JP2014167396A - イオン液体ビームを用いた分析装置 - Google Patents

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【課題】電子ビーム照射やレーザー照射あるいはイオンビーム照射によって分析試料表面から失われたイオン液体を分析装置内部の真空中において補充することが可能となり、イオン液体のコーティング効果を分析開始時から分析終了時まで安定に保持できる分析装置を提供する。
【解決手段】電子ビーム、レーザーあるいはイオンビーム等を分析試料に照射し、分析試料から放出される電子やイオン等を分析する装置であって、イオン液体ビームを照射するイオン液体ビーム源を備え、該イオン液体ビーム源は、真空中に設置された分析試料に対してイオン液体ビームを照射し、分析試料表面にイオン液体を供給しコーティングすることにより、イオン液体のコーティング量を分析開始時から分析終了時まで安定に保持できるようにしたことを特徴とする分析装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、分析試料を真空中に搬入し、電子ビームやレーザーあるいはイオンビームを分析試料に照射することにより発生した電子やイオンを分析する分析装置に関するものである。
電子ビーム照射を用いる分析手法としては、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:以下、SEMと称す)や透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:以下、TEMと称す)に関するものである。
レーザー照射を用いる分析手法としては、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization:以下、MALDIと称す)に関するものである。
また、イオンビーム照射を用いる分析手法としては、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:以下、SIMSと称す)に関するものである。
電子顕微鏡(SEMやTEM等)は、電子ビームを分析試料に照射し、発生する二次電子や透過電子等を検出することにより分析試料の形状等を測定する手法である。分析試料としては導電性を有する物や導電性を有しない物がある。分析試料が導電性を有し、接地されていれば、電子ビームを照射してもチャージアップは発生しない。一方、分析試料が絶縁体からなる物体または絶縁体で囲まれた物体である場合には、電子ビームを照射するとチャージアップが発生してしまうため、試料の像を正確に観察することは難しいという課題がある。
この課題を解決する一つの方法として、試料表面にカーボンやアルミニウム、または白金等を蒸着し、試料表面に帯電した電荷を逃がし、チャージアップを防止する手法が知られている。
また、特許文献1では、分析試料にイオン液体を含浸させたり、分析試料表面にイオン液体を塗布することでチャージアップを防止することが提案されている。この手法は、水を含有する生体試料等において問題となる乾燥による変形も抑制でき、生きた状態に近い形状を観察できることも利点とされている。
質量分析の有力な手法であるMALDIは、レーザーを分析試料に照射し、発生したイオンの質量電荷比(m/z)を測定する手法である。レーザーを効率的に吸収し、イオン化されやすい物質をマトリックスとして予め分析試料と混合しておくことで、分子量の大きな分子をできるだけ壊さずに高感度で検出することが可能となる。特許文献2では、イオン液体をMALDIにおけるマトリクスとして使用することが提案されている。
表面分析の有力な手法であるSIMSは、一次イオンビームを分析試料に照射し、分析試料表面から放出される二次イオンを質量分析することによって、分析試料を構成する原子や分子構造等に関する情報を得ることを目的とする分析手法である。
特許文献3では、分析試料のチャージアップや乾燥等を防止するため、SIMS用の分析試料をイオン液体で包み込む、つまりコーティングする手法が提案されている。
また、非特許文献1では、イオン液体をSIMS分析におけるマトリクスとして使用することで、二次イオン強度が増大するなどの有用性が報告されている(Matrix−Enhanced Secondary Ion Mass Spectrometry:ME−SIMSと呼ばれる)。
つまり、分析試料をイオン液体でコーティングすることは、チャージアップや乾燥等の防止のみならず、二次イオン強度の増大にもつながり、SIMS分析において非常に有効な手法といえる。
なお、イオン液体(Ionic Liquid)は、room temperature molten saltとも呼ばれる物質で、室温においても液体状態である塩(えん)の総称である。イオン液体は、陽イオンと陰イオンから構成され、融点が室温より低いため室温で液体であり、高い導電性を持ち、蒸気圧がほとんど無いため真空中でも蒸発せずに液体のまま存在し、熱的に安定であること等の特徴を有する物質である(特許文献3、4参照)。
国際公開WO2007/083756号公報 国際公開WO2004/023147号公報 特開2009−128045号公報 特開2011−100632号公報
J.J.D.Fitzgerald,P.Kunnath,and A.V.Walker,"Matrix−Enhanced Secondary Ion Mass Spectrometry(ME SIMS) Using Room Temperature Ionic Liquid Matrices",Analytical Chemistry,82(2010) 4413−4419.
