JP2014166769A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動モータが位置検出器を有していない場合でも、操舵エンド状態を精度よく検出することが可能な電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】電動パワーステアリング装置1は、車両のステアリングホイール10に連結されたピニオンシャフト23及びラック軸3を有する操舵機構と、ラック軸3の一部を収容してラック軸3の軸方向移動を規制するラックハウジング30と、操舵機構に操舵補助力を付与する電動モータ40と、電動モータ40を制御するECU5とを備え、ECU5は、ラック軸3の軸方向移動が規制された操舵エンド状態であることを検知する操舵エンド状態判定部506を有し、操舵エンド状態を検知したとき、電動モータ40に供給する電流を低減する。操舵エンド状態判定部506は、操舵トルクの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続してステアリングホイール10の操舵速度が所定値以下であることを条件として、操舵エンド状態を検知する。
【選択図】図3
【解決手段】電動パワーステアリング装置1は、車両のステアリングホイール10に連結されたピニオンシャフト23及びラック軸3を有する操舵機構と、ラック軸3の一部を収容してラック軸3の軸方向移動を規制するラックハウジング30と、操舵機構に操舵補助力を付与する電動モータ40と、電動モータ40を制御するECU5とを備え、ECU5は、ラック軸3の軸方向移動が規制された操舵エンド状態であることを検知する操舵エンド状態判定部506を有し、操舵エンド状態を検知したとき、電動モータ40に供給する電流を低減する。操舵エンド状態判定部506は、操舵トルクの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続してステアリングホイール10の操舵速度が所定値以下であることを条件として、操舵エンド状態を検知する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両の操舵系に電動モータによる操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置に関し、特に、ラックアンドピニオン機構のラック軸がラックエンドにあることを検知して電動モータを制御する電動パワーステアリング装置に関する。
ラックアンドピニオン式の操舵機構を備えたステアリング装置では、運転者がステアリングホイールに与える操舵トルクに基づくステアリングシャフトの回転運動をラックハウジング内部におけるラック軸の軸方向の直線運動に変換し、ラック軸の両端に固定されたタイロッドを介して転舵輪に伝達する。ステアリングホイールが最大操舵角まで操舵されると、例えばタイロッドのソケット部がラックハウジングの開口端面に当接し、さらなるラック軸の軸方向移動が規制される。
電動パワーステアリング装置では、運転者がステアリングホイールに与える操舵トルクをトルクセンサによって検出し、検出された操舵トルクに応じて電動モータに電流を供給することで、操舵機構に操舵補助力を付与する。このような電動パワーステアリング装置には、ステアリングホイールが最大操舵角まで操舵されてラックエンドに達した操舵エンド状態(エンド当て状態)を検出したとき、電動モータに供給する電流を所定値以下に抑制するものがある(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、回転角センサによって検出した電動モータの回転角の変化がなく、かつ操舵トルクが所定値以上である状態が所定時間継続した場合に、電動モータに供給する電流を所定値以下に抑制するように制御系が構成されている。これにより、操舵エンド状態において電動モータに流れる電流によって電動モータが発熱してしまうことや、不必要な電力消費を抑制することが可能となる。
ところで、装置の低コスト化のため、電動モータの電機子(回転子)の回転位置を検出する位置検出器(例えばレゾルバ,インクリメンタルエンコーダ,アブソリュートエンコーダ等)を有しないセンサレスモータを電動パワーステアリング装置に適用することがある。この場合には、例えば電動モータの電機子と固定子側の永久磁石との相対回転によって電機子の巻線に作用する逆起電力を電動モータに供給される電流と電圧との関係に基づいて算出し、算出した逆起電力に応じて電動モータの回転速度を推定し、この回転速度の推定値によって操舵エンド状態を検出することが考えられる。つまり、電動モータの回転速度の推定値が所定値以下であり、かつ操舵トルクが所定値以上である状態が所定時間継続した場合に、操舵エンド状態であると判定することが考えられる。
