JP2014165268A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも光取り出し効率の高い半導体レーザ装置を実現する。
【解決手段】 半導体レーザ装置1は、半導体基板7と、半導体基板7の上層に形成されたレーザ部2と、レーザ部2の外側における半導体基板7の上層に形成された、半導体基板7よりキャリア濃度が高濃度の第1コンタクト層11と、第1コンタクト層11の上層に形成された光ポンピング部20と、光ポンピング部20の外側における第1コンタクト層11の上層に形成された第1電極9と、光ポンピング部20の上層に形成された、半導体基板7よりキャリア濃度が高濃度の第2コンタクト層10と、第2コンタクト層10の上層に形成された第2電極8を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体レーザ装置に関し、特に光ポンピングを利用した半導体レーザ装置に関する。
半導体レーザ装置として、近年、基板面に垂直な方向に光を取り出す構成の垂直外部共振器面発光レーザ(Vertical External Cavity Surface Emitting Lasers:以下、「VECSEL」と略記する。)の開発が進められている(例えば、下記特許文献1、非特許文献1参照)。
図7は、特許文献1や非特許文献1に開示された従来のVECSEL構造のレーザ装置の模式的断面図である。従来のレーザ装置90は、半導体基板40の上面にレーザ部2を備える。このレーザ部2は、n側多層膜反射鏡6、レーザ用発光部4、及びp側多層膜反射鏡5を備え、レーザ用発光部4を、一対の反射鏡5及び6が半導体基板40の面に垂直な方向に挟み込む構成である。
レーザ装置90は、半導体基板40のレーザ部2の形成側において、p側多層膜反射鏡5の上層に、高濃度のp側コンタクト層51を介してp側電極52が形成されている。一方、レーザ部2が形成されていない側において、半導体基板40の面上にn側電極53が形成されている。
レーザ部2の外側には絶縁層25が形成される。この絶縁層25は、p側電極52とn側電極53の間にバイアス電圧が印加された際、発光効率を高めるべく電流をレーザ部2の領域に集中させ、その外側の領域に電流を流さないようにするための電流狭窄層を構成する。そして、この絶縁層25の周囲をパッシベーション層55が覆っている。
半導体基板40に対して、光取り出し方向d1の向きに離間した位置には、外部出力ミラー14が備えられている。
n側電極53とp側電極52の間にバイアス電圧を印加することにより、レーザ用発光部4に電流が流れて当該領域が発光する。この光は、外部出力ミラー14、n側多層膜反射鏡6、及びp側多層膜反射鏡5によって形成される共振器で共振され、励起された光がレーザ光15として外部出力ミラー14から放出される。
なお、図7に示すレーザ装置90は、n側電極53の形成側がレーザ光15の取り出し面となっているため(取り出し方向d1)、n側電極53は、光の通路を遮らないような形状となっている。図7のレーザ装置90は、n側電極53がドーナツ形状を構成しており、その内側の位置において、半導体基板40のn側電極53が形成されている側の面上に誘電体層29が形成されている。誘電体層29は、共振中の光の損失を抑制するために設けられている。
p側コンタクト層51は、高濃度(例えば、1×1018/cm3以上)のキャリアがドープされており、p側電極52との間のコンタクト抵抗値を下げる役割を果たしている。ここで、同様にn側電極53と半導体基板40の間の抵抗値を下げるべく、例えば半導体基板40を高濃度にドープする方法が考えられる。
しかし、一般的に高濃度にドープされた半導体層は、光を多く吸収することが知られている。図7の構成によれば、レーザ部2で生成された光は、半導体基板40内を介して外部へと取り出される構成である。従って、半導体基板40を高濃度でドープした場合、レーザ部2で生成された光が半導体基板40内で吸収されてしまい、取り出し効率が低下するという問題がある。
このような点に鑑み、特許文献1や非特許文献1の構成では、半導体基板40として、低濃度キャリア(例えば、5×1016/cm3以上、5×1017/cm3以下程度)のGaAs基板を採用している。
しかし、半導体基板40として、このような低濃度のGaAs基板を用いると、半導体基板40とn側電極53の間のコンタクト抵抗や、半導体基板40内の抵抗が大きくなる。このため、駆動時にp側電極52とn側電極53の間にバイアス電圧を印加すると高いジュール熱が発生し、これに起因してレーザ装置90が大きく昇温する。温度が上昇するとレーザ光15の波長が長波長側にシフトするため、所望の発光波長の光の取り出し効率は低下してしまう。
