JP2014160441A - 光ビーコン - Google Patents

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幸治 葉山
Shogo Takagi
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Abstract

【課題】 光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコンを用いた路車間通信において、下り方向の通信をより確実にする。
【解決手段】 本発明は、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコン4に関する。この光ビーコン4は、車載機2との間で光信号の送受信を行う送受信ユニット11と、ダウンリンク領域DAの下流側に入射光IOを送出して反射光ROを検出するセンサユニット12と、送受信ユニット11によるアップリンク信号の受信を契機として、センサユニット12による入射光IOの送出を中断する中断制御を行う制御部(ビーコン制御機7)と、を備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光通信機能と車両感知機能を兼ね備えた光ビーコンに関する。
路車間通信システムを利用した交通情報サービスとして、光ビーコン、電波ビーコン又はFM多重放送を用いたいわゆるVICS(Vehicle Information and Communication System:(財)道路交通情報通信システムセンターの登録商標)が既に展開されている。
このうち、光ビーコンは、近赤外線を通信媒体とした光通信を採用しており、車載機との双方向通信が可能である。具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信される。
逆に、光ビーコンからは、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等を含むダウンリンク情報が車載機に送信される。
このため、光ビーコンは、車載機との間で光信号を投受光する投受光器(「ビーコンヘッド」ともいう。)を備えており、この投受光器の筐体内には、ダウンリンク光を道路に向けて送出する発光素子と、車載機が送出したアップリンク光を受信する受光素子とを有する光通信用の送受信ユニットが搭載されている。
また、この種の光ビーコンとして、車載機との光通信機能の他に、軽自動車以上の車両の通過台数をカウントする車両感知機能を併有する光ビーコンがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
この車両感知機能を有する光ビーコンでは、車載機がダウンリンク光を受信可能なダウンリンク領域の下流側にパルス光よりなる入射光を送出する発光素子と、入射光の反射光を受光する受光素子とを有する車両感知用のセンサユニットが、更に投受光器の筐体内に搭載されている。
特開2008−242914号公報 特開2011−242835号公報
上記従来の光ビーコンでは、通常、入射光の波長がダウンリンク光の波長と一致又はほぼ同じになるように運用されることが多い。このため、特にダウンリンク領域の下流側よりの部分において、車両感知のための入射光がダウンリンク光と干渉して車載機がダウンリンク光を適切に受信できなくなり、下り方向の通信が阻害されるおそれがあった。
特に、車載機によるダウンリンク光の受信の確実性を増すために、ダウンリンク領域を下流側に広げると、入射光がダウンリンク光と干渉する可能性が増大する。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコンを用いた路車間通信において、下り方向の通信をより確実にすることを目的とする。
(1) 本発明は、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコンであって、車載機との間で光信号の送受信を行う送受信ユニットと、ダウンリンク領域の下流側に入射光を送出して反射光を検出するセンサユニットと、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信を契機として、前記センサユニットによる前記入射光の送出を中断する中断制御を行う制御部と、を備えていることを特徴とする。
本発明の光ビーコンによれば、制御部が上記の中断制御を行うので、入射光の中断期間を適切に設定することにより、車載機がダウンリンク領域内に存在している間は入射光が送出されず、ダウンリンク光に対する入射光の干渉を防止することができる。
このため、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコンを用いた路車間通信において、車両感知のための入射光によって下り方向の通信が阻害されるのが抑制され、下り方向の通信をより確実に行うことができる。
(2) 本発明の光ビーコンにおいて、前記制御部は、所定の条件を満たす場合に、車両の擬似的な感知信号を生成することが好ましい。
この場合、中断制御の実行によって車両の通過を感知できなかった場合でも、所定の条件下で擬似的な感知信号が生成されるので、中断制御の実行に伴う感知漏れを防止することができる。
(3) 前記所定の条件としては、例えば、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信時点から所定期間(図6の判定期間T2)が経過するまでに前記センサユニットによる車両感知がないことに設定すればよい。
