JP2014166187A - 誘導性組換えrna因子を用いた腫瘍のない多能性胚性幹様細胞の生成 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.3の核酸配列を含んでおり、かつ、細胞性のCDK2、サイクリンD、MECP1−p66及びMECP2遺伝子の発現に干渉する。本発明の方法は、遺伝子サイレンシングエフェクターを非インビボの細胞基質に導入する工程を含む。遺伝子サイレンシングエフェクターの発現は、薬剤誘導性遺伝子発現プロモーターにより制御される。CDK2、サイクリンD、MECP1−p66及びMECP2遺伝子に干渉することにより細胞の腫瘍形成能を抑制して腫瘍のない多能性幹細胞が生成されるように、遺伝子サイレンシングエフェクターは、ヒトの胚性幹細胞における通常のmir−302の発現量を超える量まで誘導薬剤を用いて発現させられる。
【選択図】図1A
Description
本発明は、誘導性Tet−On/OffイントロンmiRNA/shRNA発現系であるpTet−On−tTS−miR302s(図3A)を用いて、ドキシサイクリン誘導制御下で、細胞内イントロンmiRNA生合成のメカニズムによって、mir−302様遺伝子サイレンシングエフェクターの導入遺伝子発現を引き起こす(図1A)。実施例1、2は、pTet−On−tTS−miR302sの構築について説明する。pTet−On−tTS−miR302s発現ベクターは、関連細胞に形質移入した後、TRE−Pol−II誘導性の組換え導入遺伝子、すなわち、ヘアピン様miRNA、shRNAのようなイントロン遺伝子サイレンシングエフェクターを生成できる人工スプライシング可能なイントロン(SpRNAi)を含むSpRNAi−RGFPを転写する(図3A、3B)。実施例1に示すように、若干の合成DNA配列を順にライゲーションすることで、遺伝子工学的にSpRNAiを赤方偏移蛍光タンパク質遺伝子(RGFP)に組み込む。SpRNAiは、スプライセオソーム、エキソソーム、及びNMDシステムの構成要素のような細胞内RNAのスプライシング及びプロセシングメカニズムによって放出され、その後イントロンRNA媒介性の遺伝子サイレンシングを引き起こせる前駆体miRNA又はshRNA挿入配列(部位)を含む。SpRNAiの運搬及び生成に使用できる他のRNA転写産物は、hnRNA、mRNA、rRNA、tRNA、snoRNA、snRNA、smnRNA、ウィルスRNA、pre−マイクロRNA、及びこれらの前駆体と誘導体を含む。
一部の天然pre−miRNAのヘアピンループ構造は過大及び/又は複雑でSpRNAi−RGFP導入遺伝子に適しないため、本発明者は、天然pre−miRNAループの代わりに、修飾されたtRNAmetループ(すなわち5’(A/U)UCCAAGGGGG−3’)(SEQ.ID.NO.43)を設計した。tRNAmetループは、天然miRNAと同じなRan−GTP及びエクスポーチン−5の輸送メカニズムによって、手動再設計したmiRNAの細胞核から細胞質への輸送を効率的に促進することが示されている(Linら, 2005)。有利なのは、現在、本発明は、5’GCTAAGCCAG GC−3’(SEQ.ID.NO.l)及び5’GCCTGGCTTA GC−3’(SEQ.ID.NO.2)を含む、手動改良した1対のpre−mir−302ループを使用し、これらは天然pre−miRNAと同様な核外への輸送効率を備えるが、tRNA輸送には干渉しない。この改良はさらに、mir−302s全体の機能を安定化できるmir−302a−mir−302a*とmir−302c−mir−302c*のデュプレックスの形成を促進する。tRNAmetループをmir−302b/mir−302aの短鎖ステムループと組み合わせることによって、これらの新しいpre−miRNAループについての設計が改善され、mir−302b/mir−302aは胚性幹細胞では高度に発現しているが、他の分化組織細胞ではそうでない。従って、mir−302sにおけるこれらの人造/人工pre−miRNAループの使用は、インビボでの天然miRNA経路に干渉せず、非常に小さい毒性しか生じなく、さらに安全的である。
組換えSpRNAi−RGFP導入遺伝子のイントロン挿入部位は、その5’末端と3’末端にそれぞれPvuIとMluI制限/クローニング部位に並んでいるとすれば、最初の挿入配列は、例えばmir−302 pre−miRNA/shRNAのようなPvuIとMluI制限部位と適合した付着末端を有する種々のpre−miRNA/shRNA挿入配列により簡単に除去及び置換可能である。異なる遺伝子転写産物に対してイントロン挿入配列を変化させることで、イントロンmiRNA/shRNA発現系は、インビトロ及びインビボにおいて標的遺伝子サイレンシングを誘導する強力な道具として機能することができる。実験において、まずSpRNAi−RGFP導入遺伝子においてmir−302 pre−miRNA/shRNAを挿入し、次に、pTet−On−tTS−miR302s導入遺伝子発現ベクターを形成するために、導入遺伝子をpTet−On−tTSベクターのクローニング部位(すなわちXhoI−ClaI部位)に組み込んだ(図3A)。その後、導入遺伝子を宿主細胞ゲノムに送達するように、低浸透圧性のPH緩衝液(400 μl;Eppendorf)においてpTet−On−tTS−mir302sベクター(10〜30μg)と宿主細胞(200〜2000個)を混合し、400〜450Vで100μsec電気穿孔した。72時間後、FACSフローサイトメトリー選別及び抗RGFPと抗Oct3/4モノクローナル抗体を用いることによって、陽性導入遺伝子細胞を単離して収集した(図3C)。このような新規なmir−302s遺伝子導入法は成功率が91%を越えると測定された。SpRNAi−RGFP導入遺伝子は、遺伝子を含まない特定のゲノム部位に組換えて挿入するように相同領域に並んでいるので(図4A)、そのコード化したmir−302 miRNA/shRNAエフェクターの発現は、完全にDox誘導性のpTet−On−tTSベクターのTRE−CMVプロモーターの活性化によって決められる。pTet−On−tTSベクターは既にCMV誘導性のtTS抑制遺伝子を含み、導入遺伝子のTRE−CMVプロモーターを不活性化させる。ドキシサイクリン(Dox)の存在下、tTSの機能がDoxに抑制されるため、SpRNAi−RGFP導入遺伝子及びそのコードしたmir−302sが発現され得る(図4B)。
実施例1〜2及び図3A〜3Bに述べるように、本発明者らは、既に人工連結のmir−302a−mir−302b−mir−302c−mir−302d(mir−302s)pre−miRNA又は再設計したmir−302様shRNA[例えば、5’UAAGUGCUUC CAUGUUUUAG UGU−3’(SEQ.ID.NO.9)を含むヘアピン様配列]をコードする誘導性SpRNAi−RGFP導入遺伝子を設計、構築し、次に、その種々の体細胞及び癌細胞(例えばヒト正常毛嚢細胞(hHFC)、及び癌性黒色腫Colo細胞)内の発生及び分化関連の標的遺伝子サイレンシングの作用について試験した。
すべてのmirPS細胞は、ヒト胚性幹(ES)細胞由来の胚様体(EB)を思わせる密集したコロニーを形成できる(図5B)。すなわち、これは、本発明にかかる再プログラムされた多能性幹様細胞によって胚様体が形成できることを確認した。トリプシン−EDTAとコラゲナーゼIVの混合物で解離させて10%のFBSのみが補充されたRPMI 1640培地において培養する場合に、これらのEB様細胞は神経前駆細胞に分化し、その中、多くの前駆細胞が神経細胞マーカーTuj1及び/又はABCA2を発現する。限界希釈して10%の木炭除去済みのFBS、4mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、5ng/mlのアクチビン、3ng/mlのbFGF、及び0.5μMのY−27632と0.5μMのGSK−3抑制因子XVの等量混合物が補充された無フィーダーDMEM/F12培地において更に培養された後、各mirPS細胞は、引き続き継代培養及び/又は移植/植入測定のための純粋なEBを形成できる(図5C)。これらのES様幹細胞の性質を考えると、本発明者らは続いてこれらのmirPS細胞内のmir−302s及びES細胞マーカーの発現を調べ、ヒトES様WA01−H1及びWA09−H9細胞と比較した。