なお、n側電極53と半導体基板40の間の抵抗値を下げるべく、n側電極53と半導体基板40の間に高濃度のコンタクト層を形成する方法も考えられる。しかし、この方法を採用した場合、n側電極53と半導体基板40の間のコンタクト抵抗値は低下させられるものの、低濃度の半導体基板40内を電流が通過することには変わりがないため、素子全体の抵抗を低下させることはできない。よって、高いジュール熱が発生してレーザ光15の波長が長波長側にシフトする点において、上記従来構成と同様の課題を有している。
このような課題を解決する目的で、同一素子内において光励起を行う方法が知られている(例えば、下記特許文献2参照)。光励起を行う場合、レーザ部に対してバイアス電圧を印加するための電極が不要となるため、半導体基板との間のコンタクト抵抗を小さくする必要がない。また、レーザ部が形成された領域において、半導体基板を挟んで電圧を印加することがないため、レーザ部が形成された領域の半導体基板を低抵抗化する必要がない。これにより、低濃度の半導体基板を採用しても、高い光取り出し効率が実現できると考えられていた。
特表2006−511966号公報 特表2009−528683号公報
Gregory T. Niven, et.al. "Laser lighting revolution - Coming soon to a theater near you- ", December 2010, Optik & Photonik No.4, p34〜p37
特許文献2に開示された半導体レーザ装置は、光ポンピング用発光部で放射された光を、導波体でレーザ用発光部へ案内する。そして、この案内された光によるポンピングにて励起されることで、レーザ用発光部からレーザ光が放射され、このレーザ光が半導体基板を介して外部に取り出される。この構成では、確かに、レーザ部は光ポンピングによる励起がされているが、光ポンピング用発光部は基板を介してバイアス電圧を供給する電気ポンピングによる励起がされている。従って、特許文献2に開示された半導体レーザ装置においても、光ポンピング用発光部に対してバイアス電圧を印加するための電極が半導体基板に設けられている。
特許文献2の構成においても、レーザ用発光部からの光は、半導体基板を介して外部に取り出されるため、光学的損失を低くするためにキャリア濃度を低濃度にする必要がある。この結果、レーザ用発光部と光ポンピング用発光部は、同一の半導体基板上に形成されているため、光ポンピング用発光部に対する電気励起を行うための電極と半導体基板の間のコンタクト抵抗を十分に小さくすることができない。よって、高いジュール熱が発生し、特許文献1の議論と同様の理由により、高い光取り出し効率が実現できない。
また、特許文献2の構成では、光ポンピング用発光部とその導波路がレーザ用発光部の光取り出し方向に形成されているため、ポンピング部を備えたことで共振回路長が長くなる。この結果、共振時における光学的損失が大きくなってしまう。この点も、高い光取り出し効率が実現できない理由となる。
本発明は、上記の点に鑑み、従来よりも光取り出し効率の高い半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザ装置は、
半導体基板と、
前記半導体基板の上層に形成されたレーザ部と、
前記レーザ部の外側における前記半導体基板の上層に形成された、前記半導体基板よりキャリア濃度が高濃度の第1コンタクト層と、
前記第1コンタクト層の上層に形成された光ポンピング部と、
前記光ポンピング部の外側における前記第1コンタクト層の上層に形成された第1電極と、
前記光ポンピング部の上層に形成された、前記半導体基板よりキャリア濃度が高濃度の第2コンタクト層と、
前記第2コンタクト層の上層に形成された第2電極を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、光ポンピング部に対してバイアス電圧を印加するための第1電極と第2電極が、共に半導体基板の同一面側に形成される。つまり、半導体基板を挟んでバイアス電圧を印加する構成ではない。そして、光ポンピング部と両電極の間には、それぞれ高濃度のコンタクト層が形成される。このため、半導体基板のキャリア濃度を低濃度又はアンドープとしても、電極とのコンタクト抵抗及び電圧を印加する箇所における素子全体の抵抗を小さくすることができる。
そして、半導体基板を低濃度ドープ又はアンドープにて実現できるため、レーザ部で生成された光が半導体基板を介して外部に取り出される際、当該半導体基板内での光吸収を最小限に抑えることができる。
