JP2014163282A - 内燃機関のシリンダヘッド構造 - Google Patents

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徳昭 井田
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Abstract

【課題】高温高圧性に優れ、信頼性の高い低コストの内燃機関のシリンダヘッド構造の提供を目的とする。
【解決手段】内燃機関のシリンダヘッド構造であって、シリンダヘッド3の内部に設けられ、シリンダブロックを冷却した冷却水を導入して、シリンダヘッド3を冷却する冷却水室と、燃焼室と冷却水室とを区画する底板と、燃焼室の外周縁外側に対応する位置に設けられて、冷却水室を形成する周壁37と、底板から冷却水室側に起立し、且つ対向した周壁37間を連続して連結する補強リブ6と、を備え、補強リブ6は、シリンダヘッド3の平面視において直線状に配設されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロック上部に装着され、内燃機関の燃焼室の一部を構成する内燃機関のシリンダヘッド構造に関する。
内燃機関は、シリンダブロックと、該シリンダブロックの上部に装着され、該シリンダブロック内に設けられたシリンダと、該シリンダの内部で、シリンダの軸線に沿って往復摺動するピストンの上部とで燃焼室を形成している。
燃焼室は、燃料と圧縮した空気とが爆発的に燃焼し、燃焼室を構成する各構成部品に、高圧力と高熱の負荷を与えている。
この高圧力がピストンを押圧して、内燃機関のクランクシャフトによってピストンの往復運動を回転運動に変換して、動力として取出している。
シリンダヘッドには、燃焼室に吸気を導入する吸気バルブ、燃焼したガスを排気する排気バルブが配置され、これら吸気バルブ及び排気バルブが着座又は離間することによって燃焼室内の気密を保持する夫々のバルブシートが形成されている。
ピストンに押圧力を作用させるためには、燃焼室を構成するシリンダとシリンダヘッドの高剛性が必要となっている。
近年、燃料の節約が求められ、内燃機関の高効率化のため、燃焼室の高圧力化、高温化が進んでいる。
燃焼室の高圧力、高温化はシリンダヘッドの燃焼室に臨んだ面の剛性に影響を与え、バルブシート及びシリンダヘッドの変形を生起し、当該部からガスが漏れることが懸念されている。
その対応として、耐熱耐圧性の優れた高コストの材料を使用することも一案であるが、製品コストの上昇を伴う。
内燃機関上部に配置される構成部品の剛性向上に対する技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1によると、シリンダヘッドの上部に装着されるシリンダヘッドカバーに、点火プラグの点火コイルを固定するプラグタワーが配設されている。
プラグタワーの外周面とシリンダヘッドカバーとを連結する補強リブが配設されている。
このような構造にしたので、プラグタワー周辺の剛性が向上し、それによってシリンダヘッドカバーの内燃機関振動による共振を抑制する技術開示が成されている。
特許第2958722号公報
しかしながら、特許文献1には、燃焼室と区画する壁面の冷却に対する技術開示が無く、
燃焼室の高圧力、高温化に曝される面の変形を防ぐことはできない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされた発明であって、高温高圧性に優れ、信頼性の高い低コストの内燃機関のシリンダヘッド構造の提供を目的とする。
本発明はかかる課題を解決するため、内燃機関のシリンダブロック上部に装着され、前記シリンダブロック内に配設されたシリンダ内を、該シリンダの軸線に沿って摺動するピストンの上部とで燃焼室を形成する内燃機関のシリンダヘッド構造であって、
前記シリンダヘッドの内部に設けられ、前記シリンダブロックを冷却した冷却水を導入して、前記シリンダヘッドを冷却する冷却水室と、
前記燃焼室と前記冷却水室とを区画する底板と、
前記燃焼室の外周縁外側に対応する位置に設けられて、前記冷却水室を形成する周壁と、
前記底板から前記冷却水室側に起立し、且つ対向した前記周壁間を連続して連結する補強リブと、を備え、
