JP2014165389A - 光透過型太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの黄変を防止すると共に、採光性や色彩、文字、図形、凹凸形状等のデザイン性を向上させることができる太陽電池バックシートを備えた透過型太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の光透過型太陽電池モジュールは、光入射側から耐候性保護部材、複数の太陽電池素子及び太陽電池バックシートが配置された光透過型の太陽電池モジュールであって、太陽電池バックシートは、接着層を挟持する少なくとも2枚のプラスチックフィルムを有し、接着層は、極性ビニル化合物で変性されてなるポリオレフィン系ホットメルト樹脂100重量部と、顔料及び染料からなる群から選ばれる1種類以上の着色剤0.0001〜20重量部とを含むホットメルト樹脂組成物であり、太陽電池バックシートには凹凸が加飾されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ホットメルト系接着剤層を含む積層体を用いた太陽電池モジュールに関し、特に、シースルー太陽電池モジュールやライトスルー太陽電池モジュール等の光透過型太陽電池モジュールに関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止などの観点から、太陽光を電気エネルギーに直接変換する太陽電池に注目が高まっている。太陽電池は発電素子、封止材、裏面保護フィルム(バックシート)と、発電素子の受光側に設けられる透明受光板(ガラス板等)とを、基本要素として有している。今日では太陽電池モジュール用途拡大に伴い、太陽電池モジュールの発電効率のみならず、意匠性も重視されており、シースルータイプやライトスルータイプの光透過型、フレキシブルタイプ、瓦一体タイプ等様々な太陽電池が開発されている。太陽電池の意匠性を重視する流れに伴い、太陽電池セルの色やデザインも多様化しており、様々な色やデザインを施された太陽電池セルが開発されている。様々な色やデザインを施された太陽電池は、景観を損なうことなく設置できるため、太陽電池の新たな設置方法につながるものとして注目が高まっている。
例えば、特許文献1には、シースルータイプの太陽電池モジュールに好適に用いられる透明保護シートに関する技術が記載されており、その構成は、太陽電池モジュール用保護シート、その表面(露出面)の側から、第一樹脂シート、第一接着剤層、紫外線遮蔽層、第二樹脂シート、第二接着剤層及び樹脂層が順に積層された積層体である。そして、少なくとも第一接着剤層を、主剤と硬化剤からなる2液タイプのラミネート接着剤を硬化した層として、上記ラミネート接着剤の主剤を、特定のポリウレタンジオール(A)と、脂肪族ポリカーボネートジオール(B)との混合物を含む保護シートにしたことにより、保護シートの実使用時の黄変を抑制した技術が開示されている。
特開2012−079868公報
上述のように、太陽電池モジュールには、長期の使用による部品の黄変を抑制することが要求されているのと同時に、設置場所によっては、太陽電池モジュールを介した採光性や色彩等のデザイン性も求められている。さらに発明者は、これの課題を解決した太陽電池モジュールに、凹凸形状の加飾を付与出来たならば、太陽電池モジュールを透過する、もしくは反射する光にグラデーションが生じ、さらにデザイン性の高い太陽電池モジュールとなると考えた。そこで本発明者は、後述するように、まず(1)黄変の原因について検討し、その見地を太陽電池モジュールの材料選択に活かすと共に、(2)太陽電池モジュールを透明化する手段や着色する手段、着色手段をバックシートに委ねた場合の接着強度についても検討した。さらに、(3)バックシートを用いて太陽電池モジュールのデザイン性を向上させることについても検討した。
本発明は、太陽電池モジュールの黄変を防止すると共に、採光性や色彩、文字、図形、凹凸形状等のデザイン性を向上させることができる太陽電池バックシートを備えた光透過型太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
即ち、本発明の太陽電池モジュールは、光入射側から耐候性保護部材、複数の太陽電池素子、及び太陽電池バックシートを含む光透過型太陽電池モジュールであって、上記太陽電池バックシートが、接着層を挟持する少なくとも2枚のプラスチックフィルムを含み、かつ、上記接着層の材料が、極性ビニル化合物で変性されてなる、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂100重量部と、顔料、及び染料からなる群から選ばれる1種類以上の着色剤0.0001〜20重量部と、を含むホットメルト樹脂組成物である光透過型の太陽電池モジュールであり、太陽電池バックシートには凹凸が加飾可能であることを特徴としている。
本発明は、ホットメルト系接着剤層(a)の両面に少なくとも2枚のフィルム(b)が積層されてなる積層体を含む太陽電池用バックシートであって、受光面側からガラス/封止材/セル/封止材/バックシート/加飾用シートの構成で組立てた後、真空ラミネーターで一体成形することで、バックシート外観表面に加飾用シートを形成することによって、凹部が形成されることで加飾が可能な太陽電池用バックシートを含むものである。
