JP2014164896A - 端子付き電線及び端子付き電線の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被覆電線に力が掛かった場合でも被覆電線が外れることを防止可能であるとともに、製造時に被覆電線の挿入量を適切にすることが可能な端子付き電線を提供する。
【解決手段】端子付き電線1は、被覆電線50と、電線接続部30と、ボックス部20と、固定部材60と、を備える。被覆電線50は、導体部51及び被覆部52を有する。電線接続部30は、中空状の部分を有し、当該中空状の部分の内側に被覆電線50が接続される。ボックス部20は、電線接続部30と連結されており、他の端子に接続される。固定部材60は、被覆電線50と電線接続部30との間に配置されており、被覆部52及び電線接続部30の両方に係合することで、被覆電線50を電線接続部30に固定する。
【選択図】図1
【解決手段】端子付き電線1は、被覆電線50と、電線接続部30と、ボックス部20と、固定部材60と、を備える。被覆電線50は、導体部51及び被覆部52を有する。電線接続部30は、中空状の部分を有し、当該中空状の部分の内側に被覆電線50が接続される。ボックス部20は、電線接続部30と連結されており、他の端子に接続される。固定部材60は、被覆電線50と電線接続部30との間に配置されており、被覆部52及び電線接続部30の両方に係合することで、被覆電線50を電線接続部30に固定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、主要には、被覆電線と端子とで構成される端子付き電線に関する。
ワイヤハーネスは、自動車の車体に配索され、当該自動車が備える各種電気機器への電力供給、電気機器間の制御信号の通信等に利用される。ワイヤハーネスは、束ねられた複数の被覆電線、及びこれらの被覆電線に接続された端子から構成される。
特許文献1は、端子と被覆電線との接続方法を開示する。特許文献1の端子は、端子本体(端子接続部)と、圧着部(電線接続部)と、を備える。端子本体は、他の端子と接続可能に構成される。圧着部は、圧着により被覆電線の導体部と接続可能に構成される。
特許文献2は、ワイヤハーネスを構成する被覆電線が破断したときに、被覆電線を継ぎ足すため等に用いられる電線接続スリーブを開示する。特許文献2の電線接続スリーブは、両端が開口した円筒状に構成されており、それぞれの開口部に被覆電線の導体部を挿入して圧着することで、被覆電線を接続することができる。
ところで、被覆電線に端子を取り付け、当該端子を他の端子と接続した後において、被覆電線に引っ張り力が掛かった場合、導体部に強い力が掛かり、被覆電線が端子から外れてしまうことがある。また、この引っ張り力に耐性を持たせるために強い圧着力で導体部を圧着した場合、導体部に強い引っ張り力が掛かり、導体部が損傷してしまう可能性がある。従って、低コストで引っ張り力への耐性を有する構成が求められていた。
また、特許文献1及び2のように被覆電線の導体部を圧着する場合、被覆電線の挿入量を適切にする必要がある。被覆電線の挿入量が少な過ぎる(又は多過ぎる)と導体部が一部しか圧着されず、電気接続性が悪くなることが考えられる。この点、特許文献1の構成は、挿入した被覆電線を視認できるので、挿入量を適切にした状態で圧着を行うことができる。しかし、特許文献2の構成は、外部から被覆電線の挿入量を視認できないので、挿入量が適切でない状態で圧着されてしまう可能性がある。従って、外部から被覆電線の挿入量を視認できない場合でも、挿入量を把握可能な構成が求められていた。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、被覆電線に力が掛かった場合でも被覆電線が外れることを防止可能であるとともに、製造時に被覆電線の挿入量を適切にすることが可能な端子付き電線を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の端子付き電線が提供される。即ち、この端子付き電線は、被覆電線と、電線接続部と、端子接続部と、固定部材と、を備える。前記被覆電線は、導体部及び被覆部を有する。前記電線接続部は、中空状の部分を有し、当該中空状の部分の内側に前記被覆電線が接続される。前記端子接続部は、前記電線接続部と連結されており、他の端子に接続される。前記固定部材は、前記被覆電線と前記電線接続部との間に配置されており、前記被覆部及び前記電線接続部の両方に係合することで、前記被覆電線を前記電線接続部に固定する。