この場合、例えば、実際の車両の速度が非常に高速であったことや中断期間の開始時期が遅れたことなどが原因で、その車両の通過を感知できなかった場合でも、感知信号を生成することができ、中断制御の実行に伴う車両感知の漏れを防止することができる。
なお、実際の感知データが生成されなくなるのを防止するためには、上記の「所定期間」の時間長は、その終了時点が「中断期間」の終了時点よりも後になる時間長に設定する必要がある。
(4) ここで、送受信ユニットとセンサユニットの対(例えば、これらのユニットが組み込まれた1つのビーコンヘッド)が複数の車線(例えば、着目する特定の「第1車線」と、それ以外の「第2車線」とする。)にそれぞれ対応して設けられており、特定の第1車線のみでアップリンク信号の受信があった場合を想定する。
この場合、第1車線でのアップリンク信号の受信に応じて、それ以外の第2車線についても入射光の送出を中断すると、その中断期間中に光通信に非対応の通常車両が第2車線の入射領域を通過した場合に、その通常車両を感知できなくなり、第2車線における車両の感知漏れを助長することになる。
そこで、前記送受信ユニットと前記センサユニットの対が複数の車線にそれぞれ対応して設けられている場合には、前記制御部は、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信があった前記車線に対応する前記センサユニットについてのみ前記入射光の送出を中断することが好ましい。
このようにすれば、アップリンク信号の受信があった車線についてのみ、センサユニットによる入射光の送出が中断され、その受信がなかった他の車線については、通常通り入射光の送出が継続されるので、他の車線における車両の感知漏れを防止できる。
(5) 本発明の光ビーコンにおいて、前記制御部は、例えば、車両の想定速度を時速70km未満の通常想定速度に設定して前記擬似的な感知信号を生成することができる。
(6) 或いは、前記制御部は、車両の想定速度を時速70km以上の高速想定速度に設定して前記擬似的な感知信号を生成することにしてもよい。
(7) より具体的には、前記制御部は、同じ車両からの所定回数(例えば、3回)以上のアップリンク信号の受信が繰り返された場合には、その車両の想定速度を前記通常想定速度に設定し、それ以外の場合は、その車両の想定速度を前記高速想定速度に設定することが好ましい。
このようにすれば、適切な想定速度を用いて擬似的な感知信号(疑似データ)を生成することができ、擬似的な感知信号の算出精度を向上することができる。
(8) 本発明の光ビーコンにおいて、前記制御部は、アップリンク信号を送信した車両の速度に応じて、当該車両の擬似的な感知信号のオン時間を求めることが好ましい。
このようにすれば、オン時間が固定値である疑似データの場合に比べて、実際の感知データに近い精度の高い疑似データを生成することができる。
(9) 本発明の光ビーコンにおいて、前記制御部は、前記センサユニットで検出した実際の感知信号のオン時間が車両の擬似的な感知信号のオン時間と重複する場合は、立ち上がり時刻については早い方の信号の当該時刻を採用し、立ち下がり時刻については実際の感知信号の当該時刻を採用して、出力する感知信号のオン時間を調整することが好ましい。
かかる調整を行うことにすれば、実際の感知信号や擬似的な感知信号をそのまま出力する場合に比べて、正確なオン時間の感知信号を出力することができる。
(10) 本発明の光ビーコンにおいて、前記制御部は、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信から所定時間以内に、前記センサユニットで検出した実際の感知信号のオン時間が車両の擬似的な感知信号のオン時間と重複しない場合は、両信号を連続させるか或いはいずれか一方の信号を選択して、出力する感知信号のオン時間を調整することが好ましい。
かかる調整を行うことにすれば、実際の感知信号が何らかの原因で疑似的な感知信号と重複しない場合でも、車両1台分の感知信号を生成でき、車両台数の誤カウントを防止することができる。
(11) 本発明の光ビーコンにおいて、中断期間の終了後(入射光の発光再開後)において、必ずしも、中断制御のトリガーとなるアップリンク信号を送信した車両(以下、本欄において「アップリンク車両」ともいう。)の車両感知を続けて行う必要はない。
すなわち、擬似的な感知信号を生成するための前記所定の条件は、中断制御のための条件と同様に、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信であってもよく、この場合、前記制御部は、当該アップリンク信号の受信があれば必ず、前記センサユニットによる車両感知を行わずに、車両の擬似的な感知信号を生成することになる。
(12) この場合、前記制御部は、入射光の送出を中断する中断期間の終期を、入射光を送出する入射領域を車両が通過する時点以後に設定することが好ましい。
このようにすれば、中断期間の終期が、車両が入射領域から退出する時点以後まで延びることになり、入射光による干渉をより確実に防止することができる。
(13) もっとも、中断期間の終期が遅くなり過ぎると、アップリンク車両に続く後続車両のカウント漏れが生じる可能性が高まる。そこで、前記制御部は、アップリンク信号を送信した車両の速度に応じて、前記中断期間の終期を求めることが好ましい。
このようにすれば、中断期間の終期を、アップリンク車両の速度に応じて動的かつ適切な時点に設定できるので、中断期間の終期を固定値とする場合に比べて、後続車両の感知漏れを確実に防止することができる。
(14) 本発明の光ビーコンにおいて、前記制御部は、通常の感知信号と識別可能なパターンである疑似的な感知信号を生成することが好ましい。