前記補強リブは、前記シリンダヘッドの平面視において直線状に配設されていることを特徴とする内燃機関のシリンダヘッド構造が提供される。
かかる発明によれば、燃焼室上部のシリンダヘッド内部に、燃焼室外周縁を包含する位置に、連続した環状の周壁を設け、対向した周壁間に直線状の補強リブを配設したので、当該部の剛性が大きくなり、燃料と空気との爆発的な圧力に対しても底板の変形を抑えることができる。
また、補強リブを直線状にすることで、底板の面と直角方向の変形を防止し剛性が向上する。
一方、補強リブを変形させた場合、底板の面方向の変形部は、湾曲部の上下変動による補強リブの捩れが発生する。
補強リブを直線状にすることにより、補強リブとしての剛性向上を効果的に得ることができる。
従って、シリンダヘッドに配設されている吸気バルブおよび排気バルブのバルブシートの変形を防止して、当該部からのガス漏れを防止できる。
更に、補強リブを周壁に連結させた構造としたので、補強リブが燃焼室側から受ける押圧力を周壁に伝播させることが可能となり、リブの大きさを抑制でき、材料削減による重量、コスト低減ができる。
また、本発明において好ましくは、前記補強リブは、前記軸線と交差して配設されているとよい。
かかる発明によれば、底板の燃焼室の中心部分に相当する部分が一番変形し易いので、その部分に補強リブを配設することで、底板の変形を効果的に抑制させることができる。
また、本発明において好ましくは、前記補強リブは複数配設されているとよい。
かかる発明によれば、シリンダヘッドの剛性を向上させると共に、底板が受けた燃焼熱が補強リブを介して冷却することが可能となり、シリンダヘッドの冷却効果を向上させることができる。
また、本発明において好ましくは、前記シリンダブロックから前記冷却水室に導入される冷却水が通過する冷却水導入孔は、前記補強リブの厚さより大きい径を有し、前記補強リブは、前記冷却水導入孔を横切って配置されているとよい。
かかる発明によれば、補強リブが冷却水導入孔を横切って配設されているので、シリンダブロックから噴出される冷却水は、補強リブによって該補強リブの両側面側に分流される。
従って、冷却水導入孔の数を減少させることができ、加工コストの低減が可能となると共に、シリンダブロック側からの冷却水が冷却水室全体に循環し易くなり、シリンダヘッドの冷却効果を向上させることができる。
また、本発明において好ましくは、前記補強リブの前記冷却水導入孔に対向した端縁には、前記冷却水導入孔から離間する方向に切欠部を配設するとよい。
かかる発明によれば、切欠部を配設したことにより、冷却水室に導入される冷却水の流入抵抗を軽減させることが可能となる。
従って、冷却水の流入抵抗を軽減することにより、内燃機関の内部抵抗が減少し(ウォータポンプの駆動力軽減)、内燃機関の出力向上につながる。
また、本発明において好ましくは、前記補強リブと前記周壁との結合部は、前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとを締結する締結部材が配置される締結部に配設するとよい。
かかる発明によれば、補強リブと周壁との結合部を、締結部材が配置される締結部近傍に配設したので、補強リブに作用した燃焼室からの作用力は、周壁、締結部、締結部材およびシリンダブロックの順に伝播するので、シリンダヘッドの変形を抑制させることができる。
また、本発明において好ましくは、前記補強リブは、前記底板から、該底板と対向し、前記冷却水室を覆う天板まで延在しているとよい。
かかる発明によれば、補強リブが底板と天板とを連結した構造となっているので、冷却水室を補強リブで区画した構造となり、区画された各区画部は、補強リブ、底板、天板及び周壁によって閉断面構造となり、シリンダヘッドの剛性を更に向上させることができる。
また、本発明において好ましくは、前記天板まで延在した前記補強リブには、前記天板と前記補強リブの接合部に前記補強リブを貫通して、前記冷却水が流通可能な流通孔を配設するとよい。
かかる発明によれば、区画された各区画部の底板及び補強リブを冷却して昇温した冷却水が上昇し、流通孔から内燃機関外部へ流出するようにして、シリンダヘッドの冷却効果を向上させることができる。
このような構造にすることにより、耐高圧・高温性に優れ、信頼性の高い低コストの内燃機関のシリンダヘッド構造が提供される。