これにより、固定部材により被覆電線と電線接続部とが固定されているので、被覆電線に引っ張り力が掛かった場合であっても、被覆電線が抜けることを防止できる。また、固定部材の固定位置を変えることで、被覆電線の挿入量を調整できる。
前記の端子付き電線においては、前記固定部材は、前記被覆電線の挿入中に当該被覆電線が所定の位置に到達したタイミングで、前記被覆電線を前記電線接続部に固定することが好ましい。
一般的に中空状の電線接続部を有する端子は被覆電線の挿入量を視認しにくい。この点、上記のように固定部材を配置することで、被覆電線の挿入量を適量にすることができる。
前記の端子付き電線においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記電線接続部の内側には溝が形成されるとともに、前記固定部材の外側には前記溝と係合可能な突起が形成されている。前記溝に前記突起が入り込むことで、前記被覆電線が前記電線接続部に固定される。
これにより、簡単な構成で電線接続部と固定部材とを係合することができる。また、溝の形成位置を考慮することで、被覆電線を任意の位置(例えば圧着位置)で固定することができる。
前記の端子付き電線においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記固定部材には、内面側に突出する突出部が形成されている。前記固定部材に前記被覆電線が挿入されることで、前記突出部が前記被覆電線に食い込む。
これにより、簡単な構成で電線接続部と固定部材とを係合することができる。また、被覆電線の挿入と同時に前記固定部材と係合させることもできる。
前記の端子付き電線においては、前記電線接続部は、一端が前記被覆電線の挿入口となっており、他端が封止されていることが好ましい。
これにより、電線接続部の上記他端側は封止されているので高い防水性を実現できる。一方、電線接続部の上記一端側(被覆電線の挿入口側)は、固定部材により被覆部が強く圧縮されるため、高い防水性を発揮できる。以上により、電線接続部の内部に水が浸入することを防止できる。
前記の端子付き電線においては、前記導体部は、アルミニウム又は銅であることが好ましい。
これにより、一般的な被覆電線について本願の効果を発揮させることができる。なお、導体部と電線接続部との素材が異なる場合は電食が発生するため高い防水性が必要になるので、本願の効果をより有効に発揮させることができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の端子付き電線の製造方法が提供される。即ち、この方法は、導体部及び被覆部を有する被覆電線を端子に挿入して接続することで端子付き電線を製造する方法であり、固定工程と、接続工程と、を含む。前記固定工程では、前記被覆電線を前記電線接続部の中空状の部分に挿入することで、前記被覆部及び前記電線接続部の両方に係合する固定部材により、前記被覆電線を前記電線接続部に固定する。前記接続工程では、前記電線接続部と前記導体部とが接続される。
これにより、被覆電線の挿入量を適量にすることができる。また、被覆電線に引っ張り力が掛かった場合であっても、被覆電線が抜けることを防止できる。
前記の端子付き電線の製造方法においては、前記固定工程では、前記固定部材を前記電線接続部に係合した後に、前記被覆電線を前記電線接続部に挿入することが好ましい。
これにより、被覆電線を挿入するだけで、固定部材により被覆電線と電線接続部とを固定することができる。
前記の端子付き電線の製造方法においては、前記固定工程では、前記固定部材を前記被覆部に係合した後又は係合すると同時に、前記被覆電線を前記電線接続部に挿入することが好ましい。
これにより、固定部材を被覆電線の最適な位置に固定できるので、挿入量をより適量にすることができる。
