JP2014166664A - 眼鏡レンズ基材用保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストダウンと生産性の向上とを図りながら、フィニッシュレンズからなる眼鏡レンズ基材を温度上昇と吸引力で変形することがないように保持可能な眼鏡レンズ基材用保持装置を提供する。
【解決手段】眼鏡レンズ基材2の第2のレンズ面2bと対向する吸盤部11と、吸盤部11に接続された支持部12と、支持部12が接続される空気吸引部4とを備える。吸盤部11は、可撓性を有する材料によって第2のレンズ面2bを覆う形状であって自然状態で第2のレンズ面2bとの間に空気室15が形成される形状に形成されている。空気室15は、吸盤部11から支持部12内に延びる空気通路32に連通されている。空気吸引部4は、空気通路32から空気を吸引するものである。吸盤部11が第2のレンズ面2bに接触している状態で空気吸引部4によって空気通路32から空気が吸引されることにより、吸盤部11が第2のレンズ面2bに倣う形状に変形して第2のレンズ面2bが吸盤部11に吸着される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、眼鏡レンズ基材に吸着する吸盤部を備えた眼鏡レンズ基材用保持装置に関するものである。
従来、眼鏡レンズとしては、例えば屋外で紫外線を受けたときに発色する調光レンズがある。この種の調光レンズは、眼鏡レンズ基材にフォトクロミック液を塗布し、このフォトクロミック液を硬化させることによって形成されている。フォトクロミック液は、一般的には紫外線硬化型のものが用いられている。
紫外線硬化型のフォトクロミック液を硬化させるためには、眼鏡レンズ基材を支持台に支持させ、眼鏡レンズ基材に紫外線を照射して行われる。前記支持台は、例えば特許文献1に記載されているように、真空吸着式のものが多い。
紫外線硬化型のフォトクロミック液が塗布された眼鏡レンズ基材に紫外線を照射すると、次の2つの理由で眼鏡レンズ基材の温度が上昇する。第1の理由は、フォトクロミック液が硬化するときに熱を発するからである。第2の理由は、眼鏡レンズ基材内の紫外線吸収剤が紫外線を吸収することによって、紫外線が熱エネルギーに変換されて眼鏡レンズ基材内に放出されるからである。眼鏡レンズ基材の温度が過度に高くなると、眼鏡レンズ基材が変形し易くなる。
特許文献1に記載されている支持台は、上端部に眼鏡レンズを支持する構造が採られている。支持台の上端部には、Oリングが設けられているとともに、このOリングの内側の空気を吸引するための空気吸引口が形成されている。特許文献1に記載されている眼鏡レンズ基材は、上述したように温度が上昇したときに支持台の吸引力によって変形することがないように、吸着用の円板に一つの組立体となるように組み付けられている。
前記組立体は、前記眼鏡レンズ基材と前記円板とが同一軸線上に位置するとともに、これら両者が所定の間隔をおいて離間するように形成されている。眼鏡レンズ基材と前記円板とによって前記組立体を形成するためには、これら両部材の外周面にテープを巻き付けることによって行われている。
一方、この種の眼鏡レンズ基材の温度上昇を防ぐ技術は、例えば特許文献2と特許文献3とに記載されている。
特許文献2には、眼鏡レンズ基材に吸熱シートを密着させて眼鏡レンズ基材の温度上昇を抑制する技術が開示されている。前記吸熱シートは、固定台座と眼鏡レンズ基材との間に挟まれて眼鏡レンズ基材に密着させられている。固定台座と眼鏡レンズ基材とは、外周部に巻かれたテープによって一体的に結合されている。
特許文献3に記載されている製造装置は、眼鏡レンズ基材の温度上昇が抑えられるように光照射を行うように構成されている。すなわち、この製造装置は、光照射を断続的に行なうか、または光照射の初期に強度の強い光を照射し、徐々にまたは段階的に光の強度を弱くするものである。