しかし、このような操舵エンド状態の検出方法では、位置検出器を用いる場合に比較して電動モータの回転速度の検出精度が低いため、例えば車両が停止した状態でステアリングホイールが回転操作される据え切り時において、実際にはステアリングホイールが最大操舵角まで操舵されていないのに、誤って操舵エンド状態であると判定され、電動モータに供給される電流が抑制されてしまうことがある。つまり、電動モータが緩やかに回転していても、電動モータの回転角の変化がないと判断され、操舵エンド状態であると判定されてしまうことがある。
このような場合には、電動モータによる操舵補助力が十分に得られず、実際にはさらに転舵輪を転舵する余地があるにもかかわらず、最大操舵角までステアリングホイールを操舵することができないこととなり得る。
そこで、本発明は、電動モータが位置検出器を有していない場合でも、操舵エンド状態を精度よく検出することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、[1]〜[3]の電動パワーステアリング装置を提供する。
[1]車両のステアリングホイールに連結されたピニオン軸、及び前記ピニオン軸のピニオン歯に噛み合うラック歯を有するラック軸を有する操舵機構と、前記ラック軸の一部を収容し、前記ラック軸の端部に固定された当接部材との軸方向の当接によって前記ラック軸の軸方向移動を規制する筒状のラックハウジングと、前記ステアリングホイールに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記操舵機構に操舵補助力を付与する電動モータと、前記操舵トルクに基づいて前記電動モータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記当接部材の当接により前記ラック軸の軸方向移動が規制された操舵エンド状態であることを検知する検知手段を有し、前記検知手段によって前記操舵エンド状態を検知したとき、前記電動モータに供給する電流を低減し、前記検知手段は、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して前記ステアリングホイールの操舵速度が所定値以下であることを条件として、前記操舵エンド状態を検知する電動パワーステアリング装置。
[2]前記検知手段は、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して前記トルクセンサによって検出される操舵トルクが所定値以上であることをさらなる条件として、前記操舵エンド状態を検知する、[1]に記載の電動パワーステアリング装置。
[3]車速が所定値以下であることをさらなる条件として、前記操舵エンド状態を検知する、[1]又は[2]に記載の電動パワーステアリング装置。
本発明によれば、電動モータが回転角センサを有していない場合でも、操舵エンド状態を精度よく検出することが可能となる。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。
本発明の実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。
(電動パワーステアリング装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1及びその周辺の構成例を示す模式図である。電動パワーステアリング装置1は、運転者が回転操作するステアリングホイール10が相対回転不能に連結されたステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2から伝達される回転力により直線運動するラック軸3と、ステアリングシャフト2に操舵補助力を付与する操舵補助機構4と、操舵補助機構4の電動モータ40を制御する制御部としてのECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)5とを備えている。
図1は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1及びその周辺の構成例を示す模式図である。電動パワーステアリング装置1は、運転者が回転操作するステアリングホイール10が相対回転不能に連結されたステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2から伝達される回転力により直線運動するラック軸3と、ステアリングシャフト2に操舵補助力を付与する操舵補助機構4と、操舵補助機構4の電動モータ40を制御する制御部としてのECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)5とを備えている。
ステアリングシャフト2は、ステアリングホイール10が一端部に固定されるコラムシャフト21と、ラック軸3と共にラックアンドピニオン機構1aを構成するピニオン軸としてのピニオンシャフト23と、コラムシャフト21とピニオンシャフト23とを連結する中間シャフト22とを有している。コラムシャフト21と中間シャフト22とは、自在継手201によって連結されている。中間シャフト22とピニオンシャフト23とは、自在継手202によって連結されている。
