JP2014161947A - 動力工具 - Google Patents

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圭太 齊藤
Takuya Teranishi
卓也 寺西
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Abstract

【課題】
工具本体を回すことにより締め付け具として利用できる動力工具を提供する。
【解決手段】
ハンマ22によって回転されるアンビル20がハウジングに収容され、出力軸18を回転させる動力工具において、アンビル20と出力軸18を一体に構成するとともに、アンビル20に対して同軸上で微小角だけ相対回転可能な二分割したキャリア部材33a、33bを設けた。アンビル20の外周面の一部に逃がし面20aが形成され、キャリア部材33a、33bのそれぞれの切り欠き部35bに係合部材37a、37bを設けた。ハンマ22の回転停止中に工具本体を手動にて回転させると、係合部材37a、37bはアンビル20とロックリング38との相対回転を制限する。ロック状態は、モータ4の回転を開始させると直ちに解除される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電気モータ等により回転駆動され、モータによる回転力でネジやボルト等を締め付ける動力工具に関し、特にモータ停止後にハウジング部分を回して締結部材の手締めを行うことができる動力工具に関する。
ネジやボルト等の締め付けを行う動力工具として、モータ等の駆動源による回転力を回転するハンマに伝達し、ハンマによりアンビルを打撃するインパクト工具が知られている。このようなインパクト工具として、特許文献1の技術が知られており、スチールボールを介してハンマの回転運動を軸方向の後退運動に変換するカムを、スピンドルとハンマのそれぞれに形成し、一定の締め付けトルクに達するとハンマが後退しアンビルとハンマの爪部の噛みあいが外れ、ハンマ後退時に蓄えられるスプリングの保存エネルギーによりハンマの回転エネルギーを付勢してハンマがアンビルを打撃し、ボルトの締め付けや緩めを行う。
特開2011−73087号公報
特許文献1によるインパクト工具の締結力は、スプリングに蓄えられたエネルギーによりハンマがアンビルを打撃するものである。しかしながら、小型のインパクト工具の場合は、締め付けトルクが不足して、場合によって作業者は増し締めをしたい場合が生ずる。その際、ドライバー等の手締め用の別の工具を用いると、工具を持ち替えねばならずに大変煩わしい。そこで動力により動作する工具自体を用いて増し締めができるようにした動力工具が知られるようになった。その工具では締め付け作業後に、出力軸ロックボタンを操作する必要があり、また、手締め作業を行った後に出力軸ロックを解除させる必要があり、これらの切り替え作業が煩わしかった。また、特許文献1のようなインパクト工具に手締めのための出力軸ロック機構を設けると、ハンマより先端側の構造が複雑になるため製造コストが上昇してしまうという問題があった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、モータ等の動力を停止させた際に、工具本体を締め付け具として利用できる動力工具を提供することにある。
本発明の他の目的は、手締め用にアンビルの回転を固定するロック機能を有する動力工具において、アンビル及びアンビル周辺の形状を簡素化して製造原価の低減を実現することにある。
本発明のさらに他の目的は、手締め用にアンビルの回転を固定するロック機能において、ハンマの爪がキャリアの片方としか当たらない片あたり現象の発生を防止して、手締め機構の動作不良を防止することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、駆動源によって回転される駆動部材と、駆動部材によって回転される出力軸と、出力軸と係合して出力軸を回転不能とするロック位置と、出力軸を回転可能とするロック解除位置との間で移動可能な第1及び第2の係合部材と、を備えた動力工具において、第1及び第2の係合部材の各々と係合する第1及び第2のキャリア部材を別個に設け、駆動源によって駆動部材が出力軸に対して回転すると、駆動部材が第1及び第2のキャリア部材と係合して第1及び第2の係合部材をロック位置からロック解除位置へと移動するよう構成した。
本発明の他の特徴によれば、駆動源と、駆動源によって回転されるハンマと、ハンマによって連続的に又は断続的に回転されるアンビルと、これらを収容するハウジングを有し、アンビルに接続される出力軸を回転させる動力工具において、アンビルと出力軸を一体に構成し、アンビルに対して同軸上で微小角だけ相対回転可能なように取り付けられて出力軸を貫通させる筒状のキャリア部材と、キャリア部材の外周面を保持するロックリングを設け、アンビルの外周面の一部に平面状の逃がし面を形成し、キャリア部材の逃がし面と対向する位置に切り欠き部を形成し、切り欠き部にアンビルとロックリングとの相対回転を制限する係合部材を設け、キャリア部材を、軸方向に平行かつアンビルの被打撃面の延びる方向を含む面において分割して半円筒形状に形成した。
本発明の他の特徴によれば、キャリア部材は、アンビルの円筒状部分の外径よりわずかに大きい内径を有する半円筒形状の2つの部材を組み合わせたものであって、切り欠き部は2つのキャリア部材にそれぞれ形成される。係合部材は、切り欠き部にそれぞれ一つずつ配置される円柱状の部材であって、その軸方向が出力軸の軸方向と平行になるように配置される。分割されたキャリア部材は、左右同一形状であって方向性を持たせないようにした。ハンマの回転停止中にアンビルをハウジングに対して回転させると、逃がし面の中心位置が係合部材と離れた際に、係合部材がアンビルの外周面とロックリングの内周面により挟まれることによりアンビルのロックリングに対する相対回転が制限され、いわゆるアンビルのロック機構として機能する。
本発明の他の特徴によれば、キャリア部材は半円筒形の部分から径方向に延びてアンビルの被打撃面の延びる方向と並行に突出する突起部を有し、突起部は駆動源の回転時にハンマのハンマ爪と当接することによりキャリア部材をアンビルに対してわずかに移動させ、移動されるキャリア部材に係合部材が接触することにより係合部材が逃がし面の中央に位置するように保持されるように構成した。この切り欠き部は半円筒形の軸方向一方側から他方側に凹状に切り欠かれたものであって、半円筒形の他方側の周方向に離れた2箇所にアンビルの打撃アームを収容する第2の切り欠き部を形成し、突起部は第2の切り欠き部の周方向縁部から径方向に突出する形状である。
本発明のさらに他の特徴によれば、ハンマ爪にはアンビルを打撃する第1の打撃面とキャリア部材の突起部に接する第2の打撃面が形成され、キャリア部材の突起部は、第2の打撃面にそれぞれ対応する位置に設けられるように構成した。ハンマを回転させると、第2の打撃面がキャリア部材の突起部に最初に当接して押圧することによりキャリア部材を回転方向にわずかに回転させ、その後に第1の打撃面が打撃アームに当接することによりアンビルが回転する