特開2012−24744号公報 特開2009−86281号公報 特開2004−12857号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載された従来技術では、フィニッシュレンズのようなコバ厚の薄い眼鏡レンズ用基材を使用することは難しかった。フィニッシュレンズとは、眼鏡レンズ基材の両方のレンズ面がそれぞれ完成状態まで仕上げられたものである。このフィニッシュレンズの厚みは、一方のレンズ面が未加工であるセミフィニッシュドレンズと比べると著しく薄い。
すなわち、コバ厚の薄い眼鏡レンズ用基材は、テープが接着される部分の面積が小さいから、吸着用の円板に固定することができない。また、このテープを巻き付ける作業を行うためには、専用の装置が必要になる。このため、特許文献1記載の技術を実施するためには、製造コストが高くなるとともに、製造工程が複雑になってしまう。
前記特許文献2に記載されている吸熱シートは、眼鏡レンズ基材に密着させて保持することができないものである。この吸熱シートを眼鏡レンズ基材に密着させて保持するためには、固定台座とテープとが必要になる。このため、吸熱シートを眼鏡レンズ基材に密着させる作業の工数が多くなり、生産性が低くなってしまう。
前記特許文献3に記載されている製造装置では、光照射を断続的または光の強度を徐々にまたは段階的に変える構成が採られているから、硬化に要する時間が長時間になるため、生産性が低くなる。また、強強度の光の調整と弱強度の光の調整が必要であったり、冷水循環チューブやコールドリフレクターによる冷却、赤外線吸収または反射物質を光源とプラスチックレンズとの間に設けるなどしてレンズの温度上昇を抑える必要があるため、装置の構造が複雑化して高価になるという問題もあった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、コストダウンと生産性の向上とを図りながら、フィニッシュレンズからなる眼鏡レンズ基材を温度上昇と吸引力で変形することがないように保持可能な眼鏡レンズ基材用保持装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に眼鏡レンズ基材用保持装置は、眼鏡レンズ基材の一方のレンズ面と対向する吸盤部と、前記吸盤部に前記眼鏡レンズ基材とは反対側で接続された支持部と、前記支持部が接続される空気吸引部とを備え、前記吸盤部は、可撓性を有する材料によって前記レンズ面を覆う形状に形成されているとともに、自然状態で前記レンズ面との間に空気室が形成される形状に形成され、前記空気室は、前記吸盤部から前記支持部内に延びる空気通路に連通され、前記空気吸引部は、前記空気通路から空気を吸引するものであり、前記吸盤部が前記レンズ面に接触している状態で前記空気吸引部によって前記空気通路から空気が吸引されることにより、前記吸盤部が前記レンズ面に倣う形状に変形して前記レンズ面が前記吸盤部に吸着されるものである。
本発明は、前記発明において、前記吸盤部は、前記レンズ面の外周部に接触して内側に前記空気室を形成するゴム製の吸盤と、軟質な連続多孔質材料によって形成されて前記空気室内を満たす充填材とによって構成されていることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記吸盤部における前記レンズ面の外周部に接触する部位は、この吸盤部におけるレンズ面の中心部に接触する部位より先に前記レンズ面に接触するように形成されていることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記支持部は、前記空気吸引部に着脱自在に接続されるものであり、前記空気通路には、前記空気室側への空気の逆流を規制する逆止弁が設けられていることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記吸盤部における前記レンズ面の外周部に接触する外縁部分には、この吸盤部の外側に向けて突出する凸片が設けられていることを特徴とする。