mirPS細胞内の導入遺伝子mir−302の発現を確認するために、実施例9に述べられたマイクロRNA(miRNA)マイクロアレイ分析を行う。図6Aに示すように、miRNAマイクロアレイ分析は、Dox処理(100 μM)後、始原体細胞(対照)に比べて、mirPS−hHFC細胞において、全てのmir−302要素(最右下、白枡円)はいずれも発現率が顕著に増加したことを示している。ノーザンブロットで測定されたように、mirPS細胞内のmir−302sの発現量は、Dox誘導の濃度に比例的に対応する(図4B)。mirPS−Colo細胞においても同様な結果が認められた(Linら, 2008b)。初期EB段階において、mirVana(登録商標) miRNA単離キット(Ambion, Inc., Austin, TX)によって各細胞株から短鎖RNAを単離した。3.5%ホルムアルデヒド・アガロースゲル電気泳動及び分光光度計の計測(Bio−Rad, Hercules, CA)によって、単離した短鎖RNAの純度及び量を評価し、ついでマイクロアレイ分析のためにLC Sciences社(San Diego, CA)に送付した。Cy3及びCy5強度画像(青いバックグラウンド)において、シグナル強度がレベル1からレベル65,535に増えた場合、対応色は青色から緑色、黄色及び赤色に変わった。Cy5/Cy3比率画像(黒いバックグラウンド)において、Cy3レベルがCy5レベルより高い場合、色は緑色であり、Cy3レベルがCy5レベルに等しい場合、色は黄色であり、Cy5レベルがCy3レベルより高い場合、色は赤色である。成熟RNA配列は、天然mir−302ファミリー要素と手動再設計したmir−302 pre−miRNA/shRNA因子との間に極めた高い相同性(>91%)を有するから、その結果、再設計したmir−302因子は天然mir−302sの代わりに機能できる。
図6B及び9Bに示すように、mirPS細胞は、例えばOct3/4、SSEA−3、SSEA−4、Sox2及びNanogのような、多くの標準なヒトES様細胞マーカーを強く発現するが、始原体細胞(hHFC対照)や、空SpRNAi−RGFPベクターとドキシサイクリンによって形質移入する体細胞(hHFC+Dox)、又はドキシサイクリンを備えていないmir−302sベクターによって形質移入する体細胞(mirPS−Dox)においては、これらのマーカーが検出されていない。ノーザンブロット及びウェスタンブロット分析によりmRNA及びタンパク質含量について測定したように、これらのESマーカーの発現パターンは、ヒトES様 WA01−H1及びWA09−H9細胞に非常に類似している。これらの結果は、mir−302sの異所性発現が成体体細胞/癌細胞を、多くの標準なヒトES様マーカーを呈する多能性ES様幹細胞に再プログラムできることを表明している。mirPS−Colo細胞においても同様な結果が観察された(図8C)。
後成的修飾の変化、特にゲノムの脱メチル化は、ES細胞のもう1つの独特な特徴である(Hochedlingerら, (2006) Nature 441: 1061−1067)。細胞をそのES状態に再プログラムするために、Oct3/4のような多くの胚性遺伝子をDNA脱メチル化によって再活性化する必要がある。mirPS細胞内の上記後成的作用を評価するために、まず、CpGメチル化に対して感度が高く、メチル化のCCGG部位を分解せずに、非メチル化のCCGGだけを分解する制限酵素であるHpaIIによってゲノム全体の消化をした。図7Aは、体細胞対照からの消化されたDNA断片がmirPS細胞からの消化されたDNA断片より2倍以上も大きいことを示し、mirPS細胞ゲノム全体が高度に脱メチル化されたことを表明した。重亜硫酸塩−ゲノムPCR及び配列決定によって、更にOct3/4遺伝子プロモーター領域を評価した(Takahashi and Yamanaka, 2006)。重亜硫酸塩が全ての非メチル化のシトシンをウラシルに変換させた。非メチル化のACGT部位がAUGT部位になったから、ACGTを切断する制限酵素の消化は、mirPS細胞ゲノム内のこれらの単離領域を分解できない(図7B)。重亜硫酸塩DNA配列決定に示した詳細な脱メチル化マップにより、ヒトES様 WA09−H9細胞において認められたように、mirPS細胞中のOct3/4遺伝子プロモーター領域が90%以上のメチル化部位を失ってしまうことを更に証明し(図7C)、全ゲノム再プログラムのイベントが発生し、Oct3/4遺伝子発現が再活性化されたことを示唆している。実施例8は、上記CpG脱メチル化測定を示す。
ヒトES様細胞は移動しない。高速転移の癌細胞株に由来するmirPS細胞(例えばmirPS−PC3細胞)において細胞移動の失いがよく観察される。ES細胞がある所に静止してその場で胚様体を形成する傾向があると、転移性ヒト前立腺癌PC3細胞はなぜ異所的mir−302の形質移入後でその移動力を失うかを解釈できる。又は、mir−302は、マイクロチューブ結合タンパク質1B(MAP1B)、アクチン様タンパク質(ACTL6A)、アンキリン2(ANK2)、βアミロイド前駆体タンパク質A4(APP)、ミオシン軽鎖ポリペプチドキナーゼ(MYLK)の遺伝子のような、細胞移動に関連する若干の遺伝子をサイレンシングさせ、正常細胞の移動や癌細胞の侵入を防止することができる。図7D及び実施例12に示すように、転移性PC3細胞は、経時に速やかに移動しているが、mirPS−PC3細胞は静止している。他の全ての対照物においても形態変化が観察されていない。従って、本発明の導入遺伝子mir−302sは、ヒト癌細胞のさらなるES様細胞形態への形質転換及び細胞分裂速度に十分で、癌治療において非常に好適に用いられることを表明した。この結果より、悪性癌症/腫瘍細胞を有用なES様幹細胞に再プログラムできるだけでなく、癌症転移の可能性を低減できる、mir−302sを癌症/腫瘍細胞へ送達する潜在的な治療応用を示している。もっと有利なのは、これらのmirPS細胞は患者自身の細胞から生成されるから患者免疫に適合できるため、これらのmirPS細胞によって新規な移植療法を発展し、免疫拒絶反応のリスクがなくて癌症/腫瘍損傷の組織を修復することができる。