前記の端子付き電線の製造方法においては、前記接続工程では、圧着、超音波溶接、抵抗溶接、ハンダ付け、及びレーザ溶接のうち何れかを用いて前記導体部を前記電線接続部に接続することが好ましい。
これにより、導体部と電線接続部との電気的な接続を各種の条件に応じて適切に行うことができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、端子付き電線の構成を示す分解斜視図及び外観斜視図である。図2は、圧着端子に被覆電線を挿入する工程を説明する側面断面図である。なお、図2等の側面断面図において、電線接続部の断面よりも紙面奥側の形状(溝等)は、視認性を良くするために描画を省略することがある。
図1に示すように、端子付き電線1は、圧着端子(端子)10と、被覆電線50と、固定部材60と、から構成されている。
被覆電線50は、導体部51と被覆部52から構成されている。導体部51は、複数のアルミニウム素線を束ねたものである。なお、導体部51は導体であればアルミニウム以外の素材(例えば銅)から構成されていても良い。被覆部52は、樹脂等の絶縁性を有する素材から構成されており、導体部51の周囲を覆うように配置されている。
圧着端子10は、表面が錫(Sn)でメッキされた黄銅等から構成されたメス端子である。なお、圧着端子10は、導体であれば銅以外の素材(例えばアルミニウム)から構成されていても良い。圧着端子10は、被覆電線50の導体部51と電気的に接続可能であるとともに、図略のオス端子とも電気的に接続可能である。このオス端子には他の電線や電気機器が接続されており、これにより、電気機器に電力又は電気信号を供給することができる。
なお、以下の説明では、図1(b)に示すように、オス端子(他の端子、相手の端子)に接続される側を先端側と称し、被覆電線50の挿入方向の反対側を基端側と称する。
以下、圧着端子10について詳細に説明する。圧着端子10は、金属板に対して、打抜き、折曲げ、及び溶接等を行うことで成形される。図1に示すように圧着端子10は、ボックス部(端子接続部)20と、電線接続部30と、トランジション部40と、を備えている。
ボックス部20は、金属板を折り曲げて中空の直方体状とした部分である。図2に示すように、ボックス部20には、当該ボックス部20の一面である底面部22を内側に向けて折り曲げることにより、弾性接触片21が形成されている。
弾性接触片21は、ボックス部20の先端側に形成されている。弾性接触片21は、底面部22から離れる方向及び近づく方向に弾性変形可能に構成されている。図略のオス端子をボックス部20に挿入することで、オス端子に押された弾性接触片21が底面部22に近づくように変形する。そして、オス端子が奥まで挿入されると弾性接触片21の変形が戻る。これにより、ボックス部20とオス端子とが電気的及び機械的に接続される。
電線接続部30は、トランジション部40を介してボックス部20の基端側に接続されている。電線接続部30は、円筒状(中空状)であり、電線接続部30の基端側の端部は、被覆電線50を挿入可能なように開放されている(開放部31)。また、電線接続部30の先端側の端部は防水のために封止されている(封止部32)。
電線接続部30を成形する工程では、初めに、金属板を円形に折り曲げ、端部同士をファイバーレーザ等により溶接して(図1の溶接箇所A)円筒状の部分を成形する。その後、この円筒状の部分の一端(先端側の端部)を潰した後に、当該箇所を塞ぐように溶接することで(溶接箇所B)、封止部32を形成する。ここで、溶接箇所Aは、被覆電線50の挿入方向(円筒状の部分の軸方向)と平行に形成されていると表現することができる。また、溶接箇所Bは、被覆電線の挿入方向に垂直に形成されていると表現することができる。
なお、電線接続部30の成形方法は上記に限られず、例えば初めに金属板を折り曲げて円筒状の部分を作成しつつ(この段階では溶接を行わない)、更に一端(先端側の端部)を潰し、その後にまとめて溶接を行っても良い。この場合、工数を減らすことができるのでコストを低減させることができる。また、溶接方法も任意であり、金属板の端面同士を接触させた状態で溶接を行っても良いし、金属板の端部を重ね合わせた状態で溶接を行っても良い。更には、溶接箇所は上面側(図1の上側)でなくても良く、底面側(図1の下側)であっても良い。