上記のように、イオン液体を分析試料に含浸させたり、コーティングする等の前処理が行われることがあるが、これらの処理は分析前に実施される。SEMやMALDIあるいはSIMS等の分析は真空中で行われるため、真空容器内部に分析試料を導入する前に、イオン液体のコーティング等の前処理は完了していることになる。
一方、SEMやTEMなどにおいて、分析時間が長時間に及び、電子ビーム照射により試料表面の温度が上昇した場合には、分析試料表面のイオン液体が蒸発し、消失することが懸念される。
また、レーザーやイオンビームを照射する場合には、試料表面がスパッタリング等により真空中に飛び散るため、試料表面のイオン液体は分析が進むにつれて徐々に消失してしまう。
つまり、分析開始時をピークとして、分析試料表面のイオン液体の量は分析時間の経過に伴い減少していくことは避けられない。イオン液体の減少は、チャージアップや乾燥等の防止効果の低減につながり、安定した測定が徐々にできなくなることを意味する。
特に、SIMSは、イオンビーム照射によるスパッタリングを利用していることから、試料表面から試料内部の深さ方向に対する分析も可能であることが大きな特徴であるにもかかわらず、スパッタリングによってイオン液体が無くなっていくため、何らかの方法でイオン液体を追加で供給しなければ試料内部の分析は難しくなる。
また、SIMSやMALDIのように、イオン液体がマトリクスとしての効果も有し、イオン化効率が増大する効果を有する場合は、イオン液体のコーティング量が変動してしまうとイオン化効率も変動することになり、定量性が悪化してしまうという問題につながる。したがって、精度の高い分析のためには、分析の開始から終了時まで、イオン液体のコーティング量は一定に保持する必要がある。
一つの解決法としては、ある程度分析を行った後で、一旦、分析を中止し、分析試料を真空容器から大気中に取り出して、再度、イオン液体の被覆処理等を行うことが考えられる。しかし、この手法では、分析工程が複雑になることはもちろんであるが、大気圧から高真空条件に再度真空引きするまでに長い時間がかかってしまうという深刻な問題がある。
上記課題を解決するため、本発明では、真空容器内部にある分析試料に対して必要に応じて何度でも、あるいは連続的にイオン液体ビームを照射することで、分析試料表面にイオン液体を適宜供給し、イオン液体によるコーティング効果(チャージアップの抑制、乾燥による変形の抑制、二次イオンの増大)等を分析開始時から終了時まで保持できるようにする。なお、イオン液体ビームは、イオン液体を真空中でエレクトロスプレーする方式により生成することが可能である。
すなわち、本発明の分析装置は、電子ビーム、レーザーあるいはイオンビームを分析試料に照射し、分析試料から放出される電子やイオン等を分析する装置であって、イオン液体ビームを照射するイオン液体ビーム源を備え、該イオン液体ビーム源は、真空中に設置された分析試料に対してイオン液体ビームを照射し、分析試料表面にイオン液体を供給しコーティングすることにより、イオン液体のコーティング量を分析開始時から分析終了時まで安定に保持できるようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記分析装置において、前記イオン液体ビーム源は、イオン液体の真空中でのエレクトロスプレーに基づくことを特徴とする。
また、本発明は、前記分析装置において、前記イオン液体ビーム源は、エレクトロスプレーにより生成されたイオン液体ビームの輸送途中に減速部を有し、ビーム中に混在する質量電荷比m/zの小さい成分を分離し、ビーム中から除去することを特徴とする。
また、本発明は、前記分析装置において、前記イオン液体ビーム源を一次イオンビーム源としても併用して二次イオンの質量を分析することを特徴とする。
また、本発明は、前記分析装置において、前記減速部は減速電極から構成され、該減速電極に印加する電圧を調整することにより、ビーム中に混在する質量電荷比m/zの小さい成分が減速電極を通過することを阻止し、質量電荷比m/zの大きい成分のみからなるビームを分析試料に照射して二次イオンの質量を分析することを特徴とする。