請求項1の発明によれば、第1及び第2の係合部材の各々と係合する第1及び第2のキャリア部材を別個に設けたので、キャリア部材を単一の部材の構成した場合に起こり得る片あたり現象、つまり、一方の係合部材はロック解除したが他方の係合部材はロックしたままとなることの発生を防止でき、第1及び第2のキャリア部材がそれぞれ個別に動くことができるので、スムーズな動作を保証され、信頼性の高いロック機構が実現できる。
請求項2の発明によれば、アンビルに対して同軸上で微小角だけ相対回転可能なキャリア部材を設け、アンビルの外周面の一部に平面状の逃がし面を形成し、キャリア部材の切り欠き部にアンビルとロックリングとの相対回転を制限する係合部材を設けたので、簡単な構成で出力軸のロック機構を実現できる。また、従来からのアンビルと出力軸との基本構造をほとんど変えることなく出力軸ロック機構を実現でき、先端工具に効率良くトルクを伝達することが可能となる。さらに、動力工具で締め付け作業を行った後に手動による増し締めを行う場合には、その動力工具を使って行うことが可能となる。さらに、キャリア部材を2分割に構成したので、これらは独立して動作するため、ハンマと分割されたキャリア部材はそれぞれ1対1で良好に接触するのでスムーズな動作を保証され、信頼性の高いロック機構が実現できる。
請求項3の発明によれば、係合部材は切り欠き部にそれぞれ一つずつ配置される円柱状の部材であって、その軸方向が出力軸の軸方向と平行になるように配置されるので、係合領域を比較的大きく確保でき、アンビルの回転をハウジングに対して強固にロックすることができる。また、キャリア部材を配置するためにアンビルとロックリング間の距離を伸ばす必要が無く、実装効率を低下させずに出力軸ロック機構を実現できる。
請求項4の発明によれば、分割された前記キャリア部材は同一形状であるので、大量生産によるコストダウンを期待でき、組み立て工程においても取り扱いが容易である。
請求項5の発明によれば、ハンマの回転が停止中にアンビルをハウジングに対して回転させるときには、アンビルとロックリングとの相対回転を制限するので、出力軸をロックするための特別な操作は不要であって、操作性の極めて高く誤作動を起こさない信頼性の高い動力工具を実現できる。特に、キャリア部材とアンビルの相対回転角が所定の角度よりも大きくなって逃がし面の中心位置が係合部材と離れた際にロック状態になるので、作業者は先端工具を締め付け材に押し当てたままハウジング本体をわずかに回転させるだけで容易に出力軸ロックを実現できる。
請求項6の発明によれば、突起部はアンビルの被打撃面の延びる方向と略並行に突出する形状であるので、ハンマの打撃面を利用して容易にキャリア部材をアンビルに対して相対回転させることができる。駆動部の回転中は、移動されるキャリア部材に係合部材が接触することにより係合部材が逃がし面の中央に位置するように保持されるので、ハウジングと出力軸がフリー状態となって空転することが可能となり、駆動源による通常の締め付け作業を支障なく行うことができる。
請求項7の発明によれば、ハンマが回転するとハンマがアンビルと係合する前にロック解除部材と係合してロック機構のロックを解除するよう構成できるので、特別な操作をすることなくアンビルが回転可能となる。
請求項8の発明によれば、ハンマにはアンビルを打撃する第1の打撃面と、キャリア部材に当接する第2の打撃面を有するので、ハンマの爪部の形状を変えるだけで2つの部材(アンビル、キャリア部材)を打撃することができる。
請求項9の発明によれば、ハンマを回転させると、第2の打撃面がキャリア部材に最初に当接し、次に第1の打撃面がアンビルに当接するので、ハンマによってアンビルを打撃する直前にキャリア部材を移動させることができ、確実に出力軸のロック状態を解除することができる。またハンマの打撃力がロック解除部材を介さずに直接アンビルに伝達されるので、ロック解除部材の剛性が低くてもハンマの打撃力が効率よく伝達される。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係るインパクト工具1のストレート時の外観を示す側面図である。 本発明の実施例に係るインパクト工具1の折り曲げ時の外観を示す側面図である。 図1のインパクト工具1の内部構造を示す図であり、モータより前方側及びトリガ部分を縦断面で示した図である。 図1の打撃部付近の分解斜視図である。 図3のロックリング38付近の取付構造を示す拡大部分断面図である。 図5のハンマとキャリアとアンビル付近の部分断面図である。 図5のA−A断面位置及びB−B断面位置における断面図であり、ハンマ22とキャリア33a、33bとアンビル20の位置関係を説明するための図である。 (1)は図4のキャリア33a、33bの形状を示す斜視図であり、(2)は図5のA−A部の断面図である。 図4のキャリア33b単体の形状を示す斜視図である。 図5のA−A断面位置におけるアンビル20と係合ピン37aの位置関係を説明するための図である。 図11はキャリアを一体成形でした場合の、(1)キャリア133の形状を示す斜視図と、キャリア133と係合ピン37a、37bとロックリング38との位置関係を示す図である。 図11のキャリア133を用いた場合のハンマ22とアンビル20との位置関係を説明するための図であって、(1)は図5のB−B断面位置に相当する部分の断面図、(2)は図5のA−A断面位置に相当する部分の断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。図1は本発明の実施例に係る動力工具の一例であるインパクト工具1の全体を示す断面図である。
インパクト工具1は充電可能で着脱可能な電池パック50を電源とし、図示しないモータを駆動源として動力伝達機構を介して出力軸に回転力と打撃力を与え、装着部40に覆われる装着穴に保持されるドライバビット等の先端工具に回転力や打撃力を伝達してねじ締めやボルト締め等の作業を行うものである。インパクト工具1のハウジングは、メインハウジング(前方ハウジング)2とハンドルハウジング(後方ハウジング)3によって構成される。メインハウジング2はプラスチック等の高分子樹脂の一体成形によって左右に2分割可能に構成され、図示しないネジによって左右部分が固定される。ハンドルハウジング3は後端に開口部3aを有する略円筒形状又は筒状に形成され、プラスチック等の高分子樹脂の一体成型により左右分割式にて製造される。メインハウジング2とハンドルハウジング3は、前後方向の中央付近において図示しない回動軸を有する回動機構によって連結され、回動軸を中心に約70度程度回動可能である。この回動する面は図1でみて前後及び上下方向を含む面(紙面と同じ面)であって、図1のようにメインハウジング2とハンドルハウジング3が同軸上に並ぶ、いわゆるストレートタイプの形状から、後述する図2で示すように回動させた形状、いわゆるガンタイプの形状に変化させることができる。作業者は作業する場所や対象に応じてストレートタイプ又はガンタイプの形状のいずれかの形態にセットして作業を行うことができる。
