JP2014161889A - レーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ発振装置の機差によるレーザビームのモード形状のばらつきを低減することにより、レーザ加工装置による被加工物の加工の精度を向上させる。
【解決手段】レーザ発振装置と、レーザ発振装置から射出されたレーザビームのプロファイルを変換して加工用ビームを生成する光学システムと、加工用ビームを被加工物に照射して加工する加工ヘッドとを具備し、光学システムが、レーザビームをそれぞれ別の光路を進む第一および第二サブビームを含む2つ以上のサブビームに分割するビーム分割手段と、第一サブビームのプロファイルが第二サブビームのプロファイルに対して角度を有するように、少なくとも第一サブビームのプロファイルを光軸に対して回転させるビーム回転手段と、プロファイルが回転された第一サブビームを第二サブビームと同一の光路を進むように合成するビーム合成手段とを備える、レーザ加工装置。
【選択図】図1
【解決手段】レーザ発振装置と、レーザ発振装置から射出されたレーザビームのプロファイルを変換して加工用ビームを生成する光学システムと、加工用ビームを被加工物に照射して加工する加工ヘッドとを具備し、光学システムが、レーザビームをそれぞれ別の光路を進む第一および第二サブビームを含む2つ以上のサブビームに分割するビーム分割手段と、第一サブビームのプロファイルが第二サブビームのプロファイルに対して角度を有するように、少なくとも第一サブビームのプロファイルを光軸に対して回転させるビーム回転手段と、プロファイルが回転された第一サブビームを第二サブビームと同一の光路を進むように合成するビーム合成手段とを備える、レーザ加工装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザビームを用いて被加工物を加工するレーザ加工装置に関し、特に、穴加工に最適なプロファイルを有する加工用ビームを生成する技術に関する。
近年の電子部品等の小型化、高集積化、複合モジュール化に伴い、部品を構成する基材の加工にも高度な精密さが要求されるようになってきた。例えば、穴加工により形成される凹部や貫通孔の直径は、小径化が進んでおり、従来の方法では、加工の精度を確保することが困難である。そこで、レーザビームを被加工物に照射して加工する方法の重要性が高まってきている。
図5に、従来のレーザ加工装置の構成を示す。レーザ加工装置200は、レーザ発振装置201と、レーザビーム202を被加工物215まで導く光路を形成する光学システムと、被加工物215にレーザビーム202を照射する加工ヘッドと、で構成されている。加工ヘッドは、ガルバノスキャナや、fθレンズ212により構成されている。ガルバノスキャナは、加工用ビームをX軸、Y軸方向に走査させるガルバノミラー210、211を具備する。ガルバスキャナの駆動やレーザ発振装置201の出力は、制御コントローラ214により制御可能である。
レーザ発振装置201から射出されたレーザビーム202は、複数のミラー203A〜203Eで反射された後、マスク207により外形や大きさが成形され、その後、加工ヘッドを介して被加工物215に照射される。これにより、被加工物215には、成形されたレーザビームの加工点220の外径や大きさに応じた穴が形成される。ここで、被加工物215に形成される穴は、通常、トップ形状およびボトム形状が真円であることが好ましい。しかし、レーザビーム202は、レーザ発振装置201に固有のモード形状216を有することから、穴の形状が真円にならないこともある。例えば、トップ形状は真円になるものの、ボトム形状は楕円になることが多い。
そこで、レーザビームのモード形状を制御するための技術が、従来から、種々提案されている。例えば、レーザビームを複数のサブビームに分割し、分割されたサブビームを再合成することにより、ビームの出力強度を平準化することが提案されている(特許文献1参照)。また、レーザビームを、中心部と外輪部とに分割するとともに、シャッターの開閉により、中心部のビームと、外輪部のビームと、中心部と外輪部とが合わさったビームとの3種類を使い分けることが提案されている(特許文献2参照)。
一方、レーザビームを分割するのではなく、カライド反射鏡を用いることにより、レーザビームの強度分布を均一化することも提案されている(特許文献3参照)。