また、光ポンピング部はレーザ部の外側に配置されるため、レーザ部が構成する共振器内に光ポンピング部が存在することがない。このため、特許文献2のように共振回路長が長くなることで光学的損失が生じるという課題も解消する。
なお、半導体基板のキャリア濃度を、1×1018/cm3未満、より好ましくは5×1017/cm3以下とし、第1コンタクト層及び第2コンタクト層のキャリア濃度を1×1018/cm3以上とするのが好ましい。
上記構成において、前記半導体基板の面に垂直な方向に関し、前記レーザ部に備えられるレーザ用発光部の少なくとも一部の高さ位置を、前記光ポンピング部に備えられる光ポンピング用発光部の高さ位置に一致させるものとしても構わない。
この構成によれば、光ポンピング用発光部で発光した光を、半導体基板の面に平行な方向(ほぼ水平方向)に案内することでレーザ用発光部に導けるので、高効率でレーザ用発光部に導くことができる。
また、上記構成において、前記光ポンピング部が、光ポンピング用発光部と、当該光ポンピング用発光部を前記半導体基板の面に垂直な方向に挟む導波体を有する構成としても構わない。
これにより、光ポンピング用発光部で発光した光が、半導体基板の面に垂直な方向に相互反射するため、半導体基板の面に垂直な方向に放射された光の損失がほとんどなく、高効率でレーザ用発光部に導くことができる。
更に、前記光ポンピング部が、前記光ポンピング用発光部を前記半導体基板の面に平行な方向に挟む一対の光ポンピング用反射鏡を備え、前記光ポンピング用反射鏡に挟まれた領域内で励起された光を前記レーザ用発光部に導く構成としても構わない。
この構成において、光ポンピング部では、前記光ポンピング用発光部で発光した光が、前記半導体基板の面に平行な方向に関して一対の反射鏡内で相互反射することで励起される。この結果、光ポンピング部はポンピング用レーザ部を構成するため、光ポンピング部より前記レーザ部(光ポンピング用レーザ部ではない主レーザ部)に導かれる光の波長範囲を狭くすることができる。これにより、主レーザ部からの所望の波長光の取り出し効率を更に高めることができる。
本発明の半導体レーザ装置によれば、コンタクト抵抗及び素子抵抗を低抵抗にしながらも、光通路を構成する半導体基板のキャリア濃度を低濃度で実現することができるので、従来よりも高い光取り出し効率が実現できる。
第1実施形態のレーザ装置の模式的断面図である。 レーザ装置の模式的平面図である。 第1実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 第1実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 第1実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 第1実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 第1実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 第1実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 第1実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 第2実施形態のレーザ装置の模式的断面図である。 第2実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 第2実施形態のレーザ装置の工程断面図の一部である。 別実施形態のレーザ装置の模式的断面図である。 従来のレーザ装置の模式的断面図である。
本発明の半導体レーザ装置(以下、適宜「レーザ装置」と略記する。)につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のレーザ装置の模式的断面図であり、図2は、レーザ装置の模式的平面図である。なお、図7と同一の要素に対しては、同一の符号を付している。また、図2では、説明の都合上、一部の要素の図示を省略している。
(構成)
第1実施形態のレーザ装置1は、半導体基板7、レーザ部2、第1コンタクト層11、光ポンピング部20、第1電極9、第2コンタクト層10及び第2電極8を有する。なお、図1では、光取り出し方向d1は半導体基板7のレーザ部2が形成されている側と反対側であり、半導体基板7とこの方向d1に離間した位置には外部出力ミラー14が形成される。また、レーザ部2の上面には保護用のパッシベーション層13aが、光ポンピング部20の外側面には保護用のパッシベーション層13bがそれぞれ覆われている。これらのパッシベーション層13a及び13bは、一体のパッシベーション層として形成されていても構わない。なお、以下では、適宜これらのパッシベーション層をまとめて「パッシベーション層13」と呼ぶことがある。
