JP2014161709A - 超音波トランスデューサーデバイス、ヘッドユニット、プローブ及び超音波画像装置 - Google Patents

超音波トランスデューサーデバイス、ヘッドユニット、プローブ及び超音波画像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】切り替えスイッチを用いずに送受信の感度を向上できる超音波トランスデューサーデバイス、ヘッドユニット、プローブ及び超音波画像装置等を提供すること。
【解決手段】超音波トランスデューサーデバイス200は、第1〜第kの素子群EG1〜EG4を有する超音波トランスデューサー素子アレイ100と、信号の受信及び送信の少なくとも一方を行う制御部に接続される第1信号端子XAiと、第2信号端子CAiと、を含む。各素子群EGtに含まれる複数の超音波トランスデューサー素子UEt1〜UEt3は、各素子群EGt内において電気的に直列接続される。第1〜第kの素子群EG1〜EG4は、第1信号端子XAiと第2信号端子CAiとの間に電気的に並列接続される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、超音波トランスデューサーデバイス、ヘッドユニット、プローブ及び超音波画像装置等に関する。
プローブ先端から対象物に向かって超音波を出射し、その対象物から反射された超音波を検出する超音波画像装置(例えば特許文献1)が知られている。例えば、患者の体内を映像化して診断に用いる超音波診断装置などとして用いられている。超音波を送信・受信する超音波トランスデューサー素子として、例えば圧電素子が用いられている。
特開2011−50571号公報
特許文献1の超音波プローブでは、超音波トランスデューサー素子を並べた超音波トランスデューサーアレイを用いた超音波の送受信で、送信時と受信時において超音波トランスデューサー素子の接続関係を直列と並列との間でスイッチ回路によって切り替えることにより送受信の感度を向上させている。しかしながら、切り替えのためのスイッチ回路やそのための配線が複雑になるという課題がある。
本発明の幾つかの態様によれば、切り替えスイッチを用いずに送受信の感度を向上できる超音波トランスデューサーデバイス、ヘッドユニット、プローブ及び超音波画像装置等を提供できる。
本発明の一態様は、第1の素子群〜第kの素子群(kはk≧2の自然数)を有する超音波トランスデューサー素子アレイと、信号の受信及び送信の少なくとも一方を行う制御部に接続される第1信号端子と、前記第1信号端子と前記超音波トランスデューサー素子アレイを介して接続される第2信号端子と、を含み、前記第1の素子群〜前記第kの素子群の各素子群に含まれる複数の超音波トランスデューサー素子は、前記各素子群内において電気的に直列接続され、前記第1の素子群〜前記第kの素子群は、前記第1信号端子と前記第2信号端子との間に電気的に並列接続される超音波トランスデューサーデバイスに関係する。
本発明の一態様によれば、第1の素子群〜第kの素子群が第1信号端子と第2信号端子との間に電気的に並列接続され、その各素子群に含まれる複数の超音波トランスデューサー素子は、各素子群内において電気的に直列接続される。これにより、切り替えスイッチを用いずに超音波の送受信の感度を向上することが可能となる。
また本発明の一態様では、前記第1信号端子は、信号の受信及び送信を行う前記制御部に接続されていてもよい。
このようにすれば、制御部が、第1信号端子を介して信号の受信及び送信を行うことができ、超音波の送受信を行うことが可能となる。
また本発明の一態様では、電気的に直列接続される前記複数の超音波トランスデューサー素子は、スキャン方向である第1の方向に並んで配置されていてもよい。
このようにすれば、スキャン方向である第1の方向に並んで配置される複数の超音波トランスデューサー素子から同一位相・同一振幅の超音波を出射することが可能となるので、スキャン方向におけるビームプロファイルを改善することが可能となる。
また本発明の一態様では、前記第1の素子群〜前記第kの素子群は、前記第1の方向に交差する第2の方向に並んで配置されていてもよい。
このようにすれば、第1の方向に交差する第2の方向に並んで配置された第1の素子群〜第kの素子群によってチャンネルを構成でき、そのチャンネルを複数配置して送受信を制御することによりスキャン動作を行うことが可能となる。
また本発明の一態様では、前記各素子群は、前記複数の超音波トランスデューサー素子として第1の超音波トランスデューサー素子〜第jの超音波トランスデューサー素子を有し、前記第1の超音波トランスデューサー素子〜前記第jの超音波トランスデューサー素子の各超音波トランスデューサー素子は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に設けられるトランスデューサー部と、を有し、前記第1の超音波トランスデューサー素子の前記第1の電極は、前記第1信号端子に接続され、前記第1の超音波トランスデューサー素子の前記第2の電極は、前記第1の超音波トランスデューサー素子〜前記第jの超音波トランスデューサー素子のうち第2の超音波トランスデューサー素子の前記第1の電極に接続されてもよい。
また本発明の一態様では、前記第1の超音波トランスデューサー素子〜前記第jの超音波トランスデューサー素子のうち第j−1の超音波トランスデューサー素子の前記第2の電極は、前記第jの超音波トランスデューサー素子の前記第1の電極に接続され、前記第jの超音波トランスデューサー素子の前記第2の電極は、前記第2信号端子に接続されてもよい。
このようにすれば、第1の超音波トランスデューサー素子〜第jの超音波トランスデューサー素子を第1信号端子と第2信号端子との間に直列接続できる。また、第1信号端子と第1の電極を接続する配線の抵抗や第2信号端子と第2の電極を接続する配線の抵抗により送信信号の位相遅延が生じる可能性があるが、本発明の一態様によれば、第1信号端子と第2信号端子との間に複数の超音波トランスデューサー素子が直列接続されるため、素子群内での位相遅延を抑制できる。
