JP2014163967A - 窓ガラス及び異なる色の窓ガラスを使用した建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】窓ガラスが外から見た場合は異なる色として見えるが、建築物内部から外を見た場合は同じ色のガラスを通して外部が見えるようにする。
【解決手段】ガラスの外表面に色(A)の層が形成してあり、ガラスの内面側には半透明反射層が形成してあり、更に内側に色(A)と異なる色(B)の層が形成してある窓ガラスである。色(A)と色(B)の順番を入れ替えた窓ガラスを組合わせることによって異なる色の窓ガラスを組合わせた建築物として外側からは見えるが、建築物内部からは、どちらの窓ガラスから外側を見ても同じ色あいとして見える。
【選択図】図1

Description

本発明は、外部からは異なる色に見える窓ガラスであっても、建築物の内部からは、同じ色の窓ガラスを通して外側が見える窓ガラスに関する。また、その窓ガラスを建築物に適宜配置して窓ガラスの色を建築物の意匠として利用した建築物に関する。
従来、建築物の窓ガラスは透明ガラス、特定の色の色ガラス、または、反射率を高めた鏡面ガラスが使用されている。
建築物の窓ガラスの色を変化させて建築物の外観を色相の変化を組合わせた意匠とすることが考えられている。
特開平05−193992号公報 特開平06−95170号公報
窓ガラスの色を窓によって異なるものとし、色を組合わせたガラス面を有する建築物は、外からは建築物意匠として見る者に美観を与える一方、建築物の内部から外を見た場合、色が変わる窓ガラスの境界においては、両方の窓ガラスを通して外の景色を見ることになるので、境目において外部の景色の色相が変化して見え、違和感を覚えることが考えられ、見る人にストレスを与える場合もあることが予想される。
建築物の内側から外を見る場合に人に不安感やストレスを与えないようにするため、建築物の外から見た場合は窓ガラスの色が異なる色に見えるが、建築物内部から外を見た場合は同じ色のガラスを通して外側が見えるようにするものである。
窓ガラスの外面側から透過色(A)の色層、半透明反射層、及び色(A)とは異なる透過色(B)の色層が形成してある窓ガラスである。
窓ガラスの外面に透過色(A)の色層が形成してあり、外面側から入射した光が透過色(A)の色層を通過し、半透明反射層で透過光の一部が反射すると共に半透明反射層を通過し、更に透過色(B)の色層を通過して内面側に達するようにした窓ガラスと、前記の透過色(A)の色層と透過色(B)の色層の順番を逆転させ、外面側を透過色(B)層とし、内面側を透過色(A)層とした窓ガラスを組合わせた窓ガラスである。
建築物にこの外面と内面の透過色(A)、(B)の色層を逆転させた窓ガラスを組合わせて使用することによって、建築物の外部からは違った色に見える窓ガラスであっても、建築物の内部からは、どちらの窓を通して外側を見ても同じ色の窓ガラスを通して外側が見えるようになり、同一対象物が異なる色に見えて違和感を感じることがないようにしたものである。
また、この色の異なる窓ガラスを建築物に適宜配置することによって外側から見える建築物の窓ガラスの色を建築物の意匠として利用できる。
本発明によれば、窓ガラスの色は、建築物の外側からは半透明反射層によって反射された光により、透過色(A)が強調されて表面側は色(A)として見えるが、外側から入射した光は室内に到達するまでに透過色(A)と透過色(B)の色層を通過するので両者の混合色となる。
従って、表面と内面側の色(A)、(B)を逆転させることによって、外側からは、色(A)と色(B)となって異なる色の窓ガラスとなるが、室内側からは色(A)、(B)の混合色として見えるので同じ色となり、近接して配置された色の異なる窓ガラスから外側を見た場合でも色が変わるということがないので見る人が違和感を感じることがない。
また、建築物の外側からは異なる色の窓ガラスを使用した建築物となるので、窓ガラスの色を建築意匠として利用することができる。
本発明の窓ガラスの概念断面図。 本発明を適用した複合窓ガラスの実施例の断面図。
実施例
図1(1)の窓ガラス1の断面図に示すように、外側面に透過色(A)の色層2が設けてある。この透過色(A)の色層2は、色ガラス、色フィルム、または塗膜などで形成されており、本図では概念的に厚みのある層として示している。
色フィルムを使用する場合は、紫外線の影響があるので窓ガラス1の最外層に設けるのは避け、窓ガラスの内側に使用するか、ガラス等の透明保護板でサンドイッチする。
この透過色(A)の色層2に続いて、点線で示す半透明反射層3が設けてある。この半透明反射層3は、ガラスの薄板、または透明な樹脂フィルムに金属をスパッタリング、蒸着などで金属の薄膜を形成したものである。半透明反射層3と透過色(A)の色層2は、反射透明膜と一体に形成してもよく、また、透過色(A)の色層2とは別体の透明フィルムに金属を蒸着して金属の薄膜を形成して半透明反射層としたものを積層して透明な接着剤によって貼り付けて一体化したものでもよい。
半透明反射層3に続いて、透過色(B)の色層4が設けてあり、透過色(A)の色層2と同様に色ガラス、色フィルム、または透明ガラスに色フィルムを貼り付けたものである。
この3つの層からなる窓ガラス1を色層2を外側にして建築物に設置し、外から見た場合、窓ガラス1に入射した光は、色層2を透過し、半透明反射層3で反射され、色層2を透過して外側に反射されるので、透過色(A)が強調され、外側から建築物を見る人には、窓ガラス1は透過色(A)として見えることになる。