本実施例のインパクト工具1は動力伝達機構として公知のインパクト機構を用いた動力工具であるが、いわゆるドライバドリル、その他のコードレス方式の動力工具(電動工具、締め付け工具)として実現しても良い。後述するモータは、メインハウジング2の内部に収容され、その回転軸は先端工具を回転させるための動力伝達機構に接続される。電池パック50はハンドルハウジング3の端部の開口部3aから内部空間に装着及び取り外しが可能な略円筒形の筐体を有するもので、いわゆるカセット式で容易に交換可能な電源である。電池パック50の筐体には2箇所の掛止部51aが形成され、ハンドルハウジング3の内壁に形成された凹部(図示せず)と係合することにより電池パック50が保持される。電池パック50を取り外すには、左右に2箇所設けられたラッチ部51を押しながら電池パック50を開口部3aから後方に引き出す。電池パック50の後端部の形状は、ハンドルハウジング3の開口部3aを覆うように形成され、電池パック50の後面がハンドルハウジング3の外縁部分の一部を形成する。電池パック50の内部には、18650又は14500等の複数のリチウムイオンセルが収容されるが、電池のサイズや種類、本数等は任意に設定すれば良い。
ハンドルハウジング3の内部であって回動機構に隣接した部分の空間には、モータへの電力の供給・停止を制御するスイッチ(メインスイッチ)を操作するトリガ6と、モータの回転方向を切り替えるための正逆切替レバー8が収容される。本実施例においてメインスイッチは、トリガ6の操作量によって抵抗値が変化する、いわゆる可変抵抗スイッチを採用し、トリガ6の操作量に応じてモータの回転数が変化するように構成される。トリガ6は、指が1本掛かる程度の幅の腹部6aを有し、前方側が軸点(後述する揺動軸)を中心に所定の角度だけ揺動(回動)することにより、トリガ6の後端が略上下方向に揺動可能な構成とされる。トリガ6の揺動軸のほぼ上側には正逆切替レバー8が設けられる。正逆切替レバー8は、モータの回転方向を“正回転方向(締め付け方向)”、“逆回転方向(緩め方向)”に切り替えるための切替スイッチであり、左右方向にスライドさせることによって操作可能である。
ハンドルハウジング3は作業者が主に把持するグリップ部となるもので、作業者が把持した際に手になじむような形状にされ、ハンドルハウジングの上側と下側部分に弾性体13a、13bが形成される。尚、本明細書でハンドルハウジング3の方向をいう際には、特に断りが無い限りインパクト工具1が図1のようにストレート状にあるときを基準にするものとする(以下同じ)。弾性体13a、13bは、ハンドルハウジング3の構成材料(プラスチック)に比べて弾力性の高い構成材料であって、例えば二層成形の技術を用いてハンドルハウジング3の構成材たる下層の上に弾力性の高い樹脂を薄い表層として形成したものである。ハンドルハウジング3の下側であって開口部3aの近傍には、つり下げ用の紐等を通すためのフック穴48が形成される。
メインハウジング2は作業者が補助的に把持する場合があり、そのためにメインハウジング2側の表面にも弾性体11が形成される。弾性体11はメインハウジング2の構成材料(プラスチック)に比べて弾力性の高い構成材料であって、例えば二層成形の技術を用いてメインハウジング2の構成材たる下層の上に弾力性の高い樹脂を薄い表層として形成する。また、弾性体11の特定エリアの形状を工夫して、作業者が把持した際に把持する指を介してメインハウジング2に力を作用させやすいように部分的に滑り止め加工11aと11bがなされる。滑り止め加工11aと11bは、例えば弾性体11に形成された複数の小さい凹部で形成されるが、滑りにくくすることを目的とするので、凹部だけでなく凸部、溝、段差などを形成したものでも良い
メインハウジング2とハンドルハウジング3の折れ曲がる回動中心の下側(挟角が形成される側)には、カバー46が配置される。カバー46はプレート状の部材であり、インパクト工具1を図1に示す形態、即ちストレート状で使用する際に、メインハウジング2とハンドルハウジング3の間の回動機構部付近の空間を塞ぐ外枠部品としての役割を果たす。
図2は図1のインパクト工具1の折り曲げ時の作業状況を示す側面図である。折り曲げ時にはメインハウジング2とハンドルハウジング3が略70度程度の交差角をなすように配置され、いわゆるガンタイプ(ピストル形状)となっている。メインハウジング2の下側には距離Hほど突出する突出部12が設けられ、突出部12により作業者の指(例えば人差し指)を自然にトリガ6の腹部6aの中心に導くことができる。トリガ6は作業者が人差し指の引き操作で容易に操作ができるので、モータ4の変速駆動を容易に行うことができる。
図3はインパクト工具1の内部構造を示す図である。インパクト工具1は、電池パック50により供給される電力を利用し、駆動源たるモータ4を回転させる。電池パック50はハンドルハウジング3の端部の開口部3aから内部空間に装着及び取り外しが可能であって、いわゆるカセット式に構成される。電池パック50には2箇所の掛止部51aが形成され、ハンドルハウジング3の内壁に形成された凹部(図示せず)と係合する。電池パック50の内部には、例えば14500サイズのリチウムイオン電池セル(図示せず)が3本収容され、その定格電圧は直流10.8Vである。開口部3aに続く電池パック50の装着空間の他端には基板54が設けられ、基板54から開口部3aに向かって複数のターミナル53が延びるように設けられる。電池パック50の前端部(図では上側)には、複数の端子52が設けられ、電池パック50をハンドルハウジング3に装着することにより端子52は基板54側に形成されるターミナル53と接触する。
モータ4の回転は減速機構14によって減速されて、インパクト機構19に伝達される。本実施例では減速機構14とインパクト機構19により動力伝達機構が構成され、モータ4の回転力はスピンドル28に伝達される。メインハウジング2とハンドルハウジング3は、回動軸9を中心に約70度だけ回動可能であり、図3ではストレート状にした状態を示している。メインハウジング2は、プラスチック等の合成樹脂の成形によって左右に2分割可能に構成され、図示しないネジによって左右部分が固定される。そのためメインハウジング2のハウジングの一方には複数のねじボス30a〜30dが形成され、図示しないもう一方のハウジングには複数のねじ穴が形成される。同様にしてハンドルハウジング3にも複数のねじボス31a、31bが形成される。尚、本実施例の動力工具では、インパクト機構19や減速機構14を合成樹脂製のメインハウジング2の内部に直接収容したが、これらを金属製の一体成形によって形成された略カップ状のケース(ハンマケース)に収容して、そのケースをメインハウジング2に収容又は接続するように構成しても良い。
トリガスイッチ7は、作業者がトリガ6を引くことによりオン又はオフにすることができるもので、前方側に形成される揺動軸10を中心にトリガ6が揺動する。トリガスイッチ7は回転切替スイッチ機構を有しており、正逆切替レバー8の操作により、出力軸18の回転方向を正方向(締め付け方向)又は逆方向(緩め方向)に切り替えることができる。尚、トリガスイッチ7はトリガ6の引き量に応じてモータ4の回転数を調整する可変スイッチで構成されるが、これを単なるON又はOFFのスイッチとしても良い。装着部40の下方には、被締付け材を含む前方部分を照射するためのLED47が設けられる。
