集した過去情報)を所定のデータ構造に変換して、需要予測装置1の過去情報データベース6にデータを送信するものである。データ収集・変換システム2は、公知のPOSシステム、発注システム、納入商品の検品システム、気象データの受信システム、地域のイベントの入力システム等の各種データ収集システムと、データ変換システムと、を有している。
予定データ収集・変換システム3は、現時点から未来の所定の時点までの、店舗における複数の商品の予定売価データ、予定入荷データ、予定気象データ、曜日データ、予定地域のイベントデータなどの未来予定情報を収集する。そして、予定データ収集・変換システム3は、複数の各種データ(収集した未来予定情報)を所定のデータ構造に変換して、需要予測装置1の未来情報データベース7にデータを送信するものである。予定データ収集・変換システム3は、公知の売価入力システム、発注システム、気象情報データの受信システム、予定されている地域のイベントの入力システム等の各種予定データ収集システムと、データ変換システムと、を有している。
業務支援端末4は、需要予測装置1に対するユーザーインターフェースであり、購買状況のシミュレーションを制御するデータを入力するものである。例えば、初期に設定した未来予定情報に対する予測購買数が、需要予測装置1のユーザにとって目標とした値ではない場合、ユーザは、業務支援端末4から、予定売価等の未来予定情報の一部を変化させて再予測するように、需要予測装置1に対して制御データを入力する。若しくは、特定商品の生産・輸送が間に合わず品切れになるというような危機的状態を仮定して、特定商品が店舗の全商品の購買状況に対する影響を把握したい場合、ユーザは、業務支援端末4から、予定陳列データ等の未来予定情報の一部を変化させて再予測するように、需要予測装置1に対して制御データを入力する。
業務システム5は、需要予測装置1で算出した予測購買データ等を利用する各種システムであり、発注システム、加工指示システム、価格表示システム、売価登録システム等を有している。例えば、業務システム5の一つである加工指示システムは、予測購買データを、所定の発注単位や発注リードタイムに従って推奨発注データに加工して、業務システム5の一つである公知の発注システムに送る。発注システムでは、発注データを、商品毎に所定の生鮮加工センター、卸、生産者等に、所定の日時までに送信する。
<需要予測装置の処理>
需要予測装置1では、過去情報データベース6には、過去の店舗別・日別・時間別・商品別・販売条件別に、商品群に含まれる商品毎の第1所定期間における購買数データ(売上データ)66、発注データ68、在庫データ67、分類・属性データ63、売価・販促データ64、陳列データ65、店舗・地域データ60、日付・時刻データ61、気象・行事データ62等の過去情報が格納されている。過去情報データベース6に格納された過去情報のうち、購買数を予測する対象の所定の商品(目的商品)の購買数データ66を目的変数とし、当該目的変数を変動させる変動因子を数値化した当該目的変数以外の過去情報を過去の変動因子情報とする。
図2は、過去情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。現在から過去の任意の時点までの情報を格納する過去情報データベース6は、図2に示すように、数値化された過去情報データテーブル6Tで構成されている。
現在から未来の所定の時刻までの情報を格納する未来情報データベース7は、例えば図3に示すような、数値化された未来情報データテーブル7Tで構成されている。その構成は、過去情報データベース6の過去情報データテーブル6Tと同様な構成であり、データの数値が未来の所定の時刻までの情報に対応したものとなっている。図3は、未来情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
<商品購買間相互作用>