また本発明の一態様では、前記第1の方向に交差する第2の方向に形成され、前記第1信号端子に接続される第1信号電極線と、前記第2の方向に形成され、前記第2信号端子に接続される第2信号電極線と、を含み、前記第1の素子群〜前記第kの素子群は、前記第1信号電極線と前記第2信号電極線との間に共通接続されてもよい。
このようにすれば、第1の方向に交差する第2の方向に形成される信号電極線とコモン電極線との間に、第2の方向に配置される複数の素子群を接続できる。これにより、チャンネルの素子群を効率よくレイアウト配置することが可能となる。
また本発明の一態様では、スキャン方向である第1の方向に交差する第2の方向に並んで配置されている前記第1の素子群〜前記第kの素子群と、前記第1信号端子と、前記第2信号端子とを含んで構成されるチャンネルが、前記第1の方向に並んで2つ配置され、前記制御部は、前記2つのチャンネルの各チャンネルの前記第1信号端子に対して前記信号の受信及び送信の少なくとも一方を行ってもよい。
このようにすれば、第1の素子群〜第kの素子群と第1信号端子と第2信号端子とを含んで構成されるチャンネルが少なくとも2つ配置される。これにより、複数のチャンネルを1つの共通の第2信号端子に接続した場合に比べて電極線の配線抵抗を低減でき、電極線の配線抵抗による送信信号の遅延等を抑制できる。また、各チャンネルで第2信号端子を分けることで、第2信号端子やそれに接続する第2電極線を介したチャンネル間のクロストークを抑制できる。
また本発明の他の態様は、超音波トランスデューサー素子アレイと、信号の受信及び送信の少なくとも一方を行う制御部に接続される第1信号端子と、前記第1信号端子と前記超音波トランスデューサー素子アレイを介して接続される第2信号端子と、を含み、前記超音波トランスデューサー素子アレイは、1又は複数の素子群を有し、前記1又は複数の素子群の各素子群は、スキャン方向である第1の方向に並んで配置される、電気的に直列接続される複数の超音波トランスデューサー素子を有する超音波トランスデューサーデバイスに関係する。
また本発明の更に他の態様は、複数の超音波トランスデューサー素子が電気的に直列接続されている第1の素子群と、複数の超音波トランスデューサー素子が電気的に直列接続されている第2の素子群と、前記第1の素子群と前記第2の素子群を電気的に並列接続する接続配線と、を含む超音波トランスデューサーデバイスに関係する。
また本発明の更に他の態様は、プローブのヘッドユニットであって、上記のいずれかに記載された超音波トランスデューサーデバイスを含み、前記プローブのプローブ本体に対して着脱可能であるヘッドユニットに関係する。
また本発明の更に他の態様では、前記超音波トランスデューサーデバイスの一端に設けられ、前記超音波トランスデューサーデバイスの前記一端に配置される前記第1信号端子及び前記第2信号端子に接続される配線群を有する第1のフレキシブル基板を含んでもよい。
また本発明の更に他の態様では、前記超音波トランスデューサーデバイスの他端に設けられ、前記超音波トランスデューサーデバイスの前記他端に配置される前記第1信号端子及び前記第2信号端子に接続される配線群を有する第2のフレキシブル基板を含んでもよい。
このようにすれば、第1のフレキシブル基板及び第2のフレキシブル基板を介して超音波トランスデューサーデバイスの一端及び他端から送信信号を供給できる。これにより、超音波トランスデューサーデバイスの一端のみから送信信号を供給した場合に比べて、スライス方向におけるビームプロファイルの偏りを抑制できる。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載された超音波トランスデューサーデバイスを含むプローブに関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記に記載されたプローブと、表示用画像データを表示する表示部と、を含む超音波画像装置に関係する。
図1(A)〜図1(C)は、超音波トランスデューサー素子の構成例。 超音波トランスデューサーデバイスの構成例。 チャンネル素子群の構成例。 チャンネル素子群のレイアウト構成例の平面視図。 図5(A)、図5(B)は、チャンネル素子群のレイアウト構成例の断面図。 チャンネル素子群の変形例。 ヘッドユニットの構成例。 図8(A)〜図8(C)は、ヘッドユニットの詳細な構成例。 図9(A)、図9(B)は、超音波プローブの構成例。 超音波画像装置の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.超音波トランスデューサー素子
図1(A)〜図1(C)に、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイスに適用される超音波トランスデューサー素子10の構成例を示す。この超音波トランスデューサー素子10は、振動膜50(メンブレン、支持部材)、第1電極層21(下部電極層)、圧電体層30(圧電体膜)、第2電極層22(上部電極層)を含む。
超音波トランスデューサー素子10は、基板60に形成される。基板60は例えばシリコン基板である。図1(A)は、超音波トランスデューサー素子10を、素子形成面側の基板60に垂直な方向から見た平面図である。図1(B)は、図1(A)のAA’に沿った断面を示す断面図である。図1(C)は、図1(A)のBB’に沿った断面を示す断面図である。
第1電極層21は、振動膜50の上層に例えば金属薄膜で形成される。この第1電極層21は、図1(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子10に接続される配線であってもよい。
圧電体層30は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)薄膜により形成され、第1電極層21の少なくとも一部を覆うように設けられる。なお、圧電体層30の材料は、PZTに限定されるものではなく、例えばチタン酸鉛(PbTiO)、ジルコン酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO)などを用いてもよい。
第2電極層22は、例えば金属薄膜で形成され、圧電体層30の少なくとも一部を覆うように設けられる。この第2電極層22は、図1(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子10に接続される配線であってもよい。