減速機構14は、モータ4の回転軸4aが太陽歯車15に接続される複数の遊星歯車16を有し、遊星歯車16は、その外周側に位置する内歯車17との間において、自転しながら太陽歯車15の周りを公転する。スピンドル28はハンマ22を回転させるための部材であって、スピンドル28の後端側は複数の遊星歯車の回転軸に接続され、遊星キャリアとしての機能を果たす。この結果、遊星歯車16の公転運動がスピンドル28の回転運動に変換される。スピンドル28は、駆動部材たるハンマ22とカム機構によって連結され、このカム機構は、スピンドル28の外周面に形成されたV字状のカム溝26と、ハンマ22の内周面に形成されたハンマカム溝24と、これらのカム溝に係合するスチールボール25によって構成される。
ハンマ22は、スプリング27によって常に前方に付勢されており、静止時にはスチールボール25とカム溝24、26との係合によって打撃アーム21の端面とは隙間を隔てた位置にある。そして、ハンマ22とアンビル20の相対向する回転平面上の2箇所には突起部たるハンマ爪23と打撃アーム21がそれぞれ対称的に形成される。スピンドル28が回転駆動されると、その回転は前記カム機構を介してハンマ22に伝達され、ハンマ22が半回転しないうちにハンマ22のハンマ爪23がアンビル20の打撃アーム21に係合してアンビル20を回転させるが、そのときの係合反力によってスピンドル28とハンマ22との間に相対回転が生ずると、ハンマ22はカム機構のカム溝26に沿ってスプリング27を圧縮しながらモータ4側へと後退を始める。
ハンマ22の後退動によってハンマ爪23が打撃アーム21を乗り越えて両者の係合が解除されると、ハンマ22は、スピンドル28の回転力に加え、スプリング27に蓄積されていた弾性エネルギーとカム機構の作用によって回転方向及び前方に急速に加速されつつ、スプリング27の付勢力によって前方へ移動し、そのハンマ爪23が打撃アーム21を強く打撃することによりアンビル20を回転させる。アンビル20の前方側には出力軸18が接続され、出力軸18の取付穴に装着される先端工具(図示せず)を介してネジに回転打撃力が伝達される。以後、同様の回転及び打撃動作が繰り返され、例えば、ネジ等の締結部材が木材等の図示しない被締結材にねじ込まれる。尚、本実施例では出力軸18とアンビル20は一体成形にて製造されるため、これらの間にがたつきがなく剛性が高くて打撃音が静かなインパクト工具を実現できる。
図4は図3の打撃部付近の組立構造を示す分解斜視図である。本実施例においては、出力軸18に取り付けられるキャリア33を保持するロックリング38の固定構造を改良したものである。ロックリング38の内周側に位置するキャリア33は、左右2つの独立した部材(キャリア部材)で構成される。アンビル20には径方向に延びる2つの打撃アーム21が形成され、アンビル20と出力軸18は一体的に形成される。ロック機構は、アンビル20のメインハウジング2(ロックリング38)に対する相対回転をロックするための機構であって、主にアンビル20の一部に形成された逃がし面20aと、キャリア33と、ロックリング38と、2つの係合ピン37a、37bを含んで構成される。キャリア33(33a、33b)は、ロック機構のロック状態を解除するためのロック解除部材として用いられるものであり、これらは円筒形の部材を左右に2分割したような形状の部材(33a、33b)にて構成される。ハンマ22は所定の質量を有するように金属の一体成形で製造され、カム機構によってスピンドル28と連結される。ハンマ22の前方側には円周方向の2箇所にハンマ爪23(第1の突起部)が形成される。ハンマ爪23は、打撃アーム21を打撃する打撃面となる突起部であって前方に延びるように突出し、その円周方向の両側の面において正回転方向の打撃面23a、逆回転方向の打撃面23bがそれぞれ形成される。ここで本明細書では、正回転方向とは例えばねじやボルトを締め付ける方向であり、逆回転方向とはねじやボルトを緩める方向であるとして説明する。本実施例のハンマ爪23は、さらに打撃面23aの内周側に形成された第2の打撃面たる打撃面23cが形成される、同様にして打撃面23bの内周側には打撃面23dが形成される。この第2の打撃面は、第1の打撃面に対して周方向打撃方向に対して凹んだ形状としている。尚、ハンマ爪23は、ハンマ22に対して軸方向に突出する形状だけでなく、径方向に突出する形状であっても良いし、軸方向及び径方向に突出する形状としても良い。
アンビル20はハンマ22によって打撃される部材であって、アンビル20の先端側に出力軸18が接続されたような形状とされ、これらは一体成形にて製造される。アンビル20には円筒形の本体部材から径方向に延びる打撃アーム21(第2の突起部)が2本形成される。打撃アーム21は回転角で180度隔てた対向する位置に形成され、ハンマ爪23の第1の突起部と係合するよう径方向外側に延びるように設けられる。打撃アーム21は打撃される部材という性質上、アンビル20から延びる形状が四角柱状としたが、十分な強度と耐久性を有するならばこの形状だけに限られずに、円柱状の基本形状であってもその他のシンプルな形状であっても良い。打撃アーム21には2つの平面状又は打撃面に対応する形状の被打撃面が形成されることが重要であり、周方向の片面が正方向の被打撃面21aとなり、もう一方の周方向の片面が逆方向の被打撃面21bとなる。アンビル20の本体部分の180度隔てた2箇所には、一部が平面状に削り落とされた逃がし面20aが形成される。
アンビル20及び出力軸18の周囲にはロックリング38が配置される。ロックリング38の主な機能は、キャリア33(33a、33b)を回転可能に軸支するものである。出力軸18は、ロックリング38の近傍設けられる軸受機構(図3の軸受29a)によって軸支される。ロックリング38の径方向に180度離れた2箇所には、メインハウジング2の内壁の溝部と嵌合する略立方体状の突出部38bが形成される。突出部38bはロックリング38の周方向に180度隔てた2箇所に形成された凸部であり、この凸部がメインハウジング2の内周面に形成された凹部にはめ込まれることにより、メインハウジング2に対して保持される。尚、ロックリング38の周方向に形成する凸部は、この形状だけに限られずに、ロックリング38側に凹部を形成し、メインハウジング2の内壁側に凸部を形成するようにしても良いし、凹部と凸部をそれぞれ任意に用いた凹凸部や、その他の公知の保持構造、回り止め構造によって形成するようにしても良い。
キャリア33はロック解除部材として機能し、2つの部材(33a、33b)を合わせた後に略円筒形状となるように形成されるが、本実施例では円筒形の部材を軸方向を含む面で2分割した2つの部材(33a、33b)から一つのキャリア機構を実現するようにした。キャリア33はアンビル20に対して同軸上で、かつ、アンビル20の径方向外側に配置される。キャリア33はアンビル20に固定されるのではなく、アンビル20に対して同軸上で微小角だけ相対移動(回転)可能なように取り付けられる。キャリア33は、アンビル20の円筒状部分の外径とほぼ等しい内径(但し相対回転ができる程度の必要な隙間は確保する)を有する円筒部を有し、円筒部の後方部分の2箇所に凹部(第2の切り欠き部)が形成され、その凹部の周方向両縁部(両端部)から径方向に突出する爪部(第3の突起部34a、34b)が形成される。対向する突起部34aと34bとの間隔は打撃アーム21の径方向の幅よりも若干広くなるように構成する。本実施例では打撃アーム21がアンビル20の円柱状部分から180度隔てた位置から外側に2本形成されるので、それぞれの被打撃面21a、21bに対向する位置に突起部34a、34bが計4箇所形成される。