ラック軸3には、その軸方向に沿ってラック歯31が形成され、このラック歯31がピニオンシャフト23のピニオン歯231に噛み合っている。ラック軸3の両端部には、ボールジョイントソケット32,32が固定され、このボールジョイントソケット32,32に連結されたタイロッド11,11が、図示しないナックルアームを介して左右の転舵輪100,100に連結されている。また、ボールジョイントソケット32,32の外周側には、蛇腹状のゴムや樹脂等からなるブーツ12,12が配置されている。
ステアリングホイール10が回転操作されると、このステアリングホイール10にコラムシャフト21及び中間シャフト22を介して連結されたピニオンシャフト23が回転し、ピニオン歯231とラック歯31との噛み合いによってラック軸3がその軸方向に直線運動する。このラック軸3の直線運動により、タイロッド11,11を介して転舵輪100,100が転舵される。ステアリングシャフト2及びラック軸3は、操舵機構を構成する。
ラック軸3は、その両端部を除いて、筒状のラックハウジング30に軸方向移動可能に収容されている。ラックハウジング30は、その軸方向の両端部30a,30aとボールジョイントソケット32,32との軸方向の当接により、ラック軸3の軸方向移動を規制する。つまり、ステアリングホイール10が右方向に最大舵角まで操舵された場合には、ラック軸3の左側の端部に固定されたボールジョイントソケット32がラックハウジング30の左側の端部30aに当接することにより、さらなるラック軸3の軸方向移動が規制される。また、ステアリングホイール10が左方向に最大操舵角まで操舵された場合には、ラック軸3の右側の端部に固定されたボールジョイントソケット32がラックハウジング30の右側の端部30aに当接することにより、さらなるラック軸3の軸方向移動が規制される。
なお、ここで、「左」及び「右」とは、車両の前進方向に対する左右をいい、図1における左右とは逆となっている。以下、ステアリングホイール10が最大操舵角まで操舵され、ラック軸3の軸方向移動が規制された状態を「操舵エンド状態」という。
ボールジョイントソケット32は、ラック軸3よりも大径に形成され、ラックハウジング30の端部30aに当接してラック軸3の軸方向移動を規制する当接部材として機能する。なお、ラック軸3の外周に、ボールジョイントソケット32とラックハウジング30の端部30aとの間に介在する緩衝材を配置してもよい。また、ブーツ12,12の一部を内方に突出させて、ラックハウジング30の端部30aとボールジョイントソケット32との間に介在させてもよい。
操舵補助機構4は、電動モータ40と、電動モータ40の出力軸に設けられたウォーム401に噛み合うウォームホイール41とを有して構成されている。ウォーム401の回転に対するウォームホイール41の回転の減速比は、例えば13〜15である。本実施の形態では、ウォームホイール41がコラムシャフト21に固定されている。ただし、ウォームホイール41をピニオンシャフト23に固定してもよい。電動モータ40は、ECU5から電流の供給を受け、そのトルクによって操舵機構に操舵補助力を付与する。この電動モータ40は、例えば位置検出器を有しないブラシ付き直流モータである。
ECU5は、ステアリングシャフト2に設けられたトルクセンサ24によって検出した操舵トルクに基づいて電動モータ40を制御する。本実施の形態では、トルクセンサ24がコラムシャフト21に設けられ、運転者がステアリングホイール10に加える操舵トルクを検出する。トルクセンサ24は、コラムシャフト21に設けられたトーションバー211の捩じれを磁界の変化によって検出し、操舵トルクに応じた信号をECU5に出力する。
また、ECU5には、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載通信網によって、車速センサ101によって検出された車速を示す信号が入力される。
(ECU5の構成)
図2は、ECU5の構成例を示すブロック図である。ECU5は、CPU(中央演算処理装置)50と、ROM51と、EEPROM52と、各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用されるRAM53と、モータ駆動回路54とを備えている。CPU50と、ROM51,EEPROM52,RAM53,及びモータ駆動回路54とは、内部バス500によって接続されている。
図2は、ECU5の構成例を示すブロック図である。ECU5は、CPU(中央演算処理装置)50と、ROM51と、EEPROM52と、各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用されるRAM53と、モータ駆動回路54とを備えている。CPU50と、ROM51,EEPROM52,RAM53,及びモータ駆動回路54とは、内部バス500によって接続されている。