特許文献1は、単にレーザビームを複数のサブビームに分割し、その後、分割されたサブビームを再合成することで、ビームの出力強度を平準化しようとするものである。また、特許文献2は、レーザビームを中心部と外輪部とに分割するとともに、シャッターの開閉により、3種類のレーザビームを使い分けようとするものである。よって、いずれの場合にも、レーザ発振装置自身の機差により、レーザビームのモード形状がばらつく場合には、その影響を除くことが困難である。
また、特許文献3は、カライド反射鏡による多重反射を利用するものであるため、反射鏡の形状の最適設計が必要であるとともに、ビーム損失が比較的大きくなるという欠点がある。
上記に鑑み、本発明は、レーザ発振装置の機差によるレーザビームのモード形状のばらつきを低減することにより、レーザ加工装置による被加工物の加工(特に穴加工)の精度を向上させることを目的とする。
本発明の一局面は、レーザ発振装置と、前記レーザ発振装置から射出されたレーザビームのプロファイルを変換して加工用ビームを生成する、光学システムと、前記加工用ビームを被加工物に照射して加工する、加工ヘッドと、を具備する、レーザ加工装置に関する。
前記光学システムは、前記レーザビームを、それぞれ別の光路を進む、第一サブビームおよび第二サブビームを含む2つ以上のサブビームに分割する、ビーム分割手段と、前記第一サブビームのプロファイルが前記第二サブビームのプロファイルに対して角度を有するように、少なくとも前記第一サブビームのプロファイルを、光軸(伝搬軸)に対して、回転させる、ビーム回転手段と、前記プロファイルが回転された第一サブビームと、前記第二サブビームとを、同一の光路を進むように合成する、ビーム合成手段と、を備える。
第一サブビームおよび第二サブビームは、分割により生成した2つ以上のサブビームから任意に選択されるサブビームの対である。
ビーム回転手段は、第一サブビームのプロファイルだけを回転させるものでもよいが、第二サブビームのプロファイルを回転させてもよい。ただし、第一サブビームのプロファイルが、第二サブビームのプロファイルに対して角度を有するように、回転を制御する。すなわち、回転手段を経由した第一サブビームと第二サブビームとは、第一サブビームの回転角をθ1、第二サブビームの回転角をθ2とするとき、0°<θ1≦180°、0°≦θ2≦180°、θ1≠θ2の関係を有する。第一サブビームのプロファイルだけを回転させる場合、θ2=0°である。これにより、同一の光路を進むように第一サブビームと第二サブビームとを合成すると、一方のプロファイルは他方のプロファイルを光軸に対して回転させた状態となり、合成されたビームのプロファイルが平準化される。
本発明のレーザ加工装置によれば、レーザ発振装置の機差によるレーザビームのモード形状のばらつきを低減することが可能となり、被加工物の安定かつ良好な加工が可能となる。
本発明のレーザ加工装置は、板状材料などの被加工物を加工するための装置であり、レーザビームを射出するレーザ発振装置と、レーザ発振装置から射出されたレーザビームのプロファイルを変換して加工用レーザビームを生成する光学システムと、加工用レーザビームを被加工物に照射して加工する加工ヘッドと、を具備する。
レーザ発振装置は、特に限定されないが、スラブ型の増幅器を具備する装置から射出するレーザビームはプロファイルに非対称性を生じやすい。よって、モード形状のばらつきを抑制する必要性が高い。ここで、レーザビームのプロファイルとは、ビームの光軸に対して垂直な断面におけるエネルギー強度分布を意味する。
光学システムは、レーザ発振装置から射出されたレーザビームを、それぞれ別の光路を進む、第一サブビームおよび第二サブビームを含む2つ以上のサブビームに分割するビーム分割手段を具備する。また、光学システムは、第一サブビームのプロファイルが第二サブビームのプロファイルに対して角度を有するように、少なくとも第一サブビームのプロファイルを光軸に対して回転させるビーム回転手段を具備する。更に、光学システムは、プロファイルが回転された第一サブビームと、第二サブビームとを、同一の光路を進むように合成するビーム合成手段を備える。