突起部34a、34bは、ハンマ22に新たに追加された打撃面23c、23dによって接触される部分であって、打撃面23c、23dが当たることによってキャリア33のアンビル20に対する相対位置を変化させることができる(但し、その回転角度は±10度程度である)。キャリア33の逃がし面20aと対向する位置には切り欠き部35b、35dが形成される。切り欠き部35b、35dは、第1及び第2の係合部材、即ち係合ピン37a、37bを収容する空間を画定するために形成されるものであって、この空間の内周側はアンビル20の逃がし面20aにより覆われ、この空間の外周側はロックリング38の円筒部38dによって覆われ、この空間の前方側はロックリング38の円環部38aによって覆われ、この空間の後方側及び径方向の両端部は切り欠き部35b、35dの壁部で覆われる。このように係合ピン37a、37bは切り欠き部35b、35dを用いて画定される空間内に配置され、アンビル20の回転に追従するように公転する。係合ピン37a、37bは、モータ4の停止時にアンビル20とキャリア33の相対位置がわずかながら径方向にずれると、アンビル20とロックリング38の相対回転を制限するロック機構として作用するが、このロック作用の詳細については後述する。
図5は図3のロックリング38付近の拡大部分断面図である。キャリア33(33a、33b)はハンマ22の前側であって、打撃アーム21と後端部がほぼ同じとなるように配置される。キャリア33の先端部は、ロックリング38の円環部38aによって前端側が制限され、外周側が円筒部38dによって保持され、内周側がアンビル20の外周面によって保持される。アンビル20の後端側中央付近には円柱形の嵌合穴20bが形成され、その穴にはスピンドル28の先端に形成された嵌合軸28aが収容される。このようにアンビル20の後端とスピンドル28の前端部が相対回転可能なように軸支されるため、剛性が高いインパクト機構19を実現できる。ロックリング38は、円筒形の基本形状(円筒部38d)の前側内側に円環部38aが形成され、円筒部38dの後方は外側に円環部38eが形成されフランジ状になっている。ロックリング38はメインハウジング2(図1参照)に対して非回転部材(固定部材)であるが、係合ピン37a、37b(図4参照)は、アンビル20と共に回転軸を中心に公転する。係合ピン37a、37bの軸方向先端部には、キャリア33a、33bに対する摩擦抵抗が大きくならないように、微小接触領域(凸部など)を形成すると好ましい。尚、ロックリング38の円環部38a付近に、打撃機構部分からグリースが漏れないように図示しないOリングを装着しても良い。
出力軸18の先端内側には、先端工具を挿入するための軸方向に垂直な断面形状が六角形の装着穴18aが形成され、先端外周側には先端工具の装着部40が設けられる。出力軸18の側面には、ボール43を移動可能に収容する貫通孔18bが形成され、ボール43が貫通孔18bから内周側に抜け落ちることがないような形状が形成される。ボール43の径方向外側は、スプリング44によって付勢されたスリーブ41にて保持される。スプリング44の前方側はワッシャ42により固定され、ワッシャ42はCリング45によって軸方向に移動しないように保持される。先端工具を出力軸18に装着又は取り外すときは、スリーブ41を図5に示す定常位置からスプリング44の付勢力に抗して軸方向前方に移動させることにより行うことができる。スリーブ41を前方に移動させると、ボール43の外周部がスリーブ41の内周側に形成された周方向に連続する凸面との当接状態が解除され、ボール43が径方向外側にわずかに移動可能となるので、先端工具の装着及び取り外しを抵抗なく行うことができる。
図6は本発明の実施例に係るハンマとキャリアの形状を示す部分拡大断面図であって、図5のB−B部の断面図である。円周方向の対角状に配置される2つのハンマ爪23は円周方向の外周側に位置する2つの打撃面23a、23bに加えて、内周側に2つの打撃面23c、23dが追加されたような形状とされる。ここで、打撃面23a、23bは打撃アーム21の被打撃面21a、21bを打撃するために形成されるものであって、これらは従来のインパクト工具で用いられるハンマ爪と同等の機能を有し、基本形状もほぼ同等である。打撃面23cはキャリア33aの突起部34aを押圧するためのものである。ここで、図6の位置関係からわかるように、ハンマ22がネジを締める際に回転すると(図6では反時計回り)、ハンマ爪23の打撃面23cが最初に突起部34aの被打撃面34cに接触する。前述したようにキャリア33aと打撃アーム21は微小角度(回転角にして20度程度)だけ相対移動可能なので、打撃面23cは被打撃面34cを押す形となり、打撃をするという程ではない。その状態の後、キャリア33aがハンマ22の回転によって反時計回りに回転すると、キャリア33aが打撃アーム21に対して微小角度だけ相対回転をし、その後ハンマ22の打撃面23aが打撃アーム21の被打撃面21aに衝突する。この衝突においては、アンビル20と一体に構成される出力軸18には先端工具から締め付け部材の反力が伝わるため、この衝突は強い打撃となる。図6は打撃面23aと被打撃面21aとの係合がおきた瞬間の状態を示したものであるが、この際、突起部34aと打撃アーム21との間に所定の間隔が生ずるような形状とした。つまり、突起部34aの回転方向の厚さbに対して、打撃アーム21の被打撃面21aと、ハンマ爪23の打撃面23cの距離はaであり、a<bの関係とした。このように構成することにより、打撃が行われる際、あるいは、ボルト等の着座前の回転時にはハンマ爪23の力が打撃アーム21に直接作用することになるので、キャリア33aはトルク伝達には寄与せず、キャリア33aを介在させたことによる悪影響はほとんど無いことになる。また、キャリア33aには強い打撃力が伝わらないので、キャリア33aに保持される係合ピン37a、37bへ伝わる衝撃を低減できロック機構の長寿命化を図ることができる。尚、図6では図示を省略しているが、キャリア33b側においても同様の接触及び打撃状態が発生する。
次に図7を用いてインパクト工具1を駆動して締め付け作業を行う際の状態について説明する。図7(1)〜(4)は、それぞれ図5のA−A部の断面と、B−B部の断面を左右に並べて図示したものであって、ここではハンマ22がモータ4によって駆動される。ハンマ22、アンビル20、キャリア33a、33b及びそれに付随する各部品は回転中心を軸に回転対称(2回対称)であり、図示の都合上参照符号は一部にしか付与していない。キャリア33a、33bは、アンビル20の打撃アーム21を挟み込み、且つ打撃アーム21の被打撃面21a、21bから一定の隙間を有するように突起部34a、34bを設けて、キャリア33a、33bの回動角度を一定の範囲に制限する。図7(1)の状態はハンマ爪23が打撃アーム21と離れている状態(例えばハンマ22の回転開始時の状態)を示す図であるが、この状態からモータ4の回転によって回転駆動力が減速機構14(図3参照)を介してスピンドル28に伝達され、カム機構によって保持されるハンマ22が矢印61の方向に回転する。この際の打撃アーム21の位置(アンビル20の回転角)と、キャリア33a、33bの突起部34a、34bの位置関係は図示の通りであり、キャリア33a、33bから径方向に伸びる突起部34a、34bと打撃アーム21の間には所定の間隔62、63が存在する位置で安定して保持される。図7(1)からわかるように、アンビル20の軸部(=出力軸18)は、キャリア33a、33bの円筒部分の内側に収容され、切り欠き部35b、35dの内側空間にはそれぞれ係合ピン37a、37bが位置する。ここで、キャリア33a、33bはアンビル20の外周部に嵌め込まれているだけであって、それらの形状を設定することによってお互いが微小角度だけ相対回転ができるように構成される。
