JP2014160724A - ヒートシンク及びその製造方法 - Google Patents

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朋哉 齋藤
Hiroshi Yamada
廣志 山田
Naomune Noma
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Hideo Nakajima
英雄 中嶋
Takuya Ide
拓哉 井手
Kenji Nakamura
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Abstract

【課題】簡便な構成で、中実部材のスプレッダと多孔性部材の複数のフィンとを確実に接合したヒートシンクを提供する。
【解決手段】中実部材であるスプレッダ10と、スプレッダ10と接合し、多孔性部材である複数のフィン20と、スプレッダ10と複数のフィン20との接合領域Wと、複数のフィン20を構成する材料が摩擦撹拌接合ツール30で押圧されながら撹拌されてその外方に突出する変形をすることにより、接合領域Wにおいて形成された複数のフィン20の各々の係止部21e、22eと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシンク及びその製造方法に関し、特に、スプレッダと複数のフィンとが摩擦撹拌接合により接合されたヒートシンク及びその製造方法に関するものである。
近年、半導体デバイスの高密度化により、その動作時の発熱量が増大してデバイス自体の温度がより高温になる傾向が強まっている。
かかる半導体デバイスには、その動作時に生じる熱を効果的に放熱するヒートシンクが装着されることが一般的である。ヒートシンクには、その放熱部として複数のフィンが設けられているが、複数のフィンを含めて放熱表面積を増大して、放熱特性を向上しようとする試みがなされるようになってきている。また、ヒートシンクにおいて、複数のフィンは、スプレッダに固設されるが、その固設の構造を簡便化する試みもなされるようになってきている。
かかる状況下で、特許文献1は、ヒートシンクに関し、発熱体と熱的に接続される第1の面4aを有するベース4と、ベース4の第2の面4bに支持され所定の方向に沿って並んだ複数のフィン6aから6dであって、それぞれ複数の貫通孔8を有するものとを備えるヒートシンク2であって、ベース4と複数のフィン6aから6dとは、多孔質材料で一体的に形成してなるヒートシンク2を開示する。
また、特許文献2は、突起付き構造体の製造方法に関し、裏面側に放熱フィン92を向けてヒートシンク用部品9A、9Bの側端面を突合せ、かつ、その突合せ部分9Dの裏面側にT字状のヒートシンク用部品7の板状部71を重ねて配置する準備工程と、ヒートシンク用部品7を裏当て部材としてヒートシンク用部品9A、9Bを摩擦攪拌接合と、により接合すると共に、ヒートシンク用部品7も一体に接合する構成を開示している。
特開2005−228948号公報 特開2006−75893号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成では、ベース4と複数のフィン6aから6dとは、多孔質材料で一体的に形成されるものであるため、複数のフィン6aから6dを切削により削り出さねばならず、その構成がかなり煩雑である。
そこで、本発明者の更なる検討によれば、特許文献1の構成で、ベース4を中実部材として、複数のフィン6aから6dのみを多孔質材料で構成することも考えられ、この際、特許文献2の開示する接合方法で、かかるベース4と複数のフィン6aから6dとを接合することも考えられる。
ところが、本発明者の更なる検討によれば、このように特許文献1の構成で、ベース4を中実部材として、複数のフィン6aから6dのみを多孔質材料で構成したものに、特許文献2の開示する接合方法で、かかるベース4と複数のフィン6aから6dとを接合しようとすると、それらの間に接合欠陥が生じてしまい、接合不良状態となる結果が得られて
、改良の余地があることが判明した。
つまり、現状では、簡便な構成で、中実部材のスプレッダと多孔性部材の複数のフィンとを確実に接合したヒートシンクの実現が待望された状況にある。
本発明は、以上の検討を経てなされたもので、簡便な構成で、中実部材のスプレッダと多孔性部材の複数のフィンとを確実に接合したヒートシンクを提供することを目的とする。
以上の目的を達成すべく、本発明の第1の局面におけるヒートシンクは、中実部材であるスプレッダと、前記スプレッダと接合し、多孔性部材である複数のフィンと、前記スプレッダと前記複数のフィンとの接合領域と、前記複数のフィンを構成する材料が摩擦撹拌接合ツールで押圧されながら撹拌されてその外方に突出する変形をすることにより、前記接合領域において形成された前記複数のフィンの各々の係止部と、を備える。
また、本発明は、かかる第1の局面に加え、前記複数のフィンの各々は、それらの配列方向に延在する複数の貫通孔を有することを第2の局面とする。