また、本発明は、前記分析装置において、前記イオン液体ビームの加速電圧を制御する加速電圧制御手段を備え、該加速電圧制御手段により加速電圧を調節することで、イオン液体を分析試料表面に供給してコーティングするコーティングモードと分析試料表面から二次イオンを発生させる分析モードを適宜切り換えながら二次イオンの質量を分析することを特徴とする。
本発明の分析装置により、電子ビーム照射やレーザー照射あるいはイオンビーム照射によって分析試料表面から失われたイオン液体を分析装置内部の真空中において補充することが可能となり、イオン液体のコーティング効果(チャージアップや乾燥防止、あるいはイオン強度増大等の効果)を分析開始時から分析終了時まで安定に保持することができるようになる。
また、本発明により、コーティングモードと分析モードの切り替えが、加速電圧を制御することで可能となり、これにより、分析開始時から終了時まで、分析試料表面のイオン液体量を所定の範囲で制御でき、安定な測定が可能となる。
本発明の実施例1を示す図であって、真空中に設置されている分析試料表面に対して、イオン液体をビームとして供給可能なイオン液体ビーム源を備えた電子顕微鏡の概略図。 本発明の実施例2を示す図である。 本発明の実施例3を示す図である。 本発明の実施例4を示す図である。 本発明の実施例5を示す図である。 実施例5の減速電極の効果を検証するために用いた実験装置の概念図。 図6の実験装置を用いて測定した過渡応答実験結果の一例。 図7の結果をまとめた図である。 本発明の実施例6を示す図である。 実施例6を検証するために用いたSIMS実験装置の概念図。 図10のSIMS実験装置で測定された二次イオンのマススペクトルの一つ目の例。 図10のSIMS実験装置で測定された二次イオンのマススペクトルの二つ目の例。 本発明の実施例7を示す図である。 本発明の実施例8を示す図であって、イオン液体ビームの加速電圧を調節することで、コーティングモードと分析モードを適宜切り換えることを説明した図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となるイオン液体ビーム照射による分析試料のイオン液体コーティング機構を有する分析装置の構成について説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の一つ目の実施例の概略図である。基本的に、一般的な電子顕微鏡(SEMなど)であるが、真空中に設置されている分析試料にイオン液体を供給するために用いるイオン液体ビーム源を備えていることが特徴である。イオン液体ビーム源からイオン液体ビームを照射することで、真空中に設置されている分析試料表面にイオン液体を供給できる構造となっている。
電子ビーム照射によって、分析試料表面からイオン液体が蒸発等によって消失する傾向があったとしても、イオン液体ビーム源からイオン液体をビームとして供給できるため、分析試料表面のイオン液体量をある一定量でバランスさせることができる。なお、イオン液体ビームは、間欠的に照射しても良いし、電子ビーム照射と同時に連続的に照射しても良い。
分析試料表面のイオン液体量の消失と供給がバランスされるため、チャージアップの問題や乾燥による試料の変形等が起こらないため、分析開始から分析終了時まで安定な測定が可能となる。
(実施例2)
図2は、本発明の二つ目の実施例の概略図である。基本的に、一般的なMALDI質量分析装置であるが、真空中に設置されている分析試料にイオン液体を供給するために用いるイオン液体ビーム源を備えていることが特徴である。イオン液体ビーム源からイオン液体ビームを照射することで、真空中に設置されている分析試料表面にイオン液体を供給できる構造となっている。
レーザー照射によって、分析試料からイオン液体が飛び散り消失したとしても、イオン液体ビーム源からイオン液体をビームとして供給できるため、分析試料からイオン液体が無くなることはない。なお、イオン液体ビームは、間欠的に照射しても良いし、連続的に照射しても良い。
