JP2014164262A - 感光性樹脂組成物、これを硬化させてなる硬化物、カラーフィルタ及び液晶表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを硬化させてなる硬化物、カラーフィルタ及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基板への密着性に優れ、その他の性能には悪影響を及ぼさないバランスにも優れた感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
アルカリ可溶性樹脂(a)、光重合性モノマー(b)、光重合開始剤(c)及び溶剤(d)を含む感光性着色樹脂組成物において、更に、少なくとも(f−1)芳香族カルボン酸類又はそのエステル、(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物、及び(f−3)脂環式ジオール類を重縮合反応して得られるポリエステル(f)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、これを硬化させてなる硬化物、カラーフィルタ及び液晶表示装置に関するものである。詳しくは、特に基板への密着性に優れ、その他の性能には悪影響を及ぼさないバランスにも優れたネガ型感光性樹脂組成物と、その用途に関する。
ノートパソコンや液晶テレビ等に代表される液晶ディスプレイ(LCD)等の液晶表示装置にはカラーフィルタ及びブラックマトリクス及びスペーサーが、デジタルカメラやカラーコピー機等の入力デバイスとして使用される電荷結合素子(CCD、CMOS)を代表する固体撮像素子のカラー化にはカラーフィルタが必要である。
現在一般に行われている顔料分散法による画素の形成方法においては、先ず着色感光性組成物をガラス基板やウェーハのような基板上に塗布し、次いでプリベークを行い膜を形成させた後、所望のマスクを通して紫外線を照射し、照射部分を硬化させ、アルカリ現像処理により未照射部分を取り除き着色画素を得、更に熱処理を行うことにより、着色した硬化膜(着色画素) を得ている。この方法は、紫外線照射により、光重合開始剤が活性
ラジカルを生成し、これが光重合性化合物を攻撃し、重合反応を誘発するという原理を応用したものである。つまり、活性ラジカルが存在し、初めて重合が開始される。
これらの液晶表示装置や固体撮像素子に用いられている感光性樹脂組成物は、装置そのものの軽薄短小化に伴い、微細化、薄膜化の要求が高まっており、組成物中の樹脂成分の低減や有機下地膜を省くことが検討されている。そのため、感度低下や基板への密着の低下が起こり、光重合開始剤や感光性樹脂など、さまざまな方法での改善が試みられている。
しかしながら、紫外線を照射したときに、共存する色素(色材)も紫外線を吸収するために、色素の含有量が多くなると、活性ラジカルの生成が妨げられ、硬化不足となり、基板との密着性が低下する。一方、活性ラジカルの発生を増やすために開始剤量を増加させると、表層部の開始剤により紫外線が吸収されてしまい、内部まで紫外線が届かず、同様に硬化不足が生じたりする。また、光硬化性樹脂においては硬化する際に、硬化収縮が起こることが一般的に知られているが、表層部と内部で活性ラジカルの量が異なると、表層部と内部の硬化収縮が異なり、膜中に歪みが生じ、画素剥がれが生じることもある。このように、微細化、薄膜化の要求の中、光重合開始剤による硬化性の調整は困難であり、結果的に画素剥がれ等の問題が生じることがあり、硬化性を上げると共に密着性の低下防止についても十分配慮する必要があった。
例えば特許文献1では、薄膜化に伴うブラックマトリクスのガラスへの密着性低下を補う手法が記載されている。しかしながら、具体的に記載されている技術は、熱硬化による技術であってアルカリ現像性は無いために、さらにポジレジストを塗布して露光、アルカリ現像後しパターン化後、熱硬化膜をエッチングしなければならず、パターニング工程が多く、大きな手間及びコストがかかる。また特許文献2ではシランカップリング剤を添加することで密着性を向上しているが、シランカップリング剤自体の分子量が低い為、十分な基板との密着アップ効果には限界がある。又、室温でも熱反応性が高い為、パターン現像後の未露光部の基板への残渣や、レジスト液の経時での熱反応により、増粘や感度低下などの悪影響が見られ、バランスの点で更なる改善が求められるものである。
特開2004−004651号公報 特開平10−133370号公報
本発明の目的はカラーフィルター、ブラックマトリクス、スペーサーといった用途において、特に基板への密着性に優れ、その他の性能には悪影響を及ぼさない、バランスにも優れた感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、感光性樹脂組成物に、特定のポリエステルを含有することにより、上記課題を解決することができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
(1)アルカリ可溶性樹脂(a)、光重合性モノマー(b)、光重合開始剤(c)及び溶剤(d)を含む感光性樹脂組成物において、更に、少なくとも(f−1)芳香族カルボン酸類又はそのエステル、(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物、及び(f−3)脂環式ジオール類を重縮合反応して得られるポリエステル(f)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
(2)(f−1)芳香族カルボン酸類又はそのエステルが、安息香酸、サリチル酸、イサト酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びこれらのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物が、マレイン酸、メサコン酸、イタコン酸、フマル酸及びこれらの酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
り、
(f−3)脂環式ジオール類がビシクロウンデカン、デカリン及びトリシクロデカンからなる群から選ばれる少なくとも1種の脂環式炭化水素に2価の有機基を介して水酸基が結
合した構造を有するジオールである、前記(1)に記載の感光性樹脂組成物。
(3)ポリエステル(f)が、構成単位として下記一般式(f−1−1)、下記一般式(f−2−1)及び下記一般式(f−3−1)で表される各構成単位を含有する前記(1)に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2014164262
(式中、R及びRは、独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
Figure 2014164262
(式中、A及びBは、独立に2価の有機基を示す。)
(4)一般式(f−3−1)における2価の有機基が、独立に、―Q―、−Q(OQ−及び−Q(OCOQ−(ここで、Q及びQは、総炭素数1〜20のアルキレン基を表し、m及びnは独立に1〜6の整数を表す)からなる群から選ばれる基を表す前記(3)に記載の感光性樹脂組成物。
(5)ポリエステル(f)が、(f−1)に由来する構成単位を15〜45モル%、(f−2)に由来する構成単位を5〜25モル%、(f−3)に由来する構成単位を35〜65モル%含有するポリエステルである前記(1)〜(4)の何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(6)ポリエステル(f)の重量平均分子量が1000〜9000である前記(1)〜(5)の何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(7)更に、色材(e)を含有する前記(1)〜(6)の何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(8)色材(e)の含有量が、感光性樹脂組成物中の全固形分量に対して20〜70重量
%である前記(7)に記載の感光性樹脂組成物。
(9)アルカリ可溶性樹脂がエチレン性不飽和基を含有する前記(1)〜(8)の何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(10)アルカリ可溶性樹脂が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含有する前記(1)〜(9)の何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(11)アルカリ可溶性樹脂が、
(a)エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸及び/又はその無水物を反応させることによって得られたエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−1)、及び/又は、
(b)エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多価アルコール、及び多塩基酸及び/又はその無水物と反応させることによって得られたエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−2)、
を含有する前記(1)〜(10)の何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(12)前記(1)〜(11)の何れかに記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
(13)前記(1)〜(11)の何れかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
(14)前記13に記載のカラーフィルタを用いて作製された液晶表示装置。
本発明によれば、カラーフィルター、ブラックマトリクス、スペーサーといった用途において、特に基板への密着性に優れ、その他の性能には悪影響を及ぼさないバランスにも優れた感光性樹脂組成物が提供され、この感光性樹脂組成物を用いて十分な解像性、低現像残渣、遮光性などの特性に優れるとともに、特に基板への高い密着性を有した画素を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを備えた有機EL素子の一例を示す断面概略図である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
本発明において「全固形分」とは、感光性樹脂組成物中又は後述するインク中に含まれる、溶剤以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
また、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り、有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表される値である。なお、測定方法については後述する。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(a)、光重合性モノマー(b)
、光重合開始剤(c)及び溶剤(d)を含み、更に、少なくとも(f−1)置換基を有していてもよい芳香族カルボン酸又はそのエステル、(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸又はその酸無水物、及び(f−3)脂環式ジオールを重縮合反応して得られるポリエステル(f)を含有することを特徴とする。好ましくは更に、顔料、分散剤、分散助剤を含有し、必要に応じて、更にその他の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤等、その他の配合成分を含むものであり、通常、各配合成分が、有機溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。
本発明の最大の特徴は、感光性樹脂組成物が特定のポリエステル(f)を含有すること
にあり、まず、該特定のポリエステル(f)について説明する。
<特定のポリエステル(f)>
本発明の感光性樹脂組成物に含有されるポリエステル(f)は、少なくとも(f−1)芳香族カルボン酸類又はそのエステル、(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物、及び(f−3)脂環式ジオール類をエステル化及び重縮合反応して得られる樹脂(f)を重縮合反応して得られるポリエステルである。
(f−1)本発明における芳香族カルボン酸類としては、カルボキシル基を有する芳香族炭化水素構造を有する化合物であれば特に限定されない。芳香族カルボン酸類又はそのエステルにおける芳香族カルボン酸としては、安息香酸、ナフタレンカルボン酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリト酸等の芳香族トリカルボン酸、ピロメリト酸等の芳香族テトラカルボン酸等が挙げられる。なお、芳香族カルボン酸は置換基を有していてもよく、該置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシアミノ基、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子、等が挙げられる。また、エステルとしては、メチルエステル等の炭素数1〜4のアルキルエステルが挙げられる。
芳香族カルボン酸類の具体的としては、安息香酸、サリチル酸、イサト酸、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸が挙げられる。本発明における(f−1)芳香族カルボン酸類としては、1種を用いても2種以上を用いてもよく、安息香酸、サリチル酸、イサト酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びこれらのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であるのが好ましい。なかでも、ジカルボン酸化合物が好まし
く、特に、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸が好ましい。
(f−2)本発明における不飽和脂肪族ジカルボン酸類としては、不飽和脂肪族炭化水素にカルボキシル基を2ヶ有する構造の化合物であれば、特に限定されない。不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等の主鎖にのみ不飽和結合を有するジカルボン酸及びその酸無水物、イタコン酸等の側鎖にのみ二重結合を含有するジカルボン酸及びその酸無水物、ジ−2−ペンテニルフマル酸、ビニルマレイン酸無水物等の主鎖と側鎖に不飽和結合を含有するジカルボン酸及びその酸無水物等が挙げられる。ここで、主鎖とは、2ヶのカルボキシル基を連結する直鎖炭化水素鎖を意味し、側鎖とは、2ヶのカルボキシル基を連結する直鎖の炭化水素鎖から分岐する炭化水素鎖を意味する。中でも、少なくとも主鎖に不飽和結合を有するジカルボン酸及びその酸無水物が好ましく、特に、主鎖にのみ不飽和結合を有するジカルボン酸及びその酸無水物が好ましい。不飽和脂肪族ジカルボン酸又はその酸無水物の炭素数は、通常、4以上168以下、好ましくは4以上8以下、更に好ましくは4以上6以下である。
上記の中でも、2ヶのカルボキシル基が不飽和二重結合に連結する構造を有するα、β―不飽和ジカルボン酸であるのが好ましく、特に、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸及びこれらの酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好
ましい。また、α,β−不飽和ジカルボン酸としては、トランス構造のものが好ましい。また、(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物としては、1種を用いても2種以上を用いてもよい。
(f−3)本発明における脂環式ジオール類としては、その構造中にヒドロキシ基を2ヶ有し、かつ脂環式炭化水素構造を有すれば特に限定されず、シクロヘキサンジメタノールのような単環の脂環式ジオールも挙げられるが、好ましくはその構造中にヒドロキシ基を2ヶ有し、かつ縮合する二環以上の脂環式構造を有する脂環式炭化水素である。ここで、ジオール構造としては、脂環式炭化水素に2価の有機基を介して水酸基が結合した構造が挙げられ、2価の連結基としては、具体的には、―Q―、−Q(OQ−、−Q(OCOQ−等が挙げられる。ここで、Q及びQは、総炭素数1〜20のアルキレン基を表し、好ましい炭素数は1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4であり、m及びnは、独立に1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数である。尚、Q及びQで表されるアルキレン基は、直鎖でも分岐していても良く、又、環状構造を含んでいても良い。また、脂環式構造部分にアルキル基を有していてもよい。
具体的には、デカリンが2ヶのヒドロキシアルキル基で置換された構造を有する縮合二環の脂環式炭化水素;3,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン及び5,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン等の2ヶのヒドロキシアルキル基で置換された構造を有するトリシクロデカンや、2ヶのヒドロキシアルキル基で置換された構造を有するビシクロウンデカン等、2ヶのヒドロキシアルキル基で置換された構造を有する架橋脂環式炭化水素が挙げられる。ここで、ヒドロキシアルキルの炭素数は通常1以上4以下であり、好ましくは2以下であり、好ましいヒドロキシアルキル基はヒドロキシメチル基である。中でも、2ヶのヒドロキシアルキル基で置換された構造を有する架橋脂環式炭化水素が好ましく、特に、2ヶのヒドロキシアルキル基で置換された構造を有するトリシクロデカンが好ましい。また、脂環式ジオール類は、1種を用いても2種以上を用いてもよい。
また、脂環式ジオール類として2種以上の化合物を用いる場合、2ヶのヒドロキシアルキル基で置換された構造を有するトリシクロデカンを20モル%以上、好ましくは、50モル%以上、更に好ましくは90%以上の割合で用いるのが本発明の特徴を有するポリエステルが効率よく得られる点で好ましい。
本発明におけるポリエステル(f)は、少なくとも上記成分(f−1)、(f−2)及び(f−3)をエステル化及び縮合反応して得られるが、更に、これら以外のカルボン酸及びジオールを用いてもよい。
他のカルボン酸としては、飽和脂肪族モノ又はジカルボン酸、環式脂肪族モノ又はジカルボン酸ポリカルボン酸等が挙げられ、具体的には、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、イソノナン酸、2 − エチルヘキサン酸、等が挙げられる。なかでも、1,4− シクロヘキサ
ンジカルボン酸、アジピン酸及び/ 又はアゼライン酸が好ましい。
他のジオールとしては、線状及び/又は分枝鎖状の脂肪族ジオール、芳香族のジオール又はポリオールが挙げられ、具体的には、エチレングリコール、1,2−及び/又は1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−及び/又は1,4−ブタンジオール、1,3−ブチルエチルプロパンジオール、1,3−メチルプロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及び/又はペンタエリトリトールが挙げられる。