第1電極層21のうちの圧電体層30に覆われた部分及び第2電極層22のうちの圧電体層30を覆う部分の一方が第1の電極を形成し、他方が第2の電極を形成する。圧電体層30は、第1の電極と第2の電極に挟まれて設けられている。これらの第1の電極、第2の電極、圧電体層30を圧電素子部とも呼ぶ。
振動膜50は、例えばSiO薄膜とZrO薄膜との2層構造により開口40を塞ぐように設けられる。この振動膜50は、圧電体層30及び第1電極層21、第2電極層22を支持すると共に、圧電体層30の伸縮に従って振動し、超音波を発生させることができる。
開口40(空洞領域)は、基板60の裏面(素子が形成されない面)側から反応性イオンエッチング(RIE: Reactive Ion Etching)等によりエッチングすることで形成される。この開口40の形成によって振動可能になった振動膜50のサイズによって超音波の共振周波数が決定され、その超音波は圧電体層30側(図1(A)において紙面奥から手前方向)に放射される。
圧電体層30は、第1の電極と第2の電極との間、即ち第1電極層21と第2電極層22との間に電圧が印加されることで、面内方向に伸縮する。超音波トランスデューサー素子10は、薄手の圧電素子(圧電体層30)と金属板(振動膜50)を貼り合わせたモノモルフ(ユニモルフ)構造を用いており、圧電体層30が面内で伸び縮みすると貼り合わせた振動膜50の寸法はそのままであるため反りが生じる。圧電体層30に交流電圧を印加することで、振動膜50が膜厚方向に対して振動し、この振動膜50の振動により超音波が放射される。この圧電体層30に印加される電圧は、例えば10〜30Vであり、周波数は例えば1〜10MHzである。
上記のように超音波トランスデューサー素子10を構成することにより、バルク型の超音波トランスデューサー素子に比べて素子を小型化できるため、素子ピッチを狭くすることができる。これにより、グレーティングローブの発生を抑制できる。また、バルク型の超音波トランスデューサー素子に比べて小さい電圧振幅で駆動できるため、低耐圧の回路素子で駆動回路を構成できる。
2.超音波トランスデューサーデバイス
図2に、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス200の構成例を示す。超音波トランスデューサーデバイス200としては上述したような圧電素子(薄膜圧電素子)を用いるタイプのトランスデューサーを採用できるが、本実施形態はこれに限定されない。例えばc-MUT(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers)などの容量性素子を用いるタイプのトランスデューサーを採用してもよい。
なお以下では、送受信チャンネルが第1〜第64チャンネルで構成される場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されず、n=64以外の第1〜第nチャンネルで構成されてもよい。また以下では、信号電極線及びコモン電極線の両端に端子が接続される場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されず、信号電極線及びコモン電極線の一端のみに端子が接続されてもよい。また以下では、信号端子とコモン端子との間に素子群が接続される場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されない。即ち、2つの信号端子の間に素子群を接続し、その2つの信号端子に例えば逆位相の信号を供給してもよい。
超音波トランスデューサーデバイス200は、基板60と、基板60に形成された超音波トランスデューサー素子アレイ100と、基板60に形成された信号端子XA1〜XA64及び信号端子XB1〜XB64と、基板60に形成されたコモン端子CA1〜CA64(広義には信号端子)及びコモン端子CB1〜CB64(広義には信号端子)と、基板60に形成された信号電極線LS1〜LS64と、基板60に形成されたコモン電極線LC1〜LC64(広義には信号電極線)と、を含む。
スライス方向DLにおける超音波トランスデューサー素子アレイ100の一方の端部には、信号端子XA1〜XA64及びコモン端子CA1〜CA64が配置され、他方の端部には、信号端子XB1〜XB64及びコモン端子CB1〜CB64が配置される。例えば、基板60は、スキャン方向DSを長辺方向とする矩形であり、その矩形の一方の長辺に沿って信号端子XA1〜XA64及びコモン端子CA1〜CA64が交互に配置され、他方の長辺に沿って信号端子XB1〜XB64及びコモン端子CB1〜CB64が交互に配置される。
ここで、スキャン方向DS及びスライス方向DLは、基板60の平面上における方向を表す。スキャン方向DSとは、例えばセクタースキャンやリニアスキャン等のスキャン動作において超音波ビームをスキャンする方向に対応する。スライス方向DLとは、スキャン方向DSに交差(例えば直交)する方向であり、例えば超音波ビームをスキャンして断層画像を得る場合、その断層に直交する方向に対応する。
信号電極線LS1〜LS64及びコモン電極線LC1〜LC64は、スキャン方向DSに沿って交互に配置される。各信号電極線LSiと各コモン電極線LCiは、スライス方向DLに沿って配線される(iはn=64以下の自然数)。信号電極線LSiの一端には信号端子XAiが接続され、他端には信号端子XBiが接続される。コモン電極線LCiの一端にはコモン端子CAiが接続され、他端にはコモン端子CBiが接続される。
超音波トランスデューサー素子アレイ100は、スキャン方向DSに沿って配置されるチャンネル素子群CH1〜CH64を含む。各チャンネル素子群CHiは、電気的に接続された複数の超音波トランスデューサー素子10で構成され、信号電極線LSi及びコモン電極線LCiに接続されている。チャンネル素子群CHiの詳細な構成については後述する。