また、本発明は、かかる第1又は第2の局面に加え、前記スプレッダは、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製であり、前記複数のフィンは、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製であることを第3の局面とする。
また、本発明は、別の局面において、第1から第3の局面のいずれかに記載の前記ヒートシンクを製造する製造方法であって、前記複数のフィンの各々の一端部を、前記スプレッダに挿入した状態で、前記摩擦撹拌接合ツールの先端側のテーパ状のピンで押圧しながら、前記スプレッダと前記複数のフィンとを摩擦撹拌接合するヒートシンクの製造方法である。
本発明の第1の局面における構成によれば、中実部材であるスプレッダと、スプレッダと接合し、多孔性部材である複数のフィンと、スプレッダと複数のフィンとの接合領域と、複数のフィンを構成する材料が摩擦撹拌接合ツールで押圧されながら撹拌されてその外方に突出する変形をすることにより、接合領域において形成された複数のフィンの各々の係止部と、を備えることにより、簡便な構成で、中実部材のスプレッダと多孔性部材の複数のフィンとを確実に接合したヒートシンクを実現することができる。
また、本発明の第2の局面における構成によれば、複数のフィンの各々が、それらの配列方向に延在する複数の貫通孔を有することにより、放熱面積を増大して放熱特性を向上したヒートシンクを実現することができる。
また、本発明の第3の局面における構成によれば、スプレッダが、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製であり、複数のフィンが、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製であることにより、放熱面積をより増大して放熱特性をより向上したヒートシンクを実現することができる。
また、本発明の別の局面における構成によれば、複数のフィンの各々の一端部を、スプレッダに挿入した状態で、摩擦撹拌接合ツールの先端側のテーパ状のピンで押圧しながら、スプレッダと複数のフィンとを摩擦撹拌接合することにより、簡便な構成で、中実部材のスプレッダと多孔性部材の複数のフィンとを確実に接合したヒートシンクを製造するこ
とができる。
本発明の実施形態におけるヒートシンクの斜視図を示す。 図1のA−A拡大断面図である。 本実施形態におけるヒートシンクを製造するための製造方法の各工程を示すもので、図3(a)は、接合ツールを、フィンを装着したスプレッダに対向させた状態を示す断面図であり、図3(b)は、接合ツールを、フィンを装着したスプレッダに侵入させて摩擦撹拌接合している状態を示す断面図である。なお、図3(a)及び図3(b)は、断面の位置として図2に相当する。 本実施形態におけるヒートシンクのフィンを構成するフィンエレメントが6個設けられた場合のツール挿入領域を示す断面図である。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態におけるヒートシンク及びその製造方法につき詳細に説明する。なお、図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、z軸の正方向を上方向とする。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態におけるヒートシンクの構成につき、詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるヒートシンクの斜視図を示し、図2は、図1のA−A拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、ヒートシンク1は、典型的にはアルミニウム製又は銅製で矩形平板状のスプレッダ10と、典型的にはアルミニウム製又は銅製でスプレッダ10に装着されたフィン20と、を備える。なお、ここでスプレッダ10及びフィン20に用いるアルミニウム及び銅は、各々、それらの合金であってもよい。
スプレッダ10は、典型的には中実部材であり、そのz軸の正方向側の面である上面にフィン20を突設させる一方で、それと対向するz軸の負方向側の面である下面に、図示を省略する半導体モジュール等の熱源を装着自在である。
フィン20は、典型的には各々が矩形平板状で多孔性である複数のフィンから成り、図中では、一例として2個のフィン、つまり、共に矩形平板状で多孔性の第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22を示す。
第1のフィンエレメント21は、そのy−z平面に平行な主平面同士をx軸方向に貫通する複数の気孔21hを有し、第2のフィンエレメント22は、そのy−z平面に平行な主平面同士をx軸方向に貫通する複数の気孔22hを有する。このように貫通する気孔21h及び気孔22hは、x軸方向に対して傾斜して延在していてもよく、また途中で分岐していてもよい。第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22は、x軸方向に列を成して配列される。フィン20を構成するフィンエレメントの個数が多い場合には、各フィンエレメントは、複数の列を併置してもよい。
