JP2014166662A - 電動工具およびその管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】施工対象の状態等に応じて適切な施工を行うことのできる電動工具およびその管理システムを提供する。
【解決手段】動力伝達機構25を介して先端工具27を駆動するアクチュエータAと、アクチュエータの駆動制御を行う制御手段9と、動力伝達機構に先端工具を着脱自在に取り付ける工具着脱手段26と、先端工具により施工する対象の状態を検出する検出手段24と、検出手段による検出結果およびアクチュエータに関する情報を表示する表示手段Dと、検出手段による検出結果およびアクチュエータに関する情報を外部の管理システム50との間で送受信する送受信手段11と、アクチュエータ、制御手段、検出手段、表示手段および送受信手段を駆動する電源29とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動工具およびその管理システムに係り、特に施工対象の状態等に応じて適切な施工を行うことのできる電動工具およびその管理システムに関する。
従来からモータ等のアクチュエータにより先端工具を駆動させて、ボルトやナットの締め付けや、釘の打ち込み等を行う各種電動工具が広く用いられている。
また、電動工具の固有情報等を管理する管理システムも提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−279683号公報
ところで、電動工具による施工時に、例えば施工対象としての壁面内にガス管や電気配線等が存在する場合には、ガス漏れや感電等の危険防止のために、その位置におけるボルトや釘の施工を中止したり、施工位置を変更する必要がある。また、壁面を構成するコンクリート等の劣化等が発生している場合にも、施工の中止や施工位置の変更が必要である。
しかし、従来においては、施工作業者が、視覚や聴覚等により、これらのガス管や電気配線等の位置や壁面の劣化等を把握していたので、見逃し等が発生し易いという問題があった。
また、設計図やCAD図において、壁等の施工対象について、ボルトやナット等の締付力などが指定されている場合が多い。しかしながら、従来の電動工具においては、施工作業者の経験等によってボルトやナット等の締め付けの調整が行われており、締め付けが足りなかったり、あるいは締め付け過ぎが発生し易いという問題もあった。
本発明の目的は、施工対象の状態等に応じて適切な施工を行うことのできる電動工具およびその管理システムを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、動力伝達機構を介して先端工具を駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動制御を行う制御手段と、前記動力伝達機構に前記先端工具を着脱自在に取り付ける工具着脱手段と、前記先端工具により施工する対象の状態を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果および前記アクチュエータに関する情報を表示する表示手段と、前記検出手段による検出結果および前記アクチュエータに関する情報を外部の管理システムとの間で送受信する送受信手段と、前記アクチュエータ、前記制御手段、前記検出手段、前記表示手段および前記送受信手段を駆動する電源とを備える電動工具が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、電動工具によって施工する対象に関するCAD情報を蓄積するデータベースと、前記データベースのCAD情報の読み書きを制御する制御手段と、前記制御手段により前記データベースから読み出されたCAD情報を表示する表示モニタと、前記表示モニタに表示されたCAD情報に関する操作を行う入力手段と、前記電動工具が備える先端工具により施工する対象の状態を検出する検出手段の検出結果を受信する受信手段と、前記受信手段を介して受信された検出結果に基いて、施工状態の良否を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果および前記データベースのCAD情報に基いて、施工に関する修正情報を前記電動工具に対して送信する送信手段とを備える電動工具の管理システムが提供される。
本発明によれば、施工対象の状態等に応じて適切な施工を行うことのできる電動工具およびその管理システムを提供することができる。
実施の形態に係る電動工具および管理システムの機能構成を示す機能ブロック図。 実施の形態に係る電動工具および管理システムの制御系および電気系の構成例を示すブロック図。 実施の形態に係る電動工具の概略構成を示す側面図。 実施の形態に係る電動工具の概略構成を示す斜視図。 実施の形態に係る電動工具と管理システムとの接続例を示す説明図。 実施の形態に係る電動工具または管理システムにおいて表示されるCAD図の例であり、(a)平面CAD図、(b)三次元CAD図。 施工データ等の表示例を示す平面図。 締め付けトルクと時間の関係を示すグラフ。 実施の形態に係る電動工具に適用されるヘッドマウントディスプレイの構成例を示す図であり、(a)片目タイプのヘッドマウントディスプレイの構成例を示す斜視図、(b)両目タイプのヘッドマウントディスプレイの構成例を示す斜視図。 実施の形態に係る電動工具に適用されるヘッドマウントディスプレイを介した視野を示す説明図。 実施の形態に係る電動工具および管理システムで実行される施工処理の処理手順の例を示すフローチャート。 実施の形態に係る電動工具および管理システムで実行される施工処理の処理手順の他の例を示すフローチャート。 実施の形態に係る電動工具および管理システムで実行される施工処理の処理手順の他の例を示すフローチャート。 実施の形態に係る電動工具および管理システムで実行される施工処理の処理手順の他の例を示すフローチャート。 基本構造に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 基本構造に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的鳥瞰図。 実施の形態に係る検査システムのシステム全体のブロック図。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSの結晶構造図。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSの量子効率と波長の関係を示すグラフ。 実施の形態に係る検査システムにおけるソーラーパネルから発生するEL光を説明するためのグラフであって、(a)EL光の発光強度と波長の関係を示すグラフ、(b)量子効率と波長の関係を示すグラフ。 実施の形態に係る検査システムの効果を説明するための図であって、(a)冷却CCDカメラとInGaAsカメラの2台のカメラを用いる場合、(b)CIGSカメラを用いる場合。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサの模式的回路構成図。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサの画素回路の模式的回路構成図。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサの画素回路における電圧の時間変化を示す波形例であって、(a)選択信号、(b)リセット信号、(c)転送信号、(d)ノードA、(e)ノードB、(f)ノードC。 比較例に係る光電変換回路の模式的回路構成図。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置の模式的全体平面パターン構成図。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置の模式的断面構造図。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置の変形例の模式的断面構造図。 (a)実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置に適用するカラーフィルタの配置例、(b)実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置に適用する別のカラーフィルタの配置例。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置に適用するカラーフィルタの透過特性。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置に適用する化合物半導体薄膜の量子効率の波長特性。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置に適用する化合物半導体薄膜の光吸収特性。 (a)実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置の第1の製造方法の一工程を示す模式的断面構造図(その1)、(b)実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置の第1の製造方法の一工程を示す模式的断面構造図(その2)。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置の第2の製造方法の一工程を示す模式的断面構造図(その1)。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置の第2の製造方法の一工程を示す模式的断面構造図(その2)。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置において、(a)アバランシェ増倍を利用する場合の1画素の回路構成図、(b)アバランシェ増倍を利用しない場合の1画素の回路構成図。 実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサに適用可能なカラー用固体撮像装置の模式的回路ブロック構成図。 テラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子を適用する検査装置の模式的ブロック構成図。 テラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子を適用する検査装置の模式的平面パターン構成図。 施工対象にテラヘルツ発振素子から出力されたテラヘルツ波(hν)Iiを入力し、反射板で反射されたテラヘルツ波(hν)Irをテラヘルツ検出素子で検出する様子を説明する模式図。 施工対象ににテラヘルツ発振素子から出力されたテラヘルツ波(hν)Iiを入力し、反射板で反射されたテラヘルツ波(hν)Irをテラヘルツ検出素子で検出する様子を説明する詳細な模式図。 実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の模式的鳥瞰図。 (a)図42のI−I線に沿う模式的断面構造図、(b)図42のII−II線に沿う模式的断面構造図。 (a)実施の形態に係る検査装置に適用されるRTDの模式的断面構造図、(b)図44(a)の変形例の模式的断面構造図。 (a)実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子の模式的回路構成図、(b)実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の簡易等価回路構成図。 (a)実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子のアンテナ系も含めた模式的等価回路構成図、(b)図46(a)のRTDの等価回路構成図。 (a)実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ検出素子の模式的回路構成図、(b)実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ検出素子の簡易等価回路構成図。 実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ検出素子のアンテナ系も含めた模式的等価回路構成図。 実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子動作において、発振強度と発振周波数fの関係の一例を示す図。 実施の形態に係る検査装置に適用される変形例2に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の模式的鳥瞰図。 図50に対応した第1の電極、第2の電極および半導体層のパターン構造の模式的平面図。 (a)図50のIII−III線に沿う模式的断面構造図、(b)図50のIV−IV線に沿う模式的断面構造図。 変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子において、絶縁体基板をサンプル表面に貼付け、半導体基板を除去した様子を示す模式的鳥瞰図。 図53の裏面から見た様子を示す模式的鳥瞰図。 (a)実施の形態に係る検査装置に適用される変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の電極パターン構造の模式的平面図、(b)実施の形態に係る検査装置に適用される変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の電極パターン構造の模式的平面図。 実施の形態に係る検査装置に適用される変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の模式的平面図。 実施の形態に係る検査装置に適用される変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の模式的平面図。 他の実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の模式的鳥瞰図。 シリコン半球レンズ上に配置した実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子の模式的鳥瞰図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[電動工具]
図1は、実施の形態に係る電動工具1および管理システム50の機能構成を示す機能ブロック図である。また、図2は、実施の形態に係る電動工具1および管理システム50の制御系および電気系の構成例を示すブロック図である。
図1および図2に示すように本実施の形態に係る電動工具1は、歯車列等の動力伝達機構25を介して先端工具27を駆動するアクチュエータAと、アクチュエータAの駆動制御を行う制御手段9と、動力伝達機構25に先端工具27を着脱自在に取り付けるチャック等の工具着脱手段26と、先端工具27により施工する対象の状態を検出する検出手段24と、検出手段24による検出結果およびアクチュエータAに関する情報を表示する表示手段Dと、検出手段24による検出結果およびアクチュエータAに関する情報を外部の管理システム50との間で送受信する送受信手段11(11A、11B)と、アクチュエータA、制御手段9、検出手段24、表示手段Dおよび送受信手段11A、11Bを駆動する電源29とを備える。
アクチュエータAは、電動工具1の用途等に応じてモータ2、油圧シリンダ、エアシリンダ、圧電素子等で構成することができる。
また、先端工具27は、電動工具1の用途等に応じてボルトまたはナットを締めるレンチ工具、ネジを締めるドライバー工具、釘を打撃するハンマー工具などで構成される。
なお、レンチ工具およびドライバー工具を装着して構成される電動工具の場合には、回転動作を行うためにアクチュエータAとしてはモータ2が選択される。また、ハンマー工具などを装着して構成される電動工具の場合には、アクチュエータAとしてはモータ2以外に、油圧シリンダ、エアシリンダ、圧電素子等を用いることも可能である。
制御手段9は、CPU等を備えるマイクロコンピュータで構成することができる。これにより、各種のソフトウェアを用いて電動工具全体の制御を行うことができる。
検出手段24は、施工対象としての壁面等の表面状態または内部状態を検出可能なセンサで構成することができる。より具体例には、CIGS(Copper Indium Gallium DiSelenide)センサ8やテラヘルツセンサ20で構成することができる。
ここで、CIGSとは、銅とインジウム、ガリウム、セレンの化合物を材料とする薄膜状態の物質のことであり、CIGSセンサ8は、壁面等の表面状態のみでなく所定深さの内部状態を検出することができる。詳細な構成例等については後述する。
また、テラヘルツセンサ20とは、テラヘルツ波を用いたセンサである。テラヘルツ波とは、約0.1〜10THzの周波数帯の電磁波を示し、その波長は3mm〜30μmであり、電波と光の境界に位置する。テラヘルツセンサは、壁面等の表面状態のみでなく所定深さの内部状態を検出することができる。詳細な構成例等については後述する。
そして、例えば施工対象としての壁面内にガス管や電気配線等が存在する場合に、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20によってこれらの構造物を検出することができる。これにより、施工の中止や施工位置の変更を行うことができる。
また、壁面を構成するコンクリート等の劣化等が発生している場合にも、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20によってこれらの異常を検出することができ、施工の中止や施工位置の変更を行うことができる。
なお、CIGSセンサ8等のイメージセンサには、画像を記憶する画像メモリ22や画像加工等を行う画像処理手段21が接続される。
表示手段Dは、電動工具1の筐体1Aに設置される表示モニタ5で構成されるようにできる。また、表示モニタ5は、視認角度を調節するチルト機構を備えるようにできる。なお、表示モニタ5の具体例については後述する。