本発明による前記吸盤部は、眼鏡レンズ基材の一方のレンズ面に倣う形状に変形してこのレンズ面が吸着されるものである。
このため、吸盤部に眼鏡レンズ基材が吸着されるにもかかわらず、吸着状態で眼鏡レンズ基材の中央部にここを吸盤部側へ吸引するような応力が生じることはない。
このため、フィニッシュレンズからなる眼鏡レンズ基材が吸盤部に真空吸着によって吸着されている状態でこの眼鏡レンズ基材の温度が上昇したとしても、眼鏡レンズ基材が変形することはない。
前記吸盤部は、それ自体が眼鏡レンズ基材に吸着するものであり、眼鏡レンズ基材を保持するにあたって他の部材を必要としないものである。すなわち、吸盤部は、速くかつ簡単に眼鏡レンズ基材に吸着するようになる。
したがって、本発明によれば、コストダウンと生産性の向上とを図りながら、フィニッシュレンズからなる眼鏡レンズ基材を温度上昇と吸引力で変形することがないように保持可能な眼鏡レンズ基材用保持装置を提供することができる。
眼鏡レンズ基材とレンズ保持部材の断面図である。 レンズ保持部材と眼鏡レンズ基材とを位置合わせ用治具に装填した状態を示す断面図である。 レンズ保持部材に眼鏡レンズ基材が吸着された状態を示す断面図である。 本発明に係る保持装置を使用する塗布装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る保持装置を使用する紫外線硬化装置の構成を示す断面図である。 眼鏡レンズ基材のレンズ半径と凸面の曲率半径との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る眼鏡レンズ基材用保持装置の一実施の形態を図1〜図6によって詳細に説明する。
この実施の形態による眼鏡レンズ基材用保持装置1は、眼鏡レンズ基材2を真空吸着によって保持するレンズ保持部材3と、このレンズ保持部材3から空気を吸引する空気吸引部4とによって構成されている。眼鏡レンズ基材2は、凸面からなる第1のレンズ面2aと、凹面からなる第2のレンズ面2bとを有するものである。この実施の形態によるレンズ保持部材3は、眼鏡レンズ基材2を保持した状態で後述するフォトクロミック液塗布装置5(図4参照)や紫外線照射装置6(図5参照)に送ることができるものである。
前記レンズ保持部材3は、図1に示すように、眼鏡レンズ基材2の他方のレンズ面2bと対向する吸盤部11と、この吸盤部11に前記眼鏡レンズ基材2とは反対側で接続された支持部12とによって構成されている。
前記眼鏡レンズ基材2は、いわゆるフィニッシュレンズで、第1のレンズ面2aと第2のレンズ面2bとの両方が所定の度数となるように仕上げられたものである。
前記吸盤部11は、可撓性を有する材料によって前記第2の第2のレンズ面2bを覆う形状に形成された吸盤13と、この吸盤13に取付けられた充填材14とによって構成されている。
前記吸盤13は、眼鏡レンズ基材2側に開口する有底円筒状にゴムによって形成されている。この吸盤13の外周部を形成する周壁13aは、底板13bから離間するにしたがって次第に径方向の外側に位置するように傾斜している。すなわち、この吸盤部11は、自然状態で第2のレンズ面2bの外周部に接触することができる形状に形成されている。
この吸盤部11が第2のレンズ面2bの外周部に接触することにより、吸盤部11の内側に空気室15が形成される。
前記充填材14は、いわゆる合成樹脂製スポンジなどの軟質な連続多孔質材料によって前記空気室15内を満たすように円板状に形成されている。すなわち、吸盤部11は、熱が伝導し難い材料によって形成されている。充填材14の厚みは、前記周壁13aより眼鏡レンズ基材2側へ突出することがないように形成されている。このため、眼鏡レンズ基材2の凹面(第2のレンズ面2b)を吸盤部11に吸着させる場合は、前記周壁13a(吸盤部11における第2のレンズ面2bの外周部に接触する部位)が前記充填材14(吸盤部11における第2のレンズ面2bの中心部に接触する部位)より先に第2のレンズ面2bに接触する。前記周壁13aにおける前記第2のレンズ面2bの外周部に接触する外縁部分には、この吸盤部11の外側に向けて突出する凸片16が設けられている。