上記光学システムを更に具体的に説明すると、ビーム分割手段での分割により生成した一対のサブビームは、同一平面内で、別々の光軸方向a1、a2の光路を進行する。ここで、両方の光軸を含む上記平面に垂直かつa1、a2に垂直な方向をbとする。また、a1とbに垂直な方向をc1とし、a2とbに垂直な方向をc2とする。ビーム回転手段により、光軸方向a1のサブビームのプロファイルを光軸に対して回転すると、そのサブビームをその光軸方向a1から見たときのプロファイル(c1−b座標におけるプロファイル)は、他方のサブビームをその光軸方向から見たときのプロファイル(c2−b座標におけるプロファイル)と異なるエネルギー分布を有することになる。その後、プロファイルが回転された第一サブビームと、元のプロファイルを有する第二サブビームとは、ビーム合成手段により、それぞれが同一の光路を進むように再合成される。これにより、再合成により生成する加工用ビームのプロファイルは、オリジナルのレーザビームのプロファイルよりも平準化されたエネルギー分布を有するようになる。
好ましい一形態において、ビーム分割手段は、レーザビームを、それぞれ別の光路を進む第一サブビームと第二サブビームとに2分割する。このとき、第一サブビームと第二サブビームの強度は、同じでもよく、異なってもよい。そして、ビーム回転手段は、第一サブビームのプロファイルだけを、光軸に対して、任意の角度θ1(0°<θ1≦180°)だけ回転させる。
角度θ1は約90°であることが好ましい。約90°の回転角θ90は、(90−α)°≦θ90≦(90+α)°と表すことができる。このとき、αの範囲は、ビーム回転手段の状態等により生じる誤差であり、例えば0°≦α≦10°である。
ビーム回転手段に導入される第一サブビームの光軸方向がX1方向であるとき、ビーム回転手段は、例えば、第一サブビームを、X1方向と直行するZ方向に反射させる第一のミラーと、第一のミラーにより反射された第一サブビームを、X1方向およびZ方向の両方と直交するY1方向に反射させる第二のミラーと、を含む。このようなビーム回転手段は、第一サブビームのプロファイルだけを、光軸に対して、約90°回転させるのに適している。
上記構成によれば、簡易な構造を有する光学システムにより、レーザ発振装置の機差によるレーザビームのプロファイルのばらつきを低減することが可能となる。
好ましい別の一形態において、ビーム分割手段は、レーザビームを、それぞれ別の光路を進むN個(3≦N)のサブビームに分割する。このとき、N個のサブビームの強度は、同じでもよく、異なってもよい。そして、ビーム回転手段は、N個のサブビームから選択されるN−1のサブビームのプロファイルを、光軸に対して、それぞれ異なる角度θm(0<θm<180、1≦m≦N−1)回転させる。このとき、角度θmのピッチ:θm−θm-1は、一定であることが好ましい。
90°以外の任意の角度θmだけサブビームのプロファイルを回転させる場合、ビーム回転手段は、例えば、第一サブビームを、X1方向と直行するZ方向に反射させる第一のミラーと、第一のミラーにより反射された第一サブビームを、Z方向と直交し、かつX方向と角度θnを成すY1´方向に反射させる第二のミラーとを含む。ここで、角度θnは角度θmと一対一の対応関係を有する90°以外の角度である。
ビーム分割手段には、様々なビームスプリッターを用いることができる。また、ビーム分割手段に含まれるビームスプリッターの数は、特に限定されない。例えば、ビーム分割手段が、レーザビームを2分割するビームスプリッターを複数含む場合、第一のビームスプリッターにより、レーザビームを2分割した後、そのうちの一方を、第二のビームスプリッターにより、更に2分割することにより、3つのサブビームを生成することができる。また、第一のビームスプリッターにより、レーザビームを強度が1:2となるように第一サブビームと第二サブビームに2分割した後、第二のビームスプリッターにより、第二サブビームを同じ強度の第二Aサブビームと第二Bサブビームとに2分割することにより、3つの同じ強度のサブビームを生成することもできる。すなわち、レーザビームを2分割するビームスプリッターを複数組み合わせることにより、任意の数のサブビームを生成することができる。
ビームスプリッターは、ビーム(光束)を2つ以上に分割する素子であればよい。ビームスプリッターは、例えば、自身に入射した光の一部を反射し、一部を透過させる。
レーザビームを同じ強度の第一ビームと第二ビームとに分割する場合には、反射光と透過光の強度がほぼ同じハーフミラーを用いればよい。また、レーザビームを円偏光に変換する波長板もしくはフェーズリターダと、円偏光をs偏光とp偏光とに分割する第一の薄膜偏向子(TFP)と、の組み合わせを用いることもできる。このとき、ビーム合成手段は、s偏光とp偏光とを合成する第二の薄膜偏向子TFPを含むことが好ましい。