なお、図2は、半導体基板7上にレーザ装置1が複数配列されている状態を示しており、レーザ装置1からの光取り出し方向は紙面と反対側である。なお、図2では、レーザ装置1が円筒形状で構成されている場合を示しているが、これは一例であって、形状は円筒に限定されるものではない。
半導体基板7は、例えばGaAs基板で構成される。このキャリア濃度は、1×1018/cm3未満であり、より好ましくは5×1017/cm3以下である。なお、本実施形態において、半導体基板7をアンドープの基板としても構わない。
レーザ部2は、n側多層膜反射鏡6、レーザ用発光部4、及びp側多層膜反射鏡5を備える。図1では、半導体基板7の上面にn側多層膜反射鏡6が形成され、その上層にレーザ用発光部4が形成され、その上層にp側多層膜反射鏡5が形成される。
レーザ用発光部4は、取り出すレーザ光15の波長に応じた材料で構成される。例えば、発光波長が0.8μm〜1μmの場合はGaInAs又はAlGaAsなどが用いられる。
n側多層膜反射鏡6及びp側多層膜反射鏡5は、所望の波長に対して吸収が少なく、且つ屈折率の異なる2種類の材料が積層されたもの、例えば、GaAs/AlGaAs又はGaAs/AlAsなどが用いられる。また、各反射鏡5,6を構成する各層の厚さは、材料及び波長に応じた厚さとされる。なお、p側多層膜反射鏡5の反射率を99%以上、n側多層膜反射鏡6の反射率を20%以上90%以下の範囲とするのが好ましい。n側多層膜反射鏡6の反射率をp側多層膜反射鏡5よりも低くしているのは、レーザ用発光部4からの光が、n側多層膜反射鏡6とp側多層膜反射鏡5の間で反射を繰り返すことで励起された後、n側多層膜反射鏡6を通過して外部へと取り出す必要があるためである。
第1コンタクト層11は、半導体基板7の上層に形成される。なお、第1コンタクト層11はn側のコンタクト層を構成する。ここで、第1コンタクト層11は、半導体基板7上のレーザ部2の形成領域の外側に形成される。例えば、レーザ部2を筒型として構成した場合、第1コンタクト層11はその外周領域を上面視で円形状、矩形状などの形状で半導体基板7上に形成される。なお、第1コンタクト層11は、例えばGaAsで構成され、コンタクト抵抗を小さくするためにSiなどのn型不純物が1×1018/cm3以上の高濃度でドープされている。
光ポンピング部20は、光ポンピング用発光部3と、これを半導体基板7の面に垂直な方向に挟む一対の導波体12a,12bを有する。なお、以下では、この一対の導波体を「導波体12」と総称することがある。光ポンピング用発光部3は、ポンピングのためにレーザ用発光部4での光エネルギーより高エネルギーの光を生成すべく、レーザ用発光部4の発光波長よりも発光波長が短くなるような材料、例えば、レーザ用発光部4よりもIn濃度の低いGaInAsで構成される。
一対の導波体12は、光ポンピング用発光部3からの光を、半導体基板7の面に垂直な方向に相互に反射させる目的で設けられており、光ポンピング用発光部3よりも屈折率の小さい材料で構成される。例えば、導波体12をAlGaAsで構成し、このうちのAl組成比を調整することで、所望の屈折率を実現することができる。このような構成とすることで、光ポンピング用発光部3からの光を半導体基板7の面に平行な方向に高効率でレーザ用発光部4へと導くことができる。
第2コンタクト層10は、光ポンピング部20の上層に形成される。より詳細には、第2コンタクト層10は、一対の導波体12のうち、p層側の導波体12bの上面に接触して形成される。第2コンタクト層10はp側のコンタクト層を構成する。第2コンタクト層10も、第1コンタクト層11と同様に、例えばGaAsで構成され、コンタクト抵抗を小さくするためにCなどのp型不純物が1×1018/cm3以上の高濃度でドープされている。
第1電極9は、第1コンタクト層11の上層に形成され、より詳細には、光ポンピング部20の外側における第1コンタクト層11の上層に形成される。この第1電極9は、n側の電極を構成する。第1電極9の材料としては、例えば、Ni/Ge/Au/Ni/AuやAu/Ge/Ni/Auなどが利用可能である。
第2電極8は、第2コンタクト層10の上層に形成され、p側の電極を構成する。第2電極8は第1電極9と同一の材料で形成して構わない。
上記のような構成の下、第1電極9と第2電極8の間にバイアス電圧を印加して、ポンピング用発光部3に電流を流し、発光させる。この光は、上述したように、一対の導波体12で半導体基板7の面に垂直な方向に相互に反射しながら、レーザ用発光部4へと導かれる。レーザ用発光部4に流入したこの光は、p側多層膜反射鏡5、n側多層膜反射鏡6、及び外部出力ミラー14にて構成される共振器内を共振しながら励起し、レーザ光15として外部に取り出される。