本実施形態では、公知の重回帰分析に対して(非特許文献1を参照)、商品購買間の相互作用の影響を加味したものを提供し、これを相関重回帰分析、そのモデルを相関重回帰モデルと称する。
本実施形態では、複数の種類の商品を含む商品群に含まれる所定の商品n{商品1,商品2,・・・,商品n,・・・}に対して、その商品nを目的商品nと設定し、その目的商品nの購買数を過去情報データベース6の購買数661から抽出し、目的変数
回帰係数算出部8では、過去情報データベース6から購買数661以外の目的商品nの各種データを抽出し、これを過去の変動因子とし、この変動因子が目的変数の変動に寄与する度合いを示す第1回帰係数を変動回帰係数とし、過去情報データベース6から目的商品n以外の商品である非自己商品の購買数661を抽出し、この非自己商品の購買数661を非自己因子とし、この非自己因子が目的変数の変動に寄与する度合いを示す第2回帰係数である非自己回帰係数として、重回帰分析での手法に従ってこれらの回帰係数を算出する。この非自己因子により、商品購買間の相互作用が目的変数の予測に加味される。この非自己因子が、商品購買間相互作用を表す相互作用因子となる。
各目的変数を推定する各回帰式(1)は、
目的変数の回帰係数を算出するには、過去情報データテーブル6Tから、所定の過去の期間(第1所定期間)内のすべての目的商品nのデータを抽出する。一つの回帰式(1)を構成するのに必要な、すべての目的変数および非自己因子と変動因子に代入されるデータのセット(集合)を、一つの集計レコードとして設定する。
例えば、一つの目的商品nに対して抽出されたデータのセットである集計レコードの数をJ個とし、目的商品1に対する任意のj番目(j=1,2,・・・j,・・・,J)の集計レコードを回帰式(1)に代入すると、後述する回帰式(5)の左辺であるj番目の集計レコードによる目的変数の値
回帰係数算出部8で算出された、変動回帰係数および非自己回帰係数は回帰係数データベース9に格納される。
定数項算出部10では、連立予測式(2)の右辺の定数項が算出される。
例えば、店舗別に商品の売価別の1日当りの購買数を予測する場合には、連立予測式(2)の右辺の変動回帰係数は、
定数項算出部10で算出された、連立予測式(2)の右辺の定数項は定数項データベース11に格納される。
予測購買数算出部12では、例えば、店舗別に商品の売価別の1日当りの購買数を予測する場合には、連立予測式(2)の左辺の非自己回帰係数
ところで、上述のように店舗別に商品の売価別の1日当りの購買数を目的変数とする場合、以下に示す手法を用いることにより、重回帰分析による予測購買数の予測確度を更に向上させることができる。
yc=y0/(1−Te/T0)
と補正する。
<集計データレコード数の不足>
前述のように、商品群の各目的変数の回帰式(1)の各回帰係数算出をするには、商品群に含まれる商品をK種類、変動因子をH種類と設定すると、目的変数一つに対して
そこで、本実施形態では、集計データレコード数の増加を最小にして、商品群に含まれる商品や変動因子の種類を増加させるために、非自己商品の購買数の和を新たに非自己和因子とし、この非自己和因子が目的変数の変動に寄与する度合いを第3回帰係数である非自己和回帰係数とする。この非自己和因子が、商品購買間相互作用を表す新たに追加された相互作用因子である。
これを用いると
これら、各サブ商品群の商品に対する回帰式で、非自己和回帰係数の数は異なるので、これをそれぞれ
以上のように、集計データレコード数の増加を最小にして、商品群に含まれる商品や変動因子の種類の増加に対応した回帰係数を算出することができる。
回帰式(3)から、商品群に含まれる商品の購買数を未知数とした連立予測式(4)
<集計データレコード数の不足>
特定の商品に対する一定の過去情報の収集期間において、店舗へのその特定の商品の投入がなされない期間、あるいはその特定の商品が品切れしている期間に対しては、集計データレコードを生成することができない。