また、表示手段Dは、操作者が装着するヘッドマウントディスプレイ100で構成されるようにできる。また、表示モニタDとヘッドマウントディスプレイ100とを併用するようにしても良い。なお、ヘッドマウントディスプレイ100の具体例については後述する。
送受信手段11は、無線送信機11Aおよび無線受信機11Bで構成されるようにできる。これにより、有線通信の場合に比して、電動工具1の取り回しの自由度が高まり、利便性を向上させることができる。
また、アクチュエータAとしてのモータ2は、トルクセンサ3をさらに備え、制御手段9を構成するマイクロコンピュータは、トルクセンサ3の検出結果および送受信手段11を介して外部の管理システム50から受信したトルク情報に基いて、モータ2のトルクを調整するように制御することができる。
これにより、従来の電動工具におけるボルトやナット等の締め付け不足や締め過ぎを未然に防止して、施工対象の状態等に応じて適切な施工を行うことができる。
また、電動工具1は、工具の施工位置を検出する位置センサ15をさらに備えるようにできる。この位置センサ15は、GPSセンサで構成されるようにできる。これにより、電動工具1の位置を精度良く検出することができ、この位置データを後述する管理システム50に送信することにより、作業状況などの把握等を行うことができる。
電源29は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池で構成することができる。また、二次電池は、充電用電源として色素増感太陽電池(DSC)等の太陽電池を備えるようにできる。これにより、充電用電源が確保し難いような工事現場において、太陽光による充電を行うことが可能となり、利便性を向上させることができる。
また、検出手段24の検出結果に基いて、操作者に施工の中止等を報知するアラーム装置等で構成される報知装置28を備えるようにできる。これにより、例えば、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等によって施工対象としての壁面内にガス管や電気配線等が検出された場合には、アラーム音や音声案内により、操作者に施工作業の中止等を報知して、安全対策を図ることができる。
また、表示手段Dに有機EL発光装置を用いることにより、高精細の画像を得ることができ、施工の作業効率が向上される。
[管理システム]
次に、図1および図2を参照して管理システム50の概要について説明する。
管理システム50は、電動工具1によって施工する対象に関するCAD情報を蓄積するデータベース51と、データベース51のCAD情報の読み書きを制御するCPUおよび演算用メモリ等で構成される制御手段55と、制御手段55によりデータベース51から読み出されたCAD情報を表示する表示モニタ53と、表示モニタ53に表示されたCAD情報に関する操作を行うキーボードやマウス等で構成される入力手段(入力装置)54と、電動工具1が備える先端工具27により施工する対象の状態を検出する検出手段24の検出結果を受信する受信手段(受信機)56と、受信手段56を介して受信された検出結果に基いて、施工状態の良否を判定する判定手段65と、判定手段65の判定結果およびデータベース51のCAD情報に基いて、施工に関する修正情報を電動工具1に対して送信する送信手段(送信機)57とを備える。
ここで、施工に関する修正情報は、例えばボルト、ナットの締付力に関する情報に基づいた電動工具が備えるモータのトルクに関する制御情報であるようにできる。
これにより、判定手段65の判定結果およびデータベース51のCAD情報に基いて管理システム50から電動工具1に送信される施工に関する修正情報により、電動工具1の制御手段9の制御によって、モータ2のトルクを変更するなどによってナットやボルト等の締付力を調整することができ、より適切な施工を行うことができる。
なお、判定手段65は、制御手段55を構成するCPUが兼ねるようにできる。
データベース51は、ハードディスク装置または不揮発性メモリで構成されるようにできる。これにより、複数の施工対象に関するCADデータを記憶して管理することができる。
受信手段56および送信手段57は、Wi−Fi(ワイファイ:Wireless Fidelity)やインターネット等を含む無線ネットワークを介して電動工具1と情報の送受信を行う。これにより、施工現場における情報および管理システムからの指示等の情報を電動工具1と管理システム50との間で、リアルタイムで送受信することが可能となり、施工をより効率的かつ確実に行うことができる。
また、管理システム50は、電動工具1が備える電源29の管理を行う電源管理手段59をさらに備えるようにできる。これにより、管理システム50から電動工具1の電池の交換や充電の要否を指示することができ、施工をよりスムーズに行うことができる。
また、受信手段56を介して受信した検出手段24の検出結果に基いて施工の中止等を報知するアラーム装置等で構成される報知装置60を備える。これにより、例えば、電動工具1が備えるCIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等によって施工対象としての壁面内にガス管や電気配線等を検出した場合には、管理システム50側でもアラーム音や音声案内によって管理者等に状況を報知し、電動工具1の操作者に施工作業の中止等を別途連絡するなどして、一層の安全対策を図ることができる。
また、データベース51に格納されるCAD情報は、施工する対象におけるボルトやナット等の締付力などに関する情報を含むようにできる。
(電動工具の構成例)
図3および図4を参照して、本実施の形態に係る電動工具1の構成例について説明する。
図3に示すように、プラスチック等で構成される筐体1A内に各装置等が収容されている。筐体1Aの上方の筒状部には、モータ2と、モータ2の回転軸を介して接続されるトルクセンサ3および歯車列等を含む動力伝達機構25が設けられている。
また、筐体1Aの先端側には、動力伝達機構25を介して接続される工具着脱手段としてのチャック26が設けられている。
図3および図4に示す例では、チャック26には軸27Aを介してボルトやナットと係合されるレンチ工具27が接続されている。
また、筐体1Aの上方の筒状部の上面には、ヒンジ等を含むチルト機構16を介して表示パネル5が設けられている。
また、筐体1Aの先端側には、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等から成る検出手段24が設けられている。
筐体1Aのハンドル部には、制御基板等で構成される制御手段9、GPSセンサで構成される位置センサ15、送受信手段11が収容されている。また、送受信手段11に接続されるアンテナ13が、筐体1Aの上方の筒状部の上面に立設されている。
なお、ハンドル部には、モータ2や検出手段24の駆動を行う引金型のスイッチ10が設けられている。
また、ハンドル部の下方には、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等から成る電源29が収容されている。
このような構成により、電動工具1を操作する者は、ハンドル部を握った状態で、表示パネル5を見易い角度に調整する。そして、レンチ工具27を施工対象としての壁面等に向け、ボルトやナットにレンチ工具27を係合させる。
次いで、スイッチ10を操作すると、まず、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等が検出を開始する。そして、壁面内にガス管や電気配線等が検出されない場合には、モータ2が駆動され、所定のトルクでレンチ工具27が回転されボルトやナットの締め付けが行われる。
一方、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等により、壁面内にガス管や電気配線等が検出された場合には、検出データを管理システム50に送信し、モータ2の回転は行わない。また、報知手段(アラーム装置等)28により、アラーム音や音声案内により、操作者に施工作業の中止等を報知して、安全対策を図る。
なお、詳細な処理手順については後述する。
(電動工具と管理システムとの接続例)
図5に、実施の形態に係る電動工具1と管理システム50との接続例を示す。
この接続例では、インターネット等のネットワークNを介して管理システム50に接続されるターミナル装置600を介して、3台の電動工具1A〜1Cがワイヤレスで接続されている。なお、接続される電動工具は、3台に限らず、任意の台数を接続することができる。
これにより、管理システム50により、複数台の電動工具1A〜1Cの施工状況を管理することができる。
(CAD図)
図6は、実施の形態に係る電動工具1または管理システム50において表示されるCAD図53の例であり、図6(a)は平面CAD図、図6(b)三次元CAD図である。
図6に示す例は、部屋500のCAD図53である。この表示例では、壁面501Aの外側に沿ってガス配管502が配設されている。また、壁面501Bの外側に沿ってコンセント504に接続される電気配線503が配設されている。
このようなCAD図53が、電動工具1の表示モニタ5あるいは後述するヘッドマウントディスプレイ100または管理システム50の表示モニタ53に表示されることにより、ガス配管502や電気配線503等のおよその位置を施工者や管理者が把握することができる。
また、電動工具1によってボルトや釘が施工される毎に、その施工状況は電動工具1から管理システム50に送信され、CAD図にも反映されるようにできる。これにより、管理者は、施工状況を的確に把握することができる。
図7は、施工データ等の表示画面400の例である。
この表示画面400では、表示欄401に、施工対象Aについて、ボルト名とその施工データが表示されている。
例えば、ボルトAについては締付トルク(10kgf・cm)、ボルトBについては締付トルク(23kgf・cm)と設定されている。なお、締め付けトルクと時間の関係は図8のように示される。なお、図8に締め付けトルクとして示されている値は、実質的には、歪みゲージに通電される電圧を検出したものが示される。このトルク波形は、締付トルクのピーク値Tが同じであっても、電動工具1としてのレンチの運転状態、ボルトの種類(例えば、剛性の大小等)等によってA1〜A3のように変化するものである。
このように、各ボルト毎に設定された締付トルクについては、表示画面400を電動工具1の表示モニタ5あるいは後述ヘッドマウントディスプレイ100または管理システム50の表示モニタ53に表示させることにより、施工者や管理者が把握することができる。
また、本実施の形態においては、管理システム50は、施工に関する修正情報として、ボルト、ナットの締付力に関する情報に基づいた電動工具が備えるモータのトルクに関する制御情報を電動工具1に送信するようになっている。
これにより、前述の判定手段65の判定結果およびデータベース51のCAD情報に基いて管理システム50から電動工具1に送信される施工に関する修正情報により、電動工具1の制御手段9の制御によって、モータ2のトルクを変更してナットやボルト等の締付力を調整することができ、より適切な施工を行うことができる。
表示画面400では、タブの選択により、確認したい施工対象B,C等に切り替えて表示させることができる。
また、左下方の表示枠402には、選択されたボルトの形状を表示するようになっている。これにより、施工に用いるボルトを確認して、施工ミスを低減することができる。
また、表示枠402の右下には、ボルトに関する情報の追加ボタン403、変更ボタン404、削除ボタン405、配置ボタン406が表示されており、各種情報を適宜編集することができるようになっている。
(ヘッドマウントディスプレイ)
図9は、実施の形態に係る電動工具1に適用されるヘッドマウントディスプレイ100の構成例を示す図であり、図9(a)は片目タイプのヘッドマウントディスプレイ100の構成例を示す斜視図、図9(b)は両目タイプのヘッドマウントディスプレイ100の構成例を示す斜視図、図10は、ヘッドマウントディスプレイ100を介した視野を示す説明図である。
図9(a)に示すヘッドマウントディスプレイ100は、電動工具1の操作者の頭部Hに装着される。
ヘッドマウントディスプレイ100は、耳掛け部102を備えるフレームにディスプレイ本体101が設けられている。ディスプレイ本体101の上方には、電動工具1と無線で接続する送受信機104が設けられている。
図9(a)に示す例では、操作者の右目側にディスプレイ本体101が位置するように構成されている。なお、操作者の利き目に合わせて、左目側にディスプレイ本体101が位置するように構成されたヘッドマウントディスプレイ100を用いるようにしても良い。
このヘッドマウントディスプレイ100を装着することにより、操作者には例えば鎖線600で示すような状態の映像として認識される。
また、図9(b)に示すように、ディスプレイ本体101は、両眼側に配置されるようにしてもよい。その場合、ディスプレイ本体101の表示部は透過性のディスプレイを備えており、操作者は、ディスプレイ本体101上で壁面501に施工されるボルト201を視認しつつ、施工データ等の表示画面を確認することができる。
また、ディスプレイ本体101の表示部が透過性でない場合は、ヘッドマウントディスプレイ100が、ディスプレイ本体501上に壁面501を映し出すカメラを備えることによって、操作者が施工されるボルト201を視認しつつ、施工データ等の表示画面を確認するようにしても良い。
また、施工状況においては、例えば図10に示すように、ヘッドマウントディスプレイ100を装着しない左目で壁面501に施工されるボルト201を視認しつつ、ヘッドマウントディスプレイ100を装着した右目で、図6に示すCAD図や図7に示す施工データ等の表示画面を確認できる。
これにより、操作者は、電動工具1を両手で保持した状態で、施工状態の確認やデータの確認を行うことができるので、施工時の利便性を向上させることができる。
なお、電動工具1とヘッドマウントディスプレイ100は、無線に限らず、所定のケーブルを介して接続するようにしても良い。
(施工処理)
図11〜14のフローチャートを参照して、電動工具1および管理システム50で実行される施工処理の処理手順の例について説明する。
図11に示す施工処理は、ガス管等の配管を検出した場合には、その検出結果に基いて管理システムで施工を管理する場合を示す。
ステップS1では、施工データを例えば図7に示すような状態で入力してデータベース51に記憶してステップS2に移行する。
ステップS2では、管理システム50から電動工具1に対して施工指示が送信され、ステップS3では、電動工具1がトルク制御情報等の施工環境データを取得する。
ステップS4では、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等により、壁面内にガス管や電気配線等を検出したか否かが判定され、「Yes」の場合にはアラームを鳴らす(ステップS12a)と共に、管理システム50に対して検出結果を送信する(ステップS5)。
一方、「No」の場合にはステップS7に進んで施工を実施し、施工結果を管理システム50に送信する(ステップS8)。
ステップS5で検出結果を取得した管理システム50は、配管や配線のデータを記憶して、図6に示すCAD図等に反映する。
ステップS9では、施工結果等に基いて図7に示すような状態で入力してデータベース51に記憶してステップS10に移行する。
ステップS10では、施工が設定された施工条件を満たすか否かが判定される。具体的には、例えば施工対象がボルトである場合には設定された締付力で施工されたか否かが判定される。
そして、「No」の場合には、電動工具1に対して再施工を指示する(ステップS11)。なお、再施工指示には、モータ2のトルク制御情報などの修正情報を含む。
また、「Yes」の場合には施工データをデータベース51に記憶(ステップS17)して処理を終了する。
再施工指示を受信した電動工具1は、ステップS12bでアラームを鳴らして操作者に再施工を促す。
次いで、電動工具1は位置センサ15に基いて位置データを取得し(ステップS13)、再施工指示に含まれるモータ2のトルク制御情報などの修正情報に基づく施工ナビゲーションを行い(ステップS14)、再度施工を実行する(ステップS15)。
そして、施工結果を管理システム50に送信し(ステップS16)、管理システム50は施工データをデータベース51に記憶して処理を終了する。
図12に示す施工処理は、ガス管等の配管を検出した場合には、その検出結果に基いて配管等を避けて施工する場合を示す。
ステップS21では、施工データを例えば図7に示すような状態で入力してデータベース51に記憶してステップS22に移行する。
ステップS22では、管理システム50から電動工具1に対して施工指示が送信され、ステップS23では、電動工具1がトルク制御情報等の施工環境データを取得する。
ステップS24では、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等により、壁面内にガス管や電気配線等を検出したか否かが判定され、「Yes」の場合にはアラームを鳴らす(ステップS31a)して施工者に報知し、配管や配線を避けて施工し(ステップS25)、施工結果を管理システム50に送信する(ステップS27)。
一方、ステップS24で「No」の場合には、指示通りに施工を実行し(ステップS26)、施工結果を管理システム50に送信する(ステップS27)。
ステップS28では、施工結果等に基いて図7に示すような状態で入力してデータベース51に記憶してステップS29に移行する。
ステップS29では、施工が設定された施工条件を満たすか否かが判定される。具体的には、例えば施工対象がボルトである場合には設定された締付力で施工されたか否かが判定される。
そして、「No」の場合には、電動工具1に対して再施工を指示する(ステップS30)。なお、再施工指示には、モータ2のトルク制御情報などの修正情報を含む。
また、「Yes」の場合には施工データをデータベース51に記憶(ステップS36)して処理を終了する。