1つの送受信チャンネルは、信号端子XAi、XBiと信号電極線LSiとチャンネル素子群CHiとコモン電極線LCiとコモン端子CAi、CBiとにより構成される。即ち、信号端子XAi、XBiに送信信号(例えば同一位相・同一振幅の電圧パルス)が供給されると、その送信信号をチャンネル素子群CHiの超音波トランスデューサー素子10が超音波に変換し、超音波が出射される。そして、対象物が反射した超音波エコーを超音波トランスデューサー素子10が受信信号(例えば電圧信号)に変換し、その受信信号が信号端子XAi、XBiから出力される。なお、コモン端子CAi、CBiにはコモン電圧(例えば一定の電圧)が供給される。
3.チャンネル素子群
さて、超音波エコーを高感度に検出するためには、送信音圧の増加及び受信感度の向上の少なくとも一方を行う必要がある。
送信音圧を増加する手法として、信号端子XAi(及びXBi)とコモン端子CAi(及びCBi)との間に複数の超音波トランスデューサー素子10を並列に接続することが考えられる。並列接続した場合、端子XAi、CAiの間の送信電圧が複数の超音波トランスデューサー素子10に印加されるので、超音波トランスデューサー素子10が1個の場合に比べて送信音圧を上げることができる。
しかしながら、並列接続の場合には、各超音波トランスデューサー素子10の受信電圧の振幅が加算されずに端子XAiに出力されるため、受信感度の向上は期待できない。例えば体の深部を観察するためには微弱なエコーを受信する必要があり、受信におけるS/Nを上げる必要がある。また、人体への影響等を考慮すると送信音圧には上限があるため、受信感度を上げることが必要となる。
受信感度を向上させる手法としては、信号端子XAi(及びXBi)とコモン端子CAi(及びCBi)との間に複数の超音波トランスデューサー素子10を直列に接続することが考えられる。直列接続した場合、各超音波トランスデューサー素子10の端子間の受信電圧が加算されて端子XAiに出力されるため、受信感度を向上できる。
しかしながら、送信電圧が電圧分割されて複数の超音波トランスデューサー素子10に印加されるため、送信音圧の向上は期待できない。このように、送信音圧と受信感度の双方を上げ、全体として送受信の感度を向上させることは困難であるという課題がある。
図3に、上記のような課題を解決できる本実施形態のチャンネル素子群CHiの構成例を示す。チャンネル素子群CHiは、信号電極線LSiとコモン電極線LCiとの間に並列接続される素子群EG1〜EGk(kはk≧2の自然数)を含む。なお以下ではk=4である場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定さない。
素子群EG1〜EG4の各素子群は、直列接続されたj個の超音波トランスデューサー素子10(jはj≧2の自然数)を有する。なお以下ではj=3である場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定さない。具体的には、素子群EGt(tはt≦4=kの自然数)は、信号電極線LSiとノードNAt1との間に設けられる超音波トランスデューサー素子UEt1と、ノードNAt1とノードNAt2との間に設けられる超音波トランスデューサー素子UEt2と、ノードNAt2とコモン電極線LCiの間に設けられる超音波トランスデューサー素子UEt3と、を有する。
各素子群EGtの超音波トランスデューサー素子UEt1〜UEt3は、スキャン方向DSに沿って配置されており、素子群EG1〜EG4は、スライス方向DLに沿って配置されている。具体的には、素子群EG1〜EG4の第sの超音波トランスデューサー素子UE1s、UE2s、UE3s、UE4s(sはs≦3=jの自然数)は、スライス方向DLに沿って配置されている。
なお本実施形態では、超音波トランスデューサー素子UE1s、UE2s、UE3s、UE4sがスライス方向DLに沿って一直線に並ぶ場合に限定されず、例えば一直線に対して交互にずれて配置されてもよい(例えばUE1s、UE3sが紙面右にずれ、UE2s、UE4sが紙面左にずれてもよい)。また、各素子群が有する超音波トランスデューサー素子の数は同数のj個に限定されず、素子群ごとに超音波トランスデューサー素子の数が異なってもよい。
4.レイアウト構成
図4〜図5(B)に、上記チャンネル素子群CHiのレイアウト構成例を示す。図4は、超音波出射方向側から基板60の厚み方向に見たときの平面視図である。図5(A)は、図4のAA’断面における断面図であり、図5(B)は、図4のBB’断面における断面図である。なお簡単のため、以下では2つの素子群EG1、EG2のみについて説明するが、素子群EG3、EG4についても同様である。
まず、各素子群のレイアウト構成について素子群EG2を例にとり説明する。素子群EG2は、第1電極層71a、72a〜72a”、73a〜73a”、74a、第2電極層81a〜83a、圧電体層91a〜93aで構成される。これらの構成要素は、図5(A)、図5(B)に示すように振動膜50の上に配置されている。ここで「上」とは、基板60の厚み方向のうち超音波出射方向に基板60から遠ざかる方向である。
図4に示すように、平面視において、矩形の第1電極層71a〜73aがスキャン方向DSに沿って配置されており、その矩形の長辺がスライス方向DLに沿うように配置されている。圧電体層91a〜93aは、スキャン方向DSに沿って等間隔に、第1電極層71a〜73aの上を覆うように配置されている。圧電体層91a〜93aは、平面視において矩形であり、その矩形の長辺がスライス方向DLに沿うように配置されている。第2電極層81a〜83aは、圧電体層91a〜93aの上を覆うように配置されており、圧電体層91a〜93aにより第1電極層71a〜73aと絶縁されている。
これらの圧電体層91a〜93a及びその上下の電極層は、素子群EG2の超音波トランスデューサー素子UE21〜UE23に対応する。素子UE21の第1電極層71aは、信号電極線LSiに対応している。また、素子UE21の第2電極層81aは、矩形の長辺がスライス方向DLに沿うように配置された第1電極層72a”の上に配置されており、第1電極層72a”は第1電極層72a’により素子UE22の第1電極層72aに接続されている。即ち、素子UE21の第2電極層81aと素子UE22の第1電極層72aは導通している。同様に、素子UE22の第2電極層82aと素子UE23の第1電極層73aは導通している。素子UE23の第2電極層83aは、長手方向がスライス方向DLに沿うように配置された第1電極線74aの上に配置される。この第1電極線74aは、コモン電極線LCiに対応する。このように、素子UE21〜UE23が信号電極線LSiとコモン電極線LCiとの間に直列接続された構成となっている。