本実施形態では、低頻度出現商品を非自己和商品群として、集計データレコード数の不足する条件下でも、低頻度出現商品に対する回帰係数を算出できる回帰式を提供する。例えば、商品群に含まれる低頻度出現商品を、回帰式(3)に対して新たに(M−L)種類増加させ合計M種類、変動因子をH種類と設定する。説明の簡略化のために商品群に含まれる商品を7種類、変動因子を1種類とし、
第3のサブ商品群においては
回帰式(5)から、商品群に含まれる商品の購買数を未知数とした連立予測式(6)
連立予測式(6)の左辺の非自己回帰係数を回帰係数データテーブル9Tから抽出し、連立予測式(6)の右辺の予定変動因子と変動回帰係数からなる定数項を定数項データテーブル5Tから抽出し、連立予測式(6)を解く。その解が予測購買数である。算出された予測購買数は未来情報データテーブル7Tの予測購買数761に格納される。
このように、非自己商品の購買数の和を非自己和因子とし、この非自己和因子が目的変数の変動に寄与する度合いを非自己和回帰係数とすることにより、集計データレコード数の増加を最小にして、商品群に含まれる商品や変動因子の種類を増加することができ、予測対象商品の数の増加や、予測確度向上が実現できる。また、低頻度出現商品に対する購買数予測も可能になる。
<<共通の回帰式>>
<極低頻度出現商品>
一定の過去情報の収集期間において、店舗への新商品、または季節性のある商品を投入する場合に、過去情報の収集期間の設定によっては、過去情報の収集期間に最後の数日間しか商品の投入がない場合がある。このように店舗に陳列されている場合が極めて少ない商品を極低頻度出現商品とする。このような極低頻度出現商品の場合、回帰式(5)をもっても、回帰係数を算出するのに十分なだけの集計データレコードを生成することができない。本実施形態では、このような極低頻度出現商品に対して、好適な実施形態ついて説明する。
一方、変動因子については、集計データレコード数が十分なだけあっても、変動因子の値のバリエーションが豊富ではない場合には、予測確度の高い回帰係数を算出することができない。
本実施形態では、このような極低頻度事象商品に対する回帰係数を算出する回帰式を提供する。商品群から、極低頻度事象商品を含む複数の目的商品を選択し、選択した目的商品を含む商品群を部分商品群とする。この部分商品群に含まれる所定の目的商品を個別の目的商品(平均化目的商品)と設定し、この個別の目的商品以外の商品群に含まれる商品が、その個別の目的商品に対する非自己商品(非平均化目的商品)と設定される。
ここで共通の回帰式(7)で
共通の回帰係数の算出は、回帰式(1)の回帰係数算出と基本的に同様の方法で行われる。例えば、すべての個別の目的商品に対して、すなわち部分商品群に対して抽出されたデータのセットである集計レコードの数をJ個とし、部分商品群に対する任意のj番目(j=1,2,・・・,j,・・・,J)の集計レコードを共通の回帰式(7)に代入する。
商品群に含まれ、平均化商品群に含まれない商品は、一般商品群に含まれるとする。この一般商品群に含まれる商品1から商品7の各目的変数
共通の回帰式(8)、詳しくは共通の回帰式(7)のy0|=8に対応する形式と、回帰式(9)から、部分商品群に含まれる商品の購買数を未知数とした連立予測式(10)
このように、部分商品群は商品群から選択された複数の商品からなり、部分商品群を構成するすべての個別の目的商品に対する集計レコードの数を、共通の変動回帰係数および共通の非自己回帰係数の算出に使用できる。すなわち、目的商品としては、極低頻度事象商品は、回帰式(5)の変動回帰係数および非自己回帰係数を算出するには集計レコードの数が不十分であるが、平均化目的商品としては、部分商品群に含まれるすべての商品のすべての集計レコードが使用できるので、共通の回帰式(8)の共通の変動回帰係数および共通の非自己回帰係数は算出可能となる。したがって、極低頻度事象商品を、部分商品群全体の平均的な回帰係数である、共通の変動回帰係数および共通の非自己回帰係数を用いて予測することになる。
<<新規商品対応>>
<過去出現なし商品>