再施工指示を受信した電動工具1は、ステップS31bでアラームを鳴らして操作者に再施工を促す。
次いで、電動工具1は位置センサ15に基いて位置データを取得し(ステップS32)、再施工指示に含まれるモータ2のトルク制御情報などの修正情報に基づく施工ナビゲーションを行い(ステップS33)、再度施工を実行する(ステップS34)。
そして、施工結果を管理システム50に送信し(ステップS35)、管理システム50は施工データをデータベース51に記憶して処理を終了する。
図13に示す施工処理は、壁面の劣化等を検出した場合には、その検出結果に基いて管理システムで施工を管理する場合を示す。
ステップS41では、施工データを例えば図7に示すような状態で入力してデータベース51に記憶してステップS42に移行する。
ステップS42では、管理システム50から電動工具1に対して施工指示が送信され、ステップS43では、電動工具1がトルク制御情報等の施工環境データを取得する。
ステップS44では、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等により、壁面の劣化を検出したか否かが判定され、「Yes」の場合にはアラームを鳴らす(ステップS52a)と共に、管理システム50に対して検出結果を送信する(ステップS45)。
一方、「No」の場合にはステップS47に進んで施工を実施し、施工結果を管理システム50に送信する(ステップS48)。
ステップS5で検出結果を取得した管理システム50は、壁面の劣化データを記憶して、図6に示すCAD図等に反映する。
ステップS49では、施工結果等に基いて図7に示すような状態で入力してデータベース51に記憶してステップS50に移行する。
ステップS50では、施工が設定された施工条件を満たすか否かが判定される。具体的には、例えば施工対象がボルトである場合には設定された締付力で施工されたか否かが判定される。
そして、「No」の場合には、電動工具1に対して再施工を指示する(ステップS51)。なお、再施工指示には、モータ2のトルク制御情報などの修正情報を含む。
また、「Yes」の場合には施工データをデータベース51に記憶(ステップS57)して処理を終了する。
再施工指示を受信した電動工具1は、ステップS52bでアラームを鳴らして操作者に再施工を促す。
次いで、電動工具1は位置センサ15に基いて位置データを取得し(ステップS53)、再施工指示に含まれるモータ2のトルク制御情報などの修正情報に基づく施工ナビゲーションを行い(ステップS54)、再度施工を実行する(ステップS55)。
そして、施工結果を管理システム50に送信し(ステップS56)、管理システム50は施工データをデータベース51に記憶して処理を終了する。
図14に示す施工処理は、壁面の劣化等を検出した場合には、その検出結果に基いて劣化部分を避けて施工する場合を示す。
ステップS61では、施工データを例えば図7に示すような状態で入力してデータベース51に記憶してステップS62に移行する。
ステップS62では、管理システム50から電動工具1に対して施工指示が送信され、ステップS63では、電動工具1がトルク制御情報等の施工環境データを取得する。
ステップS64では、CIGSセンサ8やテラヘルツセンサ20等により、壁面内の劣化を検出したか否かが判定され、「Yes」の場合にはアラームを鳴らす(ステップS71a)して施工者に報知し、劣化部分を避けて施工し(ステップS25)、施工結果を管理システム50に送信する(ステップS67)。
一方、ステップS64で「No」の場合には、指示通りに施工を実行し(ステップS66)、施工結果を管理システム50に送信する(ステップS67)。
ステップS68では、施工結果等に基いて図7に示すような状態で入力してデータベース51に記憶してステップS69に移行する。
ステップS69では、施工が設定された施工条件を満たすか否かが判定される。具体的には、例えば施工対象がボルトである場合には設定された締付力で施工されたか否かが判定される。
そして、「No」の場合には、電動工具1に対して再施工を指示する(ステップS70)。なお、再施工指示には、モータ2のトルク制御情報などの修正情報を含む。
また、「Yes」の場合には施工データをデータベース51に記憶(ステップS76)して処理を終了する。
再施工指示を受信した電動工具1は、ステップS71bでアラームを鳴らして操作者に再施工を促す。
次いで、電動工具1は位置センサ15に基いて位置データを取得し(ステップS72)、再施工指示に含まれるモータ2のトルク制御情報などの修正情報に基づく施工ナビゲーションを行い(ステップS73)、再度施工を実行する(ステップS74)。
そして、施工結果を管理システム50に送信し(ステップS75)、管理システム50は施工データをデータベース51に記憶して処理を終了する。
(表示手段に適用可能な有機EL発光装置)
次に、本実施の形態に係る電動工具1が備える表示モニタ5およびヘッドマウントディスプレイ100に適用可能な有機EL発光装置106について説明する。
[有機EL発光装置の基本構造]
次に、実施の形態に係る電動工具1および管理システム50が備える表示モニタ5、53およびヘッドマウントディスプレイ100に適用可能な有機EL発光装置について説明する。
この有機EL発光装置を用いることにより、表示モニタ5、53およびヘッドマウントディスプレイ100において高精細の画像を得ることができ、施工の作業効率が向上される。
基本構造に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造は、図15に示すように、駆動回路34R・34G・34Bと、各駆動回路34R・34G・34B上にそれぞれ配置されたVIA電極70と、各VIA電極70上に配置された下部電極30と、下部電極30上に共通領域として配置された有機EL層36と、有機EL層36上に配置された上部電極38と、上部電極38上に配置されたカラーフィルタ40R・40G・40Bとを備える。
駆動回路34R・34G・34Bは、それぞれ赤色(Red)、緑色(Green)、青色(Blue)用の駆動回路34を示す。
同様に、カラーフィルタ40R・40G・40Bは、それぞれ赤色(Red)、緑色(Green)、青色(Blue)用のカラーフィルタ40を示す。
駆動回路34R・34G・34Bと、各駆動回路34R・34G・34B上にそれぞれ配置されたVIA電極70は、さらに詳細には、図16に示すように、半導体基板58上に配置された相補型(C:Complementary)MOSLSI600を構成する。CMOSFETのゲート電極156,さらに電極配線層を形成するM1電極52,M2電極54などは、層間絶縁膜およびVIA電極を介して接続されるが、図16では、詳細は省略している。
有機EL層36は、図16に示すように、下部電極30と上部電極38の間に挟まれ、下部電極30上に配置される正孔輸送層150と、正孔輸送層150上に配置される発光層48と、発光層48上に配置される電子輸送層46とを備える。
さらに、基本構成に係る有機EL発光装置は、図16に示すように、電子輸送層46上に配置された上部電極38と、上部電極38上に配置されたシール層44と、シール層44上に配置されたカラーフィルタ40と、カラーフィルタ40上に配置された透明保護膜42とを備える。
図15および図16には、1つのピクセル6に対応しており、有機EL発光装置は、このようなピクセル6の構造が、例えば、マトリックス状に配置される。
図15および図16の例では、上部電極38を共通電極として形成し、下部電極30を分割された電極として構成しているが、反対に、上部電極38を分割電極として形成し、下部電極30を共通電極として構成してもよい。この場合には、各VIA電極70は、分割電極として形成される上部電極38にそれぞれ接続される。さらに、図1の構成において、上部電極38も分割された電極として形成してもよい。
また、図16では、下部電極30に接する層として正孔輸送層150が配置され、上部電極38に接する層として電子輸送層46が配置されている例が示されているが、これに限定されるものではなく、下部電極30に接する層として電子輸送層46が配置され、上部電極38に接する層として正孔輸送層150が配置されていてもよい。但しこの場合には、CMOSLSI600からの配線が変更される。また、上述の上部電極38を分割電極として形成し、下部電極30を共通電極とする構成と組み合わせてもよい。
[CIGSセンサ]
次に、実施の形態に係る電動工具1および管理システム50が備える検出手段24に適用可能なCIGSセンサについて説明する。
このCIGSセンサを用いることにより、施工対象の壁面等の表面状態や内部状態を精度良く検出することができ、壁面等の劣化や配管等を的確に把握することができる。
(検査システム)
実施の形態に係る検査システムは、図17に示すように、CIGSイメージセンサ801を用いて可視光と赤外光を同じ光軸で同時に撮影することにより検査対象物の可視光画像と赤外光画像を生成するCIGSカメラ8とを備え、電動工具1が備える画像メモリ22、画像処理手段21およびCPU9等を介して生成された可視光画像と赤外光画像に基づいて検査対象物を検査する。
また、電動工具1において、可視光画像と赤外光画像を重ね合わせて表示してもよい。
(検査システムの回路構成例)
実施の形態に係る検査システムの模式的回路構成は、図17に示すように表される。CIGSカメラ8には、CIGSイメージセンサ801と、タイミングジェネレータ802と、ISP(Image Signal Processor)803と、USBインターフェイス804とが含まれる。CIGSイメージセンサ801は、可視光から近赤外光まで広帯域を高感度に受光するセンサである(後述する)。タイミングジェネレータ802は、クロック信号を発生させてCIGSイメージセンサ801に出力する。ISP803は、CIGSイメージセンサ801から出力される画像を高速処理するプロセッサである。
(CIGS)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSの結晶構造は、図18に示すように表される。図25に示すように、CIGSは、Cu(銅)、In(インジウム)、Ga(ガリウム)。Se(セレン)からなるカルコパイライト構造を持つ。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSの量子効率と波長の関係を示すグラフは、図19に示すように表される。図19に示すように、CIGSは、高い量子効率を持ち、1000〜1100nm付近のCMOS/CCDで検知できなかった近赤外光に高い感度を持つ。可視光領域でSi−PDの約2倍、近赤外光領域ではそれ以上の感度である。このようなCIGSの量子効率の波長特性については後に詳しく説明する。
(EL光)
実施の形態に係る検査システムにおける例えばソーラーパネルから発生するEL光を説明するためのグラフは、図20に示すように表される。図20(a)は、EL光の発光強度(a.u.)と波長(nm)の関係を示すグラフであり、図20(b)は、量子効率(%)と波長(nm)の関係を示すグラフである。図20(a)に示すように、EL発光のピークは1150nm付近であり、これはバンド間遷移による発光である。CIGSカメラ8は、図20(b)に示すように、CCDカメラで検知できない近赤外光に高い感度を持つとともに、InGaAsカメラで検知できない可視光に高い感度を持つ。EL発光を撮影する場合は、暗室内でEL発光させるようにしてもよいし、あるいは、CIGSカメラ8のマイクロレンズにEL光のみ透過させるフィルタを取り付けてもよい。
実施の形態に係る検査システムによれば、簡便かつ高精度にソーラーパネル等を検査することが可能である。すなわち、図21(a)に示すように、冷却CCDカメラ6aとInGaAsカメラ6bの2台のカメラを用いる場合は、冷却CCDカメラ6aの光軸X1とInGaAsカメラ6bの光軸X2にズレが生じ、可視光画像と赤外光画像にズレが生じる。それに対して、図21(b)に示すように、CIGSカメラ8を用いる場合は、可視光と近赤外光が同じ光軸で同時に撮影され、可視光画像と赤外光画像にズレが生じないため、可視光画像と赤外光画像を重ね合わせることができる。また、1回の撮影により表面検査とEL発光検査を行うことができるため、電流を流す時間を短縮することが可能である。更に、冷却CCDカメラ6aでは長時間露光が必須であるが、CIGSカメラ8では長時間露光が不要であるため、高速撮影が可能となる。
(CIGSイメージセンサの回路構成例)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901の模式的回路構成は、図22に示すように表される。図22に示すように、CIGSイメージセンサ901は、画素回路82を1画素に適用したイメージセンサである。具体的には、画素82aがマトリックス状に配列された画素回路82と、画素回路82を垂直方向にスキャンする垂直選択回路81と、基準電圧/電流を生成する基準電圧/電流生成回路83と、SPI(Serial Synchronous Interface)等の通信方式により外部から制御されるファンクションレジスタ84と、クロック信号を発生させるタイミングジェネレータ85と、1画素ずつ12ビットのデータとして出力する出力バッファ86と、ADコンバータ87aがカラムに並んだ水平カラム回路87と、画素回路82を水平方向にスキャンする水平選択回路88とを備える。垂直選択回路81と水平選択回路88のスイッチがオンになった交点の画素82aの電荷が出力バッファ86へ転送される。このようなCIGSイメージセンサ901の具体例については後に詳しく説明する。
(画素回路)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901の画素回路82は、図23に示すように、フォトダイオード94と、フローティングディフュージョン96とを備え、フォトダイオード94の寄生容量93からフローティングディフュージョン96に転送された電荷量Qと容量Cで決まる電圧V(V=Q/C)を出力する。
また、フォトダイオード94とフローティングディフュージョン96の間で電荷を転送する転送トランジスタ95bと、転送トランジスタ95bのゲートに接続される転送信号線91cとを備え、転送信号線91cに入力される転送信号により転送トランジスタ95bのゲートを制御してもよい。
また、フローティングディフュージョン96の電荷を初期状態に維持するリセットトランジスタ95cと、リセットトランジスタ95cのゲートに接続されるリセット信号線91bとを備え、リセット信号線91bに入力されるリセット信号によりリセットトランジスタ95cのゲートを制御してもよい。
また、ノードBの電位を読み出すバッファトランジスタ95dと、読み出し信号を垂直信号線91dに出力する出力トランジスタ95eと、出力トランジスタ95eのゲートに接続される選択信号線91aとを備え、選択信号線91aに入力される選択信号により出力トランジスタ95eのゲートを制御してもよい。
(画素回路の回路構成例)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901の画素回路82の模式的回路構成は、図23に示すように表される。
フォトダイオード94のカソードは、図23に示すように、第1の全画素共通コモン電極92aに接続される。フォトダイオード94のアノードはノードAに接続される。
フォトダイオード94の寄生容量93の第1端子は第1の全画素共通コモン電極92aに接続される。寄生容量93の第2端子はノードAに接続される。
転送トランジスタ95aのゲートはノードAに接続される。転送トランジスタ95aのソースはノードAに接続される。転送トランジスタ95aのドレインは第3の全画素共通コモン電極92cに接続される。
転送トランジスタ95bのゲートは転送信号線91cに接続される。転送トランジスタ95bのソースはノードBに接続される。転送トランジスタ95bのドレインはノードAに接続される。
リセットトランジスタ95cのゲートはリセット信号線91bに接続される。リセットトランジスタ95cのソースは第2の全画素共通コモン電極92bに接続される。リセットトランジスタ95cのドレインはノードBに接続される。
バッファトランジスタ95dのゲートはノードBに接続される。バッファトランジスタ95dのソースは出力トランジスタ95eのドレインに接続される。バッファトランジスタ95dのドレインは第5の全画素共通コモン電極92eに接続される。
出力トランジスタ95eのゲートは選択信号線91aに接続される。出力トランジスタ95eのソースはノードCに接続される。出力トランジスタ95eのドレインはバッファトランジスタ95dのソースに接続される。
フローティングディフュージョン96の第1端子はノードBに接続される。フローティングディフュージョン96の第2端子は第4の全画素共通コモン電極92dに接続される。ノードCは水平カラム回路87に接続される。
転送トランジスタ95a及び95bは、ノードAとノードBの電位の大小関係により、互いに信号を転送する役割を担う。すなわち、ノードAの電位がノードBの電位よりも高い場合は、ノードAからノードBに電荷が転送される。逆に、ノードBの電位がノードAの電位よりも高い場合は、ノードBからノードAに電荷が転送される。このように、ノードA,B間で互いに電荷の授受が行われ、最終的にはノードA,Bの電位はほぼ等しい値に落ち着く。
リセットトランジスタ95cは、フローティングディフュージョン96の電荷を初期状態に維持し、ノードBの電位を初期化(リセット)する。
バッファトランジスタ95dは、ノードBの電位を読み出す。出力トランジスタ95eは、読み出し信号を垂直信号線91dに出力する。
(画素回路の動作例)
まず、リセット信号がリセット信号線91bに入力されると、リセットトランジスタ95cがオンになり、フローティングディフュージョン96に電荷が充電される(リセット動作)。その後、選択信号が選択信号線91aに入力されると、出力トランジスタ95eがオンし、バッファトランジスタ95dがアクティブになって電圧が出力される。