光学システムには、合成により得られたレーザビームにおけるサブビーム同士の重なり具合をモニタリングするビームプロファイラーを設けることが好ましい。そして、モニタリングの結果に応じて、合成される前の、第一サブビームおよび第二サブビームから選択される少なくとも1つの光路を、光学システムに設けられたアダプティブミラーにより調整することが好ましい。これにより、最適な合成状態を達成することが可能である。
サブビーム同士の重なり具合をモニタリングする方法は、特に限定されないが、例えば、合成により得られた加工用ビームを、主ビームと参照ビームとに分割し、参照ビームのプロファイルを、ビームプロファイラーにより測定すればよい。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら、更に詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本発明を限定するものではない。
図1は、本実施形態に係るレーザ加工装置100の概略構成を示している。レーザ発振装置101から出射されたビームプロファイル116Aを有するオリジナルのレーザビーム102は、反射ミラー103Aにより、ビーム分割手段を構成する波長板(またはフェーズリターダ)104に向けて全反射される。そして、レーザビーム102は、波長板104を透過することにより、円偏光のビーム102Aに変換される。次に、ビーム102Aは、ビーム分割手段を構成する第一の薄膜偏光子(TFP−A)105Aにより、第一サブビーム102Bと第二サブビーム102Cの2つに分割される。このとき、TFP−A105Aにより反射された第二サブビーム102Cは、Y方向に向かって進行する。一方、第一サブビーム102Bは、Y方向と直交するX方向に向かって進行する。
図1は、本実施形態に係るレーザ加工装置100の概略構成を示している。レーザ発振装置101から出射されたビームプロファイル116Aを有するオリジナルのレーザビーム102は、反射ミラー103Aにより、ビーム分割手段を構成する波長板(またはフェーズリターダ)104に向けて全反射される。そして、レーザビーム102は、波長板104を透過することにより、円偏光のビーム102Aに変換される。次に、ビーム102Aは、ビーム分割手段を構成する第一の薄膜偏光子(TFP−A)105Aにより、第一サブビーム102Bと第二サブビーム102Cの2つに分割される。このとき、TFP−A105Aにより反射された第二サブビーム102Cは、Y方向に向かって進行する。一方、第一サブビーム102Bは、Y方向と直交するX方向に向かって進行する。
その後、第一サブビーム102Bは、ビーム回転手段を構成する反射ミラー103B(第一のミラー)により、X方向と直行するZ方向(図1では上方)に向かって反射され、続いて、ビーム回転手段を構成する反射ミラー103C(第二のミラー)により、X方向およびZ方向の両方と直交するY方向に向かって反射される。これにより、第一サブビーム102Bのプロファイルは、その光軸に対して90度回転する。以下、90度回転したプロファイル116Bを有する第一サブビームを、サブビーム102Dと称する。
サブビーム102Dは、反射ミラー103D、103Eによる同一面内への反射を経た後、ビーム合成手段を構成する第二の薄膜偏光子(TFP−B)105Bに向かって進行する。一方、第二サブビーム102Cは、プロファイル116Aを有したままで、アダプティブミラー106により反射され、TFP−B105Bに向かって進行する。そして、TFP−B105Bにより、サブビーム102Dと第二サブビーム102Cとの合成が行われ、プロファイル116Cを有する加工用ビーム102Eが生成する。
合成により生成した加工用ビーム102Eは、マスク107を通過した後、ビームスプリッター108に向かって進行する。ビームスプリッター108では、加工用ビーム102Eが、それぞれ同様のプロファイルを有する主ビーム102E1と参照ビーム102E2とに分割される。参照ビーム102E2のプロファイルは、ビームプロファイラー109により測定される。そして、参照ビーム102E2の位置データをもとに、アダプティブミラー106を駆動して、第二サブビーム102Cの光軸を動かし、合成状態を調整する。具体的には、参照ビーム102E2の大きさや形を観察しながら、アダプティブミラー106を手動もしくは自動で制御して、合成状態を調整する。