吸盤13の底板13bには、眼鏡レンズ基材2とは反対側に延びる軸13cが一体に形成されている。この軸13cは、円板状に形成された前記底板13bと同一軸線上に位置付けられている。この軸13cの外径は、前記底板13bの外径より小さく形成されている。この軸13cと底板13bの中心部には、小孔17が形成されている。
前記軸13cには金属製の板状ブラケット18が取付けられている。この板状ブラケット18は、吸盤部11を後述する支持部12に固定するためのもので、軸13cに形成された環状溝19に嵌合している。
前記支持部12は、金属によって円板状に形成された支持板21と、この支持板21の軸心部に設けられた逆止弁22とを備えている。
前記支持板21における前記吸盤部11と対向する上面には、環状の凸部23が形成されている。この凸部23は、支持板21と同一軸線上に位置付けられている。この凸部23の軸心部には、前記吸盤13の軸13cが嵌合する円形凹部24が形成されている。この円形凹部24の底面は、前記軸13cの先端部に形成されている環状の突条25が全域にわたって接触できるように、平坦に形成されている。前記突条25は、円形凹部24の中心部分を気密に保つためのものである。
前記環状の凸部23の上面は、前記板状ブラケット18を重ねることができるように、平坦に形成されている。また、この凸部23には複数のねじ孔26が形成されている。これらのねじ孔26には、前記板状ブラケット18を貫通した固定用ボルト27が螺着されている。すなわち、吸盤部11は、この固定用ボルト27と前記板状ブラケット18とによって支持部12に固定されている。
一方、支持板21における前記吸盤部11とは反対側に位置する下面は、平坦面となるように形成されている。
支持板21の軸心部には、この支持板21を厚み方向に貫通するように空気孔31が形成されている。この空気孔31は、前記円形凹部24の底面と、支持板21の下面とに開口している。前記円形凹部24に前記軸13cが嵌合した状態においては、前記空気孔31は、円形凹部24内で前記吸盤部11の小孔17に接続され、この小孔17を介して前記空気室15に接続される。すなわち、前記小孔17と前記空気孔31は、前記吸盤部11から前記支持部12内に延びる空気通路32を構成している。前記空気室15は、前記空気通路32に連通されている。
前記逆止弁22は、詳細には図示していないが、いわゆるボールチェック弁によって構成されており、前記空気孔31の中に圧入されている。この逆止弁22は、空気を前記小孔17から空気孔31に向かう方向のみに流し、前記空気室15側への空気の逆流を規制するものである。
前記レンズ保持部材3に眼鏡レンズ基材2を吸着させるに当たっては、図2に示す位置合わせ用治具41が用いられる。この位置合わせ用治具41は、次の3つの機能を有している。第1の機能は、レンズ保持部材3を保持する機能である。第2の機能は、このレンズ保持部材3に対して眼鏡レンズ基材2を同一軸線上に位置決めする機能である。第3の機能は、前記レンズ保持部材3の吸盤部11から空気を吸い出す機能である。
位置合わせ用治具41は、これらの機能を実現するために、レンズ保持部材3が載せられる基台42と、レンズ保持部材3の支持板21の外周面21aおよび眼鏡レンズ基材2の外周面2cが嵌合する縦壁43とを備えている。基台42は円板状に形成されている。この基台42の上面には、前記支持板21の下面に接触するOリング44が設けられている。基台42におけるOリング44の内方の部分には、空気穴45が開口している。
この空気穴45は、前記基台42の上面の前記開口から基台42内を基台42の一側部まで延びるように形成されている。この空気穴45には、空気吸引装置46が接続されている。この実施の形態においては、この空気吸引装置46と、前記位置合わせ用治具41とによって、前記空気吸引部4が構成されている。