図7(2)はハンマ22が矢印64の方向に更に回転して、ハンマ爪23の打撃面23cが突起部34a、34bの被打撃面34c、34dに当接したキャリア33a、33bの回転開始の状態を示す図である。モータ駆動によりハンマ22が回転すると、ハンマ22はアンビル20を回転打撃する前にキャリア33a、33bに接触し、キャリア33a、33bが回転する。このため、打撃面23cが突起部34c、34dに当接する際には、打撃面23aは打撃アーム21に接触しないようにハンマ爪23の形状が設定される。この状態から更に回転すると図7(3)の右側の図に示すように、ハンマ爪23はキャリア33a、33bを矢印65の方向に回転させながら、打撃面23aが打撃アーム21の被打撃面21aに接触する(アンビル20を打撃)。ここで、図6で説明したように、太線67の部分は隙間が存在するため、キャリア33aが打撃アーム21を打撃することはない(キャリア33b側も同じ)。また、この際には矢印66の部分の隙間は、(1)の隙間62に比べて大きくなる。このようにキャリア33a、33bが打撃アーム21に対して微小角度だけ回転すると、その結果(3)の左側図のようにキャリア33a、33bの切り欠き部35b、35dの周方向のエッジ部分に係合ピン37a、37bの外周部分に接触し、係合ピン37a、37bをアンビル20の周面に設けられた逃がし面20aの中央付近へ押し退ける。ハンマ22はキャリア33a、33bを回転させながらアンビル20を打撃し、先端軸側へ回転を伝達する。係合ピン37a、37bの内周側は逃がし面20aに接触している状態でアンビル20が回転するが、その接触部分(軸方向に平行な線)は逃がし面20aの周方向のほぼ中央にとどまる。
図7(4)は、(3)の状態からハンマ22がさらに回転した状態を示す図である。この状態では、ハンマ爪23の打撃面23aが打撃アーム21の被打撃面21aを押すような形又は強く打撃するような形でアンビル20を回転させる。この際の、係合ピン37a、37bはキャリア33a、33bの切り欠き部35b、35dのエッジ部分に接触したままである。このため、非回転部分(ロックリング38)の内壁と強く干渉することなく、回転部分(アンビル20、キャリア33a、33b、係合ピン37a、37b)は図7(4)の相対位置関係を保ったままハンマ22によって連続回転が可能である。つまり、キャリア33a、33bが勢いよく回転してキャリア33a、33bにより転動された係合ピン37a、37bがロックリング38とアンビル20の逃がし面20a端部に衝突してしまうことを回避することができる。
図8(1)は図4のキャリア33の形状を示す斜視図であり、(2)は図5のA−A断面位置の断面図である。キャリア33は円筒形の基本形状を有するが,本実施例では軸方向を含む面にて分割したような形状としている。発明者らにおける開発初期段階では、キャリア33aと33bを一体形成とし、略円筒形状としていたが、その場合は動作時に不具合を起こす恐れがあることがわかった。本実施例の理解のために、開発時に問題が生じた一体成形のキャリアによる不具合の発生状況を図11〜図12を用いて説明する。
図11はキャリアを一体成形で製造した場合の、(1)キャリア133の形状を示す斜視図と、(2)キャリア133と係合ピン37a、37bとロックリング38との位置関係を示す図である。一体成形のキャリア133は金属合金の成形によって製造され、円筒形状の基本部材に係合ピン37a、37bを保持する空間を画定するための切り欠き部135aと、アンビル20の打撃アーム21を収容する切り欠き部135bが形成され、切り欠き部135bの周方向のエッジ部分から径方向外側に突出するように突起部134が形成される。図11(1)には、打撃アーム21が延びる方向と、出力軸18の軸方向を含む仮想面140に対してキャリア133は面対称になるように構成される。キャリア133をアンビル20に取り付けてロックリング38を取り付けると図11(2)のような位置関係となり、キャリア133の2つの切り欠き部135aのほぼ中央に係合ピン37a、37bが位置することになる。この際、係合ピン37a、37bは逃がし面20aによる平面のほぼ中央(上下方向に中央付近)に位置する。
図12は図11のキャリア133を用いた場合のハンマ22とアンビル20との位置関係を説明するための図であって、(1)は図5のB−B断面位置に相当する部分の断面図、(2)は図5のA−A断面位置に相当する部分の断面図である。図12(1)のようにハンマ22が回転すると、ハンマ爪23が打撃アーム21に衝突する前に突起部134に当接する(図中の矢印E付近参照)。この当接によってキャリア133はアンビル20とほぼ同期して回転する。しかしながら、キャリア133に製造ばらつきによるわずかなゆがみなどが生ずると、キャリア133が回転軸に対してわずかながら偏心してしまうことが有り、矢印Fで示すようにハンマ爪23の片側において突起部134と打撃面23cが接触していない状況が起こりうる。この場合、一方の係合部材(係合ピン)はロック解除したが他方の係合部材(係合ピン)はロックしたままとなることがあり、この結果、矢印E側のハンマ22によるキャリア133に対する打撃荷重が正常時の約2倍となってしまう。このため、キャリア133の破損防止や耐久性の確保のためには、キャリア133を十分な強度で製造することが必要となる。キャリア133の強度を十分確保するためには、キャリア133の肉厚を厚くする必要があり、このことは重量の増加や、ハウジングが太くなってしまう要因となる。
図12(2)はこの際のキャリア133とロックリング38との位置関係を示す図である。(1)の矢印E側部分が当たって矢印F側が当たらない片当たり現象が生ずる結果、(2)の矢印G付近にて隙間が空いてしまい、キャリア133がロックリング38に対してスムーズに回転しない状態が生ずる。この問題を避けるためにキャリア133、アンビル20、ロックリング38の加工精度を一層上げると共に組立精度を向上させることが考えられるが、その場合は製造コストの上昇につながってしまう。
図8は図11及び図12で生ずる問題を解決するためになされたものであって、キャリアを図11で示す仮想面140(打撃アーム21が延びる方向と、出力軸18の軸方向を含む面)にて分割して2つの部品(33a、33b)に分割し、分割したキャリア33a、33bを一組として一つのキャリア33を構成するようにした。2つの部品(33a、33b)は共に面対称(又は回転対称)の形状とすると、左右のどちら側にも使えるので、同一品を2個、対にして用いるようにすれば製造コスト的にも有利である。本実施例では、打撃アーム21を収容する切り欠き部35a、35c(図9で後述)を形成した。尚、分割のための仮想面の位置は、突起部134に差しかからない範囲であれば図11の仮想面140を多少周方向に多少ずらすことにより分割面をずらしても動作上はほとんど問題がない。