アダプティブミラー106を制御する場合には、アダプティブミラー106とプロファイラー109を、所定の位置調整コントローラ113に接続する。位置調整コントローラ113は、CPU、MPUもしくはマイクロコンピュータ、記憶装置、各種インターフェースなどから構成することができる。ビームプロファイラー109の測定結果を位置調整コントローラ113にフィードバックすることにより、アダプティブミラー106を適正に制御することが可能である。
合成状態は、以下のように、第一サブビーム102Bもしくはサブビーム102Dの光路に設けられた光シャッター128Aと、第二サブビーム102Cの光路に設けられた光シャッター128Bとを利用して行うこともできる。具体的には、シャッター128Bを閉じ、シャッター128Aを開くことにより、サブビーム102Dだけを、TFP−B105Bに到達させ、マスク107を通過させ、ビームプロファイラー109に到達させて、サブビーム102Dの位置を測定する。次に、シャッター128Bを開き、シャッター128Aを閉じることにより、第二サブビーム102CだけをTFP−B105Bに到達させ、マスク107を通過させ、ビームプロファイラー109に到達させて、第二サブビーム102Cの位置を測定する。そして、サブビーム102Dと第二サブビーム102Cとの位置の差分を、アダプティブミラー106で調整する。
また、TFP−Aを除去した状態で、ビームプロファイラー109によりビームの位置、大きさ、形などを確認することも有効である。そして、ビームの位置、大きさ、形などが適正であると判断された後に、TFP−Aを光路に差し込み、ビームプロファイラー109によりビームの位置、大きさ、形などを再確認することで、より効率的に、合成状態を制御することもできる。
その後、加工用ビーム102E(主ビーム102E1)は、反射ミラー103Eで反射された後、加工ヘッドを構成するガルバスキャナにより走査され、位置決めされる。ガルバスキャナは、主ビーム102E1をX軸方向にスキャンするためのガルバノミラー110とY軸方向にスキャンするためのガルバノミラー111により構成されている。ガルバノスキャナにより位置決めされた主ビーム102E1は、加工ヘッドを構成するfθレンズ112で集光され、被加工物115の加工点120に照射され、被加工物115の加工が行われる。
ガルバスキャナを構成するガルバノミラー110、111は、制御コントローラ114により制御される。制御コントローラ114は、CPU、MPUもしくはマイクロコンピュータ、記憶装置、各種インターフェースなどで構成することができる。
次に、上記実施形態に係る光学システム内におけるビームプロファイルの変遷について、図2Aおよび図2Bを参照しながら説明する。
レーザ発振装置101により射出されたオリジナルのレーザビーム102のプロファイルは、図2B(a)に示すように、縦方向のモード形状と横方向のモード形状とが異なる略楕円形状である。レーザビーム102は、図2Aに示すように、波長板104を透過した後、TFP−A105により第一サブビーム102Bと第二サブビーム102Cとに2分割される。2分割された直後は、第一サブビーム102Bと第二サブビーム102Cのプロファイルは、同様である。
その後、第一サブビーム102Bは、ビーム回転手段を構成する反射ミラー103B(第一のミラー)および反射ミラー103C(第二のミラー)により、二度にわたって反射され、そのプロファイルが光軸に対して90度回転し、サブビーム102Dに変換される。一方、第二サブビーム102Cは、元のプロファイルのまま、アダプティブミラー106に反射される。そして、サブビーム102Dは、TFP−B105Bにより、第二サブビーム102Cと合成される。合成により生成する加工用ビーム102Eのプロファイルは、図2B(b)に示すように、縦方向と横方向のモード形状が、ほぼ同様となり、エネルギーの分布状態は平準化される。
図3Aは、平準化されていないレーザビームのプロファイル(a)、そのビームにより加工された穴の断面形状(b)、ならびに、同穴のトップ形状とボトム形状(c)を示している。fθレンズ212で集光されたビームが被加工物215に照射されると、加工点220の照射形状に沿って被加工物215が焼失し、穴が形成される。このとき、穴の形状は、照射されたビームのプロファイルを反映している。