このように、特定の材料からなる接着層を含むバックシートを用いることで、安価な材料を用いて、簡便にその採光性を調整可能であり、層間接着性が高いことで信頼性に優れた光透過型太陽電池モジュールとなることを見出し、また、該バックシートを用いれば、光透過型太陽電池モジュールの裏面に加飾(凹凸)処理することが可能となり、その結果、太陽電池モジュールのデザイン性を向上させることができた。加飾としては、文字、図形、記号等があり得るが、それらは凹凸加飾を組み合わせることで達成できる。
ここで、[発明が解決しようとする課題]における(1)〜(3)について言及する。
(1)黄変の原因
従来技術を参考に保護シートの透過率を調整する場合、黄変が生じることがあった。そこで、本発明者らはまず、黄変の原因について検討し、この黄変の原因が、太陽光照射による紫外線による構成部材の材料である樹脂の劣化が原因であると推定し、前述のシートの透過率を調整する機能を、この紫外線による劣化が生じ難いバックシートに付与することが好ましいと考えた。そのようにすることで、太陽光入射側の保護部材の透過率について、モジュール全体の透過率の調整とは別に、発電効率が最大となるように調整可能であることも見出すことができる。
(2)着色方法
本発明者らは、着色された太陽電池モジュールを製造する手段として、モジュール内に適切な採光性を有する着色フィルムを透明な接着樹脂で張り合わせる方法と、透明フィルムを着色した接着樹脂で張り合わせる方法を検討したが、前者は使用する着色フィルムの透過率を調整しなければならず、後者は接着樹脂を着色しつつも、接着強度を落とさないようにしなければならないという課題があると考えた。発明者らは、上記の後者について、詳細な材料設計を検討し、バックシートを多層構造とし、透明性、着色性等のデザイン性に加え、水蒸気透過率や層間接着強度、コストなど、バックシートに求められる特性を発揮する材料選択を行なうことにした。
(3)デザイン性の向上
太陽電池モジュール裏面に製造管理番号や品質特性、社名などのロゴや模様の加飾(凹凸)を施すニーズはあるが、従来は、印刷(インクコート)やシールで貼り付つけることが一般的であった。しかしながら、従来方法では、製造プロセスが増えてコストがかかってしまったり、また、屋外に長期間曝され印刷が消えてしまったり、シールが剥がれたりしてしまうなどの問題があり、意匠性の観点から好ましくなかった。しかし、本発明の思想のように、太陽電池モジュールに凹凸を利用した加飾を施すことが出来ると、様々な色彩やデザインを有する太陽電池セルの意匠性を損なうことなくモジュールを作製でき、加えて、ラミネート時にバックシートの裏面に、製造管理番号や品質特性、社名などのロゴや模様の加飾(凹凸)が可能であるため、より意匠性の高い太陽電池モジュールの製造につながる。
(利用分野)
本発明は、採光性を調整しつつ、加飾を施す事も可能であるため、ステンドグラス部分、カーポートの屋根部分、自動車のサンルーフ部分、デザイン性を重視する建材等、意匠性が高く求められる様々な部分に太陽電池を設置する事が可能となる。また、ガラス二枚で封止するシースルー、もしくはライトスルータイプの太陽電池モジュールと比較して、軽量化が達成される事は明らかである。さらに、本発明のバックシートはフロントシートとしても使用可能であり、本発明のシート二枚と封止材でセルを封止した太陽電池は、軽量化と共に柔軟性も確保できる。そのため、セルとの組み合わせで、湾曲箇所にも対応可能なシースルー、ライトスルータイプの太陽電池モジュールを作る事が可能である。
本発明の太陽電池モジュールは、安価な材料を用いているにも関わらず、簡便にその採光性、着色性、透過性等を調整することが可能であり、また、層間接着性が高い点で信頼性に優れ、さらに、バックシートに凹凸形状等の加飾を施すことが可能な光透過型太陽電池モジュールである。
一般的な太陽電池モジュールを示す図であり、上側の図は結晶系太陽電池モジュールの断面図、下側の図は非晶系太陽電池モジュールの断面図である。 本発明の太陽電池モジュールに使用するバックシートの断面図である。 本発明の太陽電池モジュールに加飾を施す工程の概略図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
光透過型太陽電池モジュールとは、シースルーやライトスルー太陽電池に代表される様に、太陽電池モジュールを太陽光がある程度透過して、太陽電池モジュールの後方を視認出来たり、後方に採光性を与えたりするものである。
本発明のポリオレフィン系ホットメルト樹脂は、極性ビニル化合物を含み、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂100重量部、並びに顔料及び/又は染料0.0001〜20重量部を含む事を特徴とする。
ポリオレフィン系ホットメルト樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン共重合体などのポリオレフィン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体などの極性基が導入されたポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレンなどの酸変性ポリプロピレンなどがあげられる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体が好ましく、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体がより好ましく、プロピレン−エチレン共重合体であって、エチレン含有量が5〜15重量%であることが特に好ましい。