前記縦壁43は、円筒状に形成することができるし、基台42の周方向に間隔をおいて並べて形成することができる。この縦壁43には、支持板21の外周面が嵌合する第1の位置決め部47と、眼鏡レンズ基材2の外周面が嵌合する第2の位置決め部48とが形成されている。
この位置合わせ用治具41を用いてレンズ保持部材3に眼鏡レンズ基材2を吸着させるためには、先ず、作業者(図示せず)がレンズ保持部材3を位置合わせ用治具41に取付ける。このとき、支持板21が基台42のOリング44に載せられるとともに、支持板21の外周面が第1の位置決め部47に嵌合させられる。次に、作業者が眼鏡レンズ基材2をレンズ保持部材3に載せる。このとき、眼鏡レンズ基材2の第2のレンズ面2bがレンズ保持部材3の吸盤部11に重ねられるとともに、眼鏡レンズ基材2の外周面2cが第2の位置決め部48に嵌合させられる。
しかる後、空気吸引装置46によって基台42の空気穴45の空気を吸引させる。空気穴45内の空気が吸引されると、逆止弁22が開き、空気孔31と、小孔17と、空気室15内の空気が吸引される。
空気室15内の空気が吸引されると、図3に示すように、吸盤13が第2のレンズ面2bの形状に倣うように弾性変形するとともに、充填材14が圧縮させられ、眼鏡レンズ基材2が吸盤部11に吸着される。
空気吸引装置46は、上述したように眼鏡レンズ基材2がレンズ保持部材3に吸着された後に停止させられる。そして、前記空気穴45に連通した空気吸引用の通路(図示せず)が大気に開放され、位置合わせ用治具41からレンズ保持部材3を取り外すことが可能になる。レンズ保持部材3の空気通路32には逆止弁22が設けられているから、空気室15内が負圧に保たれ、眼鏡レンズ基材2が吸盤部11に吸着された状態に保たれる。この眼鏡レンズ基材2とレンズ保持部材3とからなる組立体Aは、作業者または図示していない搬送装置によって、図4に示す塗布装置5と、図5に示す紫外線照射装置6などに送られる。
前記組立体Aの搬送は、作業者あるいは搬送装置がレンズ保持部材3の支持板21を把持して行うことができる。眼鏡レンズ基材2がレンズ保持部材3に吸着されている状態を解除するためには、吸盤部11の凸片16を引いて周壁13aの一部を眼鏡レンズ基材2から離間させる。周壁13aと眼鏡レンズ基材2との間に隙間が形成されると、大気がこの隙間から吸盤13内に吸い込まれて吸着状態が解除される。
眼鏡レンズ基材2にフォトクロミック液51を塗布する塗布ステップは、図4に示すように、前記組立体Aを塗布装置5に装填して実施される。この塗布装置5は、前記組立体Aを支持する支持台52と、この支持台52の上方に位置する塗布ノズル53と、これらの部材の周囲を囲む筐体54とを備えている。
前記支持台52は、前記支持板21の下面を吸着して支持板21を支持するものである。支持台52の上端部には、環状のシール部材55が設けられているとともに、このシール部材55の内側の空気を吸引するための空気穴56が形成されている。前記空気穴56は、図示していない空気吸引装置に連通されている。
前記組立体Aをシール部材55の上に載せて空気吸引装置により空気穴56から空気を吸引することによって、組立体A内の空気通路から逆止弁22を介して空気が吸引される。このため、搬送中に前記空気室8内の空気圧が増大して眼鏡レンズ基材2を吸盤部11に吸着させる力が弱くなった場合であっても、塗布装置5に組立体Aを装着することによって前記力を増強させることが可能である。すなわち、全ての組立体Aにおいて、安定した吸着状態でフォトクロミック液51を眼鏡レンズ基材2に塗布することができる。
この支持台52は、回転駆動装置57が接続されており、フォトクロミック液51の塗布時に所定の回転速度で回転する。
前記塗布ノズル53は、支持台52に載せられた前記組立体Aの眼鏡レンズ基材2にフォトクロミック液51を塗布するためのものである。