モータ駆動回路54は、例えばバッテリーから供給される直流電圧をPWM制御によってスイッチングし、電動モータ40にモータ電流として供給する。電動モータ40に供給されるモータ電流の電流値は、例えばホールICを用いた電流センサ55によって検出される。電流センサ55の出力信号は、内部バス500によってCPU50に送られる。
ROM51には、電動モータ40を制御するためにCPU50が実行する処理の手順を示すモータ制御プログラム510が記憶されている。このモータ制御プログラム510には、操舵エンド状態を検出するための操舵エンド状態検出プログラム511が含まれる。また、EEPROM52には、トルクセンサ24によって検出される操舵トルクと電動モータ40が発生すべきトルクとの関係を示すアシストマップ520が記憶されている。アシストマップ520には、例えば操舵トルクに比例して電動モータ40に供給すべき電流が増大する特性情報が記録されている。
内部バス500には、図略のインタフェース回路を介してトルクセンサ24の出力信号及び車速センサ101の出力信号が供給される。また、内部バス500には、モータ駆動回路54でスイッチングされる電源電圧(例えばバッテリーの電圧)を測定する電源電圧センサ56の出力信号が図略のインタフェース回路を介して供給される。
CPU50は、モータ制御プログラム510に従って動作し、トルクセンサ24によって検出される操舵トルク、及び電源電圧センサ56によって検出される電源電圧等に基づいて電動モータ40に供給すべき電流指令値を演算し、この電流指令値に応じた信号をモータ駆動回路54に出力する。また、CPU50は、電流センサ55によって検出されるモータ電流の電流値をモニタし、電流指令値に応じたモータ電流が電動モータ40に供給されるよう、フィードバック制御を行う。
図3は、ECU5の機能ブロック図である。ECU5は、モータ制御プログラム510を実行することにより、電流指令値演算部501,電流制限部502,減算部503,PI制御部504,操舵速度推定部505,及び操舵エンド状態検出部506として機能する。
トルクセンサ24から出力された信号によって検出された操舵トルク値Tは、電流指令値Irefを演算する電流指令値演算部501に入力される。電流指令値演算部501は、入力された操舵トルク値Tに基づいてEEPROM52に記憶されたアシストマップ520を参照し、電動モータ40に供給する電流の制御目標値である電流指令値Irefを算出する。
電流制限部502は、後述する操舵エンド状態検出部506の検出結果に基づいて、操舵エンド状態検出部506が操舵エンド状態を検出した場合に電流指令値Irefを低減補正する。電流指令値Irefは減算部503に入力され、減算部503にて電流センサ55によって検出されるモータ電流値Imと電流制限部502から出力される電流指令値Irefとの偏差ΔIが演算される。
この偏差ΔIは、PI制御部504に入力され、PI制御部504において偏差ΔIを比例積分処理した電圧補償量Vrefが演算される。この電圧補償量Vrefは、モータ駆動回路54に入力され、モータ駆動回路54においてPWM制御されたモータ電流が電動モータ40に供給される。電動モータ40に供給されるモータ電流のモータ電流値Imは、電流センサ55で検出されて減算部503にフィードバックされる。
操舵速度推定部505は、電源電圧センサ56によって検出した電源電圧値Vm,モータ駆動回路54に入力される電圧補償量Vref,及びモータ電流値Imに基づいて、ステアリングホイール10の操舵速度ωを推定する。この推定は、例えば電動モータ40の回転に伴って電機子の巻線に作用する逆起電力を演算することによって行うことができる。つまり、ステアリングホイール10の操舵速度ωは、電動モータ40の回転速度に比例し、電動モータ40の電機子には、電動モータ40の回転速度に応じた逆起電力が作用するので、電動モータ40の巻線に印加する電圧(実効値)に対してモータ電流値Imが小さい場合には、電動モータ40の回転速度に応じた逆起電力が発生しているとみなすことができる。すなわち、電源電圧値Vm,電圧補償量Vref,及びモータ電流値Imの相互の関係に基づいて、ステアリングホイール10の操舵速度ωを推定することができる。
操舵エンド状態検出部506は、ステアリングホイール10の操舵速度ω(推定値),操舵トルク値T,及び車速センサ101によって検出された車速Vに基づいて、操舵エンド状態を検出する。操舵エンド状態検出部506は、操舵エンド状態を検出すると、検出信号DSを電流制限部502に出力する。電流制限部502は、検出信号DSが入力されると、電流指令値Irefを低減補正する。すなわち、ECU5は、操舵エンド状態検出部506によって操舵エンド状態を検出したとき、電動モータ40に供給する電流を低減する。操舵エンド状態検出部506は、本発明の検知手段の一例である。