極性ビニル化合物としては、ビニル基と極性官能基とを含有する原料に由来したものであれば特に制限はなく、不飽和カルボン酸、その無水物、エポキシ基含有ビニル化合物、水酸基含有ビニル化合物、ハロゲン含有ビニル化合物などがあげられる。
水酸基含有ビニル化合物としては、例えば、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等があげられる。ハロゲン含有ビニル化合物としては、塩化ビニル、フッ化ビニル等があげられる。
極性ビニル化合物で変性するとは、ポリオレフィン系樹脂に対して、極性ビニル化合物を添加し、反応させる事であり、例えば共重合、ブロック共重合、リビング重合、グラフト重合、溶液重合等があげられる。好ましくはポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤を溶融混練した混合物に、極性ビニル化合物を加え溶融混練することが好ましい。さらに好ましくは、押出溶融混練を行うことが好ましい。この場合、反応としては極性ビニル化合物がグラフト反応に関与する事が好ましく、さらには、極性ビニル化合物がポリオレフィン系樹脂の主鎖にグラフトしていることが特に好ましい。
顔料としては、無機顔料、もしくは有機顔料どちらでも用いる事ができ、カーボンブラック、ウルトラマリン、アンバー、シェンナ、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、多環顔料、アゾ顔料、レーキ顔料、無機酸化物含有顔料などが挙げられる。染料としては天然染料、合成染料、蛍光染料などがあげられる。顔料と染料は、単独、または2種以上を混合して用いることができる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン、o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が好ましく、特にスチレンが好ましい。上記の芳香族ビニル単量体は、単独または2種以上を混合して用いることができる。
エポキシとしては、エポキシ基を含有する化合物であって、例えばメタクリル酸グリシジル(GMA)、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸モノグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸モノグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテンなどが挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジルが好ましく、特にメタクリル酸グリシジルが好ましい。上記のエポキシ基含有化合物は、単独または2種以上を混合して用いることもできる。
不飽和カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フタル酸、メタクリル酸、アクリル酸、酢酸ビニル、及びそれらの誘導体などがあげられる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水フタル酸などがあげられる。
芳香族ビニル単量体の添加量は、(a−1)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜30重量部であることがより好ましい。添加量が少なすぎるとポリオレフィン系樹脂に対するエポキシ基含有ビニル単量体のグラフト率が劣る傾向があり、好ましくない。添加量が多すぎるとエポキシ基含有ビニル単量体のグラフト効率が飽和域に達するので、50重量部を上限とすることが好ましい。
ラジカル開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどが挙げられる。
中でも、水素引き抜き能が高いことから、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどを用いることが好ましい。上記のラジカル開始剤は、単独または2種以上を混合して用いることができる。
ラジカル重合開始剤の添加量は、(a−1)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.2〜5重量部であることがより好ましい。
着色剤の添加方法としては、樹脂を溶融混練する際に加えるが、添加するタイミングは、変性前後どちらでもよいが、変性しながら、または変性後に添加する方が好ましい。
本発明のエポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、熱可塑性樹脂、エラストマー、粘着付与剤(タッキファイヤー)、可塑剤などを添加してもよい。
エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ブチルゴム、アクリルゴム、塩素化ポリエチレン、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
粘着付与剤としては、数平均分子量300〜3000、JISK−2207に定められた環球法に基づく軟化点が60〜150℃である低分子の樹脂であって、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂およびそれらの水素化物、テルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの低分子量重合体が例示される。
可塑剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどの石油系プロセスオイル、シリコーン系オイル、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子量液状ポリマーが例示される。さらに、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、充填材、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの添加剤は、予めポリオレフィン系樹脂に添加しておいてもよく、ポリオレフィン樹脂を溶融するときに添加してもよく、またエポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物を製造した後に添加してもよい。
溶融混練時の添加方法については、ポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤を溶融混練した混合物に、エポキシ基含有ビニル単量体、芳香族ビニル単量体を加え溶融混練することが好ましい。溶融混練時の加工温度は、130〜300℃であることが好ましい。130℃〜300℃の場合、ポリオレフィン系樹脂が充分に溶融し、また、熱分解しにくい。また、混練時間、すなわち、ラジカル重合開始剤を混合してからの時間は、通常30秒間〜60分間であることが好ましい。溶融混練には、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミル、加熱ロールなどを使用することができる。生産性という観点から、単軸または2軸の押出機を用いることが好ましい。また、各種原料の混和性や分散性を高めるために、上記の溶融混練装置を併用してもよい。
プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルムなどが挙げられる。
[製造工程]
本発明にかかる変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂を溶融押出法によりフィルムに成形する場合、まず、変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂を、押出機に供給し、該樹脂を加熱溶融させる。変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂は、押出機に供給する前に、予備乾燥することが好ましい。このような予備乾燥を行うことにより、押出機から押し出される樹脂の発泡を防ぐことができる。
予備乾燥の方法は特に限定されるものではないが、例えば、原料(すなわち、本発明にかかる変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂)をペレット等の形態にして、熱風乾燥機等を用いて行うことができる。
次に、押出機内で加熱溶融された変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂を、Tダイに供給する。このとき、ギアポンプを用いれば、樹脂の押出量の均一性を向上させ、厚みムラを低減させることができる。
次に、Tダイに供給された変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂を、シート状の溶融樹脂として、Tダイから押し出し、該シート状の溶融樹脂の両面からプラスチックフィルムを2つのラミネートロールで挟み込んでラミネートし、三層構成のシート得る。
五層構成のシートを得る場合、まずTダイに供給された変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂を、シート状の溶融樹脂として、Tダイから押し出し、該シート状の溶融樹脂の両面からプラスチックで挟み込んでラミネートし、三層構成のシート得る。その後、Tダイに供給された変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂を、シート状の溶融樹脂として、Tダイから押し出し、該シート状の溶融樹脂の両面からプラスチックフィルムと、上記三層構成のシートとを2つのラミネートロールで挟み込んでラミネートし、五層構成のシートを得る。