この塗布装置5は、フォトクロミック液51からなる層58の厚みが第1のレンズ面2aの全域にわたって均等になるように、フォトクロミック液51を第2のレンズ面2bに塗布する。
この塗布装置5によって第1のレンズ面2aにフォトクロミック液51が塗布された眼鏡レンズ基材2は、レンズ保持部材3とともに図5に示す紫外線照射装置6に送られる。
紫外線照射装置6は、眼鏡レンズ基材2に塗布されたフォトクロミック液51を硬化させる硬化ステップを実施するためのものである。この紫外線照射装置6は、前記組立体Aを支持する支持台61と、この支持台61の上方に位置する紫外線ランプ62と、これらの部材の周囲を囲む筐体63とを備えている。
前記硬化ステップは、前記組立体Aを前記紫外線照射装置6に搬入し、レンズ保持部材3を紫外線照射装置6内の支持台61に支持させた状態で実施される。
前記支持台61は、前記支持板21の下面を吸着して支持板21を支持するものである。支持台61の上端部には、環状のVリング64が設けられているとともに、このVリング64の内側の空気を吸引するための空気穴65が形成されている。空気穴65は、図示していない空気吸引装置に連通されている。
前記組立体AをVリング64の上に載せて空気吸引装置により空気穴65から空気を吸引することによって、組立体A内の空気通路から逆止弁22を介して空気が吸引される。このため、搬送中に前記空気室15内の空気圧が増大して眼鏡レンズ基材2を吸盤部11に吸着させる力が弱くなった場合であっても、紫外線照射装置6に組立体Aを装着することによって前記力を増強させることが可能である。すなわち、全ての組立体Aにおいて、安定した吸着状態で紫外線を眼鏡レンズ基材2に照射することができる。
この支持台61は、回転駆動装置66が接続されており、紫外線を照射するときに所定の回転速度で回転する。
前記紫外線ランプ62は、眼鏡レンズ基材2上のフォトクロミック液51に紫外線を照射するためのものである。
前記筐体63には、窒素置換装置67が接続されている。この窒素置換装置67は、紫外線を眼鏡レンズ基材2に照射する以前に筐体63内の空気を窒素ガスと置換するものである。
眼鏡レンズ基材2とレンズ保持部材3は、紫外線照射装置6に装填される以前に組立体Aとなるように互いに結合されている。このため、眼鏡レンズ基材2とレンズ保持部材3は、紫外線照射装置6が置かれた環境の温度と略等しい温度で紫外線照射装置6に装填される。
紫外線照射装置6に組立体Aが装填された後、前記窒素置換装置67によって筐体63内の空気が予め定めた所要時間で窒素ガスに置換される。眼鏡レンズ基材2のフォトクロミック液51は、この窒素置換工程時は流動性を有する液体である。従来は、この窒素置換工程で眼鏡レンズ基材にVリングの熱が伝わり、眼鏡レンズ基材の温度分布が均等ではなくなっていた。
フォトクロミック液51は、紫外線照射装置6内で紫外線が照射されることにより硬化し、フォトクロミック膜になる。紫外線が照射されるときの第1のレンズ面2aの温度は、眼鏡レンズ基材2とレンズ保持部材3の温度が等しいために、第1のレンズ面2aの全域にわたって一様になる。このため、第1のレンズ面2aに膜厚が均等になるようにフォトクロミック膜68が形成される。このようなフォトクロミック膜68は、屋外などで紫外線が照射されたときに発色むらが生じることがないように発色する。
紫外線の照射が終了した眼鏡レンズ基材2は、レンズ保持部材3とともに紫外線照射装置6から取り出され、図示していない次の工程を実施する装置に送られる。
この紫外線照射装置6によって行う硬化ステップは、前記組立体Aを替えて繰り返し実施される。すなわち、先の組立体Aへの紫外線照射が終了してこの組立体Aが搬出された後、次の組立体Aが搬入され、この組立体Aに対して紫外線が照射される。
