JP2014166227A - 体液受容キャナルを持つ吸収体物品 - Google Patents

体液受容キャナルを持つ吸収体物品 Download PDF

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Abstract

【課題】吸収能力、及び着用者の肌が長期間にわたり湿潤状態に曝されることによって生じる問題を解決する吸収体物品の提供。
【解決手段】シート状の防漏体(10)と、防漏体(10)の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体(12)とを有する吸収体物品(1)と、側縁から吸収体(12)の上方に向かって起立する一対の外部側面シート(16)と、外部側面シート(16)の頂点付近に前記外部側面シート(16)が結合する左右一対の伸縮性頭部(18)を有する起立性サイドガード(20)と、吸収体物品(1)の少なくとも前身頃の後方の一部から、股下部を経て、後身頃の前方の一部に亘り配置され、起立性サイドガード(20)に連結されて、左右一対の伸縮性頭部(18)から吸収体(12)の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナル(Ca)を形成するキャナルシート(22)を具備する吸収体物品(1)。
【選択図】図1

Description

本発明は、体液受容キャナルを持つ吸収体物品に関する。
紙おむつ(Disposable Diaper)(子供用及び大人用)、生理用ナプキン、失禁用品、トレーニングパンツ等の吸収体物品は、高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」ともいう。)やフラッフ状パルプ等を用いた吸収体により、着用者から排出された尿等の体液を吸収する物品である。
従来の吸収体物品においては、排出された体液は、排出器から直接に吸収体の表面上に排出され、吸収体の表面における拡散と、吸収体の表面から吸収体の内部への移行とにより、吸収体に吸収され、固定される。したがって、吸収体物品から外部への体液のリーク(漏れ)を防ぐためには、吸収体物品を着用者の身体に間隙が生じないように密着させ、かつ、吸収体の表面と着用者の肌、特に排出器とを密着させることが必要である。
このような従来の吸収体物品を、吸収体物品の持つ吸収能力を最大限に生かして、効率良く使用するには、1回の体液の排泄のたびに吸収体物品を交換するのではなく、体液が1回排出されても交換せずに、2回目以降の体液の排泄まで使用を続ける複数回使用が必要となる。
しかしながら、複数回使用の場合は、着用者は、必然的に、長時間にわたって、体液で濡れている吸収体の表面と肌とを密着させた状態で維持しなければならなくなる。このような長時間にわたって着用者の肌に体液が接触する状態は、着用者にとって不快であるだけでなく、皮膚を膨化させ、細菌増殖の原因となり、かぶれや炎症を引き起こすことになる。
このような従来の吸収体物品の使用に伴う問題点の改善のために、通気性を持つバックシートの使用、開口や畝状構造を持たせて肌との接触面積を少なくした表面シートの改良等の努力がなされてきたが、結局は吸収能力にまだ十分余力が残っていても、吸収体の表面が濡れる状態を感知して、新たな吸収体物品と交換することで皮膚トラブルの発生を回避しているのが実情である。例えば、子供用おむつでは、平均的に吸収能力の40%程度しか利用されていないといわれている。
本発明者は、省資源・省エネルギーが時代の要請である現在、吸収体物品の効率的な使用と、体液と皮膚との長時間の接触により生じる問題の発生防止とを両立することができる吸収体物品の開発について、検討した。
本発明者は、まず、問題の所在を明らかにするために、あらためて吸収体物品とはどのようなものであるかを、紙おむつを例に具体的な解析を行った。
図22は、紙おむつのライフサイクルの説明図である。
紙おむつのライフサイクルとは、着用者が、未使用の紙おむつを装着し、体液(尿)の受容、体液の分配、体液の吸収・固定からなる使用サイクルを繰り返して多数回使用し(図22では3回)、使用済みとして脱着し、廃棄するまでの一連の工程を包含するものである。
本発明者は、この紙おむつのライフサイクルについて検討し、多数回の繰り返し使用を可能にし、効率性と快適性を両立させるためには、以下のような課題があることを見出した。
(A)吸収能力についての課題
(a1)従来の紙おむつのほとんどが、理論値として、標準的な尿量を3回分吸収することができる吸収能力を有しているが、吸収体の一部分が集中的に尿の吸収を行うため、理論上の吸収能力に達するより早く、尿漏れの限界に達してしまう。
(a2)従来の紙おむつでは、着用体位によって吸収体の利用部位の偏りが大きくなる。
(a3)従来の紙おむつでは、特に、クロッチ部分(股下部)の形状と吸収能力に起因するトラブルが多い。これは、クロッチ部分が局部に近接する部分であること、クロッチ部分が幅が最も狭くなる部分であること、及び、クロッチ部分に隙間を発生させないように着用者の身体に密着させるために、絶えずフレキシブルに変形することを求められる部分であることに起因するものと推測された。
これらの解決策として、従来、レッグギャザー機能を強化し、横漏れ防止能力を高めるため、レッグギャザーを二重又は三重に設けることが提案されてきた。
しかしながら、クロッチ部分に隙間を発生させないように着用者の身体に密着させ、かつ、レッグギャザーで横漏れを防止するためには、レッグギャザーの頭部を、吸収体の左右の両側面の外側において、着用者の大腿部の内側から大腿部の付け根(鼠蹊部)にかかる領域に位置させることになり、レッグギャザー間に存在する吸収体が着用者のクロッチ部に広い領域にわたり密着することになる。そうすると、以下に述べる、着用者の肌が長期間にわたり湿潤状態に曝されることによって生じる課題が大きな問題となる。
(B)着用者の肌が長期間にわたり湿潤状態に曝されることによって生じる課題
(b1)かぶれの発生は当然のこと、かぶれが潜在化している状態をも回避することができる対策が必要である。
(b2)吸収体が吸収能力の限界まで尿を吸収し、それにより吸収体の表面の湿潤の程度が強くなっても、なお肌が濡れない工夫が必要である。つまり、従来のドライ対応のトップシートでは解決不能なレベルの表面戻り液量の発生に対する対策が必要である。
(b3)吸収体の表面が湿潤状態となった場合において、着用者の肌との間で、摩擦力が発生するようなケースを回避することができる対策が必要である。
これらの対策として、従来、トップシート(表面シート)の上方に更に第2のトップシートともいうべきスキンコンタクトシートを設けて、トップシートとスキンコンタクトシートとの間に空隙を発生させて、吸収体面からの戻り体液と肌との接触を防止することが試みられている。これは、スキンコンタクトシートに体液の受容と吸収体の表面への移送の機能の役割を持たせるものである。
例えば、特開平3−234257号公報においては、全面が液透過性の上面シートを設けることが提案されている。
また、本発明者らは、特開2002−143217号公報及び特開2002−204811号公報において、尿用及び便用の開口を持つスキンコンタクトシートを設けて、肌への接触状態で排出される体液の吸収体面への透過を確実化することを提案している。
しかしながら、本発明者の検討したところによると、これらのスキンコンタクトシート類の問題は、以下の各点にある。
(1)トップシートの代わりにスキンコンタクトシートの全面が着用者の肌に密着することになり、肌面の体液による濡れが回避できない。
(2)スキンコンタクトシートと肌とは常に接触しているので、スキンコンタクトシートと肌面との摩擦状態を回避できない。
そこで、本発明は、このような吸収能力についての課題及び着用者の肌が長期間にわたり湿潤状態に曝されることによって生じる課題を解決することができる吸収体物品を提供することを目的とする。
本発明者は、これらの課題を見出した上、更に鋭意研究した結果、吸収体(特に、クロッチ部位)に体液を直接移行させずに、体位に関係なく、前後に体液の移行及び分配をすることができる構成ユニットを新たに導入することにより、吸収体の全体をできるだけ均等に使用して吸収能力を十分に発揮することができること(上記(a1)の解消)、着用体位による体液の偏りの影響を少なくすることができること(上記(a2)の解消)、及び、吸収体の前部付近及び後部付近をより効率的に利用してクロッチ部位への体液の流入を遅延させることができること(上記(a3)の解消)を見出し、更に、上記構成ユニットとして、吸収体の表面と着用者の肌との間に、排出される体液の全量を受容し、一時的に貯留できる構造体を設けること、吸収体の表面と着用者の肌とが常に非接触状態を保つようにすることができ、かぶれやその潜在化状態の回避(上記(b1)の実現)、吸収体が吸収能力の限界まで尿を吸収した場合の肌濡れの回避(上記(b2)の実現)、及び、(b3)吸収体の表面と着用者の肌との間での摩擦力の発生の回避(上記(b3)の実現)が可能であることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(27)を提供する。
(1)シート状の防漏体と、前記防漏体の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体とを有する吸収体物品本体と、
前記吸収体物品本体の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が前記吸収体物品本体に固定され、前記側縁の固定された位置から前記吸収体の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シートと、起立した前記外部側面シートの頂点付近において、左右一対の前記外部側面シートがそれぞれ結合する左右一対の伸縮性頭部とを有する、起立性サイドガードと、
前記吸収体物品本体の少なくとも前身頃の後方の一部から、股下部を経て、後身頃の前方の一部にわたって配置され、前記起立性サイドガードに連結されて、前記左右一対の伸縮性頭部から前記吸収体の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルを形成する、キャナルシートと
を具備する、吸収体物品(本発明の第1の態様)。
(2)シート状の防漏体と、前記防漏体の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体とを有する吸収体物品本体と、
前記吸収体物品本体の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が前記吸収体物品本体に固定され、前記側縁の固定された位置から前記吸収体の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シートを有する、起立性サイドガードと、
前記吸収体物品本体の少なくとも前身頃の後方の一部から、股下部を経て、後身頃の前方の一部にわたって配置される、左右一対の伸縮性頭部と、前記左右一対の伸縮性頭部と結合し、前記左右一対の伸縮性頭部から前記吸収体の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルを形成する、キャナルシートとを有する、キャナル部材と
を具備し、
前記起立性サイドガードの内側と前記キャナルシートとが連結する部分を有する、吸収体物品(本発明の第2の態様)。
(3)前記起立性サイドガードが、前記左右一対の外部側面シートがそれぞれ結合する、左右一対の第2伸縮性頭部を更に有する、上記(2)に記載の吸収体物品(本発明の第3の態様)。
(4)前記キャナルシートが、前記吸収体物品本体の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置され、前記吸収体物品本体の前記前端部及び前記後端部と結合している、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の吸収体物品。
(5)前記体液受容キャナルが、前記伸縮性頭部間に存在する頭部開口を有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の吸収体物品。
(6)前記左右一対の伸縮性頭部間の内側の間隔wが、前身頃及び後身頃において、股下部よりも広くなっている、上記(5)に記載の吸収体物品。
(7)前記間隔wが、股下部において100mm以下である、上記(6)に記載の吸収体物品。
(8)前記体液受容キャナルの底面を構成する前記キャナルシートの下面の一部と前記吸収体の表面とが結合したキャナル接合部を有する、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の吸収体物品。
(9)前記キャナル接合部の長さが、キャナルシートの全長に対して50%以上である、上記(8)に記載の吸収体物品。
(10)前記体液受容キャナルを構成する前記キャナルシートに、着用者から排出された体液を前記吸収体に移行させるための出口が設けられている、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の吸収体物品。
(11)前記起立性サイドガードの外部側面シートが第1の不織布により構成され、前記第1の不織布が前記起立性サイドガードの伸縮性頭部を被覆し、
前記キャナルシートが、第2の不織布により構成され、
前記第1の不織布と前記第2の不織布とが互いの側縁付近において結合されている、上記(1)に記載の吸収体物品。
(12)前記起立性サイドガードの外部側面シートが第1の不織布により構成され、
前記キャナルシートが、第2の不織布により構成され、前記第2の不織布が前記左右一対の伸縮性頭部を被覆し、
前記第1の不織布と前記第2の不織布とが互いの側縁付近において結合されている、上記(2)に記載の吸収体物品。
(13)前記第1の不織布と前記第2の不織布とが、それぞれの前端から前身頃にかかる部分及び後端から後身頃にかかる部分において互いに結合し、かつ、前身頃の股下部付近から股下部を経て後身頃の股下部付近にかけての部分において互いに結合していない、上記(12)に記載の吸収体物品。
(14)前記起立性サイドガードの外部側面シートが第1の不織布により構成され、前記第1の不織布が前記第2伸縮性頭部を被覆し、
前記キャナルシートが、第2の不織布により構成され、前記第2の不織布が前記伸縮性頭部を被覆し、かつ、前記第2の不織布の外側が前記第1の不織布に重なって延在し、
前記第1の不織布と前記第2の不織布とが、それぞれの前端から前身頃にかかる部分及び後端から後身頃にかかる部分において互いに結合し、かつ、前身頃の股下部付近から股下部を経て後身頃の股下部付近にかけての部分において互いに結合していない、上記(3)に記載の吸収体物品。
(15)前記第1の不織布と前記第2の不織布との種類が同一である、上記(11)〜(14)のいずれかに記載の吸収体物品。
(16)前記第1の不織布と前記第2の不織布との種類が異なっている、上記(11)〜(14)のいずれかに記載の吸収体物品。
(17)前記第1の不織布が疎水性であり、前記第2の不織布が親水性である、上記(16)に記載の吸収体物品。
(18)前記左右一対の外部側面シートが、それぞれ少なくとも一つの側面開口を有し、前記体液受容キャナルから、前記外部側面シートより外側に溢流した体液を、前記側面開口を通じて前記外部側面シートの内側に移動させることができる、上記(1)〜(17)のいずれかに記載の吸収体物品。
(19)前記少なくとも一つの側面開口が、前後方向に延在する複数のスリットである、上記(18)に記載の吸収体物品。
(20)前記少なくとも一つの側面開口が、前後方向に延在する1本のスリットである、上記(18)に記載の吸収体物品。
(21)前記少なくとも一つの側面開口が、前後方向に延在する1本の切欠きである、上記(18)に記載の吸収体物品。
(22)前記少なくとも一つの側面開口の前後方向の長さの合計が、前記外部側面シートの前後方向の長さの4分の1以上である、上記(19)〜(21)のいずれかに記載の吸収体物品。
(23)前記キャナルシートの前端部と前記左右一対の外部側面シートとにより、前記左右一対の外部側面シートの内側に存在する体液の前方への溢流を防止する前部ポケットが構成されている、上記(1)〜(22)のいずれかに記載の吸収体物品。
(24)前記キャナルシートの後端部と前記左右一対の外部側面シートとにより、前記左右一対の外部側面シートの内側に存在する体液の後方への溢流を防止する後部ポケットが構成されている、上記(1)〜(23)のいずれかに記載の吸収体物品。