上記シート状の溶融樹脂を挟み込む2つのラミネートロールの内、一方は、表面が平滑な剛体性の金属ロールであり、もう一方は、表面が平滑な弾性変形可能な弾性外筒を備えたフレキシブルロールであることが好ましい。このような剛体性の金属ロールと金属製弾性外筒を備えたフレキシブルロールとで、上記シート状の溶融樹脂を挟み込んでラミネートすることにより、各フィルム間の接着性と表面外観性が良好なシートを得ることができる。上記、金属ロールの表面温度は接着性の観点から20℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。一方、フレキシブルロールの表面温度は150℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
押出ラミネートによってフィルムを貼り合わせる際には、プラスチックフィルムにかかるフィルムテンションが6.85N/m以下であり、より好ましくは4.90N/m以下の条件で押出ラミネートすることで、熱収縮率が抑えられた良好な積層体が得られる。
Tダイより吐出される変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂の温度は、150〜300℃が好ましく、170〜280℃がより好ましい。金属ロールとフレキシブルロールとのラミネート圧力は特に制限はなく、十分な接着力が得られる程度が好ましい。
本発明のバックシートは、ラミネート時に太陽電池素子と反対側のバックシート裏面に加飾(凹凸)処理可能であることを特徴としている。加飾(凹凸)処理の観点から、熱可塑性樹脂である接着層の厚みを市販のものより比較的厚めにする方が良い。好ましくは接着層の厚みが30μm以上ある事が好ましい。
本発明により、接着層に熱可塑性樹脂を用いることで加飾(凹凸)処理が可能となり、これにより、ラミネート時にバックシートの裏面に、社名などのロゴや模様等の加飾(凹凸)を付与することができ、印刷ではなく、裏面に凹凸の付与が可能である点が有用である。また、ラミネートと同時に加飾できるので製造プロセスへの影響がないという利点を有する。
従来のバックシートでは、接着層に熱硬化性樹脂が用いられており、ラミネート時に裏面に凹凸を形成することは困難であったし、バックシートの裏面への加飾処理は凸凹形成ではなく、ラミネート後に印刷(インクコート)やシールを張り付ける方法などが一般的であった。
このような加飾に用いられる加飾用シートの形状は、シートまたはフィルム状であって、その厚みが、0.05mm〜50mmであって、材質は、ガラスクロスシート、テフロンシート(登録商標)、ポリエステル系フィルムであることが好ましく、このような加飾用シートは太陽電池モジュールに貼りつけられることなく、同じシートを何度も使用可能である。通常のバックシートの層間接着材は熱硬化性であり同じ方法では凹部が形成されない。
加飾用シートとして、形状はシートまたはフィルムであって、その厚みが0.05mm〜50mmであって、より好ましくは、0.1mm〜10mmであって、材質は、ガラスクロスシート、テフロンシート、ポリエステル系フィルムであることが好ましい。加飾用シートの厚みを変化させる事で、加飾する際の凹凸の高低差を調整可能である。
受光面側からガラス/封止材/セル/封止材/バックシート/加飾用シートの構成で組立てた後、真空ラミネーターで加熱圧着することが好ましい。
真空ラミネーターの成形条件は、120℃〜180℃で脱気時間0.1〜10分、プレス圧力0.9〜20N/cm、プレス時間1〜30分であることが好ましい。より好ましくは、135℃〜150℃で脱気時間1〜5分、プレス圧力4.5〜10N/cm、プレス時間5〜15分である。
本発明のバックシートは、凹凸の深さ、形状によって、様々な文字やデザインを太陽電池モジュールに加飾できる。また、本発明の樹脂に加える着色剤の種類や添加量を適切に調整する事で、光透過型モジュールの色調を調整可能である。そのため、凹凸の模様と太陽電池モジュールの色彩の様々な組み合わせを行う事が可能となる。これにより、透過、及び反射する光を利用した、多種多様の意匠性の高い太陽電池モジュールを製造可能という利点を有する。
色調や凹凸の深さや角度によっては、後方に影の部分を生じさせることもできる。意匠性を向上する目的で凹凸加飾された色つきガラス等を受光面側に使用してしまうと、セルに照射される光の量が減少し、発電効率が低下する事が懸念される。一方本発明の光透過型太陽電池モジュールは、太陽電池セルよりも裏面側に色や凹凸のデザインを加飾しているため、受光面側から太陽電池セルに照射される光は従来のシースルーやライトスルーといった太陽電池モジュールと同等である。すなわち、光透過型太陽電池モジュール後方へは着色と凹凸加飾により、影や光のグラデーションを生じさせつつも、発電効率は損なわれない。
本発明の太陽電池用バックシートは、太陽電池モジュールの裏面側保護部材として用いられ、真空ラミネーターで封止することにより得られる。上記太陽電池モジュールにおいて、太陽電池用セルを十分に封止するには、大きく分けて結晶系および非晶系の2つの封止法がある。結晶系の太陽電池の場合は図1上段に示すように、受光面側透明保護部材1、受光面側封止材3A、太陽電池用セル4、裏面側封止材3B及びバックシート2を積層し、また非晶系の場合は図1下段に示すように、受光面側透明保護部材1、太陽電池用セル4(受光面側透明保護部材に接している)、裏面側封止材3B、バックシート2を積層し、どちらも上記バックシートの上に加飾シートを積載し、真空ラミネーターで一体化成形を行う。このような構成を有する太陽電池モジュールに本発明のバックシートを使用することで、裏面上に加飾(凹凸)を形成するだけでなく、長期間に亘る使用環境下での水分浸入などを防ぎ、優れた耐久性を有するものとなる。