mir−302媒介性再プログラムイベントによる遺伝子変異は、ゲノム全体の遺伝子発現パターンによって了解される。標準ES細胞マーカーと遺伝子導入mir−302sの同時発現を確かめた後、本発明者らは、異所的mir−302発現前後の細胞内ゲノム全体遺伝子発現パターンの変化、及びmirPSと他のヒトES様細胞(例えばWA01−H1及びWA09−H9)との間のゲノム全体遺伝子発現パターンの変化を調べるために、ヒトゲノムマイクロアレイ分析を行った。実施例10は、詳細なプロトコルを示す。Affymetrix社の遺伝子マイクロアレイ(GeneChip U133A&B及びU133 plus 2.0アレイ)を用いて、47,000種以上のヒト遺伝子発現パターンの変化を評価した。まず、同じmirPS試料を用いて2回マイクロアレイ分析を実施し、一方の分析からで最も変異しやすい遺伝子(白いドット)を200個選択して、さらに比較した。図8A(mirPS−Colo)及び9A(mirPS−hHFC)に示すように、もう一方の分析よりもすべての変化が1倍未満であり(最左)、バックグラウンドの変動が極めて限られていることを表明している。その後、マイクロアレイ同定された全ての遺伝子の分散パターンに基づいて、比較された2つのトランスクリプトームライブラリー間の相関係数(CC)を算出した。CC比を求め、閾値が1倍の変化であるゲノム全体遺伝子発現パターンの類似率を示す。上記厳しいCC比の定義下、mirPS細胞の遺伝子発現パターンはヒトES様WA01−H1(>89%)及びWA09−H9(>86%)細胞の遺伝子発現パターンと非常に類似しているが、mirPS細胞とその元としての体細胞/癌細胞では、47%〜53%の低いCC比しか示されていないことが見出された。このようなヒトES様細胞とmirPS細胞との間の強い遺伝関連性は、mir−302sが体細胞/癌細胞をES様のmirPS細胞に再プログラムする肯定に関する数千種類の細胞遺伝子発現を変更する必要がありうることを表明している。例えば、図8Bに示すように、mirPSとヒトES様細胞の結果においては、多くのES遺伝子の発現上昇、及び癌性、発生、mir−302の標的となる細胞周期に関連する大量の遺伝子の閉鎖は一貫して同時に観察された。図9Bを参照すれば、mirPS細胞の遺伝子発現パターンについては、SSEA−1はmirPS細胞において適度に発現するが、Klf4はそうではないことも注意された。
多能性は、ES細胞の最も重要な特徴を定義する。異なる因子及び/又はホルモンでインビトロ処理を行うことによって、ヒトES様細胞は、全ての成体組織の創始者、すなわち外胚葉、中胚葉及び定形内胚葉という3つの胚葉に分化されることができる。どんな処理もない場合、mirPSに由来する胚様体を異種移植によって雌性の偽妊娠の免疫不全SCIDベージュマウスの子宮又は腹膜腔に移植することは、奇形腫様組織嚢腫を形成できる(図10)。他の組織位置においてはこのような嚢腫が観察されていない。しかし、これらの組織嚢腫は奇形腫と異なり、その周辺の組織と非常によくて明らかな境界が形成された。また、マウスにおけるこれらの嚢腫構造は、移植後約2.5週間にその発生が遅くなってきた。これらのmirPS細胞内のインビボでのランダム発生を制限する自動調節のメカニズムがあるかのようである。この自動調節のメカニズムは、これらのmirPS細胞による腫瘍形成を予防し、腫瘍のない多能性幹細胞を設計して発生させる手段を臨床試験や治療に提供することができる。
定義で、多能性幹細胞は、胚性の外胚葉、中胚葉及び/又は内胚葉に由来する組織細胞と同様な様々な細胞種に分化できる。例えば、種々の成長因子及び/又はホルモンによるインビトロでの処理を用いて、本発明者らは、ES様のmirPS細胞を、神経前駆細胞(図5B)、精原細胞様の細胞(図11A−E)、線維芽細胞(図11F−J)、及び軟骨細胞(図11K−O)を含む、若干の体細胞及び/又は生殖系組織細胞種に分化誘導することに成功した。免疫組織化学(IHC)検査によってこれらの特定の組織系統のマーカーを同定したが、それぞれ神経細胞の特異的Tuj1とABCA2、生殖系の特異的DazlaとEE2、線維芽細胞の特異的atlastin1とI型プロコラーゲン(COL1A1)、及び軟骨細胞の特異的トロポエラスチン及びII型プロコラーゲン(COL2A1)を示した。すなわち、本発明による多能性幹様細胞は、生殖系列様細胞、精原細胞様細胞、正常体細胞、線維芽細胞、軟骨細胞、及びこれらの組み合わせに分化できる。これらの分化されたmirPS細胞においては腫瘍形成の兆しが観察されていない。Sangerウェッブサイトでの「TARGETSCAN」及び「PICTAR−VERT」というプログラムの予測に基づいて、実際には、多くの癌遺伝子はmir−302sの標的であることが知られた。それに、mir−302sは、サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2)、サイクリンD1、D2を抑制し、腫瘍細胞の速やかな発生を防止することができる(Linら, 2008b)。これらの検討結果は、mirPS細胞の腫瘍のない多能性と意味する。種々の分子処理によってmirPS細胞からより多くの組織細胞種を誘導することができると考えられる。
本発明の理解を深めるために、次のように多くの用語を定義する。
ヌクレオチド:糖部分(五炭糖)、リン酸及び窒素系複素環塩基からなるDNA又はRNAの単量体単位である。その塩基は、グリコシド結合した炭素(五炭糖の1’炭素)によって糖部分と結合するが、この塩基と糖の組み合わせはヌクレオシドである。五炭糖の3’又は5’の位置に少なくとも1つのリン酸基が結合しているヌクレオシドがヌクレオチドである。
ヌクレオチド類似体:A、T、G、C又はUとは構造的に異なるが、核酸分子中で通常のヌクレオチドと十分に置換できるほど類似しているプリンやピリミジンヌクレオチドである。
遺伝子:RNA及び/又はポリペプチド(タンパク質)のためのヌクレオチド配列コードをもつ核酸である。遺伝子はRNA又はDNAのいずれかである。
メッセンジャーRNA(mRNA):核内スプライセオソーム機構によるイントロン除去後に形成され、タンパク質合成のためタンパク質をコードするRNAとして機能するpre-mRNAのエクソン集合体である。
センス:相同なmRNAと配列順及び組成が同じ核酸分子である。センス構造は「+」、「s」、又は「センス」シンボルで示す。
保存:ヌクレオチド配列を非無作為に予め選択した(参照した)配列と正確に相補的な配列にハイブリダイゼーションする場合、このヌクレオチド配列はこの予め選択した配列に関して保存されていることになる。
相補的ヌクレオチド配列:1本鎖のDNA又はRNA分子におけるヌクレオチド配列で、もう一方の1本鎖の配列と十分に相補的なために、結果的に水素結合によって、2本鎖間で特異的にハイブリダイゼーションする。
マイクロRNA(miRNA):このmiRNAに部分的に相補的な標的遺伝子転写産物に結合できる1本鎖RNAである。miRNAは通常長さが約17〜27個のオリゴヌクレオチドで、miRNAとその標的mRNAとの相補性によって、細胞内のmRNA標的を直接分解するか、又はその標的mRNAのタンパク質翻訳を抑制できる。天然のmiRNAはほぼ全ての真核細胞で見つかっており、ウイルス感染に対する防御、及び動植物の発生における遺伝子発現を制御するものとして機能している。
プロモーター:ポリメラーゼ分子により認識され、おそらく結合することで合成を開始させる核酸である。本発明用のプロモーターには、既知のポリメラーゼ結合部位、エンハンサー、及び所望のポリメラーゼによって合成を開始できるこれらに類似したあらゆる配列が可能である。
B.成分
ほ乳類細胞において単離されたmir−302因子を発現させ、mir−302媒介性遺伝子サイレンシングを誘導する組換え核酸成分は、
a)mir−302ファミリー要素と相同な組換え非コードRNAをコードする組換え導入遺伝子と、
b)ほ乳類細胞において組換え導入遺伝子を送達して発現させることに用いることができる発現可能なベクターと、
を含む。
a)所望の機能をもつ遺伝子転写産物を形成するように結合できる複数のエクソンと、
b)組換えmir−302相同体を含み、細胞内RNAスプライシング及びプロセシング機構によってエクソンから切断できる少なくとも1つイントロンと
を更に含む。
a)スプライセオソーム結合のための5’供与スプライス部位と、
b)mir−302ファミリー要素と相同な遺伝子サイレンシングエフェクター挿入配列と、
c)スプライセオソーム認識のための分岐点モチーフと、
d)スプライセオソーム相互作用のためのポリピリミジントラクトと、
e)スプライセオソーム結合のための3’受容スプライス部位と、
f)5’から3’方向に上記構成要素のそれぞれを連結する複数のリンカーと
を更に含む。