(実施例3)
図3は、本発明の三つ目の実施例の概略図である。基本的に、一般的なSIMS装置であるが、真空中に設置されている分析試料にイオン液体を供給するために用いるイオン液体ビーム源を備えていることが特徴である。イオン液体ビーム源からイオン液体ビームを照射することで、真空中に設置されている分析試料表面にイオン液体を供給できる構造となっている。
一次イオンビーム照射によって、分析試料表面からイオン液体がスパッタリングによって消失する傾向があったとしても、イオン液体ビーム源からイオン液体をビームとして供給できるため、分析試料表面のイオン液体量をある一定量でバランスさせることができる。なお、イオン液体ビームは、間欠的に照射しても良いし、一次イオンビームと同時に連続的に照射しても良い。
これにより、分析試料表面のイオン液体量の消失と供給がバランスされるため、チャージアップの問題や乾燥による試料の変形等が起こらず、また二次イオンの増大効果も一定化できるため、分析開始から分析終了時まで安定な測定が可能となる。
(実施例4)
図4は、本発明の実施例4の概略図である。基本的構成は、図3の実施例3と同じであるが、イオン液体を真空中でエレクトロスプレーする方式に基づくイオン液体ビーム源を搭載していることが特徴である。
エレクトロスプレー部は、金属細管(キャピラリー)、対向電極および図中には記載されていないイオン液体供給ラインや高圧電源等から構成されている。イオン液体供給ラインから金属細管内部にイオン液体が供給され、金属細管の前方に設置された対向電極方向に向かってエレクトロスプレーがなされる。高圧電源を用いて金属細管や対向電極の電位を制御できる構造となっており、対向電極に対して金属細管の電位を高い条件にすると、正電荷のイオン液体ビームを生成できる。逆に、対向電極に対して金属細管の電位を低い条件にすると、負電荷のイオンビームを生成できる。イオン液体は蒸気圧が非常に低く、導電性も高いため、高真空中でも問題なく安定にエレクトロスプレーすることが可能である。
金属細管の内径は5μm〜100μm程度である。金属細管先端と対向電極間のギャップ長は数mm程度であり、1kV〜3kV程度の電位差が生じるとエレクトロスプレーが起こる。なお、金属細管は、ガラス製などの絶縁性の細管に導電性を持たせた物でも代用可能である。対向電極の中央部には電極孔(アパーチャー)があり、エレクトロスプレーによって生じた帯電液滴やイオンはその電極孔を通過し、ビームとなって分析試料に対して照射される。
イオン液体供給ラインは、内径100μm程度のチューブであり、例えばPEEKチューブである。また、図示しない液体供給機構(例えば、マイクロシリンジ等)を有しており、イオン液体を連続的に金属細管に供給できる。イオン液体供給ラインや液体供給機構は真空中でも大気圧中でも設置可能であるが、大気圧下に設置する場合には、金属細管の先端部は真空容器内部に設置される構造とし、エレクトロスプレー自体は真空中で行うことができる構造となっている。
(実施例5)
図5は、本発明の実施例5の概略図である。基本的構成は、図4の実施例4と同じであるが、対向電極の下流に減速電極と接地電極が配置されていることが特徴である。減速電極と接地電極には、それぞれ電極孔が設けられており、エレクトロスプレーによって生じたビームが通過できる構造となっている。
減速電極には、高電圧が印加される構造となっており、エレクトロスプレーにより生成された帯電液滴やイオンを減速させる作用を担う。エレクトロスプレーによって生成されたビーム中には、大雑把に分類すると、
(i)質量電荷比(m/z)の小さい成分と
(ii)質量電荷比(m/z)の大きい成分
の2成分が混在している。減速電極に印加する電圧を調整することにより、ビーム中に混在する質量電荷比(m/z)の小さい成分が減速電極を通過することを阻止できる。つまり、減速電極電圧を調整することで、質量電荷比(m/z)の小さい成分をビーム中から取り除くことが可能となる。結果として、質量電荷比(m/z)が大きい成分のみからなるビームを生成できる。