本発明が実施される内燃機関の概略外観図を示す。 図1のA−A断面図を示す。 本発明が実施されるシリンダヘッドの補強リブ配置構造図を示す。 図3のZ矢視概略図を示す。 本発明が実施されるシリンダヘッドの冷却水の流れの概略説明図を示す。 (A)は図5のA−A断面図、(B)は(A)のB−B断面図を示す。 補強リブの他の配設構造概略図を示す。 2バルブエンジンの場合の補強リブ配設構造概略図を示す。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施形態)
図1は本発明が実施される実施される内燃機関の概略外観図を示し、図2は図1のA−A断面図を示す。
内燃機関1は、シリンダブロック2と、該シリンダブロック2の上部に配設されたシリンダヘッド3と、該シリンダヘッドの上部に配設されたロッカカバー5と、内燃機関の燃焼室に吸気及び燃焼室で燃焼した燃焼ガス(排ガス)の排気を行うバルブを駆動する動弁装置8とを備えている。
図2に示すように、シリンダブロック2は、内部にシリンダ21と、該シリンダ21の軸線CLに沿ってシリンダ21内を往復摺動するピストン22と、該ピストン22の往復運動を回転運動に変換する図示省略のクランクシャフトに連結するコネクチングロッド25と、を備えている。
シリンダ22の外周部には、後述する燃焼室Rで発生する燃焼熱を冷却するシリンダブロック冷却水路24が形成されている。
シリンダヘッド3は、シリンダブロック2の上部にガスケット9を介して、締結部材であるボルト(図示省略)によって締結されている。
シリンダヘッド3は、ピストン22に対向して、該ピストン22との間に空間を形成して、吸気と燃料とを爆発的に燃焼させる燃焼室Rを形成する底板35と、該底板35に対向し、底板35との間に間隔を有した天板36と、底板35及び天板36の外周縁を連結すると共に連続した環状の周壁37と、底板35と天板36および周壁37によって囲繞され、冷却水が流通する冷却水室31とを備えている。
冷却水室31には、シリンダヘッド3の底板35を冷却するシリンダヘッド冷却水路33と、燃焼室Rにて発生する圧力を底板35から天板36及び周壁37に伝達する補強リブ6と、を備えている。
シリンダブロック2とシリンダヘッド3とガスケット9との間に介装されているガスケット9は、燃焼室Rの燃焼ガス及び、シリンダブロック2からシリンダヘッド3に導入される冷却水が当該部から漏れないようにするシーリング部材である。
シリンダヘッド冷却水路33は、シリンダブロック冷却水路24からの冷却水を、シリンダヘッド3の冷却水導入孔35aを介して、後述する各分散冷却水室31a内を流通し、流通孔である冷却水流出口61bからシリンダヘッド3外に流出する。
動弁装置8は、内燃機関1の回転に同期して回転するカムシャフト(図示省略)に配設されたカム81と、該カム81によって、シリンダ21の軸線方向に進退運動するプッシュロッド82と、シリンダヘッド3の上面に固着されたロッカシャフト84と、該ロッカシャフト84に中間部を回転可能に軸着し、一端がプッシュロッド82の上端に回動自在に連結し、他端が吸気バルブ86のステム端縁を押圧するロッカアーム83と、燃焼室Rに吸気を導入する吸気バルブ86と、燃焼室Rにて燃焼した排ガスを排出する排気バルブ87(図4参照)と、吸気バルブ86及び排気バルブ87夫々を底板35に形成されたバルブシート37に押圧するバルブスプリング89と、を備えている。
カム81が回転すると、プッシュロッド82は上下方向に(図2においてシリンダ21の軸線方向)往復動する。プッシュロッド82が上方へ上昇すると、ロッカアーム83は、ロッカシャフト84を支点として時計方向(図2において)に回動し、吸気バルブ86のステム上端を押圧する。
吸気バルブ86は、バルブスプリング89を圧縮して、燃焼室R側に移動し、バルブシート37を開放し、インレットマニホールド(図示省略)からの吸気を吸気孔32から燃焼室Rに導入する。
ロッカカバー5は、シリンダヘッド3の上部に配置された、プッシュロッド82、ロッカアーム83、ロッカシャフト84、吸気バルブ86のステム上端及びバルブスプリング89を覆い、ブローバイガスの放散及び外部の塵埃等を防ぐ保護部材である。
シリンダブロック2内の各分散冷却水室で冷却した冷却水は、シリンダブロック2の冷却水流出孔24aの冷却水流出口23から、シリンダヘッド3の冷却水導入口35aを介してシリンダブロック冷却水路24に導入される。