ここで、ポンピング用発光部3を励起するための第1電極9と第2電極8は、いずれも半導体基板7の一方の面側に形成されている。このため、第1電極9と第2電極8の間に電圧を印加したとき、第2電極8、第2コンタクト層10、光ポンピング部20、第1コンタクト層11、及び第1電極9をこの順に流れる電流経路が形成される。つまり、バイアス用の電流経路上に半導体基板7が存在しないので、上述したように、この半導体基板7のキャリア濃度を低濃度で実現しても、コンタクト抵抗や素子全体の抵抗が上昇するということがない。よって、高いジュール熱が発生しないので、温度上昇により所望波長の光の取り出し効率が低下するという問題が解消する。
また、レーザ部2からの光は、半導体基板7を通過し、外部出力ミラー14を介して外部に取り出されるが(レーザ光15)、上述のように半導体基板7のキャリア濃度を低濃度で実現できるので、この半導体基板7内での光吸収を最小限に抑えることができる。これにより、高い光の取り出し効率が実現される。
なお、図1に示すように、半導体基板7の面に垂直な方向に関し、少なくとも一部のレーザ用発光部4の高さ位置と光ポンピング用発光部3の高さ位置を一致させるのが好ましい。これにより、光ポンピング用発光部3からの光を、ほぼ半導体基板7の面に平行な方向に伝搬させることでレーザ用発光部4に導くことができるので、高い効率でレーザ用発光部4へと光を導ける。レーザ用発光部4と光ポンピング用発光部3の、半導体基板7の面に垂直な方向に関する幅をほぼ同じくし、両者の高さ位置をほぼ完全に一致させるのがより好ましい。これにより、ほとんど損失なく光ポンピング用発光部3からの光をレーザ用発光部4に導くことができる。
なお、図1に示すレーザ装置1は、光ポンピング部20からの光を用いた光励起による構成であるため、図7に示すレーザ装置90が備える電流狭窄層としての絶縁層25は不要となる。
また、上記実施形態では、光ポンピング部20に対し、第2コンタクト層10及び第2電極8をp側、第1コンタクト層11及び第1基板9をn側として説明したが、p側とn側の位置を反転させても構わない。以下の実施形態でも同様である。
(製造方法)
以下、図1に示すレーザ装置1の製造方法の一例につき、図3A〜図3Gの各工程断面図を参照して説明する。
(ステップS1)
図3Aに示すように、半導体基板7上に、n側多層膜反射鏡6、レーザ用発光部4、及びp側多層膜反射鏡5を下からこの順に結晶成長させる。半導体基板7としては、例えばキャリア濃度が5×1017/cm3以下のGaAs基板が採用される。
ここで、n側多層膜反射鏡6としては、GaAs/AlGaAs又はGaAs/AlAsなどが用いられ、反射率が20%以上90%以下となるように積層数が設定される。レーザ用発光部4としては、GaInAs又はAlGaAsなどが用いられ、発光波長に応じて採用される材料や組成比が設定される。p側多層膜反射鏡5としては、GaAs/AlGaAs又はGaAs/AlAsなどが用いられ、反射率が99%以上となるように積層数が設定される。なお、積層される膜厚の例としては、n側多層膜反射鏡6が100nm〜2000nm程度、レーザ用発光部4が50nm〜2000nm程度、p側多層膜反射鏡5が1000nm〜5000nm程度である。
(ステップS2)
次に、ステップS1で成膜された多層構造体を、ウェットエッチング法又はドライエッチング法によりメサ形状に加工する(図3B参照)。これにより、半導体基板7上にレーザ部2が形成される。
(ステップS3)
次に、図3Cに示すように、半導体基板7上のレーザ部2の外側領域に、第1コンタクト層11、n側の導波体12a、光ポンピング用発光部3、p側の導波体12b、及び第2コンタクト層10を下からこの順に結晶成長させる。
ここで、第1コンタクト層11としては、例えばSiなどのn型不純物が1×1018/cm3以上の高濃度でドープされたGaAsが膜厚10nm〜1000nm程度成膜される。また、一対の導波体12(n側の導波体12a及びp側の導波体12b)としては、例えばAlGaAsが膜厚50nm〜2000nm程度成膜される。光ポンピング用発光部3としては、例えばレーザ用発光部4よりもIn濃度を低くしたGaInAsが膜厚10nm〜2000nm程度成膜される。第2コンタクト層10としては、例えばCなどのp型不純物が1×1018/cm3以上の高濃度でドープされたGaAsが膜厚10nm〜1000nm程度成膜される。