(25)前記キャナルシートが少なくとも一部において液透過性であり、
更に、前記キャナルシートの下側に、前後方向に延在し、両縁部が前記キャナルシートに結合し、その内面により体液の通路を形成する、通路シートを具備する、上記(1)〜(24)のいずれかに記載の吸収体物品。
(26)前記通路シートが液不透過性である、上記(1)〜(25)に記載の吸収体物品。
(27)前記通路シートに、外部に体液を排出するための外部排出コネクターを有する、上記(25)又は(26)に記載の吸収体物品。
本発明の吸収体物品は、吸収体の吸収能力を十分に発揮することができ、また、着用者の肌が長期間にわたり湿潤状態に曝されることがなく、かぶれの発生等の問題が抑制されている。
本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。 吸収体物品本体に配置された、起立性サイドガード及びキャナルシート等の例の模式的な平面図である。 吸収体物品本体に配置された、起立性サイドガード及びキャナルシート等の例の模式的な平面図である。 吸収体物品本体に配置された、起立性サイドガード及びキャナルシート等の例の模式的な平面図である。 体液受容キャナルの垂下状態の説明図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の別の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の更に別の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の更に別の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の更に別の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の更に別の例を示す模式図である。 紙おむつのライフサイクルの説明図である。
以下、本発明の吸収体物品を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書においては、本発明の吸収体物品を実際に着用した場合に、着用者の肌に近い側を「上」といい、遠い側を「下」という。また、本発明の吸収体物品を実際に着用した場合に、着用者の体の前側に対応する側を「前」といい、後側に対応する側を「後」という。また、各図中、理解を容易にするために、実際には接触している部材を離間させて示すことがある。添付した図面中の各平面図においては、図の左側に吸収体物品等の前側が位置するように図示してある。
また、本明細書においては、「吸収体物品本体」とは、吸収体物品の構成部材である防漏体、防漏体上に設けることができるトップシート、その他吸収体物品に設けることができる各種部材を総称していうものである。これに従い、吸収体物品がおむつである場合は、吸収体物品本体をおむつ本体と呼ぶ。
さらに、本明細書においては、「吸収体の表面」とは、吸収体が露出している場合は、その表面を意味し、吸収体が拡散シート、アクイジションシート、トップシート(サーフェスシート)等で被覆されている場合は、被覆している拡散シート、アクイジションシート、トップシート(サーフェスシート)等の表面を意味する。
本明細書においては、図1〜図13を用いて、主に本発明のコンセプトを説明し、図14〜図21を用いて、本発明の吸収体物品の具体的な実施態様について説明することとする。
図1〜図9は、いずれも、本発明の吸収体物品の例を示す模式的な横端面図である。このうち、図1〜図4には、それぞれ、外部側面シートと伸縮性頭部とを有する起立性サイドガードと、前記伸縮性頭部から垂下して体液受容キャナルを形成するキャナルシートとを具備する吸収体物品(本発明の第1の態様)が示され、図5及び図6には、それぞれ、外部側面シートを有する起立性サイドガードと、伸縮性頭部と前記伸縮性頭部から垂下して体液受容キャナルを形成するキャナルシートとを有するキャナル部材とを具備する吸収体物品(本発明の第2の態様)が示され、図7には、本発明の第2の態様の吸収体物品であって、外部側面シートが第2伸縮性頭部を更に有する吸収体物品(本発明の第3の態様)が示され、図8及び図9には、それぞれ、更に通路シートを有する吸収体物品が示されている。
これを吸収体物品の構成部材の観点から分類すると、図1〜図3に示される吸収体物品は、いずれも、外部側面シートとキャナルシートとが同一の部材(具体的には、不織布)である吸収体物品であり、図4〜図7に示される吸収体物品は、いずれも、第1の不織布Pにより構成される外部側面シートと第2の不織布Qにより構成されるキャナルシートとが2種類の部材(具体的には、2種類の不織布)である吸収体物品であり、図8及び図9に示される吸収体物品は、いずれも、更に通路シートが付加された吸収体物品であるということができる。
図1〜図4に示される吸収体物品は、いずれも、シート状の防漏体と、前記防漏体の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体(トップシートで被覆された吸収体)とを有する吸収体物品本体と、外部側面シートと伸縮性頭部とを有する起立性サイドガードと、前記伸縮性頭部から垂下して体液受容キャナルを形成するキャナルシートとを具備する。
図5及び図6に示される吸収体物品は、いずれも、シート状の防漏体と、前記防漏体の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体(トップシートで被覆された吸収体)とを有する吸収体物品本体と、外部側面シートを有する起立性サイドガードと、伸縮性頭部と前記伸縮性頭部から垂下して体液受容キャナルを形成するキャナルシートとを有するキャナル部材とを具備する。
図7に示される吸収体物品は、図5及び図6に示される吸収体物品と同様の構成に加え、外部側面シートが第2伸縮性頭部を更に有する。
図8及び図9に示される吸収体物品は、更に、通路シートを有する。
図1〜図9に示される吸収体物品は、いずれも、例えば、外部側面シートとして、吸収体物品本体の左右側縁に側縁接合部で接合された不織布(例えば、PP繊維製のSMS不織布(例えば、目付量15g/m2))を有し、伸縮性頭部として、伸縮性部材(例えば、ポリウレタン製フィラメント)を、外部側面シート又はキャナルシートを構成する不織布で被覆したものを有し、更に、キャナルシートとして、左右一対の伸縮性頭部から前記吸収体の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルを形成する不織布を有している。
外部側面シートを構成する不織布とキャナルシートを構成する不織布とは、種類が同一であってもよく、種類が異なっていてもよい。
本発明の吸収体物品における体液受容キャナルを形成するキャナルシートの部分(以下「キャナル部」という。)は、基本的に、吸収体の表面から浮上している部位と、吸収体の表面に接合・固定された部位という、二つの部位を持っている。図1〜図9では、(A)に浮上状態(Floating state)を、(B)に接合状態(Fixing state)を示している。
本発明の吸収体物品においては、浮上状態を示す部位を前身頃と後身頃に、接合状態を示す部位を、股下部及びその前後に位置させるのが好ましい。
ここで、体液受容キャナルを形成するキャナルシートの下側面(以下「キャナル底面部」という。)と、吸収体の表面との関係を示す「接合状態」及び「浮上状態」という用語について、説明する。
まず、「接合状態」とは、吸収体の表面及びキャナル底面部の両者が互いに物理的手段、化学的手段等によって結合している状態であって、それによって両者が互いに分離しないように一体化されているとともに、結合により前後方向、左右方向又は上下方向への相対的な可動性が制限されていることを意味する。具体的には、例えば、両者が、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)、融着等の手段で、点状、線状又は面状に結合されている状態や、両者が紐状又は帯状のもので係留されている状態を含む。
つぎに、「浮上状態」とは、吸収体の表面とキャナル底面部の両者が互いに結合していない状態であって、それによって両者が前後方向、左右方向又は上下方向への相対的な可動性が制限されていないことを意味する。具体的には、例えば、両者間に間隙となる空気層が存在するが、間隙が少なく、又は接触している状態や、間隙が大きく(例えば、10mm以上)、完全に離間している状態を含む。
図1に示される吸収体物品1は、シート状の防漏体10と、防漏体10の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体12とを有する吸収体物品本体14と、吸収体物品本体14の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が吸収体物品本体14に固定され、前記側縁の固定された位置(側縁接合部80)から吸収体12の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シート16と、起立した外部側面シート16の頂点付近において、左右一対の外部側面シート16がそれぞれ結合する左右一対の伸縮性頭部18とを有する、起立性サイドガード20と、吸収体物品本体14の少なくとも前身頃の後方の一部から、股下部を経て、後身頃の前方の一部にわたって配置され、起立性サイドガード20に連結されて、左右一対の伸縮性頭部18から吸収体12の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルCaを形成する、キャナルシート22とを具備する。
吸収体物品1は、キャナル部がV字型に類似した断面形状を有する。
図1(A)は、浮上状態を示しており、キャナル底面部は、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合していない。
図1(B)は、接合状態を示しており、キャナル底面部は、左右方向の中央に存在するキャナル接合部82において、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合している。
このように体液受容キャナルの底面を構成するキャナルシートの下面の一部と吸収体の表面とが結合したキャナル接合部を有するのは、本発明の好適な態様の一つである。
図2に示される吸収体物品1aは、基本的に、図1に示される吸収体物品1と同様であるが、キャナルシート22aの断面形状が異なる。
図2に示される吸収体物品1aは、キャナル部が底面が広いU字型に類似した断面形状を有する。
図2(A)は、浮上状態を示しており、キャナル底面部は、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合していない。
図2(B)は、接合状態を示しており、キャナル底面部は、左右方向の中央、左側及び右側の3箇所のキャナル接合部82aにおいて、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合している。
図3に示される吸収体物品1bは、基本的に、図1に示される吸収体物品1と同様であるが、左右一対の起立性サイドガード20aの外部側面シート16aが、それぞれ側面開口Soを有している点で異なる。側面開口Soは、左右一対の外部側面シート16aのそれぞれにおいて、少なくとも一つあればよい。
この側面開口Soにより、体液受容キャナルCaから、外部側面シート16aより外側に溢流した体液を、側面開口Soを通じて外部側面シート16aの内側に移動させることができる。例えば、本発明の吸収体物品1bの着用時に体液が体液受容キャナルCaを溢流して左右一対の外部側面シート16aの外側表面を伝わってこぼれるような事態が生じても、溢流した体液はこの側面開口Soを通じて外側表面シート16aの外側から内側に移動して、吸収体12の表面に戻って吸収されるので、外部に漏れることが防止される。
また、外部側面シート16aが側面開口Soを有すると、外部側面シート16aの側面開口Soが設けられた部分の上側部と下側部とが切り離されることになり、それによって本発明者らが提案した特許第5086492号公報に記載のFLG(フローティングレッグギャザー)と同様に、外部側面シート16aの吸収体物品本体14への側縁端部における固定によって生ずる拘束を大幅に減少させることができ、キャナル部全体の移動自由度が高くなり、特に、伸縮性頭部18の前後及び左右の可動範囲が高くなり、着用者の股下部(クロッチ部)に密着状態を維持することが容易になる。
側面開口は、前後方向に延在する複数のスリット、前後方向に延在する1本のスリット、又は前後方向に延在する1本の切欠きであるのが好ましい。
側面開口による上記効果を奏するためには、少なくとも一つの側面開口の前後方向の長さの合計が、外部側面シートの前後方向の長さの4分の1以上であるのが好ましく、3分の1以上であるのがより好ましい。
吸収体物品本体に対する起立性サイドガードの配置状態については、図10〜図12を用いて、側面開口の存在状態等については、図14〜図21を用いて、後述する。
図4〜図7に示される吸収体物品は、いずれも、外部側面シートを構成する第1の不織布Pとキャナルシートを構成する第2の不織布Qという2種類の不織布を組み合わせて用いている例である。例えば、第1の不織布Pとして、疎水性の不織布(例えば、PP繊維製のSMS不織布)を用い、第2の不織布Qとして、親水性の不織布(例えば、親水化処理を施したPE/PP繊維製のSB不織布)を用いる態様が好適に挙げられる。
図4に示される吸収体物品1cは、基本的に、図1に示される吸収体物品1と同様であるが、左右一対の起立性サイドガード20bの外部側面シート16bと、キャナルシート22bとが異なる部材である点で異なる。
図4に示される吸収体物品1cは、左右の側縁接合部80から立ち上がる、起立性サイドガード20bの外部側面シート16bを構成し、伸縮性頭部18を被覆する第1の不織布Pと、第1の不織布Pの内側に内面接合部84で結合され、ハンモック状に垂下した、キャナル部を形成するキャナルシート22bを構成する第2の不織布Qとを有して構成されている例である。
この例においては、左右一対の外部側面シート16bを構成する第1の不織布Pが左右方向で外側に、キャナルシート22bを構成する第2の不織布Qが内側になるように配置され、両者は前後方向の全長にわたって互いの側縁付近において結合し一体化されている。
このように、起立性サイドガードの外部側面シートが第1の不織布により構成され、第1の不織布が起立性サイドガードの伸縮性頭部を被覆し、キャナルシートが、第2の不織布により構成され、第1の不織布と第2の不織布とが互いの側縁付近において結合されているのは、本発明の好適な態様の一つである。
図4(A)は、浮上状態を示しており、キャナル底面部は、吸収体12(トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合していない。
図4(B)は、接合状態を示しており、キャナル底面部は、左右方向の中央に存在するキャナル接合部82bにおいて、吸収体12(トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合している。
吸収体物品本体14に対する起立性サイドガード20bの配置状態については、図11(A)及び図11(B)を用いて、後述する。
図5に示される吸収体物品1dは、シート状の防漏体10と、防漏体10の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体12とを有する吸収体物品本体14と、吸収体物品本体14の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が吸収体物品本体14に固定され、前記側縁の固定された位置から吸収体12の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シート16cを有する、起立性サイドガード20cと、吸収体物品本体14の少なくとも前身頃の後方の一部から、股下部を経て、後身頃の前方の一部にわたって配置される、左右一対の伸縮性頭部18と、左右一対の伸縮性頭部18と結合し、左右一対の伸縮性頭部18から吸収体12の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルCaを形成する、キャナルシート22cとを有する、キャナル部材26とを具備し、起立性サイドガード20cの内側とキャナルシート22cとが連結する部分(接合部86)を有する。