図3は、本発明が実施されるシリンダヘッド3の補強リブ配置構造図で、図4は図3のA−Aの概略断面図を示す。
尚、図3は底板35を取除いた内部の構造を示している。
本シリンダヘッド3は、各シリンダ21夫々に対応した独立型で、平面視が略矩形を成すシリンダヘッドである。
シリンダヘッド3は、吸気バルブ86及び排気バルブ87が1個のシリンダ21に対し夫々2個配設された4バルブ内燃機関用である。
シリンダヘッド3は、シリンダヘッド3をシリンダブロック2に装着する際の締結ボルトが装着される締結孔38が平面視矩形状の各コーナ部に配設されている。
補強リブ6は、対向した各コーナ部間を連続すると共に、底板35から天板36まで延在し、直線状の2本の補強リブ6がX型形状に配設されている。
本実施形態の場合、シリンダヘッド3の平面視中央部に4個のバルブステムガイド62が配設されているため、バルブステムガイド62の外周部に補強リブ6を連結することで、補強リブ6の連続性を維持している。
図3において、上側の2個のバルブステムガイド62には、排気バルブ87のステム87bが嵌入し、下側の2個のバルブステムガイド62には、吸気バルブ86のステム86bが嵌入している。
図4に図3のA−A断面(吸気バルブ側の断面)を示し、シリンダヘッド3の底板35の吸気バルブ86(又は排気バルブ)のバルブヘッド86aが着座して、燃焼室Rの圧縮空気(又は排ガス)のシールを行う、テーパ状に形成されたバルブシート85が形成されている。
バルブシート85には、吸気マニホールドからの吸気が導入される吸気孔32が連続した形状で接続されている。
バルブステムガイド62は、吸気バルブ86(及び排気バルブ87)夫々のバルブステム86b、87bが、該バルブステム86b、87bの軸線に対し、交差する方向に揺動するのを防止して、バルブヘッド86a(又は87a)がバルブシート85に設定通りに着座するようにガイドする部材である。
バルブステム86b、87bは、天板36から吸気孔32の上面壁まで延在している。
図5は本発明が実施されるシリンダヘッドの冷却水の流れの概略説明図を示し、図6(A)は図5のA−A断面図、(B)は(A)のB−B断面図を示す。
図5に示すように、冷却水は、シリンダブロック冷却水路24からシリンダヘッド3の冷却水導入孔35aを介してシリンダヘッド3の各分散冷却水室31aに導入される。
冷却水導入孔35aは矩形状の各コーナ部に夫々配設されている。
図5のA−A断面を図6(A)及び(B)に基づいて、補強リブ6と冷却水導入孔35aとについて説明する。
冷却水導入孔35aは、補強リブ6が冷却水導入孔35aの軸線CLを架橋するように配置されている。
補強リブ6の冷却水導入孔35aに対向した部分には、冷却水導入孔35aから離間する方向即ち、天板36方向に、半円状の切欠部である導入切欠部6aが形成されている。
冷却水導入孔35aは、断面が円形状を成し、該円形状の径は、補強リブ6の厚さtより大きくなっている。
従って、冷却水導入孔35aから流入する冷却水は、補強リブ6の切欠部6aによって、補強リブ6で区画された両側の分散冷却水室31aに分流される。
分流された冷却水は、底板35及び補強リブ6を冷却する。
冷却水は、補強リブ6の天板36との接合部で、且つシリンダヘッド3の各コーナ部を連結する中央部(X型交差部)に、底板35側に向けて切欠いた流通孔である流出切欠部6bからシリンダヘッド3外へ流出される。
その後、冷却水の冷却装置(図示省略)によって冷却され、再びシリンダブロック冷却水路24にもどる。
尚、本実施形態では、冷却水をシリンダヘッド3外へ流出する流通孔を天板36に配設したが、周壁37から流出するようにしてもよい。
このような構図にすることにより、シリンダヘッド3の底板35から天板36まで延在し、且つシリンダ外周縁を包含すると共に、対向する周壁37間を直線状に連結した補強リブ6をX字状に配設したので、燃焼室Rにて発生した高圧力が底板35に作用しても、補強リブ6によって天板側に伝播し、底板35が受ける押圧力が分散される。
更に、底板35及び補強リブ6は、冷却水によって冷却されるので、高価な耐熱性を有する金属材を必要とせずに熱変形を効果的に防止できる。