新規商品または季節性のある商品をその季節で初めて投入する場合には、過去情報の収集期間に商品の投入がまったくない場合がある。このような現時点で店舗に陳列されていたデータがない商品を新規商品とする。言い換えると、新規商品は、商品群に含まれる商品のうち購買数が過去情報データテーブル6Tに記憶されていない商品である。このような新規商品の場合は、その新規商品を、部分商品群に新たに追加された平均化目的商品として扱う。部分商品群に属する個別の商品は、部分商品群に含まれるすべての商品のすべての集計レコードを使用して共通の変動回帰係数および共通の非自己回帰係数が算出可能となるからである。本実施形態では、このような新規商品に対して、好適な実施形態ついて説明する。
本実施形態では、このような新規商品に対する回帰係数を算出する回帰式を提供する。商品群から所定の部分商品群を選択し、この部分商品群に含まれる所定の商品を個別の目的商品と設定し、この個別の目的商品以外の商品群に含まれる商品が、その個別の目的商品に対する非自己商品と設定される。このとき、現在より過去の時点でのデータを対象としているので、新規商品はまだ部分商品群に含まれていないとする。
新規商品である商品9に対しての、共通の回帰式(8)、詳しくは共通の回帰式(7)のy0|=9に対応する形式と、商品8に対しての、共通の回帰式(8)、詳しくは共通の回帰式(7)のy0|=8に対応する形式と、回帰式(9)から、部分商品群に含まれる商品の購買数を未知数とした各予測式に、商品9の購買数に対応した項を付加した連立予測式(11)
このように、目的商品としては、新規商品は、回帰式(5)の変動回帰係数および非自己回帰係数を算出するのに必要な集計レコードは全くないが、平均化目的商品としては、部分商品群に含まれるすべての商品のすべての集計レコードが使用した、共通の回帰式(8)の共通の変動回帰係数および共通の非自己回帰係数をそのまま用いることができる。また、平均化商品群に含まれない各目的変数に対しても、非自己和回帰係数をそのまま用いることができる。したがって、現時から過去の時点で、極低頻度事象商品よりもさらに出現頻度の低い、空事象商品、あるいは無事象商品ともいうべき、過去情報がまったくない新規商品を、部分商品群全体の平均的な回帰係数である、共通の変動回帰係数および共通の非自己回帰係数を用いて予測する。
<<回帰式・予測式の変形例>>
回帰式・予測式の形式は、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態で示した形式だけではなく、いくつかの変形例が使用できる。第4の実施形態では、各種実施形態ついて説明する。
<回帰式>
回帰式(9)においては、平均化商品群に含まれない、商品1から商品5の各目的変数
まとめると
回帰式(13)をさらに、上記の3つのサブ商品ごとに別々の非自己和回帰係数を持つように変形すると、回帰式および共通の回帰式の組み合わせ(12)は
<連立予測式>
この回帰式および共通の回帰式の組み合わせ(12)に対応する連立予測式(15)は、新規商品の予測を可能にする形式では
回帰式(14)および連立予測式(15)においては、極低頻度事象商品と新規商品は第3の非自己和商品群に属するとしたが、これを、回帰式では第2のサブ商品群と同じ非自己和回帰係数に対応し、共通の回帰式では第2のサブ商品群と同じ共通の非自己和回帰係数に対応すると設定する。この条件での平均化商品群を第2のサブ平均化商品群と称する。このとき、
回帰式(14)および連立予測式(15)においては、極低頻度事象商品と新規商品は第3の非自己和商品群に属するとしたが、これを、回帰式では第1のサブ商品群と同じ非自己和回帰係数に対応し、共通の回帰式では第1のサブ商品群と同じ共通の非自己和回帰係数に対応すると設定する。この条件での平均化商品群を第1のサブ平均化商品群と称する。このとき、
<低頻度出現商品の平均化商品群所属>
回帰式および共通の回帰式の組み合わせ(14)においても、