図8(2)はキャリア33a、33bと係合ピン37a、37bとロックリング38との位置関係を示す図である。この形状は図11(2)で示した状態とほぼ同じであるが、矢印CとDの付近に左右のキャリア33aと33bの分割面が位置する。この分割面においてはキャリア33aと33bはわずかながら離間するように構成するのが望ましいが、それぞれのキャリア33a、33bが独立して理想的な位置に移動することができるならば、矢印CとD付近において軽く接触するように構成しても良い。
図9は、キャリア33aの単体形状を示す図であり、(1)は径方向外側から見た斜視図であり、(2)は径方向内側から見た斜視図である。キャリア33aは金属製の一体成形にて製造され、半円筒形(円筒形部材を中心軸を通る面、即ち図11(1)の仮想面140で2分割したような形状)の基本形状において、半円筒形の周方向ほぼ中央付近において係合ピン37bを収容するための切り欠き部35dが形成される。周方向の2つのエッジ部分には、突起部34bがそれぞれ形成される。突起部34bは、切り欠き35a、35c部分を切り離して径方向外側に突出するように折り曲げたような形状であって、この結果、突起部34bに隣接して切り欠き部35a、35cが形成されたような形状となる。切り欠き部35a、35cは打撃アーム21を貫通させるスペースとなるものである。切り欠き部35a、35cには、ほぼ円形の穴35e、35fが形成される。この穴35e、35fは、突起部34aにかかる応力が、突起部34aの特定部分、すなわち切り欠き部35a、35cとの接続部分付近に集中することによるキャリア33aの破損を防止するものであって、穴35e、35fを適度の曲率半径Rを有するR形状とすることにより応力をうまく分散させることができる。
図10は図5のA−A断面位置におけるアンビル20と係合ピン37aの位置関係を説明するための図である。図7(4)のように、ハンマ22が回転しているときには、ハンマ爪23の打撃面23aが打撃アーム21の被打撃面21aを押すような形でアンビル20を回転させるため、アンビル20と係合ピン37aの位置関係は図10(1)のようになり、この位置が係合ピン37aによるロック解除位置となる。この状態では、係合ピン37aは逃がし面20aの上下方向(周方向)ほぼ中央に位置する、即ち、逃がし面20aの上下方向(周方向)幅を2cとすると、アンビル20と係合ピン37aの接触点72は上からc、下からcの位置に位置する。この状況では回転中心71から係合ピン37aの外周面までの最遠距離はR1となる。R1は、(アンビル20の半径−逃がし面20aの削り量+係合ピン37aの直径)となる。本実施例においては、R1がロックリング38の円筒部38dの内径よりも小さくなるように構成すれば、係合ピン37aはアンビル20及びキャリア33の回転を制限することがない。尚、インパクト工具1自体を回転させて、ねじ等を締め付けるだけでなく、緩める場合であっても同様にアンビル20の回転がロックされる。
図10(2)においては、矢印73のようにアンビル20が相対回転すると係合ピン37aは相対的に矢印74の方向に移動したことと同じ位置関係になり、この位置が係合ピン37aによるロック位置となる。その結果、係合ピン37aと逃がし面20aの接触する位置が、図10(1)の接触点72から図10(2)の接触点75に移動する。この結果、アンビル20の回転中心71から係合ピン37aの外周面への最遠距離が、(1)のR1からR2に変化する。このR2は図から理解できるように、R1<R2の位置関係になるため、ロックリング38の内径Rcを、R1<Rc<R2の関係になるようにそのサイズを設定すると、(2)のような係合ピン37aの相対位置関係の変化によって、係合ピン37aがロックリング38とアンビル20の逃がし面20aの端部間に食い込み、ロックリング38とアンビル20が一体になることにより出力軸のロック機構として動作する。つまり、作業者が、非稼働時のインパクト工具1自体を回転させるとアンビル20の回転がロックされたままとなるため、有効に手締め作業が行えることになる。
尚、インパクト工具1自体を回転させて、ねじ等を締め付けるだけでなく、緩める場合(インパクト工具1自体の回転方向が逆方向となる場合)であっても同様にアンビル20の回転がロックされる。以上説明したように本実施例では、モータ4を停止させて、ハンマ22の回転停止中にアンビル20をメインハウジング2に対して回転させると、逃がし面20aの中心位置が係合部材たる係合ピン37aと離れた際に、係合ピン37aはアンビル20の外周面とロックリング38の内周面により挟まれる。この結果アンビル20のロックリング38に対する相対回転を制限することになる。尚、図10では片側の係合ピン37aしか図示していないが、反対側の係合ピン37bにおいても同様の現象が生ずる。このように、インパクト工具1自体を回転させる手締め作業を行うと、ロックリング38の作用によってアンビル20がロックリング38に対して回転不能なようにロックされ、出力軸ロック機能が実現でき、容易に手締め作業を行うことができる。しかも、駆動源を用いた締め付け作業から手締め作業へ移行させる時に、作業者によるロック機構の操作レバーを操作する等の特別の操作は一切不要であって、単にインパクト工具1自体を回転させるだけで良いので、使い勝手のきわめてよい動力工具を実現できる。
この手締め作業が終わった後に、次のねじを締め付ける際には、トリガ6を引いてモータ4を回転させるが、図7(1)〜(3)のようにハンマ爪23がキャリア33aの突起部34a、34bを押すことにより、係合ピン37aのアンビル20に対する相対位置が、図7(1)の位置に戻ってフリー状態となるため(ロック解除)、モータ4による通常の締め付け作業には何ら影響することなく、従来通りの締め付け作業を行うことができる。
以上、本実施例のインパクト工具1によれば、アンビル20と出力軸18は一体構造で製造し、分割構成のキャリア33と係合ピン37a、37bを付加するだけで出力軸ロック機構を実現したので、アンビル20の形状を簡単にすることができ、ハンマ22の打撃エネルギーを先端工具に効率よく伝達することができる。また、アンビル20と出力軸18を一体構造で形成したので、ハンマ22による打撃時にアンビル20の被打撃面21a、21bから出力軸18に回転を伝達する際の衝撃音と振動を大幅に低減させることができる。また、キャリア33を分割して第1及び第2のキャリア部材にて構成したので、片側だけに2倍のトルクが掛かる恐れが排除できるため、一体型のキャリア部材に対して肉厚を薄くすることが可能となり、軽量で設置スペースを節約できるロック機構を実現できる。さらに、インパクト工具1は回動軸9を中心として、折り曲げることが可能であるので、本体を回転させて締め付け作業を行う際には、高いトルクを加えることが可能になる。
本実施例においては、モータ4による締め付けを行うために、ロックリング38と出力軸18が固定された状態から、締め付け方向に回転させる場合(手締め方向と逆方向)は、ハンマ22を回転させてキャリア33に最初に当接するだけでハウジング2bと出力軸18がフリー状態にして空転させることができるので、出力軸ロックを利用した手締め作業とモータ4による締め付け作業の切り替えを意図する必要がない。このように本実施例では、出力軸ロックスイッチ等を操作することなく、締め付けが完了してモータ4が停止した後に、インパクト工具1本体を締結部材の締め付け方向に回転させることにより、締結部材の増し締めや、締め付け確認を行うことができる。