mir−302の標的となる遺伝子に対する特定の遺伝子サイレンシング効果を誘導できる組換え核酸成分によって、ほ乳類細胞を多能性幹細胞に再プログラムする方法であって、
a)i)mir−302の標的となる複数の発生及び細胞分化関連遺伝子を発現させる細胞基質、及びii)細胞基質内のmir−302と相同な非コードRNAに送達、転写及びプロセシングできる組換え核酸成分を提供する工程と、
b)細胞基質におけるmir−302の標的となる遺伝子の機能が抑制された条件で組換え核酸成分によって細胞基質を処理する工程と
を含む方法である。
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態を例示するものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
SpRNAi含有組換えRGFP遺伝子(SpKNAi−RGFF)の構築
センス、アンチセンス−、又はヘアピン状のEGFP挿入配列を含むSpRNAiイントロンの生成に用いられる合成オリゴヌクレオチドとしては、N1−センス:5’GTAAGAGGAT CCGATCGCAG GAGCGCACCA TCTTCTTCAA GA−3’(SEQ.ID.NO.14)、N1−アンチセンス:5’CGCGTCTTGA AGAAGATGGT GCGCTCCTGC GATCGGATCC TCTTAC−3’(SEQ.ID.NO.15)、N2−センス:5’GTAAGAGGAT CCGATCGCTT GAAGAAGATG GTGCGCTCCT GA−3’(SEQ.ID.NO.16)、N2−アンチセンス:5’CGCGTCAGGA GCGCACCATC TTCTTCAAGC GATCGGATCC TCTTAC−3’(SEQ.ID.NO.17)、N3−センス:5’GTAAGAGGAT CCGATCGCAG GAGCGCACCA TCTTCTTCAA GTTAACTTGA AGAAGATGGT GCGCTCCTGA−3’(SEQ.ID.NO.18)、N3−アンチセンス:5’CGCGTCAGGA GCGCACCATC TTCTTCAAGT TAACTTGAAG AAGATGGTGC GCTCCTGCGA TCGGATCCTC TTAC−3’(SEQ.ID.NO.19)、N4−センス:5’CGCGTTACTA ACTGGTACCT CTTCTTTTTT TTTTTGATAT CCTGCAG−3’(SEQ.ID.NO.20)、N4−アンチセンス:5’GTCCTGCAGG ATATCAAAAA AAAAAGAAGA GGTACCAGTT AGTAA−3’(SEQ.ID.NO.21)が挙げられる。SEQ.ID.NO.14からSEQ ID NO.21まで挙げられた全配列は、その5’末端がリン酸化されている。
発現可能ベクターへのSpRNAi−RGFP遺伝子のクローニング及びSpRNAi−RGFP遺伝子への組換えmir−302相同体の挿入
組換えSpRNAi-RGFP遺伝子にはその5’及び3’末端にそれぞれXhoI及びXbaI制限部位があるので、XhoI及びXbaI制限部位に比較的付着できる末端をもつベクターに挿入して簡単にクローニングできる。図3Aに示すように、SpRNAi−RGFP導入遺伝子をXhoI/XbaI直線化した約6,900bpのpTet−On−tTSプラスミドと1:1(w/w)の比で混合し、得られた混合物を65℃から15℃に50分間かけて冷却し、次にT4リガーゼ及び緩衝液を混合物に添加し、12℃にて12時間ライゲーションさせた。これによって、誘導性SpRNAi−RGFP発現ベクターが形成された。1対のRGFP特異的プライマーであるSEQ.ID.NO.23及びSEQ.ID.NO.24を用いて、94℃1分間、そして68℃2分間による30サイクルのPCRでベクターの組成を確認し、さらに配列を決定した。レトロウイルスベクターでのクローニングは、XhoI/XbaI直線化pLNCX2レトロウイルスベクター(BD Clontech)を代わりに用いる以外、同じライゲーション手順で実施できた。SpRNAiイントロン内の挿入部位は、その5’末端及び3’末端にそれぞれPvuI及びMluI制限部位が並んでいるので、本発明者らは抗EGFP shRNA挿入配列を除去し、別のPvuI及びMluIクローニング部位に付着する末端をもつ手動再設計したmir−302 shRNA挿入配列と置換することができる。再設計したmir−302 shRNA挿入配列は、5’UAAGUGCUUC CAUGUUUUAG UGU−3’(SEQ.ID.NO.9)、5’UAAGUGCUUC CAUGUUUUGG UGA−3’(SEQ.ID.NO.10)、5’UAAGUGCUUC CAUGUUUUAG UAG−3’(SEQ.ID.NO.11)、5’UAAGUGCUUC CAUGUUUCAG UGG−3’(SEQ.ID.NO.12)又は5’UAAGUGCUUC CAUGUUUGAG UGU−3’(SEQ.ID.NO.13)と類似した、5’UAAGUGCUUC CAUGUUU−3’(SEQ.ID.NO.3)相同配列を含む。再設計されるmir−302 shRNA挿入配列は、5’UAAGUGCUUC CAUGUUUUAG UGU−3’(SEQ.ID.NO.9)を含むことが最も好ましい。すなわち、遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.9、SEQ.ID.NO.10、SEQ.ID.NO.11、SEQ.ID.NO.12、SEQ.ID.NO.13、及びこれらの組み合わせからなる群と相同な少なくとも1つの組換えRNA配列を含む。
mir−302sの細胞の培養及び導入遺伝子の送達
ヒト癌症PC3及びColo 829細胞株は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC,Rockville, MD)から入手したが、hHFC及びhpESC細胞は、コラゲナーゼ/トリプシン(4:1)によってそれぞれ本発明者のヘア又はアームからの2〜10個の毛嚢ルート又は2mm3皮膚外植体から解離して得た。これらの細胞は、37℃、5%CO2で、10%胎児ウシ血清(FBS)、4mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、及び100μg/mlのゲンタマイシン(Sigma Chemical, MO)を追加したRPMI 1640培地において培養された。細胞をトリプシン−EDTA溶液に1分間曝させてRPMIで1回洗浄することによって、培養細胞を70%〜80%コンフルエントになるように継代させ、剥き離れた細胞を新鮮な培地で1:10で希釈して更新させた。電気穿孔法による導入遺伝子mir−302sの送達を行うために、低浸透圧性のPH緩衝液(400μl;Eppendorf)にpTet−On−tTS−mir302sベクター(10〜30μg)と宿主細胞(200〜2000)を混合し、400〜450Vで100 μsec電気穿孔し、ベクターを宿主細胞ゲノムに送達した。72時間後、FACSフローサイトメトリー選択及び抗RGFPモノクローナル抗体によって、陽性の導入遺伝子mirPS細胞を単離して収集した(図3C)。このような新規なmir−302s遺伝子導入法の成功率は91%以上と測定された。
ノーザンブロット分析