図5に示される吸収体物品1dは、左右の側縁接合部80から立ち上がる外部側面シート16cを構成する第1の不織布Pと、第1の不織布Pの内側に接合部で結合され、ハンモック状に垂下したキャナル部を形成し、伸縮性頭部18を被覆し、外側に垂下するキャナルシート22cを構成する第2の不織布Qとから構成されている例である。
この例においては、左右一対の外部側面シート16cを構成する第1の不織布Pが左右方向で外側に、キャナルシート22cを構成する第2の不織布Qの左右一対の垂下部28が内側になり、かつ、両者が互いにオーバーラップするように配置され、さらに、両者は前後方向の全長にわたって互いの側縁付近において結合し一体化されている。この態様の吸収体物品1dは、図4に示される吸収体物品1cと比べ、第1の不織布Pと第2の不織布Qの配置状態の点では異なるが、機能的にはほぼ同じである。
このように、起立性サイドガードの外部側面シートが第1の不織布により構成され、キャナルシートが、第2の不織布により構成され、第2の不織布が前記左右一対の伸縮性頭部を被覆し、第1の不織布と第2の不織布とが互いの側縁付近において結合されているのは、本発明の好適な態様の一つである。中でも、第1の不織布と第2の不織布とが、それぞれの前端から前身頃にかかる部分及び後端から後身頃にかかる部分において互いに結合し、かつ、前身頃の股下部付近から股下部を経て後身頃の股下部付近にかけての部分において互いに結合していないのが好ましい。
図5(A)は、浮上状態を示しており、キャナル底面部は、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合していない。
図5(B)は、接合状態を示しており、キャナル底面部は、左右方向の中央に存在するキャナル接合部82cにおいて、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合している。
図6に示される吸収体物品1eは、基本的に、図5に示される吸収体物品1dと同様であるが、左右一対の起立性サイドガード20dを構成する外部側面シート16dと、キャナル部材26aのキャナルシート22dの垂下部28aとが、互いに結合した部位と結合しない部位とを有し、結合していない部位では、図6に示されるように、間隙Gが存在している点で異なる。
外部側面シート16dが第1の不織布Pにより構成され、キャナルシート22dが第2の不織布Qにより構成されるのが好ましい態様の一つである。
この態様においては、第1の不織布Pと第2の不織布Qとが、それぞれの前端から前身頃にかかる部分及び後端から後身頃にかかる部分において互いに結合し、かつ、前身頃の股下部付近から股下部を経て後身頃の股下部付近にかけての部分において互いに結合していないのが好ましい。
この態様の吸収体物品を着用した際には、図3に示される吸収体物品における側面開口の効果と同様の効果を奏する。すなわち、第1の不織布Pと第2の不織布Qとが結合していない部位があるため、着用者の体位や動きにより左右垂下部が上下動できるような移動自由度と可動性を備えているため、伸縮性頭部の着用者の股下部(クロッチ部)への密着性がより確実に保たれる。また、例えば、着用時に体液がキャナルを溢流して左右にこぼれるような事態が生じても、溢流した体液は、第1の不織布Pと第2の不織布Qとの間隙を通じて吸収体の表面に戻り、吸収されるので、外部に漏れることは阻止される。
図6(A)は、浮上状態を示しており、キャナル底面部は、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合していない。
図6(B)は、接合状態を示しており、キャナル底面部は、左右方向の中央に存在するキャナル接合部82dにおいて、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合している。
吸収体物品本体14に対するこの起立性サイドガード20dの配置状態については、図11(C)を用いて、間隙Gの存在状態等については、図20を用いて、後述する。
図7に示される吸収体物品1fは、基本的に、図6に示される吸収体物品1eと同様であるが、起立性サイドガード20eが、左右一対の外部側面シート16eがそれぞれ結合する、左右一対の第2伸縮性頭部30を更に有する点で、異なる。
図7に示される例では、具体的には、外部側面シート16eを構成する第1の不織布Pが、その先端に配置された第2伸縮性頭部30を被覆して起立性サイドガード20eを形成している。第2の不織布Qの外側は、第1の不織布Pに重なって延在している。
この例でも、図6に示される吸収体物品と同様に、第1の不織布Pと第2の不織布Qとが互いに結合した部位と結合しない部位とを有し、結合していない部位では、図7に示されるように、第1の不織布Pと第2の不織布Qとの間に、間隙が存在している。この態様においては、第1の不織布Pと第2の不織布Qとが、それぞれの前端から前身頃にかかる部分及び後端から後身頃にかかる部分において互いに結合し、かつ、前身頃の股下部付近から股下部を経て後身頃の股下部付近にかけての部分において互いに結合していないのが好ましい。
この態様の吸収体物品1fは、着用時に、図3に示される側面開口Soを有する吸収体物品1bと同様の効果を奏する。すなわち、第1の不織布Pと第2の不織布Qとが結合していない部位があるため、着用者の体位や動きにより左右の垂下部28aが上下動できるような移動自由度と可動性を備えているため、伸縮性頭部18の着用者の股下部(クロッチ部)への密着性がより確実に保たれる。また、例えば、着用時に体液が体液受容キャナルCaを溢流して左右にこぼれるような事態が生じても、溢流した体液は、第1の不織布Pと第2の不織布Qとの間隙Gを通じて吸収体12の表面に戻り、吸収されるので、外部に漏れることは阻止される。
この例では、起立性サイドガード20eを構成する外部側面シート16eが第2伸縮性頭部30を備えているため、図6に示される吸収体物品1eと比べて、コストが高くなるものの、外部側面シート16eが安定な起立状態を保ちやすいという利点がある。
図7(A)は、浮上状態を示しており、キャナル底面部は、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合していない。
図7(B)は、接合状態を示しており、キャナル底面部は、左右方向の中央に存在するキャナル接合部82dにおいて、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合している。
吸収体物品本体14に対するこの起立性サイドガード20eの配置状態については、図11(D)を用いて、後述する。
図8及び図9に示される吸収体物品は、いずれも、キャナルシートが少なくとも一部において液透過性であり、かつ、キャナルシートの下側に、前後方向に延在し、両縁部がキャナルシートに結合し、その内面により体液の通路を形成する、通路シートを更に具備する例である。
この態様は、キャナルシートにより形成される体液受容キャナルと、その下側に設けられる、通路シートにより形成される体液の通路とを有しており、すなわち、上下2重の通路を有する。
体液受容キャナルは、キャナル部からの溢流を発生させないように、体液を確実に受容する。
体液受容キャナルを形成するキャナルシートは、少なくとも一部(底面)が液透過性である。これにより、体液が体液受容キャナルの底面から体液の通路へと移動することが可能になる。キャナルシートの少なくとも一部を液透過性とする方法は、特に限定されず、例えば、キャナルシートの底面部分を構成する材料として、親水性材料を用いる方法、多孔性材料を用いる方法が挙げられる。この態様においては、キャナルシートの体液受容キャナルの底面となる部分だけでなく、キャナルシートの全体が液透過性であったもよい。
通路シートが形成する体液の通路は、キャナルシートを透過してきた体液をトラップし、再度流れを制御し、体液を前後方向にガイドして移動させる機能を奏する。したがって、通路シートは、液不透過性であるのが好ましい。通路シートを液不透過性とする方法は、特に限定されず、例えば、通路シートを構成する材料として、疎水性不織布を用いる方法、防漏性フィルムを用いる方法が挙げられる。
図8に示される吸収体物品1gは、基本的に、図1に示される吸収体物品1と同様であるが、更に、キャナルシート22の下側に、前後方向に延在し、両縁部がキャナルシート22に接合部88で結合し、その内面により体液の通路を形成する、通路シート32を更に具備する。
図8(A)は、浮上状態を示しており、キャナル底面部の下側に設けられた通路シート32の下側面(体液の通路の底面部)は、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合していない。
図8(B)は、接合状態を示しており、キャナル底面部の下側に設けられた通路シート32の下側面(体液の通路の底面部)は、左右方向の中央に存在する通路接合部90において、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合している。
吸収体物品本体14に対するこの起立性サイドガード20等の配置状態については、図12(A)を用いて、後述する。
なお、図8に示される吸収体物品1gは、上述したように、図1に示される吸収体物品1に通路シート32を設けたものであるが、本発明においては、図2に示される吸収体物品1aや図3に示される吸収体物品1bにおいても、同様に通路シートを設けることができる。
図9に示される吸収体物品1hは、基本的に、図4に示される吸収体物品1cと同様であるが、更に、キャナルシート22の下側に、前後方向に延在し、両縁部がキャナルシート22に接合部88aで結合し、その内面により体液の通路を形成する、通路シート32aを更に具備する。
図9(A)は、浮上状態を示しており、キャナル底面部の下側に設けられた通路シート32aの下側面(体液の通路の底面部)は、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合していない。
図9(B)は、接合状態を示しており、キャナル底面部の下側に設けられた通路シート32aの下側面(体液の通路の底面部)は、左右方向の中央付近の左右2箇所の通路接合部90aにおいて、吸収体12(より具体的には、トップシート24で被覆された吸収体12)の表面に結合している。
吸収体物品本体に対するこの起立性サイドガード20b等の配置状態については、図12(B)を用いて、後述する。
図10〜図12は、いずれも、吸収体物品本体に配置された、起立性サイドガード及びキャナルシート等の例の模式的な平面図である。図10〜図12においては、吸収体物品本体は図示を省略してある。
図10〜図12に示されるように、起立性サイドガードとそれに連結されたキャナルシート又はキャナル部材とは、前後方向の前端及び後端においては、それぞれ前端接合部及び後端接合部で吸収体物品本体と結合し、固定されており、また、左右方向の両側縁においては、それぞれ外部側面接合部92で吸収体物品本体と結合し、固定されている。
図10は、起立性サイドガードの外部側面シートと、キャナルシートとが連続した1種類の不織布で構成されている、図1及び図3に示される吸収体物品に対応している。
図10(A)は、図1に示される吸収体物品1に対応している。
図10(A)においては、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る左右の外部側面シート16と、前身頃F、股下部C及び後身頃Rにわたって配置される左右一対の伸縮性頭部18と、左右一対の外部側面シートに連結され中央に垂下するキャナルシート20が示されている。
キャナル底面部と吸収体12の表面(より具体的には、トップシート24)とは、左右方向の中央付近で、股下部Cから前身頃F及び股下部Cから後身頃Rにかかる範囲で、キャナル接合部82において、キャナルシート20の全長のほぼ60%の範囲で線状に接合されている。接合は、例えば、ホットメルトにより行われる。
このように、キャナル接合部の長さが、キャナルシートの全長に対して50%以上であるのは、本発明の好適な態様の一つである。上記範囲であると、キャナルシートの位置がより安定化し、左右方向にずれにくくなる。
吸収体物品1に応力をかけない状態(テンションフリーの状態)にすると、キャナル部は、この股下部Cの前後に存在するキャナル接合部82を含む端面では、図1(B)に示されるようなV字型に類似した形状を示し、前身頃Fから前端接合部94まで及び後身頃Rから後端接合部96までのキャナル接合部82を含まない端面では、図1(A)に示されるような浮上状態を示している。
図10(B)は、図3に示される吸収体物品1bに対応している。
図10(B)においては、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る左右の外部側面シート16aと、前身頃F、股下部C及び後身頃Rにわたって配置される左右一対の伸縮性頭部18と、左右一対の外部側面シート16aに連結され中央に垂下するキャナルシート20aが示されている。
キャナル底面部と吸収体の表面(より具体的には、トップシート24)とは、左右方向の中央付近で、股下部Cから前身頃F及び股下部Cから後身頃Rにかかる範囲で、キャナル接合部82において、線状に接合されている。接合は、例えば、ホットメルトにより行われる。
吸収体物品に応力をかけない状態(テンションフリーの状態)にすると、キャナル部は、この股下部Cの前後に存在するキャナル接合部82を含む端面では、図3(B)に示されるようなV字型に類似した形状を示し、前身頃Fから前端接合部94まで及び後身頃Rから後端接合部96までのキャナル接合部82を含まない端面では、図3には示されていないが、図1(A)に示されるような浮上状態を示している。
左右一対の外部側面シート16aは、それぞれ側面開口Soを有している。図10(B)に示される外部側面シート16aにおいては、側面開口Soとして、前後方向に延在する長さの短いスリットが多数設けられている。
側面開口Soの基本的な効果は、図3を用いて説明したとおりである。
また、側面開口Soとして、このような多数のスリットを設けると、着用時において、スリットの上側部と下側部とは、網目状に繋がって下部が起立状態を保つ。これにより、体液が吸収体12の表面を左右に流れて発生する側面漏れを防止するという、いわゆるバンク効果も奏する。
図10(C)は、図3に示される吸収体物品1bに対応している。
図10(C)に示される態様は、基本的には、図10(B)に示される態様と同様であるが、側面開口Soの態様が異なる。図10(C)に示される外部側面シートSoにおいては、その下縁部付近に、側面開口Soとして、前後方向に延在する1本の切欠きが設けられている。
側面開口Soの基本的な効果は、図3を用いて説明したとおりである。
また、側面開口Soとして、このような切欠きを設けると、着用時において、スリットの上側部と下側部とは、完全に切り離され、キャナル部全体の移動自由度が高くなり、特に、伸縮性頭部18の前後及び左右の可動範囲が高くなり、着用者の股下部(クロッチ部)に密着状態を維持することが容易になるという効果が高くなる。他方、いわゆるバンク効果は、図10(B)に示される態様と比べて、低くなる。
図10(D)は、図3に示される吸収体物品1bに対応している。
図10(D)に示される態様は、基本的には、図10(B)に示される態様と同様であるが、側面開口Soの態様が異なる。図10(D)に示される外部側面シート16aにおいては、その上縁部付近に、側面開口Soとして、前後方向に延在する1本の切欠きが設けられている。
側面開口Soの基本的な効果は、図3を用いて説明したとおりである。
また、側面開口Soとして、このような切欠きを設けると、着用時において、スリットの上側部と下側部とは、完全に切り離され、キャナル部全体の移動自由度が高くなり、特に、伸縮性頭部の前後及び左右の可動範囲が高くなり、着用者の股下部(クロッチ部)に密着状態を維持することが容易になるという効果が高くなる。他方、いわゆるバンク効果は、図10(B)に示される態様と比べて、低くなるが、図10(C)に示される態様と比べると、側面開口Soの位置が高いため、高くなる。
図11は、起立性サイドガードの外部側面シートと、キャナルシートとが異なる2種類の不織布で構成されている、図4、図6及び図7に示される吸収体物品に対応している。