かかる第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22は、各々、それらの材料、つまり、典型的には銅を溶融した溶融材料を用いて、これを溶湯とした一方向凝固を行うことにより多孔質化して作製されるものである。このような一方向凝固は、かかる溶湯に対して、水素ガス雰囲気下又は窒素ガス雰囲気下でかかるガスを混入しながら、このようにガスが混入された溶湯を鋳型に一方向に流下させて順次凝固させる連続鋳造を
行うことにより、好適に実施できる。
ここで、スプレッダ10と、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22と、は、スプレッダ10の一部と、第1のフィンエレメント21の一部及び第2のフィンエレメント22の一部と、にわたって形成された接合領域Wにおいて、互いに接合される。
具体的には、接合領域Wは、詳細は後述する摩擦撹拌接合により固相接合領域として形成されるもので、スプレッダ10の材料が摩擦撹拌接合時に塑性流動を起こした後に固化されたスプレッダ領域10wと、接合領域W内に位置する第1のフィンエレメント21の一部が摩擦撹拌接合の際に塑性変形及び塑性流動を起こした後に固化された第1の係止部21e並びに接合領域W内に位置する第1のフィンエレメント21の残部である連結部21mと、接合領域W内に位置する第2のフィンエレメント22の一部が摩擦撹拌接合の際に塑性変形及び塑性流動を起こした後に固化された第2の係止部22e並びに接合領域W内に位置する第2のフィンエレメント22の残部である連結部22mと、から成る。
より詳しくは、第1のフィンエレメント21の第1の係止部21eは、その下部はx軸に対して傾斜しているが、スプレッダ領域10wに食い込むように連結部21mからx軸方向に突出しており、この状態で、第1の係止部21eとスプレッダ領域10wとは接合されている。よって、第1の係止部21eとスプレッダ領域10wとは、つまり、第1のフィンエレメント21とスプレッダ10とは、互いに係止状態にある。また、連結部21mには複数の気孔21hが残存しているが、それらの中にはスプレッダ10の材料が塑性流動により侵入してその後固化されており、このように連結部21mの複数の気孔21hに侵入して固化されたスプレッダ10の部分も、第1のフィンエレメント21とスプレッダ10との間の係止状態を補強する係止部として機能する。
同様に、第2のフィンエレメント22の第2の係止部22eは、その下部はx軸に対して傾斜しているが、スプレッダ領域10wに食い込むように連結部22mからx軸方向に突出しており、この状態で、第2の係止部22eとスプレッダ領域10wとは接合されている。よって、第2の係止部22eとスプレッダ領域10wとは、つまり、第2のフィンエレメント22とスプレッダ10とは、互いに係止状態にある。また、連結部22mには複数の気孔22hが残存しているが、それらの中にはスプレッダ10の材料が塑性流動により侵入してその後固化されており、このように連結部22mの複数の気孔22hに侵入して固化されたスプレッダ10の部分も、第2のフィンエレメント22とスプレッダ10との間の係止状態を補強する係止部として機能する。
次に、以上の構成を有する本実施形態におけるヒートシンク1を製造するための製造方法につき、更に図3をも参照しながら、詳細に説明する。
図3は、本実施形態におけるヒートシンクを製造するための製造方法の各工程を示すもので、図3(a)は、接合ツールを、フィンを装着したスプレッダに対向させた状態を示す断面図であり、図3(b)は、接合ツールを、フィンを装着したスプレッダに侵入させて摩擦撹拌接合している状態を示す断面図である。なお、図3(a)及び図3(b)は、断面の位置として図2に相当する。
ヒートシンク1を製造するには、図3(a)に示すように、まず、予め、中実のスプレッダ10、複数の気孔21hを有する第1のフィンエレメント21及び複数の気孔22hを有する第2のフィンエレメント22を各々用意し、スプレッダ10の上面側(図中では下側)にその上面から内方に陥設して設けられた第1の挿入溝11に第1のフィンエレメント21の一端部を挿入し、かつ、スプレッダ10の上面側にその上面から内方に陥設し
て設けられた第2の挿入溝12に第2のフィンエレメント22の一端部を挿入した状態で、典型的には金属製のテーブル40上に載置して、スプレッダ10の下面側(図中では上側)に摩擦撹拌接合用の接合ツール30を対向させる。なお、この際、接合ツール30は、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22に対して、y軸の負方向側の端部に位置させるものとする。