本発明に使用される受光面側透明保護部材は、フィルムやシート、または板状で使用される。通常珪酸塩ガラスやポリカーボネート製の板など実用的な強度と透明性を兼ね備えたものが使用され、特にガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に或いは熱的に強化させたものであってもよい。
なお、本発明の太陽電池は、裏面側に用いられるバックシートに特徴を有する。したがって、受光面側透明保護部材、封止材、および太陽電池用セルなどの上記バックシート以外の部材については、特に制限されず、従来公知の太陽電池と同様の構成を有していればよい。
本発明のバックシートは、いずれの太陽電池にも使用できるが、アモルファスシリコン系太陽電池、結晶シリコン系太陽電池、ハイブリッド太陽電池などに好適に用いることができる。また、太陽電池の設置場所としては、屋根上、ビル・工場・学校・公共施設などの屋上、壁面、海岸、砂漠地帯などに加えて、設置場所後方の視認性や採光性が求められる窓、天井などが例示される。さらに、本発明の光透過型太陽電池モジュールの加飾、色彩、光の透過、および反射を使用した広告等への利用も可能である。
以下に具体的な実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
[ポリオレフィン系ホットメルト樹脂]
(製造例1)
(a−1)プロピレン−エチレン共重合体(バーシファイ3401、MFR8、ダウ・ケミカル製)100重量部、1,3−ジ(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型同方向回転式2軸押出機(TEX44、L/D=38、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より(a−2)メタクリル酸グリシジル5重量部、(a−3)スチレン5重量部をノズルから加え、エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。
(製造例2)
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン社製:Sheast V)0.5重量部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型異方向回転式2軸コンレン機(20C200、株式会社東洋精機製作所製)に供給して溶融混練した。混練後の樹脂は直径0.6mm以下の塊になるように粉砕した。
(製造例3)
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、緑色の顔料(大日精化社製:ダイピロキサイドグリーン9320)1部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型異方向回転式2軸コンレン機(20C200、株式会社東洋精機製作所製)に供給して溶融混練した。混練後の樹脂は直径0.6mm以下の塊になるように粉砕した。
(製造例4)
製造例3において、製造例3加えた緑色の顔料の部数を、実施例4では10重量部としたこと以外は、実施例3と同様にして、樹脂を得た。
[バックシートの作製]
(実施例1)
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、製造例2で得られた樹脂3.8重量部を、ドライブレンドし、60℃で15時間乾燥後、40mmφ単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて290℃で200μmのシート状の溶融樹脂として押し出した。
このシート状の溶融樹脂の両面にPETフィルム(PETフィルム、シャインビーム透明、東洋紡績製、厚み50μm)を80℃に加温した金属性ロールと35℃に加温したシリコンゴム皮膜ロールとで挟み込み、フィルムテンションを4N/mに制御しながらラミネートし、PETフィルム/変性ポリオレフィン系樹脂組成物/PETフィルムの三層積層フィルムを得た。
(実施例2〜6)
実施例1において、製造例2で得られた樹脂のドライブレンド量を、実施例2では8.0重量部、実施例3では12.5重量部、実施例3では12.5重量部、実施例4では14.0重量部、実施例5では35.0重量部、実施例6では90重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6の各々の三層積層フィルムを得た。
(実施例7)
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、製造例3で得られた樹脂33重量部を、ドライブレンドし、60℃で15時間乾燥後、40mmφ単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて290℃で200μmのシート状の溶融樹脂として押し出した。
このシート状の溶融樹脂の両面にPETフィルム(PETフィルム、シャインビーム透明、東洋紡績製、厚み50μm)を80℃に加温した金属性ロールと35℃に加温したシリコンゴム皮膜ロールとで挟み込み、フィルムテンションを4N/mに制御しながらラミネートし、PETフィルム/変性ポリオレフィン系樹脂組成物/PETフィルムの三層積層フィルムを得た。