なお、第1電極層71a、71b、第1電極層72a〜72a”、第1電極層73a〜73a”、第1電極層72b〜72b”、第1電極層73b〜73b”は、便宜的に分割したもの(図4において点線で示す)であり、それぞれ1つの電極層(実線で示す)で構成される。
直列接続された圧電体層91a〜93aは、その電極層に挟まれた部分の面積が同一である。この場合、圧電体層91a〜93aを挟む電極間に印加される電圧は等しく、出射される超音波の位相や音圧も同一となる。そのため、スキャン方向DSに等間隔に配置された素子から同一位相・同一音圧の超音波が出射されることになるので、スキャン方向DSにおけるビームプロファイルを向上できる。
より具体的に説明すると、例えば素子群EG1の素子UE11〜UE13が信号端子XAiとコモン端子CAiとの間に並列接続されていたとする。この場合、各素子までの配線長(即ち配線抵抗)の違いなどによって送信信号の位相や振幅が各素子で異なる可能性がある。そうすると、同一チャンネルの素子であるにも関わらず、位相や音圧の異なる超音波が出射されてしまう。この点、本実施形態では直列接続により同一位相・同一音圧の超音波を出射できる。
次に、素子群EG1〜EG4のレイアウト構成について説明する。素子群EG1〜EG4の素子UE11〜UE41の第1電極層(図4ではEG1の71b、EG2の71a)は、導通した1つの電極層又は電気的に接続された電極層であり、信号電極線LSiに対応する。また、素子群EG1〜EG4の素子UE13〜UE43の第2電極層が接続される第1電極層(図4では74b、74a)は、導通した1つの電極層又は電気的に接続された電極層であり、コモン電極線LCiに対応する。即ち、素子群EG1〜EG4が信号電極線LSiとコモン電極線LCiとの間に並列接続された構成となっている。
素子群EG1〜EG4の素子UE11〜UE41の圧電体層(図4では91b、91a)は、スライス方向DLに沿って等間隔に配置されている。同様に、素子UE12〜UE42の圧電体層(図4では92b、92a)、素子UE13〜UE43の圧電体層(図4では93b、93a)は、スライス方向DLに沿って等間隔に配置されている。即ち、スキャン方向DS及びスライス方向DLに等間隔に3×4個の圧電体層が配置されており、その3×4個の超音波トランスデューサー素子により1チャンネルが構成されている。
なお、上記では平面視において圧電体層(91a〜93a等)が矩形であり、その矩形の長辺がスライス方向DLに沿っている配置を例に説明したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば圧電体層は正方形(略正方形)等であってもよい。
以上の実施形態によれば、超音波トランスデューサーデバイス200は、第1〜第kの素子群(例えばEG1〜EG4(k=4))を有する超音波トランスデューサー素子アレイ100と、信号の受信及び送信の少なくとも一方を行う制御部(例えば図10の処理装置330)に接続される第1信号端子(XAi)と、第1信号端子(XAi)と超音波トランスデューサー素子アレイ100を介して接続される第2信号端子(CAi)と、を含む。第1〜第kの素子群の各素子群EGtに含まれる複数の超音波トランスデューサー素子(UEt1〜UEt3)は、各素子群EGt内において電気的に直列接続される。第1〜第kの素子群(EG1〜EG4)は、第1信号端子(XAi)と第2信号端子(CAi)との間に電気的に並列接続される。
このようにすれば、各素子群EGtの超音波トランスデューサー素子(UEt1〜UEt3)を直列接続することで、受信電圧の振幅を加算できるため、受信感度を向上できる。また、素子群EG1〜EG4を端子XAi、CAiの間に並列接続することで、送信音圧を大きくできる。このようにして、送信音圧の増大と受信感度の向上を両立でき、送信超音波による人体への影響を抑えながら人体深部からの微小なエコーを高S/Nで受信することが可能となる。
ここで素子群とは、2つのノード間に電気的に接続されている複数の超音波トランスデューサー素子のことである。その複数の超音波トランスデューサー素子は、直列に接続されてもよいし、並列に接続されてもよいし、或は直列及び並列の組み合わせで接続されてもよい。
また本実施形態では、電気的に直列接続される複数の超音波トランスデューサー素子(UEt1〜UEt3)は、スキャン方向DSである第1の方向に並んで配置されている。
このようにすれば、図4等で説明したように、スキャン方向DSにおけるビームプロファイルを改善することが可能となる。即ち、スキャン方向DSに沿って並ぶ複数の素子から同一位相・同一振幅の超音波を出射することが可能となる。
ここで、「第1の方向に並んで配置される」とは、例えば、第1の方向に沿って配置されることである。例えば複数の超音波トランスデューサー素子が第1の方向に並んで配置される場合、複数の超音波トランスデューサー素子が第1の方向に沿った直線上に並ぶ場合に限らず、例えば複数の超音波トランスデューサー素子が第1の方向に沿った直線に対してジグザグに配置されてもよい。
また本実施形態では、第1〜第kの素子群(EG1〜EG4)は、第1の方向に交差(例えば直交)する第2の方向に沿って配置されている。例えば本実施形態では、第2の方向はスライス方向DLである。
このようにすれば、スライス方向DLに沿って配置された第1〜第kの素子群(EG1〜EG4)によって1チャンネルを構成できる。これにより、複数のチャンネルをスキャン方向に沿って配置し、その複数のチャンネルによる送受信を制御することによりスキャン動作を行うことが可能になる。
また本実施形態では、第2の方向に形成され、第1信号端子(XAi)に接続される第1信号電極線(LSi)と、第2の方向に形成され、第2信号端子(CAi)に接続される第2信号電極線(LCi)と、を含む。第1〜第kの素子群(EG1〜EG4)は、第2信号電極線(LSi)と第2信号電極線(LCi)との間に共通接続される。例えば本実施形態では、第2の方向はスライス方向DLである。