紫外線照射装置6内で眼鏡レンズ基材2に紫外線が照射されたときの眼鏡レンズ基材2の温度は、フォトクロミック液51の硬化に起因する発熱と、眼鏡レンズ基材2の重合反応に起因する発熱とによって上昇する。この実施の形態による眼鏡レンズ基材2は、レンズ保持部材3を介して支持台61に支持されている。このため、レンズ保持部材3が実質的に断熱材として機能するから、眼鏡レンズ基材2の熱が支持台61に伝達されることはない。
この紫外線照射装置6で複数の組立体Aに順次紫外線を照射して支持台61の温度が仮に上昇したとしても、レンズ保持部材3が実質的に断熱材として機能する。すなわち、眼鏡レンズ基材2が紫外線照射装置6内の支持台61によって加熱されることはない。このため、硬化ステップにおいて、前記第1のレンズ面2aの温度分布が一様になる。
この実施の形態による前記吸盤部11は、眼鏡レンズ基材2の第2のレンズ面2bに倣う形状に変形してさらに充填剤14による無数の小孔によりこの第2のレンズ面2bが均一に吸着されるものである。
このため、吸盤部11に眼鏡レンズ基材2が吸着されるにもかかわらず、吸着状態で眼鏡レンズ基材2の中央部にここを吸盤部11側へ吸引するようにして変形をもたらすような大きな応力が生じることはない。したがって、フィニッシュレンズからなる眼鏡レンズ基材2が吸盤部11に真空吸着によって吸着されている状態でこの眼鏡レンズ基材2の温度が上昇したとしても、眼鏡レンズ基材2が変形することはない。
前記吸盤部11は、それ自体が眼鏡レンズ基材2に吸着するものであり、眼鏡レンズ基材2を保持するにあたって他の部材を必要としないものである。このため、吸盤部11は、速くかつ簡単に眼鏡レンズ基材2に吸着するようになる。
したがって、この実施の形態によれば、コストダウンと生産性の向上とを図りながら、フィニッシュレンズからなる眼鏡レンズ基材2を温度上昇と吸引力で変形することがないように保持可能な眼鏡レンズ基材用保持装置を提供することができる。
この実施の形態による前記吸盤部11は、ゴム製の吸盤13と、充填材14とによって構成されている。前記吸盤13は、前記第2のレンズ面2bの外周部に接触して内側に前記空気室15を形成するものである。前記充填材14は、軟質な連続多孔質材料によって形成されて前記空気室15内を満たすものである。
このため、吸盤部11の全体が眼鏡レンズ基材2に密着するようになる。したがって、この実施の形態によれば、眼鏡レンズ基材2の一部が局所的に変形することがない眼鏡レンズ基材用保持装置を提供することができる。
この実施の形態による前記吸盤部11における前記第2のレンズ面2bの外周部に接触する部位は、この吸盤部11における第2のレンズ面2bの中心部に接触する部位より先に前記レンズ面に接触するように形成されている。
この実施の形態によれば、吸着面が平面または平面に近い眼鏡レンズ基材や、いわゆるC度数付きの眼鏡レンズ基材などであっても良好に保持することができる。
この実施の形態による前記支持部12は、前記空気吸引部4(位置合わせ用治具41)に着脱自在に接続されるものである。前記空気通路32には、前記空気室15側への空気の逆流を規制する逆止弁22が設けられている。
このため、真空ポンプなどの空気吸引装置46を用いて眼鏡レンズ基材2と吸盤部11との間の空気を積極的に吸引することができる。したがって、この実施の形態によれば、眼鏡レンズ基材2の吸着面と吸盤部11との密着度を増して局所的な変形を防ぐことができる。また、この保持装置1を使用して眼鏡レンズ基材2を搬送する際に眼鏡レンズ基材2と吸盤部11とが分離することを防止できる。
この実施の形態において、前記吸盤部11における前記第2のレンズ面2bの外周部に接触する外縁部分には、この吸盤部11の外側に向けて突出する凸片16が設けられている。
この実施の形態によれば、前記凸片16を作業者が引くことにより真空を破壊させて吸盤部11を眼鏡レンズ基材2から分離させることができる。したがって、この実施の形態によれば、眼鏡レンズ基材2の分離を簡単に行うことができるから、より一層生産性が高くなる眼鏡レンズ基材用保持装置を提供することができる。