このようにすれば、感知信号を用いて交通指標を算出する路側装置(例えば、中央装置)が、光ビーコンから取得した擬似的な感知信号を、通常の感知信号と区別できるようになる。このため、擬似的な感知信号については、時間占有率の算出には利用せず、車両台数のカウントのみに使用するなどの、柔軟な情報処理が可能となる。
(15) 上述の(8)に記載の「擬似的な感知信号のオン時間」や、上述の(13)に記載の「中断期間の終期」などのように、アップリンク信号を送信した車両(アップリンク車両)の速度に応じて、中断制御や疑似データの処理などに必要な時間や時期を動的に求める場合には、前記制御部は、例えば、前記送受信ユニットが受信したアップリンク信号から車両の速度を抽出することにすればよい。
(16) また、前記制御部は、前記送受信ユニットが受信したアップリンク信号に含まれる車両の軌跡データから車両の速度を算出することにしてもよい。
(17) 更に、前記制御部は、前記送受信ユニットが受信した複数のアップリンク信号のアップリンク位置の標定結果から車両の速度を算出することにしてもよい。
以上の通り、本発明によれば、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコンを用いた路車間通信において、下り方向の通信をより確実に行えるようになる。
路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。 光ビーコンの設置部分を上から見た道路の平面図である。 光ビーコンの通信領域と入射領域を示す道路の側面図である。 光ビーコンの回路構成の一例を示す機能ブロック図である。 路車間通信の通信手順の一例を示すシーケンス図である。 ビーコン制御機が行う中断制御を示すフローチャートである。 感知データの調整例を示すタイミングチャートである。 ビーコン制御機が行う別の中断制御を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態の光ビーコン4の設置部分を上から見た道路Rの平面図である。
図1に示すように、本実施形態の路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する車両20(図3参照)に搭載された車載機2とを備えている。
交通管制システム1は、交通管制室等に設けられた中央装置3と、道路Rの各所に多数設置された光ビーコン(光学式車両感知器)4とを備え、光ビーコン4は、近赤外線を通信媒体とした光通信によって車載機2との間で無線通信を行うことができる。
光ビーコン4は、通信制御などを行うビーコン制御機7と、このビーコン制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数(図1の例では、4つ)のビーコンヘッド(投受光器)8とを有している。
ビーコン制御機7は、インフラ側の通信部6に接続されており、通信部6は、電話回線等の通信回線5によって中央装置3と接続されている。
通信部6は、例えば、信号灯器の灯色を制御する交通信号制御機や、インフラ側における交通情報の中継処理を行う情報中継装置等より構成することができる。
本実施形態の光ビーコン4は、全二重通信方式を採用している。すなわち、後述のビーコン制御機7は、光通信用の発光ユニット13に対するダウンリンク方向の送信制御と、光通信用の受光ユニット14に対するアップリンク方向の受信制御を同時に行う。
これに対して、本実施形態の車載機2は、半二重通信方式を採用している。すなわち、後述の車載制御機21は、光送信部23に対するアップリンク方向の送信制御と、光受信部24に対するダウンリンク方向の受信制御とを同時には行わない。
〔光ビーコンの全体構成〕
光ビーコン4のビーコンヘッド8は、光通信用の送受信ユニット11と、車両感知用のセンサユニット12とを筐体31の内部に備えている(図3参照)。
このように、本実施形態では、1つのビーコンヘッド8の筐体31に、光通信と車両感知のための各ユニット11,12をそれぞれ組み込むことにより、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコン4が構成されている。
送受信ユニット11は、車載機2との間で光信号を無線で送受信する光トランシーバである。
図1に示すように、送受信ユニット11は、ダウンリンク光DOを送出する光通信用の発光ユニット13と、アップリンク光UOを受光して電気信号に変換する光通信用の受光ユニット14とを有する。
光通信用の発光ユニット13(以下、「通信用発光ユニット13」ともいう。)は、ビーコン制御機7から送出される下りフレームを所定の伝送速度のシリアルな送信信号に変換する送信回路と、出力された送信信号をダウンリンク方向の光信号に変換する、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)からなる発光素子とを有する。
通信用発光ユニット13の発光素子は、近赤外線の光信号であるダウンリンク光DO(図3参照)を上流側に向かって斜め下方に送出する。
また、光通信用の受光ユニット14(以下、「通信用受光ユニット14」ともいう。)は、フォトダイオード(PD:Photo Diode)等からなる受光素子と、この受光素子が出力する電気信号を増幅してデジタル信号を生成する受信回路とを有する。
通信用受光ユニット14の受光素子は、車載機2が送出した近赤外線の光信号であるアップリンク光UO(図3参照)を受光し、通信用受光ユニット14の受信回路は、受光したアップリンク光UOを電気信号に変換してビーコン制御機7に送る。
センサユニット12は、ビーコンヘッド8のほぼ直下を通過する車両20の存在を非接触で感知するための光感知センサである。