このようにすれば、スライス方向DLに沿って配線される第1信号電極線(LSi)と第2信号電極線(LCi)との間に、素子群(EG1〜EG4)をスライス方向DLに沿って配置できる。これにより、1チャンネルの素子群を効率よく配置することが可能となる。
例えば本実施形態では、第1信号電極線(LSi)は第2の方向(スライス方向DL)に沿って延在形成される。ここで延在とは、例えばMEMSプロセスや半導体プロセス等によって基板60に導電層(配線層)が積層され、その導電層により少なくとも2点間(例えば超音波トランスデューサー素子から信号端子まで)が接続されていることである。
また本実施形態では、第2の方向(スライス方向DL)に並んで配置される第1〜第kの素子群(EG1〜EG4)と第1信号端子(XAi)と第2信号端子(CAi)とを含んで構成されるチャンネルが、スキャン方向DSである第1の方向に並んで2つ(例えば図2のCH1、CH2)配置される。そして、制御部(例えば図10の処理装置330)は、2つのチャンネルの各チャンネルの第1信号端子(XAi)に対して信号の受信及び送信の少なくとも一方を行う。
このようにすれば、各チャンネルにコモン端子CAiが接続されるため、複数のチャンネルに共通のコモン端子を接続した場合に比べてコモン電極線LCiの配線抵抗を低減できる。これにより、コモン電極線LCiの配線抵抗による送信信号の遅延や振幅低下を抑制できる。また、各チャンネルでコモン端子CAiを分けることで、コモン端子CAiやコモン電極線LCiを介したチャンネル間のクロストークを抑制できる。
なお、上記の実施形態では1チャンネルに1本のコモン電極線が接続される場合を例に説明したが、本実施形態はこれに限定されず、1本のコモン電極線を複数のチャンネルで共有してもよい。
5.チャンネル素子群の変形例
以上の実施形態では、チャンネル素子群CHiが複数の素子群EG1〜EG4を含む場合を例に説明したが、本実施形態はこれに限定されず、チャンネル素子群CHiが1つの素子群のみを含んでもよい。図6に、この場合のチャンネル素子群CHiの変形例を示す。
図6に示すチャンネル素子群CHiは、スキャン方向DSに沿って配置される超音波トランスデューサー素子UE1〜UEj(例えばj=3)を含む。超音波トランスデューサー素子UE1〜UE3は、信号電極線LSiとコモン電極線LCiとの間に直列接続される。具体的には、UE1は信号電極線LSiとノードNB1との間に接続され、UE2はノードNB1とノードNB2との間に接続され、UE3はノードNB2とコモン電極線LCiとの間に接続される。
レイアウト構成については、図4等で説明した1つの素子群のレイアウト構成と同様に構成できる。
上記の変形例においても、図4等で説明したようなスキャン方向DSにおけるビーム形状の改善を実現できる。即ち、直列接続された複数の超音波トランスデューサー素子UE1〜UE3をスキャン方向DSに沿って配置することで、スキャン方向DSにおいて各超音波トランスデューサー素子の端子間に同一位相・同一振幅の送信電圧を印加できる。これにより、同位相・同音圧の超音波が各超音波トランスデューサー素子から出射され、スキャン方向DSにおいて理想的なビーム形状に近づけることが可能となる。
6.ヘッドユニット
図7に、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス200が搭載されるヘッドユニット220の構成例を示す。図7に示すヘッドユニット220は、超音波トランスデューサーデバイス200(以下では「素子チップ」とも呼ぶ)、接続部210、支持部材250を含む。
素子チップ200は、超音波トランスデューサー素子アレイ100と、素子チップ200の第1の辺側に設けられる第1のチップ端子群(信号端子XA1〜XA64、コモン端子CA1〜CA64)と、素子チップ200の第2の辺側に設けられる第2のチップ端子群(信号端子XB1〜XB64、コモン端子CB1〜CB64)と、を含む。素子チップ200は、接続部210を介してプローブ本体が有する処理装置(例えば図10の処理装置330)と電気的に接続される。
接続部210は、プローブ本体とヘッドユニット220とを電気的に接続するものである。接続部210は、素子チップ200の第1の辺側に設けられる第1のフレキシブル基板130と、端子群(複数の接続端子)を有するコネクター421と、素子チップ200の第2の辺側に設けられる第2のフレキシブル基板140と、端子群(複数の接続端子)を有するコネクター422と、を有する。フレキシブル基板130には、第1のチップ端子群とコネクター421の端子群とを接続する配線群(複数の信号線、複数のコモン線)が形成される。フレキシブル基板140には、第2のチップ端子群とコネクター422の端子群とを接続する配線群(複数の信号線、複数のコモン線)が形成される。
以上のように、接続部210を設けることで、プローブ本体とヘッドユニット220とを電気的に接続することができ、さらにヘッドユニット220をプローブ本体に脱着可能にすることができる。
さて、素子チップ200の信号端子(図2、図3のXAi)に印加された送信信号は、素子の容量成分や電極線の配線抵抗の影響により、チャンネル内において信号端子から離れるに従って位相が遅延し、振幅が小さくなる。そのため、チャンネルの一端のみから送信信号を印加すると、スライス方向DLにおいて超音波のビームプロファイルに偏りが生じる。この点、本実施形態では第1、第2のフレキシブル基板130、140を設けることで、チャンネルの両端(図2、図3の信号端子XAi、XBi)から送信信号を入力できる。これにより、スライス方向DLにおけるビームプロファイルの偏りを抑制できる。
図8(A)〜図8(C)に、ヘッドユニット220の詳細な構成例を示す。図8(A)は支持部材250の第2の面SF2側を示し、図8(B)は支持部材250の第1の面SF1側を示し、図8(C)は支持部材250の側面側を示す。
支持部材250は、素子チップ200を支持する部材である。支持部材250の第1の面SF1側には、コネクター421、422が設けられる。このコネクター421、422は、プローブ本体側の対応するコネクターに脱着可能である。支持部材250の第1の面SF1の裏面である第2の面SF2側には、素子チップ200が支持される。固定用部材260は、支持部材250の各コーナー部に設けられ、ヘッドユニット220をプローブ筐体に固定するために用いられる。