次いで、もう1度リセット信号が入力され、そのリセット動作が終わると、しばらく全てのトランジスタ95a〜95eがオフになる。そうすると、フォトダイオード94から光電流が発生して寄生容量93に電荷が蓄積される。
寄生容量93に電荷が蓄積され終えたら、その電荷を転送する。すなわち、転送トランジスタ95aがオンになり、寄生容量93に蓄積された電荷が全てフローティングディフュージョン96に転送される。この転送が終わったら、転送トランジスタ95bをオフする。そうすると、フォトダイオード94の寄生容量93からフローティングディフュージョン96に転送された電荷量Qと容量Cで決まる電圧V(V=Q/C)が出力される。
CIGSイメージセンサ901には、フォトダイオード94がバイアス依存性と光量依存性を持つ特徴がある。すなわち、光を当てたり電圧を変えたりすると、フォトダイオード94の容量が変わってしまう。そのため、この容量に蓄積した電荷をそのまま出力しようとすると、出力される電圧Vが不安定になる。上記の動作によれば、フォトダイオード94の寄生容量93からフローティングディフュージョン96に転送された電荷量Qと容量Cで決まる電圧Vが出力されるため、安定した出力電力Vを得ることが可能となる。
(画素回路の波形例)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901の画素回路82における電圧の時間変化を示す波形例は、図24に示すように表される。すなわち、図24(a)は選択信号、図24(b)はリセット信号、図24(c)は転送信号を示す。
時間t1で電荷を転送し、時間t2で転送電荷を読み出し、時間t3で画素をリセットし、時間t4でリセット電荷を読み出す。
一方、図24(d)はノードA、図24(e)はノードB、図24(f)はノードCの波形例を示す。
時間t1でノードAからノードBに信号電荷を転送し、時間t2でノードCから転送電荷を出力し、時間t4でノードCからリセット電荷を出力する。
(比較例)
比較例に係る光電変換回路1950の模式的回路構成は、図16に示すように表される。
図25に示すように、第1制御ラインL1と第2制御ラインL2との間に光電変換素子(フォトダイオード)PDとダイオード素子Dとを互いに逆方向にかつ直列に接続する。
ダイオード素子Dを順方向にバイアスすることで光電変換素子PDのカソード・アノード間に所定の電圧を与える。これによって、複数の光電変換素子PDには所定の電圧が与えられ、複数の光電変換素子のバイアス依存性を排除する。
この光電変換回路1950が画素回路82と最も異なる点は、トランジスタTr1の制御電極G1への信号の与え方である。すなわち、この光電変換回路1950では、トランジスタTr1の制御電極G1に所定のバイアス(転送)電圧が供給される。それに対して、画素回路82では、転送トランジスタ95bのゲートをパルスでオン・オフさせている。
〔CIGSイメージセンサの具体例〕
(平面パターン構成)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置の模式的全体平面パターン構成は、図26に示すように、パッケージ基板111と、パッケージ基板111上の周辺部に配置された複数のボンディングパッド112と、ボンディングパッド112とボンディングパッド接続部114によって接続され、かつカラー用固体撮像装置の画素115上に配置された透明電極層226とカラー用固体撮像装置の周辺部において接続されるアルミニウム電極層113とを備える。すなわち、透明電極層226の端部領域をアルミニウム電極層113が被覆していて、かつアルミニウム電極層113は、ボンディングパッド接続部114によって1つのボンディングパッド112に接続されている。また、図26の拡大された点線内に示されるように、画素115は、微細なマトリックス状に配置されている。また、図26の例では各画素115には、透明電極層226上に、R(Red: 赤)用、G(Green: 緑)用、B(Blue: 青)用の可視光フィルタが、所定の規則性をもって配置されている。尚、図26の例では、R用、G用、B用の可視光フィルタをベイヤ−(Bayer)パターンで配置する例が示されているが、可視光フィルタに隣接して、赤外光フィルタを配置しても良い。
(カラー用固体撮像装置)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置の概略の断面構造は、図27に示すように、半導体基板210上に形成された回路部230と、回路部230上に配置された光電変換部228を備える。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置は、半導体基板210上に形成された回路部230と、回路部230上に配置された下部電極層225と、下部電極層225上に配置されたカルコパイライト構造の化合物半導体薄膜224と、化合物半導体薄膜224上に配置されたバッファ層236と、バッファ層236上に配置された透明電極層226と、透明電極層226上に配置されたフィルタ244とを備える。
また、下部電極層225、化合物半導体薄膜224、バッファ層236および透明電極層226は、回路部230上に順次積層されると共に、可視光フィルタ244R、2244G、2244Bの下方の化合物半導体薄膜224の膜厚を薄層化して、可視光のみを吸収するようにしている。
また、図27に示すように、透明電極層226上に配置された赤外光フィルタ244Iを備え、可視光フィルタ244R、2244G、2244Bの下方の化合物半導体薄膜224の膜厚を、赤外光フィルタ244Iの下方の化合物半導体薄膜224の膜厚よりも薄層化して、赤外光フィルタ244Iの下方の化合物半導体薄膜224は近赤外光のみを吸収するようにしても良い。すなわち、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置は、可視光のみならず、近赤外光領域にも感度を持たせる構成とすることもできる。
また、化合物半導体薄膜224上に配置されるバッファ層236は、半導体基板表面全面に一体的に形成されている。また、透明電極層226は、半導体基板表面全面に一体的に形成され、かつ電気的に共通にされている。
透明電極層226上には層間絶縁膜240が配置され、層間絶縁膜240の平坦化された表面上にフィルタ244が配置されている。さらに、フィルタ244上には、パッシベーション膜などで形成されたクリアフィルタ245が配置され、さらに、クリアフィルタ245上には、それぞれR、G、B、およびIRの画素に対応させてマイクロレンズ248を配置しても良い。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置においては、例えば、透明電極層226と下部電極層225間に逆バイアス電圧を印加して、カルコパイライト構造の化合物半導体薄膜224内で衝突電離により、光電変換により発生した電荷の増倍を起こさせても良い。
回路部230は、下部電極層225がゲートに接続されたトランジスタを備える。
図27に示すカラー用固体撮像装置おいて、カルコパイライト構造の化合物半導体薄膜224は、Cu(InX,Ga1-X)Se2(0≦X≦1)で形成される。
下部電極層225としては、例えば、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、およびタングステン(W)などを使用することができる。
バッファ層236の形成材料としては、例えば、CdS、ZnS、ZnO、ZnMgO、ZnSe、In23などを使用することができる。
透明電極層226は、化合物半導体薄膜224上に配置されたノンドープのZnO膜からなる半絶縁層(iZnO層)261と、半絶縁層261上に配置されたn型のZnO膜からなる上部電極層(nZnO層)262とを備える。
また、化合物半導体薄膜224は、表面に高抵抗層(i型CIGS層)を備えている。
回路部230は、例えば、CMOS電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)を備えていても良い。
図27において、回路部230には、CMOSの一部を構成するnチャネルMOSトランジスタが示されており、半導体基板210と、半導体基板210内に形成されたソース・ドレイン拡散層12と、ソース・ドレイン拡散層12間の半導体基板210上に配置されるゲート絶縁膜214と、ゲート絶縁膜214上に配置されるゲート電極216と、ゲート電極216上に配置されるVIA電極232とを備える。
ゲート電極216、VIA電極232は、いずれも層間絶縁膜220内に形成される。
図27に示すカラー用固体撮像装置においては、ゲート電極216上に配置されるVIA電極232によって、CMOSの一部を構成するnチャネルMOSトランジスタのゲート電極216と光電変換部228とを電気的に接続している。
nチャネルMOSトランジスタのゲート電極216に光電変換部228を構成するフォトダイオードのアノードが接続されることから、フォトダイオードにおいて検出された光情報は、当該nチャネルMOSトランジスタによって増幅される。
なお、回路部230は、例えば、ガラス基板上に形成された薄膜上に形成されたCMOS構成の薄膜トランジスタによって形成することもできる。
(変形例)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置の変形例の模式的断面構造は、図28に示すように表される。図28は、化合物半導体薄膜224が薄層化されたR,G,B用の画素領域部分の拡大図であり、図示は省略されているが、図28と同様に、隣接して相対的に厚い膜厚の化合物半導体薄膜224を有するIR用の画素が配置されている。
図28から明らかなように、隣接する画素間で、下部電極層225上に配置される化合物半導体薄膜224が互いに素子分離領域234を介して分離されている。素子分離領域234は、層間絶縁膜220によって形成しても良い。また、素子分離領域234に対応する透明電極層226上の場所には、素子分離領域234と同程度の幅を有し、例えば、アルミニウム(Al)などで形成された遮光層42を配置している。
なお、化合物半導体薄膜224と下部電極層225の幅は同等であってもよく、或いは、より詳細には、図28に示すように、化合物半導体薄膜224の幅が、下部電極層225の幅よりも大きくなるように設定してもよい。
その他の構成は、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置の構成と同様であるため、重複説明は省略する。
(フィルタ)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置に適用するカラーフィルタの配列例は、図29(a)に示すように、R用およびB用フィルタに対して、G用フィルタを2倍配列したベイヤーパターンである。また、図29(b)に示すように、R用、G用、およびB用フィルタに対して、さらにIR用フィルタを配置しても良い。このようなフィルタの配列方法は、図36(a)、図29(b)に示される正方格子配列に限定されるものではなく、例えば、ハニカム配列を採用しても良い。カラーフィルタには、例えば、顔料をベースとしたカラーレジスト、ナノインプリント技術を用いて形成した透過型レジスト、或いはゼラチン膜などが適当可能である。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置に適用するカラーフィルタの透過特性は、図30に示すように表される。図30から明らかなように、R用、G用、およびB用可視光フィルタは、いずれも所望のR、G、Bの波長範囲以外のΔλIで示される近赤外の波長範囲にも一定の透過率を有する。このため、後述するように、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置においては、化合物半導体薄膜224の厚さおよび/またはバンドギャップエネルギーEgを制御することによって、赤外光、近赤外光に対する感度を遮断している。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置に適用するCIGS膜の量子効率の波長特性は、図31に示すように表される。即ち、光吸収層として機能するカルコパイライト構造の化合物半導体薄膜(Cu(InX,Ga1-X)Se2(0≦X≦1))24は、可視光から近赤外光まで幅広い波長領域において、高い量子効率の光電変換特性を示している。シリコン(Si)の場合の光電変換特性に比べ、量子効率は倍以上である。特に、CuInSe2とCuGaSe2の混晶で、可視光領域において、最高の量子効率の値が得られる。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ901に適用可能なカラー用固体撮像装置に適用するCIGS膜の光吸収特性は、図39に示すように表される。即ち、光吸収層として機能するカルコパイライト構造の化合物半導体薄膜(Cu(InX,Ga1-X)Se2(0≦X≦1))24は、可視光から近赤外光まで幅広い波長領域において、強い吸収性能を有する。
例えば、可視光領域においてもシリコン(Si)の吸収係数の約100倍である。
(第1の製造方法)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置の第1の製造方法は、図33に示すように表される。第1の製造方法においては、化合物半導体薄膜224に段差構造を形成するために、予め、層間絶縁膜220に段差構造を形成している。
すなわち、図33(a)に示すように、層間絶縁膜240を平坦化する。この平坦化工程には、例えば、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を適用することができる。
次に、図33(b)に示すように、平坦化された層間絶縁膜240上にフィルタ244を形成する。R、G、Bの可視光検出用の画素領域に対応する層間絶縁膜240上には、可視光フィルタ244R、244G、244Bを配置し、赤外光検出用の画素領域に対応する層間絶縁膜240上には、赤外光フィルタ244Iを配置する。
次に、図27に示すように、フィルタ244および層間絶縁膜240上に、例えばパッシベーション膜からなるクリアフィルタ245を形成後、可視光フィルタ244R、244G、244B、赤外光フィルタ244Iの上方のクリアフィルタ245上に、光情報の集光用のマイクロレンズ248をそれぞれ配置することによって、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置が完成する。
(第2の製造方法)
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置の第2の製造方法は、図34、図35に示すように表される。第2の製造方法においては、化合物半導体薄膜224に直接段差構造を形成している。
すなわち、図34に示すように、平坦化された層間絶縁膜240上に、フィルタ244を形成する。R、G、Bの可視光検出用の画素領域に対応する層間絶縁膜240上には、可視光フィルタ244R、244G、244Bを配置し、赤外光検出用の画素領域に対応する層間絶縁膜240上には、赤外光フィルタ244Iを配置する。
次に、図35に示すように、フィルタ244および層間絶縁膜240上に、例えばパッシベーション膜からなるクリアフィルタ245を形成後、可視光フィルタ244R、244G、244B、赤外光フィルタ244Iの上方のクリアフィルタ245上に、光情報の集光用のマイクロレンズ248をそれぞれ配置することによって、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置が完成する。
(化合物半導体薄膜の形成工程)
光吸収層として機能する化合物半導体薄膜は、物理的気相堆積(PVD:Physical Vapor Deposition)法と呼ばれる真空蒸着法やスパッタ法、あるいは分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法によって、回路部30が形成された半導体基板9010やガラス基板上に、形成可能である。ここで、PVD法とは、真空中で蒸発させた原材料を堆積させて、成膜する方法をいうものとする。
真空蒸着法を用いる場合、化合物の各成分(Cu,In,Ga,Se,S)を別々の蒸着源として、回路部30が形成された基板上に蒸着させる。
スパッタ法では、カルコパイライト化合物をターゲットとして用いるか、或いは、その各成分を別々にターゲットとして用いる。
なお、化合物半導体薄膜を回路部30が形成されたガラス基板上に形成する場合、基板を高温に加熱するため、カルコゲナイド元素の離脱による組成ずれが起こる場合がある。この場合は、成膜後にSeまたはSの蒸気雰囲気中で400〜600℃の温度で1〜数時間程度の熱処理を行うことにより、SeまたはSを補充することもできる(セレン化処理または硫化処理)。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置に適用する化合物半導体薄膜224の製造方法は、基板温度を第1の温度T1に保持し、III族元素が過剰な状態において、(Cu/(In+Ga))の組成比を0に維持する第1ステップ(第1段階:1a期間)と、基板温度を第1の温度T1から第1の温度T1よりも高い第2の温度T2に保持し、(Cu/(In+Ga))の組成比を1.0以上のCu元素が過剰な状態に移行させる第2ステップ(第2段階:2a期間)と、(Cu/(In+Ga))の組成比が1.0以上のCu元素が過剰な状態から、1.0以下のIII族元素が過剰な状態に移行させる第3ステップ(第3段階)とを有する。第3のステップ(第3段階)は、基板温度を第2の温度T2に保持する第1の期間(期間3a)と、基板温度を第2の温度T2から第1の温度T1よりも低い第3の温度T3に保持する第2の期間(3b)を有することにより、カルコパイライト構造の化合物半導体薄膜を形成する。
また、第3の温度T3は、例えば、約300℃以上400℃程度以下である。
また、第2の温度は、例えば、約550℃程度以下である。