以上、本発明を実施例に基づき説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば上記の実施例では動力工具の例として折り曲げタイプのものを用いて説明したが、折り曲げ機構を有しない動力工具においても同様に適用できる。また、上述の実施例ではメカニカル方式の打撃機構を有するインパクト工具を用いて説明したが、オイルパルス式のインパクト工具や、電子パルス方式のインパクト工具、ドライバドリルにも同様に本発明を適用できる。さらに、グラインダや丸のこ等の動力工具においても、先端工具を固定するナットを緩める際に出力軸が回ってしまわないようロックさせておくロック機構として、本願発明の構成を適用するように構成すれば、ハウジングを手で抑えるだけで出力軸をロックすることができる。
1 インパクト工具 2 メインハウジング
2b ハウジング 3 ハンドルハウジング
3a 開口部 4 モータ
4a 回転軸 6 トリガ
6a 腹部 7 トリガスイッチ
8 正逆切替レバー 9 回動軸
11 弾性体 11a、11b 滑り止め加工
12 突出部 13a、13b 弾性体
14 減速機構 15 太陽歯車
16 遊星歯車 17 内歯車
18 出力軸 18a 装着穴
18b 貫通孔 19 インパクト機構
20 アンビル 20a 逃がし面
20b 嵌合穴 21 打撃アーム(第2の突起部)
21a、21b 被打撃面 22 ハンマ
23 ハンマ爪(第1の突起部) 23a、23b 打撃面(第1の打撃面)
23c、23d 打撃面(第2の打撃面) 24 ハンマカム溝
25 スチールボール 26 カム溝
27 スプリング 28 スピンドル
28a (スピンドルの)嵌合軸 29a、29b 軸受
30a〜30d ネジ穴 31a〜31b ネジ穴
33 キャリア 33a キャリア(第1のキャリア部材)
33b キャリア(第2のキャリア部材) 34a、34b 突起部(第3の突起部)
34c 被打撃面 35a、35b、35c、35d 切り欠き部
35e、35f 穴 37a 係合ピン(第1の係合部材)
37b 係合ピン(第2の係合部材) 38 ロックリング
38a 円環部 38b 固定部
38d 円筒部 38e 円環部
40 装着部 41 スリーブ
42 ワッシャ 43 ボール
44 スプリング 45 リング
46 カバー 47 LED
48 フック穴 50 電池パック
51 ラッチ部 52 端子
53 ターミナル 54 基板
71 回転中心 72、73、75 接触点
133 キャリア 134 突起部
135a、135b 切り欠き部 140 仮想面

Claims (9)

  1. 駆動源によって回転される駆動部材と、
    前記駆動部材によって回転される出力軸と、
    前記出力軸と係合して前記出力軸を回転不能とするロック位置と、前記出力軸を回転可能とするロック解除位置との間で移動可能な第1及び第2の係合部材と、を備えた動力工具において、
    前記第1及び第2の係合部材の各々と係合する第1及び第2のキャリア部材を別個に設け、
    前記駆動源によって前記駆動部材が前記出力軸に対して回転すると、前記駆動部材が前記第1及び第2のキャリア部材と係合して前記第1及び第2の係合部材を前記ロック位置から前記ロック解除位置へと移動するよう構成したことを特徴とする動力工具。
  2. 駆動源と、前記駆動源によって回転されるハンマと、
    前記ハンマによって連続的に又は断続的に回転されるアンビルと、これらを収容するハウジングを有し、前記アンビルに接続される出力軸を回転させる動力工具において、
    前記アンビルと前記出力軸を一体に構成し、
    前記アンビルに対して同軸上で微小角だけ相対回転可能なように取り付けられ、前記出力軸を貫通させる筒状のキャリア部材と、
    前記キャリア部材の外周面を保持するロックリングを設け、
    前記アンビルの外周面の一部に平面状の逃がし面を形成し、
    前記キャリア部材の前記逃がし面と対向する位置に切り欠き部を形成し、
    前記切り欠き部に前記アンビルと前記ロックリングとの相対回転を制限する係合部材を設け、
    前記キャリア部材を、軸方向に平行かつ前記アンビルの被打撃面の延びる方向を含む面において分割して半円筒形状に形成したことを特徴とする動力工具。
  3. 前記キャリア部材は、前記アンビルの円筒状部分の外径よりわずかに大きい内径を有する半円筒形状の2つの部材を組み合わせたものであって、
    前記切り欠き部は2つの前記キャリア部材にそれぞれ形成され、
    前記係合部材は前記切り欠き部にそれぞれ一つずつ配置される円柱状の部材であって、その軸方向が前記出力軸の軸方向と平行になるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の動力工具。
  4. 分割された前記キャリア部材は、同一形状であることを特徴とする請求項3に記載の動力工具。
  5. 前記ハンマの回転停止中に前記アンビルを前記ハウジングに対して回転させると、前記逃がし面の中心位置が前記係合部材と離れた際に、前記係合部材が前記アンビルの外周面と前記ロックリングの内周面により挟まれることにより前記アンビルの前記ロックリングに対する相対回転が制限されることを特徴とする請求項4に記載の動力工具。
  6. 前記キャリア部材は、前記半円筒形の部分から径方向に延び、前記アンビルの被打撃面の延びる方向と並行に突出する突起部を有し、
    前記突起部は前記駆動源の回転時に前記ハンマのハンマ爪と当接することにより、前記キャリア部材を前記アンビルに対してわずかに移動させ、
    移動される前記キャリア部材に前記係合部材が接触することにより前記係合部材が前記逃がし面の中央に位置するように保持されることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の動力工具。
  7. 前記切り欠き部は、前記半円筒形の軸方向一方側から他方側に凹状に切り欠かれたものであって、
    前記半円筒形の他方側の周方向に離れた2箇所に前記アンビルの打撃アームを収容する第2の切り欠き部を形成し、
    前記突起部は、前記第2の切り欠き部の周方向縁部から径方向に突出する形状であることを特徴とする請求項6に記載の動力工具。
  8. 前記ハンマ爪には、前記アンビルを打撃する第1の打撃面と、前記キャリア部材の突起部に接する第2の打撃面が形成され、
    前記キャリア部材の突起部は、前記第2の打撃面にそれぞれ対応する位置に設けられることを特徴とする請求項7に記載の動力工具。
  9. 前記ハンマを回転させると、前記第2の打撃面が前記キャリア部材の突起部に最初に当接して押圧することにより前記キャリア部材を回転方向にわずかに回転させ、その後に前記第1の打撃面が前記打撃アームに当接することによりアンビルが回転することを特徴とする請求項8に記載の動力工具。
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