ここで支持部材250の第1の面SF1側とは、支持部材250の第1の面SF1の法線方向側であり、支持部材250の第2の面SF2側とは、支持部材250の第1の面SF1の裏面である第2の面SF2の法線方向側である。
図8(C)に示すように、素子チップ200の表面(図1(B)において圧電体層30が形成される面)には、素子チップ200を保護する保護部材270(保護膜)が設けられる。保護部材270は、例えば音響整合層や音響レンズ等を兼ねてもよい。
7.超音波プローブ
図9(A)、図9(B)に、上記のヘッドユニット220が適用される超音波プローブ300(プローブ)の構成例を示す。図9(A)はプローブヘッド310がプローブ本体320に装着された場合を示し、図9(B)はプローブヘッド310がプローブ本体320から分離された場合を示す。
プローブヘッド310は、ヘッドユニット220、被検体と接触する接触部材230及びヘッドユニット220を格納するプローブ筐体240を含む。素子チップ200は、接触部材230と支持部材250との間に設けられる。
プローブ本体320は、処理装置330及びプローブ本体側コネクター426を含む。処理装置330は、送信部332、受信部335(アナログフロントエンド部)、送受信制御部334を含む。送信部332は、素子チップ200への駆動パルス(送信信号)の送信処理を行う。受信部335は、素子チップ200からの超音波エコー信号(受信信号)の受信処理を行う。送受信制御部334は、送信部332や受信部335の制御を行う。プローブ本体側コネクター426は、ヘッドユニット側コネクター425(又はプローブヘッド側コネクター)と接続される。プローブ本体320は、ケーブル350により電子機器(例えば超音波画像装置)本体に接続される。
ヘッドユニット220は、プローブ筐体240に格納されているが、ヘッドユニット220をプローブ筐体240から取り外すことができる。こうすることで、ヘッドユニット220だけを交換することができる。或いは、プローブ筐体240に格納された状態で、即ちプローブヘッド310として交換することもできる。
8.超音波画像装置
図10に、超音波画像装置の構成例を示す。超音波画像装置は、超音波プローブ300、電子機器本体400を含む。超音波プローブ300は、ヘッドユニット220(超音波ヘッドユニット)、処理装置330を含む。電子機器本体400は、制御部410、処理部420、ユーザーインターフェース部430、表示部440を含む。
処理装置330は、送信部332、送受信制御部334、受信部335(アナログフロントエンド部)を含む。ヘッドユニット220は、素子チップ200と、素子チップ200を回路基板(例えばリジッド基板)に接続する接続部210(コネクター部)と、を含む。回路基板には、送信部332、送受信制御部334、受信部335が実装されている。送信部332は、パルサーの電源電圧を発生する高電圧生成回路(例えば昇圧回路)を含んでもよい。
超音波を送信する場合には、送受信制御部334が送信部332に対して送信指示を行い、送信部332がその送信指示を受けて駆動信号を高電圧に増幅して駆動電圧を出力する。超音波の反射波を受信する場合には、素子チップ200により検出された反射波の信号を受信部335が受信する。受信部335は、送受信制御部334からの受信指示に基づいて、反射波の信号を処理(例えば増幅処理や、A/D変換処理等)し、処理後の信号を処理部420に送信する。処理部420は、その信号を映像化して表示部440に表示させる。
なお、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイスは、上記のような医療用の超音波画像装置に限らず、種々の電子機器に適用可能である。例えば、超音波トランスデューサーデバイスが適用された電子機器として、建築物等の内部を非破壊検査する診断機器や、ユーザーの指の動きを超音波の反射により検出するユーザーインターフェース機器等が想定される。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また超音波トランスデューサーデバイス、プローブ、超音波画像装置の構成・動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 超音波トランスデューサー素子、21 第1電極層、22 第2電極層、
30 圧電体層、40 開口、50 振動膜、60 基板、
71a〜74a,72a’,73a’,72a”,73a” 第1電極層、
81a〜83a 第2電極層、91a〜93a 圧電体層、
100 超音波トランスデューサー素子アレイ、
130 第1のフレキシブル基板、140 第2のフレキシブル基板、
200 超音波トランスデューサーデバイス、210 接続部、
220 ヘッドユニット、230 接触部材、240 プローブ筐体、
250 支持部材、260 固定用部材、270 保護部材、
300 超音波プローブ、310 プローブヘッド、320 プローブ本体、
330 処理装置、332 送信部、334 送受信制御部、335 受信部、
350 ケーブル、400 電子機器本体、410 制御部、420 処理部、
421,422 コネクター、425 ヘッドユニット側コネクター、
426 プローブ本体側コネクター、430 ユーザーインターフェース部、
440 表示部、
CA1〜CA64,CB1〜CB64 コモン端子、
CH1〜CH64 チャンネル素子群、DL スライス方向、
DS スキャン方向、EG1〜EG4 素子群、
LC1〜LC64 コモン電極線、LS1〜LS64 信号電極線、
UE1〜UE3,UE11〜UE43 超音波トランスデューサー素子、
XA1〜XA64,XB1〜XB64 信号端子

Claims (15)

  1. 第1の素子群〜第kの素子群(kはk≧2の自然数)を有する超音波トランスデューサー素子アレイと、
    信号の受信及び送信の少なくとも一方を行う制御部に接続される第1信号端子と、
    前記第1信号端子と前記超音波トランスデューサー素子アレイを介して接続される第2信号端子と、
    を含み、