加工点220には、オリジナルのレーザビーム102のプロファイルがそのまま反映される。オリジナルのレーザビーム102のプロファイルは、図3A(a)に示すように、縦方向のモード形状と横方向のモード形状が大きく異なっている。穴のトップ付近では、高いエネルギーのビームが被加工物215に照射されるため、図3A(c)に示すように、トップ形成124は真円に近い形状となる。一方、穴のボトム付近では、ボトム形状125にビームのプロファイルが反映されやすく、楕円形状となりやすい。
一方、図3Bは、本実施形態に係るレーザ加工装置を用いた場合の、加工用ビーム102Eのプロファイル(a)、そのビームにより加工された穴の断面形状(b)、ならびに、同穴のトップ形状とボトム形状(c)を示している。加工点120には、図3B(b)に示すような加工用ビーム102Eのプロファイルが反映される。図3B(b)では、縦方向のモード形状と横方向のモード形状が、ほぼ同様である。よって、穴のトップ形成126およびボトム形状127は、いずれも、図3B(c)に示すように、真円形状となりやすい。
上記実施形態では、レーザビームを2分割した後、一方のサブビームのプロファイルを90度回転させる場合について説明したが、レーザビームの分割や回転の仕方はこれに限定されない。また、合成されたレーザビームを更に2以上に分割し、そのうちの少なくとも1つのプロファイルを回転させてもよい。例えば、上記実施形態で得られる加工用レーザビーム102Eを、サブビーム102E3とサブビーム102E4とに2分割し、一方のサブビームのプロファイルを約45度回転させ、その後、サブビーム102E3とサブビーム102E4とを合成することもできる。これにより、図4に示すように、エネルギーの分布状態が更に平準化された良好な加工用ビーム102Fを得ることができる。約45°の回転角θ45は、(45−β)°≦θ45≦(45+β)°と表すことができる。βの範囲は、ビーム回転手段の状態等により生じる誤差であり、例えば、0°≦β≦5°であることが好ましい。
上記実施形態では、各サブビームをそのまま合成する場合について説明したが、少なくとも1つのサブビームの出力を、アッテネータ(NDフィルターなどの減衰器)を用いて任意に調整してもよい。このように、サブビームの出力を調整することで、加工用ビームのエネルギー密度の分布を、より精密に制御することが可能となり、所望のエネルギー密度を有するプロファイルを実現することが容易となる。
なお、波長板104を手動または自動で回転させることにより、加工用ビームの楕円率を制御することもできる。これにより、加工により形成される穴のトップ形状やボトム形状を任意に変化させることが可能となる。波長板104の回転は、例えば、位置調整コントローラ113により制御すればよい。
本発明のレーザ加工装置によれば、加工用ビームのプロファイルもしくはモード形状を任意に制御することが可能である。従って、レーザ発振装置の機差による加工の不具合を克服することが可能となり、被加工物に良好かつ安定な加工を施すことができる。なお、レーザ加工の被加工物としては、例えば、電子部品や電子デバイスに用いる樹脂基板などを例示することができる。
100,200:レーザ加工装置、101,201:レーザ発振器、102,102A〜F:レーザビーム、103A〜103F,203A〜203E:反射ミラー、104:波長板、105A:TPF−A、105B:TFP−B、106:アダプティブミラー、107,207:マスク、108:ビームスプリッター、109:ビームプロファイラー、110,210:X軸ミラー、111,211:Y軸ミラー、112,212:fθレンズ、113:位置調整コントローラ、114,214:制御コントローラ、115,215:被加工物、116A〜116C,216:ビームプロファイル、120,220:加工点、124,126:トップ穴形状、125,127:トップ穴形状
Claims (9)
- レーザ発振装置と、
前記レーザ発振装置から射出されたレーザビームのプロファイルを変換して加工用ビームを生成する、光学システムと、
前記加工用ビームを被加工物に照射して加工する、加工ヘッドと、を具備し、
前記光学システムが、
前記レーザビームを、それぞれ別の光路を進む、第一サブビームおよび第二サブビームを含む2つ以上のサブビームに分割する、ビーム分割手段と、