本発明におけるポリエステル(f)における上記(f−1)、(f−2)及び(f−3)の使用割合は、(f−1)、(f−2)及び(f−3)の合計を100モル%とした場合、通常、(f−1)が15〜45モル%、(f−2)が5〜25モル%、(f−3)が35〜65モル%であり、好ましくは、(f−1)が20〜40モル%、(f−2)が10~20モル%、(f−3)が 40〜60モル%である。また、(f−3)に対する(
f−1)及び(f−2)成分の合計の割合は、通常、0.9〜1.1である。(f−1)及び(f−2)の割合が上記の下限以上であり、(f−3)の割合が上記上限以下であることで、感光性樹脂組成物を用い、露光して得られる硬化膜の密着強度が良好となる傾向がある。一方、(f−1)及び(f−2)の割合が上記の上限以下であり、(f−3)の割合が上記下限以上であることで、上記硬化膜が脆弱となることを抑制できる傾向がある。
本発明におけるポリエステルの製造にあたり、上記(f−1)及び(f−2)以外のカルボン酸を用いる場合、本発明における密着性の効果の点から、その使用割合は、(f−1)、(f−2)及びその他のカルボン酸の合計に対して、通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。また、(f−3)以外のジオールを用いる場合、その使用割合は、(f−3)及び他のジオールの合計に対して、通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
本発明におけるポリエステルは、少なくとも(f−1)芳香族カルボン酸類、(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物、及び(f−3)脂環式ジオール類を重縮合反応して得られるため、これらに由来する構成単位を有することとなるが、なかでも(f−1)芳香族カルボン酸類に由来する構成単位として、下記式(f−1−1)を含み、
Figure 2014164262
(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物に由来する構成単位として、下記式(f−2−1)
を含み、
Figure 2014164262
(式中、R及びRは、独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す)
(f−3)脂環式ジオール類に由来する構成単位として、下記式(f−3−1)を含む、
Figure 2014164262
(式中、A及びBは、独立に2価の有機基を示す。)
のが好ましい。
尚、上記式(f−2−1)において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4、特に好ましくは1又は2である。
また、上記式(f−3−1)において、A又はBで示される2価の有機基としては、具体的には、―Q―、−Q(OQ−、−Q(OCOQ−等が挙げられ、これらは同一でも異なっていてもよい。ここで、Q及びQは、総炭素数1〜20のアルキレン基を表し、好ましい炭素数は1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4であり、m及びnは独立に1〜6の整数を表し、好ましくは1〜4の整数を表す。尚、Q及びQで表されるアルキレン基は、直鎖でも分岐していても良く、又、環状構造を含んでいても良い。また、脂環式構造部分にアルキル基を有していてもよい。
本発明におけるポリエステルにおける上記構成単位の割合は、その反応原料の説明に準じて、その合計を100モル%とした場合、通常、(f−1−1)で表される構成単位が15〜45モル%、好ましくは20〜40モル%、(f−2−1)で表される構成単位が5〜25モル%、好ましくは10~20モル%、及び(f−3−1)で表される構成単位
が35〜65モル%、好ましくは40〜60モル%である。
本発明におけるポリエステル(f)は、不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物を製造原料とするが、これらは二重結合の含量が高ければ高いほど、すなわち鎖分子中の二重結合の間隔が短ければ短いほど、ポリエステルはますます反応性にあり、従って、著しい発熱及び高い体積収縮下に極めて迅速に重合して、高度に架橋し、比較的脆く、引っ張り強度の弱い最終生成物に変換される。これに対して、飽和ジアルコールを用いることで脆さが改善する傾向となる。又、芳香族カルボン酸、好ましくは芳香族ジカルボン酸を用いることにより、膜強度を改善することが可能となり、結果、液晶などへの耐溶剤性を上げることができると考えられる。又、飽和ジアルコールとして脂環式ジアルコールを用いることにより、液晶などへの耐溶剤性を落とさずに脆弱さをさらに改善できると考えられる。以上の結果、引っ張り応力耐性が向上し、基板との密着性が良好になると考えられる。
本発明におけるポリエステル(f)の重量平均分子量は、通常、1000〜9000であり、2000〜8000が好ましく、3000〜7000が特に好ましい。重量平均分子量が上記下限以上であることにより密着強度が良好となる傾向があり、又、重量平均分子量の上限が上記以下であることにより、他の成分との相溶性やアルカリ現像時の非画線部の残渣への悪影響を抑制できる傾向にある。また、本発明におけるポリエステル(f)の酸価は、通常、1 〜 200mgKOH/g、好ましくは1〜100mgKOH/g、特に好ましくは1〜50mgKOH /g であり、OH価は、通常、1〜200 mgK
OH/g、好ましくは1〜100m gKOH/g、特に好ましくは1〜50mgKOH
/g である。
酸価及び及びOH価が上記下限以上であることにより、アルカリ現像性や密着性が良好となる傾向があり、一方、上記上限以下であることにより、アルカリ現像時のやられや液晶などの耐溶剤性が良好となる傾向にある。
なお、本発明におけるポリエステル(f)は、上述の酸、酸無水物又はエステルとジオールとを、常法により重縮合反応、詳細にはエステル化又はエステル交換反応と重縮合反応により製造可能である。反応は、窒素又は希ガス等の不活性ガス雰囲気中で、150
〜 270℃ 、好ましくは160 〜 230℃ 、特に好ましくは160 〜 200℃ で行われる。具体的には、例えば、特表2005−527660号公報、特開2004-0
99903号公報に記載の方法に準じて製造できる。
なお、上記本発明におけるポリエステルの代表的な市販品としては、TEGOAddBond LTH (特殊ポリエステル、酸価16mgKOH/g、OH価25mgKOH/g、Evonik社製)が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、上記ポリエステル(f)を含有することにより硬化膜の密着性が向上する理由は、次のようなことが推定できる。
上記ポリエステルは、一般のシランカプリング剤のような単量体ではなく、重量平均分子量が1000〜9000の樹脂であり、主鎖に硬さ成分の芳香環と脆弱さを改善する脂環式化合物成分を含み、さらに、紫外線や高熱処理により架橋する二重結合を含有している。そのため、紫外線や高熱処理させる画像部は強度に架橋され高い密着性を得られる。また、未露光部では、上記ポリエステルは紫外線にあたらないため架橋せず、現像で除去され基板に残らない。さらに高熱処理は現像処理後の為、高熱処理による基板への残渣の懸念も生じないと考えられる。
<アルカリ可溶性樹脂(a)>
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(a)は、これと光重合性モノマー(b)、光重合開始剤(c)及び溶剤を含有する感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して得られる硬化膜を露光後、露光部と非露光部のアルカリ現像に対する溶解性が変化するようなものであれば特に限定されてないが、エチレン性不飽和結合を有するアルカリ可溶性樹脂であるのが好ましく、カルボキシル基とエチレン性不飽和結合を有するアルカリ可溶性樹脂が更に好ましい。具体的には、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂やアクリル共重合樹脂が挙げられ、好ましいものとしてより具体的には、後述の(B1−1)、(B1−2)、(B2−1)、(B2−2)、(B2−3)及び(B2−4)として記載のものが挙げられ、これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。上記の中でも、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が特に望ましい。
カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、以下のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−1)及び/又はエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−2)が挙げられる。
<エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−1)>
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸及び/又はその無水物を反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
<エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−2)>
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多価アルコール、及び多塩基酸及び/又はその無水物と反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
原料となるエポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ社製の「エピコート828」、「エピコート1001」、「エピコー
ト1002」、「エピコート1004」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ(例えば、日本化薬社製の「NER−1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃))、ビスフェノールF型樹脂(例えば、油化シェルエポキシ社製の「エピコート807」、「EP−4001」、「EP−4002」、「EP−4004等」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER−7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃))、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、油化シェルエポキシ社製の「YX−4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−201」、油化シェルエポキシ社製の「EP−152」、「EP−154」、ダウケミカル社製の「DEN−438」)、(o,m,p−)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN−102S」、「EOCN−1020」、「EOCN−104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−501」、「EPN−502」、「EPPN−503」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したエポキシ樹脂(例えば、大日本インキ社製の「EXA−7200」、日本化薬社製の「NC−7300」)、下記一般式(b1)〜(b4)で表されるエポキシ樹脂、等を好適に用いることができる。具体的には、下記一般式(b1)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「XD−1000」、下記一般式(b2)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「NC−3000」、下記一般式(b4)で表されるエポキシ樹脂として新日鐵化学社製の「ESF−300」等が挙げられる。
(b1)
Figure 2014164262
(上記一般式(b1)において、b11は平均値を示し0〜10の数を示す。R11は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基を表す。なお、1分子中に存在する複数のR11は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
(b2)
Figure 2014164262
(上記一般式(b2)において、b12は平均値を示し0〜10の数を示す。R21は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基を表す。なお、1分子中に存在する複数のR21は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2014164262
(上記一般式(b3)において、Xは下記一般式(b3−1)又は(b3−2)で表される連結基を示す。但し、分子構造中に1つ以上のアダマンタン構造を含む。b13は2又は3の整数を示す。)
Figure 2014164262
(上記一般式(b3−1)及び(b3−2)において、R31〜R34及びR35〜R37は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアダマンチル基、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。)
Figure 2014164262
(上記一般式(b4)において、p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R41及びR42はそれぞれ独立してアルキル基又はハロゲン原子を表す。R43及びR44はそれぞれ独立してアルキレン基を表す。x及びyはそれぞれ独立して0以上の整数を表す。)
これらの中で、一般式(b1)〜(b4)で表されるエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体などのモノカルボン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルマレイン酸(メタ)、アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体、或いはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートに(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などの酸(無水物)を付加させた単量体、(メタ)アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。
これらの内、感度の点から、特に好ましいものは(メタ)アクリル酸である。
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させる方法としては、公知の手法を用いることができる。例えば、エステル化触媒の存在下、50〜150℃の温度で、α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとエポキシ樹脂とを反応させることができる。ここで用いるエステル化触媒としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等を用いることができる。
なお、エポキシ樹脂、α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステル、及びエステル化触媒は、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1当量の範囲である。 α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量が少ないと不飽和基の導入量が不足し、引き続く多塩基酸及び/又はその無水物との反応も不十分となる。また、多量のエポキシ基が残存することも有利ではない。一方、該使用量が多いとα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルが未反応物として残存する。いずれの場合も硬化特性が悪化する傾向が認められる。
多塩基酸及び/又はその無水物としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、及びこれらの無水物等から選ばれた、1種又は2種以上が挙げられる。
好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、又はこれらの無水物である。特に好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、無水テトラヒドロフタル酸、又はビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
多塩基酸及び/又はその無水物の付加反応に関しても公知の手法を用いることができ、エポキシ樹脂へのα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの付加反応と同様な条件下で、継続反応させて目的物を得ることができる。多塩基酸及び/又はその無水物成分の付加量は、生成するカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が10〜150mgKOH/gの範囲となるような程度であることが好ましく、さらに20〜140mgKOH/gの範囲となるような程度であることが好ましい。カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が上記範囲未満であるとアルカリ現像性に乏しくなる傾向があり、また、上記範囲を超えると硬化性能に劣る傾向が認められる。
なお、この多塩基酸及び/又はその無水物の付加反応時に、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコールを添加し、多分岐構造を導入したものとしてもよい。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、通常、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物を混合した後、もしくは、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物及び多価アルコールを混合した後に、加温することにより得られる。この場合、多塩基酸及び/又はその無水物と多価アルコールの混合順序に、特に制限はない。加温により、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物と多価アルコールとの混合物中に存在するいずれかの水酸基に対して多塩基酸及び/又はその無水物が付加反応する。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上の樹脂を混合して用いても良い。
多価アルコールの使用量は、少な過ぎると効果が薄く、多過ぎると増粘やゲル化の可能性があるので、エポキシ樹脂成分とα,β−不飽和モノカルボン酸又はエステル部分にカ
ルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステル成分との反応物に対して、通常0.01〜0.5重量倍程度、好ましくは0.02〜0.2重量倍程度である。