なお、質量電荷比(m/z)の小さい成分がビーム中に存在すると、分析試料が有機材料や生体関連物質等のソフトな材料の場合には、分析試料のダメージが問題となりうる。従って、有機系材料を分析する場合には、質量電荷比(m/z)の小さい成分を除去し、質量電荷比(m/z)の大きい成分のみからなるビームを照射することが望ましい。
図6は、減速電極の効果を検証するために用いた実験装置の概念図である。金属細管の先端は真空容器内部に設置されており、イオン液体を真空中でエレクトロスプレーできる構造となっている。真空中でのエレクトロスプレーによって生成されたイオン液体ビームは対向電極、減速電極、接地電極(A)、偏向電極、接地電極(B)を通り抜け、ターゲットに到達し、ビーム電流値がオシロスコープを用いて測定される。偏向電極は、2枚の平板から構成されており、一方の平板は接地され、もう一方には周期的にパルス電圧が印加される構造となっている。実験では、周期的(100Hz)に偏向電極に+1kVの電圧を2000μs印加した。なお、+1kVのパルス電圧を印加していない時間は、0Vに保持した。+1kVを印加中には、生成された電場によってビームの軌道は曲げられ、ビームはターゲットに到達できなくなり、しばらくするとターゲットで測定するビーム電流値はゼロとなる。一方、+1kVから0Vに低下させると、ビームはターゲットに到達するようになる。本実験装置の特徴は、ターゲット電流の過渡的な応答を調べることで、ビーム中に存在する荷電粒子の質量電荷比(m/z)ならびに各電流成分の電流値を評価できる点にある。
図7は、図6の実験装置を用いて測定した過渡応答実験の結果の一例である。金属細管に+1.6kVの電圧を定常的に印加し、イオン液体を連続的にエレクトロスプレーしながら、偏向電極にパルス電圧を周期的に印加してターゲット電流の過渡応答を調べた。図中の下部の矩形波は、偏向電極に印加した電圧である。t=0μs〜1000μsまでの間とt=3000μs〜4000μsまでの間は0Vに保持され、t=1000μs〜3000μsの間は+1kVが印加された。偏向電極に+1kVが印加された直後から(t=1000μs)、イオン液体ビームは静電的に曲げられ、ターゲット電流は減少し始め、数百μs後にはゼロとなる。また、偏向電極に印加されていた+1kVの電圧を0Vに低下させると(t=3000μs)、ターゲット電流はしばらくして上昇し始め、数百μs後には定常値に回復する。
偏向電極電圧を+1kVから0Vに瞬時に低下させた時間(t=3000μs)を基準として、ターゲット電流が回復するまでの時間応答を飛行時間(TOF)法で解析することで、ビーム中に存在する荷電粒子成分のm/zを評価できる。式(1)は、荷電粒子の飛行時間と質量電荷比(m/z)の関係を示すものである。
m/z=2eVt2/(uL2) (1)
ここで、eは電気素量(1.6022×10-19C)、Vは加速電圧、tは飛行時間、uは統一原子質量単位(1.66054×10-27kg)、Lは飛行距離である。
図7には、
(i)減速電圧を0Vとした場合のターゲット電流の過渡応答結果と
(ii)減速電圧を+1.5kVとした場合のターゲット電流の過渡応答結果
が対比されている。減速電圧が0Vの場合、ターゲット電流の回復過程は、速い過程と遅い過程の2段階からなることが確認できる。一方、減速電圧が+1.5kVの場合には、速い回復過程は無くなり、遅い回復過程のみとなっていることがわかる。
具体的には、減速電圧が0Vの場合には、偏向電極電圧が+1kVから0Vに低下した時間(t=3000μs)から数+μsにはターゲット電流が急激に回復している(回復過程の1段階目)。その後、数百μs後にターゲット電流がさらに上昇し、定常値に回復している(回復過程の2段階目)。つまり、減速電極に印加する電圧が低い条件では、イオン液体ビーム中には質量電荷比(m/z)の小さい成分と大きい成分が混在していることがわかる。