全てのRNA(20μg)を1%のホルムアルデヒド・アガロースゲル上で分画して単離し、ナイロンメンブラン(Schleicher &Schuell, Keene, NH)上に移した。RGFPの5’エクソンと設計されるpre−miRNA/shRNA挿入配列との間に並んだ75 bpの接合配列、又は標的遺伝子転写産物に相補的な合成LNA−DNAプローブ(Sigma−Genosys,MO)を、[32P]−dATP(>3000 Ci/mM, Amersham International, Arlington Heights, IL)の存在下にて、ランダムプライマーによって増幅させ、Prime−It IIキット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて標識し、10 bpカットオフのMicro Bio−Spinクロマトグラフィカラム(Bio−Rad, Hercules, CA)で精製した。50%の新鮮な脱イオンホルムアミド(pH7.0)、5×デンハート液、0.5%SDS、4×のSSPE、及び250mg/mLのサケ精子変性DNA断片の混合液中にてハイブリダイゼーションを実施した(42℃で18時間)。メンブランを2×SSC、0.1%SDS(25℃で15分間)で2回、0.2×のSSC、0.1%のSDS(37℃で45分間)で1回、連続的に洗浄し、オートラジオグラフィーを実施した。その結果を、図4B及び6Bに示す。
SDS−PAGE及びウェスタンブロット分析
標的タンパク質の免疫ブロット(図8C及び9B)のために、発生培地を除去した後、約70%コンフルエントの単離された細胞を氷冷したPBSですすぎ、ついでプロテアーゼ阻害剤、ロイペプチン、TLCK、TAME及びPMSFを追加したCelLytic−M溶解/抽出試薬(Sigma−Aldrich, MO)で溶解した。細胞を室温で振盪器を用いて15分間インキュベーションし、マイクロチューブに剥がし入れ、細胞片塊を得るために12,000×gで5分間遠心分離した。タンパク質を含む細胞ライセートを回収し、使用まで-70℃で保存した。E−maxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)のSOFTmaxソフトウエアパッケージを用いてタンパク質を定量した。各30μgの細胞ライセートを、還元された(+50 mM DTT)、及び還元されていない(DTTがない)SDS−PAGE試料用緩衝液に添加し、沸騰水浴中で3分間加熱してから、6%〜8%ポリアクリルアミドゲルに添加し、標準タンパク質(Bio−Rad, Hercules, CA)と比較して分子量を測定した。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動は、標準プロトコルに従って実施した。PAGE分解タンパク質をニトロセルロース膜上に電気ブロットし、室温で2時間Odysseyブロッキング試薬(Li−Cor Biosciences, Lincoln, NB)で培養した。次に、Oct3/4(1:500, Santa Cruz)、SSEA−3(1:500, Santa Cruz)、SSEA−4(1:500, Santa Cruz)、Sox2(1:500, Santa Cruz)、Nanog(1:500, Santa Cruz)、Klf4(1:200, Santa Cruz)、β−アクチン(1:2000, Chemicon, Temecula, CA)、及びRGFP(1:1000, Clontech)を含む一次抗体を、試薬に加えて4℃で混合物を培養した。翌日、TBS−Tを用いて膜を3回すすぎ、ヤギ抗マウスIgGコンジュゲートした二次抗体である、Alexa Fluor 680反応性染料(1:2,000; Invitrogen−Molecular Probes)に、室温で1時間暴露した。TBS−Tで更に3回すすいだ後、Li−CorOdyssey Infrared Imager及びOdyssey Softwarev.10を用いて免疫ブロット及び画像解析の蛍光スキャニングを行った。
ゼブラフィッシュにおけるイントロンRNA媒介性の遺伝子サイレンシング
形質移入中、Tg(アクチン−GAL4:UAS−gfp)系統のゼブラフィッシュの幼生を、魚箱で10mlの0.2×血清無添加RPMI 1640培地で飼育した。1mlの1×血清無添加RPMI 1640培地中に、60μlのFuGeneリポソームの形質移入試薬(Roche Biochemicals, Indianapolis, IN)を緩やかに溶解して、形質移入用事前混合液を調製した。実施例1〜2に記載したように、抗EGFP pre−miRNA挿入配列を含むSpRNAi−RGFPベクター(20 μg)を事前混合液と混合し、氷上にて30分間静置してから、箱中のTg(アクチン−GAL4:UAS−gfp)幼生魚に直接適用した。12時間の間隔で、合わせて3回(総量60 μg)投与した。最初の形質移入から60時間後に試料を採取した。結果を図1Bに示す。
フローサイトメトリー分析
必要な実験をした後、細胞が予め冷却した70%メタノールPBS溶液1 ml中に−20℃で1時間再浮遊されることで、トリプシン処理されて細胞塊を集めて固定された。細胞塊を得た後、1mlのPBSで1回洗浄した。再び細胞塊を得た後、37℃で、PBS内の1 mg/mlのヨウ化プロピジウム1 ml、0.5mg/mlのRNaseにおいて30分間再浮遊させた。次に、BD FACSCaliburフローサイトメトリー(San Jose, CA)で約15,000個の細胞を分析した。細胞ダブレットは、パルス面積に対するパルス幅の曲線を描いて単一細胞をゲーティングすることによって除外された。収集したデータを「Watson Pragmatic」アルゴリズムを用いたソフトウエアパッケージFlowjoを使用して解析した。図5Aに示すように、フローサイトメトリーチャートの1番目(左)及び2番目(右)のピークは、それぞれ被験細胞集団全体における休止期G0/G1及び有糸分裂期Mの細胞集団のレベルを示している。
DNA脱メチル化の測定
DNA単離キット(Roche)を用いて200,0000個の細胞からゲノムDNAを単離し、2つのアリコートに分けられた。ゲノム全体脱メチル化を測定するために、一方のDNAアリコート(2μg)を、CCGG切断制限酵素HpaIIで消化し、1%アガロースゲル電気泳動で評価した(図7A)。他方のアリコート(2μg)を用いてPCRを行い、重亜硫酸塩修飾の前後、Oct3/4プロモーターの完全な9,400個の塩基対(bp)の5’調節領域(NT_007592ヌクレオチド21992184−22001688)をクローニングした。CpGenome DNA修飾キット(Chemicon, CA)を用いて重亜硫酸塩修飾を行われた。DNAに対する重亜硫酸塩処理では、非メチル化の全てのシトシンはウラシルに変換される一方、メチル化のシトシンはシトシンのままである。例えば、非メチル化のACGT部位がAUGT部位に変わったが、メチル化のACGTは変わっていない。重亜硫酸塩修飾の前後で標的Oct3/4 5’プロモーター領域に対して特異性をもつ、2つの順方向プライマー5’GAGGAGTTGA GGGTACTGTG−3’(SEQ.ID.NO.44)(重亜硫酸塩修飾したDNA用)や5’GAGGAGCTGA GGGCACTGTG−3’(SEQ.ID.NO.45)(修飾されていないDNA用)、及び1つの逆方向プライマー5’GTAGAAGTGC CTCTGCCTTC C−3’(SEQ.ID.NO.46)を含むPCRプライマーは、既に設計して試験した。PCRクローニングについては、まず1×のPCR緩衝液に、重亜硫酸塩で処理された、又は処理されていないゲノムDNA(50ng)をプライマー(合計150ピコモル)と混合し、4分間かけて94℃に加熱した直後、氷上にて冷却した。その後、長鋳型PCR延長キット(Roche)を用いて、92℃で1分間、55℃で1分間、そして70℃で5分間、25サイクルでPCRを行った。PCR精製キット(Qiagen)で得られた産物を収集し、AclI(AACGTT)、BmgBI(CACGTC)、PmlI(CACGTG)、SnaBI(TACGTA)、及びHpyCH4IV(ACGT)を等量(各5 U)ずつ含む、複数種類のACGT切断制限酵素で2μgのDNAを消化した。ついで、3%アガロースゲル電気泳動で消化された断片を評価した(図7B)。