このようにして得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−1、B1−2)の酸価は、通常10mgKOH/g以上、好ましくは50mgKOH/g以上である。酸価が10mgKOH/g未満では現像性が不足する場合がある。また酸価が過度に高いと、感光性組樹脂成物のアルカリ耐性に問題がある(すなわち、アルカリ性現像液により、パターン表面の粗面化や、膜減りが生じる)場合があるので、酸価は200mgKOH/g以下であることが好ましく、150mgKOH/g以下であることがより好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−1、B1−2)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上であることが好ましく、1,500以上であることがより好ましい。また、10,000以下であることが好ましく、8,000以下であることがより好ましく、6,000以下であることが更に好ましい。重量平均分子量が小さ過ぎると感度や塗膜強度、アルカリ耐性に問題が生じる可能性があり、大き過ぎると現像性や再溶解性に問題が生じる場合がある。
アクリル共重合樹脂としては、例えば、特開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号、特開2007−270147号などの各公報等に記載された様々な高分子化合物を使用することができるが、好ましくは、以下の(B2−1)〜(B2−4)の樹脂等が挙げられ、中でも、(B2−1)樹脂が特に好ましい。
(B2−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、当該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは当該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる樹脂(以下「(B2−1)樹脂」と称す場合がある。)
(B2−2):主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂(以下「(B2−2)樹脂」と称す場合がある。)
(B2−3):前記(B2−2)樹脂のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「(B2−3)樹脂」と称す場合がある。)
(B2−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下「(B2−4)樹脂」と称す場合がある。)
尚、上記(B2−1)の樹脂もエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の概念に包含される。
以下、これらの各樹脂について説明する。
<(B2−1)エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、当該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは当該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる樹脂>
(B2−1)樹脂としては、より具体的には、「エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、当該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは当該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に、更に多塩基酸無水物を付加させて得られる樹脂」が挙げられる。
(B2−1)樹脂を構成する「エポキシ基含有(メタ)アクリレート」としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が例示できる。中でもグリシジル(メタ)
アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合させる他のラジカル重合性単量体としては、下記一般式(11)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2014164262
上記一般式(11)において、R81〜R88は各々独立して、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示すが、R87及びR88は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(11)において、R87とR88が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和の何れでもよく、炭素数が5〜6であるのが好ましい。
中でも、一般式(11)で表される構造としては、下記式(11a)、(11b)、又は(11c)で表される構造が好ましい。
Figure 2014164262
アルカリ可溶性樹脂にこれらの構造を導入することによって、本発明の感光性樹脂組成
物をカラーフィルタや液晶表示素子に使用する場合に、その耐熱性や強度を高めることができる。
前記一般式(11)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、当該構造を有する限り様々なものが使用できるが、特に下記一般式(12)で表されるものが好ましい。
Figure 2014164262
(上記一般式(12)中、R89は水素原子又はメチル基を示し、R90は前記一般式(11)で表される構造を示す。)
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体において、前記一般式(11)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
なお、前記一般式(11)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、特に限定されるものではない。
(B2−1)樹脂の、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%とからなるものが好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
(B2−1)樹脂では、上記のエポキシ樹脂含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、多塩基酸無水物とを反応させる。
エポキシ基に付加させる「不飽和一塩基酸」としては、様々なものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。 具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、又はp−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、(B2−1)樹脂に重合性を付与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは50〜100モル%に付加させる。
更に、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる「多塩基酸無水物」としては、様々なものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、テトラヒドロ無水フタル酸及び無水コハク酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、(B2−1)樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜80モル%に付加させる。
<(B2−2)主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂>
(B2−2)樹脂としては、カルボキシル基を有していれば特に限定されず、通常、カルボキシル基を含有する重合性モノマーを重合して得られる。
カルボキシル基含有重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタル酸等のビニル系モノマー;アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものであるモノマー;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにコハク酸、マレイン酸、フタル酸、或いはそれらの無水物等の酸或いは無水物を付加させたモノマー等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも好ましいのは、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸であり、更に好ましいのは(メタ)アクリル酸である。
また、(B2−2)樹脂は、上記のカルボキシル基含有重合性モノマーに、カルボキシル基を有さない他の重合性モノマーを共重合させたものであってもよい。
この場合、他の重合性モノマーとしては、特に限定されないが、特開2009−52010号公報に記載されているもの等が挙げられる。また、これら重合性モノマーのうち、顔料分散性に優れる点からは、特にベンジル(メタ)アクリレートを含む共重合体樹脂が好ましい。
<(B2−3)前記(2−2)樹脂のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂>
(B2−3)樹脂において、(B2−2)樹脂のカルボキシル基部分に付加させるエポキシ基含有不飽和化合物としては、分子内にエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有するものであれば、特に限定されるものではない。
このエポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート
、アリルグリシジルエーテル、グリシジル−α−エチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の非環式エポキシ基含有不飽和化合物を挙げることができるが、耐熱性や、顔料の分散性の観点から、以下に記載する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が好ましい。
ここで、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の脂環式エポキシ基として、例えば、2,3−エポキシシクロペンチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕基等が挙げられる。また、エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基に由来するものであるのが好ましい。
<(B2−4)(メタ)アクリル系樹脂>
(B2−4)樹脂としては、下記一般式(6)で表される化合物を必須とするモノマー成分を重合してなる(メタ)アクリル系樹脂を挙げることができる。
Figure 2014164262
(上記一般式(6)中、R71及びR72は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を示す。)
以下、一般式(6)の化合物について詳述する。
一般式(6)で表されるエーテルダイマーにおいて、R71及びR72で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシ基で置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素原子を有する置換基が耐熱性の点で好ましい。なお、R71及びR72は、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
特に、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。
これらエーテルダイマーは、1種のみ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B2−4)樹脂を得る際の、モノマー成分中における前記エーテルダイマーの割合は、特に制限されないが、全モノマー成分中、通常2〜60重量%、好ましくは5〜50重量%である。
(B2−4)樹脂は、酸基を有することが好ましい。酸基を有することにより、これを用いて得られる本発明の感光性樹脂組成物が、酸基とエポキシ基が反応してエステル結合を形成する架橋反応(以下、「酸−エポキシ硬化」と略することがある。)により硬化が可能な感光性樹脂組成物、あるいは未硬化部をアルカリ現像液で顕像可能な感光性樹脂組成物、とすることができる。前記酸基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基等が挙げられる。樹脂1分子中に含まれるこれらの酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
(B2−4)樹脂に酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマー、及び/又は「重合後に酸基を付与しうるモノマー」(以下「酸基を導入するためのモノマー」と称することもある。)を、モノマー成分として使用すればよい。なお、「重合後に酸基を付与しうるモノマー」をモノマー成分として使用する場合には、重合後に、後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
前記酸基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられるが、これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー;2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。
これら酸基を導入するためのモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B2−4)樹脂を得る際のモノマー成分が、前記酸基を導入するためのモノマーをも含む場合、その含有割合は、通常は全モノマー成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
(B2−4)樹脂を得る際のモノマー成分は、上記必須のモノマー成分のほかに、必要に応じて、他の共重合可能なモノマーを含んでいてもよい。
<その他のアルカリ可溶性>
上述の通り、本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂として(B1−1)、(B1−2)、(B2−1)、(B2−2)、(B2−3)、(B2−4)の少ないとも何れかを含むのが好ましいが、他のアルカリ可溶性樹脂を併用してもよい。
他のアルカリ可溶性に制限は無く、カラーフィルタ用感光性樹脂組成物に通常使用される樹脂から選択すれば良い。例えば、特開2007−271727号公報、特開2007−316620号公報、特開2007−334290号公報などに記載のアルカリ可溶性樹脂などが挙げられる。
<光重合性モノマー(b)>
本発明の感光性樹脂組成物は、感度等の点から光重合性モノマー(b)を含有する。
本発明に用いられる光重合性モノマー(b)としては、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する化合物(以下、「エチレン性単量体」と称することがある)を挙げることができる。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、及びエチレン性不飽和結合を1個有するカルボン酸と、多価又は1価アルコールのモノエステル、等が挙げられる。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性不飽和基を二個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。
かかる多官能エチレン性単量体の例としては、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
多塩基性カルボン酸及び不飽和カルボン酸と、多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが、代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
その他、本発明に用いられる多官能エチレン性単量体の例としては、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル又はポリイソシアネート化合物とポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られるようなウレタン(メタ)アクリレート類;多価エポキシ化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸との付加反応物のようなエポキシアクリレート類;エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用である。
これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
<光重合開始剤(c)>
光重合開始剤は、光を直接吸収し、分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。必要に応じて増感色素等の付加剤を添加して使用しても良い。
光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号各公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物;特開2000−56118号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体;特開平10−39503号公報記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ
酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体;特開2000−80068号公報、特開2006−36750号公報等に記載されているオキシムエステル誘導体等が挙げられる。
具体的には、例えば、チタノセン誘導体類としては、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,6−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,4−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウム〔2,6−ジ−フルオロ−3−(ピロ−1−イル)−フェニ−1−イル〕等が挙げられる。
また、ビイミダゾール誘導体類としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−メトキシフエニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4’−メトキシフエニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等が挙げられる。
また、ハロメチル化オキサジアゾール誘導体類としては、2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−(6”−ベンゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
