JP2014164084A - 偏光子および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の偏光子1は、二色性物質を含む樹脂フィルムから構成され、部分的に脱色された脱色部2を有する。脱色部の複屈折RPVAは0.035以下である。1つの実施形態においては、脱色部は、搭載される画像表示装置のカメラホール部に対応する。
【選択図】図1
Description
1つの実施形態においては、上記脱色部は、100pm〜1000nmの波長の光を含むレーザー光を照射して形成される。
1つの実施形態においては、上記脱色部は、搭載される画像表示装置のカメラホール部に対応する。
1つの実施形態においては、上記二色性物質はヨウ素である。
1つの実施形態においては、上記偏光子は厚みが30μm以下である。
本発明の別の局面によれば、偏光子の製造方法が提供される。この偏光子の製造方法は、二色性物質を含む樹脂フィルムにレーザー光を照射して脱色部を形成する工程を有する。
1つの実施形態においては、上記レーザー光は、100pm〜1000nmの波長の光を含む。
1つの実施形態においては、上記レーザーは固体レーザーである。
本発明のさらに別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記偏光子を備える。
本発明のさらに別の局面によれば、上記画像表示装置の製造方法が提供される。この製造方法は、二色性物質を含む樹脂フィルムが表面側となるように積層された画像表示パネルにレーザー光を照射して、上記脱色部を形成する工程を有する。
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光子の平面図である。偏光子1は、樹脂フィルムから構成され、部分的に脱色された脱色部2を有する。このような構成によれば、樹脂フィルムに、機械的に(具体的には、彫刻刃打抜き、プロッター、ウォータージェット等を用いて機械的に抜き落とす方法により)穴を形成する場合に比べて、クラック、デラミ(層間剥離)、糊はみ出し等の品質上の問題を回避することができる。
上記偏光子は、好ましくは、二色性物質を含む樹脂フィルムに脱色処理を施して上記脱色部を形成することにより製造される。
上記染色は、好ましくは、樹脂フィルムにヨウ素を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、ヨウ素を含む染色液に樹脂フィルムを浸漬させる方法、樹脂フィルムに当該染色液を塗工する方法、当該染色液を樹脂フィルムに噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液に樹脂フィルムを浸漬させる方法である。ヨウ素が良好に吸着し得るからである。
樹脂フィルムは、染色以外に、偏光子とするための処理が、適宜施され得る。偏光子とするための処理としては、例えば、延伸処理、不溶化処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が挙げられる。なお、これらの処理の回数、順序等は、特に限定されない。
上記脱色部は、好ましくは、上記二色性物質を含む樹脂フィルムにレーザー光を照射することにより形成される。レーザー光照射によれば、所望の位置に所望の形状を有する脱色部を良好に形成し得る。より詳細には、近年、デザイン上の要請から画像表示装置の画像非表示部をできるだけ小さくすることが強く求められているところ、脱色部をカメラホールとして使用する場合には、必然的に偏光子の最端部(例えば、最上端中央部)に脱色部を形成しなければならない。この場合、カメラホールとして脱色部の代わりに機械的に穴を形成しようとすると、偏光フィルムの端部を切り欠いてしまう場合がある。結果として、機械的強度の観点からも商品価値の観点からも偏光フィルムとして使用不可能となってしまう場合がある。レーザー光照射によれば、そのような不具合を防止することができる。また、上述のように、樹脂フィルムに保護フィルムが積層された状態であっても、脱色部を形成し得る。さらに、量産性にも優れ得る。
E=(e×M)/(V×p)
e:パルスエネルギー(J)
M:繰り返し周波数(Hz)
V:スキャン速度(mm/秒)
p:スキャンピッチ(mm)
本発明の画像表示装置は、上記偏光子を備える。画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機ELデバイスが挙げられる。具体的には、液晶表示装置は、液晶セルと、この液晶セルの片側もしくは両側に配置された上記偏光子とを含む液晶パネルを備える。有機ELデバイスは、視認側に上記偏光子が配置された有機ELパネルを備える。偏光子は、その脱色部が搭載される画像表示装置のカメラホール部に対応するように配置される。
1つの実施形態においては、上記画像表示装置は、上記二色性物質を含む樹脂フィルムが表面側となるように積層された画像表示パネル(例えば、液晶パネル、有機ELパネル)に、レーザー光を照射して(表面側から)上記脱色部を形成することにより製造される。このような方法によれば、脱色部の位置決めを容易にすることができる。
[透過率(Ts)]
顕微分光システム(株式会社ラムダビジョン、LVmicro)を用いて測定した。なお、Tsは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。
[複屈折RPVA]