図1に示すように、センサユニット12は、入射光IOを送出する車両感知用の発光ユニット15と、反射光ROを受光して電気信号に変換する車両感知用の受光ユニット16とを有する。
車両感知用の発光ユニット15(以下、「感知用発光ユニット15」ともいう。)は、所定周期の光パルス信号である入射光IO(図3参照)を下方向に送出する。
また、車両感知用の受光ユニット16(以下、「感知用受光ユニット16」ともいう。)は、上記入射光IOの道路Rや車両20に対する反射光RO(図3参照)を受光し、受光した反射光ROを電気信号に変換してビーコン制御機7に送る。
ビーコン制御機7は、信号処理部、CPU及びメモリなどを有するコンピュータ装置よりなり、中央装置3との通信や所定の通信インタフェース規格に従って車載機2と路車間通信を行う通信制御部としての機能と、車両20の感知制御部としての機能とを有する。
また、ビーコン制御機7は、通信制御や感知制御のためのコンピュータプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、当該CPUが上記通信制御部及び感知制御部として機能する。
例えば、ビーコン制御機7は、車両IDなしの車線通信情報を含むダウンリンク信号を通信用発光ユニット13に所定周期で送出させており、ダウンリンク信号の受信を契機として車載機2が送信する車両IDを含むアップリンク信号を待つ。
ビーコン制御機7は、通信用受光ユニット14にてアップリンク信号を受信すると、そのアップリンク信号から抽出した車両IDを格納した車線通知情報と、当該車両ID向けの提供情報とを含めた別のダウンリンク信号を生成してウンリンクの切り替えを行い、生成したダウンリンク信号を通信用発光ユニット13に所定周期で送出させる。
また、ビーコン制御機7は、プローブデータなどの交通信号制御に有用な情報がアップリンク信号に含まれておれば、その情報を中央装置3に転送する。
更に、ビーコン制御機7は、所定波長の入射光IOを感知用発光ユニット15に一定の強度及びパルス周期で送出させ、感知用受光ユニット16が受光する反射光ROの受光強度が閾値以上か否かにより、車両20の存在を感知する。なお、この閾値は固定値とは限らず、例えば、反射光ROの受光強度に応じた追従処理によって変動することもある。
すなわち、ビーコン制御機7は、感知用受光ユニット16において閾値以上の反射光ROの受光強度が検出された場合に、車両20の感知信号を生成し、その感知信号を中央装置3に送信する。
なお、感知用発光ユニット15が送出する入射光IOの波長は、通信用発光ユニット13が送出するダウンリンク光DOの波長と同じか、或いは、そのダウンリンク光DOと干渉が生じ得る程度に近接した波長(例えば、850nm)であるとする。
〔光ビーコンの設置状態〕
図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されている。
光ビーコン4は、その車線R1〜R4にそれぞれ対応して設けられた複数の前記ビーコンヘッド8と、これらのビーコンヘッド8を一括制御する制御部である1台の前記ビーコン制御機7とを備えている。
ビーコン制御機7は、道路脇に立設した支柱17に設置されている。また、各ビーコンヘッド8は、支柱17から道路R側に水平に架設した架設バー(梁部材)18に取り付けられ、道路Rの各車線R1〜R4の直上に配置されている。
各ビーコンヘッド8の通信用発光ユニット13は、自機の直下よりも車両進行方向の上流側に向けてダウンリンク光DOを発光しており、これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが当該ビーコンヘッド8の上流側に設定されている。
また、各ビーコンヘッド8の感知用発光ユニット15は、自機の直下に向けて入射光IOを発光しており、これにより、道路Rの所定の車線R1〜R4を通行する車両20の感知エリアである入射領域Bが当該ビーコンヘッド8のほぼ直下に設定されている。
〔光ビーコンの通信領域と入射領域〕
図3は、光ビーコン4の通信領域Aと入射領域Bを示す道路Rの側面図である。
図3に示すように、送受信ユニット11の通信領域Aは、車載機2によるダウンリンク光DOの受光可能範囲であるダウンリンク領域DA(実線のハッチング部分)と、ビーコンヘッド8によるアップリンク光UOの受光可能範囲であるアップリンク領域UA(破線のハッチング部分)とからなる。
光ビーコン(光学式車両感知器)の「近赤外線式インタフェース規格」によれば、双方の領域DA,UAの上流端c0は互いに一致することとされている。
また、上記規格における各領域DA,UAの上下流端位置の規格値(一般道路の場合)を例示すると、次の通りである。ただし、この規格値は、道路面からの高さHが1.0mでかつ投受光器8の直下位置(原点O)から上流方向を正の数とした場合の値である。
ダウンリンク領域DAの下流端位置a0:+1.3m
アップリンク領域UAの下流端位置b0:a0+2.1m(=3.4m)
双方領域DA,UAの上流端位置c0 :b0+1.6m(=5.0m)
センサユニット12の入射領域Bは、感知用発光ユニット15が道路Rに向けて入射する入射光IOの照射範囲である。
ここで、入射光IOの発光方向V1を厳密に真下(鉛直方向の下方)に設定すると、例えば降雨時に路面に水溜まりができた場合などに、路面からの反射光ROの強度が増加し、誤検出が多くなって適切な車両感知ができない可能性が高くなる。そこで、通常は、入射光IOの発光方向V1を、鉛直方向に対して所定角度α(例えば、4.5°)だけ上流側(プラス側)に指向させている。