操舵エンド状態検出部506は、トルクセンサ24によって検出される操舵トルク値Tの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して、次に述べる第1〜第3の条件が満たされることを条件として操舵エンド状態を検出する。第1の条件は、ステアリングホイール10の操舵速度ωが所定値以下であることである。第2の条件は、トルクセンサ24によって検出される操舵トルク値Tが所定値以上であることである。また、第3の条件は、車速が所定値以下であることである。
ここで、操舵トルク値Tの時間当たりの増加量が所定値以上となった後に所定時間継続して第1〜第3の条件が満たされることを条件とする意義、及び第1〜第3の条件の意義について、図4を参照して説明する。
図4は、ステアリングホイール10を中立位置から右方向に操舵エンド状態まで操舵し、その後左方向に操舵エンド状態まで操舵し、その後さらに右方向に操舵エンド状態まで操舵した際の操舵角と操舵トルク値Tとの関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、ステアリングホイール10を右方向又は左方向に操舵すると、特に操舵トルク値Tの大きさがグラフの縦軸に示すT1,T2以上となった後において、操舵角が実質的に変化していないにもかかわらず、操舵トルク値Tが急激に増大している。つまり、操舵エンド状態となったとき、操舵トルク値Tの絶対値が急激に大きくなる。これは、運転者がステアリングホイール10の回転操作してラック軸3が軸方向移動している最中にボールジョイントソケット32がラックハウジング30の左側の端部30aに当接し、運転者が操舵トルクをステアリングホイール10に加えているにもかかわらず、ステアリングホイール10が回転しなくなるためである。よって、本実施の形態では、操舵エンド状態であることを検出するにあたり、操舵トルク値Tの時間当たりの増加量が所定値以上であることを1つの必須条件としている。
ただし、操舵トルク値Tの絶対値が急激に大きくなる現象は、例えば運転者が危険回避のために急ハンドルを切った場合にも発生し得るため、本実施の形態では、操舵トルク値Tの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して第1〜第3の条件が満たされることを条件として操舵エンド状態を検出している。
上記の第1の条件は、操舵エンド状態ではさらなるステアリングホイール10の回転操作を行うことができないので、ステアリングホイール10の操舵速度ωが所定値以下であることを操舵エンド状態であると判定するための条件としたものである。なお、ステアリングホイール10の操舵速度ωが所定値以下であることは、電動モータ40の回転速度が所定値以下であることと同義である。
上記の第2の条件は、所定値以上の操舵トルクがステアリングシャフト2に加わっているにもかかわらずステアリングホイール10が回転していない場合に限り操舵エンド状態であると判定すべく、トルクセンサ24によって検出される操舵トルク値Tが所定値以上であることを条件としたものである。
なお、トルクセンサ24によって検出される操舵トルク値Tが所定値以上であることを、電流指令値演算部501で演算される電流指令値Irefあるいは電流センサ55で検出される電流値が許容される最大電流値であることによって操舵トルク値Tが所定値以上であると判定してもよい。ここで、許容される最大電流値とは、その時点において電動モータ40に供給することができる最大の電流値であり、例えば電動モータ40の温度等によって変動し得る値である。
つまり、操舵補助機構4がステアリングシャフト2に付与する操舵補助力は、トルクセンサ24によって検出される操舵トルク値Tに略比例するので、電流指令値演算部501で演算される電流指令値Iref、又は電流センサ55で検出される電流値を指標値として、第2の条件が満たされているか否かを判断してもよい。
上記の第3の条件は、操舵エンド状態までステアリングホイール10が操舵されるのは、通常、駐車スペースからの出し入れ等の低速時であるため、車速が所定値以下であることを条件としたものである。
これにより、例えば運転者が危険回避のために急ハンドルを切った場合等に誤って操舵エンド状態であると判定し、操舵補助力を低減してしまうことを回避することが可能となる。