以上の処理を行うことにより、電線接続部30が完成する。上記のように溶接箇所Aに溶接を行うことで、電線接続部30の表面からの浸水を防止できる。また、上記のように溶接箇所Bに溶接を行って封止部32を形成することで、電線接続部30とボックス部20との間からの浸水を防止することができる。なお、開放部31からの浸水(被覆電線50を伝う経路からの浸水)を防止する方法については後述する。
また、電線接続部30の内側の壁面である内壁面33には、全周にわたって係止溝33a(溝、図2を参照)が形成されている。この係止溝33aは、固定部材60を取り付けるための溝として機能する。
固定部材60は、図1(a)に示すように、一部に切欠きが形成された円筒状の部材である。固定部材60は、図1(b)に示すように、電線接続部30と被覆電線50との間に位置し、これらの部材と係合可能に構成されている。
以下、固定部材60が電線接続部30及び被覆電線50と係合する構成について説明する。固定部材60は、先端側の端部の内側に爪部(突出部)61が形成されるとともに、基端側の端部の外側に係止突起(突起)62が形成されている。
固定部材60に被覆電線50を挿入すると、図2(b)に示すように、爪部61が被覆電線50の被覆部52に食い込む。爪部61が被覆部52に食い込んだ後は、通常の力で引っ張るだけでは、固定部材60を被覆電線50から取り外すことはできない(特に電線を基端側に引っ張る方向に耐性がある)。このようにして、固定部材60と被覆電線50とが係合される。なお、固定部材60と被覆電線50とを係合するために、固定部材60の内径は、導体部51の外径より大きくかつ被覆部52の外径と同等であることが好ましい。
また、固定部材60を電線接続部30に挿入すると、図2(b)に示すように、係止突起62が係止溝33aに入り込む。係止突起62が係止溝33aに入り込んだ後は、多少は前後に移動できるものの、通常の力で引っ張るだけでは、固定部材60を電線接続部30から取り外すことはできない。このようにして、固定部材60と電線接続部30とが係合される。なお、固定部材60と電線接続部30とを係合するために、係止突起62の外径は、係止溝33aと同等又はそれ以下であることが好ましい。
次に、図2及び図3を参照して、端子付き電線1を製造する方法及び固定部材60を備える効果を説明する。図3は、圧着を行って圧着端子10と被覆電線50とを接続する工程を説明する側面断面図である。
初めに、上述したように金属板を加工することで、圧着端子10を成形する。その後、作業者は、電線接続部30の内部に固定部材60を挿入する(図2(a)を参照)。固定部材60は、係止突起62が係止溝33aに入り込む位置まで挿入することが好ましい。
次に、作業者は、被覆電線50を電線接続部30に挿入する(図2(b)を参照)。これにより、初めに導体部51が固定部材60を通過し、上述のように、爪部61が被覆部52に食い込む。このようにして、固定部材60は被覆電線50と係合される。なお、この状態では固定部材60と被覆電線50とは一体的に移動するので、被覆電線50を更に奥に挿入しようとしても、爪部61と係止溝33aの縁とが干渉するため、被覆電線50を奥に移動させることができない。
つまり、本実施形態の構成では、このようにして、被覆電線50の挿入量を調整できる。つまり、本実施形態では、被覆電線50が所定の位置に到達したタイミングで、係止突起62及び係止溝33aがストッパとして機能する(被覆電線50が電線接続部30に固定される)。
次に、作業者は、第1圧着型71と第2圧着型72とから構成される圧着工具を操作して、電線接続部30を挟み込むようにしてカシメて圧着する(図3(a)を参照)。なお、第1圧着型71には、段差が形成されているので、導体部51だけでなく被覆部52も強力に圧着することができる。
ここで、本実施形態では上述のように挿入量を調整できるので、この段差部分で導体部51のみを的確に圧着することができる。従って、導体部51と電線接続部30とを確実に電気的に接続することができる。
次に、固定部材60を備えることで、本実施形態の構成が、引っ張り力への優れた耐性及び高い防水性能を有することについて説明する。