一方、減速電極電圧を+1.5kVにした場合には、偏向電極電圧を0Vにした時間(t=3000μs)から数十μs後におけるターゲット電流の速い回復過程は現れず、数百μs程度後の回復過程のみとなっていることが確認できる。質量電荷比(m/z)の小さい成分が保有するエネルギーは比較的小さいため、減速電極によって形成される静電ポテンシャルの壁を乗り越えられず、減速電極から下流には進むことができないことが理由と考えられる。
図8は、減速電極電圧に対する質量電荷比(m/z)の小さい成分と大きい成分の変化をまとめた結果である。この図から、減速電圧を調節することで質量電荷比(m/z)の小さい成分を除去し、質量電荷比(m/z)の大きい成分のみからなるビームを生成できることがわかる。なお、減速電圧が0.9kV付近で電流値が増大しているのは、減速電極が形成する電場がイオン液体ビームを集束するように作用したためであると考えられる。
(実施例6)
図9は、本発明の実施例6の概略図である。図3(実施例3)や図4(実施例4)のSIMS装置と異なる点は、専用の一次イオンビーム源が無いかわりに、イオン液体ビーム源が一次イオンビーム源を兼用していることが特徴である。
図10は、イオン液体の真空中でのエレクトロスプレーを用いたイオンビーム源を搭載したSIMS実験装置の概念図である。イオン液体ビーム源が、SIMS用の一次イオンビーム源を兼用している。質量分析計には飛行時間質量分析計(TOF−MS)が搭載されており、分析試料から放出された二次イオンの質量電荷比(m/z)を二次イオンの飛行時間を計測することで評価できる。実験では、ステンレス板にイオン液体Aを塗布してイオンビームのターゲットとした。また、図示されていないマイクロシリンジポンプとPEEKチューブを用いて金属細管にイオン液体Bを50nL/minの条件で供給し、真空容器内部でエレクトロスプレーすることでイオン液体ビームを定常的に生成し、ターゲットに連続的に照射した。イオン液体ビーム照射によってターゲット表面からスパッタリングされた二次イオンは、静電レンズを経由して飛行時間質量分析計に輸送され、質量分析される。
なお、イオン液体AはN,N−diethyl−N−methyl−N−(2−methoxyethyl)ammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)amideであり、以下、DEME−TFSAと称す。DEME−TFSA(分子量426.07)は、陽イオンであるDEME(C820ON、分子量146.15)と陰イオンであるTFSA(N(SO2CF3)2、分子量279.91)から構成される。
また、イオン液体Bは、1−Ethyl−3−methylimidazoliumbis(trifluoromethanesulfonyl)amideであり、以下、EMI−TFSAと称す。EMI−TFSA(分子量391.00)は、陽イオンであるEMI(C6112、分子量111.09)と陰イオンであるTFSA(N(SO2CF3)2、分子量279.91)から構成される。
なお、陰イオンであるN(SO2CF3)2は、TFSA以外にもTFSI、NTf2、あるいはTf2N等と称されることもあるが、IUPACの命名法に基づき、本願明細書ではTFSAと称することとする。
図11は、図10に示されたSIMS装置を用いて測定された二次イオンのマススペクトルの一つ目の例である。金属細管の電圧は、7.25kV、対向電極の電圧は6.0kVであった。測定中、イオン液体ビーム照射部のガス圧は2×10-4Pa、質量分析部のガス圧は1×10-5Paであった。図11において、もっとも大きなピークは、ターゲットであるイオン液体A(DEME−TFSA)の陽イオン(DEME、m/z 146.15)である。また、イオン液体A分子(DEME−TFSA)に陽イオン(DEME)が付加したイオン(m/z 572.22)も比較的高い強度を示した。また、エレクトロスプレーによってイオンビーム化されたイオン液体B(EMI−TFSA)に起因する二次イオンも検出された。例えば、m/z 111.09は、EMI−TFSAの陽イオン(EMI)である。また、EMI−TFSAに陽イオン(EMI)が付加したイオン(m/z 502.10)も検出された。なお、m/z 537.16も比較的強い信号が得られているが、これはイオン液体A(DEME−TFSA)にイオン液体Bの陽イオン(EMI)が付加したイオンと考えられる。