また、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類としては、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
また、α−アミノアルキルフェノン誘導体類としては、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエ
チルベンゾエ−ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ−ト、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサ
ノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
光重合開始剤としては、特に、感度の点でオキシム誘導体類(オキシム系及びケトオキシム系化合物)が有効であり、フェノール性水酸基を含むアルカリ可溶性樹脂を用いる場合などは、感度の点で不利になる場合があるため、特にこのような感度に優れたオキシム誘導体類(オキシム系及びケトオキシム系化合物)が有用である。
オキシム系化合物としては、下記一般式(2)で示される構造部分を含む化合物が挙げられ、好ましくは、下記一般式(3)で示されるオキシムエステル系化合物が挙げられる。
Figure 2014164262
(式(2)中、Rは、それぞれ置換されていてもよい、炭素数2〜12のアルカノイル、炭素数1〜20のヘテロアリールアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数3〜8のシクロアルカノイル基、炭素数3〜20のアルコキシカルボニルアルカノイル基、炭素数8〜20のフェノキシカルボニルアルカノイル基、炭素数3〜20のヘテロアリ−ルオキシカルボニルアルカノイル基、炭素数2〜10のアミノアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数1〜20のヘテロアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、又は炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基を示す。)
Figure 2014164262
(式(3)中、R1aは、水素、またはそれぞれ置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、炭素数1〜20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシカルボニルアルキル基、炭素数8〜20のフェノキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜20のヘテロアリールオキシカルボニルアルキル基もしくはヘテロアリールチオアルキル基、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数3〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数1〜20のヘテロアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、又は炭素数1〜10のシクロアルキルアルキル基を示す。 R1bは芳香環あるいはヘテロ芳香環を含む任意の置換基を示す。
なお、R1aはR1bと共に環を形成してもよく、その連結基は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、ポリエチレン基(−(CH=CH)−)、ポリエチニレン基(−(C≡C)−)あるいはこれらを組み合わせてなる基が挙げられる(なお、rは0〜3の整数である。)。
2aは、上記式(2)のおけるRと同様の基を示す。)
上記一般式(2)におけるR及び上記一般式(3)におけるR2aとしては、好ましくは、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数1〜20のヘテロアリールアルカノイル基、炭素数3〜8のシクロアルカノイル基が挙げられる。
上記一般式(3)におけるR1aとしては、好ましくは無置換のメチル基、エチル基、プロピル基や、N−アセチル−N−アセトキシアミノ基で置換されたプロピル基が挙げられる。 また、上記一般式(3)におけるR1bとしては、好ましくは置換されていてもよいカルバゾイル基、置換されていてもよいチオキサントニル基、置換されていてもよいフェニルスルフィド基が挙げられる。またニトロ基をもったカルバゾール基を有するオキ
シムエステル開始剤も有効である。
本発明に好適なオキシムエステル系化合物として具体的には、以下に例示されるような化合物が挙げられるが、何らこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2014164262
Figure 2014164262
ケトオキシム系化合物としては、下記一般式(4)で示される構造部分を含む化合物が挙げられ、好ましくは、下記一般式(5)で示されるオキシムエステル系化合物が挙げられる。
Figure 2014164262
(上記一般式(4)において、Rは、前記一般式(2)におけるRと同義である。)
Figure 2014164262
(上記一般式(5)において、R3aは、それぞれ置換されていてもよい、フェニル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、炭素数1〜20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシカルボニルアルキル基、炭素数8〜20のフェノキシカルボニルアルキル基、炭素数2〜20のアルキルチオアルキル基、炭素数1〜20のヘテロアリールオキシカルボニルアルキル基もしくはヘテロアリールチオアルキル基、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数3〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数1〜20のヘテロアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、又は炭素数1〜10のシクロアルキルアルキル基を示す。
3bは芳香環あるいはヘテロ芳香環を含む任意の置換基を示す。
なお、R3aはR3bと共に環を形成してもよく、その連結基は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、ポリエチレン基(−(CH=CH)−)、ポリエチニレン基(−(C≡C)−)あるいはこれらを組み合わせてなる基が挙げられる(なお、rは0〜3の整数である。)。
4aは、それぞれ置換されていてもよい、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のベンゾイル基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、又は炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を表す。)
上記一般式(4)におけるR及び上記一般式(5)におけるR4aとしては、好ましくは、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数1〜20のヘテロアリールアルカノイル基、炭素数3〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基が挙げられる。
上記一般式(5)におけるR3aとしては、好ましくは無置換のエチル基、プロピル基、ブチル基や、メトキシカルボニル基で置換されたエチル基またはプロピル基が挙げられる。
また、上記一般式(5)におけるR3bとしては、好ましくは置換されていてもよいカルバゾイル基、置換されていてもよいフェニルスルフィド基が挙げられる。
本発明に好適なケトオキシムエステル系化合物として具体的には、以下に例示されるような化合物が挙げられるが、何らこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2014164262
これらのオキシム及びケトオキシムエステル系化合物は、それ自体公知の化合物であり、例えば、特開2000−80068号公報や、特開2006−36750号公報に記載されている一連の化合物の一種である。
上記光重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他に、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体類;ベンゾフェノン、ミヒラーズ
ケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類;p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体類;9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体類;9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体類;ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体類等も挙げられる。
これらの光重合開始剤の中では、感度の点からオキシムエステル誘導体類が特に好ましい。
<増感色素>
光重合開始剤には、必要に応じて、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素を併用させることができる。これら増感色素としては、特開平4−221958号、同4−219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平3−239703号、同5−289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号、同5−289335号に記載の3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号、同54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、同52−112681号、同58−15503号、同60−88005号、同59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらの増感色素のうち好ましいものは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいものは、アミノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物である。特に、好ましいのは、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等のp−ジアルキルアミノフェニル基含有化合物等である。
このうち最も好ましいものは、4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
増感色素もまた1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
<色材(e)>
本発明の感光性樹脂組成物は、カラーフィルタの画素やブラックマトリックスの形成等に用いられる場合には、色材を含有する。色材は、本発明の感光性樹脂組成物を着色するものをいう。色材としては、染顔料が使用できるが、耐熱性、耐光性等の点から顔料が好ましい。
顔料としては青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等各種の色の顔料を使用することができる。また、その構造としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料の他に種々の無機顔料等も利用可能である。
以下に、本発明に使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。なお、以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド2」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。 緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36、58を挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、1
17、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
オレンジ顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくは、C.I.ピグメントオレンジ38、71を挙げることができる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23を挙げることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物が、カラーフィルターの樹脂ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物である場合、色材(C)としては、黒色の色材を用いることができる。黒色色材は、黒色色材を単独でも良く、又は赤、緑、青等の混合によるものでも良い。また、これら色材は無機又は有機の顔料、染料の中から適宜選択することができる。
黒色色材を調製するために混合使用可能な色材としては、ビクトリアピュアブルー(42595)、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッド7B4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)、リオノールブルーES(ピグメントブルー15:6)、リオノーゲンレッドGD(ピグメントレッド168)、リオノールグリーン2YS(ピグメントグリーン36)等が挙げられる(なお、上記の( )内の数字は、カラーインデックス(C.I.)を意味する)。
また、更に他の混合使用可能な顔料についてC.I.ナンバーにて示すと、例えば、C.I.黄色顔料20、24、86、93、109、110、117、125、137、138、147、148、153、154、166、C.I.オレンジ顔料36、43、51、55、59、61、C.I.赤色顔料9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、C.I.バイオレット顔料19、23、29、30、37、40、50、C.I.青色顔料15、15:1、15:4、22、60、64、C.I.緑色顔料7、C.I.ブラウン顔料23、25、26等を挙げることができる。
また、単独使用可能な黒色色材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
これらの中で、カーボンブラックが遮光率、画像特性の観点から好ましい。カーボンブラックの例としては、以下のようなカーボンブラックが挙げられる。
三菱化学社製:MA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA220、MA230、MA600、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#3050、#3150、#3250、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31B
デグサ社製:Printex3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Printex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170
キャボット社製:Monarch120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN XC72R、ELFTEX−8コロンビヤン
コロンビヤンカーボン社製:RAVEN11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000
他の黒色顔料の例としては、チタンブラック、アニリンブラック、酸化鉄系黒色顔料、及び、赤色、緑色、青色の三色の有機顔料を混合して黒色顔料として用いることができる。
カーボンブラック含有量を多くした上で体積抵抗値を大きくするために、樹脂で被覆されたカーボンブラックを使用してもよい。例えば特開平09−71733号公報に記載されているカーボンブラック等が好適に使用できる。
被覆処理するカーボンブラックとしては、NaとCaの合計含有量が100ppm以下であることが好ましい。カーボンブラックは、通常製造時の原料油や燃焼油(又はガス)、反応停止水や造粒水、更には反応炉の炉材等から混入したNaや、Ca,K,Mg,A
l,Fe等を組成とする灰分がパーセントのオーダーで含有されている。この内、NaやCaは、各々数百ppm以上含有されているのが一般的であるが、これらが多く存在すると、透明電極(ITO)やその他の電極に浸透し、電気的短絡の原因となる場合があるからである。
これらのNaやCaを含む灰分の含有量を低減する方法としては、カーボンブラックを製造する際の原料油や燃料油(又はガス)並びに反応停止水として、これらの含有量が極力少ない物を厳選すること及びストラクチャーを調整するアルカリ物質の添加量を極力少なくすることにより可能である。他の方法としては、炉から製出したカーボンブラックを水や塩酸等で洗いNaやCaを溶解し除去する方法が挙げられる。
具体的にはカーボンブラックを水又は塩酸、過酸化水素水に混合分散させた後、水に難溶の溶媒を添加していくとカーボンブラックは溶媒側に移行し、水と完全に分離すると共にカーボンブラック中に存在した殆どのNaやCaは、水や酸に溶解、除去される。NaとCaの合計量を100ppm以下に低減するためには、原材料を厳選したカーボンブラック製造過程単独或は水や酸溶解方式単独でも可能な場合もあるが、この両方式を併用することにより更に容易にNaとCaの合計量を100ppm以下とすることができる。
また樹脂被覆カーボンブラックは、pH6以下のいわゆる酸性カーボンブラックであることが好ましい。水中での分散径(アグロミレート径)が小さくなるので、微細ユニットまでの被覆が可能となり好適である。(iii )粒子径40nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸収量140ml/100g以下であることが好ましい。粒子径が40nmより大きく、DBP吸収量が140ml/100gより大きいと、ペーストにした場合の分散性には優れるが、塗膜の濃度感が十分でない場合があり、膜厚1〜2μm程度では遮光性に乏しくなるおそれがあるからである。
樹脂で被覆されたカーボンブラックを調製する方法にはとくに限定がないが、たとえばカーボンブラックおよび樹脂の配合量を適宜調整したのち、1.樹脂とシクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどの溶剤とを混合して加熱溶解させた樹脂溶液と、カーボンブラックおよび水を混合した懸濁液とを混合撹拌し、カーボンブラックと水とを分離させたのち、水を除去して加熱混練してえられた組成物をシート状に成形し、粉砕したのち、乾燥させる方法;2.前記と同様にして調製した樹脂溶液と懸濁液とを混合撹拌してカーボンブラックおよび樹脂を粒状化したのち、えられた粒状物を分離、加熱して残存する溶剤および水を除去する方法;3.前記例示した溶剤にマレイン酸、フマル酸などのカルボン酸を溶解させ、カーボンブラックを添加、混合して乾燥させ、溶剤を除去してカルボン酸添着カーボンブラックをえたのち、これに樹脂を添加してドライブレンドする方法;4.被覆させる樹脂を構成する反応性基含有モノマー成分と水とを高速撹拌して懸濁液を調製し、重合後冷却して重合体懸濁液から反応性基含有樹脂をえたのち、これにカーボンブラックを添加して混練し、カーボンブラックと反応性基とを反応させ(カーボンブラックをグラフトさせ)、冷却および粉砕する方法などを採用することができる。