従来の端子付き電線では、被覆電線の導体部のみを圧着していたため、引っ張り力が掛かった場合、導体部に力が集中してしまう。そのため、引っ張り力への耐性は低かった。
この点、本実施形態では、導体部51だけでなく被覆部52も圧着している。従って、引っ張り力が掛かった場合でも、当該引っ張り力が導体部51と被覆部52に分散する。従って、従来よりも引っ張り力への耐性が高い。特に、本実施形態では、被覆電線50と固定部材60とは爪部61により強力に係合されているので、引っ張り力への耐性を一層向上させることができる。
また、本実施形態では、開放部31からの浸水を防止するために、被覆部52が圧縮するように圧着を行っている。これにより、電線接続部30と被覆電線50との隙間を無くし、高い防水性能を発揮させることができる。特に、本実施形態では、被覆電線50に固定部材60が取り付けられているので、被覆部52をより強力に圧縮することが可能となる。従って、被覆電線50を伝う経路からの浸水を確実に防止できる。
また、本実施形態では、導体部51をアルミニウムで構成し、圧着端子10を銅で構成している。このように電線接続部30と導体部51とで異なる金属を用いる場合、電食を発生させないためにも、高い防水性能が要求される。この点、本実施形態では、上述のように溶接箇所A及びBにより圧着端子10の表面からの浸水を防止するとともに、被覆部52を圧縮することで被覆電線50を伝う経路からの浸水を防止している。このように防水を行う本実施形態の構成は、電線接続部30とボックス部20との隙間をモールド樹脂等により塞ぐ構成と比較して、大幅にコストを低減することができる。
次に、図4を参照して上記実施形態の第1変形例について説明する。図4は、第1変形例に係る圧着端子10に被覆電線50を挿入する工程を説明する側面断面図である。なお、第1変形例及び後述の第2及び第3変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
上記実施形態では、図2に示すように、初めに固定部材60を電線接続部30の内部に固定した状態で、被覆電線50を挿入する。これに対し、第1変形例では、図4に示すように、初めに固定部材60に被覆電線50を挿入して固定した状態で、当該被覆電線50を電線接続部30に挿入する。
これにより、固定部材60を被覆電線50の最適な位置に固定できるので、挿入量をより適量にすることができる。また、電線接続部30の大きさ等により、電線接続部30に事前に固定部材60を挿入することが困難な場合であっても、容易に本願の構成を適用することができる。
次に、図5を参照して上記実施形態の第2変形例について説明する。図5は、第2変形例に係る圧着端子10に被覆電線50を挿入する工程を説明する側面断面図である。
また、第2変形例では、図5に示すように、電線接続部30の手前に固定部材60を保持しておき、被覆電線50に固定部材60を取り付けると同時に、被覆電線50を電線接続部30に挿入する。
これにより、工数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
次に、図6を参照して上記実施形態の第3変形例について説明する。図6は、第3変形例に係る圧着端子10の断面斜視図及び側面断面図である。
上記では、電線接続部30の内壁面33には、係止溝33a以外の溝や突起は形成されていない。この点、第3変形例の電線接続部30の内壁面33には、導体部51が圧着される位置(係止溝33aよりも先端側)に矩形状の複数の溝からなる導通用押圧部33bが形成されている。更に、電線接続部30の内壁面33には、被覆部52が圧着される位置(係止溝33aよりも基端側)に、円弧状の突起からなる防水用圧縮部33cが形成されている。
導通用押圧部33bは、電線接続部30と導体部51との導通を確保するために形成されている。即ち、導体部51をアルミニウムで構成した場合、アルミニウムは銅よりも酸化被膜の影響が大きいため、導通性が悪くなることが考えられる。この点、導通用押圧部33bの矩形状の溝の縁部等で導体部51を強く押圧することで、この酸化被膜を破って導通を確保することができる。なお、導通用押圧部33bは、矩形状の溝に限られず、その他の形状の溝又は突起であっても良い。