図11(A)は、図4に示される吸収体物品1cに対応している。
図11(A)に示される吸収体物品1cにおいては、左右一対の外部側面シート16bを構成し、伸縮性頭部18を被覆する第1の不織布Pと、垂下して体液受容キャナルを形成するキャナルシート22bを構成する第2の不織布Qの2枚の不織布が用いられている。
第1の不織布Pは、吸収体物品本体14に対して、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る前後方向の全長に配置されている。
第2の不織布Qは、股下部Cから前身頃Fまで及び股下部Cから後身頃Rの前身頃F側の部分までに配置されている。
第1の不織布P及び第2の不織布Qの縁部は内面接合部84で接合されている。
キャナル底面部と吸収体12の表面(より具体的には、トップシート24)とは、左右方向の中央付近で、股下部Cから後身頃Rにかかる範囲で、キャナル接合部82bにおいて、キャナルシート22bの全長の約70%の範囲で線状に接合されている。接合は、例えば、ホットメルトにより行われる。
吸収体物品に応力をかけない状態(テンションフリーの状態)にすると、キャナル部は、この股下部Cに存在するキャナル接合部82bを含む端面では、図4(B)に示されるようなV字型に類似した形状を示し、前身頃Fに存在するキャナル接合部82bを含まない端面では、図4(A)に示されるような浮上状態を示している。
図11(B)は、図4に示される吸収体物品1cに対応している。
図11(B)に示される吸収体物品1cにおいては、左右一対の外部側面シート16bを構成し、伸縮性頭部18を被覆する第1の不織布Pと、垂下するキャナル部を形成するキャナルシート22bを構成する第2の不織布Qの2枚の不織布が用いられている。
第1の不織布Pは、吸収体物品本体14に対して、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る前後方向の全長に配置されている。この点は、図11(A)に示される態様と同様である。
第2の不織布Qは、吸収体物品本体14に対して、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る前後方向の全長に配置されている。この点は、図11(A)に示される態様と異なる。
第1の不織布P及び第2の不織布Qの縁部は内面接合部84で前端から後端まで接合されている。
キャナル底面部と吸収体12の表面(より具体的には、トップシート24)とは、左右方向の中央付近で、股下部Cから前身頃F及び股下部Cから後身頃Rにかかる範囲で、キャナル接合部82bにおいて、キャナルシート22bの全長のほぼ60%の範囲で線状に接合されている。接合は、例えば、ホットメルトにより行われる。
吸収体物品に応力をかけない状態(テンションフリーの状態)にすると、キャナル部は、この股下部Cの前後に存在するキャナル接合部82bを含む端面では、図4(B)に示されるようなV字型に類似した形状を示し、前身頃Fから前端接合部94まで及び後身頃Rから後端接合部96までのキャナル接合部82bを含まない端面では、図4(A)に示されるような浮上状態を示している。
図11(C)は、図6に示される吸収体物品1eに対応している。
図11(C)に示される吸収体物品1eにおいては、左右一対の外部側面シート16dを構成する第1の不織布Pと、左右一対の伸縮性頭部18を被覆し、体液受容キャナルを形成するキャナルシート22dを構成する第2の不織布Qの2枚の不織布が用いられている。
第1の不織布Pは、吸収体物品本体14に対して、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る前後方向の全長に配置されている。
第2の不織布Qは、吸収体物品本体14に対して、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る前後方向の全長に配置されている。
第1の不織布Pと第2の不織布Qとは、互いにオーバーラップするように配置され、前端及び後端以外の部位においては、重ね合わされるだけで接合されず、間隙Gが存在するようになっている。
第1の不織布P及び第2の不織布Qのオーバーラップ部34においては、接合部分が、前端部から前身頃へ、及び/又は、後端部から後身頃へと延展されていてもよいが、少なくとも股下部及びその前後はオーバーラップするだけで、非接合状態であるのが好ましい。接合方法は、特に限定されず、例えば、連続的に接合する態様、スポット状に接合する態様が挙げられる。
キャナル底面部と吸収体12の表面(より具体的には、トップシート24)とは、左右方向の中央付近で、股下部Cから前身頃F及び股下部Cから後身頃Rにかかる範囲で、キャナル接合部82dにおいて、キャナルシート22dの全長のほぼ60%の範囲で線状に接合されている。接合は、例えば、ホットメルトにより行われる。
吸収体物品に応力をかけない状態(テンションフリーの状態)にすると、キャナル部は、この股下部Cの前後に存在するキャナル接合部22dを含む端面では、図6(B)に示されるようなV字型に類似した形状を示し、前身頃Fから前端接合部94まで及び後身頃Rから後端接合部96までのキャナル接合部22dを含まない端面では、図6(A)に示されるような浮上状態を示している。
股下部及びその前後においては、第1の不織布Pと第2の不織布Qとが互いに接合されていないため、キャナル部、伸縮性頭部18及びキャナルシート22dの垂下部28aは、外部側面シート16dとの接合が全くなく、フローティング状態が保たれ、可動範囲が広く、着用者の身体にフィットしやすい構造となっている。
また、第1の不織布Pと第2の不織布Qとの間に存在する間隙Gは、図10(A)〜図10(C)を用いて説明した側面開口Soの効果と同様の効果を奏する。
図11(D)は、図7に示される吸収体物品1fに対応している。
図11(D)に示される吸収体物品1fにおいては、左右一対の第2伸縮性頭部30を被覆し、左右一対の外部側面シート16eを構成する第1の不織布Pと、左右一対の伸縮性頭部18を被覆し、体液受容キャナルを形成するキャナルシート22dを構成する第2の不織布Qの2枚の不織布が用いられている。
第1の不織布Pは、吸収体物品本体14に対して、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る前後方向の全長に配置されている。
第2の不織布Qは、吸収体物品本体14に対して、前端接合部94から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端接合部96に至る前後方向の全長に配置されている。
第1の不織布Pと第2の不織布Qとは、互いにオーバーラップするように配置され、前端及び後端以外の部位においては、重ね合わされるだけで接合されず、間隙Gが存在するようになっている。
第1の不織布P及び第2の不織布Qのオーバーラップ部34aにおいては、接合部分が、前端部から前身頃へ、及び/又は、後端部から後身頃へと延展されていてもよいが、少なくとも股下部及びその前後はオーバーラップするだけで、非接合状態であるのが好ましい。接合方法は、特に限定されず、例えば、連続的に接合する態様、スポット状に接合する態様が挙げられる。
第1の不織布P及び第2の不織布Qのオーバーラップの状態及び間隙の存在は、図11(C)に示される態様と類似するが、第1の不織布Pで構成される外部側面シート16eが第2伸縮性頭部30を有することにより、安定な起立状態を保つようになり、発生する間隙の形状を前後左右に一定に維持することが容易になる。
キャナル底面部と吸収体12の表面(より具体的には、トップシート24)とは、左右方向の中央付近で、股下部Cから前身頃F及び股下部Cから後身頃Rにかかる範囲で、キャナル接合部82dにおいて、キャナルシート22dの全長のほぼ60%の範囲で線状に接合されている。接合は、例えば、ホットメルトにより行われる。
吸収体物品に応力をかけない状態(テンションフリーの状態)にすると、キャナル部は、この股下部Cの前後に存在するキャナル接合部82dを含む端面では、図7(B)に示されるようなV字型に類似した形状を示し、前身頃Fから前端接合部94まで及び後身頃Rから後端接合部96までのキャナル接合部82dを含まない端面では、第1の不織布Pと第2の不織布Qの左右の垂下部28aとが間隙Gを有する図7(A)に示されるような浮上状態を示している。
股下部及びその前後においては、第1の不織布Pと第2の不織布Qとが互いに接合されていないため、図11(C)に示される態様と同様に、キャナル部、伸縮性頭部18及びキャナルシート22dの垂下部28aは、外部側面シート16eとの接合が全くないのでフローティング状態が保たれ、可動範囲が広く、着用者の身体にフィットしやすい構造となっている。
また、第1の不織布Pと第2の不織布Qとの間に存在する間隙Gは、図10(A)〜図10(C)を用いて説明した側面開口Soの効果と同様の効果を奏する。
図12は、更に、通路シートを有する例であり、図8及び図9に示される吸収体物品に対応している。
図12(A)は、図8に示される吸収体物品1gに対応している。上述したように、図8に示される吸収体物品1gは、図1に示される吸収体物品1(図10(A)に対応する。)のキャナル底面部に通路シート32を接合したものである。
通路シート32は、前後方向において、股下部Cを中心に前身頃F及び後身頃Rにかけて配置されている。通路シート32は、左右方向が伸縮性頭部18の内側に収まるように配置されている。
通路シート32の左右の側縁は、接合部88において、キャナルシート22に接合され、通路シート32と吸収体12の表面とは左右方向の中央部で、通路接合部90において、通路シート32の前後方向のほぼ全長で線状に接合されている。接合は、例えば、ホットメルトにより行われる。
この例では、外部側面シート16及びキャナルシート22を構成する不織布としては、PE/PP繊維製のSB不織布(例えば、目付量15g/m2)を、界面活性剤のコーティングによる親水化処理を施すなどにより、キャナル底面部が親水性としたものを用いるのが好ましい態様の一つである。通路シート32を構成する不織布としては、疎水性で防漏性をもつPP繊維製のSMS不織布(例えば、目付量15g/m2)を用いるのが好ましい態様の一つである。
図12(B)は、図9に示される吸収体物品1hに対応している。上述したように、図9に示される吸収体物品1hは、図4に示される吸収体物品1c(図11(B)に対応する。)のキャナル底面部に通路シート32aを接合したものである。
通路シート32aは、前後方向において、股下部Cを中心に前身頃F及び後身頃Rにかけて配置されている。通路シート32aは、幅広であり、側縁を折り畳んであるが、左右方向が伸縮性頭部18の外側にはみ出すように配置されている。このような態様の通路シート32aは、形成される体液の通路の断面積が大きく、体液を安定的に移動させることができる。
通路シート32aの左右の側縁は、接合部88aにおいて、キャナルシート22bに接合され、通路シート32aと吸収体12の表面とは左右2箇所で、通路接合部90aにおいて、通路シート32aの前端及び後端以外の部分で通路シート32aの全長に対してほぼ90%の範囲で線状に接合されている。接合は、例えば、ホットメルトにより行われる。
この例では、外部側面シート16bを構成する第1の不織布Pとしては、PP繊維製のSMS不織布(例えば、目付量13g/m2)を用いるのが好ましい態様の一つである。キャナルシート22bを構成する第2の不織布Qとしては、PE/PP繊維製のSB不織布(例えば、目付量15g/m2)を、界面活性剤のコーティングによる親水化処理を施すなどにより、キャナル底面部が親水性としたものを用いるのが好ましい態様の一つである。通路シート32aを構成する不織布としては、液不透過性シートとして、ティッシュペーパーをラミネートしたPE樹脂フィルムを、PEフィルムが吸収体面側に面するようにして用いるのが好ましい態様の一つである。
外部側面シート、キャナルシート及び通路シートに用いられる材料について説明する。
外部側面シート、キャナルシート及び通路シートに用いられる材料は、いずれも体液の吸収性、特に、体液の保有性が小さいものであるのが好ましい。
体液受容キャナルにおいて体液を受容し、移動させ、分配するキャナル機能を奏するためには、体液受容キャナルを形成するキャナルシートが、受容した体液をそのまま吸収し、保有するような吸収体に類似する機能を有することは好ましくなく、体液の保有性が少ない材料であるのが好ましい。体液受容キャナルに用いられる材料としては、具体的には、例えば、目付量の小さい、疎水性の合成繊維不織布が好適に挙げられる。
他方、体液が体液受容キャナルの中を、左右方向にあまり移動せず、前後方向に円滑に移動するためには、体液受容キャナルを形成するキャナルシートが表面に濡れ性を備えているのが好ましい。
上記の二つの相反する要求特性を矛盾なく解決するためには、表面親水化不織布と液不透過性フィルムとを接合一体化した複層シートを用いるのが好ましい。
複層シートを構成する表面親水化不織布としては、例えば、表面を界面活性剤で親水化処理した合成繊維不織布が好ましい。合成繊維不織布としては、例えば、PE、PP、PET、樹脂等を主成分とするスパンメルト不織布(例えば、SB不織布、SMS不織布、SMMS不織布);PE/PP、PE/PET等のバイコンポーネント繊維を主成分とするエアーレイド不織布;レーヨン、リヨセル、コットン等の親水性繊維を主成分とするスパンレース不織布;木材パルプ、PVA、ショートカット繊維等を主成分とする湿式不織布等が好適に挙げられる。合成繊維不織布は、比較的薄い不織布であるのが好ましく、例えば、目付量5〜40g/m2であるのが好ましい。
複層シートを構成する液不透過性フィルムとしては、例えば、PE、PP、PVA、PET、EVA樹脂等を主成分とする包材フィルム;SBR、ポリウレタン、天然ゴム等を主成分とする弾性フィルムが好適に挙げられる。複層シートを構成する液不透過性フィルムは、比較的薄いフィルムであるのが好ましく、例えば、5〜30μmであるのが好ましい。
外部側面シートに用いられる材料としては、体液に対する透過抵抗性(防漏性)を有する材料(例えば、不織布)であるのが好ましく、例えば、従来、おむつに用いられている疎水性のスパンメルト不織布(例えば、PE、PP樹脂等を主成分とするSB不織布、SMS不織布)が好ましい。また、上述した表面親水化不織布と液不透過性フィルムとを接合一体化した複層シートを用いるのも好ましい。
キャナルシートに用いられる材料としては、外部側面シートに用いられる材料として挙げたものが好ましい。ただし、後述する通路シートと組み合わせて用いられる場合には、キャナルシートの少なくとも一部(底面部)が液透過性を有するのが好ましく、具体的には、例えば、キャナルシートの一部又は全部を親水化処理した液透過性不織布;開孔(例えば、漏斗型)を有する液透過性開孔フィルム(例えば、PE製)が好適に挙げられる。この場合においても、体液の保有性が低いのが好ましい。
通路シートに用いられる材料としては、液不透過性であるのが好ましく、例えば、上述した液不透過性フィルム;従来、おむつのバックシートとして用いられている防漏シート;上述した表面親水化不織布と液不透過性フィルムとを接合一体化した複層シートが好適に挙げられる。中でも、体液が通路シートが形成する体液の通路の中を、左右両縁からオーバーフローせず、前後方向に円滑に移動するためには、表面親水化不織布と液不透過性フィルムとを接合一体化した複層シートが好ましい。
体液受容キャナルは、キャナルシートが吸収体の表面に向かってハンモック状に垂下して形成され、横端面図においてV字型、U字型等の形状を呈する。体液受容キャナルの中央付近には、底面が形成されており、その両側には側面が形成されている。
本発明の吸収体物品においては、体液受容キャナルの底面を構成するキャナルシートの下面の一部と吸収体の表面とが結合しているのが好ましい。すなわち、体液受容キャナルが、浮上状態及び接合状態の二つの状態を有しているのが好ましい。
体液受容キャナルの垂下状態(キャナルシートが吸収体の表面に向かってハンモック状に垂下している状態)は、左右一対の伸縮性頭部間の内側の間隔(頭部開口幅)wに対する、左右一対の伸縮性頭部の上面を結ぶ面とキャナルシートの左右方向の中央部における上面との距離hの比である、垂下度(h/w)で表すことができる。
図13は、体液受容キャナルの垂下状態の説明図である。図13においては、図4に示される吸収体物品1cを例として用いている。