被覆処理する樹脂の種類も特に限定されるものではないが、合成樹脂が一般的であり、さらに構造の中にベンゼン核を有した樹脂の方が両性系活面活性剤的な働きがより強いため分散性及び分散安定性の点から好ましい。
具体的な合成樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、等の熱可塑性樹脂が使用できる。カーボンブラックに対する樹脂の被覆量は、カーボン
ブラックと樹脂の合計量に対し1〜30wt%が好ましく、1wt%未満の量では、未処理のカーボンブラックと同様の分散性や分散安定性しか得られないおそれがある。一方、30wt%を超えると、樹脂同士の粘着性が強く、団子状の固まりとなり、分散が進まなくなるおそれがある。
このようにして樹脂で被覆処理してなるカーボンブラックは、常法に従いブラックマトリックスの遮光材として用いることができ、このブラックマトリックスを構成要素とするカラーフィルターを常法により作成することができる。本発明のカーボンブラックを用いると、高遮光率でかつ表面反射率が低くまた膜厚小のブラックマトリックスが低コストで達成できる。ブラックマトリックス液を構成する樹脂や溶媒に対し、カーボンブラックの分散性や分散安定性が格段に向上したためと推測される(従来のカーボンブラックであると、いかに混練しても0.1μm以下まで分散することは困難であり、分散したとしても安定性が悪く、時間とともに凝集が大きくなる。)。また、カーボンブラック表面を樹脂で被覆したことにより、CaやNaをカーボンブラック中に封じ込める働きもあることも推測される。
また、顔料として、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等を用いることもできる。これら各種の顔料は、複数種を併用することもできる。例えば、色度の調整のために、緑色顔料と黄色顔料とを併用したり、青色顔料と紫色顔料とを併用することができる。
なお、これらの顔料は、平均粒径が通常1μm、好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.25μm以下となるよう、分散して用いることが好ましい。
なお本発明において、顔料の平均粒径は、動的光散乱DLSにより測定された顔料粒径から求めた値である。粒径測定は、十分に希釈された樹脂組成物(通常は希釈して、顔料濃度0.005〜0.2重量%程度に調製。但し測定機器により推奨された濃度があれば、その濃度に従う)に対して行い、25℃にて測定する。
また、色材として使用できる染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例え
ば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
<分散剤>
本発明においては、色材を微細に分散させ、且つその分散状態を安定化させることが品質の安定性確保には重要なため、分散剤を含むことが好ましい。
分散剤としては、官能基を有する高分子分散剤が好ましく、更には、分散安定性の面からカルボキシル基;リン酸基;スルホン酸基;又はこれらの塩基;一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の官能基を有する高分子分散剤が好ましい。中でも特に、一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の塩基性官能基を有する高分子分散剤が特に好ましい。
また高分子分散剤としては、例えばウレタン系分散剤、アクリル系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリアリルアミン系分散剤、アミノ基を持つモノマーとマクロモノマーからなる分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーテルリン酸系分散剤、ポリエステルリン酸系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
このような分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(味の素社製)等を挙げることができる。 これらの高分子分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常700以上、好ましくは1000以上であり、また通常100,000以下、好ましくは50,000以下である。
これらの内、密着性及び直線性の面から、分散剤(E)は官能基を有するウレタン系高分子分散剤及び/又はアクリル系高分子分散剤を含むことが、特に好ましい。
ウレタン系及びアクリル系高分子分散剤としては、例えばDisperbyk160〜167、182シリーズ(いずれもウレタン系)、Disperbyk2000,2001等(いずれもアクリル系)(以上すべてビックケミー社製)が挙げられる。
(ウレタン系高分子分散剤)
ウレタン系高分子分散剤として好ましい化学構造を具体的に例示するならば、例えば、ポリイソシアネート化合物と、分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られる、重量平均分子量1,000〜200,000の分散樹脂等が挙げられる。
上記のポリイソシアネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する
脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート、及びこれらの3量体、水付加物、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。ポリイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体である。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
イソシアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化されたもの及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)又はそれらの無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジーオル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、2−メチル−1,8−オクタメチレングリコール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等)とを重縮合させて得られたもの、例えばポリエチレンアジペート、
ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類又は炭素数1〜25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール又はポリラクトンモノオール、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのはポリカプロラクトングリコール又は炭素数1〜25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトンである。
ポリカーボネートグリコールとしては、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等、ポリオレフィングリコールとしてはポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、通常300〜10,000、好ましくは500〜6,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
本発明に用いられる同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を説明する。活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又はイオウ原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
3級アミノ基は、特に限定されないが、例えば炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基、又はヘテロ環構造、より具体的にはイミダゾール環又はトリアゾール環、などが挙げられる。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
また、3級アミノ基が含窒素ヘテロ環構造である場合の該含窒素ヘテロ環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等のN含有ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の含窒素ヘテロ6員環が挙げられる。これらの含窒素ヘテロ環のうち好ましいものはイミダゾール環又はトリアゾール環である。
これらのイミダゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2−アミノイミダゾール、1−(2−アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。また、トリアゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−(2−アミノ−5−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−
プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが好ましい。
これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
ウレタン系高分子分散剤を製造する際の原料の好ましい配合比率はポリイソシアネート化合物100重量部に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物が10〜200重量部、好ましくは20〜190重量部、更に好ましくは30〜180重量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物が0.2〜25重量部、好ましくは0.3〜24重量部である。
ウレタン系高分子分散剤の製造はポリウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶媒としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等が用いられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
上記製造に際して、通常、ウレタン化反応触媒が用いられる。この触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等の1種又は2種以上が挙げられる。
同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物の導入量は反応後のアミン価で1〜100mgKOH/gの範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは5〜95mgKOH/gの範囲である。アミン価は、塩基性アミノ基を酸により中和滴定し、酸価に対応させてKOHのmg数で表した値である。アミン価が上記範囲より低いと分散能力が低下する傾向があり、また、上記範囲を超えると現像性が低下しやすくなる。
なお、以上の反応で高分子分散剤にイソシアネート基が残存する場合には更に、アルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと生成物の経時安定性が高くなるので好ましい。
ウレタン系高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常1,000〜200,000、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000の範囲である。この分子量が1,000未満では分散性及び分散安定性が劣り、200,000を超えると溶解性が低下し分散性が劣ると同時に反応の制御が困難となる。
(アクリル系高分子分散剤)
アクリル系高分子分散剤としては、官能基(ここでいう官能基とは、高分子分散剤に含有される官能基として前述した官能基である。)を有する不飽和基含有単量体と、官能基を有さない不飽和基含有単量体とのランダム重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体を使用することが好ましい。これらの共重合体は公知の方法で製造することができる。
官能基を有する不飽和基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリル酸ダイマー等のカルボキシル基を有する不飽和単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート及びこれらの4級化物などの3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体が具体例として挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
官能基を有さない不飽和基含有単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、α−メチルスチレン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドなどのN−置換マレイミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマーなどのマクロモノマー等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(アクリル系ブロック共重合体)
本発明の感光性樹脂組成物は、着色剤の分散性の向上、分散安定性の向上のために、分散剤として窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体が用いられる。このような窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体は、これに含まれる窒素原子が着色剤表面に対して親和性を持ち、窒素原子以外の部分が媒質に対する親和性を高めることにより、全体として分散安定性の向上に寄与するものと推定される。
分散剤の性能は、その固体表面に対する吸着挙動である。ブッロク共重合体が吸着挙動に優れている理由は、詳しいメカニズムは不明だが、以下のことが推察される。
即ち、通常のランダム共重合体の場合、共重合体を構成するモノマーは、共重合時において、立体的に、及び/又は電気的に共重合体中に安定的に配置される確立が高くなる。モノマーが安定的に配置された部分(分子)は、立体的に、及び/又は電気的に安定しているため、着色剤に吸着するとき、かえって障害となる場合がある。これに対し、ブロック共重合体のように分子配列が制御された樹脂は、分散剤の吸着を妨げる部分を、顔料と分散剤との吸着部から離れた位置に配置することができる。つまり、着色剤と分散剤との吸着部には吸着に最適な部分を、溶媒親和性が必要な部分にはそれに適した部分を配置することができる。特に結晶子サイズの小さい着色剤を含有する色材の分散は、この分子配置が良好な分散性に影響するものと推察される。
窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体は、本発明に用いられる着色剤を極めて効率よく分散しうる点で好ましい。その理由は明らかではないが、分子配列が制御されていることにより、分散剤が着色剤に吸着する際に障害となる構造が少ないためと推察される。アクリル系ブロック共重合体としては、側鎖に4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さないBブロックからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はB−A−Bブロック共重合体が好ましい。
Aブロックが4級アンモニウム塩基を有する場合、当該4級アンモニウム塩基は、好ましくは−N212223・M(但し、R21、R22及びR23は、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R21、R22及びR23のうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。Mは、対アニオンを表す。)で表される。この4級アンモニウム塩基は、直接
主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
−N212223において、R21、R22及びR23のうち2つ以上が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。これらの環状構造は、更に置換基を有していてもよい。
Figure 2014164262
(上記式中、RはR21〜R23のうち何れかの基を表す。)
−N212223におけるR21〜R23として、より好ましいのは、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。
又、4級アンモニウム塩基を有するAブロックとしては、特に、下記一般式(VI)で表される部分構造を含有するものが好ましい。
Figure 2014164262
(上記式(VI)中、R21、R22、R23は各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R21、R22及びR23のうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。R24は、水素原子又はメチル基を表す。Xは、2価の連結基を表し、Mは、対アニオンを表す。)
上記一般式(VI)において、R21、R22、R23の炭化水素基は、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20の芳香族基を有する置換基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ベンジル基、フェニル基等を挙げることができる。中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基が好ましい。
上記一般式(VI)において、2価の連結基Xとしては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R25−、−COO−R26−(但し、R25及びR26は、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のエーテル基
(−R27−O−R28−:R27及びR28は、各々独立にアルキレン基)を表す。)等が挙げられ、好ましくは−COO−R26−である。
また、対アニオンのMとしては、Cl、Br、I、ClO 、BF 、CHCOO、PF 等が挙げられる。