防水用圧縮部33cは、開放部31からの浸水をより確実に防止するために形成されている。上述のように、防水性能を向上させるためには、被覆部52を局所的に圧縮することが好ましいため、防水用圧縮部33cの円弧状の突起で被覆部52を強く圧縮することで、防水性能を向上させることができる。なお、防水用圧縮部33cは、円弧状の突起に限られず、その他の形状の突起又は溝であっても良い。
以上に説明したように、上記の端子付き電線1は、被覆電線50と、電線接続部30と、ボックス部20と、固定部材60と、を備える。被覆電線50は、導体部51及び被覆部52を有する。電線接続部30は、中空状の部分を有し、当該中空状の部分の内側に被覆電線50が接続される。ボックス部20は、電線接続部30と連結されており、他の端子に接続される。固定部材60は、被覆電線50と電線接続部30との間に配置されており、被覆部及び電線接続部30の両方に係合することで、被覆電線50を電線接続部30に固定する。
これにより、固定部材60により被覆電線50と電線接続部30とが固定されているので、被覆電線50に引っ張り力が掛かった場合であっても、被覆電線50が抜けることを防止できる。また、固定部材60の固定位置を変えることで、被覆電線50の挿入量を調整できる。
また、上記の端子付き電線1では、固定部材60は、被覆電線50の挿入中に当該被覆電線50が所定の位置に到達したタイミングで、被覆電線50を電線接続部30に固定する。
一般的に中空状の電線接続部30を有する端子は被覆電線50の挿入量を視認しにくい。この点、上記のように固定部材60を配置することで、被覆電線50の挿入量を適量にすることができる。
また、上記の端子付き電線1では、電線接続部30の内側には係止溝33aが形成されるとともに、固定部材60の外側には係止溝33aと係合可能な係止突起62が形成されている。係止溝33aに係止突起62が入り込むことで、被覆電線50が電線接続部30に固定される。
これにより、簡単な構成で電線接続部30と固定部材60とを係合することができる。また、係止溝33aの形成位置を考慮することで、被覆電線50を任意の位置(例えば圧着位置)で固定することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
圧着端子10の溶接方法及び溶接箇所は、上記で挙げた例以外であっても良い。また、圧着端子10は、一枚の金属板から形成される構成に限られない。例えば、ボックス部20と電線接続部30とを個別に成形し、適宜の接続方法(例えば溶接)により接続することもできる。
電線接続部30と導体部51を接続する方法は圧着に限られない。例えば、超音波溶接、抵抗溶接、ハンダ付け、及びレーザ溶接等を用いることができる。
上記の電線接続部30は、封止部32により片側が封止されているが、両方が開放されている形状であっても良い。
固定部材60は、被覆部52及び電線接続部30の両方と係合可能であれば上記の形状に限られない。例えば、爪部61に代えてリブ(突出部)が形成された固定部材60を用いることができる。また、上記では固定部材60に切欠きが形成されているが、切欠きがない円筒状の固定部材60を用いることもできる。
係止溝33aは、係止突起62に対応する部分に形成されていれば足り、必ずしも全周にわたって形成されていなくても良い。
圧着端子10は、単線同士(又は単線と電気機器)を接続する端子として利用することができる。また、圧着端子10は、複数を並べて配置して、ジョイントコネクタの一部とすることができる。
上記では、メス端子の圧着端子10を例に挙げて説明したが、本願の圧着端子10をオス端子に適用することもできる。
端子付き電線1は、例えば自動車に設置されるワイヤハーネスへの適用が想定されているが、防水性が要求される様々な箇所のコネクタの一部として用いることができる。
1 端子付き電線
10 圧着端子(端子)
20 ボックス部(端子接続部)
21 弾性接触片
30 電線接続部
31 開放部
32 封止部
33 内壁面
33a 係止溝(溝)
33b 導通用押圧部
33c 防水用圧縮部
50 被覆電線
51 導体部
52 被覆部
60 固定部材
61 爪部(突出部)