また、補強リブ6は、シリンダヘッド3をシリンダブロック2に装着する締結ボルト近傍の周壁37に連結されているので、シリンダヘッド3に作用した作用力は、補強リブ6を介してシリンダブロック2側に伝わる。
これらの効果により、シリンダヘッド3の剛性が向上すると共に、熱変形を防止して、シリンダブロック2とシリンダヘッド3との接合部からのガス(排ガス、圧縮された吸気)の漏洩を防止して、信頼性の高い、且つ低コストの内燃機関のシリンダヘッド3の提供が可能となる。
尚、本実施形態では、補強リブ6の高さを底板35から天板36まで延在させたが、燃焼室Rに発生する作用力によっては、補強リブ72の高さを天板まで延在させる必要はない。
この場合、補強リブ6の流出切欠部6bは不要となるが、天板36に冷却水の排出口を別途設ける必要がある。
更に、本実施形態では、シリンダヘッド3が各シリンダ21に対し、夫々分離した独立型の形状を成しているが、各シリンダヘッドが一体型に形成されていても同様である。
(第2実施形態)
本実施形態は、補強リブの配置が異なる以外は、第1実施形態に同じである。
従って、補強リブ以外の説明は省略する。
尚、同じ部品は同じ符号を付して、説明は省略する。
図7に示すように、シリンダヘッド7は、外観形状が略矩形状に形成され、吸気バルブ86及び排気バルブ87が1個のシリンダ21に対し夫々2個配置された所謂4バルブ内燃機関用である。
補強リブ72は、略矩形状の対向した各周壁71の中間部間を+(プラス)状に連結して、配設されている。
従って、シリンダヘッド7の冷却水室75は、補強リブ72によって4個の略矩形状の分散冷却水室75aに区画されている。
更に、補強リブ72は、各バルブステムガイド62間の中間部を通る位置に配置されている。
図7において、上側の2個のバルブステムガイド62には、排気バルブ87のステム87bが嵌入し、下側の2個のバルブステムガイド62には、吸気バルブ86のステム86bが嵌入している。
+(プラス)状の交差部は、シリンダ21の軸線CLの延長上に位置している。
各バルブステムガイド62は、各分散冷却水室75aに、補強リブ72と離間した位置に配設されている。
補強リブ72は、底板35から天板36まで延在している。
冷却水は、シリンダブロック冷却水路24からシリンダヘッド7の冷却水導入孔35aを介してシリンダヘッド7の各分散冷却水室75aに導入される。
冷却水導入孔35aは矩形状の各コーナ部(4個所)に夫々配設されている。冷却水導入孔35aは断面が円形状を成している。
冷却水導入孔35aから流入する冷却水は、各コーナ部(4個所)から各分散冷却水室75aに夫々導入される。
導入された冷却水は、底板35及び補強リブ72を冷却する。
冷却水は、補強リブ72の天板36との接合部で、且つシリンダヘッド3の各コーナ部を連結する+(プラス)状の交差部に、底板35側に切欠いた切欠部である流出切欠部72aからシリンダヘッド3外へ流出される。
その後、冷却水の冷却装置(図示省略)によって冷却され、再びシリンダブロック冷却水路24にもどる。
本実施形態の場合、底板35に作用した燃焼圧力は、補強リブ72から周壁71、補強リブ72と周壁周壁71の接合部から、接合部の両コーナ部の締結孔38へ、締結孔38から締結ボルトを介してシリンダブロック2に伝わる。
このようにして、第1実施形態の効果に加え、補強リブ72がバルブステムガイド62と交差しないので、シリンダヘッドを製造(鋳造)する際に、中子形状が簡易化され、コスト低減が可能となる。
尚、本実施形態では、補強リブ72の高さを底板35から天板36まで延在させたが、燃焼室Rに発生する作用力によっては、補強リブ72の高さを天板まで延在させる必要はない。
(第3実施形態)
本実施形態は、吸気バルブ86及び排気バルブ87が1個のシリンダ21に対し夫々1個配置された所謂2バルブ内燃機関用である。
従って、バルブの配置が異なる以外は、第1実施形態に同じであり、バルブの配置以外の説明は省略する。
尚、同じ部品は同じ符号を付して、説明は省略する。
図8に示すように、シリンダヘッド9は、外観形状が略矩形状に形成され、吸気バルブ86及び排気バルブ87が1個のシリンダ21に対し夫々1個配置された所謂2バルブ内燃機関用である。
補強リブ82は、対向した各コーナ部間を連続すると共に、底板35から天板36まで延在したX型形状を成している。