また、第3段階は、例えば第1のステップ(期間3a)の終了時の(Cu/(In+Ga))を例えば約0.5〜1.3の範囲とし、第2のステップ(期間3b)の終了時の(Cu/(In+Ga))を1.0以下の値としてもよい。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置に適用する化合物半導体薄膜224の製造方法においては、第3段階を2段に分けて、3a期間は温度T2の高温プロセス段階であるが、3b期間は、温度T3の低温プロセス段階に移行させて、化合物半導体薄膜224の表面に、積極的にi型CIGS層242を形成する。基板温度は、300℃〜400℃であり、例えば、約300℃とする。
上記においては、各構成元素の蒸着を同時に蒸着するのではなく、三段階に分けて行っており、膜内における各構成元素の分布を、ある程度制御できる。In元素、Ga元素のビームフラックスは、化合物半導体薄膜224のバンドギャップの制御に用いる。一方、Cu/III族(In+Ga)比は、化合物半導体薄膜224内のCu濃度の制御に用いることができる。Cu/III族(In+Ga)比の設定が比較的容易である。また、膜厚の制御も容易である。Seは常に一定量供給されている。
Cu/III族(In+Ga)比の設定が比較的容易であることから、第3段階において、Cu/III族(In+Ga)比を低下させて、化合物半導体薄膜224の表面に、i型CIGS層242を、膜厚の制御性よく、容易に形成することができる。i型CIGS層242は、膜内のキャリア濃度を調整するCuの濃度が低く、キャリアの数が少ないためにi層として機能する。
なお、上記では三段階法に引き続いて低温ステップ3bを行う例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、三段階法を行った後に一旦プロセスを終了し、その後に期間3bで示したような温度へと温度変化させつつCu分率を減らして、所望のCIGS表面層を形成することもできる。また、三段階法を例として説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、バイレイヤー法を利用して本発明を実施することもできる。バイレイヤー法とは、第1段階でCu,In,Ga,Seの4元素を用い、引き続く第2段階においてはCuを除いたIn,Ga,Seの3元素を用いて、例えば蒸発法やスパッタリング法などによりCIGS膜を成膜する方法である。バイレイヤー法により成膜した後に、期間3bの上記温度へと温度変化させつつCu分率を減らして、所望のCIGS表面層を形成することもできる。また、その他の成膜方法(硫化法、セレン化/硫化法、同時蒸着法、インライン式同時蒸着法、高速固相セレン化法、RR(ロール・ツー・ロール)法、イオン化蒸着・RR法、同時蒸着・RR法、電着法、ハイブリッドプロセス、ハイブリッドスパッタ・RR法、ナノ粒子印刷法、ナノ粒子印刷・RR法、FASST(登録商標)プロセス)を用いて作成したCIGS薄膜に、さらに上述のような低温成膜ステップを行うことによって、本発明を実施することもできるのはもちろんである。
また、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置において、比較的低いターゲット電圧Vtを印加した状態において、光照射がある場合と、光照射がない場合の電流値の変化はわずかである。一方、相対的に高電圧を印加してアバランシェ増倍作用が起こり得る状態において、光照射がある場合と、光照射がない場合の電流値の変化はきわめて顕著である。光照射がない場合の暗電流は、略同程度であるため、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置においては、S/N比も改善される。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置の1画素Cijの回路構成は、アバランシェ増倍を利用する場合には、例えば、図36(a)に示すように、フォトダイオードPDと3個のMOSトランジスタで表される。一方、アバランシェ増倍を利用しない場合には、例えば、図36(b)に示すように表される。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置は、図37に示すように、行方向に配置された複数のワード線WLi(i=1〜m:mは整数)と、列方向に配置された複数のビット線BLj(j=1〜n:nは整数)と、下部電極層225と、下部電極層225上に配置されたカルコパイライト構造の化合物半導体薄膜224と、化合物半導体薄膜224上に配置された透明電極層226とを有するフォトダイオードPDと、透明電極層226上に配置された可視光フィルタ244R、244G、244Bと、複数のワード線WLiと複数のビット線BLjの交差部に配置された画素Cijとを備える。なお、図37の構成例では3×3のマトリックスで示されているが、上記の通り、m×nのマトリックスに拡張可能である。フォトダイオードは、図27の光電変換部228に対応する。
図37中に示される各画素の回路構成は、図36(a)に対応している。なお、図36(b)の回路構成を用いても良い。バッファ1960が、図36(a)の破線で囲まれたソースフォロワであって、定電流源IcとMOSトランジスタMSFで構成される。選択MOSトランジスタMSEL のゲートは、ワード線WLに接続されている。フォトダイオードPDのカソードにはターゲット電圧Vt(V)が印加されている。キャパシタCPDは、フォトダイオードPDの空乏層容量であり、電荷蓄積を行うためのキャパシタである。
ソースフォロワ用のMOSトランジスタMSFのドレインは電源電圧VDDPDに接続されている。フォトダイオードPDのアノードはリセット用のMOSトランジスタMRSTに接続されており、リセット端子RSTに入力する信号のタイミングで、フォトダイオードPDは、初期状態にリセットされる。
この実施の形態によれば、化合物半導体薄膜224の膜厚を制御することにより、近赤外領域の光への感度をほとんど有しないようにすることができるため、赤外カットフィルタが不要となり、可視領域にのみ高い感度を持つカラー用固体撮像装置を提供することができる。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置においては、層間絶縁膜220に段差を形成することにより、可視光フィルタ244R、244G、244Bに適した可視光感度特性を有する化合物半導体薄膜224の膜厚に制御することが可能となる。
カラーの信号を得るとき、色信号はホワイトバランスを合わせて調整するが近赤外領域の光まで吸収層が感度を有すると、そのカラーの映像信号は人間の色覚特性とは違ってくるため正確な色再現性が得られない。そのための信号処理方法が必要となるが、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置およびその変形例によれば、近赤外の感度を有しないため、そのような信号処理が不要となる。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置においては、化合物半導体薄膜224の膜厚を制御することによって、可視光フィルタ244R、244G、244Bを配置する画素部分は可視光のみを吸収する構成を実現することができる。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置においては、化合物半導体薄膜224のバンドギャップエネルギーEgを制御することによって、可視光フィルタ244R、244G、244Bを配置する画素部分は可視光のみを吸収する構成を実現することができる。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置においては、化合物半導体薄膜224の膜厚と同時にバンドギャップエネルギーEgを制御することによって、可視光フィルタ244R、244G、244Bを配置する画素部分は可視光のみを吸収し、近赤外光フィルタ244Iを配置する画素部分は近赤外光のみを吸収する構成を実現することができる。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置およびその変形例によれば、視感度補正用の赤外線除去フィルタを不要とし、かつ色再現性を人間の視感度に合わせたカラー用固体撮像装置を提供することができる。
実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能なカラー用固体撮像装置およびその変形例においては、光電変換部にカルコパイライト構造をもつ化合物半導体薄膜として、Cu(InX,Ga1-X)Se2(0≦X≦1)を用いているが、これに限定されるものではない。
化合物半導体薄膜に適用するCIGS薄膜としては、Cu(InX,Ga1-X)(SeY, S1-Y) (0≦X≦1,0≦Y≦1)という組成のものも知られており、このような組成をもつCIGS薄膜も利用可能である。
カルコパイライト構造の化合物半導体薄膜としては、この他、CuAlS2,CuAlSe2,CuAlTe2,CuGaS2,CuGaSe2, CuGaTe2, CuInS2, CuInSe2, CuInTe2, AgAlS2, AgAlSe2, AgAlTe2, AgGaS2, AgGaSe2, AgGaTe2, AgInS2, AgInSe2, AgInTe2など、他の化合物半導体薄膜も適用可能である。
また、上記では実施形態としてバッファ層を有する構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。化合物半導体薄膜(CIGS)層の上にバッファ層なしで透明電極層226を設ける構成であってもよい。
また、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能な固体撮像装置においては、化合物半導体薄膜224からなるフォトダイオードのアノードが回路部のMOSトランジスタのゲート電極に接続される構成、すなわち、画素単位で増幅機能を有する例を主として説明したが、このような構成に限定されるものではなく、フォトダイオードのアノードが回路部のMOSトランジスタのソース若しくはドレイン電極に接続される構成、すなわち、画素単位で増幅機能を有しない例を採用しても良い。
また、実施の形態に係る検査システムで用いるCIGSイメージセンサ1901に適用可能な固体撮像装置においては、化合物半導体薄膜224からなるフォトダイオードにアバランシェ増倍機能を有する例を主として説明したが、光電変換部228の構成は、アバランシェ増倍機能を有する場合に限定されない。アバランシェ増倍機能を持たない化合物半導体薄膜224のフォトダイオードを用いても良い。
以上説明したように、本発明によれば、簡便かつ高精度に検査対象物を検査することが可能な検査システム、検査方法、画素回路及びイメージセンサを提供することができる。
[テラヘルツセンサ]
次に、実施の形態に係る電動工具1および管理システム50が備える検出手段24に適用可能なテラヘルツセンサについて説明する。
このテラヘルツセンサを用いることにより、施工対象の壁面等の表面状態や内部状態を精度良く検出することができ、壁面等の劣化や配管等を的確に把握することができる。
図38は、テラヘルツ発振素子938およびテラヘルツ検出素子944を適用する実施の形態に係る検査装置930を示す。
図38は、検査装置930において、テラヘルツ発振素子938を搭載したテラヘルツ送信器938から出力されたテラヘルツ波Ioを、テラヘルツ検出素子944を搭載したテラヘルツ受信器920で検出する状態を示す。
実施の形態に係る検査装置930の模式的平面パターン構成は、図39に示すように表される。
図39においては、後述する図42に示された実施の形態に係る検査装置930に適用されるテラヘルツ発振素子(RTD)および同一構成のテラヘルツ検出素子(RTD)を、テラヘルツ発振素子938およびテラヘルツ検出素子944に利用している。
このため、同一工程で製造したテラヘルツ発振素子938およびテラヘルツ検出素子944を利用することができる。
これにより、テラヘルツ送信器910およびテラヘルツ検出器920の構成が単純化され、高感度、低雑音でテラヘルツ電磁波の発振・検出が実現可能な検査装置930を提供することができる。
実施の形態に係る検査装置930は、テラヘルツ発振素子938を備えるテラヘルツ送信器910と、テラヘルツ検出素子944を備えるテラヘルツ受信器920とを備え、テラヘルツ発振素子938は、負性微分抵抗領域に第1動作点を有する振幅遷移変調によって、テラヘルツ波(hν)Isを発生すると共に、テラヘルツ検出素子944は、負性抵抗特性ではない非線形性領域に第2動作点を有することによって、テラヘルツ発振素子938から発生されたテラヘルツ波Isを検出することができる。
なお、テラヘルツ送信器910およびテラヘルツ検出器920の能動素子990には、ホーン開口部980が形成されている。
図40および図41は、電動工具1の施工対象の1種である壁面501にテラヘルツ発振素子から出力されたテラヘルツ波(hν)Iiを入力し、壁面501で反射されたテラヘルツ波(hν)Irをテラヘルツ検出素子で検出する場合である。
これにより、テラヘルツ送信器910とテラヘルツ検出器920を対向させて配置する必要がなくなり、検査の利便性を向上させることができる。
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の模式的鳥瞰構造は、図42に示すように表され、図42のI−I線に沿う模式的断面構造は、図43(a)に示すように表され、図42のII−II線に沿う模式的断面構造は、図43(b)に示すように表される。
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子は、非対称の順方向および逆方向電流電圧特性を有する能動素子990を備え、負性微分抵抗を示す第1動作点で発振素子として動作し、負性抵抗領域ではない非線形特性を示す第2動作点で検出素子として動作する。
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の模式的鳥瞰構造は、図42、図43に示すように、半導体基板901と、半導体基板901上に配置された第2の電極902,902aと、第2の電極902上に配置された絶縁層903と、第2の電極902に対して絶縁層903を介して配置され、かつ半導体基板901上に第2の電極902に対向して配置された第1の電極904(904a,904b,904c)と、絶縁層903を挟み第1の電極904aと第2の電極902間に形成されたMIMリフレクタ950と、MIMリフレクタ950に隣接して、半導体基板901上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された共振器960と、共振器960に隣接して、半導体基板901上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された導波路970と、導波路970に隣接して、半導体基板901上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置されたホーン開口部980とを備え、能動素子990は、共振器960の略中央部に配置される。
図42、図43において、符号918は、SiO等で形成される絶縁膜であり、例えば、約0.6μmまたは約5μmの厚さに形成される。
ホーン開口部980は、開口ホーンアンテナから構成される。ホーン開口部の開口角θは、例えば、10度程度以下に設定することが、電磁波(hν)の放射方向に指向特性を持たせる上で望ましい。ホーン開口部980の長さL3は、例えば、約700μm程度以下である。ホーン開口部980の先端部における開口幅は、例えば、約160μm程度である。
導波路970は、共振器960の開口部に配置されている。導波路970の長さL2は、例えば、約700μm程度以下である。また、導波路970における第1の電極904と第2の電極902間の間隔は、例えば、約24μm程度である。
なお、ホーン開口部980のホーン形状は、電磁波を空気中に取り出すために必要な構造である。ホーン形状によって、インピーダンス整合性良く電磁波を空気中に効率よく取り出すことができる。尚、ホーンの形状は、直線性形状に限らず、非直線性形状、曲線形状、2次曲線形状、放物線形状、階段状形状などであっても良い。
共振器960には、2箇所の凹部905、906が形成されており、この2つの凹部905、906に挟まれて、凸部907が形成されている。そして、第1の電極904の凸部907の略中央部には突起部908が形成され、この突起部908の下側に第2の電極902と挟まれるように、能動素子990が配置される。
共振器960の長さL1は、例えば、約30μm程度以下である。突起部908の長さは、例えば、約6μm程度以下である。また、凹部905、906の幅(第1の電極904と第2の電極902との間隔)は、例えば、約4μm程度である。能動素子990の寸法は、例えば、約1.4μm 2 程度である。但し、能動素子990のサイズは、この値に限定されず、例えば、約5.3μm 2 程度以下であってもよい。能動素子990の詳細構造については後述する。共振器960の各部のサイズは、上記寸法に限定されるものではなく、発振する電磁波の周波数に応じて設計上適宜設定されるものである。
また、図16に示すように、導波路970における第1の電極904と第2の電極902間の間隔に比べて、共振器960が形成されている部分の第1の電極904と第2の電極902間の間隔は、狭い。
MIMリフレクタ950は共振器960の開口部と反対側の閉口部に配置されている。
金属/絶縁体/金属からなるMIMリフレクタ950の積層構造により、第1の電極904と第2の電極902は高周波的に短絡される。また、MIMリフレクタ950は、直流的には開放(オープン)でありながら、高周波を反射させることが可能となるという効果を有する。