上記の如き特定の4級アンモニウム塩基を含有する部分構造は、1つのAブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上の4級アンモニウム塩基含有部分構造は、該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。また、該4級アンモニウム塩基を含有しない部分構造が、Aブロック中に含まれていてもよく、該部分構造の例としては、後述の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。
かかる4級アンモニウム塩基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、かかる4級アンモニウム塩基非含有部分構造はAブロック中に含まれないことが最も好ましい。
尚、上述するアクリル系ブロック共重合体のAブロックは、4級化されていない未反応の3級アミノ基を有していてもよい。
Aブロックがアミノ基を有する場合、アミノ基は1〜3級のいずれでもよい。当該1〜3級アミノ基を有する単量体の含有割合は、当該アクリル系ブロック共重合体を構成する単量体組成において、20モル%以上であることが好適であり、より好ましくは50モル%以上である。
このアミノ基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
又、上記1〜3級アミノ基としては、好ましくは−NR4142(但し、R41及びR42は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。)で表され、又、これを含む部分構造(繰返し単位)として好ましいものは、例えば下記一般式で表されるような構造が挙げられる。
Figure 2014164262
(但し、R41及びR42は、上記のR41及びR42と同義であり、R43は炭素数1以上のアルキレン基、R44は水素原子又はメチル基を示す。)
中でも、R41及びR42はメチル基が好ましく、R43はメチレン基、エチレン基が好ましく、R44は水素原子もしくはメチル基であるのが好ましい。このような部分構造としては下記一般式で表されるジメチルアミノエチルアクリレートやジメチルアミノエチルメタアクリレート由来の構造等が、特に好適に用いられる。
Figure 2014164262
(上記一般式中、R44は前述と同義である。)
更に、上記アミノ基を含有する部分構造は、1つのAブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上のアミノ基含有部分構造は、該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。又、アミノ基を含有しない部分構造が、Aブロック中に一部含まれていてもよく、そのような部分構造の例としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。係るアミノ基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、係るアミノ基非含有部分構造はAブロック中に含まれないことが最も好ましい。
Aブロック中に4級アンモニウム塩基又はアミノ基のいずれか一方を有してもよく、両方を有してもよい。
一方、アクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、上述した4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さず、上述したAブロックを構成するモノマーと共重合しうるモノマーから成るものであれば、特に制限は無い。Bブロックは、顔料吸着基となる窒素原子含有官能基を有さない親溶媒性の部位であり、溶媒に親和性があるため、分散剤に吸着した顔料を溶媒中に安定化させる働きがある。
Bブロックとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチルアクリル酸グリシジル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系モノマー;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン、などのコモノマーを共重合させたポリマー構造が挙げられる。
Bブロックとしては、特に下記式(VIII)で表される、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造を含有するものが好ましい。
Figure 2014164262
(上記式(VIII)中、R41は、水素原子又はメチル基を表す。R42は、置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。もちろん該Bブロックは、更にこれら以外の部分構造を含有していてもよい。2種以上のモノマー由来の部分構造が、4級アンモニウム塩基を含有しないBブロック中に存在する場合、各部分構造は該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。
Bブロック中に上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造以外の部分構成を含有する場合、当該(メタ)アクリル酸エステル系モノマー以外の部分構造の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜99重量%、より好ましくは0〜85重量%である。
本発明で用いるアクリル系分散剤は、このようなAブロックとBブロックとからなる、A−Bブロック又はB−A−Bブロック共重合型高分子化合物であるが、このようなブロック共重合体は、例えばリビング重合法にて調製される。
リビング重合法にはアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法がある。例えば、特開2007−270147号公報に記載の方法が挙げられる。
尚、上記アクリル系ブロック共重合体のアミン価は、有効固形分換算で通常1〜300mgKOH/g程度であるが、その好ましい範囲は、Aブロックが4級アンモニウム塩基を有する場合とそうでない場合とで異なる。なお、アミン価は、共重合体1g中のアミノ基を中和するのに必要な酸のモル当量に対応したKOHのmg数で表した値である。
即ち、本発明に係るA−Bブロック共重合体及びB−A−Bブロック共重合体において、Aブロックが4級アンモニウム塩基を有する場合、当該共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、通常0.1〜10mmolであることが好ましく、この範囲外では、良好な耐熱性と分散性を兼備することができない場合がある。
なお、このようなブロック共重合体中には、通常、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があるが、そのアミン価は通常1〜100mgKOH/g程度、好ましくは1〜80mgKOH/g。より好ましくは1〜50mgKOH/gである。
又、Aブロックに4級アンモニウム塩基を含まない場合、当該共重合体のアミン価は、通常、50〜300mgKOH/g程度、好ましくは50〜200mgKOH/g、より好ましくは80mgKOH/g以上150mgKOH/g以下、更に好ましくは90〜150mgKOH/gである。
このようなアクリル系ブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常100mgKOH/g以下であり、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは40mgKOH/g以下である。
また、アクリル系ブロック共重合体の分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)では、通常1000以上、100,000以下の範囲である。アクリル系ブロック共重合体の分子量が小さすぎると分散安定性が低下し、大きすぎると現像性、解像性が低下する傾向にある。
本発明においては、上述のものと同様の構造を有する市販のアクリル系ブロック共重合体を適用することもできる。
本発明において、窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体の含有量は、顔料に対して通常5重量%以上90重量%以下であり、好ましくは5重量%以上60重量%以下、更にこのましくは5重量%以上40重量%以下である。窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体の含有量が少な過ぎると、十分な分散性が得られない場合があり、多過ぎると相対的に他の成分の割合が減って電圧保持率が低下する一方、着色スペーサの形状、段差の形成ができない場合がある。
本発明においては、窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体以外の分散剤を併用してもよい。併用する分散剤は、高分子分散剤であることが好ましく、着色剤とは全く構造の異なるポリマーであることが好ましい。
併用する分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリアリルアミン系分散剤、アミノ基を持つモノマーとマクロモノマーからなる分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーテルリン酸系分散剤、ポリエステルリン酸系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
<溶剤(d)>
本発明の感光性樹脂組成物は、通常、アルカリ可溶性樹脂(a)、光重合性モノマー(b)、光重合開始剤(c)、上述の特定のポリエステル(f)、及び必要に応じて使用される各種材料が、有機溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。
有機溶剤としては、沸点(圧力1013.25[hPa]条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)が100〜300℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜280℃の沸点をもつ溶剤である。
このような有機溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類等:
上記に該当する市販の溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フォトリソグラフィー法にてカラーフィルタの画素又はブラックマトリックスを形成する場合、有機溶剤としては沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点を持つものである。
上記有機溶剤のうち、塗布性、表面張力などのバランスが良く、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の有機溶剤を併用してもよい。併用する有機溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる感光性樹脂組成物の粘度が上がっていくなどの保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5重量%〜30重量%が好ましく、5重量%〜20重量%がより好ましい。
また、150℃以上の沸点をもつ有機溶剤(以下「高沸点溶剤」と称す場合がある。)を併用することも好ましい。このような高沸点溶剤を併用することにより、感光性樹脂組成物は乾きにくくなるが、組成物中における顔料の均一な分散状態が、急激な乾燥により破壊されることを防止する効果がある。すなわち、例えばスリットノズル先端における、色材などの析出・固化による異物欠陥の発生を防止する効果がある。このような効果が高い点から、上述の各種溶剤の中でも、特にジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
有機溶剤中の高沸点溶剤の含有割合は、3重量%〜50重量%が好ましく、5重量%〜40重量%がより好ましく、5重量%〜30重量%が特に好ましい。高沸点溶剤の量が少なすぎると、例えばスリットノズル先端で色材などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こす可能性があり、また多すぎると組成物の乾燥温度が遅くなり、後述するカラーフィルタ製造工程における、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を惹き起こすことが懸念される。
なお沸点150℃以上の高沸点溶剤が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であってもよく、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の高沸点溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
<感光性樹脂組成物のその他の配合成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、上述の成分の他、本発明におけるポリエステル以外の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、顔料誘導体等を適宜配合することができる。
(ポリエステル(f)以外の密着向上剤)
基板との密着性を改善するため、上記ポリエステル(f)以外の密着向上剤を本発明の感光性樹脂組成物に含有させてもよく、例えば、シランカップリング剤、リン酸系密着向上剤等が挙げられる。
シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、(メタ)アクリル系、アミノ系等種々のものが1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
好ましいシランカップリング剤として、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、等のエポキシシラン類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類が挙げられるが、特に好ましくは、エポキシシラン類のシランカップリング剤が挙げられる。
リン酸系密着向上剤としては、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類が好ましく、中でも下記一般式(g1)、(g2)、(g3)で表されるものが好ましい。
Figure 2014164262
(上記一般式(g1)、(g2)、(g3)において、R51は水素原子又はメチル基を示し、l及びl’は1〜10の整数、mは1、2又は3である。)
これらの燐酸基含有化合物も1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等各種のものを用いることができる。中でも、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましく、中でもフッ素系やシリコン系の界面活性剤が塗布性の面で効果的である。
このような界面活性剤としては、例えば、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン社製)、DFX−18(ネオス社製)、BYK−300、BYK−325、BYK−330(ビックケミー社製)、KP340(信越シリコーン社製)、F−470、F−475、F−478、F−559(大日本インキ化学工業社製)、SH7PA(トーレシリコーン社製)、DS−401(ダイキン社製)、L−77(日本ユニカー社製)、FC4430(
住友3M社製)等が挙げられる。
なお、界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[その他の成分]
本発明の遮光性感光性樹脂組成物には、上記の成分の他に、さらに重合加速剤、光酸発生剤、架橋剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤、有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物、現像改良剤、熱重合防止剤等を含んでいてもよい。
(顔料誘導体)
顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもフタロシアニン系、キノフタロン系が好ましい。
顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していても良い。顔料誘導体の具体例としてはフタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(チオール類)
高感度化、基板への密着性の向上のため、チオール類を添加することも可能である。
チオール類の種類としては、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3− メルカプト
ブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられ、これらは種々のものが1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
<感光性樹脂組成物中の成分配合量>
アルカリ可溶性樹脂(a)の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上であり、通常85重量%以下、好ましくは80重量%以下である。アルカリ可溶性樹脂(a)の含有量が著しく少ないと、未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起させやすくなる。逆に、アルカリ可溶性樹脂(a)の含有量が多すぎると、露光部への現像液の浸透性が高くなる傾向があり、画素のシャープ性や密着性が低下する場合がある。
尚、上述のように、本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(a)として、前述の(B1−1)、(B1−2)、(B2−1)、(B2−2)、(B2−3)及び(B2−4)の少なくとも1種を含むのが好ましく、その他のアルカリ可溶性樹脂を含む場合、その含有割合は、アルカリ可溶性樹脂(a)の合計に対して、20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
また、上述のように、アルカリ可溶性樹脂(a)としては、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が好ましいが、中でも、上述のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−1)及び/又はエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−2)を用いるのが好ましく、これらを併用するのが現像溶解性の調整、現像パターンの形状プロファイル調整の点の点で好ましく、その場合の配合割合(重量比)は、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−1)/エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−2)が、通常
、1/99〜99/1、好ましくは5/99〜99/5である。