図11の結果で興味深い点は、ターゲット上に塗布されたイオン液体Aに起因する二次イオンに加えて、イオンビームとして照射されたイオン液体Bに起因する二次イオンも検出されたことである。このことから、イオン液体ビーム照射は、「ターゲット上にある分析試料のスパッタリング」のみならず、「分析試料表面へのイオン液体のデポジション」ならびに「デポジションされたイオン液体のスパッタリング」が同時並行的に行われているものと考えられる。従って、イオン液体ビームの照射条件を調節することで、スパッタリング効果とデポジション効果を調節し、結果として分析試料表面のイオン液体量を制御することが可能と考えられる。
図12は、図10に示されたSIMS装置で測定された二次イオンのマススペクトルの二つ目の例である。ターゲットであるステンレス板には、ポリエチレングリコール(平均分子量300、以下PEG300と称す)を塗布した。金属細管にはイオン液体B(EMI−TFSA)を供給し、イオン液体ビームを連続的に照射した。金属細管の電圧は、8.7kV、対向電極の電圧は7.0kVであった。イオン液体ビームを照射された分析試料(PEG300)からは、図12に示すような二次イオンが生成された。図12において、m/z 133.1ならびにm/z 177.1は、PEG300の特徴的なフラグメントイオンである。また、m/z 282〜m/z 458に、PEG300に起因する二次イオンが確認できる。また、図12には示されていないが、イオンビームとして照射されたイオン液体B(EMI−TFSA)に起因する二次イオン(m/z 111.09ならびにm/z 502.10など)も検出されおり、イオン液体ビームによるスパッタリングとデポジションが同時並行的に進行していることが確認された。
(実施例7)
図13は、本発明の実施例7の概略図である。基本的構成は、図9(実施例6)と同じであるが、イオン液体ビーム源には、減速電極や集束用電極ならびにXY偏向電極が付加された構造となっていることが特徴である。
減速電極に印加する電圧を調節することで、イオン液体ビーム中に混在する質量電荷比(m/z)の小さい成分を除去でき、質量電荷比(m/z)の大きい帯電液滴成分のみからなるビームを生成できる。また、集束用電極を用いて、イオン液体ビームを集束し、ビーム径を細くすることができる。集束用電極としては、例えば、アインツェルレンズである。さらに、XY偏向電極により、イオン液体ビームの軌道を二次元的に走査することができる構造となっている。これにより、所定の位置にイオンビームを照射することが可能となる。
なお、イオン液体ビーム中に混在する質量電荷比(m/z)の小さい成分を除去する機構としては、減速電極に限定されるものではなく、磁場や電場等を用いた別の方式を採用しても良い。
(実施例8)
図14は、本発明の実施例8であり、イオン液体ビームの加速電圧変化と運転モードを示している。スパッタリング現象やデポジション現象の発生あるいはその程度は、イオン液体ビームのエネルギーで大きく変わる。そのため、イオン液体ビームの加速電圧を制御することで、イオン液体ビーム照射によって引き起こされるスパッタリングとデポジションの効果を調節することが可能である。例えば、加速電圧を低くすることで、スパッタリングは全く起こさずに、デポジションだけを起こすことができる。また、加速電圧を高くすることで、デポジションの影響を小さくし、スパッタリングの効果を大きくすることもできる。従って、加速電圧が低い条件は、イオン液体を分析試料に供給するコーティングモードとなる。一方、加速電圧が高い条件では、スパッタリング現象が支配的となるため分析試料表面から二次イオンが放出される分析モードとなる。つまり、コーティングモードと分析モードの切り替えが、加速電圧を制御することで可能となる。これにより、分析開始時から終了時まで、分析試料表面のイオン液体量を所定の範囲で制御でき、安定な測定が可能となる。