なお、第2及び第3の条件を設けることによって、より正確に操舵エンド状態を検出することが可能となるが、第2及び第3の条件は必ずしも必須ではなく、これら両条件の一方又は両方を省略してもよい。つまり、操舵トルク値Tの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して第1の条件が満たされている場合に、操舵エンド状態であると判定してもよい。あるいは、操舵トルク値Tの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して第1の条件及び第2の条件が満たされている場合に、操舵エンド状態であると判定してもよい。もしくは、操舵トルク値Tの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して第1の条件及び第3の条件が満たされている場合に、操舵エンド状態であると判定してもよい。
以下、CPU50が操舵エンド状態検出部506として実行する処理について、具体例を挙げてより詳細に説明する。
図5は、CPU50が操舵エンド状態検出部506として実行する処理(操舵エンド状態検出プログラム511)の具体的な一例を示すフローチャートである。CPU50は、このフローチャートに示す処理を所定の制御周期(本実施の形態では4ms)ごとに繰り返し実行する。なお、以下に述べる各フラグ及び変数は、ECU5の立ち上がり時(例えばイグニッションオン時)に初期化(フラグはオフ状態、変数は0に設定)されているものとする。
CPU50は、まず、第2フラグF2がオフ状態であるか否かを判定する(ステップS10)。第2フラグF2は、前述の第1〜第3の条件が所定時間継続して満たされているかを判定しているときに後述する処理でオン状態に設定されるフラグである。
第2フラグF2がオフ状態である場合(S10:Yes)、CPU50は、トルクセンサ24によって検出された操舵トルク値Tと、前回の制御周期における操舵トルク値Tを示す前回値Taとの差の絶対値を演算し、この演算結果を変数ΔTに代入する(ステップS11)。このΔTは、操舵トルク値Tの微分値に相当する。
次に、CPU50は、操舵トルク値Tを前回値Taに代入し(ステップS12)、ΔTが所定値Tref以上であるか否かを判定する(ステップS13)。ΔTが所定値ΔTref以上である場合(S13:Yes)、CPU50は、第1フラグF1がオン状態であるか否かを判定し(ステップS14)、第1フラグF1がオン状態でない場合(S14:No)には、第1フラグF1をオン状態にする(ステップS15)。ここで、所定値ΔTrefは、ステアリングホイール10が最大操舵角まで操舵されてラック軸3の端部に固定されたボールジョイントソケット32がラックハウジング30の端部30aに当接した際に発生し得る1制御周期あたりのΔTに対応する値である。
次に、CPU50は、第1カウンタCT1に1を加算(インクリメント)し(ステップS16)、第1カウンタCT1が所定値CT1refであるか否かを判定する(ステップS17)。第1カウンタCT1が所定値CT1refである場合(S17:Yes)、CPU50は、第2フラグF2をオン状態にする(ステップS18)。
ここで、所定値CT1refは、第2フラグF2をオン状態にするにあたり、ΔTが所定値Tref以上である状態が継続する時間を規定するものである。つまり、本実施の形態では、ΔTが所定値Tref以上である状態が所定時間(例えば0.1秒)継続した場合に、第2フラグF2をオン状態とするようにしている。例えば前述のように制御周期が4msである場合には、所定値CT1refを「25」とすることにより、ΔTが所定値Tref以上である状態が0.1秒間(=4ms×25)継続した場合に、第2フラグF2がオン状態となる。ただし、ΔTが1回でも所定値Tref以上となった場合に第2フラグF2をオン状態とするようにしてもよい。
また、CPU50は、第1カウンタCT1が所定値CT1refでない場合(ステップS17:No)、又はステップS18の処理の後、操舵エンド状態検出部506としての処理を一旦終了する。
一方、ステップS13の判定処理でΔTが所定値Tref以上でない場合(S13:No)、CPU50は、第1フラグF1がオン状態であるか否かを判定する(ステップS19)。第1フラグF1がオン状態である場合(S19:Yes)、CPU50は、第1カウンタCT1を0にリセットし(ステップS20)、第1フラグF1をオフ状態にする(ステップS21)。このステップS20,S21の処理は、例えばΔTが所定値Tref以上である状態が所定時間継続する前に、ΔTが所定値Tref未満となった場合に実行される処理である。
また、CPU50は、ステップS19の判定処理で第1フラグF1がオフ状態である場合(S19:No)、又はステップS21の処理の後、操舵エンド状態検出部506としての処理を一旦終了する。
CPU50は、ステップS10の判定処理で第2フラグF2がオン状態である場合(S10:No)、ステアリングホイール10の操舵速度ωが所定値ωref以下であるか否かを判定する(ステップS22)。この所定値ωrefは、操舵エンド状態におけるステアリングホイール10の操舵速度ωに対応した値であり、実質的にステアリングホイール10及び電動モータ40が停止している場合にステップS22の判定結果がYesとなる値である。ただし、電動モータ40の電機子の巻線に作用する逆起電力に基づいてステアリングホイール10の操舵速度ωを推定する場合には、操舵速度ωの誤差を見込んで、例えば電動モータ40の角速度が60rad/秒以下である場合に、ステップS22の判定結果がYesとなるように所定値ωrefを設定するとよい。このステップS22の判定条件は、前述の第1の条件に対応するものである。