共通の回帰式においては、個別の目的商品は非自己和因子となる。このため、共通の回帰式において非自己因子を設定する場合には、非自己因子の対象となる商品は個別の目的商品とすることはできない。したがって、非自己因子の対象となる商品は部分商品群に属することはできない。本実施形態においては、第1のサブ商品群を部分商品群から外す必要があり、まとめると、
本実施形態で示した回帰式および共通の回帰式と、連立予測式は実施形態の一例であり、他の変形例も実施可能である。そこで、これらの式をコンピュータのプログラムに実装するには、様々な実施形態においても適用可能にするために、式の一般化が必要となる。以下その一般化された回帰式および共通の回帰式と、連立予測式について説明する。
まず、T種類の商品からなる商品群{商品1,商品2,・・・,商品n,・・・,商品T}に含まれる任意の商品nに対して、所定の過去の時点から現時点までの期間の商品nの購買数を
第1のサブ商品群に含まれる商品nの購買数は
さらに、条件
以上の設定から、平均化商品群に含まれる、任意の商品を平均化目的商品nとし、その平均化目的商品の購買数は
ここで、第2回帰係数に対しては、
また、ここで、第3回帰係数に対しては、
次に条件
次に、一つの回帰式(23)を構成するのに必要な、目的変数および非自己因子と変動因子に対応する、過去情報データベース6から抽出される購買数と変動因子のセットを、一つの集計レコードとし、一般商品群に含まれる一つの商品nに対して、
一方、部分商品群に含まれる任意の個別の目的商品pに対しては、一つの共通の回帰式(24)を構成するのに必要な、個別の目的変数および非自己因子と変動因子に対応する、過去情報データベース6から抽出される購買数と変動因子のセットを、一つの集計レコードとし、この一つの集計レコードを用いて、共通の目的変数の対象となった個別の目的商品pの購買数を共通の回帰式(24)の
次に、条件
第2のサブ平均化商品群に、所定の(W−V)種類の新規商品{商品(V+1),商品(V+2),・・・,商品W}を追加し、第3のサブ平均化商品群に含まれる商品nの購買数は
次に、未来情報データベース7から抽出される、0日目までの期間における、商品群の各商品の予測購買数を変動させる要因を数値化した、商品毎の予定変動因子
新規商品群の商品の購買数を変動させる要因を数値化した、新規予定変動因子
第1の実施形態から第4の実施形態で使用した回帰式はすべて線型モデルであるが、本実施形態では、非特許文献2に示されるような各種のモデルが使用可能であり、予測対象の商品、対象とする小売業の業態等を考慮して最適なモデルを選択できる。
例えば、ロジステックモデルを適用する場合には、目的商品nと設定し、その目的商品nの購買数
同様に、商品群に含まれる複数の商品に対するそれぞれの連立予測式(19)から、商品群に含まれる商品の目的変数を未知数とした連立予測式(28)
本実施形態では、本実施形態が提供する需要予測装置およびそのプログラム関して、その利用形態や運用形態等について説明する。
まず、需要予測装置1の予測購買数算出部12で算出された各商品の予測購買数を用いる、発注・在庫数算出部13での最適発注量算出について説明する。
<在庫数算出>
発注・在庫数算出部13では、まず以下のような処理を行う。例えば、商品nの購買数の時間推移が1日単位でデータ収集される場合は、これに合わせて、予測の最小間隔は1日、発注の最小間隔は1日とし、発注データは納品日基準で設定する。現時点を示す0日目は本日の営業時間終了時点で、本日の購買数、本日の納品数が確定し過去情報データベース6に情報が格納済みの時点である。ここで、
次に、商品nのj日目の発注数は
一方、発注にかかわるデータは、未来情報データテーブル7Tの予定発注リードタイム782、予定発注単位783から抽出される。ここで、1日目の午前中を現在時点とし
次に、業務支援端末4と需要予測装置1の条件修正再計算部14とを用いた、予定情報の最適化アルゴリズムとその利用形態について図9を用いて説明する。図9は、予定情報を決定する最適化アルゴリズムを示すフローチャートである。