なお、発光方向V1を上記のように指向させた場合における、路面高さH=1.0mにおける入射領域Bの上下流端位置x0,y0の設定値を例示すると、次の通りである。
入射領域Bの下流端位置x0:−0.15m
入射領域Bの上流端位置y0:+0.93m
なお、入射光IOの発光方向V1は、上記とは逆に、鉛直方向に対して所定角度(例えば、4.5°)だけ下流側(マイナス側)に指向させることにしてもよい。
このようにすれば、発光方向V1が鉛直方向に対して上流側を指向する上記の場合に比べて、入射光IOがダウンリンク光DOと干渉するのを更に軽減できる。
また、発光方向V1を下流側に指向させれば、ダウンリンク領域DAの下流端位置a0をより下流側に設定でき、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さを拡張することができる。このため、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコン4において、ダウンリンク通信容量を拡大できるという利点もある。
〔車載機の構成〕
図3に示すように、本実施形態の車載機2は、車載制御機21と車載ヘッド22とを備えている。車載ヘッド22の内部には、光送信部23と光受信部24が収容されている。
このうち、光送信部23は、近赤外線よりなるアップリンク光UO(アップリンク方向の光信号)を発光する発光素子を有し、光受信部24は、ダウンリンク領域DAに送出された近赤外線よりなるダウンリンク光UO(ダウンリンク方向の光信号)を受光する受光素子を有する。
光送信部23は、車載制御機21から出力される上りフレームを所定の伝送速度のシリアルな送信信号に変換する送信回路と、出力された送信信号をアップリンク方向の光信号に変換する、発光ダイオード等よりなる発光素子とを有する。
現行の前記規格によれば、車載機2の光送信部23が送信するアップリンク光UOの伝送速度は、64kbpsである。
光受信部24は、フォトダイオード等よりなる受光素子と、この受光素子が出力する電気信号を増幅してデジタルの受信信号を生成する受信回路とから構成されている。
現行の前記規格によれば、光受信部24が受信するダウンリンク光DOの伝送速度は、1024kbpsである。
車載制御機21は、信号処理部、CPU及びメモリなどを有するコンピュータ装置よりなり、光ビーコン4との路車間通信を行う通信制御部としての機能を有する。
また、車載制御機21は、通信制御のためのコンピュータプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、当該CPUが上記通信制御部として機能する。
更に、車載制御機21は、アップリンクデータとして、自車両の走行データ(例えば、通過位置と通過時刻を時系列に並べた走行軌跡データであるプローブ情報など)を生成して、光送信部23にアップリンク送信させる機能も有する。
この場合、例えばアップリンク速度を高速化することにすれば、より多くのプローブ情報(走行軌跡を記録する道路区間を長くしたり、同一道路区間における通過位置と通過時刻の記録密度を高くしたりした情報)を送信することが可能になる。
なお、本実施形態の車載制御機21は、上記CPUを含む本体制御部とは別に、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含む簡易制御部を設けた回路構成であってもよい。
この簡易制御部は、例えば、光受信部24が何らかの下りフレームを受信した場合に、自車両の車両IDを含む上りフレーム(従来の伝送速度64kbpsの上りフレーム)を1つだけ、光送信部23にアップリンク送信させる機能を有する。
〔光ビーコンの回路構成〕
図4は、光ビーコン4の回路構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、ビーコンヘッド8は、光通信用の発光ユニット13及び受光ユニット14と、車両感知用の発光ユニット15及び受光ユニット16とを備える。
また、ビーコン制御機7は、通信制御用の通信IC69と、感知制御用の感知処理部71と、デジタル信号処理を行うメインCPU70及び感知CPU72とを有する。
光通信用の発光ユニット13は、光通信用の発光部材42及び駆動回路61を含み、光通信用の受光ユニット14は、光通信用の受光部材43、増幅器62、フィルタ回路63及びコンパレータ64を含む。
通信IC69は、メインCPU70から取得した下りデータを所定の符号化方式(例えば、マンチェスター符号)にて変換して、所定周期のシリアルな電気信号よりなるパルス信号P1を生成し、このパルス信号P1を駆動回路61に出力する。
駆動回路61は、通信IC69から入力されたパルス信号P1をベースとして、発光素子の駆動電圧を発生するスイッチング素子を含み、発生した駆動電圧を発光部材42に出力してその発光素子を駆動する。
増幅器62は、受光部材43の受光素子にて光電変換された電気信号を増幅し、増幅後の電気信号をフィルタ回路63に出力する。フィルタ回路63は、少なくともアップリンク方向の伝送速度(本実施形態では、64kbps)の高速信号成分を抽出し、抽出した高速信号をコンパレータ64に出力する。
コンパレータ64は、入力された高速信号を閾値と比較し、この比較によって抽出したデジタルの受信信号(ビットデータ)を通信IC69に出力する。
通信IC69は、先頭5バイトのアイドルパターンを用いて受信信号の伝送速度を判定および受信クロックを生成し、生成したクロックにてビットデータをサンプリングし、上りフレームに含まれる上りデータを再生する。そして、通信IC69は、再生した上りデータをメインCPU70に送る。