光重合性モノマー(b)の割合は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下である。光重合性モノマー(b)の含有量が上記上限以下であることで、露光部への現像液の浸透性が適度となり良好な画像を得ることができる傾向にある。光重合性モノマー(b)の含有量の下限は、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上である。上記下限以上であることで、紫外線照射による光硬化を向上させるとともにアルカリ現像性も良好となる傾向にある。
光重合開始剤(c)の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは0.7重量以上であり、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。光重合開始剤(c)の含有量が少なすぎると感度低下を起こすことがあり、反対に多すぎると未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起させやすい。
光重合開始剤(c)と共に加速剤を用いる場合、加速剤の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0重量%以上、好ましくは0.02重量%以上で、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下であり、加速剤は、光重合開始剤(c)に対して0.1〜50重量%、特に0.1〜10重量%の割合で用いることが好ましい。光重合開始剤(c)と加速剤等よりなる光重合開始剤系成分の配合割合が著しく低いと露光光線に対する感度が低下する原因となることがあり、反対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起させることがある。
また、増感色素を用いる場合、本発明の感光性樹脂組成物中に占める増感色素の配合割合は感光性樹脂組成物中の全固形分中、通常0〜20重量%、好ましくは0〜15重量%、更に好ましくは0〜10重量%である。
色材(d)の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分量に対して通常1〜70重量%の範囲で選ぶことができる。この範囲の中では、20〜70重量%がより好ましい。上記ポリエステル(f)の密着添加剤としての効果としては光架橋硬化だけでなく高熱架橋硬化の作用もある為、特に顔料濃度が大きく密着が弱くなる領域で効果的に使われる。その顔料濃度としては40〜65重量%が特に効果的である。色材の含有量が少なすぎると、色濃度に対する膜厚が大きくなりすぎて、液晶セル化の際のギャップ制御などに悪影響を及ぼす場合がある。また、逆に色材の含有量が多すぎると、十分な画像形成性が得られなくなることがある。
なお感光性樹脂組成物において、色材を用いる場合、アルカリ可溶性樹脂(a)の色材に対する量は、通常20〜500重量%、好ましくは30〜300重量%、より好ましくは40〜200重量%の範囲である。色材に対するアルカリ可溶性樹脂(a)の含有量が低すぎると、未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起させやすく、著しく高いと、所望の画素膜厚が得られ難くなる。
上記特定のポリエステル(f)の含有量は、固形分に対して0.01〜30%、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.2〜5%の範囲である。含有量が上記下限以上であることで、特に密着強度が改善する傾向にあり、又、上記上限以下であることで、他のレジスト成分の割合が少なくなることなく、結果として、良好な感度を維持することが可能である傾向にある。
チオール化合物を用いる場合、チオール化合物の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、更に好ましくは0.5重量以上であり、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。チオール化合物の含有量が少なすぎると感度低下を起こすことがあり、反対に多すぎると保存安定性が悪くなる場合がある。
分散剤を用いる場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の固形分中、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上である。また、分散剤の含有量は、色材(e)に対して、通常5重量%以上、特に10重量%以上であり、通常200重量%以下、特に80重量%以下であることが好ましい。分散剤の含有量が少な過ぎると、十分な分散性が得られない場合があり、多過ぎると相対的に他の成分の割合が減って色濃度、感度、成膜性等が低下する傾向がある。
特に、分散剤としては、高分子分散剤と顔料誘導体とを併用することが好ましいが、この場合、顔料誘導体の配合割合は本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0.1重量%以上で、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下とすることが好ましい。
界面活性剤を用いる場合、その含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分に対して通常0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%、最も好ましくは0.03〜0.3重量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲よりも少ないと塗布膜の平滑性、均一性が発現できない可能性があり、多いと塗布膜の平滑性、均一性が発現できない他、他の特性が悪化する場合がある。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、前述の有機溶剤を使用して、その固形分濃度が通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%となるように、調液される。
<感光性樹脂組成物の製造方法>
本発明の感光性樹脂組成物(以下、「レジスト」と称することがある。)は、常法に従って製造される。
通常、色材(e)は、予めペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて分散処理するのが好ましい。分散処理により色材(e)が微粒子化されるため、レジストの塗布特性が向上する。また、色材(e)として黒色色材を使用した場合は遮光能力の向上に寄与する。
分散処理は、通常、色材(e)、有機溶剤、及び必要に応じて分散剤、並びにアルカリ可溶性樹脂の一部又は全部を併用した系にて行うことが好ましい。(以下、分散処理に供する混合物、及び該処理にて得られた組成物を「インク」と称することがある。)特に分散剤として高分子分散剤を用いると、得られたインク及びレジストの経時の増粘が抑制される(分散安定性に優れる)ので好ましい。
なお、感光性樹脂組成物に配合する全成分を含有する液に対して分散処理を行った場合、分散処理時に生じる発熱のため、高反応性の成分が変性する可能性がある。従って、前述した成分を含む系にて分散処理を行うことが好ましい。
サンドグラインダーで色材(e)を分散させる場合には、0.1〜8mm程度の径のガラスビーズ又はジルコニアビーズが好ましく用いられる。分散処理条件は、温度は通常、0℃から100℃であり、好ましくは、室温から80℃の範囲である。分散時間は液の組成及び分散処理装置のサイズ等により適正時間が異なるため適宜調節する。レジストの20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が100〜200の範囲となるように、インキの光沢を制御するのが分散の目安である。レジストの光沢度が低い場合には、分散処理が十分でなく荒い顔料(色材)粒子が残っていることが多く、現像性、密着性、解像性等が不十分となる可能性がある。また、光沢値が上記範囲を超えるまで分散処理を行うと、顔料が破砕して超微粒子が多数生じるため、却って分散安定性が損なわれる傾向がある。
次に、上記分散処理により得られたインキと、レジスト中に含まれる、上記の他の成分を混合し、均一な溶液とする。レジストの製造工程においては、微細なゴミが液中に混じることが多いため、得られたレジストはフィルター等により濾過処理するのが望ましい。
[カラーフィルタ]
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いたカラーフィルタについて、その製造方法に従って説明する。
(1)透明基板(支持体)
カラーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンなどの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。
透明基板及びブラックマトリックス形成基板には、接着性などの表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行っても良い。
透明基板の厚さは、通常0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mmの範囲とされる。また各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
(2)ブラックマトリックス
透明基板上に、ブラックマトリックスを設け、通常、赤色、緑色、青色の画素画像を形成することにより、本発明のカラーフィルタを製造することができ、本発明の感光性樹脂組成物は、黒色、赤色、緑色、青色のうち少なくとも一種のレジスト形成用塗布液として使用される。ブラックレジストに関しては、透明基板上素ガラス面上、赤色、緑色、青色に関しては透明基板上に形成された樹脂ブラックマトリックス形成面上、又は、クロム化合物その他の遮光金属材料を用いて形成した金属ブラックマトリックス形成面上に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像及び熱硬化の各処理を行って各色の画素画像を形成する。
ブラックマトリックスは、遮光金属薄膜又は樹脂ブラックマトリックス用感光性着色樹脂組成物を利用して、透明基板上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロムなどのクロム化合物、ニッケルとタングステン合金などが用いられ、これらを複数層状に積層させたものであっても良い。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸及び/又は硝酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリックスを形成することができる。
この場合、まず、蒸着又はスパッタリング法などにより、透明基板上にこれら金属又は金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に感光性着色樹脂組成物の塗膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングルなどの繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。その後、この塗膜にエッチング処理を施してブラックマトリックスを形成することができる。
樹脂ブラックマトリックス用感光性着色樹脂組成物を利用する場合は、黒色の色材を含有する本発明の感光性着色樹脂組成物を使用して、ブラックマトリックスを形成する。例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックなどの黒色色材単独又は複数、もしくは、無機又は有機の顔料、染料の中から適宜選択される赤色、緑色、青色などの混合による黒色色材を含有する感光性着色樹脂組成物
を使用し、下記の赤色、緑色、青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリックスを形成することができる。
(3)画素の形成
(3−1) 感光性着色樹脂組成物の塗布
ブラックマトリックスを設けた透明基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の色材を含有する感光性着色樹脂組成物を塗布し、乾燥した後、塗膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化又は光硬化により画素画像を形成させ、着色層を作成する。この操作を、赤色、緑色、青色の三色の感光性着色樹脂組成物についてそれぞれ行うことによって、カラーフィルタ画像を形成することができる。
カラーフィルタ用の感光性着色樹脂組成物の塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、又はスプレーコート法などによって行うことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くなく、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
塗膜の厚さは、厚すぎると、パターン現像が困難となるとともに、液晶セル化工程でのギャップ調整が困難となることがあり、薄すぎると顔料濃度を高めることが困難となり所望の色発現が不可能となることがある。塗膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常0.2〜20μmの範囲とするのが好ましく、より好ましいのは0.5〜10μmの範囲、更に好ましいのは0.8〜5μmの範囲である。
(3−2)塗膜の乾燥
基板に感光性着色樹脂組成物を塗布した後の塗膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、又はコンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。乾燥の条件は、前記溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40〜200℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜130℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
乾燥温度は、高いほど透明基板に対する塗膜の接着性が向上するが、高すぎるとバインダー樹脂が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。なお、この塗膜の乾燥工程は、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法であっても良い。
(3−4)露光
画像露光は、感光性着色樹脂組成物の塗膜上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行う。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性の塗膜上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行っても良い。上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
(3−4)現像
本発明に係るカラーフィルタは、感光性着色樹脂組成物による塗膜を、上記の光源によって画像露光を行った後、有機溶剤、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いる現像によって、基板上に画像を形成して作製することができる。この水溶液に
は、更に有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−又はトリエタノールアミン、モノ−・ジ−又はトリメチルアミン、モノ−・ジ−又はトリエチルアミン、モノ−又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であっても良い。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独で用いても良く、また、水溶液と併用しても良い。
現像処理の条件は特に制限はなく、通常、現像温度は10〜50℃の範囲、中でも15〜45℃、特に好ましくは20〜40℃で、現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などのいずれかの方法によることができる。
(3−5)熱硬化処理
現像の後のカラーフィルタ基板には、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は100〜280℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5〜60分間の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。なお、4色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
(3−6) 透明電極の形成
カラーフィルタは、このままの状態で画像上にITOなどの透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置などの部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミドなどのトップコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)などの用途においては、透明電極を形成しないこともある。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いて作製されたものである。
液晶表示装置は、通常、カラーフィルタ上に配向膜を形成し、この配向膜上にスペーサーを散布した後、対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、対向電極に結線して完成する。配向膜としては、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行った後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態
に加工される。
スペーサーとしては、対向基板とのギャップ(隙間)に応じた大きさのものが用いられ、通常2〜8μmのものが好適である。カラーフィルタ基板上に、フォトリソグラフィ法によって透明樹脂膜のフォトスペーサー(PS)を形成し、これをスペーサーの代わりに活用することもできる。対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。
対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2〜8μmの範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。シール材は、UV照射及び/又は加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常、1×10-2〜1×10-7Paであるが、好ましくは1×10-3〜1×10-6Paである。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は通常30〜100℃であり、より好ましくは50〜90℃である。減圧時の加温保持は、通常10〜60分間の範囲とされ、その後液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口をUV硬化樹脂を硬化させて封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶であって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等のいずれでも良い。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメスティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、いずれであっても良い。