上記で開示したものは、需要予測装置1の最も単純な利用シナリオの一つとして、未来情報データテーブル7Tの予定情報7Aのデータをすべて既知として、その条件下での予測購買数を算出する購買数予測シナリオである。最終的に設定された予定情報7Aの条件下での、推奨発注数781をユーザに提供し、商品の売れ残りによる値下げロス・廃棄ロスと、発注量過少に起因する商品の品切れによる機会ロスとを最小化する最適発注数決定シナリオである。
これ以外の、需要予測装置1の利用方法として、予測購買数の目標値を設定し、目標値に予測購買数が接近するように、最適な予定情報7A(例えば予定売価742)を、条件修正再計算部14を用いて求める方法がある。まず
以上のような、最適な予定売価742の決定シナリオは、他の予定情報、例えば予定チラシ掲載744、予定陳列状態751の最適値の決定に使用でき、陳列方法・販促方法の検討に利用される。
あるいは、予定気象データは通常、予定データ収集・変換システム3において、各種外部ソースの天気予報から収集されるが、業務支援端末4からわざと、天気予報にない天候の激変等を入力して、その、予測購買数に対する影響を評価することができる。例えば、特売企画においては、2週間程度前から商品選定とその価格決定を行う必要がある場合もある、一般に天気予報では、1週間程度の十分な確度の予報が入手可能だが、2週間程度前では十分な確度の予報が得られないので、このような、天候急変のリスク評価を予め行い、リスクの評価に役立てることができる。
次に、本実施形態の需要予測装置1を含むシステムによる、スーパーマーケットにおける、本部での特売企画から店舗での商品発注までの一連の業務の流れを、図10を用いて説明する。図10は、スーパーマーケットにおける、本部での特売企画から店舗での商品発注までの一連の業務の流れを示すフローチャートである。
特売企画は、例えば、スーパーマーケットの本部において、商品カテゴリー別のバイヤーの特売企画担当者としての業務である。特売企画担当者は需要予測装置1に対して、業務支援端末4を介してアクセスする。
第1の実施形態から第5の実施形態までは、個別の商品の予測購買数を算出しそれを利用してきたが、個別の商品の上位カテゴリーであるクラスコード732のように、対象を商品カテゴリーに対して予測購買数を算出することも可能である。これは、売場のレイアウト変更などの場合は、商品カテゴリー単位の売り場面積比率が必要になる場合があり、このような場合では比較的長期の予測が必要になり、日々変動する売価や陳列状態、気象情報などは因子として不適当になるからである。また、購買客ごとの購入商品を複数の不特定商品からなる集合とみなして、これを商品カテゴリーとすると、予測購買客数を算出することができる。このとき、購買客数は他の商品や商品カテゴリーと同様に相互作用因子である。
以上のように本実施形態の需要予測装置1によれば、スーパーマーケットにおける、本部での特売企画から、店舗での商品発注までの一連の業務に適合している。このため、特売企画で段階での全店舗総計レベルでの売上・利益の維持拡大、店舗発注レベルでの廃棄ロス・機会ロスの削減、さらには推奨発注数781の利用、自動発注の採用により省力化にも貢献する。
第2回帰係数に対しては、
第3回帰係数に対しては、
であり、一つの回帰式(31)を構成するのに必要な、目的変数および非自己因子と変動因子に対応する、記憶部から抽出される購買数と変動因子情報のセットを、一つの集計レコードとし、一般商品群に含まれる一つの商品nに対して、
予測購買数算出部12は、記憶部から抽出された、第1所定期間以降の期間である第2所定期間における、商品群の各商品の予測購買数を変動させる要因を数値化した、商品毎の予定変動因子
6 過去情報データベース
7 未来情報データベース
8 回帰係数算出部
9 回帰係数データベース
10 定数項算出部
11 定数項データベース
12 予測購買数算出部