なお、分析試料表面のイオン液体の層は必要以上に厚くしないことが望ましい。イオン液体をイオンビームとして供給する本発明では、加速電圧やビーム電流等を制御することでイオン液体のデポジション量を精度良く調節できるため、イオン液体のコーティング量の制御性の観点からも利点を有しているものと考えられる。
ところで、二次イオンの飛行時間を計測する方式の飛行時間質量分析計(TOF−MS)を用いるSIMS装置(いわゆるTOF−SIMS)の場合には、実測した飛行時間を質量電荷比(m/z)に変換する作業が必要となる。本発明により、イオン液体に起因する既知の二次イオンが常に検出されることになるため、分析試料が未知の物質であったとしても、飛行時間と質量電荷比(m/z)の変換やTOF−SIMSシステムの校正が容易かつ精度良く実施できることも本発明の利点の一つである。
また、分析試料が複合材料あるいは複雑な組成の材料からなり、分析試料の外側は導電性を有しているものの、内部が絶縁性であるような場合には、SIMS分析が試料内部に及ぶにつれて、チャージアップの問題が発生してしまうことになる。しかし、イオン液体ビーム照射を用いる場合には、チャージアップの問題は全く発生しない。つまり、分析前に予めイオン液体の含浸や被覆等を行う、行わないにかかわらず、本発明は有効な手法といえる。
本発明によれば、電気絶縁性の材料や水分を含むようなバイオメディカル試料等の真空中での分析(SEM、TEM、MALDI、SIMSなど)が、分析開始から分析終了時まで安定に、高精度かつ高感度に実施可能となる。

Claims (6)

  1. 電子ビーム、レーザーあるいはイオンビームを分析試料に照射し、分析試料から放出される電子やイオン等を分析する装置であって、
    イオン液体ビームを照射するイオン液体ビーム源を備え、該イオン液体ビーム源は、真空中に設置された分析試料に対してイオン液体ビームを照射し、分析試料表面にイオン液体を供給しコーティングすることにより、イオン液体のコーティング量を分析開始時から分析終了時まで安定に保持できるようにしたことを特徴とする分析装置。
  2. 前記イオン液体ビーム源は、イオン液体の真空中でのエレクトロスプレーに基づくことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記イオン液体ビーム源は、エレクトロスプレーにより生成されたイオン液体ビームの輸送途中に減速部を有し、ビーム中に混在する質量電荷比m/zの小さい成分を分離し、ビーム中から除去することを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
  4. 前記イオン液体ビーム源を一次イオンビーム源としても併用して二次イオンの質量を分析することを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
  5. 前記減速部は減速電極から構成され、該減速電極に印加する電圧を調整することにより、ビーム中に混在する質量電荷比m/zの小さい成分が減速電極を通過することを阻止し、質量電荷比m/zの大きい成分のみからなるビームを分析試料に照射して二次イオンの質量を分析することを特徴とする請求項4に記載の分析装置。
  6. 前記イオン液体ビームの加速電圧を制御する加速電圧制御手段を備え、該加速電圧制御手段により加速電圧を調節することで、イオン液体を分析試料表面に供給してコーティングするコーティングモードと分析試料表面から二次イオンを発生させる分析モードを適宜切り換えながら二次イオンの質量を分析することを特徴とする請求項4又は5に記載の分析装置。
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