マイクロRNA(miRNA)のマイクロアレイ分析
細胞飽和密度70%で、各細胞株からの短鎖RNAをmirVana(登録商標) miRNA単離キット(Ambion)を用いて単離した。単離した短鎖RNAの純度及び量を1%ホルムアルデヒド−アガロースゲル電気泳動及び分光光度計の測定(Bio−Rad)によって評価した直後、ドライアイス中にて凍結し、RNAマイクロアレイ分析のためにLC Sciences社(San Diego, CA)に送付した。各マイクロアレイチップを、それぞれCy3又はCy5で標識した単一の試料、又はCy3及びCy5で標識した試料とハイブリダイゼーションさせる。バックグラウンドを差し引き、正規化した。二重分析用にp値を算出し、3倍より大きい差で発現した転写産物の一覧を作成した。図6AのCy3及びCy5強度画像(青色バックグラウンド)において、シグナル強度がレベル1からレベル65,535に増えた場合、対応色が青色から緑色、黄色及び赤色になった。23,000以上のレベルは、遺伝子発現の陽性シグナル(positive call in gene expression)であると考えられた。Cy5/Cy3の比の画像(黒色バックグラウンド)において、Cy3レベルがCy5レベルより高い場合、色は緑色であり、Cy3レベルがCy5レベルに等しい場合、色は黄色であり、Cy5レベルがCy3レベルより高い場合、色は赤色である。
細胞全体遺伝子発現パターンのゲノム全体のマイクロアレイ分析
54,000を超えたオリゴヌクレオチドプローブを含むヒトゲノムGeneChip U133A&B及びplus 2.0 アフィメトリクス(Affymetrix, Santa Clara, CA)を用いて、図8A及び9Aに示すように、mirPS細胞内のゲノム全体の47,000のヒト遺伝子転写産物の発現パターンを検出した。試料毎に測定を3回繰り返し、同じ実験を4回繰り返した。RNeasyスピンカラム(RNeasy spin column)(Qiagen)を用いて、各試験試料から全RNAを単離した。マイクロアレイ・ハイブリダイゼーション用の標識プローブの調製のために、Superscript Choiceシステム(Invitrogen)、5’GGCCAGTGAA TTGTAATACG ACTCACTATA GGGAGGCGG−(dT)24−3’(SEQ.ID.NO.49)のような修飾オリゴ(dT)24−T7プロモータープライマーを用いて、抽出した全RNA(2μg)を2本鎖cDNAに変換した。得られたcDNAをフェノール/クロロホルム抽出法で精製し、エタノールで沈殿させ、ジエチルピロカーボネート(DEPC)処理済みddH2Oに0.5μg/μlの濃度で再浮遊させた。1μgのdsDNA、7.5 mMの非標識ATPとGTP、5 mMの非標識UTPとCTP、さらに2 mMのビオチン標識CTPとUTP(ビオチン−11−CTP、ビオチン−16−UTP:EnzoDiagnostics)、及び20 U T7 RNAポリメラーゼを用いて、インビトロ転写し、37℃で4時間反応させてから、RNeasyスピンカラム(Qiagen)によって得られたcRNAを精製した。cRNA試料の一部を1%アガロースゲル上で単離してサイズ範囲を調べた後、40 mMのTris−酢酸塩(pH8.0)、100 mMのKOAc/30 mMのMgOAc中で、94℃で、35分間加熱し、10μgのcRNAを50個塩基の平均サイズに無作為に断片化した。ハイブリダイゼーションは、200μlのAFFY緩衝液(Affymetrix)中において40℃で16時間、一定の撹拌を加えて完了させた。ハイブリダイゼーション後、アレイを200μlの6×SSPE−T緩衝液(1×0.25M塩化ナトリウム/15mMリン酸ナトリウム(pH7.6)/1mM EDTA/0.005%トリトン)で3回すすぎ、ついで200μlの6×SSPE−Tにおいて50℃で1時間洗浄した。アレイをさらに0.5×SSPE−Tで2回すすぎ、0.5×SSPE−Tにおいて50℃で15分間洗浄した。その後、6×SSPE−T(pH 7.6)に溶解した2μg/mlのストレプトアビジン−フィコエリトリン(Invitrogen−Molecular Probes)と1mg/mlのアセチル化BSA(Sigma)で染色した。アレイを7.5μmにおいて共焦点スキャナー(Molecular Dynamics)で読み取った。
細胞分化及び免疫検出分析
無フィーダーのmirPS培地の他にいずれの処理もない場合、mirPS由来の胚様体を異種移植で6週齢の雌性の偽妊娠の免疫不全SCIDベージュマウスの子宮又は腹膜腔に移植すると、奇形腫様嚢腫が形成される(図10)。免疫不全の裸マウスの利用は、移植療法に模倣するインビボ環境を提供している。1 IUのヒト閉経期ゴナドトロピン(HMG)を2日間腹膜内注射し、またヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を1日間注射することによって、偽妊娠マウスを作成した。インビトロで幹細胞を生殖系列様細胞に分化させるように分子誘導するために、37℃、5%CO2で、ポリオルニチン/ラミニンに塗布された皿内のDMEM/F12(1:1;高グルコース)培地にmirPS細胞を12時間維持し、上記培地には、10%の木炭除去済みFBS、4mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、5ng/mlのアクチビン、及び50ng/mlのジヒドロテストステロン(DHT)が追加された。ついで、細胞をトリプシン処理し、1×PBSで洗浄して、冷却マトリゲルの4つのアリコート(それぞれ100μl)及び100 μlの1×PBSの1つのアリコート中に分注した。その後、すぐに6週齢の免疫不全SCIDベージュ色裸マウスの後肢筋肉、腹膜、子宮、皮下の頚部皮膚(マトリゲルと共に)、及び尾部静脈(PBSと共に)に細胞を移植した。実験処理中、ジエチルエーテルでマウスを麻酔した。1週間後、精原細胞様の細胞は子宮領域のみにおいて認められた。線維芽細胞分化については、10%のFBS、4mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、5 ng/mlのノギン及び100ng/mlの形質転換成長因子−βl(TGF−β1)を追加した通常のフェノールレッド不含DMEM培地を用いて6時間経てから、異種移植を行うこと以外、以上に示す方法と同様に処理した。1週間後、線維芽細胞は子宮において認められた。軟骨細胞分化については、10%のFBS、4mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム及び100 ng/mlの骨形成タンパク質4(BMP4)を追加した通常のRPMI 1640培地を用いて6時間経ること以外、以上に示す方法と同様に処理した。軟骨細胞は肝臓領域のみにおいて認められた。
細胞移動の測定
96ウェルの培養板において、ウェルごとに1つのPC3細胞と1つのmirPS−PC3細胞を入れ、その移動及び相互作用を記録した。2つの細胞はいずれも、37℃、5%CO2で10%の木炭除去済みFBS、4mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、5ng/mlのアクチビン、5ng/mlのノギン、3ng/mlのbFGF及び0.5μMのGSK−3抑制因子XVを追加したRPMI 1640培地において発生した。セルホルダーを有する1対のMO−188NE 3D油圧ファインマイクロマニピュレータを用いて、TE2000倒立型顕微鏡システム(Nikon)で細胞を個別的に単離して採取した。マイクロマニピュレータ及び顕微鏡システム全体を防振ステージに位置した。400×、及び600×倍率で、6時間かけて、15秒おきに写真を撮った。写真における細胞運動及び細胞形態を追いかけることによって、細胞移動を確認した。図7Dに示すように、転移癌PC3細胞は、ATCCのような速やかな軸形状移動になったが、mirPS−PC3細胞は円形状静止表現型を示して、放置された位置に保持されている。