なお、一対の導波体12は、光ポンピング用発光部3を構成するGaInAsよりも屈折率が小さくなるように、AlGaAsのAl組成比が決定される。
(ステップS4)
次に、図3Dに示すように、スパッタ法又はPVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長)法にて、例えばSiNやSiO2などの絶縁膜を膜厚10nm〜2000nm程度成膜し、パッシベーション層13aを形成する。
(ステップS5)
次に、レーザ部2の上層に形成されたパッシベーション層13aを残して、他の箇所のパッシベーション層13aをウェットエッチング又はドライエッチングによりエッチングする。その後、第2コンタクト層10の上層に、スパッタ法又は真空蒸着法によって例えばAu/Zn/AuやTi/Pt/Auなどの電極材料を膜厚100nm〜3000nm程度成膜して第2電極8を形成する(図3E参照)。
(ステップS6)
次に、ステップS5で成膜された多層構造体を、ウェットエッチング法又はドライエッチング法によりメサ形状に加工し、第1コンタクト層11の上面を露出させる(図3F参照)。このステップS6によって、光ポンピング部20が形成される。
(ステップS7)
次に、所定の箇所にマスクを形成した状態で、スパッタ法又はPVD法にて、例えばSiNやSiO2などの絶縁膜を膜厚10nm〜2000nm程度成膜する。これにより、図3Gに示すように、光ポンピング部20の外側面を覆うパッシベーション層13bが形成される。
(ステップS8)
次に、図1に示すように、パッシベーション層13bの外側の第1コンタクト層11の上面に、第1電極9を形成する。具体的には、所定の箇所にマスクを形成した状態で、スパッタ法又は真空蒸着法によって例えばNi/Ge/Au/Ni/AuやAu/Ge/Ni/Auなどの電極材料を膜厚100nm〜3000nm程度成膜する。
なお、上記ステップS1〜S8を経てレーザ装置1を製造する方法は、あくまで一例であり、この方法に限定されるものではない。また、成膜する膜厚の条件や用いられる材料も一例であり、上述した内容に限定されるものではない。
[第2実施形態]
レーザ装置の第2実施形態につき、第1実施形態と異なる箇所のみを説明する。図4は、本実施形態のレーザ装置の模式的断面図である。なお、模式的平面図は図2と同様である。
(構成)
図4に示すレーザ装置1aは、第1実施形態のレーザ装置1と比較して、光ポンピング用反射鏡16及び17を追加的に備える点が異なる。光ポンピング用反射鏡16及び17は、光ポンピング用発光部3を半導体基板7の面に平行な方向に挟むように形成される。この一対の反射鏡16及び17は、相互に向かい合う構成とすることで、共振器を形成している。
なお、一対の反射鏡のうち、パッシベーション層13側に形成された光ポンピング用反射鏡17の反射率を90%以上、レーザ部2側に形成された光ポンピング用反射鏡16の反射率を20%以上50%以下の範囲とするのが好ましい。光ポンピング用反射鏡16の反射率を光ポンピング用反射鏡17よりも低くしているのは、光ポンピング用発光部3からの光が、一対の反射鏡16及び17の間で反射を繰り返すことで励起された後、光ポンピング用反射鏡16を通過してレーザ部2側へと取り出す必要があるためである。
本実施形態のような構成としたことで、光ポンピング部20がポンピング用の半導体レーザとして形成される。このため、光ポンピング部20からレーザ部2に、より詳細には、光ポンピング用発光部3からレーザ用発光部4に導かれる光は、第1実施形態よりも波長範囲が狭く強度の高いレーザ光となる。これにより、レーザ部2から取り出されるレーザ光15の波長条件に対応した光が、光ポンピング部20からレーザ部2に導かれるように設計しておくことで、所望波長の光の取り出し効率を更に高めることができる。
(製造方法)
以下、図4に示すレーザ装置1aの製造方法の一例につき、第1実施形態と異なる箇所のみを説明する。
第1実施形態と同様に、ステップS1,S2を順次実行し、半導体基板7上にレーザ部2を形成する。
(ステップS2A)
次に、図5Aに示すように、レーザ部2の外側面を覆うように光ポンピング用反射鏡16を形成する。より具体的には、GaAs/AlGaAs、GaAs/AlAs、ZrO2/SiO2、又はMgO/SiO2などをスパッタ法又はPVD法によって、膜厚100nm〜2000nm程度成膜する。なお、光ポンピング用反射鏡16の反射率が20%以上50%以下となるように成膜される積層数が設定される。
その後、第1実施形態と同様に、ステップS3〜S6を順次実行し、光ポンピング部20を形成する。
(ステップS6A)