Claims (6)
- 商品群に含まれる商品毎の第1所定期間における購買数と、前記商品群に含まれる各商品の購買数を変動させる変動因子を数値化した変動因子情報と、を記憶する記憶部と、
前記商品群に含まれる所定の商品である目的商品以外の非自己商品の前記購買数の和が前記目的商品の購買数の変動に寄与する度合いを示す非自己和回帰係数と、前記目的商品の前記変動因子情報が当該目的商品の前記購買数の変動に寄与する度合いを示す変動回帰係数と、前記目的商品の前記変動因子情報と、を用いて、前記第1所定期間以降の期間である第2所定期間における、前記商品群に含まれる商品毎の予測購買数を算出する予測購買数算出部と、
を備え、
前記予測購買数算出部は、前記変動因子情報として時間帯を採用することによって購買数の曲線を統計的に近似する回帰曲線を算出するとともに、平均的な購買数に対する平均化回帰曲線を基準として、時間帯別に購買数の回帰曲線の傾きが平均化回帰曲線より少ない場合には商品陳列状態に異常ありと判断し、前記予測購買数を補正する、
ことを特徴とする需要予測装置。 - 前記予測購買数算出部は、
一定の複数個の時間帯からなる累積区間を設定し、さらに複数の累積区間からなるデータ範囲を設定し、
前記累積区間内の各前記時間帯における前記商品の購買数の合計を、前記時間帯の時間推移に沿って累積し、
前記時間帯ごとの累積購買数を目的変数とし、前記時間帯を説明変数として、前記累積区間内で回帰係数を算出し、
前記データ範囲内で算出された、個別の累積区間内の回帰係数から、その回帰係数の平均と標準偏差を求め、2つの隣接する時間帯の累積購買数の変化の傾きが、前記回帰係数の平均から標準偏差を引いたもの以下であるとき、2つの隣接する時間帯の後半の時間帯を、該当商品の陳列過少とする、
ことを特徴とする請求項1記載の需要予測装置。 - 前記予測購買数算出部は、
商品陳列状態に異常がある場合の累積購買数の補正を行うために、累積区間の時間帯の合計をT0とし、商品陳列状態に異常があると判断した時間帯の合計をTeとしたとき、累積区間の該当商品の合計購買数y0に対して累積区間の修正合計購買数ycを
yc=y0/(1−Te/T0)
と補正する、
ことを特徴とする請求項2記載の需要予測装置。 - 前記予測購買数算出部は、平均的な購買数に対する平均化回帰曲線を算出する際に、極端に傾きが小さいものについては除外する、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の需要予測装置。 - 前記予測購買数算出部は、前記時間帯に加え、他の条件を前記変動因子情報として使用する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の需要予測装置。 - コンピュータを、
商品群に含まれる商品毎の第1所定期間における購買数と、前記商品群に含まれる各商品の購買数を変動させる変動因子を数値化した変動因子情報と、を記憶する記憶部と、
前記商品群に含まれる所定の商品である目的商品以外の非自己商品の前記購買数の和が前記目的商品の購買数の変動に寄与する度合いを示す非自己和回帰係数と、前記目的商品の前記変動因子情報が当該目的商品の前記購買数の変動に寄与する度合いを示す変動回帰係数と、前記目的商品の前記変動因子情報と、を用いて、前記第1所定期間以降の期間である第2所定期間における、前記商品群に含まれる商品毎の予測購買数を算出する予測購買数算出部と、
として機能させ、
前記予測購買数算出部は、前記変動因子情報として時間帯を採用することによって購買数の曲線を統計的に近似する回帰曲線を算出するとともに、平均的な購買数に対する平均化回帰曲線を基準として、時間帯別に購買数の回帰曲線の傾きが平均化回帰曲線より少ない場合には商品陳列状態に異常ありと判断し、前記予測購買数を補正する、
ことを特徴とするプログラム。
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