(実施例8) 製造例1で得られたペレット100重量部に対して、製造例4で得られた樹脂11重量部を、ドライブレンドし、60℃で15時間乾燥後、40mmφ単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて290℃で200μmのシート状の溶融樹脂として押し出した。
このシート状の溶融樹脂の両面にPETフィルム(PETフィルム、シャインビーム透明、東洋紡績製、厚み50μm)を80℃に加温した金属性ロールと35℃に加温したシリコンゴム皮膜ロールとで挟み込み、フィルムテンションを4N/mに制御しながらラミネートし、PETフィルム/変性ポリオレフィン系樹脂組成物/PETフィルムの三層積層フィルムを得た。
<光透過率測定法>
実施例1〜8で得られたバックシートであるフィルムの全透過率を濁度計(NDH−300A、日本電色工業製)にて測定した。その結果を表1に示す。
次に、実施例1〜8のサンプルを10mm×250mmのサイズ(MD長手方向)に切り出し、層間接着強度をオートグラフ(AG−2000A、株式会社島津製作所)を用いて、室温下、PETフィルムの両端を200mm/分で引っ張るT字ピール強度の測定により、三層界面の長さで規格化した値を接着性強度として評価した。評価の結果、全て10N/cm以上であり、良好な層間接着性がみとめられた。
これらの結果から、本発明の変性ポリオレフィン樹脂に顔料、もしくは染料を加える事で、色彩や光の透過率を調整でき、なおかつ層間接着性も優れた積層体を構築できることが判る。
[セル無太陽電池サンプルの作製] 次に、実施例9〜16において、それぞれ実施例1〜8で作製したサンプルを用いた検討結果を示す。
(実施例9)
ガラス(太陽電池カバー用熱処理ガラス(片面エンボス着)、SFN3.2mm厚、旭硝子株式会社製)、酢酸ビニル共重合樹脂製封止シート(Ultra Pearl、0.45mm厚、サンビック株式会社製)、実施例(1)で作製したバックシートをこの順で積層させ、真空ラミネート装置(spire社製:Spi−Laminator)を用いて加熱プレスし、積層体を得た。
(実施例10〜16)
実施例9において、使用したバックシートを、実施例10では実施例2で作製したバックシート、実施例11では実施例3で作製したバックシート、実施例12では実施例4で作製したバックシート、実施例13では実施例5で作製したバックシート、実施例14では実施例6で作製したバックシート、実施例15では実施例7で作製したバックシート、実施例16では実施例8で作製したバックシートとしたこと以外は、実施例9と同様にして、実施例10〜16の各々の積層体を得た。
<光透過率測定法>
実施例7〜12で得られたフィルムの全透過率を濁度計(NDH−300A、日本電色工業製)にて測定した。その結果を表2に示す。
このように、本発明における顔料、もしくは染料を加えた変性ポリオレフィン樹脂を使用したバックシートを用いて作製された太陽電池モジュールは、色彩や光の透過率を調整できる。結果として本発明のバックシートを用いた場合、太陽電池モジュールの採光性を調整する事ができる。
[セル無太陽電池サンプルへの凹凸加飾]
次に、実施例17〜48において、それぞれ実施例1〜8で作製したサンプルを用いた検討結果を示す。
(実施例17)
実施例1得られたバックシートを受光面側からガラス/封止材/セル/封止材/バックシート/加飾用シート(東レ;ルミラー、厚み50μm)の構成で組立てた後、真空ラミネーター(エヌ・ピー・シー製;真空ラミネーター LM−50 X 50−S)で一体成形した。一体成形の条件は135℃で脱気時間5分、プレス圧力9.81N/cm、プレス時間15分で加熱圧着し、太陽電池モジュールを得た。加飾用シートには、予め社名「KANEKA」をくり貫いたものを使用した。
(実施例18〜24)
実施例17において、使用したバックシートを、実施例18では実施例2で作製したバックシート、実施例19では実施例3で作製したバックシート、実施例20では実施例4で作製したバックシート、実施例21では実施例5で作製したバックシート、実施例22では実施例6で作製したバックシート、実施例23では実施例7で作製したバックシート、実施例24では実施例8で作製したバックシートとしたこと以外は、実施例17と同様にして、実施例18〜24の各々の太陽電池モジュールを得た。
[加飾用シートの検討]
実施例25〜48及び比較例1〜4では、上述とは異なる加飾用シートを用いて検討した。
(実施例25〜32)
実施例17〜24において、加飾用シートとして、ガラスクロスシートを使用した以外は、実施例17〜24と同様にして、実施例25〜32を得た。
(実施例33〜40)
実施例17〜24において、加飾用シートとして、テフロンシートを使用した以外は、実施例17〜24と同様にして、実施例33〜40を得た。
(実施例41〜48)
加飾用シートとしてPETシート(東洋紡;厚み125μm)を使用した以外は、実施例17と同様にして実施例41〜48を得た。
(比較例1)
バックシートとして、東洋アルミ社製(TOYAL SOLAR FA20/AL30/BPET50/LE50)を使用した以外は、実施例17と同様に実施した。