X型形状の交差部は、シリンダ21の軸線CLの延長上に位置している。
吸気バルブ86のバルブステムガイド62と、排気バルブ87のバルブステムガイド62は、X型形状の交差部を中心にして図8において上下方向に離間して配置されている。
上側のステムガイド62には、排気バルブ87のステム87bが嵌入し、下側のステムガイド62には、吸気バルブ86のステム87bが嵌入している。
補強リブ82がステムガイド62と分離した位置に配設されている以外は、第1実施形態と同じなので、冷却水の流れ、補強リブ82による効果の説明は省略する。
内燃機関のシリンダブロック上部に装着され、内燃機関の燃焼室を構成する内燃機関のシリンダヘッド構造として提供できる。
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3,7,9 シリンダヘッド
5 ロッカカバー
6 補強リブ
6a 導入切欠部(切欠部)
6b 流出切欠部(流通孔)
8 動弁装置
21 シリンダ
22 ピストン
24 シリンダブロック冷却水路
31 冷却水室
31a 分散冷却水室
32 吸気孔
33 シリンダヘッド冷却水路
35 底板
36 天板
37 周壁
62 バルブステムガイド
86 吸気バルブ
87 排気バルブ

Claims (8)

  1. 内燃機関のシリンダブロック上部に装着され、前記シリンダブロック内に配設されたシリンダ内を、該シリンダの軸線に沿って摺動するピストンの上部とで燃焼室を形成する内燃機関のシリンダヘッド構造であって、
    前記シリンダヘッドの内部に設けられ、前記シリンダブロックを冷却した冷却水を導入して、前記シリンダヘッドを冷却する冷却水室と、
    前記燃焼室と前記冷却水室とを区画する底板と、
    前記燃焼室の外周縁外側に対応する位置に設けられて、前記冷却水室を形成する周壁と、
    前記底板から前記冷却水室側に起立し、且つ対向した前記周壁間を連続して連結する補強リブと、を備え、
    前記補強リブは、前記シリンダヘッドの平面視において直線状に配設されていることを特徴とする内燃機関のシリンダヘッド構造。
  2. 前記補強リブは、前記軸線と交差して配設されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のシリンダヘッド構造。
  3. 前記補強リブは複数配設されていることを特徴とする請求項1また2のいずれかに記載の内燃機関のシリンダヘッド構造。
  4. 前記シリンダブロックから前記冷却水室に導入される冷却水が通過する冷却水導入孔は、前記補強リブの厚さより大きい径を有し、前記補強リブは、前記冷却水導入孔を横切って配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関のシリンダヘッド構造。
  5. 前記補強リブの前記冷却水導入孔に対向した端縁には、前記冷却水導入孔から離間する方向に切欠部を配設したことを特徴とする請求項4記載の内燃機関のシリンダヘッド構造。
  6. 前記補強リブと前記周壁との結合部は、前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとを締結する締結部材が配置される締結部に配設したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関のシリンダヘッド構造。
  7. 前記補強リブは、前記底板から、該底板と対向し、前記冷却水室を覆う天板まで延在していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関のシリンダヘッド構造。
  8. 前記天板まで延在した前記補強リブには、前記天板と前記補強リブの接合部に、前記補強リブを貫通して、前記冷却水が流通可能な流通孔を配設したことを特徴とする請求項7記載の内燃機関のシリンダヘッド構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018009522A (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 ヤンマー株式会社 多気筒エンジン

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