統計解析
結果は平均±SEで示した。一元配置分散分析(one−way ANOVA)によってデータを統計解析した。主効果が有意な場合、Dunnett’sポストホック検定を用いて、対照群と有意に異なる群を同定した。2処理群間の一対比較には、両側スチューデントt検定を用いた。2群以上の処理群に関する実験では、ANOVAを行った後ポストホック多重範囲検定を行った。確率P<0.05を有意とみなした。両側検定から全p値を決定した。
以下の参考文献は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。
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[付記1]
少なくとも1つの細胞を少なくとも1つの腫瘍のない多能性幹細胞に再プログラムする方法であって、
(a)mir−302の標的となる複数の細胞遺伝子に干渉する少なくとも1つの遺伝子サイレンシングエフェクターに送達、転写及びプロセシングできる組換え核酸成分を構成する工程と、
(b)前記組換え核酸成分で細胞基質を処理する工程と
を含む方法。
前記細胞は、ほ乳類細胞、ヒト細胞、正常体細胞、病的体細胞、腫瘍細胞、癌細胞、ヒト毛嚢、ヒト皮膚細胞、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる付記1に記載の方法。
前記細胞基質は、mir−302の標的となる複数の細胞遺伝子を発現する付記1に記載の方法。
前記細胞基質の処理は、mir−302の標的となる前記細胞遺伝子が抑制された条件で行われる付記1に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、mir−302と相同な配列をコードする少なくとも1つの組換えイントロンを含む付記1に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、プラスミド、ウィルスベクター、レトロトランスポゾン、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるベクターを含む付記1に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、薬剤誘導性遺伝子発現プロモーターを含む付記1に記載の方法。
前記薬剤誘導性遺伝子発現プロモーターは、テトラサイクリン誘導体又はその等価物により制御される付記7に記載の方法。
前記テトラサイクリン誘導体又はその等価物は、G418、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ネオマイシン、アンピシリン、カナマイシン、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる付記8に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、Tet−On又はTet−Off遺伝子発現系を含む付記1に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、5’供与スプライス部位、イントロン挿入部位、分岐点モチーフ、ポリピリミジントラクト、及び3’受容スプライス部位を含む付記1に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、化学的合成、ヌクレオチド組換え、遺伝子工学、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる方法により形成される付記11に記載の方法。
前記5’供与スプライス部位は、SEQ.ID.NO.4配列を含むか、又はそれと相同である付記12に記載の方法。
前記5’供与スプライス部位は、5’GTAAG−3’と相同である付記12に記載の方法。
前記分岐点モチーフは、SEQ.ID.NO.6配列を含むか、又はそれと相同である付記12に記載の方法。
前記分岐点モチーフは、5’TACTAAC−3’を含むか、又はそれと相同である付記12に記載の方法。
前記ポリピリミジントラクトは、SEQ.ID.NO.7又はSEQ.ID.NO.8配列を含むか、又はこれらと相同である付記12に記載の方法。
前記3’受容スプライス部位は、SEQ.ID.NO.5配列を含むか、又はそれと相同である付記12に記載の方法。
前記3’受容スプライス部位は、5’CTGCAG−3’と相同である付記12に記載の方法。
前記イントロン挿入部位は、前記mir−302と相同な遺伝子サイレンシングエフェクターを含む付記12に記載の方法。
前記組換え核酸成分は更に、蛍光タンパク質マーカー遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、lac−Zレポーター遺伝子、胚性幹細胞マーカー遺伝子、ウィルス遺伝子、細菌遺伝子、細胞マーカー遺伝子、ジャンピング遺伝子、トランスポゾン、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる複数のエクソンを含む付記1に記載の方法。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.1又はSEQ.ID.NO.2配列と相同な配列を含む付記1に記載の方法。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.3配列と相同又は/及び相補的である付記1に記載の方法。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.9配列と相同な配列を含む組換えヘアピン様RNAである付記1に記載の方法。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.27とSEQ.ID.NO.28配列との雑種から形成される組換え核酸配列である付記1に記載の方法。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.9、SEQ.ID.NO.10、SEQ.ID.NO.11、SEQ.ID.NO.12、SEQ.ID.NO.13配列、及びこれらの組み合わせからなる群と相同な組換えRNAを含む付記1に記載の方法。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.29、SEQ.ID.NO.30、SEQ.ID.NO.31、SEQ.ID.NO.32、SEQ.ID.NO.33、SEQ.ID.NO.34、SEQ.ID.NO.35、SEQ.ID.NO.36配列、及びこれらの組み合わせの雑種のライゲーション連結により形成される付記1に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、テトラサイクリン応答要素、ウィルス又はII型RNAポリメラーゼ(Pol−II)プロモーターもしくはその両者、Kozak翻訳開始共通配列、ポリアデニル化シグナル、複数の制限/クローニング部位、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる付記1に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、pUC複製起点、複製可能な原核細胞で抗生物質耐性遺伝子を少なくとも1つ発現するSV40初期プロモーター、ほ乳類細胞の選択的SV40複製起点、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる付記1に記載の方法。