ここで、接合ツール30のプローブ本体32には、典型的には鉄鋼製のピン34が装着されている。かかるピン34は、その先端向かって先細りとなるテーパ状、つまり円錐形状を有する。但し、本実施形態の場合、その先端形状は接合機能に実質寄与しないので、ピン34は、その先端部を取り除いた切頭円錐形状を有している。
また、テーブル40には、貫通孔42が設けられ、スプレッダ10の上面側(図中では下側)から突出した第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の部分は、貫通孔42を介してスプレッダ10の外方に延在する。かかる状態の第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の間には、典型的には金属製の支持具60が配設され、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22は、貫通孔42の内周部及び支持具60の外面部で、x軸方向及びy軸方向に移動しないように固定される。また、テーブル40上に載置されたスプレッダ10の下面側(図中では上側)の縁部は、典型的には金属製の保持具50で保持される。このような構成により、結果として、スプレッダ10、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22は、互いに相対移動しないように保持される。
次に、図3(b)に示すように、図示を省略する移動機構を動作させて、図3(a)の状態から、プローブ本体32及びピン34を回転させながらスプレッダ10に向けて接近させていき、ピン34の先端部が、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の間に侵入してそれらの上部を押圧して塑性変形させる程度まで、プローブ本体32及びピン34をスプレッダ10内に侵入させる。
この際、スプレッダ10内に各々位置する第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の各一端部をピン34の先端部で押圧するため、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の各一端部は、塑性変形しながらスプレッダ10の内部で突出する。具体的には、第1のフィンエレメント21の一端部が、ピン34の先端部で押圧されて塑性変形することにより、かかる一端部には、スプレッダ10の内部に向かって2方向で突出する変形部21fが形成される。また、第2のフィンエレメント22の一端部が、ピン34の先端部で押圧されて塑性変形することにより、かかる一端部には、スプレッダ10の内部に向かって2方向で突出する変形部22fが形成される。
ここで、このように変形部21f及び変形部22fを各々第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22に対応して形成するには、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22を押圧するピン34の部分が、気孔21h及び気孔22hが第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22を対応して貫通し各々延在する延在方向に対して交差するような傾斜面を有することが好ましい。というのは、気孔21h及び気孔22hの各々の延在方向と平行な押圧面で第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22を押圧しても、それらの気孔21h及び気孔22hが潰れるばかりで、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の気孔21h及び気孔22h以外の部材部分が潰れず変形しないため、かかる気孔21h及び気孔22h以外の部材部分を効果的に潰して変形させることを考慮したものである。また、プローブ本体32及びピン34は、z軸方向を中心軸として回転するものであるため、かかる傾斜面は、ピン34全体で見ればz軸方向を中心軸とする円錐面であるということになる。
そして、このようにピン34の先端部を第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の間に侵入させたならば、プローブ本体32及びピン34の回転を所望の回転数を維持しながら、図示を省略する移動機構を動作させ、接合ツール30をy軸方向に移動させて走査させる。
その結果、ピン34により撹拌されたスプレッダ10、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の各材料は、塑性流動を起こして互いに混合されていくが、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22には、変形部21f及び変形部22fが対応して形成されていくため、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の各々の材料は、かかる変形部21f及び変形部22fを形成しながら塑性流動をすることになる。