図13(A)は、吸収体物品1cに応力をかけて、左右及び前後に開いた状態の図である。この図は、吸収体物品1cの製造時の状態を模式的に表現しているということができる。この状態では、外部側面シート16b及びキャナルシート22bのいずれも、前後方向の全長にわたって左右方向に引っ張られており、左右一対の伸縮性頭部18間の内側の間隔wが最大になり、かつ、左右一対の伸縮性頭部18の上面を結ぶ面とキャナルシート22bの左右方向の中央部における上面との距離hが最小になっている。子供用おむつを例に挙げると、w0が、60〜90mmで、h0が、伸縮性頭部18がキャナルシート22bの上面とほぼ接触しているので、ほぼ0mmで、垂下度h0/w0は、ほぼ0である。なお、この状態は、吸収体物品1cに応力をかけない状態(テンションフリーの状態)での前端部及び後端部における存在状態と同様ということができる。
図13(B)及び図13(C)は、いずれも、吸収体物品1cに応力をかけない状態(テンションフリーの状態)の図である。この状態では、吸収体物品本体14は弓状に湾曲している。
図13(B)は、体液受容キャナルCaの浮上状態を示している。浮上状態は、吸収体物品1cの前端から前身頃にかけて及び後端から後身頃にかけての部位に存在するのが好ましい。浮上状態においては、相対的に、wが大きく、hが小さい。子供用おむつを例に挙げると、w1が、50〜70mmで、h1が、5〜20mmで、垂下度h1/w1は、0.1〜0.4であるのが好ましい。
図13(C)は、体液受容キャナルCaの接合状態を示している。接合状態は、吸収体物品1cの股下部及びその前後の部位に存在するのが好ましい。接合状態においては、相対的に、wが小さく、hが大きくなる。接合状態の部位においては、左右一対の伸縮性頭部18間の内側の間隔wは、着用時に着用者の股下部(クロッチ部)の内側の体液排出器の両側面にピンポイントで接触できるような幅とするのが好ましい。具体的には、男性であれば陰嚢及びペニスを体液受容キャナルCa内にぴったりと収容する位置、女性であれば尿道口を収容し大陰唇の外側に密着する位置が好ましい。子供用おむつを例に挙げると、テンションフリーの状態で、股下部において、w2が、30〜50mmで、h2が、30〜70mmで、垂下度h2/w2は、0.6〜2.3であるのが好ましい。大人用おむつでは、w2は、相対的に広くなるが、テンションフリーの状態で、股下部において、100mm以下であるのが通常である。なお、従来型の子供用おむつの場合、w2に相当する幅は、着用時は少なくとも50mm、通常は100mm前後であり、h2はほとんど0である。
つぎに、本発明の吸収体物品のより具体的な実施態様の例について説明する。
図14〜図16は、本発明の吸収体物品の実施態様の例を示す模式図である。図14は、子供用テープ型おむつ(Mサイズ)の態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図15(A)は、前記の状態の図14中のXV−XV線に沿った横端面図である。図15(B)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図14中のXV−XV線に沿った横端面図である。図16(A)は、前記の状態の図14中のXVI−XVI線に沿った横端面図である。図16(B)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図14中のXVI−XVI線に沿った横端面図である。
図14〜図16に示される吸収体物品100は、基本的に、シート状の防漏体11と、防漏体11の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体13とを有する吸収体物品本体(おむつ本体)15と、吸収体物品本体15の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が吸収体物品本体15に固定され、前記側縁の固定された位置(外部側面接合部93)から吸収体13の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シート17と、起立した外部側面シート17の頂点付近において、左右一対の外部側面シート17がそれぞれ結合する左右一対の伸縮性頭部19とを有する、起立性サイドガード21と、吸収体物品本体15の少なくとも前身頃Fの後方の一部から、股下部Cを経て、後身頃Rの前方の一部にわたって配置され、起立性サイドガード21に連結されて、左右一対の伸縮性頭部19から吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルCaを形成する、キャナルシート23とを具備する。各種部材同士の結合は、例えば、ホットメルト接着剤により行うことができる。
吸収体物品100においては、起立性サイドガード21は、前後方向の前端及び後端においては、それぞれ前端接合部95及び後端接合部97で吸収体物品本体15と結合し、固定されている。
起立性サイドガード21の外部側面シート17の内面と、側縁を内側に折り畳んだキャナルシート23の上縁とは、図4に示される吸収体物品1c及び図11(A)に示される態様と同様に、内面接合部85で、ホットメルト接着剤により接合され、連結される。
キャナルシート23は、吸収体13の左右方向の中央部に、前後方向に少なくとも前身頃Fの一部から股下部Cを経て後身頃Rの一部にまでわたって配置されている。
このキャナルシート23は、左右一対の起立性サイドガード21の伸縮性頭部19から吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下して、体液受容キャナルCaを形成している。
体液受容キャナルCaは、左右方向の中央、かつ、キャナル部の底面に相当する部位で、股下部Cにおいて前後方向に延在する線状のキャナル接合部83により、吸収体13(より具体的には、トップシート25)の表面と接合されている。
左右一対の外部側面シート17は、それぞれ、下端部付近において、前後方向に延在する切欠きCoが設けられ、切欠きCoの上下が切り離されている。この切欠きCoは、前後方向において、キャナル接合部83が存在する位置とほぼ同じ位置に設けられている。切欠きCoの全長は、外部側面シート17の全長のほぼ3分の1の長さである。
キャナル接合部83が存在しない前身頃Fにおいては、応力を加えた状態では、図15(A)に示されるように、平坦な配置になり、外部側面シート17及びキャナルシート23が折り畳まれた状態になり、左右一対の伸縮性頭部間の内側の間隔w3は、70mmになっている。
また、テンションフリーの緩和状態では、図15(B)に示されるように、外部側面シート17は、伸縮性頭部19と共に吸収体13の上方に向かって起立し、左右一対の伸縮性頭部19間には排出器を収容し体液の受容口となる頭部開口Hoを形成し、キャナルシート23は、左右方向の中央部に底部を持つ体液受容キャナルCaを形成する。すなわち、体液受容キャナルCaは、伸縮性頭部19間に存在する頭部開口Hoを有している。
図15(B)に示されるキャナル部は、浮上状態となっている。この部位の左右一対の伸縮性頭部19間の内側の間隔は、外部側面シート17の下端が固定されているため相対的に広がり、キャナル部の底面までの深さも浅く、また前後及び左右に移動しにくい。体液受容キャナルCaの垂下状態は、w4が、60mmで、h4が、15mmで、垂下度h4/w4は、0.25である。
キャナル接合部83が存在する股下部Cにおいては、応力を加えた状態では、図16(A)に示されるように、平坦な配置になり、外部側面シート17及びキャナルシート23が折り畳まれた状態になり、左右一対の伸縮性頭部間の内側の間隔w5は、70mmになっている。これは、切欠きCoが存在する以外、図15(A)に示されるのと同様である。
また、テンションフリーの緩和状態では、図16(B)に示されるように、外部側面シート17は、伸縮性頭部19と共に吸収体13の上方に向かって切欠きCoの拡がりをともなって起立し、左右一対の伸縮性頭部19間には排出器を収容し体液の受容口となる頭部開口Hoを形成し、キャナルシート23は、左右方向の中央部に底部を持つ体液受容キャナルCaを形成する。
図16(B)に示されるキャナル部は、接合状態となっており、V字型に類似した断面形状を有する。この部位の左右一対の伸縮性頭部19間の内側の間隔は、外部側面シート17の切欠きCoにより切欠きCoの上下が切り離され、伸縮性頭部19がフローティング状態になっているため、相対的に小さくなり、キャナル底面部までの深さも深く、また前後及び左右に移動しやすく、着用者の股下部(クロッチ部)にフィットしやすくなる。体液受容キャナルの垂下状態は、w6が、40mmで、h6が、70mmで、垂下度h6/w6は、1.75である。
キャナル部は、浮き上がった前方部分が高く、固定された後方部分が低くなるようになっている。
このように、左右一対の伸縮性頭部間の内側の間隔wが、テンションフリーの状態で、前身頃及び後身頃において、股下部よりも広くなっているのは、本発明の好適な態様の一つである。
間隔wは、テンションフリーの状態で、股下部において、100mm以下であるのが好ましく、60mm以下であるのがより好ましく、また、20mm以上であるのが好ましい。上記範囲であると、多くの着用者(大人)に対し、着用時に着用者の股下部(クロッチ部)の内側の体液排出器の両側面にピンポイントで接触できるようになる。
本発明の吸収体物品において、防漏体11の材質は、一般に、バックシートとして用いられているものを用いることができる。具体的には、例えば、PE、PP、PET、EVA等の樹脂のフィルム;前記樹脂の発泡シート等の体液不透過性シートを用いることができる。体液不透過性シートは、通気性フィルム等の通気性を有するものも好適に用いられる。
また、前記樹脂のフィルムを用いる場合には、感触や外観を向上させるために、フィルムと不織布との複層シートとして用いることもできる。この場合、不織布としては、比較的低目付のSB、サーマルボンド不織布(例えば、エアスルータイプ)等が好適に用いられる。
また、前記樹脂のフィルムと後述するシート状吸収体との複層シートを用いることもできる。
また、高耐水性不織布を用いることもできる。高耐水性不織布としては、例えば、耐水度100mmH2O以上の耐水性を有するSMS、不織布ウェブの細孔をミクロフィブリル化セルロース(MFC)やワックスで充填することにより耐水性を付与されたSMSが挙げられる。この場合、単独で用いてもよく、フィルムと高耐水性不織布との複層シートとして用いることもできる。
防漏体11は、複数の部材から構成されていてもよい。
防漏体11は、シート状であり、吸収体13等を上部に収納し得るものであれば、その形状を特に限定されない。
本発明に用いられる吸収体13は、体液を吸収しうるものであれば特に限定されず、従来公知の吸収体物品に用いられる吸収体を用いることができる。例えば、粉砕された木材パルプ、粉砕された木材パルプと粒状又は粉体状のSAPとを混合しマット状に成形した吸収体、薄いシート状に成形されたSAPを主成分とするシート状吸収体等を用いることができる。これらの吸収体は、その形状を保持し、同時にパルプやSAPから発生する微粉の発生や脱落を防ぐため、ティッシュペーパー、不織布、開孔フィルム等からなるコアラッピング材で被覆されているのが一般的である。本明細書においては、コアラッピング材が用いられている場合には、コアラッピング材も含めて「吸収体」と呼ぶ。
シート状吸収体は、形態安定性、SAPの脱落防止性能等に優れる。
シート状吸収体の中でも、SAPを50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有する高吸水性シートであるのが好ましい。また、高吸水性シートにおけるSAPの含有量は、高吸水性シートの安定性等の点で、95質量%以下であるのが好ましい。
高吸水性シートは、SAPを主成分とする極薄のシート状吸収体である。高吸水性シートは、SAPの含有量が極めて高いため、厚さが極めて薄い。高吸水性シートの厚さは、1.5mm以下であるのが好ましく、1mm以下であるのがより好ましい。
高吸水性シートは、SAPを主成分とする極薄のシート状吸収体であれば、構成や製造方法を特に限定されない。
例えば、Air Laid法で得られる高吸水性シートが挙げられる。Air Laid法は、粉砕した木材パルプとSAPとを混合し、結合剤を添加してシート状に成形して高吸水性シートを得る方法である。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、米国レオニヤ(Rayonier)社製のNOVATHIN(米国登録商標)、王子キノクロス社製のB−SAP等が知られている。
また、SAPの分散スラリーを不織布等の体液透過性シートの上にコーティングする方法で得られる高吸水性シートも挙げられる。ここで、SAPの分散スラリーは、SAPとミクロフィブリル化セルロース(MFC)とを、水とエタノールとの混合溶媒に分散させたものであるのが好ましい。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、(株)日本吸収体技術研究所製のMegaThin(登録商標)が知られている。
そのほかに、例えば、起毛状不織布にSAPを大量に担持させ、ホットメルトバインダー、エマルションバインダー、水性繊維等で固定する方法で得られる高吸水性シート、繊維状SAPをPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維と混合してウェブ状に成形する方法で得られる高吸水性シート、SAP層の上下をティッシュで挟んだSAPシートが挙げられる。
吸収体13は、防漏体11の上部に、少なくとも1層配置される。すなわち、吸収体13は、1層であってもよく、2層以上(複数層)であってもよい。
また、吸収体13は、折りたたんだ状態で配置することもできる。
吸収体物品本体15は、上述した防漏体11と、吸収体13とを有し、他の構成部材を有していてもよい。
図14〜図16に示される吸収体物品100は、左右一対のアウターレッグギャザー(OLG)36を有する。OLG30は、並列した2本のポリウレタンフィラメント(伸縮性部材)が、防漏体11とトップシート25との間に配置されることにより形成されている。本発明において、OLGは、これに限定されず、例えば、従来公知のものを用いることができる。
また、吸収体物品100においては、前部及び後部には、それぞれ、左右方向に左右側縁から中央部を被覆するように前部ポケット38及び後部ポケット40が設けられている。前部ポケット38は、防漏性のシート部材により構成され、その前端及び左右の側縁が密閉され、後方に向かって開口している。後部ポケット40は、防漏性のシート部材により構成され、後端及び左右の側縁が密閉され、前方に向かって開口している。前部ポケット38及び後部ポケット40に用いられる防漏性のシート部材としては、例えば、上述した防漏体11に用いられるものを用いることができる。
さらに、吸収体物品100においては、後部の左右側縁には着脱を可能にする着脱部材(結束具)42を備えている。また、防漏体11の前端付近の下面には、着脱部材42と互いに着脱自在となるように、着脱部材(図示せず)が設けられている。これらの着脱部材は、例えば、各種面ファスナーにより構成することができる。具体的には、後部の左右側縁に設けられる着脱部材42として、ベルクロテープ(雄)、防漏体11の前端付近の下面に設けられる着脱部材として、TLZ(雌)を用いることができる。
このおむつに尿が排出された場合、尿は従来のおむつのように直接吸収体の表面上に排出されるのではなく、頭部開口Hoを通じて体液受容キャナルCaにそのほぼ全量が収容され、体液受容キャナルCaを前方及び/又は後方に移動する。基本的に、体液が後部に移動しやすいように設計されているが、着用体位によって移動方向は異なってくる。
例えば、伏臥位の場合は、体液受容キャナルCaの垂下状態の前方に移動する量が多くなり、前身頃Fの中心部から前部ポケット38に移動し、左右及び前後に拡散していくが、前部ポケット38の前端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。このように、前部ポケット38により、左右一対の外部側面シート17の内側に存在する体液の前方への溢流が防止される。
また、座位、立位及び仰臥位の場合は、体液受容キャナルCaを後方に移動する量が多くなり、後身頃Rの中心部から後部ポケット40に移動し、左右及び前後に拡散していくが、後部ポケット40の後端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