車両感知用の発光ユニット15は、車両感知用の発光部材45及び駆動回路65を含み、車両感知用の受光ユニット16は、車両感知用の受光部材46、増幅器66、フィルタ回路67及びピークホールド回路68を含む。
感知処理部71は、所定周期のパルス信号P2を自律的に生成し、このパルス信号P2を駆動回路65に出力する。
駆動回路65は、感知処理部71から入力されたパルス信号P2をベースとして、発光素子の駆動電圧を発生するスイッチング素子を含み、発生した駆動電圧を発光部材45に出力してその発光素子を駆動する。
増幅器66は、受光部材46の受光素子にて光電変換された電気信号を増幅し、増幅後の電気信号をフィルタ回路67に出力する。フィルタ回路63は、少なくとも入射光IOと同じ周波数成分の信号を抽出し、抽出した信号をピークホールド回路68に出力する。
ピークホールド回路68は、入力された電気信号の包絡線を検波し、検波信号を感知処理部71に出力する。
感知処理部71は、入力された検波信号が所定の閾値以上であるか否かを判定し、検波信号が閾値以上となる期間のパルス信号を感知データとして、感知CPU72に出力する。そして、感知CPU72は、感知処理部71から取得した感知データをメインCPU70に出力する。
〔路車間通信の内容と入射光の送出タイミング〕
図5は、通信領域Aで行われる路車間通信の通信手順を示すシーケンス図である。
ここで、図5において、白丸を付したフレームは、車両IDを含まないフレーム(車両IDなしの「車線通知情報」を有するフレーム)であることを示し、黒丸を付したフレームは、車両IDを含むフレーム(車両IDありの「車線通知情報」を有するフレーム)であることを示している。
また、以下の路車間通信の説明では、動作主体が光ビーコン4と車載機2であるとして説明するが、実際の通信制御は、光ビーコン4のビーコン制御機(通信制御部)7と、車載機2の車載制御機(通信制御部)21が実行する。
図5に示すように、光ビーコン4は、車線R1〜R4ごとに設けられたビーコンヘッド8から、下りフレームDL1を所定の送信周期で送信し続けている。この段階では、車線通知情報に車両IDが格納されていない。
車両20がダウンリンク領域DAに入ると、車載機2が車線通知情報(車両ID無し)を含む下りフレームDL1或いはその他の下りフレームDL1を受信し、車両20が光ビーコン4の通信領域A内に入ったことを察知する。
この際、車載機2は、車線通知情報に車両IDを格納した上りフレームUL1(以下、「ID格納フレームU1」ともいう。)を生成し、この上りフレームUL1をアップリンク送信する。
なお、旅行時間情報などの光ビーコン4に提供すべき情報がある場合には、ID格納フレームU1の実データ部にその情報が格納される。
受信フレームのCRCチェック等を経てID格納フレームU1が光ビーコン4において正規に受信されると、光ビーコン4は、遅くとも10m秒以内でダウンリンク切り替えを行ったあと、下りフレームDL2の繰り返し送信を開始する。
繰り返して下り送信される複数の下りフレームDL2には、先頭部分で連送される車線通知情報に車両IDを含めた下りフレーム(黒丸付きの下りフレームDL2:以下、「折り返しフレーム」ともいう。)と、その後に繰り返し送信される所定の提供情報を含む通常の下りフレームDL2とからなる。
すなわち、光ビーコン4は、ID格納フレームU1を車載機2から受信すると、取得した車両IDの値を車線通知情報に含めた折り返しフレームを生成し、生成した折り返しフレームを、ダウンリンク切り替え後に繰り返し送信する複数の下りフレームDL2に織り交ぜることにより、車載機2が通知してきた車両IDを自身が察知したことを、相手方の車載機2に通知するようになっている。
上記の下りフレームDL2の繰り返し送信は、前記した所定時間内において可能な限り繰り返される。
また、図5に示すように、折り返しフレーム(黒丸付きの下りフレームDL2)は、提供情報の送信期間中においてダウンリンク情報を構成する一連の複数の下りフレームDL2(例えば5個の下りフレームDL2)の1つとしても送信され、一連の複数の下りフレームDL2の先頭にのみ含まれて繰り返し(図5の例では5フレームごと)送信される。
なお、ダウンリンク情報を構成する一連の下りフレームDL2は最大で80個まで格納できるため、ID格納フレーム(黒丸付きの下りフレームDL2)は、最も少ない頻度の場合には80フレームに1つの割合で格納されることとなる。
車載機2は、光ビーコン4から複数の下りフレームDL2を受信し、その複数の下りフレームDL2の中で、自車両の車両IDが記された車線通知情報を含むものがあるか否かを判定する。
車載機2は、その判定結果が肯定的である場合に、自車両の車両IDのループバックが成功したことを確認し、この時点で自機の通信を送信から受信に切り替える。
逆に、車載機2は、その判定結果が否定的である間は、自車両の車両IDのループバックが成功していないと判断し、自機の通信を送信のままにする。この場合、車載機2は、例えば、先に送信した上りフレームU1の送信後所定時間(例えば30ms)後に、再び上フレームUL1を送信する。車載機2は、この再送の動作を車両IDのループバックが成功するまで繰り返す。
図5において、「光ビーコン(車両感知)」から右側に延びる時間軸は、車両感知機能を有する本実施形態の光ビーコン4による、入射光IOの送出タイミングを示している。
この送出タイミングに示すように、本実施形態の光ビーコン4では、ID格納フレームU1を検出した時点で入射光IOの送出がいったん中断され、所定の「中断期間T1」が経過すると入射光IOの送出が再開される。なお、かかる入射光IOの「中断制御」の詳細については、後述する。
〔車両感知機能を有する光ビーコンの問題点〕