[有機ELディスプレイ]
本発明のカラーフィルタを用いて有機ELディスプレイを作製することができる。
本発明のカラーフィルタを用いて有機ELディスプレイを作成する場合、例えば図1に示すように、まず透明支持基板10上に、着色樹脂組成物により形成されたパターン(すなわち、画素20、及び隣接する画素20の間に設けられた樹脂ブラックマトリックス(図示せず))が形成されてなるカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって、有機EL素子100を作製することができる。なお、画素20及び樹脂ブラックマトリックスの内、少なくとも一つは本発明の感光性着色樹脂組成物を用いて作製されたものである。有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100を用い、例えば「有機ELディスプレイ」(オーム社,2004年8月20日発光,時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載された方法等にて、有機ELディスプレイを作製することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
次に、製造例、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<アミン価の測定方法>
ブロック共重合体等の分散剤の3級アミン価は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1
gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表し、次の方法により測定する。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/LのHClO4(過塩素酸)酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)
〔但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[重量%]を表す。〕
<カーボンブラックインクの調製>
以下の組成で顔料、分散剤、分散助剤、溶剤を調合し、以下の方法でカーボンブラックインクを調整した。
まず、顔料、分散剤、分散助剤の固形分が以下となるように調合した。
・顔料:
R1060(コロンビア社製カーボンブラック) ;100重量部
・分散剤:
BYK167(ビックケミー社製ウレタン分散剤) ;20重量部(固形分換算)
・分散助剤(顔料誘導体):
S12000 (ルーブリゾール社製、フタロシアニン酸性誘導体);2重量部
・溶剤;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート:203.9重量部
シクロヘキサノン :22.7重量部
酢酸ブチルエステル : 6.2重量部
以上を十分に攪拌し、混合を行った。
次に、ペイントシェーカーにより25〜45℃の範囲で6時間分散処理を行った。ビーズとしては、0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液60gとビーズ180gを加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して、固形分35%のインク1を調製した。
<合成例1:アルカリ可溶性樹脂(1)の合成>
Figure 2014164262
上記構造のエポキシ化合物(エポキシ当量264)50g、アクリル酸13.65g、メトキシブチルアセテート60.5g、トリフェニルホスフィン0.936g、及びパラメトキシフェノール0.032gを、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応には12時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得た。
上記エポキシアクリレート溶液25重量部及び、トリメチロールプロパン(TMP)0.76重量部、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)3.3重量部、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)3.5重量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付け
たフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させた。
樹脂溶液が透明になったところで、メトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50重量%となるよう調製し、酸価115mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2600のアルカリ可溶性樹脂(1)を得た。
<アルカリ可溶性樹脂(2)>
下記構造のエポキシ化合物とアクリル酸との反応物を、トリメチロールプロパン(TMP)、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)及びテトラヒドロフタル酸無水物(THPA)と反応させて得られた樹脂(MW=3500〜4500、酸価=約110mg−KOH/g)
Figure 2014164262
尚、アルカリ可溶性樹脂(2)は、下記方法に従い合成することができる。
<合成例2:アルカリ可溶性樹脂(2)の合成>
上記構造のエポキシ化合物(エポキシ当量264)50g、アクリル酸13.65g、メトキシブチルアセテート60.5g、トリフェニルホスフィン0.936g、及びパラメトキシフェノール0.032gを、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させる。反応には12時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得る。
上記エポキシアクリレート溶液25重量部及び、トリメチロールプロパン(TMP)0.74重量部、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)3.95重量部、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)2.7重量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させる。
樹脂溶液が透明になったところでメトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50重量%となるよう調製し、アルカリ可溶性樹脂(2)を得る。
<合成例3:アルカリ可溶性樹脂(3)の合成>
日本化薬(株)製「XD1000」(ジシクロペンタジエン・フェノール重合物のポリグリシジルエーテル、エポキシ当量252)300重量部、メタクリル酸104重量部、p−メトキシフェノール0.2重量部、トリフェニルホスフィン5重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート255重量部を反応容器に仕込み、100℃で酸価が3.0mg−KOH/gになるまで攪拌した。。次いで更にテトラヒドロ無水フタル酸145重量部を添加し、120℃で4時間反応させ、固形分50重量%、酸価106mg−KOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)1580のアルカリ可溶性樹脂(3)を得た。
<合成例4:光重合開始剤(1)の合成>
(ジケトン体)
エチルカルバゾール(5g、25.61mmol)とo−ナフトイルクロリド(5.1
3g、26.89mmol)を30mlのジクロロメタンに溶解し、氷水バスにて2℃に冷却して攪拌し、AlCl3(3.41g、25.61mmol)を添加した。さらに室
温にて3時間攪拌後、反応液にクロトノイルクロリド(2.81g、26.89mmol)の15mlジクロロメタン溶液を加え、AlCl3(4.1g、30.73mmol)
を添加し、さらに1時間30分攪拌した。反応液を氷水200mlにあけ、ジクロロメタン200mlを添加し有機層を分液した。回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、白色固体(10g)のジケトン体を得た。
(オキシム体)
ジケトン体(3.00g、7.19mmol)、NH2OH・HCl(1.09g、1
5.81mmol)、及び酢酸ナトリウム(1.23g、15.08mmol)をイソプロパノール30mlに混合し、3時間還流した。
反応終了後、反応液を濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル30mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ml、飽和食塩水30mlで洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、有機層を減圧下濃縮し、固体1.82gを得た。これをカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体2.22gのオキシム体を得た。
(オキシムエステル体)
オキシム体(2.22g、4.77mmol)とアセチルクロリド(1.34g、17.0mmol)をジクロロメタン20mlに加えて氷冷し、トリエチルアミン(1.77g、17.5mmol)を滴下して、そのまま1時間反応した。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、水を加えて反応を停止した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5mlで2回、飽和食塩水5mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/1)で精製して、0.79gの淡黄色固体の光重合開始剤(1)を得た。
H NMR(CDCl):σ1.17(d,3H),1.48(t,3H),1.53(s,3H),1.81(s,3H), 2.16(s,3H), 2.30(s,3H), 3.17−3.32(m,2H),4.42(q,2H),4.78−4.94(br,1H),7.45−7.59(m,5H),7.65(dd,1H),7.95(m,2H),8.04(m,2H),8.14(dd,1H),8.42(d,1H),8.64(d,1H)
このオキシムエステル体の構造は以下の通りであり、本発明における光重合開始剤(c)に相当する。
Figure 2014164262
<実施例1>
(レジスト(感光性着色樹脂組成物)の調合)
表−1に記載の各成分を表−1に示す割合で加え、スターラーにより攪拌、溶解させて、固形分濃度15重量%であるレジスト1を調製した。
尚、本発明のポリエステルとして、TEGOAddBond LTH (Evonik社製、特殊ポリエステル)を使用した。TEGOAddBond LTH の物性は以下のとおりである。
フタル酸:フマル酸:4 , 8 − ビス( ヒドロキシメチル) トリシクロ[ 5 . 2
. 1 . 0 2 , 6 ] デカン(モル比)=0.33:0.17:0.50のポリエス
テル
酸価 16 m g K O H / g
O H 価 25m g K O H / g
重合平均分子量 4900
Figure 2014164262
(レジストの評価)
(1)ブラックマトリックスの作製
調製したレジスト1をスピンコーターにてガラス基板に塗布し、減圧乾燥後、ホットプレートで100℃にて150秒間乾燥した。続いて、得られた乾燥塗布膜に対し、高圧水銀灯により40mJ/cm2で露光マスクを通してパターン露光を行った後、室温(23℃)下、超純水で0.04重量%KOH水溶液に調整したアルカリ現像液でスプレー現像して、感光層を除去後、超純水でスプレー洗浄を行った。引き続き、230℃のオーブンにて30分間ポストベークを行い、膜厚1.2μmの黒色画素を作製した。
(2)基板密着力評価;
調製したレジスト1を以下のようにして作製したブラックマトリックスで基板密着力を評価した。
密着応力は以下のように求めた。上記ブラックマトリックスの作製と同じプロセス(ただしマスク無しの全面露光)で膜厚1.2μmのブラックマトリックスの2.5cm角の
ベタ板を形成させ、シール剤(三井化学社製)を利用し、アルミ製スタッドピン(Quad
社製)を接合する。作製したサンプルを、Romulus(Quad社製)を用いて、2
.0kg/sの速さで引っ張り試験を行い、ブラックマトリックスとガラスが破断したときの破断強度と接着面積から以下の式により求めたものである。
密着応力(kg/cm)=破断強度(kg)/接着面積(cm
<実施例2〜3>
実施例1において、密着添加剤Add Bond LTHの添加量を表−2のように変更した以外はレジスト1と同じ組成にてレジスト2、3を調製し、同様に評価を行って、結果を表−2に示した。
<比較例1>
実施例1において、密着添加剤Add Bond LTHを添加しない以外はレジスト1と同じ組成にてレジスト4を調製し、同様に評価を行って、結果を表−2に示した。
<比較例2>
実施例3において、密着添加剤Add Bond LTHを表3のシランンカップリング剤SH6040(東レ(株)製 エポキシシランカップリング剤)に代え、それ以外はレジスト3と同じ組成にてレジスト5を調製し、同様に評価を行って、結果を表−2に示した。
尚、以下の表において、密着力%は、添加剤を使用しない比較例1の密着力を100%とした時の相対値(%)を表し、密着力増加(%)は、比較例1の密着力(100%)に対する密着力の増加%を表す。
Figure 2014164262
表−2に示されるように、本発明の感光性樹脂組成物は、特定のポリエステルを含有することにより密着性が良好で、表−2のエポキシシランカップリング剤よりも少ない量で、より大きい密着力が得られ、さらに増量でもっと大きな密着力が得られた。
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極
51 正孔注入層
52 正孔輸送層
53 発光層
54 電子注入層
55 陰極
100 有機EL素子
500 有機発光体

Claims (14)

  1. アルカリ可溶性樹脂(a)、光重合性モノマー(b)、光重合開始剤(c)及び溶剤(d)を含む感光性樹脂組成物において、更に、少なくとも(f−1)芳香族カルボン酸類又はそのエステル、(f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物、及び(f−3)脂環式ジオール類を重縮合反応して得られるポリエステル(f)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. (f−1)芳香族カルボン酸類又はそのエステルが、安息香酸、サリチル酸、イサト酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びこれらのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
    (f−2)不飽和脂肪族ジカルボン酸類又はその酸無水物が、マレイン酸、メサコン酸、イタコン酸、フマル酸及びこれらの酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種で
    あり、
    (f−3)脂環式ジオール類がビシクロウンデカン、デカリン及びトリシクロデカンからなる群から選ばれる少なくとも1種の脂環式炭化水素に2価の有機基を介して水酸基が
    結合した構造を有するジオールである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. ポリエステル(f)が、構成単位として下記一般式(f−1−1)、下記一般式(f−2−1)及び下記一般式(f−3−1)で表される各構成単位を含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2014164262
    (式中、R及びRは、独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
    Figure 2014164262
    (式中、A及びBは、独立に2価の有機基を示す。)
  4. 一般式(f−3−1)における2価の有機基が、独立に、―Q―、−Q(OQ−及び−Q(OCOQ−(ここで、Q及びQは、総炭素数1〜20のアルキレン基を表し、m及びnは独立に1〜6の整数を表す)からなる群から選ばれる基を表す請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. ポリエステル(f)が、(f−1)に由来する構成単位を15〜45モル%、(f−2)に由来する構成単位を5〜25モル%、(f−3)に由来する構成単位を35〜65モル%含有するポリエステルである請求項1〜4の何れか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. ポリエステル(f)の重量平均分子量が1000〜9000である請求項1〜5の何れか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 更に、色材(e)を含有する請求項1〜6の何れか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 色材(e)の含有量が、感光性樹脂組成物中の全固形分量に対して20〜70重量%である請求項7項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. アルカリ可溶性樹脂(a)がエチレン性不飽和基を含有する請求項1〜8の何れか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. アルカリ可溶性樹脂(a)が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含有する請求項1〜9の何れか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. アルカリ可溶性樹脂(a)が、
    (1)エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸及び/又はその無水物を反応させることによって得られたエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−1)、及び/又は、
    (2)エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多価アルコール、及び多塩基酸及び/又はその無水物と反応させることによって得られたエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B1−2)、
    を含有する請求項1〜10の何れか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  13. 請求項1〜11の何れか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィ
    ルタ。
  14. 請求項13に記載のカラーフィルタを用いて作製された液晶表示装置。
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