どのような体位においても狭く、吸収容量の小さい股下部(クロッチ部)には、体液が直接排出されることはない。たとえ、尿が体液受容キャナルCaから伸縮性頭部19を越えてあふれ出て左右にこぼれ出しても、切欠きCoを通じて吸収体13の表面に移動し、吸収される。ただし、尿の溢流量が多く吸収体13の表面を流れるような状態に至った場合には、切欠きCoの存在する位置が低いため、外部側面シート17によるサイドバンク効果はあまり発揮されず、漏れ出だすことは考えられる。このように、この態様のおむつは股下部からの尿の横漏れが起こりにくい構造になっている。
また、この態様のおむつでは、吸収体13の表面と着用者の肌との間にはキャナルシート23が介在しているため、キャナルシート23が、着用者と、着用者から排出され吸収体13に吸収された尿との接触を防ぐバリヤーの役割を果たし、肌の湿潤や汚染が大幅に抑制される。
このおむつに便が排出されると、便は、後部の外部側面シート17に切欠きCoがなく、比較的広くなっている伸縮性頭部19間の頭部開口Hoから収容され、体液受容キャナルCaの後端部から吸収体13の表面に直接移動する。便が固形である場合は、そこにとどまるが、流動性が高い場合は、左右及び前後に移動する。後部には後部ポケット40が存在し、後部ポケット40の後端と両側面は密閉されているので、便が収容容量内である限り漏れ出すことはない。
図17は、本発明の吸収体物品の実施態様の別の例を示す模式図である。図17(A)は、子供用テープ型おむつ(Mサイズ)の態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図17(B)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図17(A)中のXVIIB−XVIIB線に沿った横端面図である。
図17に示される吸収体物品101は、基本的に、図14〜図16に示される吸収体物品100と同様であるが、キャナルシートの配置状態及び外部側面シートにおける開口の存在状態が異なる。
キャナルシート23aは、吸収体13の左右方向の中央部に、前後方向に前身頃Fの大部分をカバーし、股下部Cを経て、後身頃Rの一部にわたって配置され、前身頃Fでは前部ポケット38と重なるように配置されている。これは尿をできるだけ後部に移動させることができる態様である。
他方、乳幼児用や、下痢状態の流動性便に対応するために、キャナルシート23aは、吸収体13の左右方向の中央部に、前後方向に後身頃Rの大部分をカバーし、股下部Cを経て、前身頃Fの一部にわたって配置され、後身頃Rでは後部ポケット40と重なるように配置されている。これにより、流動性便を体液受容キャナルCaに捕集し、濃縮することにより、流動性便をおむつの外に漏らすことなく2回、3回と処理することが可能になる。
このキャナルシートCaは、左右一対の起立性サイドガード21の伸縮性頭部19から吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下してキャナル部を形成している。
体液受容キャナルCaは、左右方向の中央、かつ、キャナル部の底面に相当する部位で、股下部Cにおいて前後方向に延在する線状のキャナル接合部83aにより、前端及び後端以外の前後方向のほぼ全域で、吸収体13(より具体的には、トップシート25)の表面と接合されている。
左右一対の外部側面シート17においては、それぞれ、上縁部付近において、伸縮性頭部19に近接して、前後方向に延在する1個のスリットSlが設けられ、スリットSlの上下が切り離されている。このスリットSlは、前後方向において、股下部Cの範囲とほぼ同じ位置に設けられている。スリットSlの全長は、外部側面シート17の全長のほぼ3分の1の長さである。
テンションフリーの緩和状態では、図17(B)に示されるように、外部側面シート17は、伸縮性頭部19と共に吸収体13の上方に向かってスリットSlの大きな拡がりをともなって起立し、左右一対の伸縮性頭部19間には排出器を収容し体液の受容口となる頭部開口Hoを形成し、キャナルシート23aは、左右方向の中央部に底部を持つ体液受容キャナルCaを形成する。
図17(B)に示されるキャナル部は、接合状態となっており、テンションフリーの緩和状態では、V字型に類似した断面形状を有する。この部位の左右一対の伸縮性頭部19間の内側の間隔は、外部側面シート17のスリットSlによりスリットSlの上下が切り離されているため、伸縮性頭部19が外部側面シート17のスリットSlの下側部分と切り離され、伸縮性頭部19がフローティング状態になっているので、相対的に小さくなり、キャナル底面部までの深さも深く、また前後及び左右に移動しやすく、着用者の股下部(クロッチ部)にフィットしやすくなる。
このおむつに尿が排出された場合、尿は従来のおむつのように直接吸収体の表面上に排出されるのではなく、頭部開口Hoを通じて体液受容キャナルCaにそのほぼ全量が収容され、体液受容キャナルCaを前方及び/又は後方に移動する。基本的に、体液が後部に移動しやすいように設計されているが、着用体位によって移動方向は異なってくる。
例えば、伏臥位の場合は、体液受容キャナルCaの垂下状態の前方に移動する量が多くなり、前身頃Fの後端から前部ポケット38に移動し、左右及び前後に拡散していくが、前部ポケット38の前端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
また、座位、立位及び仰臥位の場合は、体液受容キャナルCaを後方に移動する量が多くなり、後身頃Rの中心部から後部ポケット40に移動し、左右及び前後に拡散していくが、後部ポケット40の後端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
どのような体位においても狭く、吸収容量の小さい股下部(クロッチ部)には、体液が直接排出されることはない。たとえ、尿が体液受容キャナルCaから伸縮性頭部19を越えてあふれ出て左右にこぼれ出しても、スリットSlを通じて吸収体13の表面に移動し、吸収される。たとえ、溢流量が多く吸収体13の表面を流れるような状態に至った場合であっても、スリットSlの存在する位置が高いため、外部側面シート17によるサイドバンク効果が発揮され、尿が外部へ漏れ出だすことが防止される。このように、この態様のおむつは、股下部からの尿の横漏れが極めて起こりにくい構造になっている。
また、この態様のおむつでは、吸収体13の表面と着用者の肌との間にはキャナルシート23aが介在しているため、キャナルシート23aが、着用者と、着用者から排出され吸収体13に吸収された尿との接触を防ぐバリヤーの役割を果たし、肌の湿潤や汚染が大幅に抑制される。
このおむつに便が排出されると、便は、後部の外部側面シート17にスリットSlがなく、比較的広くなっている伸縮性頭部19間の頭部開口Hoから収容され、体液受容キャナルCaの後端部から吸収体13の表面に直接移動する。便が固形である場合は、そこにとどまるが、流動性が高い場合は、左右及び前後に移動する。後部には後部ポケット40が存在し、後部ポケット40の後端と両側面は密閉されているので、便が収容容量内である限り漏れ出すことはない。
図18は、本発明の吸収体物品の実施態様の更に別の例を示す模式図である。図18(A)は、子供用テープ型おむつ(Mサイズ)の態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図18(B)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図18(A)中のXVIIIB−XVIIIB線に沿った横端面図である。
図18に示される吸収体物品102は、基本的に、図17に示される吸収体物品101と同様であるが、キャナルシートの配置状態並びに前部ポケット及び後部ポケットの形成状態が異なる。
キャナルシート23bは、吸収体13の左右方向の中央部に、前後方向に外部側面シート17と同様に吸収体物品本体15の前端部から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端部にわたって、すなわち、前身頃Fから後身頃Rまでの全長にわたって配置され、前端接合部95aと後端接合部97aで吸収体物品本体15の前端部及び後端部と外部側面シート17と共に結合している。
このキャナルシート23bは、左右一対の起立性サイドガード21の伸縮性頭部19から吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下してキャナル部を形成している。
キャナルシート23bの前身頃Fの前方には体液の吸収体13の表面への出口となる角が丸い横長長方形状の切欠きが前方出口Feとして設けられ、後身頃Rの股下部Cに近接する部位には体液の吸収体の表面への出口となる角が丸い正方形状の相対的に大きな切欠きが後方出口Reとして設けられている。
このように、体液受容キャナルを構成するキャナルシートに、着用者から排出された体液を吸収体に移行させるための出口が設けられているのは、本発明の好適な態様の一つである。
体液受容キャナルCaは、キャナルシート23bの前方出口Feと後方出口Reとの間において、左右方向の中央、かつ、キャナル部の底面に相当する部位で、前後方向に延在する帯状のキャナル接合部83bにより、吸収体13(より具体的には、トップシート25)の表面と接合されている。
キャナルシート23bの前方出口Feから前端にかかる部位は、底面は接合されずに浮上状態を保ち、前部ポケット38aを形成する。具体的には、キャナルシート23bの前端部と左右一対の外部側面シート17とにより、左右一対の外部側面シート17の内側に存在する体液の前方への溢流を防止する前部ポケット38aが構成されている。
キャナルシートの後方出口Reから後端にかかる部位は、底面は接合されずに浮上状態を保ち、後部ポケット40aを形成する。具体的には、キャナルシート23bの後端部と左右一対の外部側面シート17とにより、左右一対の外部側面シート17の内側に存在する体液の後方への溢流を防止する後部ポケット40aが構成されている。
左右一対の外部側面シート17においては、それぞれ、上縁部付近において、伸縮性頭部19に近接して、前後方向に延在する1個のスリットSlが設けられ、スリットSlの上下が切り離されている。このスリットSlは、前後方向において、前身頃Fの一部から股下部Cを経て後身頃Rの一部の範囲に設けられている。スリットSlの全長は、外部側面シート17の全長のほぼ2分の1の長さである。
テンションフリーの緩和状態では、図18(B)に示されるように、外部側面シート17は、伸縮性頭部19と共に吸収体13の上方に向かってスリットSlの大きな拡がりをともなって起立し、左右一対の伸縮性頭部19間には排出器を収容し体液の受容口となる頭部開口Hoを形成し、キャナルシート23bは、左右方向の中央部に底部を持つ体液受容キャナルCaを形成する。
図18(B)に示されるキャナル部は、接合状態となっており、テンションフリーの緩和状態では、V字型に類似した断面形状を有する。この部位の左右一対の伸縮性頭部19間の内側の間隔は、外部側面シート17のスリットSlによりスリットSlの上下が切り離されているため、伸縮性頭部19が外部側面シート17のスリットSlの下側部分と切り離され、伸縮性頭部19がフローティング状態になっているので、相対的に小さくなり、キャナル底面部までの深さも深く、また前後及び左右に移動しやすく、着用者の股下部(クロッチ部)にフィットしやすくなる。
図18に示される吸収体物品102の前部及び後部には、それぞれ、左右方向に左右側縁から中央部を被覆するようにキャナルシート23bにより構成される前部ポケット38a及び後部ポケット40aが設けられている。前部ポケット38aは前端及び左右の側縁が密閉され、後方に向かって開口している。後部ポケット40aは後端及び左右の側縁が密閉され、前方に向かって開口している。
このおむつに尿が排出された場合、尿は従来のおむつのように直接吸収体の表面上に排出されるのではなく、頭部開口Hoを通じて体液受容キャナルCaにそのほぼ全量が収容され、体液受容キャナルCaを前方及び/又は後方に移動し、前方出口Fe及び/又は後方出口Reから吸収体13の表面上に排出される。基本的に、体液が後部に移動しやすいように設計されているが、着用体位によって移動方向は異なってくる。
例えば、伏臥位の場合は、体液受容キャナルCaの垂下状態の前方に移動する量が多くなり、前方出口Feから前部ポケット38aに移動し、左右及び前後に拡散していくが、前部ポケット38aの前端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
また、座位、立位及び仰臥位の場合は、体液受容キャナルCaを後方に移動する量が多くなり、後方出口Reから後部ポケット40aに移動し、左右及び前後に拡散していくが、後部ポケット40aの後端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
どのような体位においても狭く、吸収容量の小さい股下部(クロッチ部)には、体液が直接排出されることはない。たとえ、尿が体液受容キャナルCaから伸縮性頭部19を越えてあふれ出て左右にこぼれ出しても、スリットSlを通じて吸収体13の表面に移動し、吸収される。たとえ、溢流量が多く吸収体13の表面を流れるような状態に至った場合であっても、スリットSlの存在する位置が高いため、外部側面シート17によるサイドバンク効果が発揮され、尿が外部へ漏れ出だすことが防止される。このように、この態様のおむつは、股下部からの尿の横漏れが極めて起こりにくい構造になっている。
また、この態様のおむつでは、吸収体13の表面と着用者の肌との間にはキャナルシート23bが介在しているため、キャナルシート23bが、着用者と、着用者から排出され吸収体13に吸収された尿との接触を防ぐバリヤーの役割を果たし、肌の湿潤や汚染が大幅に抑制される。
このおむつに便が排出されると、便は、後部の外部側面シート17にスリットSlがなく、比較的広くなっている伸縮性頭部19間の頭部開口Hoから収容され、体液受容キャナルCaの後端部から吸収体13の表面に直接移動する。便が固形である場合は、そこにとどまるが、流動性が高い場合は、左右及び前後に移動する。後部には後部ポケット40aが存在し、後部ポケット40aの後端と両側面は密閉されているので、便が収容容量内である限り漏れ出すことはない。
図19は、本発明の吸収体物品の実施態様の更に別の例を示す模式図である。図19(A)は、子供用テープ型おむつ(Mサイズ)の態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図19(B)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図19(A)中のXIX−XIX線に沿った横端面図である。
図19に示される吸収体物品103は、基本的に、図17に示される吸収体物品101と同様であるが、キャナルシートの配置状態並びに前部ポケット及び後部ポケットの形成状態が異なる。
キャナルシート23cは、吸収体13の左右方向の中央部に、前後方向に外部側面シート17と同様に吸収体物品本体15の前端から後端の全長にわたって配置され、前端接合部95bと後端接合部97bで吸収体物品本体15の前端及び後端と外部側面シート17と共に接合されている。
このキャナルシート23cは、左右一対の起立性サイドガード21の伸縮性頭部19から吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下してキャナル部を形成している。
キャナルシート23cの前身頃Fの前方には体液の吸収体13の表面への出口となる前後方向に伸びる短い、多数のスリットが前方スリット群Slfとして設けられ、前方スリット群Slfの前端にはキャナル部を左右に横切るように半月状のスリットSlが設けられ、これらにより前方出口Feが形成され、後身頃Rの股下部Cに近接する部位には体液の吸収体13の表面への出口となる前後方向に伸びる短い、多数のスリットが後方スリット群Slrとして設けられ、後方スリット群Slrの後端にはキャナル部を左右に横切るように半月状のスリットSlが設けられ、これらにより後方出口Reが形成されている。