第1の電極904(904a,904b,904c)および第2の電極902,902aは、いずれも例えば、Au/Pd/Tiのメタル積層構造からなり、Ti層は、後述する半絶縁性のInP基板からなる半導体基板901との接触状態を良好にするためのバッファ層である。第1の電極904a,904b,904cおよび第2の電極902,902aの各部の厚さは、例えば、約数100nm程度であり、全体として、平坦化された積層構造が得られている。なお、第1の電極904、第2の電極902は、いずれも真空蒸着法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
さらに詳細には、第1の電極904aおよび第1の電極904cは、例えば、Au/Pd/Tiからなり、第1の電極904bは、例えば、Au/Tiからなる。第2の電極902は、例えば、Au/Pd/Tiからなり、第2の電極902aは、例えば、Au/Tiからな 尚、第1の電極904bの表面層を形成するTi層は、ボンディングワイヤ(図示省略)によって取り出し電極を形成する際、接触抵抗を低減するために除去することが望ましい。同様に、第2の電極902aの表面層を形成するTi層は、ボンディングワイヤ(図示省略)によって取り出し電極を形成する際、接触抵抗を低減するために除去することが望ましい。
絶縁層903は、例えば、SiO膜で形成することができる。その他、Si膜、SiON膜、HfO膜、Al膜などを適用することもできる。
なお、絶縁層903の厚さは、MIMリフレクタ950の幾何学的な平面寸法と、回路特性上の要求されるキャパシタ値を考慮して決めることができ、例えば、数10nm〜数100nm程度である。絶縁層903は、化学的気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
第2の電極902上に配置された絶縁層903と、第2の電極902に対して絶縁層903を介して配置され、かつ半導体基板901上に第2の電極902に対向して配置された第1の電極904(904a,904b,904c)と、絶縁層903を挟み第1の電極904aと第2の電極902間に形成されたMIMリフレクタ950と、MIMリフレクタ950に隣接して、半導体基板901上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された共振器960と、共振器960に隣接して、半導体基板901上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された導波路970と、導波路970に隣接して、半導体基板901上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置されたホーン開口部980とを備え、能動素子990は、共振器960の略中央部に配置される。
―共鳴トンネルダイオード―
実施の形態に係る検査装置に適用される共鳴トンネルダイオード(RTD)の模式的断面構造は、図44(a)に示すように表され、その変形例の模式的断面構造は、図44(b)に示すように表される。
実施の形態に係る検査装置に適用される能動素子990としてRTDの構成例は、図44(a)に示すように、半絶縁性のInP基板からなる半導体基板1上に配置され、n型不純物を高濃度にドープされたn+InGaAs層91aと、n+InGaAs層991a上に配置され,n型不純物をドープされたnInGaAs層992aと、nInGaAs層992a上に配置されたアンドープのInGaAs層993bと、InGaAs層993b上に配置されたアンドープのAlAs層994a/アンドープのInGaAs層995/アンドープのAlAs層994bから構成されたRTD部と、アンドープのAlAs層994b上に配置されたアンドープのInGaAs層993bと、アンドープのInGaAs層993b上に配置され,n型不純物をドープされたnInGaAs層992bと、nInGaAs層992b上に配置され,n型不純物を高濃度にドープされたn+InGaAs層991bと、n+InGaAs層991b上に配置された第1の電極904aと、n+GaInAs層991a上に配置された第2の電極902とを備える。
変形例では、図44(b)に示すように、n型不純物を高濃度にドープされたn+GaInAs層991b上に更にn型不純物を高濃度にドープされたn+GaInAs層991cを配置し、第1の電極904aとのコンタクトを良好にしている。
図44(a)および図44(b)に示すように、RTD部は、アンドープのInGaAs層995をアンドープのAlAs層994a、994bで挟んで形成されている。
このように積層されたRTD部は、スペーサとして用いられるアンドープのInGaAs層993a、993bを介在させてnInGaAs層992a、992b、及びn+InGaAs層991a、991b、若しくは991cを介して、第2の電極902と第1の電極904にオーミックに接続される構造となっている。
尚、図44(a)および図44(b)の構造において、さらに半絶縁性のInP基板からなる半導体基板1上にアンドープのIn0.53Ga0.47As層をn型不純物を高濃度にドープされたn+InGaAs層991aとの間に介在させても良い。
ここで、各層の厚さは、例えば以下の通りである。
+InGaAs層991a、991b・991cの厚さは、それぞれ例えば、約400nm、15nm、8nm程度である。nGaInAs層992aおよび992bの厚さは、略等しく、例えば、約25nm程度である。アンドープInGaAs層993a・993bの厚さは、例えば、約2nm・20nm程度である。アンドープAlAs層994a・994bの厚さは、等しく、例えば、約1.1nm程度である。アンドープGaInAs層995の厚さは、例えば、約4.5nm程度である。
実施の形態に係る検査装置に適用される共鳴トンネルダイオード(RTD)の模式的断面構造においては、アンドープのAlAs層994a/アンドープのInGaAs層995/アンドープのAlAs層994bから構成されたRTD部を挟むアンドープInGaAs層993aの厚さを約2nm、アンドープInGaAs層993bの厚さを約20nmと非対称に設定することによって、前出の図41に示すように、順方向―逆方向のI−V特性を非対称にすることができる。
実施の形態に係る検査装置に適用される共鳴トンネルダイオード(RTD)の模式的断面構造においては、エピタキシャル構造を非対称にすることで、順方向と逆方向のI−V特性が非対称となり、印加電圧を変えることによって、発振素子、検出素子を使い分けることが可能となる。
またダイオードによる検出には、I−V特性の非線形性が大きい方が感度が良いが、RTDは負性抵抗を示すので、非線形性が大きく、高感度な検出が可能である。
ここで、InxGa1-xAsからなる各層のIn組成比xは、例えば以下の通りである。
+InGaAs層991a・991bにおいてはx=0.53、n+InGaAs層991cにおいてはx=0.7、nGaInAs層992a・992bにおいてはx=0.53、アンドープInGaAs層993bにおいてはx=0.53、アンドープGaInAs層95においてはx=0.8である。
ここで、各層のドーピングレベルは、例えば以下の通りである。
+InGaAs層991a・991bのドーピングレベルは、約2.00E+19(cm-3)、n+InGaAs層991cのドーピングレベルは、約2.00E+19(cm-3)、nGaInAs層992a・992bのドーピングレベルは、約3.00E+18(cm-3)であり、いずれもドーパントは、例えば、シリコン(Si)を適用可能である。
なお、図44(a)および図44(b)に示す積層構造の側壁部には、SiO2膜、Si34膜、SiON膜、HfO2膜、Al23膜など、若しくはこれらの多層膜からなる絶縁膜を堆積することもできる。絶縁層は、CVD法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
能動素子990を構成するRTDの寸法は、例えば、約1.4μm2程度以下である。例えば、室温で観測した発振周波数は、約300GHz程度である。また、例えば、発振時における素子の電流密度Jpは、約7mA/μm2程度である。
―回路構成―
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子の模式的回路構成は、図45(a)に示すように、能動素子990を構成するRTDと、MIMリフレクタ950を構成するキャパシタCMの並列回路によって表される。第1の電極904にはRTDのカソードが接続され、第2の電極902には、RTDのアノードが接続され、第1の電極904にはマイナスの電圧、第2の電極902にはプラスの電圧が印加される。発振状態においては、ホーン開口部の開口方向であるY軸方向に電磁波(hν)が指向性良く伝播される。
図45(a)に対応する簡易等価回路構成は、図45(b)に示すように、能動素子990を構成するRTDは、キャパシタC01とインダクタL01の並列回路で表わすことができ、MIMリフレクタ950のキャパシタCMがさらに並列に接続されるため、テラヘルツ波(hν)の発振周波数fは、f=1/[2π(L01(C01+CM)1/2)で表される。
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子のアンテナ系も含めた模式的等価回路構成は、図53(a)に示すように、ダイオード(RTD)系を表す能動素子990・キャパシタCMの並列回路に対して、アンテナ(ANT)系を表すアンテナインダクタL・アンテナキャパシタCA・アンテナ放射抵抗GANTの並列回路が並列に接続される。
図46(a)の能動素子90を構成するRTDの等価回路構成は、図46(b)に示すように、コンタクト抵抗Rc・コンタクトキャパシタCcからなるコンタクト部分の並列回路と、外部ダイオードキャパシタCD・内部ダイオードキャパシタCd・ダイオード負性抵抗(−Gd)からなるダイオード部分の並列回路と、インダクタLM・抵抗RMからなるメサ部分の直列回路が直列接続された構成を備える。
ここで、実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子のアンテナ系も含めた等価回路全体のアドミッタンスYは、
Y=Yd+Yc・Ya・Ym/(Yc・Ya+Ya・Ym+Yc・Ym)
で表される。ここで、Yd=−Gd+jωCd、Yc=1/Rc+jωCc、Ym=1/(Rm+jωLm)であり、Yaはアンテナ系のアドミッタンス、ωは発振角周波数を表す。各パラメータは、能動素子90を構成するダイオード(RTD)の物性値から求めることができる。また、発振条件Re(Y)≦0,Im(Y)=0を解くことによって、発振周波数、発振出力が得られる。
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ検出素子の模式的回路構成は、図47(a)に示すように、能動素子990を構成するRTDと、MIMリフレクタ950を構成するキャパシタCMの並列回路によって表される。第1の電極904にはRTDのアノードが接続され、第2の電極902には、RTDのカソードが接続され、第1の電極904にはマイナスの電圧、第2の電極902にはプラスの電圧が印加される。検出状態においては、ホーン開口部の開口方向であるY軸方向からの電磁波(hν)が指向性良く検出される。
図47(a)に対応する簡易等価回路構成は、図47(b)に示すように、能動素子990を構成するRTDは、キャパシタC01とインダクタL01の並列回路で表わすことができ、MIMリフレクタ950のキャパシタCMがさらに並列に接続される。
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ検出素子のアンテナ系も含めた模式的等価回路構成は、図48に示すように、ダイオード(RTD)系を表す能動素子990・キャパシタCMの並列回路に対して、アンテナ(ANT)系を表すアンテナインダクタL・アンテナキャパシタCA・アンテナ放射抵抗GANTの並列回路が並列に接続される。
図48の能動素子990を構成するRTDの等価回路構成は、図46(b)と同様に表される。
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子において、発振強度と発振周波数fの関係の一例は、図49に示すように表される。室温で、約300GHzの発振周波数fが得られている。この発振周波数fの値は、図44に示される各層の構造、メサ領域の寸法、アンテナ構造などを調整することによって、変更可能である。
―変形例―
実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の変形例1の模式的鳥瞰構造は、図50に示すように表される。また、図50に対応した第1の電極904、第2の電極902aおよび半導体層991aのパターン構造の模式的平面図は、図51に示すように表される。また、図50のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図52(a)に示すように表され、図51のIV−IV線に沿う模式的断面構造は、図52(b)に示すように表される。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子は、図50〜図52に示すように、絶縁体基板910と、絶縁体基板910上に配置された第1の電極904(904a,904b,904c)と、第1の電極904a上に配置された絶縁層903と、絶縁体基板910上に配置された層間絶縁膜909と、層間絶縁膜909上に配置され、かつ第1の電極904aに対して絶縁層903を介して第1の電極904に対向して配置された第2の電極902,902aと、第2の電極902上に配置された半導体層991aと、絶縁層903を挟み第1の電極904aと第2の電極902間に形成されたMIMリフレクタ950と、MIMリフレクタ950に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された共振器960と、共振器960の略中央部に配置された能動素子990と、共振器960に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された導波路970と、導波路970に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置されたホーン開口部980とを備える。
ホーン開口部980は、開口ホーンアンテナから構成される。ホーン開口部の開口角θは、例えば、10度程度以下に設定することが、電磁波(hν)の放射および検出方向に指向特性を持たせる上で望ましい。ホーン開口部980の長さL3は、例えば、約700μm程度以下である。ホーン開口部980の先端部における開口幅は、例えば、約160μm程度である。
導波路970は、共振器960の開口部に配置されている。導波路970の長さL2は、例えば、約700μm程度以下である。また、導波路970における第1の電極904と第2の電極902間の間隔は、例えば、約24μm程度である。
なお、ホーン開口部980のホーン形状は、電磁波を空気中に放射および空気中から検出するために必要な構造である。ホーン形状によって、インピーダンス整合性良く電磁波を効率よく空気中に放射および空気中から検出することができる。尚、ホーンの形状は、直線性形状に限らず、非直線性形状、曲線形状、2次曲線形状、放物線形状、階段状形状などであっても良い。
共振器960には、2箇所の凹部905、906が形成されており、この2つの凹部905、906に挟まれて、凸部907が形成されている。そして、半導体層991aの凸部907の略中央部には突起部908が形成され、この突起部908の下側に第1の電極904aと挟まれるように、能動素子990が配置される。
共振器960の長さL1は、例えば、約30μm程度以下である。突起部908の長さは、例えば、約6μm程度以下である。また、凹部905、906の幅(第1の電極904と第2の電極902との間隔)は、例えば、約4μm程度である。能動素子990の寸法は、例えば、約1.4μm2程度である。但し、能動素子990のサイズは、この値に限定されず、例えば、約5.3μm2程度以下であってもよい。共振器960の各部のサイズは、上記寸法に限定されるものではなく、発振する電磁波の周波数に応じて設計上適宜設定されるものである。
また、図50に示すように、導波路970における第1の電極904と第2の電極902間の間隔に比べて、共振器960が形成されている部分の第1の電極904と第2の電極902間の間隔は、狭い。
MIMリフレクタ950は共振器960の開口部と反対側の閉口部に配置されている。金属/絶縁体/金属からなるMIMリフレクタ950の積層構造により、第1の電極904と第2の電極902は高周波的に短絡される。また、MIMリフレクタ950は、直流的には開放(オープン)でありながら、高周波を反射させることが可能となるという効果を有する。
第1の電極904(904a,904b,904c)および第2の電極902,902aは、いずれも例えば、Au/Pd/Tiのメタル積層構造からなり、Ti層は、絶縁体基板910との接触状態を良好にするためのバッファ層である。第1の電極904a,904b,904cおよび第2の電極902,902aの各部の厚さは、例えば、約数100nm程度であり、全体として、図52(a)および図52(b)に示すような平坦化された積層構造が得られている。なお、第1の電極904、第2の電極902は、いずれも真空蒸着法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
さらに詳細には、第1の電極904aおよび第1の電極904cは、例えば、Au/Pd/Tiからなり、第1の電極904bは、例えば、Au/Tiからなる。第2の電極902は、例えば、Au/Pd/Tiからなり、第2の電極902aは、例えば、Au/Tiからなる。
尚、第1の電極904bの表面層を形成するTi層は、ボンディングワイヤ912bによって取り出し電極を形成する際、接触抵抗を低減するために除去することが望ましい。同様に、第2の電極902aの表面層を形成するTi層は、ボンディングワイヤ912aによって取り出し電極を形成する際、接触抵抗を低減するために除去することが望ましい。