    前記第1の素子群〜前記第kの素子群の各素子群に含まれる複数の超音波トランスデューサー素子は、前記各素子群内において電気的に直列接続され、
    前記第1の素子群〜前記第kの素子群は、前記第1信号端子と前記第2信号端子との間に電気的に並列接続されることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  2. 請求項1において、
    前記第1信号端子は、信号の受信及び送信を行う前記制御部に接続されていることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  3. 請求項1又は2において、
    電気的に直列接続される前記複数の超音波トランスデューサー素子は、スキャン方向である第1の方向に並んで配置されていることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  4. 請求項3において、
    前記第1の素子群〜前記第kの素子群は、前記第1の方向に交差する第2の方向に並んで配置されていることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  5. 請求項3又は4において、
    前記各素子群は、前記複数の超音波トランスデューサー素子として第1の超音波トランスデューサー素子〜第jの超音波トランスデューサー素子を有し、
    前記第1の超音波トランスデューサー素子〜前記第jの超音波トランスデューサー素子の各超音波トランスデューサー素子は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に設けられるトランスデューサー部と、を有し、
    前記第1の超音波トランスデューサー素子の前記第1の電極は、前記第1信号端子に接続され、
    前記第1の超音波トランスデューサー素子の前記第2の電極は、前記第1の超音波トランスデューサー素子〜前記第jの超音波トランスデューサー素子のうち第2の超音波トランスデューサー素子の前記第1の電極に接続されることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  6. 請求項5において、
    前記第1の超音波トランスデューサー素子〜前記第jの超音波トランスデューサー素子のうち第j−1の超音波トランスデューサー素子の前記第2の電極は、前記第jの超音波トランスデューサー素子の前記第1の電極に接続され、
    前記第jの超音波トランスデューサー素子の前記第2の電極は、前記第2信号端子に接続されることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  7. 請求項3乃至6のいずれかにおいて、
    前記第1の方向に交差する第2の方向に形成され、前記第1信号端子に接続される第1信号電極線と、
    前記第2の方向に形成され、前記第2信号端子に接続される第2信号電極線と、
    を含み、
    前記第1の素子群〜前記第kの素子群は、前記第1信号電極線と前記第2信号電極線との間に共通接続されることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    スキャン方向である第1の方向に交差する第2の方向に並んで配置されている前記第1の素子群〜前記第kの素子群と、前記第1信号端子と、前記第2信号端子とを含んで構成されるチャンネルが、前記第1の方向に並んで2つ配置され、
    前記制御部は、前記2つのチャンネルの各チャンネルの前記第1信号端子に対して前記信号の受信及び送信の少なくとも一方を行うことを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  9. 超音波トランスデューサー素子アレイと、
    信号の受信及び送信の少なくとも一方を行う制御部に接続される第1信号端子と、
    前記第1信号端子と前記超音波トランスデューサー素子アレイを介して接続される第2信号端子と、
    を含み、
    前記超音波トランスデューサー素子アレイは、
    1又は複数の素子群を有し、
    前記1又は複数の素子群の各素子群は、
    スキャン方向である第1の方向に並んで配置される、電気的に直列接続される複数の超音波トランスデューサー素子を有することを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  10. 複数の超音波トランスデューサー素子が電気的に直列接続されている第1の素子群と、
    複数の超音波トランスデューサー素子が電気的に直列接続されている第2の素子群と、
    前記第1の素子群と前記第2の素子群を電気的に並列接続する接続配線と、
    を含むことを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  11. プローブのヘッドユニットであって、
    請求項1乃至10のいずれかに記載された超音波トランスデューサーデバイスを含み、
    前記プローブのプローブ本体に対して着脱可能であることを特徴とするヘッドユニット。
  12. 請求項11において、
    前記超音波トランスデューサーデバイスの一端に設けられ、前記超音波トランスデューサーデバイスの前記一端に配置される前記第1信号端子及び前記第2信号端子に接続される配線群を有する第1のフレキシブル基板を含むことを特徴とするヘッドユニット。
  13. 請求項12において、
    前記超音波トランスデューサーデバイスの他端に設けられ、前記超音波トランスデューサーデバイスの前記他端に配置される前記第1信号端子及び前記第2信号端子に接続される配線群を有する第2のフレキシブル基板を含むことを特徴とするヘッドユニット。
  14. 請求項1乃至10のいずれかに記載された超音波トランスデューサーデバイスを含むことを特徴とするプローブ。
  15. 請求項14に記載されたプローブと、
    表示用画像データを表示する表示部と、
    を含むことを特徴とする超音波画像装置。
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