ステアリングホイール10の操舵速度ωが所定値ωref以下である場合(S22:Yes)、CPU50は、操舵トルク値Tが所定値Tref以上であるか否かを判定する(ステップS23)。ここで、所定値Trefは、ステアリングホイール10が最大操舵角まで操舵されてラック軸3の端部に固定されたボールジョイントソケット32がラックハウジング30の端部30aに当接した際に発生し得る操舵トルク値Tに相当し得る値であり、例えば図4の縦軸に示すT1,T2の絶対値を所定値Trefとすることができる。このステップS23の判定条件は、前述の第2の条件に対応するものである。
操舵トルク値Tが所定値Tref以上である場合(S23:Yes)、CPU50は、車速Vが所定値Vref以上であるか否かを判定する(ステップS24)。ここで、所定値Vrefは、車両の駐車スペースからの出し入れ等の低速時における車速Vに相当する値であり、例えば時速10kmに設定することができる。このステップS24の判定条件は、前述の第3の条件に対応するものである。
車速Vが所定値Vref以上である場合(S24:Yes)、CPU50は、第2カウンタCT2に1を加算(インクリメント)し(ステップS25)、第2カウンタCT2が所定値CT2refであるか否かを判定する(ステップS26)。第2カウンタCT2が所定値CT2refである場合(S26:Yes)、CPU50は、電流制限部502(図3に示す)に付与する検出信号DSをオン状態にする。これにより、電流制限部502は、電流指令値Irefを低減補正する。この電流指令値Irefを低減補正は、例えば電流指令値Irefを予め定められた所定値以下に制限することにより行われる。また、例えば補正前の電流指令値Irefに1未満の係数を乗じて補正後の電流指令値Irefとしてもよい。
ここで、所定値CT2refは、検出信号DSをオン状態にするにあたり、ステップS22〜S24の条件(前述の第1〜第3の条件)が満たされている状態が継続する時間を規定するものである。つまり、本実施の形態では、ステップS22〜S24の条件が全て満たされている状態が所定時間(例えば0.5秒)継続した場合に、検出信号DSをオン状態とするようにしている。例えば前述のように制御周期が4msである場合には、所定値CT2refを「125」とすることにより、ステップS22〜S24の条件が全て満たされている状態が0.5秒間(=4ms×125)継続した場合に、検出信号DSをオン状態となり、電流制限部502によって電流指令値Irefが低減補正される。すなわち、電動モータ40に供給される電流が低減される。
一方、CPU50は、第2カウンタCT2が所定値CT2refでない場合(S26:No)、検出信号DSをオン状態にすることなく操舵エンド状態検出部506としての処理を一旦終了する。
また、CPU50は、ステップS22〜S24の何れかの判定の結果がNoであった場合、第2カウンタCT2を0にリセットし(ステップS28)、第2フラグF2をオフ状態にして(ステップS29)、操舵エンド状態検出部506としての処理を一旦終了する。このステップS28,S29の処理は、ステップS22〜S24の条件が全て満たされている状態が0.5秒間継続する前に、ステップS22〜S24の何れかの条件が満たされなくなった場合に実行される処理である。
以上の処理により、操舵トルク値Tの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して第1〜第3の条件が満たされることを条件として操舵エンド状態が検出される。
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)ラック軸3の端部に固定されたボールジョイントソケット32がラックハウジング30の端部30aに当接した際に特徴的に表れる操舵トルク値Tの急激な増加を条件として操舵エンド状態を検出するので、精度よく操舵エンド状態を検出することができる。
(2)ステアリングホイール10の操舵速度ωが所定値以下であることをさらなる条件として操舵エンド状態を検出するので、さらに精度よく操舵エンド状態を検出することができる。
(3)操舵トルクが所定値以上であることをさらなる条件として操舵エンド状態を検出するので、より精度よく操舵エンド状態を検出することができる。
(4)車速が所定値以下であることをさらなる条件として操舵エンド状態を検出するので、より一層精度よく操舵エンド状態を検出することができる。
以上、本発明の電動パワーステアリング装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