前記組換え核酸成分は、リポソーム形質移入、化学的形質移入、DNA組換えによる遺伝子導入、ウィルス感染、トランスポゾン挿入、ジャンピング遺伝子挿入、マイクロインジェクション、電気穿孔法、遺伝子銃による貫入、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる遺伝子送達法によって、前記細胞に導入される付記1に記載の方法。
前記サイレンシングエフェクターは、RNAスプライシング、エキソソーム消化、ナンセンス変異依存分解、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる細胞内メカニズムにより放出される付記1に記載の方法。
前記多能性幹細胞は、胚性幹細胞マーカーOct3/4を発現する付記1に記載の方法。
前記多能性幹細胞は、無フィーダー細胞培養条件で培養される付記1に記載の方法。
[付記34]
前記多能性幹細胞は、生殖系列様細胞に分化される付記1に記載の方法。
前記多能性幹細胞は、精原細胞様細胞に分化される付記1に記載の方法。
[付記36]
前記多能性幹細胞は、正常体細胞に分化される付記1に記載の方法。
前記多能性幹細胞は、線維芽細胞に分化される付記1に記載の方法。
[付記38]
前記多能性幹細胞は、軟骨細胞に分化される付記1に記載の方法。
前記多能性幹細胞は、mir−302マイクロRNAとOct3/4をマーカーとして用いて選択的に単離される付記1に記載の方法。
mir−302媒介性の遺伝子サイレンシング効果を誘導する組換え核酸成分であって、
少なくとも1つの細胞を腫瘍のない多能性幹細胞に再プログラムすることができる遺伝子サイレンシングエフェクターをコードする少なくとも1つのイントロンを含み、
前記イントロンは、mir−302媒介性の遺伝子サイレンシング効果を誘導するために、前記細胞においてスプライスされる
組換え核酸成分。
前記組換え核酸成分は、化学的合成、ヌクレオチド組換え、遺伝子工学、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる方法により形成される付記40に記載の成分。
前記イントロンは、
(a)前記mir−302と相同な遺伝子サイレンシングエフェクターをコードするイントロン挿入部位と、
(b)5’供与及び3’受容スプライス部位と、
(c)分岐点モチーフと、
(d)ポリピリミジントラクトと
を含む付記40に記載の成分。
前記イントロン挿入部位は、SEQ.ID.NO.1又はSEQ.ID.NO.2配列と相同なステムループ構造を有するヘアピン様核酸配列を含む付記42に記載の成分。
前記イントロン挿入部位は、SEQ.ID.NO.3配列と相同又は/及び相補的な核酸配列を含む付記42に記載の成分。
前記イントロン挿入部位は、SEQ.ID.NO.9、SEQ.ID.NO.10、SEQ.ID.NO.11、SEQ.ID.NO.12、及びSEQ.ID.NO.13配列からなる群から選ばれる核酸配列を含むヘアピン様マイクロRNA前駆体(pre-miRNA)配列を含む付記42に記載の成分。
前記分岐点モチーフは、SEQ.ID.NO.6配列を含む、又はそれに相同な核酸配列内に位置するアデノシン(A)ヌクレオチドを含む付記42に記載の成分。
前記分岐点モチーフは、5’TACTAAC−3’と相同な少なくとも1つのオリゴヌクレオチドモチーフを有する核酸配列内に位置するアデノシン(A)ヌクレオチドを含む付記42に記載の成分。
前記ポリピリミジントラクトは、SEQ.ID.NO.7又はSEQ.ID.NO.8配列を含むか、又はそれと相同なT又はC高含量の核酸配列を含む付記42に記載の成分。
前記5’供与スプライス部位は、SEQ.ID.NO.4配列を含むか、又はそれと相同な核酸配列を含む付記42に記載の成分。
前記5’供与スプライス部位は、5’GTAAG−3’を含むか、又はそれと相同な核酸配列を含む付記42に記載の成分。
前記3’受容スプライス部位は、SEQ.ID.NO.5配列を含むか、又はそれと相同な核酸配列を含む付記42に記載の成分。
前記3’受容スプライス部位は、5’CTGCAG−3’を含むか、又はそれと相同な核酸配列を含む付記42に記載の成分。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.3配列と相同又は/及び相補的な核酸配列を含む付記40に記載の成分。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.10、SEQ.ID.NO.11、SEQ.ID.NO.12及び/又はSEQ.ID.NO.13配列を含む核酸配列を含む付記40に記載の成分。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.29、SEQ.ID.NO.30、SEQ.ID.NO.31、SEQ.ID.NO.32、SEQ.ID.NO.33、SEQ.ID.NO.34、SEQ.ID.NO.35、SEQ.ID.NO.36配列、及びこれらの組み合わせの雑種のライゲーション連結により形成される組換え核酸配列を含む付記40に記載の成分。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.9配列を有する核酸配列を含む付記40に記載の成分。
前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.27とSEQ.ID.NO.28配列との雑種から形成される組換え核酸配列を含む付記40に記載の成分。
Claims (6)
- 核酸ベースの遺伝子サイレンシングエフェクターを腫瘍のない多能性幹細胞の生成に使用する方法であって、前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.3の核酸配列を含んでおり、かつ、細胞性のCDK2、サイクリンD、MECP1−p66及びMECP2遺伝子の発現に干渉し、
前記遺伝子サイレンシングエフェクターを非インビボの細胞基質に導入する工程であって、前記遺伝子サイレンシングエフェクターの発現は、薬剤誘導性遺伝子発現プロモーターにより制御されることと、
CDK2、サイクリンD、MECP1−p66及びMECP2遺伝子に干渉することにより細胞の腫瘍形成能を抑制して腫瘍のない多能性幹細胞が生成されるように、前記遺伝子サイレンシングエフェクターをヒトの胚性幹細胞における通常のmir−302の発現量を超える量まで誘導薬剤を用いて発現させる工程と
を含む方法。 - 前記遺伝子サイレンシングエフェクターの発現量は、前記誘導薬剤の存在下で前記薬剤誘導性遺伝子発現プロモーターにより制御される請求項1に記載の方法。
- 前記誘導薬剤は、テトラサイクリン、ドキシサイクリン又はその他のテトラサイクリン誘導体である請求項1に記載の方法。
- 前記遺伝子サイレンシングエフェクターの発現量は、前記誘導薬剤の濃度に比例的に対応する請求項1に記載の方法。
- 前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、SEQ.ID.NO.9、SEQ.ID.NO.10、SEQ.ID.NO.11、SEQ.ID.NO.12、及びSEQ.ID.NO.13から選ばれる少なくとも1つの配列を含む請求項1に記載の方法。
- 前記遺伝子サイレンシングエフェクターは、短鎖干渉RNA(siRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、及びそれらの前駆体から選ばれる請求項1に記載の方法。
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