絶縁層903は、例えば、SiO2膜で形成することができる。その他、Si3N4膜、SiON膜、HfO2膜、Al2O3膜などを適用することもできる。なお、絶縁層903の厚さは、MIMリフレクタ950の幾何学的な平面寸法と、回路特性上の要求されるキャパシタ値を考慮して決めることができ、例えば、数10nm〜数100nm程度である。絶縁層903は、CVD法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
同様に、層間絶縁膜909は、例えば、SiO2膜で形成することができる。その他、Si34膜、SiON膜、HfO2膜、Al23膜などを適用することもできる。層間絶縁膜909の厚さは、図52(a)に示すように、第2の電極902aと層間絶縁膜909の全体の厚さが、第1の電極904の厚さと略同程度となるように設定されている。層間絶縁膜909は、CVD法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
また、絶縁体基板910は、半導体層991aよりも低誘電率材料の基板からなることが、電波を効率良く取り出す上で望ましい。低誘電率材料の絶縁体基板910としては、例えば、ポリイミド樹脂基板、テフロン(登録商標)基板などを適用することができる。絶縁体基板910の厚さは、例えば、200μm程度である。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子において、上方は空気であるため、比誘電率εεair=1である。絶縁体基板910として、ポリイミド樹脂基板を使用すると、ポリイミド樹脂の比誘電率εεpoly=3.5であるため、発振素子として動作時、全体の発振出力に対する絶縁体基板910の下方への発振出力の割合は、εpoly 3/2/(εair 3/2+εpoly 3/2)=0.87で表される。すなわち、全体の発振出力の内、約87%は、絶縁体基板910側に放射され、ホーン開口部980から横方向に放射される発振出力は、相対的に増大する。また、検出素子として動作時も、同様に、ホーン開口部980から横方向に効率よくテラヘルツ波を検出可能である。
さらに、絶縁体基板910として、テフロン(登録商標)樹脂基板を使用すると、テフロン(登録商標)の比誘電率εεtef=2.1であるため、発振素子として動作時、全体の発振出力に対する絶縁体基板910の下方への発振出力の割合は、εtef 3/2/(εair 3/2+εtef 3/2)=0.75で表される。すなわち、発振素子として動作時、全体の発振出力の内、約75%は、絶縁体基板910側に放射され、ホーン開口部980から横方向に放射される発振出力は、相対的に増大する。また、検出素子として動作時も、同様に、ホーン開口部80から横方向に効率よくテラヘルツ波を検出可能である。
MIMリフレクタ950は、図52(a)に示すように、第1の電極904aと第2の電極902間に絶縁層903を介在させた構造から形成されている。また、図52(b)から明らかなように、RTDからなる能動素子990は、絶縁体基板910上に第1の電極904aを介して、配置されている。第1の電極904aは、RTDのn+GaInAs層991bに接触して配置されている。第2の電極902は、RTDのn+GaInAs層991aに接触して配置されている。さらに、第1の電極904(904b,904c)は、絶縁体基板910上に延在して配置されている。
このように、第1の電極904が、絶縁体基板910上に延在して配置されていることから、第1の電極904と第2の電極902は、互いに短絡されることがなく、RTDのn+GaInAs層991aとn+GaInAs層991b間に所定の直流バイアス電圧を印加することができる。
なお、第1の電極904には、ボンディングワイヤ912bが接続され、第2の電極902aには、ボンディングワイヤ912aが接続されて、第1の電極904と第2の電極902a間には、直流電源915が接続されている。また、第1の電極904と第2の電極902a間には、寄生発振を防止するための抵抗(図示省略)が接続されている。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の構造において、第1の電極904上に直接、また第2の電極902上に層間絶縁膜909を介して絶縁体基板910を貼付け、半導体基板901をエッチングで除去した後の上下反転した構造は、図52(a)および図52(b)に示すように表される。図52(a)および図52(b)に示すように、変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子においては、第2の電極902上には半導体層991aが配置されが、第2の電極902aも露出するため、第2の電極902aに対して、ワイヤボンディングなどの電極取り出し工程を容易に行うことができる。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の製造方法においては、図43(a)および図43(b)に示すように、半導体基板901上に半導体層991aを形成後、パターニングによって、半導体層991aの幅を狭く形成し、半導体層991a上に形成される第2の電極902のパターン幅を狭く形成する。残りの部分には、第2の電極902に接続し、所定の幅を有し、相対的に厚い第2の電極902aを形成する。結果として、図43(a)および図43(b)に示すように、第2の電極902aが、半導体基板901に接触する構造を得る。
次に、図52(a)および図52(b)に示すように、第1の電極904上に直接、また第2の電極902上に層間絶縁膜909を介して絶縁体基板910を貼付け、半導体基板901をエッチングで除去した後の上下反転した構造を得る。
次に、図50に示すように、第1の電極904にボンディングワイヤ912bを接続し、第2の電極902aに、ボンディングワイヤ912aを接続することで電極取り出しを実施する。
半導体基板901は、例えば、半絶縁性のInP基板によって形成され、厚さは、例えば、約600μm程度である。InP基板のエッチング液としては、例えば、塩酸系のエッチング液を適用することができる。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子において、厚さdを有する絶縁体基板910をサンプル表面に貼付け、半導体基板をエッチングにより除去する工程後の模式的鳥瞰構造は、図52に示すように表され、図53の裏面から見た模式的鳥瞰構造は、図54に示すように表される。図53から明らかなように、第1の電極904は、直接絶縁体基板910に貼り付けられている。また、第2の電極902,902aは、図53では図示を省略しているが、図52(a)および図52(b)に示すように、層間絶縁膜909を介して絶縁体基板910に貼り付けられている。図54の詳細構造は、図50に対応している。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子として、共鳴トンネルダイオード(RTD)の模式的断面構造は、図44(a)と同様に表される。また、その変形例の模式的断面構造は、図44(b)と同様に表される。
図44(a)は、半導体基板901上に配置された構造例であるが、その後の工程によって、第1の電極904aに絶縁体基板910を貼り付けた後、半導体基板901は、エッチングによって除去される。したがって、図44(a)は、絶縁体基板910を貼り付け工程前における能動素子990近傍の模式的断面構造に相当している。
前述と同様に、能動素子990としてはRTDが代表的なものであるが、これ以外のダイオードやトランジスタでも構成可能なものである。その他の能動素子としては、例えば、TUNNETTダイオード、IMPATTダイオード、GaAsFET、GaN系FET、HEMT、HBTなどを適用することもできる。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子によれば、低誘電率の絶縁体基板を用いることで横方向の指向性を改善し、高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に指向性高くテラヘルツ波を発振および検出することができ、しかも集積化が容易となる。
図50〜図54において、符号918は、SiO等で形成される絶縁膜であり、例えば、約0.6μmまたは約5μmの厚さに形成される。
―他の変形例―
他の変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の電極パターン構造は、図55(a)に示すように表され、他の変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の電極パターン構造は、図55(b)に示すように表される。
この変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の電極パターン構造は、MIMリフレクタ950を構成する第2の電極902にスタブ構造を備える例であり、また他の変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の電極パターン構造は、MIMリフレクタ950を構成する第1の電極904にスタブ構造を備える例である。図52(a)から明らかなように、第2の電極902上には、半導体層991aが配置されているため、図55(a)および図55(b)では、半導体層991aが表示されているが、半導体層991aの下には、第2の電極902のパターンが同一のパターン形状で配置されている。
すなわち、図55(a)に示すように、MIMリフレクタ950を構成する部分において、第2の電極902は、複数のスタブ913Aを備える。
また、図55(b)に示すように、MIMリフレクタ950を構成する部分において、第1の電極904は、複数のスタブ913Bを備える。
複数のスタブ913Aまたは913Bは、共振器960に面して等間隔に配置されていてもよく、或いは、その間隔が変化するように配置されていてもよい。
上記の変形例を組み合わせて、第2の電極902と第1の電極904の両方に複数のスタブを備えていてもよい。
電磁波の伝送線路の一部に電磁波の波長の4分の1の長さのスタブを設けて、その中に電磁波を引き込み、それを反射させて伝送線路に戻すことにより共振回路が形成されることが分かっている。これは、伝送線路に入射した電磁波のうち、スタブの長さの4倍の波長を持つ電磁波のみが、スタブの位置で等価的に短絡され、これによって当該電磁波が反射されるため、その電磁波の伝送線路からの漏れが少なくなるという現象である。この方法によれば、入力される電磁波の波長に対してスタブの長さが4分の1波長と決まっているために、電磁波の波長がスタブの長さの4倍になる電磁波に対しては強く共振して反射させることができるが、帯域幅の広い電磁波についてはその反射効果は少ない。
変形例のスタブ913Aの長さは、帯域を持った入射電磁波の中心部分の電磁波の4分の1波長としないで、4分の1からずれた長さにする。例えば、反射させたい周波数幅があったときその周波数幅の中央値の周波数を持つ電磁波を一部反射させるための2波長〜3波長以上の長さのスタブ913Aを多く設けることにより、反射させたい周波数幅の電磁波を幅広い範囲で反射させることが可能である。
当然のことながら、電磁波の反射率は4分の1波長のときと比べると小さくなるのであるが、それでもスタブがない場合と比較するとかなりの反射が起こる。そして、共振条件がゆるい分だけ、ある帯域を持った周波数(ある波長の幅を持った電磁波)に対して、満遍なく反射する効果がある。また、多段スタブの間隔は、反射させたい電磁波の周波数幅の中央値の周波数を持つ電磁波に対して、波長の半分程度の長さとすることにより各スタブからの反射の間に強め合う干渉(ブラッグ反射)が起こり、反射波が重ねあわされて、反射率がほぼ100%の大きな値になる。スタブの長さ、数、間隔によって、反射する周波数幅、中心周波数は総合的に決定される。
所定の帯域幅を有する電磁波の中心波長をλとして、スタブの間隔をλ/2とすると、反射率が100%に近い電磁波の波長範囲Δλを得ることができる。このとき、スタブの長さは、2〜3λ以上に設計するのがよい。また、スタブの幅がスタブの間隔の半分のとき、スタブ数5〜10個程度の少ない数で100%に近い大きな反射率となる。スタブ幅がそれ以外のときは大きな反射率を得るためにはスタブ数を増やす必要があり、また、周波数幅も狭くなる。しかしながら、これらの長さは限定されるものではなく反射する帯域幅との関係で設計的に規定されるものである。
なお、変形例では、スタブ913AおよびMIMリフレクタにより、閉口部側に伝送する漏れ電磁波が反射され、開口側に戻される。そして、反射された電磁波が出力として放射されるために、能動素子990から発振される電磁波は高出力となる。
他の変形例においてもスタブ913Bの動作は、スタブ913Aと同様であるため、重複する説明は省略する。
なお、第2の電極902と第1の電極904の両方に多段のスタブを設けることにより、片方だけの場合に比べ約半分のスタブ数で同等の大きな反射率を得ることができる。また、周波数幅や中心周波数を決める際の設計の自由度を上げることができるので、設計上極めて有効である。なお、第2の電極902と第1の電極904の双方に付けるスタブの長さ、数、間隔は必ずしも等しい必要はなく、設計上自由に変更することができる。
他の変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子によれば、低誘電率の絶縁体基板を用いることで横方向の指向性を改善し、高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に指向性高くテラヘルツ波を発振および検出することができ、しかも集積化が容易となる。
他の変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子によれば、低誘電率の絶縁体基板を用いることで横方向の指向性を改善し、MIMレフレクタを構成する電極にスタブ構造を組み合わせることによって、基板に水平な方向にさらに効率良く、指向性高くテラヘルツ波を発振および検出することが可能となる。
実施の形態に係る検査装置に適用される他の変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の電極パターン構造の模式的平面構成は、図56に示すように表される。
変形例に係る係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子においても、第1の電極904(904a,904b,904c)、第2の電極902,902a、MIMリフレクタ950、共振器960、能動素子990の構成は、上述の変形例と同様であるため、以下において、重複説明は省略する。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子は、図56に示すように、絶縁体基板910と、絶縁体基板910上に配置された第1の電極904(904a,904b,904c)と、第1の電極904a(図52)上に配置された絶縁層903(図52)と、絶縁体基板910上に配置された層間絶縁膜909(図52)と、層間絶縁膜909上に配置され、かつ第1の電極904aに対して絶縁層903を介して第1の電極904に対向して配置された第2の電極902,902aと、第2の電極902上に配置された半導体層991aと、絶縁体基板910上に第1の電極904に隣接し、かつ第2の電極902aとは反対側に第1の電極904に対向して配置された第1スロットライン電極941と、絶縁体基板910上に第2の電極902aに隣接し、かつ第1の電極904とは反対側に第2の電極902aに対向して配置された第2スロットライン電極921と、絶縁層903を挟み第1の電極904aと第2の電極902間に形成されたMIMリフレクタ950と、MIMリフレクタ950に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された共振器960と、共振器960の略中央部に配置された能動素子990と、共振器960に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された第1導波路970と、第1導波路970に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第1の電極904と第2の電極902間に配置された第1ホーン開口部980と、絶縁体基板910上に対向する第1の電極904と第1スロットライン電極941間に配置された第2導波路971と、第2導波路971に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第1の電極904と第1スロットライン電極941間に配置された第2ホーン開口部981と、絶縁体基板910上に対向する第2の電極902aと第2スロットライン電極921間に配置された第3導波路972と、第3導波路972に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第2の電極902aと第2スロットライン電極921間に配置された第3ホーン開口部982とを備える。
上述の変形例と同様に、能動素子990としてはRTDが代表的なものであるが、これ以外のダイオードやトランジスタでも構成可能なものである。その他の能動素子としては、例えば、TUNNETTダイオード、IMPATTダイオード、GaAsFET、GaN系FET、HEMT、HBTなどを適用することもできる。
ホーン開口部980〜982は、開口ホーンアンテナを構成する。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子においては、図56に示すように、出力端におけるスロットライン電極921および941の幅W4は、例えば、160μm程度である。また、図56に示すように、出力端におけるホーン開口部980の幅D20およびホーン開口部981および982の幅D10、および、スロットライン電極921および941の幅W4は、適宜変更可能である。
導波路970は、共振器960の開口部に配置される。