前記第一サブビームのプロファイルが前記第二サブビームのプロファイルに対して角度を有するように、少なくとも前記第一サブビームのプロファイルを、光軸に対して、回転させる、ビーム回転手段と、
前記プロファイルが回転された第一サブビームと、前記第二サブビームとを、同一の光路を進むように合成する、ビーム合成手段と、を備える、レーザ加工装置。 - 前記ビーム分割手段が、前記レーザビームを、前記第一サブビームと前記第二サブビームとに2分割し、
前記ビーム回転手段が、前記第一サブビームのプロファイルだけを、光軸に対して、(90−α)°〜(90+α)°(0≦α≦10)回転させる、請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記ビーム回転手段に導入される前記第一サブビームの進行方向がX方向であるとき、
前記ビーム回転手段は、
前記第一サブビームを、前記X方向と直行するZ方向に反射させる、第一のミラーと、
前記第一のミラーにより反射された前記第一サブビームを、前記X方向および前記Z方向の両方と直交するY方向に反射させる、第二のミラーと、を含む、請求項2に記載のレーザ加工装置。 - 前記ビーム分割手段が、前記レーザビームを、それぞれ別の光路を進む、前記第一サブビームおよび前記第二サブビームを含むN個(3≦N)のサブビームに分割し、
前記ビーム回転手段が、前記N個のサブビームから選択されるN−1個のサブビームのプロファイルを、光軸に対して、それぞれ異なる角度θm(0<θm<180、1≦m≦N−1)回転させる、請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記角度θmのピッチ:θm−θm-1が一定である、請求項4に記載のレーザ加工装置。
- 前記ビーム分割手段が、
前記レーザビームを円偏光に変換する波長板と、
前記円偏光を、s偏光とp偏光とに分割する、第一の薄膜偏光子(TFP)と、を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。 - 前記ビーム合成手段が、前記s偏光と前記p偏光とを合成する、第二の薄膜偏光子(TFP)を含む、請求項6に記載のレーザ加工装置。
- 合成される前の、前記第一サブビームおよび前記第二サブビームから選択される少なくとも1つの光路を調整する、アダプティブミラーを具備する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
- 合成により得られた前記加工用ビームを、主ビームと、合成状態を確認するための参照ビームと、に分割する、ビームスプリッターと、
前記参照ビームのプロファイルを測定する、ビームプロファイラーと、を具備する、請求項8に記載のレーザ加工装置。
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JP2013035842A Pending JP2014161889A (ja) | 2013-02-26 | 2013-02-26 | レーザ加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014161889A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11690278B2 (en) | 2018-09-11 | 2023-06-27 | Samsung Display Co., Ltd. | Laser ablation apparatus and method of manufacturing display device |
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2013
- 2013-02-26 JP JP2013035842A patent/JP2014161889A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11690278B2 (en) | 2018-09-11 | 2023-06-27 | Samsung Display Co., Ltd. | Laser ablation apparatus and method of manufacturing display device |
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