62 係止突起(突起)
10 圧着端子(端子)
20 ボックス部(端子接続部)
21 弾性接触片
30 電線接続部
31 開放部
32 封止部
33 内壁面
33a 係止溝(溝)
33b 導通用押圧部
33c 防水用圧縮部
50 被覆電線
51 導体部
52 被覆部
60 固定部材
61 爪部(突出部)
62 係止突起(突起)
Claims (10)
- 導体部及び被覆部を有する被覆電線と、
中空状の部分を有し、当該中空状の部分の内側に前記被覆電線が接続される電線接続部と、
前記電線接続部と連結されており、他の端子に接続される端子接続部と、
前記被覆電線と前記電線接続部との間に配置されており、前記被覆部及び前記電線接続部の両方に係合することで、前記被覆電線を前記電線接続部に固定する固定部材と、
を備えることを特徴とする端子付き電線。 - 請求項1に記載の端子付き電線であって、
前記固定部材は、前記被覆電線の挿入中に当該被覆電線が所定の位置に到達したタイミングで、前記被覆電線を前記電線接続部に固定することを特徴とする端子付き電線。 - 請求項1又は2に記載の端子付き電線であって、
前記電線接続部の内側には溝が形成されるとともに、前記固定部材の外側には前記溝と係合可能な突起が形成されており、
前記溝に前記突起が入り込むことで、前記被覆電線が前記電線接続部に固定されることを特徴とする端子付き電線。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載の端子付き電線であって、
前記固定部材には、内面側に突出する突出部が形成されており、
前記固定部材に前記被覆電線が挿入されることで、前記突出部が前記被覆電線に食い込むことを特徴とする端子付き電線。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載の端子付き電線であって、
前記電線接続部は、一端が前記被覆電線の挿入口となっており、他端が封止されていることを特徴とする端子付き電線。 - 請求項1から5までの何れか一項に記載の端子付き電線であって、
前記導体部は、アルミニウム又は銅であることを特徴とする端子付き電線。 - 導体部及び被覆部を有する被覆電線を端子に挿入して接続することで端子付き電線を製造する方法において、
前記端子は、
中空状の部分を有する電線接続部と、
前記電線接続部と連結されており、他の端子に接続される端子接続部と、
を備えており、
前記被覆電線を前記電線接続部の前記中空状の部分に挿入することで、前記被覆部及び前記電線接続部の両方に係合する固定部材により、前記被覆電線を前記電線接続部に固定する固定工程と、
前記電線接続部と前記導体部とが接続される接続工程と、
が含まれることを特徴とする端子付き電線の製造方法。 - 請求項7に記載の端子付き電線の製造方法であって、
前記固定工程では、前記固定部材を前記電線接続部に係合した後に、前記被覆電線を前記電線接続部に挿入することを特徴とする端子付き電線の製造方法。 - 請求項7に記載の端子付き電線の製造方法であって、
前記固定工程では、前記固定部材を前記被覆部に係合した後又は係合すると同時に、前記被覆電線を前記電線接続部に挿入することを特徴とする端子付き電線の製造方法。 - 請求項7から9までの何れか一項に記載の端子付き電線の製造方法であって、
前記接続工程では、圧着、超音波溶接、抵抗溶接、ハンダ付け、及びレーザ溶接のうち何れかを用いて前記導体部を前記電線接続部に接続することを特徴とする端子付き電線の製造方法。
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JP2013033849A JP2014164896A (ja) | 2013-02-22 | 2013-02-22 | 端子付き電線及び端子付き電線の製造方法 |
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JP2022024305A (ja) * | 2020-07-15 | 2022-02-09 | 矢崎総業株式会社 | 端子付き電線 |
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