MIMリフレクタ950は共振器960の開口部と反対側の閉口部に配置される。
MIMリフレクタ950を構成する部分において、第2の電極902は、図55(a)に示された変形例と同様の複数のスタブを備えていても良い。同様に、MIMリフレクタ950を構成する部分において、第2の電極902は、図55(b)に示された変形例と同様の複数のスタブを備えていても良い。
また、上記において、複数のスタブは、共振器960に面して等間隔に配置されていても良く、また、間隔が変化するように配置されていても良い。
また、絶縁体基板910は、半導体層991aよりも低誘電率材料の基板からなることが、横方向に電波を効率良く、指向性高く取り出す上で望ましい。低誘電率材料の絶縁体基板910としては、例えば、ポリイミド樹脂基板、テフロン(登録商標)基板などを適用することができる。
絶縁体基板910として、ポリイミド樹脂基板を使用すると、全体の発振出力の内、約87%は、絶縁体基板910側に放射され、ホーン開口部980から横方向に放射される発振出力は、相対的に増大する点は、上述の変形例と同様である。
また、絶縁体基板910として、テフロン(登録商標)樹脂基板を使用すると、全体の発振出力の内、約75%は、絶縁体基板910側に放射され、ホーン開口部980から横方向に放射される発振出力は、相対的に増大する。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子においては、能動素子990に接続された第1の電極904および第2の電極902からなるテーパスロットアンテナの両サイドに、同じ形状をしたテーパ形状の1対のスロットライン電極941、921を配置することで、指向性がさらに向上する。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子によれば、第1の電極904および第2の電極902からなるテーパスロットアンテナの両サイドに、テーパ形状の1対のスロットライン電極941、921を並列化配置することで、絶縁体基板910上にテーパスロットアンテナを集積化しても、絶縁体基板910の影響を抑制し、充分な指向性を得ることができる。
中央部の第1の電極904および第2の電極902からなるテーパスロットアンテナから広がった電界が、両サイドに設けた1対のスロットライン電極941、921に引き込まれて、スロットライン電極941、921の端面で反射され、中央部の第1の電極904および第2の電極902に戻ってくる。このとき、中央部の第1の電極904および第2の電極902およびスロットライン電極941、921内には、定在波が形成され、反射してきた電界によって、外部に電磁波が放射される。中央部の第1の電極904および第2の電極902および1対のスロットライン電極941、921からの放射電磁界が、干渉し合うことによって、指向性が向上する。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子によれば、低誘電率の絶縁体基板を用いることで横方向の指向性を改善し、かつスロットライン電極を並列化配置して定在波を有効に発生させることによって、さらに高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に指向性高くテラヘルツ波を発振および検出することができ、しかも集積化が容易である。
実施の形態に係る検査装置に適用される他の変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子の電極パターン構造の模式的平面構成は、図57に示すように表される。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子においても、第1の電極904、第2の電極902、MIMリフレクタ950、共振器960、能動素子990、第1のスロットライン電極941、第2のスロットライン電極921の構成は、上述の実施の形態と同様であるため、以下において、重複説明は省略する。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子は、図57に示すように、図56に示した変形例の電極パターン構成に対して、さらに、1対のスロットライン電極922,942を並列化配置している。すなわち、絶縁体基板910上に第1スロットライン電極941に隣接し、かつ第1の電極904とは反対側に第1スロットライン電極941に対向して配置された第3スロットライン電極942と、絶縁体基板910上に第2スロットライン電極921に隣接し、かつ第2の電極902aとは反対側に第2スロットライン電極921に対向して配置された第4スロットライン電極922と、絶縁体基板910上に対向する第1スロットライン電極941と第3スロットライン電極942間に配置された第4導波路974と、第4導波路974に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第1スロットライン電極941と第3スロットライン電極942間に配置された第4ホーン開口部984と、絶縁体基板910上に対向する第2スロットライン電極921と第4スロットライン電極922間に配置された第5導波路973と、第5導波路973に隣接して、絶縁体基板910上に対向する第2スロットライン電極921と第4スロットライン電極922間に配置された第5ホーン開口部983とを備える。
また、絶縁体基板910は、半導体層991aよりも低誘電率材料の基板からなることが、横方向に電波を効率良く、指向性高く取り出す上で望ましい。低誘電率材料の絶縁体基板910としては、第1の実施の形態と同様に、例えば、ポリイミド樹脂基板、テフロン(登録商標)基板などを適用することができる。
図57の構成において、スロットライン電極921,41の外側に1対のスロットライン電極922,942をさらに並列化配置することによって、指向性がさらに向上する。
変形例に係るテラヘルツ発振素子およびテラヘルツ検出素子によれば、低誘電率の絶縁体基板を用いることで横方向の指向性を改善し、かつ2対のスロットライン電極を並列化配置して定在波を有効に発生させることによって、さらに高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に指向性高くテラヘルツ波を発振および検出することができ、しかも集積化が容易である。
図57において、符号918は、SiO等で形成される絶縁膜であり、例えば、約0.6μmまたは約5μmの厚さに形成される。
図57は、RTD(Resonant Tunneling Diode:共鳴トンネルダイオード)とスロットアンテナを組み合わせて作製した発振素子の概略斜視図である。スロットアンテナ1000の中央付近にRTDからなる能動素子1090が配置され、スロットアンテナ1000の両端には、金属と絶縁体が積層された層が形成されている。ここで、金属層は第2の電極1040を構成し、絶縁層1030を介在させて金属からなる第1の電極1020と高周波的に短絡されるようになっている。
第2の電極1040は、第1の電極1020と絶縁層1030を介して重なっている部分の中央部に2箇所の凹部1050、1060が形成されており、この2つの凹部1050、1060に挟まれた状態で凸部1070が形成されている。そして、第2の電極1040の凸部1070の略中央部には突起部1080が形成され、この突起部1080の下側に第1の電極1020と挟まれるようにして能動素子1090が配置されている。なお、第2の電極1040と第1の電極1020には直流電源1150が接続されるとともに、寄生発振を防止するために、ビスマス(Bi)などの材料で形成された寄生発振抑圧抵抗1140が接続されている。
半導体基板1010は半絶縁性(SI:Semi-Insulating)のInPが用いられる。RTDの両側に作られるスロットアンテナ1000は、共振器と電磁波の放射アンテナとを兼ねている。この発振素子においては、半導体基板1010に対して上方向と下方向の2方向に電磁波が放射される構造になっている。このため、例えば、図52に示すように、上下垂直方向に放射する電磁波(hν)を集光するためのシリコン半球レンズ1200を新たに設ける必要がある。
図58に示す他の実施の形態に係る検査装置に適用されるテラヘルツ発振素子は、絶縁層1030と同じ平面上に配置されるトランジスタやダイオードなどの能動素子1090をスロットアンテナ1000の中央部に配置し、スロット線路の両端を直角に曲げ、この部分を金属/絶縁体/金属の層構造で覆うようにしている。このため、金属/絶縁体/金属の層構造で覆った部分は、RF反射部1500a,1500bを構成し、高周波的に短絡になり、スロットアンテナ1000が構成される。このスロットアンテナ1000は、直流的には開放状態になっているため、能動素子1090に直流を供給することができる。
この構造の発振素子によって、室温でテラヘルツ帯1.02THz(1012Hz)の発振が実現されている。すなわち、試作された素子によれば、基本波の発振周波数を342GHzとし、出力が23μWであった。そして、基本波の第3高調波として1.02THzの電磁波が同時に出力され、この第3高調波の出力は0.59μWであったと報告されている。
図58および図59において、符号918は、SiO等で形成される絶縁膜であり、例えば、約0.6μmまたは約5μmの厚さに形成される。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、電動式のキャタピラや車輪等を備えた台車の本実施の形態に係る電動工具を搭載したロボット型の工具とし、位置センサやイメージセンサ等を用いて無人でボルトの締付や、釘の打ち付け等の施工を行うようにしても良い。また、このようなロボット型の工具を管理システムで管理し、管理システムからの指示により、施工状況の報告および施工の修正等を行うようにしても良い。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明の電動工具およびその管理システムは、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマー等の電動工具およびその管理システムなどに適用できる。
1…電動工具
D…表示手段
2…モータ
3…トルクセンサ
5…表示パネル(表示モニタ)
8…CIGSセンサ(CIGSカメラ)
9…制御手段(CPU)
10…スイッチ
11…送受信手段
11A…無線送信機
11B…無線受信機
13…アンテナ
15…位置センサ
16…チルト機構
20…テラヘルツセンサ
21…画像処理手段
22…画像メモリ
24…検出手段
25…動力伝達機構
26…工具着脱手段(チャック)
27…先端工具(レンチ工具等)
28…報知装置
29…電源
50…管理システム
51…データベース
53…表示モニタ
55…制御手段
56…受信手段
57…送信手段
59…電源管理手段
60…報知装置
65…判定手段
100…ヘッドマウントディスプレイ
101…ディスプレイ本体
104…送受信機
201…ボルト
400…表示画面
401…表示欄
402…表示枠
403…追加ボタン
404…変更ボタン
405…削除ボタン
406…配置ボタン
500…部屋
501、501A、501B…壁面(施工対象)
502…ガス配管
503…電気配線
504…コンセント
601…ターミナル装置

Claims (25)

  1. 動力伝達機構を介して先端工具を駆動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータの駆動制御を行う制御手段と、
    前記動力伝達機構に前記先端工具を着脱自在に取り付ける工具着脱手段と、
    前記先端工具により施工する対象の状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果および前記アクチュエータに関する情報を表示する表示手段と、
    前記検出手段による検出結果および前記アクチュエータに関する情報を外部の管理システムとの間で送受信する送受信手段と、
    前記アクチュエータ、前記制御手段、前記検出手段、前記表示手段および前記送受信手段を駆動する電源と
    を備えることを特徴とする電動工具。
  2. 前記アクチュエータは、モータ、油圧シリンダ、エアシリンダ、圧電素子のいずれかまたはこれらの組み合わせで構成されることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記先端工具は、ボルトまたはナットを締めるレンチ工具、ネジを締めるドライバー工具、釘を打撃するハンマー工具のいずれかまたはこれらの組み合わせで構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動工具。
  4. 前記検出手段は、施工対象としての壁面の表面状態または内部状態を検出可能なセンサであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電動工具。
  5. 前記センサは、イメージセンサで構成されることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
  6. 前記イメージセンサは、CIGSセンサであることを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
  7. 前記センサは、テラヘルツセンサで構成されることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
  8. 前記表示手段は、筐体に設置される表示モニタで構成されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電動工具。
  9. 前記表示手段は、操作者が装着するヘッドマウントディスプレイで構成されることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の電動工具。
  10. 前記送受信手段は、無線送信機および無線受信機で構成されることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の電動工具。
  11. 前記モータは、トルクセンサをさらに備え、
    前記制御手段は、前記トルクセンサの検出結果および前記送受信手段を介して外部の管理システムから受信したトルク情報に基いて、前記モータのトルクを調整するように制御することを特徴とする請求項2〜10の何れか1項に記載の電動工具。
  12. 工具の施工位置を検出する位置センサをさらに備えることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の電動工具。
  13. 前記位置センサは、GPSセンサで構成されることを特徴とする請求項12に記載の電動工具。
  14. 前記電源は、二次電池で構成されることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の電動工具。
  15. 前記二次電池は、充電用電源として色素増感太陽電池を備えることを特徴とする請求項14に記載の電動工具。
  16. 前記検出手段の検出結果に基いて、操作者に施工の中止を報知する報知装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の電動工具。
  17. 前記表示手段は、有機EL発光装置を備えることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の電動工具。
  18. 請求項1〜17の何れか1項に記載の電動工具を管理する管理システムであって、
    前記電動工具によって施工する対象に関するCAD情報を蓄積するデータベースと、
    前記データベースのCAD情報の読み書きを制御する制御手段と、
    前記制御手段により前記データベースから読み出されたCAD情報を表示する表示モニタと、
    前記表示モニタに表示されたCAD情報に関する操作を行う入力手段と、
    前記電動工具が備える先端工具により施工する対象の状態を検出する検出手段の検出結果を受信する受信手段と、
    前記受信手段を介して受信された検出結果に基いて、施工状態の良否を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果および前記データベースのCAD情報に基いて、施工に関する修正情報を前記電動工具に対して送信する送信手段と
    を備えることを特徴とする電動工具の管理システム。
  19. 前記データベースは、ハードディスク装置または不揮発性メモリで構成されることを特徴とする請求項18に記載の電動工具の管理システム。
  20. 前記制御手段は、CPUおよび演算用メモリで構成されることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の電動工具の管理システム。
  21. 前記受信手段および前記送信手段は、無線ネットワークを介して前記電動工具と情報の送受信を行うことを特徴とする請求項18〜20の何れか1項に記載の電動工具の管理システム。
  22. 前記電動工具が備える電源の管理を行う電源管理手段をさらに備えることを特徴とする請求項18〜21の何れか1項に記載の電動工具の管理システム。
  23. 前記受信手段を介して受信した前記検出手段の検出結果に基いて施工の中止を報知する報知装置をさらに備えることを特徴とする請求項18〜22の何れか1項に記載の電動工具の管理システム。
  24. 前記CAD情報は、前記施工する対象におけるボルト、ナットの締付力に関する情報を含むことを特徴とする請求項18〜23の何れか1項に記載の電動工具の管理システム。
  25. 前記施工に関する修正情報は、前記ボルト、ナットの締付力に関する情報に基づいた前記電動工具が備えるモータのトルクに関する制御情報であることを特徴とする請求項24に記載の電動工具の管理システム。
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