この際、かかる変形部21f及び変形部22fにおいては、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の各々の材料の塑性流動により、それらの形状は変化するが、変形部21f及び変形部22fとして残存されていく。併せて、ピン34が通過した後のスプレッダ10、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の各材料は、それらの温度が塑性流動を起こす温度よりも低下していき、最終的には固化していくことになる。
そして、接合ツール30が、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22に対して、y軸の正方向側の端部に到達したならば、プローブ本体32及びピン34をスプレッダ10内から退避させ、それらの回転を停止する。なお、プローブ本体32及びピン34をスプレッダ10内に侵入させる際、及びそれらをスプレッダ10内から退避させる際の回転数は、スプレッダ10、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の各材料に塑性流動を起こさせる際の回転数よりも小さく設定してもよい。
このように接合ツール30を退避させた後では、スプレッダ10、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22の各材料は、それらの温度がより低下して完全に固化しており、図1及び図2に示す構成のヒートシンク1が得られることになる。なお、接合領域Wは、スプレッダ10の上面側では塑性流動に起因する若干の盛り上がりが見られ、スプレッダ10の下面側ではy軸方向に延在する直線上の塑性流動痕が見られた。また、第1のフィンエレメント21の第1の係止部21e及び第2のフィンエレメント22の第2の係止部22eは、変形部21f及び22fが対応して固化したものである。
かかる本実施形態における実験条件の一例を挙げると、スプレッダ10には、板厚5mmの純アルミ板を用い、これに深さ2mm及び幅2mmの第1の挿入溝11及び第2の挿入溝12の溝加工を行った。かかる溝加工は、切削加工、板鍛造、押出、異形圧延、及びフォトエッチングのいずれでもよい。これらに20mmx60mmの厚み2mmの多孔性銅板を、第1のフィンエレメント21及び第2のフィンエレメント22として嵌め込み、スプレッダ10の下面側から摩擦撹拌接合を行った。この際の接合条件は、接合ツール30の回転数が1200rpm、接合ツール30の送り速度(走査速度)が300mm/min、及びピン34の挿入量が4.8mmであった。そして、接合行程が完了した後、図2のように切断したヒートシンク1の断面について、走査型電子顕微鏡を用いて詳細に観察したが、接合欠陥や拡散接合で見られるようなアルミニウム−銅系金属間化合物は認められず、良好な固相接合物が得られた。
最後に、本実施形態におけるヒートシンクのフィンを構成するフィンエレメントの配列方向の個数が増えた場合の一例を、更に図4をも参照しながら、詳細に説明する。
図4は、本実施形態におけるヒートシンクのフィンを構成するフィンエレメントが6個設けられた場合のツール挿入領域を示す断面図であり、断面の位置としては図2に相当する。
図4に示すように、接合前のヒートシンク100のフィン20を構成するフィンエレメントが6個設けられる場合には、スプレッダ110の、第1の挿入溝111から第6の挿入溝116を設け、第1の挿入溝111から第6の挿入溝116に対して、複数の気孔121hを有する第1のフィンエレメント121から複数の気孔126hを有する第6のフィンエレメント126を対応して挿入することになる。
ここで、第1のフィンエレメント121と第2のフィンエレメント122との間のツール挿入領域S1、第3のフィンエレメント123と第4のフィンエレメント124との間のツール挿入領域S2、及び第5のフィンエレメント125と第6のフィンエレメント126との間のツール挿入領域S3に、接合ツール30のプローブ本体32及びピン34を挿入させれば、フィンエレメントの個数の半分の3箇所のツール挿入領域を設けるだけで足りるため効率的である。
つまり、フィンエレメントの個数が偶数である場合には、スプレッダの一方の端部側から2個ずつのフィンエレメントの対を作り、各対の間にツール挿入領域を設ければ、接合領域の総数が抑制できてフィンエレメントとスプレッダとの摩擦撹拌接合を効率的に行うことができる。なお、フィンエレメントの個数が奇数である場合には、フィンエレメントの個数が偶数である場合と同様にフィンエレメントの対を作ればよいが、最後の1個のフィンエレメントでは対を作ることはできないものとなるため、フィンエレメントの個数は、偶数に設定した方がより効率的である。