上述した実施の形態による眼鏡レンズ基材用保持装置1を使用して実際にフォトクロミック膜を形成したところ、図6に示すような結果が得られた。
図6において、実線は、本発明に係る保持装置を用いた場合の結果を示し、破線は、レンズ保持部材3を使用することなく、眼鏡レンズ基材2を紫外線照射装置6の支持台61に直接吸着させて紫外線を照射した場合の結果を示す。一点鎖線は、第2のレンズ面2bが未加工であるセミフィニッシュレンズからなる眼鏡レンズ基材を紫外線照射装置6の支持台61に直接吸着させて紫外線を照射した場合の結果を示す。
図6において破線で示すように、フィニッシュレンズを支持台61に直接支持させた場合は、中央部分が吸引力によって大きく凹んでしまう。しかし、本発明による保持装置1を使用することによって、フィニッシュレンズの凸面の中央部分の形状は、セミフィニッシュレンズの中央部分の形状に近くなる。このことは、本発明に係る保持装置1を使用することによって、フィニッシュレンズをセミフィニッシュレンズと同様に取り扱うことが可能になることを意味する。
1…眼鏡レンズ基材用保持装置 2…眼鏡レンズ基材、2a…第1のレンズ面、2b…第2のレンズ面、3…レンズ保持部材、4…空気吸引部、11…吸盤部、12…支持部、13…吸盤、14…充填材、15…空気室、16…凸片、22…逆止弁、32…空気通路、46…空気吸引装置。

Claims (5)

  1. 眼鏡レンズ基材の一方のレンズ面と対向する吸盤部と、
    前記吸盤部に前記眼鏡レンズ基材とは反対側で接続された支持部と、
    前記支持部が接続される空気吸引部とを備え、
    前記吸盤部は、可撓性を有する材料によって前記レンズ面を覆う形状に形成されているとともに、自然状態で前記レンズ面との間に空気室が形成される形状に形成され、
    前記空気室は、前記吸盤部から前記支持部内に延びる空気通路に連通され、
    前記空気吸引部は、前記空気通路から空気を吸引するものであり、
    前記吸盤部が前記レンズ面に接触している状態で前記空気吸引部によって前記空気通路から空気が吸引されることにより、前記吸盤部が前記レンズ面に倣う形状に変形して前記レンズ面が前記吸盤部に吸着されることを特徴とする眼鏡レンズ基材用保持装置。
  2. 請求項1記載の眼鏡レンズ基材用保持装置において、前記吸盤部は、前記レンズ面の外周部に接触して内側に前記空気室を形成するゴム製の吸盤と、軟質な連続多孔質材料によって形成されて前記空気室内を満たす充填材とによって構成されていることを特徴とする眼鏡レンズ基材用保持装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の眼鏡レンズ基材用保持装置において、前記吸盤部における前記レンズ面の外周部に接触する部位は、この吸盤部におけるレンズ面の中心部に接触する部位より先に前記レンズ面に接触するように形成されていることを特徴とする眼鏡レンズ基材用保持装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ基材用保持装置において、前記支持部は、前記空気吸引部に着脱自在に接続されるものであり、
    前記空気通路には、前記空気室側への空気の逆流を規制する逆止弁が設けられていることを特徴とする眼鏡レンズ基材用保持装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ基材用保持装置において、前記吸盤部における前記レンズ面の外周部に接触する外縁部分には、この吸盤部の外側に向けて突出する凸片が設けられていることを特徴とする眼鏡レンズ基材用保持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106736756A (zh) * 2017-01-13 2017-05-31 山东大学 一种用于环形薄壁深腔加工的等刚度支承辅助装置及方法

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