このように、外側から透過色(A)の色層2、半透明反射層3及び透過色(B)の色層4の順の窓ガラス1に自然光が入射すると、光は透過色(A)層を透過し、半透明反射層3で一部が反射され、透過色(A)の色層2を透過して外部に戻るので、透過色(A)が強調されて外部の人の目に到達する。
一方、半透明反射層3を透過した光は、色(A)の色層2を透過して建築物の室内にいる者に到達するので色(A)と色(B)の混合色(C)となって見える。
図1(2)に示すように、外側の透過色(A)の色層2と透過色(B)の色層4の配列順番を入れ替えて外側に透過色(B)の色層4、内側に透過色(A)の色層2を配置した窓ガラス1では、外側に反射する光は色(B)となるが、室内に透過する光は透過色(B)の色層4と透過色(A)の色層2を透過したものであるので、室内側にいる者には透過色(B)と透過色(A)の混合色(C)、すなわち図1(1)の窓ガラス1を通して見た場合と同じ色あいで見えることになる。
図1(3)に示す窓ガラス1は最外層を色のない透明層6とし、次に半透明反射層3を設け、更に透過色(A)の色層2と透過色(B)の色層4を配列したものである。
窓ガラス1に入射した光は、透明層6を通過して半透明反射層3で反射されるので外側からは鏡面の窓ガラスとなるが、建物の室内側からは、透過色(A)の色層2と透過色(B)の色層4を通して外側を見るので、色(B)と色(A)の混合色(C)の窓ガラスを通して見た場合と同じ色あいで見えることになる。
以上のように、これらの三種類の窓ガラスを使用した建築物は、外側からは透過色(A)、透過色(B)及び鏡面の三種の異なる窓ガラスを使用したものとなるが、室内側からは、全て混合色(C)の窓ガラスを通して見た場合と同じ色あいで見えることになる。
図2は、合せガラスを使用し、空気層の断熱層5を設けた窓ガラスの例の断面図であり、省エネルギー建築物にも本発明を適用できるようにしたものである。
2枚の透明ガラス10の間に透過色(A)の色層2を設けた合わせガラス、半透明反射層3、及び透過色(B)の色層4を合わせガラスの間に設けてある。
このガラス窓においても光の反射と透過は図1の例と同様であり、図2(1)の窓ガラスは、外側からは色(A)の窓ガラスとして見え、図2(2)の窓ガラスは色(B)として外部からは見えるが、建築物の内部からは色(A)と色(B)の混合色(C)の窓ガラスを通して外部をみることになる。
図2(3)は、ガラス窓の最外層の合せガラスを透明色の色層6とし、断熱層5を挟んで内側に透過色(A)の色層2と透過色(B)の色層4を重ねて設けたものである。この窓ガラスを外側から見た場合、半透明反射層3で反射された光を見ることになるため鏡面ガラスとして見える。一方、室内側からは透過色(A)と、透過色(B)を通過した混合色(C)として見えるので、窓ガラス(1)、(2)と同じ色合いで外側が見える。
これらの三種の窓ガラスを用いることによって、外側からは透過色(A)、透過色(B)、及び鏡面の3つの異なる窓ガラスを使用した建築物として見えるが、室内側からは同じ色の窓ガラスとして認識される。
本発明を適用した窓ガラスを使用した建築物においては、透過色(A)の窓ガラスと透過色(B)及び鏡面ガラスの窓ガラスの色によって建築物を色彩的にデザインすることができる。
本発明において、色層として使用する色フィルムの基材となる樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)等であり、それらに対して色材として、油性ラッカー、エマルジョンアクリル樹脂、更には各種カラーインク及びホワイト等が混入されて所望の透過色を得る。
温度に応じて変色する感温変色カラーインク、紫外線反応型色材、蓄光塗料などを適宜使用することによって、日光の照射に応じてガラス窓の色を変化させることも可能である。
日光の照射によって変色する窓ガラスの場合、離れた窓ガラスでは日光の照射条件が変わるため変色の度合いが異なるが、近接した窓ガラスでは日光の照射条件がほぼ同じとなるので変色の度合いに差異が現れないので、人に大きな影響を与えるものでない。
1 ガラス窓
2 透過色(A)の色層
3 半透明反射層
4 透過色(B)の色層
5 断熱層(空気層)
6 透明色の色層
10 合せガラス

Claims (5)

  1. 窓ガラスの外面側から透過色(A)の色層、半透明反射層、及び透過色(A)の色層とは異なる透過色(B)の色層が設けてある窓ガラス。
  2. 請求項1の窓ガラスと、透過色(A)の色層と透過色(B)の色層の順番を逆転させた窓ガラスを組み合わせてセットとした窓ガラス。
  3. 請求項2のセットの窓ガラスに、窓ガラスの外面側から透明色の色層、半透明反射層、及び透過色(A)の色層と透過色(B)の色層を重ねた色層が設けてある窓ガラスを組合わせてセットとした窓ガラス。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、色層は、透明ガラス板または透明フィルムに着色したものである窓ガラス。
  5. 請求項2または3のいずれかのセットの窓ガラスを使用した建築物。
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WO2022039078A1 (ja) * 2020-08-21 2022-02-24 日東電工株式会社 意匠性フィルムおよび意匠性成形体

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