以上の本実施形態の構成によれば、中実部材であるスプレッダ10と、スプレッダ10と接合し、多孔性部材である複数のフィン20と、スプレッダ10と複数のフィン20との接合領域Wと、複数のフィン20を構成する材料が摩擦撹拌接合ツール30で押圧されながら撹拌されてその外方に突出する変形をすることにより、接合領域Wにおいて形成された複数のフィン20の各々の係止部21e、22eと、を備えることにより、簡便な構成で、中実部材のスプレッダ10と多孔性部材の複数のフィン20とを確実に接合したヒートシンク1を実現することができる。
また、本実施形態の構成によれば、複数のフィン20の各々が、それらの配列方向に延在する複数の貫通孔21h、22hを有することにより、放熱面積を増大して放熱特性を向上したヒートシンク1を実現することができる。
また、本実施形態の構成によれば、スプレッダ10が、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製であり、複数のフィン20が、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製であることにより、放熱面積をより増大して放熱特性をより向上したヒートシンク1を実現することができる。
また、本実施形態の構成によれば、複数のフィン20の各々の一端部を、スプレッダ10に挿入した状態で、摩擦撹拌接合ツール30の先端側のテーパ状のピン34で押圧しながら、スプレッダ10と複数のフィン20とを摩擦撹拌接合することにより、簡便な構成で、中実部材のスプレッダ10と多孔性部材の複数のフィン20とを確実に接合したヒートシンク1を製造することができる。
なお、本発明は、構成要素の形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸
脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、簡便な構成で、中実部材のスプレッダと多孔性部材の複数のフィンとを確実に接合したヒートシンクを提供することができるものであるため、その汎用普遍的な性格から広範に電子デバイス等のヒートシンクの分野に適用され得るものと期待される。
1…ヒートシンク
10…スプレッダ
10w…スプレッダ領域
11…第1の挿入溝
12…第2の挿入溝
20…フィン
21…第1のフィンエレメント
21h…気孔
21e…係止部
21m…連結部
21f…変形部
22…第2のフィンエレメント
22h…気孔
22e…係止部
22m…連結部
22f…変形部
30…接合ツール
32…プローブ本体
34…ピン
40…テーブル
42…貫通孔
50…保持具
60…支持具
100…ヒートシンク(接合前)
110…スプレッダ
111…第1の挿入溝
112…第2の挿入溝
113…第3の挿入溝
114…第4の挿入溝
115…第5の挿入溝
116…第6の挿入溝
121…第1のフィンエレメント
121h…気孔
122…第2のフィンエレメント
122h…気孔
123…第3のフィンエレメント
123h…気孔
124…第4のフィンエレメント
124h…気孔
125…第5のフィンエレメント
125h…気孔
126…第6のフィンエレメント
126h…気孔
W…接合領域
S1、S2、S3…ツール挿入領域

Claims (4)

  1. 中実部材であるスプレッダと、
    前記スプレッダと接合し、多孔性部材である複数のフィンと、
    前記スプレッダと前記複数のフィンとの接合領域と、
    前記複数のフィンを構成する材料が摩擦撹拌接合ツールで押圧されながら撹拌されてその外方に突出する変形をすることにより、前記接合領域において形成された前記複数のフィンの各々の係止部と、
    を備えたヒートシンク。
  2. 前記複数のフィンの各々は、それらの配列方向に延在する複数の貫通孔を有する請求項1に記載のヒートシンク。
  3. 前記スプレッダは、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製であり、前記複数のフィンは、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製である請求項1又は2に記載のヒートシンク。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の前記ヒートシンクを製造する製造方法であって、前記複数のフィンの各々の一端部を、前記スプレッダに挿入した状態で、前記摩擦撹拌接合ツールの先端側のテーパ状のピンで押圧しながら、前記スプレッダと前記複数のフィンとを摩擦撹拌接合するヒートシンクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016174025A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 日立化成株式会社 放熱フィンおよびそれを搭載したヒートシンク、モジュール

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