体液受容キャナルCaは、キャナルシート23cの前方の半月状のスリットSlと後方の半月状のスリットSlとの間において、左右方向の中央、かつ、キャナル部の底面に相当する部位で、前後方向に延在する帯状のキャナル接合部83cにより、吸収体13の表面とが接合されている。キャナルシート23cの前方出口Feから前端にかかる部位は、底面は接合されずに浮上状態を保ち、前部ポケット38bを形成する。キャナルシートの後方出口Reから後端にかかる部位は、底面は接合されずに浮上状態を保ち、後部ポケット40bを形成する。
左右一対の外部側面シート17は、それぞれ、上縁部付近において、伸縮性頭部19に近接して、前後方向に延在する多数個(図19(A)においては11個)の短いスリットの組合せからなる側面開口Soが設けられ、スリットの上下が切り離されている。このスリットの組合せからなる側面開口Soは、前後方向において、前身頃Fの一部から股下部Cを経て後身頃Rの一部の範囲に設けられている。スリットの全長は、外部側面シート17の全長の2分の1を超える長さである。
テンションフリーの緩和状態では、図19(B)に示されるように、外部側面シート17は、伸縮性頭部19と共に吸収体の上方に向かって複数のスリットがネット状に拡がりながら起立し、左右一対の伸縮性頭部19間には排出器を収容し体液の受容口となる頭部開口Hoを形成し、キャナルシート23cは、左右方向の中央部に底部を持つ体液受容キャナルCaを形成する。
図19(B)に示されるキャナル部は、接合状態となっており、テンションフリーの緩和状態では、V字型に類似した断面形状を有する。この部位の左右一対の伸縮性頭部19間の内側の間隔は、外部側面シート17の複数のスリットの上下が切り離されているため、伸縮性頭部19が外部側面シート17の複数のスリットの下側部分と切り離され、伸縮性頭部がフローティング状態になっているので、相対的に小さくなり、キャナル部の底面までの深さも深く、また前後及び左右に移動しやすく、着用者の股下部(クロッチ部)にフィットしやすくなる。
図19に示される吸収体物品103の前部及び後部には、それぞれ、左右方向に左右側縁から中央部を被覆するようにキャナルシート23cにより構成される前部ポケット38b及び後部ポケット40bが設けられている。前部ポケット38bは前端及び左右の側縁が密閉され、後方に向かって開口している。後部ポケット40bは後端及び左右の側縁が密閉され、前方に向かって開口している。
このおむつに尿が排出された場合、尿は従来のおむつのように直接吸収体の表面上に排出されるのではなく、頭部開口Hoを通じて体液受容キャナルCaにそのほぼ全量が収容され、体液受容キャナルCaを前方及び/又は後方に移動し、前方出口Fe及び/又は後方出口Reから吸収体13の表面上に排出される。基本的に、体液が後部に移動しやすいように設計されているが、着用体位によって移動方向は異なってくる。
例えば、伏臥位の場合は、体液受容キャナルCaの垂下状態の前方に移動する量が多くなり、前方出口Feから前部ポケット38bに移動し、左右及び前後に拡散していくが、前部ポケット38bの前端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
また、座位、立位及び仰臥位の場合は、体液受容キャナルCaを後方に移動する量が多くなり、後方出口Reから後部ポケット40bに移動し、左右及び前後に拡散していくが、後部ポケット40bの後端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
どのような体位においても狭く、吸収容量の小さい股下部(クロッチ部)には、体液が直接排出されることはない。たとえ、尿が体液受容キャナルCaから伸縮性頭部19を越えてあふれ出て左右にこぼれ出しても、スリットSlを通じて吸収体13の表面に移動し、吸収される。たとえ、溢流量が多く吸収体13の表面を流れるような状態に至った場合であっても、スリットSlの存在する位置が高いため、外部側面シート17によるサイドバンク効果が発揮され、尿が外部へ漏れ出だすことが防止される。このように、この態様のおむつは、股下部からの尿の横漏れが極めて起こりにくい構造になっている。
また、この態様のおむつでは、吸収体13の表面と着用者の肌との間にはキャナルシート23bが介在しているため、キャナルシート23bが、着用者と、着用者から排出され吸収体13に吸収された尿との接触を防ぐバリヤーの役割を果たし、肌の湿潤や汚染が大幅に抑制される。
このおむつに便が排出されると、便は、後部の外部側面シート17にスリットSlがなく、比較的広くなっている伸縮性頭部19間の頭部開口Hoから収容され、体液受容キャナルCaの後方スリット群Slrが存在する部分付近に保持される。便が固形である場合は、そこにとどまり、又は体液受容キャナルCaの中を前方に移動する。便が流動性が高い場合は、固形分の大部分はそこにとどまるが、液状成分は後方スリット群Slr及び/又は後方の半月状のスリットSlを通過し、左右及び前後に移動する。後部には後部ポケット40bが存在し、後部ポケット40bの後端と両側面は密閉されているので、2、3回排便があっても、便が収容容量内である限り漏れ出すことはない。
図20は、本発明の吸収体物品の実施態様の更に別の例を示す模式図である。図20(A)は、子供用テープ型おむつ(Mサイズ)の態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図20(B)は、前記の状態の図20(A)中のXX−XX線に沿った横端面図である。図20(C)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図20(A)中のXX−XX線に沿った横端面図である。
図20に示される吸収体物品104は、基本的に、シート状の防漏体11と、防漏体11の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体13とを有する吸収体物品本体15と、吸収体物品本体15の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が吸収体物品本体15に固定され、前記側縁の固定された位置から吸収体13の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シート17aを有する、起立性サイドガード21aと、吸収体物品本体15の少なくとも前身頃Fの後方の一部から、股下部Cを経て、後身頃Rの前方の一部にわたって配置される、左右一対の伸縮性頭部19aと、左右一対の伸縮性頭部19aと結合し、左右一対の伸縮性頭部19aから吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルCaを形成する、キャナルシート23dとを有する、キャナル部材27とを具備し、起立性サイドガード21aの内側とキャナルシート23dとが連結する部分を有する。図20に示される吸収体物品104は、左右一対の外部側面シート19aがそれぞれ結合する、左右一対の第2伸縮性頭部31を更に有する。各種部材同士の結合は、例えば、ホットメルト接着剤により行うことができる。なお、図14等に示される吸収体物品100と同じ符号(添え字のアルファベットが異なるものを含む。)が付された部材については、吸収体物品100におけるのと同様である。
キャナルシート23dは、図7に示される吸収体物品及び図11(D)に示される態様を用いて説明したように、キャナル部となる中央部位と、左右一対の伸縮性頭部19aを被覆し、さらに左右に延展されそれぞれ垂下部29を構成する。
この垂下部29とオーバーラップして重なるように存在する、左右一対の伸縮性頭部19aを被覆した外部側面シート17aがおむつ本体の前後方向に前端から後端にわたって配置され、起立性サイドガード27を形成する。
この外部側面シート17aの前端及び後端と下端とは、おむつ本体と接合・固定されるが、垂下部29の外側面と、外部側面シート17aの内側面とは接合されずに、互いに前後及び左右に可動性を持つ状態に維持されている。外部側面シート17aの下端は、左右方向において、おむつ本体の左右側縁で防漏体11を被覆するトップシート25の表面とホットメルト接着剤により接合される。
このように図20に示される吸収体物品104は、並列した2種類の伸縮性頭部を持っている。
キャナルシート23dは、中央部では、左右一対の伸縮性頭部19aから吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下してキャナル部を形成している。
キャナルシート23dの前身頃Fの前方には体液の吸収体13の表面への出口となる前後方向に伸びる短い、多数のスリットが前方スリット群Slfとして設けられ、前方スリット群Slfの前端にはキャナル部を左右に横切るように半月状のスリットSlが設けられ、これらにより前方出口Feが形成され、後身頃Rの股下部Cに近接する部位には体液の吸収体13の表面への出口となる前後方向に伸びる短い、多数のスリットが後方スリット群Slrとして設けられ、後方スリット群Slrの後端にはキャナル部を左右に横切るように半月状のスリットSlが設けられ、これらにより後方出口Reが形成されている。
体液受容キャナルCaは、キャナルシート23dの前方の半月状のスリットSlと後方の半月状のスリットSlとの間において、左右方向の中央、かつ、キャナル部の底面に相当する部位で、前後方向に延在する帯状のキャナル接合部83dにより、吸収体13の表面とが接合されている。キャナルシート23dの前方出口Feから前端にかかる部位は、底面は接合されずに浮上状態を保ち、前部ポケット38cを形成する。キャナルシート23dの後方出口Reから後端にかかる部位は、底面は接合されずに浮上状態を保ち、後部ポケット40cを形成する。
左右一対の外部側面シート17aは、それぞれ、上縁部付近において、キャナルシート23dの垂下部29と重なり合うようにして存在する。
テンションフリーの緩和状態では、図20(C)に示されるように、キャナルシート23dと伸縮性頭部19aとを有するキャナル部材27は、吸収体13の上方に向かって起立し、左右一対の伸縮性頭部19a間には排出器を収容し体液の受容口となる頭部開口Hoと、中央部に底部を持つキャナル部を形成し、外部側面シート17aは、キャナルシート23dの垂下部29の外側に沿うように立ち上がる。
キャナル部の底面は吸収体13の表面に接合されV字状断面形状を呈する。この部位は外部側面シート17aには前後の一部を除いて接合されていないため、垂下部29と外部側面シート17aとの間には、前後方向に、外部側面シート17aの全長に対して2/3を超える長さの連続した間隙Gが存在し、キャナル部材27における左右一対の伸縮性頭部19aは前身頃Fから股下部Cを経て後身頃Rにわたってフローティング状態になり、特に、股下部Cでは左右一対の伸縮性頭部19a間の間隔は相対的に狭くなり、前後及び左右に動きやすく、着用者の股下部(クロッチ部)にフィットしやすくなる。
図20に示される吸収体物品104は、前部及び後部には、それぞれ、左右方向に左右側縁から中央部を被覆するようにキャナルシート23dにより構成される前部ポケット38c及び後部ポケット40cが設けられている。前部ポケットは38c前端及び左右の側縁が密閉され、後方に向かって開口している。後部ポケット40cは後端及び左右の側縁が密閉され、前方に向かって開口している。後部の左右側縁には着脱を可能にする着脱部材(結束具)42を備えている。
このおむつに尿が排出された場合、尿は従来のおむつのように直接吸収体の表面上に排出されるのではなく、頭部開口Hoを通じて体液受容キャナルCaにそのほぼ全量が収容され、体液受容キャナルCaを前方及び/又は後方に移動し、前方出口Fe及び/又は後方出口Reから吸収体13の表面上に排出される。基本的に、体液が後部に移動しやすいように設計されているが、着用体位によって移動方向は異なってくる。
例えば、伏臥位の場合は、体液受容キャナルCaの垂下状態の前方に移動する量が多くなり、前方出口Feから前部ポケット38cに移動し、左右及び前後に拡散していくが、前部ポケット38cの前端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
また、座位、立位及び仰臥位の場合は、体液受容キャナルCaを後方に移動する量が多くなり、後方出口Reから後部ポケット40cに移動し、左右及び前後に拡散していくが、後部ポケット40cの後端と両側面は密閉されているので、尿が吸収容量内である限り流れ出すことはない。
どのような体位においても狭く、吸収容量の小さい股下部(クロッチ部)には、体液が直接排出されることはない。たとえ、尿が体液受容キャナルCaから伸縮性頭部19aを越えてあふれ出て左右にこぼれ出しても、スリットSlを通じて吸収体13の表面に移動し、吸収される。たとえ、溢流量が多く吸収体13の表面を流れるような状態に至った場合であっても、スリットSlの存在する位置が高いため、外部側面シート17aによるサイドバンク効果が発揮され、尿が外部へ漏れ出だすことが防止される。このように、この態様のおむつは、股下部からの尿の横漏れが極めて起こりにくい構造になっている。
また、この態様のおむつでは、吸収体13の表面と着用者の肌との間にはキャナルシート23dが介在しているため、キャナルシート23dが、着用者と、着用者から排出され吸収体13に吸収された尿との接触を防ぐバリヤーの役割を果たし、肌の湿潤や汚染が大幅に抑制される。
このおむつに便が排出されると、便は、後部の外部側面シート17aにスリットSlがなく、比較的広くなっている伸縮性頭部19a間の頭部開口Hoから収容され、体液受容キャナルCaの後方スリット群Slrが存在する部分付近に保持される。便が固形である場合は、そこにとどまり、又は体液受容キャナルCaの中を前方に移動する。便が流動性が高い場合は、固形分の大部分はそこにとどまるが、液状成分は後方スリット群Slr及び/又は後方の半月状のスリットSlを通過し、左右及び前後に移動する。後部には後部ポケット40cが存在し、後部ポケット40cの後端と両側面は密閉されているので、2、3回排便があっても、便が収容容量内である限り漏れ出すことはない。
図21は、本発明の吸収体物品の実施態様の更に別の例を示す模式図である。図21(A)は、大人用テープ型おむつの態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図21(B)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図21(A)中のXXIB−XXIB線に沿った横端面図である。図21(C)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図21(A)中のXXIC−XXIC線に沿った横端面図である。
図21に示される吸収体物品105は、基本的に、シート状の防漏体11と、防漏体11の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体13とを有する吸収体物品本体15と、吸収体物品本体15の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が吸収体物品本体15に固定され、前記側縁の固定された位置から吸収体13の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シート17bと、起立した外部側面シート17bの頂点付近において、左右一対の外部側面シート17bがそれぞれ結合する左右一対の伸縮性頭部19bとを有する、起立性サイドガード21bと、吸収体物品本体15の少なくとも前身頃Fの後方の一部から、股下部Cを経て、後身頃Rの前方の一部にわたって配置され、起立性サイドガード21bに連結されて、左右一対の伸縮性頭部19bから吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルCaを形成する、キャナルシート23eとを具備し、更に、キャナルシート23eの下側に、前後方向に延在し、両縁部がキャナルシート23eに結合し、その内面により体液の通路を形成する、通路シート33を具備する。また、図21に示される吸収体物品105は、外部に体液を排出するための外部排出コネクター50を有している。さらに、吸収体物品105においては、後部の左右側縁には着脱を可能にする着脱部材(結束具)42aを備えている。また、防漏体11の前端付近の下面には、着脱部材42aと互いに着脱自在となるように、着脱部材(図示せず)が設けられている。これらの着脱部材は、例えば、各種面ファスナーにより構成することができる。なお、図14等に示される吸収体物品100と同じ符号(添え字のアルファベットが異なるものを含む。)が付された部材については、吸収体物品100におけるのと同様である。