前述の通り、ダウンリンク領域DAの下流端位置a0の規格値は+1.3mであり、入射領域Bの上流端位置y0の通常の設定値は+0.93mである。従って、これらの値を遵守してビーコンヘッド8を適切にセットすれば、幾何学的には、入射光IOがダウンリンク光DAと干渉することはない(図3参照)。
しかし、発光素子に内在する指向方向又は指向角度の誤差や、入射光IOの乱反射などが原因で、車両感知用の発光部材45が送出した入射光IOがダウンリンク領域DAの下流側よりの部分に到達し、ダウンリンク光DOと干渉するおそれがある。
特に、車載機2によるダウンリンク光DOの受信の確実性を増すために、ダウンリンク領域DAの下流端位置a0を規格値よりも下流よりに設定するような場合には、入射光IOがダウンリンク光DAと干渉する可能性が更に増大することになる。
そこで、本実施形態では、光ビーコン4のビーコン制御機7が、アップリンク信号の受信を契機として入射光IOの送出を中断する「中断制御」を行うことにより、車載機2がダウンリンク領域DA内に存在している間はなるべく入射光IOの干渉を受けないようにし、これによって上述の問題点を解決する。
〔中断制御の内容〕
図6は、ビーコン制御機7が行う中断制御を示すフローチャートである。以下、図6を参照しつつ、中断制御の内容を説明する。
図6に示すように、ビーコン制御機7は、車載機2からのアップリンク信号の受信があるか否かを常時判定しており(ステップST1)、その受信があった場合に、車両感知用の発光、すなわち、入射光IOの発光を停止する(ステップST2)。
図4を参照して、上記の処理を具体的に説明すると、メインCPU70は、受信フレームのCRCチェック等によって「ID格納フレームU1」(図5参照)の受信を検出すると、感知処理部71に中断信号S1を送る。
感知処理部71は、上記の中断信号S1を受けると、駆動回路65に対するパルス信号P1の出力を停止する。これにより、車両感知用の発光部材45が発光しなくなり、入射光IOの送出が中断される。
次に、ビーコン制御機7は、所定の中断期間T1が経過したか否かを判定し(ステップST3)、経過した場合には、車両感知用の発光を再開する(ステップST4)。
具体的には、メインCPU70は、ID格納フレームU1の受信時点からのタイマー値が予め設定された中断期間T1となった場合に、感知処理部71に再開信号S2を送る。
感知処理部71は、上記の再開信号S2を受けると、駆動回路65に対するパルス信号P1の出力を開始する。これにより、車両感知用の発光部材45が再度発光し、入射光IOの送出が再開される。
なお、上記の発光停止と発光再開の処理において、アップリンク受信の検出と中断期間T1の経過の判定を通信IC69が行い、通信IC69が、中断信号S1と再開信号S2を感知処理部71に送るようにしてもよい。
ここで、例えば、車両20の想定速度を時速70kmとし、遅くとも2回目のID格納フレームU1にてアップリンク受信を検出できると仮定すると、中断期間T1を約190m秒に設定すればよい。すなわち、この時間値は、ID格納フレームU1の受信を1回失敗するのを許容する場合の中断期間T1の時間値である。
この場合、実際の車両20が、概ね想定速度に近い速度で走行しておれば、車載機2がダウンリンク領域DAを通り抜けて、ちょうど入射領域Bに進入する頃には入射光IOの発光が再開され、発光の中断に伴う車両20の感知漏れが生じない。
もっとも、実際の車両20が想定速度に比べてかなり速い速度(例えば、時速120km)で走行していたとすると、中断期間T1が経過した頃には、車両20が入射領域Bを既に通り過ぎ、発光の中断に伴う車両20の感知漏れが発生する場合がある。
そこで、ビーコン制御機7は、アップリンク受信を検出した車線R1〜R4に対してのみ、中断期間T1よりも長時間である所定の判定期間T2(例えば、5秒)に車両20を感知したか否かを判定する(ステップST5)。
上記の判定結果が肯定的である場合は、ビーコン制御機7は、実際に感知した感知データを通常通り出力する(ステップST6)。具体的には、メインCPU70が、感知CPU72から取得した感知データを外部に出力する。
他方、上記の判定結果が否定的である場合は、ビーコン制御機7は、擬似的な感知データ(以下、「疑似データ」ともいう。)を生成して外部に出力する(ステップST7)。具体的には、メインCPU70が、その疑似データを自律的に生成して外部に出力する。
なお、上記の判定期間T2の時間長は、その終了時点が中断期間T1の終了時点よりも後になる時間長に設定される。
その理由は、判定期間T2の終了時点が中断期間T1の終了時点よりも前になると、図6に示すフローチャートにおいて、ビーコン制御機7が必ず疑似パルスを生成することになり、実際の感知データがあっても出力されなくなって不適切だからである。
一方、判定期間T2内に車両20を感知できない原因としては、実際の車両20の速度が速すぎるケース(第1のケース)だけでなく、例えば、光ビーコン4側においてID格納フレームU1の受信を2回以上失敗したために、アップリンク受信の検出が遅れ、これに伴って中断期間T1の終了時点が遅れるケース(第2のケース)が想定される。
そこで、光ビーコン4の設置地点などの場所的状況や、特定の時間帯、曜日及び季節などの時間的状況ごとに、上記のどちらのケースが多いかを考慮し、疑似データの算出に用いる想定速度を予め決定しておくことが好ましい。
具体的には、第1のケースが支配的な場所的状況又は/及び時間的状況の場合には、疑似データの算出に用いる想定速度として、時速70km以上の所定の「高速想定速度」(例えば、時速100km)を採用すればよい。
他方、第2のケースが支配的な場所的状況又は/及び時間的状況の場合には、疑似データの算出に用いる想定速度として、時速70km未満の所定の「通常想定速度」(例えば、時速40kmや時速50km)を採用すればよい。