次に、図5Bに示すように、光ポンピング部20の外側面を覆うように光ポンピング用反射鏡17を形成する。より具体的には、GaAs/AlGaAs、GaAs/AlAs、ZrO2/SiO2、又はMgO/SiO2などをスパッタ法又はPVD法によって、膜厚1000nm〜5000nm程度成膜する。なお、光ポンピング用反射鏡17の反射率が90%以上となるように成膜される積層数が設定される。
(ステップS7)
次に、第1実施形態のステップS7と同様に、所定の箇所にマスクを形成した状態で、スパッタ法又はPVD法にて、例えばSiN又はSiO2などの絶縁膜を膜厚10nm〜2000nm程度成膜する。これにより、光ポンピング部20の外側の光ポンピング用反射鏡17の外側面を覆うパッシベーション層13bが形成される。
その後、第1実施形態と同様に、ステップS8を実行し、図4に示すレーザ装置1aが形成される。
なお、本実施形態においては、光ポンピング用反射鏡17にパッシベーション層13bの機能を兼ねさせるものとしても構わない。この場合、ステップS7は不要となる。
[別実施形態]
図6に示すレーザ装置1bのように、図1に示すレーザ装置1に対して、光ポンピング用反射鏡17を備える構成としても構わない。図4に示すレーザ装置1aでは、光ポンピング部20が、光ポンピング用発光部3と、これを進行方向に挟み込む一対の光ポンピング用反射鏡16,17を備える構成であったため一種のレーザ装置を形成していた。これに対し、図6の構成では、単にパッシベーション層13b側に光ポンピング用反射鏡17を備える構成であるため、レーザ装置としては機能しない。つまり、この反射鏡17は、光ポンピング用発光部3からパッシベーション層13bに向かって進行した光を反射させて、レーザ用発光部4へと光の向きを変えることを意図して設けられたものである。
レーザ装置1bによれば、図1のレーザ装置1よりも強度の高い光を光ポンピング部20からレーザ部2へと導くことができる。
1,1a,1b : 半導体レーザ装置
2 : レーザ部
3 : 光ポンピング用発光部
4 : レーザ用発光部
5 : p側多層膜反射鏡
6 : n側多層膜反射鏡
7 : 半導体基板
8 : 第2電極
9 : 第1電極
10 : 第2コンタクト層
11 : 第1コンタクト層
12(12a,12b) : 導波体
13(13a,13b) : パッシベーション層
14 : 外部出力ミラー
15 : レーザ光
16,17 : 光ポンピング用反射鏡
20 : 光ポンピング部
25 : 電流狭窄用の絶縁層
29 : 誘電体層
40 : 半導体基板
51 : p側コンタクト層
52 : p側電極
53 : n側電極
54 : 開口部
55 : パッシベーション層
90 : 従来のVECSEL構造のレーザ装置
d1 : レーザ光の取り出し方向

Claims (4)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の上層に形成されたレーザ部と、
    前記レーザ部の外側における前記半導体基板の上層に形成された、前記半導体基板よりキャリア濃度が高濃度の第1コンタクト層と、
    前記第1コンタクト層の上層に形成された光ポンピング部と、
    前記光ポンピング部の外側における前記第1コンタクト層の上層に形成された第1電極と、
    前記光ポンピング部の上層に形成された、前記半導体基板よりキャリア濃度が高濃度の第2コンタクト層と、
    前記第2コンタクト層の上層に形成された第2電極を備えることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記レーザ部はレーザ用発光部を備え、
    前記光ポンピング部は光ポンピング用発光部を備え、
    前記半導体基板の面に垂直な方向に関し、少なくとも一部の前記レーザ用発光部の高さ位置と前記光ポンピング用発光部の高さ位置が一致していることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記光ポンピング部は、光ポンピング用発光部と、当該光ポンピング用発光部を前記半導体基板の面に垂直な方向に挟む導波体を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記光ポンピング部は、前記光ポンピング用発光部を前記半導体基板の面に平行な方向に挟む一対の光ポンピング用反射鏡を備え、前記光ポンピング用反射鏡に挟まれた領域内で励起された光を前記レーザ用発光部に導く構成であることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
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