1…電動パワーステアリング装置、1a…ラックアンドピニオン機構、2…ステアリングシャフト、3…ラック軸、4…操舵補助機構、10…ステアリングホイール、11…タイロッド、12…ブーツ、21…コラムシャフト、22…中間シャフト、23…ピニオンシャフト、24…トルクセンサ、30…ラックハウジング、30a…端部、31…ラック歯、32…ボールジョイントソケット、40…電動モータ、41…ウォームホイール、54…モータ駆動回路、55…電流センサ、56…電源電圧センサ、100…転舵輪、101…車速センサ、201,202…自在継手、211…トーションバー、231…ピニオン歯、401…ウォーム、500…内部バス、501…電流指令値演算部、502…電流制限部、503…減算部、504…PI制御部、505…操舵速度推定部、506…操舵エンド状態検出部、510…モータ制御プログラム、511…操舵エンド状態検出プログラム、520…アシストマップ
Claims (3)
- 車両のステアリングホイールに連結されたピニオン軸、及び前記ピニオン軸のピニオン歯に噛み合うラック歯を有するラック軸を有する操舵機構と、
前記ラック軸の一部を収容し、前記ラック軸の端部に固定された当接部材との軸方向の当接によって前記ラック軸の軸方向移動を規制する筒状のラックハウジングと、
前記ステアリングホイールに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサと、
前記操舵機構に操舵補助力を付与する電動モータと、
前記操舵トルクに基づいて前記電動モータを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記当接部材の当接により前記ラック軸の軸方向移動が規制された操舵エンド状態であることを検知する検知手段を有し、前記検知手段によって前記操舵エンド状態を検知したとき、前記電動モータに供給する電流を低減し、
前記検知手段は、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して前記ステアリングホイールの操舵速度が所定値以下であることを条件として、前記操舵エンド状態を検知する
電動パワーステアリング装置。 - 前記検知手段は、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して前記トルクセンサによって検出される操舵トルクが所定値以上であることをさらなる条件として、前記操舵エンド状態を検知する、
請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記制御部は、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間当たりの増加量が所定値以上となった後、所定時間継続して車速が所定値以下であることをさらなる条件として、前記操舵エンド状態を検知する、
請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013038611A JP2014166769A (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013038611A JP2014166769A (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
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JP2014166769A true JP2014166769A (ja) | 2014-09-11 |
Family
ID=51616738
Family Applications (1)
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JP2013038611A Pending JP2014166769A (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 電動パワーステアリング装置 |
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JP (1) | JP2014166769A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019085049A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | 株式会社ジェイテクト | 操舵制御装置 |
-
2013
- 2013-02-28 JP JP2013038611A patent/JP2014166769A/ja active Pending
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