王子計測社製の近赤外位相差測定装置(KOBRA−31x100/IR)を用いてフィルムの面内位相差を測定し、当該面内位相差値をフィルムの厚みで除することにより算出した。
固体レーザー(波長:532nm)を用いて、パルス幅15ピコ秒、パルスエネルギー20μJ、スキャン速度100mm/sec、繰返し周波数6240Hz、スキャンピッチ20μm、投入エネルギー62400μJ/mm2、スポット径55μmの照射条件にて、総厚166μmの糊付き偏光フィルム(粘着剤層(厚み20μm)/第2の保護フィルム(厚み77μm)/偏光子(厚み22μm)/第1の保護フィルム(厚み47μm))に、視認側(第1の保護フィルム側)から、レーザー光を照射した。こうして、偏光フィルム(偏光子)に、脱色部を形成した。なお、第1の保護フィルムはTACフィルムに反射防止処理が施されたものであり、第2の保護フィルムは偏光子側から順に負の二軸性フィルム(厚み35μm)/粘着剤層(厚み12μm)/正の二軸性フィルム(厚み30μm)を含む積層構造を有する。
また、照射エリアの表面形状をWYKO(ブルカー・エイエックスエス株式会社製)で確認したところ、目立った段差や凹凸はなく面均一性に優れていた。さらに、偏光フィルムの内部を目視で観察したところ、クラックのような破断は確認されなかった。
総厚129μmの糊付き偏光フィルム(粘着剤層(厚み20μm)/第2の保護フィルム(厚み57μm)/偏光子(厚み5μm)/第1の保護フィルム(厚み47μm))に、視認側(第1の保護フィルム側)から、実施例1と同様の条件でレーザー光を照射した。こうして、偏光フィルム(偏光子)に、脱色部を形成した。なお、第1の保護フィルムはアクリル系フィルムに反射防止処理が施されたものであり、第2の保護フィルムは偏光子側から順に負の二軸性フィルム(厚み25μm)/粘着剤層(厚み12μm)/正の二軸性フィルム(厚み20μm)を含む積層構造を有する。
また、照射エリアの表面形状をWYKO(ブルカー・エイエックスエス株式会社製)で確認したところ、目立った段差や凹凸はなく面均一性に優れていた。さらに、偏光フィルムの内部を目視で観察したところ、クラックのような破断は確認されなかった。
実施例1と同様の偏光フィルムに実施例1と同様の条件でレーザー光を照射した後、固体レーザー(波長:447nm)を用いて、パルス幅11ナノ秒、パルスエネルギー30μJ、スキャン速度100mm/sec、繰返し周波数6000Hz、スキャンピッチ20μm、投入エネルギー90000μJ/mm2、スポット径20μmの照射条件にて、レーザー光を追加照射した。こうして、偏光フィルム(偏光子)に、脱色部を形成した。
また、照射エリアの表面形状をWYKO(ブルカー・エイエックスエス株式会社製)で確認したところ、目立った段差や凹凸はなく面均一性に優れていた。さらに、偏光フィルムの内部を目視で観察したところ、クラックのような破断は確認されなかった。
彫刻刃によるプレス加工にて、実施例1に用いた糊付き偏光フィルムの一部を抜き落とした。
抜き落とした周辺部分には、1mm以上の長さのクラックが発生していた。
加温した彫刻刃によるプレス加工にて、実施例1に用いた糊付き偏光フィルムの一部を抜き落とした。
抜き落とした周辺部分にクラックは確認されなかったが、熱変形による段差が生じており、面均一性が得られなかった。
CO2ガスレーザー(波長:10.6μm)を用いて、パルスエネルギー0.8mJ、スキャン速度300mm/sec、繰返し周波数3000Hzの照射条件でレーザー光を照射したこと以外は実施例1と同様にして、脱色部の形成を試みた。
また、照射エリアの表面形状を確認したところ、指触で分かるほどの顕著な凹凸(厚み変化)が発生しており、面均一性が得られなかった。なお、内部観察したところ、クラックのような破断は確認されなかった。
2 脱色部
Claims (10)
- 二色性物質を含む樹脂フィルムから構成され、部分的に脱色された脱色部を有し、
該脱色部の複屈折RPVAが0.035以下である、偏光子。 - 前記脱色部が、100pm〜1000nmの波長の光を含むレーザー光を照射して形成される、請求項1に記載の偏光子。
- 前記脱色部が、搭載される画像表示装置のカメラホール部に対応する、請求項1または2に記載の偏光子。
- 前記二色性物質がヨウ素である、請求項1から3のいずれかに記載の偏光子。
- 厚みが30μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の偏光子。
- 二色性物質を含む樹脂フィルムにレーザー光を照射して脱色部を形成する工程を有する、
偏光子の製造方法。 - 前記レーザー光が、100pm〜1000nmの波長の光を含む、請求項6に記載の製造方法。
- 前記レーザーが固体レーザーである、請求項6または7に記載の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の偏光子を備える、画像表示装置。
- 二色性物質を含む樹脂フィルムが表面側となるように積層された画像表示パネルにレーザー光を照射して、前記脱色部を形成する工程を有する、
請求項9に記載の画像表示装置の製造方法。
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- 2013-02-25 JP JP2013034472A patent/JP2014164084A/ja active Pending
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