(比較例2)
バックシートとして、イソボルタ社製(ICOSOLAR 0711)を使用した以外は、実施例17と同様に実施した。
(比較例3)
バックシートとして、恵和社製(Appli−Sola)を使用した以外は、実施例17と同様に実施した。
(比較例4)
バックシートとして、東洋アルミ社製(TOYAL SOLAR FA20/AL30/BPET50/LE50)を使用した以外は、実施例25と同様に実施した。バックシート上への加飾(凹凸)形成の優劣判断(加飾性の良し悪し)は以下のように行った。
Y:バックシート上に社名の転写が確認できる。
N:バックシート上に社名の転写が確認できない。
このように、本発明における顔料、もしくは染料を加えた変性ポリオレフィン樹脂を使用したバックシートを用いる事で、市販されているバックシートで実施するのは難しい太陽電池モジュールの裏面に社名や製造番号や星形のデザイン等、様々な凹凸を加飾する事ができる。また、社名や製造番号をシールに記載して貼りつける従来の方法に比べて、耐久性がある事は明らかである。さらに、色調と採光性を調整でき、なおかつ裏面に凹凸加飾がなされた光透過型太陽電池モジュールは、モジュールを透過した光の屈折を利用する等して、より意匠性の高いものにする事ができる。
1.受光面側透明保護部材
2.バックシート
3A.受光面側封止材
3B.裏面側封止材
4.太陽電池用セル
5.加飾用シート
6.1〜4の積層体
a.ポリオレフィン系ホットメルト樹脂
b.プラスチックシート

Claims (12)

  1. 光入射側から耐候性保護部材、複数の太陽電池素子及び太陽電池バックシートが配置された光透過型の太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池バックシートは、接着層を挟持する少なくとも2枚のプラスチックフィルムを有し、
    前記接着層は、極性ビニル化合物で変性されてなるポリオレフィン系ホットメルト樹脂100重量部と、顔料及び染料からなる群から選ばれる1種類以上の着色剤0.0001〜20重量部とを含むホットメルト樹脂組成物であり、
    前記太陽電池バックシートには凹凸加飾が施されていることを特徴とする光透過型太陽電池モジュール。
  2. 前記凹凸加飾は、前記太陽電池バックシートの設置面に物理的に施されたものであり、文字及び/又は図形である請求項1に記載の光透過型太陽電池モジュール。
  3. 前記接着層の厚みが、前記太陽電池バックシートの厚みに対して20%以上である請求項1又は2に記載の光透過型太陽電池モジュール。
  4. 前記太陽電池バックシートは、押出ラミネート法で積層されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の光透過型太陽電池モジュール。
  5. 前記太陽電池バックシートは、真空ラミネーターの成形条件が120℃〜180℃で脱気時間0.1〜10分、プレス圧力0.5〜20N/cm、プレス時間1〜30分で加熱圧着されるものである請求項1〜4のいずれかに記載の光透過型太陽電池モジュール。
  6. 前記ポリオレフィン系ホットメルト樹脂が、さらに、芳香族ビニル化合物で変性されてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の光透過型太陽電池モジュール。
  7. 前記極性ビニル化合物が、エポキシ、不飽和カルボン酸、及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の極性基を有する不飽和極性基を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の光透過型太陽電池モジュール。
  8. 前記ポリオレフィン系ホットメルト樹脂が、(a−1)ポリオレフィン系樹脂に対して、ラジカル重合開始剤の存在下、(a−2)エポキシ基含有ビニル単量体、及び(a−3)芳香族ビニル単量体を溶融混練して得られるエポキシ変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光透過型太陽電池モジュール。
  9. 前記ポリオレフィン系ホットメルト樹脂が、(a−1)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、ラジカル重合開始剤の存在下、(a−2)エポキシ基含有ビニル単量体0.5〜30重量部、及び(a−3)芳香族ビニル単量体0〜30重量部を溶融混練して得られるエポキシ変性ポリオレフィン系ホットメルト樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の光透過型太陽電池モジュール。
  10. 前記着色剤が、炭素系材料、あるいは無機酸化物顔料である、請求項1〜9のいずれかに記載の光透過型太陽電池モジュール。
  11. 前記太陽電池バックシートの全光透過率が、0〜90%である請求項1〜10のいずれかに記載の透過型太陽電池モジュール。
  12. 前記プラスチックフィルムが、ポリエステル系フィルム、もしくはポリカーボネート系フィルムである、請求項1〜11のいずれかに記載の透過型太陽電池モジュール。
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