図21に示される吸収体物品105は、例えば、通気性微細孔を持つPEフィルムとSB不織布とを積層したシート状の防漏体11と、防漏体11の上部に配置された粉砕パルプマットを主成分として構成された、吸収量は少ないがクッション性のある1層の吸収体13を有し、吸収体13の表面とその側面に位置する防漏体11の表面はPE/PP繊維製のSB不織布からなるトップシート25により被覆され、吸収体物品本体(おむつ本体)15が構成されている。
おむつ本体の前後方向に前端から後端にわたって配置され、その前端及び後端と側縁とが固定された左右一対の外部側面シート17bを有し、その外部側面シート17bの下端が、左右方向においておむつ本体の左右の側縁で防漏体11を被覆するトップシート25の表面とホットメルト接着剤により外部側面接合部93で接合され、さらにその外部側面シート17bが伸縮性頭部19bを持ち、下端接合位置から吸収体13の上方に向かって起立する起立性サイドガード21bとなる。
この起立性サイドガード21bの内面と、左右側縁を折り畳んだキャナルシート23eの上縁とが、ホットメルト接着剤により内面接合部85で接合されている。連結されたキャナルシート23eは、吸収体13の左右方向の中央部に、前後方向に外部側面シート17bと同様に前端から後端の全長にわたって配置され、前端接合部95d及び後端接合部97dで、吸収体物品本体15の前端及び後端と外部側面シート17bと共に接合されている。
このキャナルシート23eは、左右一対の起立性サイドガード21bの伸縮性頭部19bから吸収体13の表面に向かってハンモック状に垂下して、キャナル部を形成している。
この例では外部側面シート17bには、例えば、PP製のSMS不織布(例えば、目付量15g/m2)を使用し、キャナルシート23eには、例えば、親水化した液透過性のPE/PET繊維製のエアスルー不織布(例えば、目付量20g/m2)が用いられる。
この構造は基本的に図18に示される吸収体物品103と同様であるが、キャナル部の底面にさらに通路シート33が付加され、2重底構造を有している点で異なる。この通路シート33を有する構造は、図9に示される吸収体物品及び図12(B)に示される態様で説明したものである。キャナルシート23eの下側の面は、前身頃Fから股下部Cにかけて及び後身頃Rから股下部Cにかけて、通路シート33の上側の面と接合部99で接合されているが、本発明は、これに限定されず、キャナルシートの下側の面と通路シートの上側の面とが結合していなくてもよい。
図21に示される態様においては、通路シート33は前後方向には股下部Cを中心に前身頃F及び後身頃Rにかけて配置され、通路シート33は、幅広であり、左右方向において、伸縮性頭部19bの付近まで配置されている。通路シート33は、左右側縁が折り返されて、左右の接合部89において、キャナルシート23eに接合されている。通路シート33と吸収体13の表面とは左右方向の左右2箇所の通路接合部91において、通路シート33の前端と後端を残して線状にホットメルトにより接合されている。通路シート33の前端縁と後端縁は左右方向の全長がキャナルシート23eに接合されている。
通路シート33としては、例えば、界面活性剤で親水化処理をしたPP製のSB不織布(例えば、目付量13g/m2)をラミネートしたPEフィルム15μmが、PEフィルム側を吸収体13の側に向けて用いられる。
通路シート33の底面の股下部Cに相当する部分の左右方向の中央部には楕円形の切欠きが設けられ、その切欠きには、扁平状の中空の合成ゴムチューブが結合された多孔性スポンジ製の外部排出コネクター50が挿入されている。スポンジ製の外部排出コネクター50は緩衝性と共に柔軟性に富み、体液漏れの生じないように切欠きに挿入され、密着している。合成ゴムチューブはおむつの外側に導かれ、延長されて貯留タンクの入口、又はポンプの吸引口に接続される。体液貯留用のタンクは、防漏性を持つ袋体を用いることができ、通気口を持ち、落差をもって配置される。
このおむつに尿が排出された場合、尿は従来のおむつのように直接吸収体の表面上に排出されるのではなく、頭部開口Hoを通じて体液受容キャナルCaにそのほぼ全量が収容され、体液受容キャナルCaを前方及び/又は後方に移動し、液透過性のキャナルシート23eを透過して通路シート33によって構成された下側の体液の通路に移動する。
体液の通路は、通路シート33が液不透過性であるため、体液受容キャナルCaから移動した尿は、吸収体13の表面には移動せずそのまま広い空隙を持つ通路内に一時的にとどまり、低い位置に設けられた外部排出コネクター50の周辺に集まり、気液がほぼ完全に分離されパイプ内に移動していくので、パイプの閉塞も起きることなく、吸引ポンプを使用しても負荷が極めて少なくて済むという利点を有する。
第1の通路である体液受容キャナルCaは、尿の収容能力及び透過性を十分に有するため、液残りはほとんど生じない。着用体位等により極端に前部又は後部に尿が集中する場合には、尿は、第2の通路である体液の通路が接合されていない前身頃Fの前部又は後身頃Rの後部から吸収体13の表面に直接移行するので外へ漏れ出すことはない。
この態様のような尿をおむつの外部に誘導して捕集する体液処理商品としては、通常の吸収体を持つテープ型おむつを利用しその後背部にコネクターを取り付けてポンプで吸引する方法(例えば、ユニ・チャームヒューマンケア社のヒューマニー)があるが、このタイプは着用者への肌への接触部位が広くなり、肌が湿潤しやすいし、また気液の分離が難しく、消費エネルギーが大きいという難点がある。本発明者らが提案した特開2007−325717号公報に記載されているように、おむつの前部に尿の導出部を取り付けた方法もあるが、このタイプは尿のシール性に難がある。
また、この態様のおむつでは、吸収体13の表面と着用者の肌との間にはキャナルシート23eが介在しているため、キャナルシート23eが、着用者と、着用者から排出され吸収体13に吸収された尿との接触を防ぐバリヤーの役割を果たし、肌の湿潤や汚染が大幅に抑制される。
このおむつに便が排出されると、便は、後部の比較的広くなった伸縮性頭部19b間の頭部開口Hoから収容され、体液受容キャナルCaの後身頃R部分に保持される。便が固形である場合は、そこにとどまる。便が流動性が高い場合は、固形分の大部分はそこにとどまるが、液状成分はキャナルシートを透過し、キャナルシートの下側の体液の通路に移動し、尿と同様に処理される。便の固形分は体液の通路の前方及び/又は後方に移動することができるので、便が収容容量内である限り漏れ出すことはない。
以上、本発明の吸収体物品を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮しうる任意の構成と置換することができる。
また、各実施形態における各部の構成を任意に組み合わせて、別の実施形態とすることもできる。
本発明の吸収体物品は、テープ型、パンツ型等の紙おむつ(子供用及び大人用)、失禁用品、トレーニングパンツ等に好適に用いられる。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、100、101、102、103、104、105 吸収体物品
10、11 防漏体
12、13 吸収体
14、15 吸収体物品本体
16、16a、16b、16c、16d、16e、17、17a、17b 外部側面シート
18、19、19a、19b 伸縮性頭部
20、20a、20b、20c、20d、20e、21、21a、21b 起立性サイドガード
22、22a、22b、22c、22d、23,23a、23b、23c、23d、23e キャナルシート
24、25 トップシート
26、26a、27 キャナル部材
28、29 垂下部
30、31 第2伸縮性頭部
32、32a、33 通路シート
34、34a オーバーラップ部
36 アウターレッグギャザー(OLG)
38、38a、38b、38c 前部ポケット
40、40a、40b、40c 後部ポケット
42、42a 着脱部材
50 外部排出コネクター
80 側縁接合部
82、82a、82b、82c、82d、83、83a、83b、83c、83d キャナル接合部
84、85 内面接合部
86、88、88a、89、99 接合部
90、90a、91 通路接合部
92、93 外部側面接合部
94、95、95a、95b、95c、95d 前端接合部
96、97、97a、97b、97c、97d 後端接合部
C 股下部
Ca 体液受容キャナル
Co 切欠き
F 前身頃
Fe 前方出口
G 間隙
Ho 頭部開口
P 第1の不織布
Q 第2の不織布
R 後身頃
Re 後方出口
Sl スリット
Slf 前方スリット群
Slr 後方スリット群
So 側面開口

Claims (27)

  1. シート状の防漏体と、前記防漏体の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体とを有する吸収体物品本体と、
    前記吸収体物品本体の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が前記吸収体物品本体に固定され、前記側縁の固定された位置から前記吸収体の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シートと、起立した前記外部側面シートの頂点付近において、左右一対の前記外部側面シートがそれぞれ結合する左右一対の伸縮性頭部とを有する、起立性サイドガードと、
    前記吸収体物品本体の少なくとも前身頃の後方の一部から、股下部を経て、後身頃の前方の一部にわたって配置され、前記起立性サイドガードに連結されて、前記左右一対の伸縮性頭部から前記吸収体の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルを形成する、キャナルシートと
    を具備する、吸収体物品。
  2. シート状の防漏体と、前記防漏体の上部に少なくとも一層配置された体液を吸収しうる吸収体とを有する吸収体物品本体と、
    前記吸収体物品本体の前端部から後端部にわたって配置され、前端、後端及び側縁が前記吸収体物品本体に固定され、前記側縁の固定された位置から前記吸収体の上方に向かって起立する左右一対の外部側面シートを有する、起立性サイドガードと、
    前記吸収体物品本体の少なくとも前身頃の後方の一部から、股下部を経て、後身頃の前方の一部にわたって配置される、左右一対の伸縮性頭部と、前記左右一対の伸縮性頭部と結合し、前記左右一対の伸縮性頭部から前記吸収体の表面に向かってハンモック状に垂下し、その内面により体液受容キャナルを形成する、キャナルシートとを有する、キャナル部材と
    を具備し、
    前記起立性サイドガードの内側と前記キャナルシートとが連結する部分を有する、吸収体物品。
  3. 前記起立性サイドガードが、前記左右一対の外部側面シートがそれぞれ結合する、左右一対の第2伸縮性頭部を更に有する、請求項2に記載の吸収体物品。
  4. 前記キャナルシートが、前記吸収体物品本体の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置され、前記吸収体物品本体の前記前端部及び前記後端部と結合している、請求項1〜3のいずれかに記載の吸収体物品。
  5. 前記体液受容キャナルが、前記伸縮性頭部間に存在する頭部開口を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の吸収体物品。
  6. 前記左右一対の伸縮性頭部間の内側の間隔wが、前身頃及び後身頃において、股下部よりも広くなっている、請求項5に記載の吸収体物品。
  7. 前記間隔wが、股下部において100mm以下である、請求項6に記載の吸収体物品。
  8. 前記体液受容キャナルの底面を構成する前記キャナルシートの下面の一部と前記吸収体の表面とが結合したキャナル接合部を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の吸収体物品。
  9. 前記キャナル接合部の長さが、キャナルシートの全長に対して50%以上である、請求項8に記載の吸収体物品。
  10. 前記体液受容キャナルを構成する前記キャナルシートに、着用者から排出された体液を前記吸収体に移行させるための出口が設けられている、請求項1〜9のいずれかに記載の吸収体物品。
  11. 前記起立性サイドガードの外部側面シートが第1の不織布により構成され、前記第1の不織布が前記起立性サイドガードの伸縮性頭部を被覆し、
    前記キャナルシートが、第2の不織布により構成され、
    前記第1の不織布と前記第2の不織布とが互いの側縁付近において結合されている、請求項1に記載の吸収体物品。
  12. 前記起立性サイドガードの外部側面シートが第1の不織布により構成され、
    前記キャナルシートが、第2の不織布により構成され、前記第2の不織布が前記左右一対の伸縮性頭部を被覆し、
    前記第1の不織布と前記第2の不織布とが互いの側縁付近において結合されている、請求項2に記載の吸収体物品。
  13. 前記第1の不織布と前記第2の不織布とが、それぞれの前端から前身頃にかかる部分及び後端から後身頃にかかる部分において互いに結合し、かつ、前身頃の股下部付近から股下部を経て後身頃の股下部付近にかけての部分において互いに結合していない、請求項12に記載の吸収体物品。
  14. 前記起立性サイドガードの外部側面シートが第1の不織布により構成され、前記第1の不織布が前記第2伸縮性頭部を被覆し、
    前記キャナルシートが、第2の不織布により構成され、前記第2の不織布が前記伸縮性頭部を被覆し、かつ、前記第2の不織布の外側が前記第1の不織布に重なって延在し、
    前記第1の不織布と前記第2の不織布とが、それぞれの前端から前身頃にかかる部分及び後端から後身頃にかかる部分において互いに結合し、かつ、前身頃の股下部付近から股下部を経て後身頃の股下部付近にかけての部分において互いに結合していない、請求項3に記載の吸収体物品。
  15. 前記第1の不織布と前記第2の不織布との種類が同一である、請求項11〜14のいずれかに記載の吸収体物品。
  16. 前記第1の不織布と前記第2の不織布との種類が異なっている、請求項11〜14のいずれかに記載の吸収体物品。
  17. 前記第1の不織布が疎水性であり、前記第2の不織布が親水性である、請求項16に記載の吸収体物品。
  18. 前記左右一対の外部側面シートが、それぞれ少なくとも一つの側面開口を有し、前記体液受容キャナルから、前記外部側面シートより外側に溢流した体液を、前記側面開口を通じて前記外部側面シートの内側に移動させることができる、請求項1〜15のいずれかに記載の吸収体物品。
  19. 前記少なくとも一つの側面開口が、前後方向に延在する複数のスリットである、請求項18に記載の吸収体物品。
  20. 前記少なくとも一つの側面開口が、前後方向に延在する1本のスリットである、請求項18に記載の吸収体物品。
  21. 前記少なくとも一つの側面開口が、前後方向に延在する1本の切欠きである、請求項18に記載の吸収体物品。
  22. 前記少なくとも一つの側面開口の前後方向の長さの合計が、前記外部側面シートの前後方向の長さの4分の1以上である、請求項19〜21のいずれかに記載の吸収体物品。
  23. 前記キャナルシートの前端部と前記左右一対の外部側面シートとにより、前記左右一対の外部側面シートの内側に存在する体液の前方への溢流を防止する前部ポケットが構成されている、請求項1〜22のいずれかに記載の吸収体物品。
  24. 前記キャナルシートの後端部と前記左右一対の外部側面シートとにより、前記左右一対の外部側面シートの内側に存在する体液の後方への溢流を防止する後部ポケットが構成されている、請求項1〜23のいずれかに記載の吸収体物品。
  25. 前記キャナルシートが少なくとも一部において液透過性であり、
    更に、前記キャナルシートの下側に、前後方向に延在し、両縁部が前記キャナルシートに結合し、その内面により体液の通路を形成する、通路シートを具備する、請求項1〜24のいずれかに記載の吸収体物品。
  26. 前記通路シートが液不透過性である、請求項25に記載の吸収体物品。
  27. 前記通路シートに、外部に体液を排出するための外部排出コネクターを有する、請求項25又は26に記載の吸収体物品。
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