また、ビーコン制御機7が、「疑似データ」を生成する処理(ステップST7)を行う場合に、同じ車両IDのアップリンク信号の受信を所定回数(例えば、3回)以上繰り返したか否かを判定し、この判定結果に応じて、疑似データの算出に用いる速度を上記の「通常想定速度」又は「高速想定速度」のいずれを採用するかを、動的に決定することにしてもよい。
この場合、ビーコン制御機7は、上記判定結果が肯定的である場合には、疑似データの算出に用いる想定速度として、時速70km未満の所定の「通常想定速度」(例えば、時速40kmや時速50km)を採用すればよい。
具体的には、メインCPU70が、上記の「通常想定速度」で車両20が走行していたものと仮定して、車両20が入射領域B(車両進行方向で約1.2m幅の領域)を通過するのに必要な時間幅(感知時間)の感知パルスを生成し、これを疑似データとする。
また、ビーコン制御機7は、上記判定結果が否定的である場合には、疑似データの算出に用いる想定速度として、時速70km以上の所定の「高速想定速度」(例えば、時速100km)を採用すればよい。
具体的には、メインCPU70が、上記の「高速想定速度」で車両20が走行していたものと仮定して、車両20が入射領域B(車両進行方向で約1.2m幅の領域)を通過するのに必要な時間幅(感知時間)の感知パルスを生成し、これを疑似データとする。
〔光ビーコンの効果〕
以上の通り、本実施形態の光ビーコン4によれば、ビーコン制御機7が、アップリンク信号の受信を契機として入射光IOの送出を中断するので(図6のステップST1〜ST4)、上述のように中断期間T1を適切な時間に設定することにより、車載機2がダウンリンク領域DA内に存在している間は入射光IOが送出されず、ダウンリンク光DOに対する入射光IOの干渉を防止することができる。
このため、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコン4を用いた路車間通信において、車両感知のための入射光IOによって下り方向の通信が阻害されるのが抑制され、下り方向の通信をより確実に行うことができる。
また、本実施形態の光ビーコン4によれば、ビーコン制御機7が、アップリンク信号の受信時点から所定の判定期間T2が経過するまでに車両感知がない場合に、擬似的な感知データを生成して出力する(図6のステップST5,ST7)。
このため、例えば、実際の車両20の速度が非常に高速であったり、中断期間T1の開始時期が遅れたりして、その車両20の通過を感知できなかった場合でも、感知データを生成して中央装置3等に通知でき、中断制御の実行に伴う車両感知の漏れを防止することができる。
更に、本実施形態の光ビーコン4では、ビーコン制御機7が、同じ車両IDのアップリンク信号の受信を所定回数(例えば、3回)以上繰り返したか否かに応じて、疑似データの算出に用いる想定速度として、通常想定速度又は高速想定速度のいずれを採用するかを決定する。
このため、所定の判定期間T2内に車両感知できなかったために疑似データを生成する場合において、適切な想定速度を用いて疑似データを生成することができ、疑似データの算出精度を向上することができる。
〔第1の変形例:複数車線の場合の制御方法〕
上述の実施形態では、送受信ユニット11とセンサユニット12の対を含む1つのビーコンヘッド8のみに着目して、中断制御の内容を説明した。
しかし、図1及び図2に示すように、ビーコン制御機7は、車線R1〜R4ごとに設置された複数のビーコンヘッド8を統括的に制御するので、いずれか1つの車線R1〜R4で上りフレームUL1のアップリンク受信が検出された場合に、どのように中断制御を実行すべきかが問題となる。
すなわち、車線R1のビーコンヘッド8でアップリンク受信を検出した場合に、当該車線R1のビーコンヘッド8に対して中断制御を行うことは当然であるが、他の車線R2〜R4のビーコンヘッド8に対して中断制御を行うか否かの問題である。
この場合、他の車線R2〜R4のビーコンヘッド8による入射光IOの送出を中断すると、その中断期間中に光通信に非対応の通常車両が他の車線R2〜R4の入射領域Bを通過した場合に、その通常車両を感知できなくなり、他の車線R2〜R4における車両の感知漏れが助長される。
そこで、送受信ユニット11及びセンサユニット12の対を含むビーコンヘッド8が複数の車線R1〜R4にそれぞれ対応して設けられている場合には、ビーコン制御機7は、その車線R1〜R4ごとに個別に中断制御を行うことが好ましい。
すなわち、ビーコン制御機7は、ビーコンヘッド8ごとに図6の中断制御を独立して行うに当たり、アップリンク受信を検出したビーコンヘッド8についてのみ入射光IOの送出を中断し、アップリンク受信を検出していないビーコンヘッド8については、入射光IOの送出を中断させない。
このようにすれば、実際にアップリンク受信があった車線R1についてのみ、センサユニット12による入射光IOの送出が中断され、その受信がなかった他の車線R2〜R4については、通常通り入射光IOの送出が継続される。
このため、他の車線R2〜R4において、車両20の感知漏れが発生するのを未然に防止することができる。
〔第2の変形例:中断期間の始期〕
上述の実施形態では、ビーコン制御機7が、アップリンク信号の受信を検出すると、入射光IOの送出の中断を即座に開始するようになっているが、必ずしも中断開始時点をアップリンク受信時点と合わせる必要はなく、アップリンク受信時点から所定の「遅延時間」が経過してから、入射光IOの送出を中断することにしてもよい。
その理由は、光ビーコン4を用いた路車間通信では、最初のID格納フレームU1によって路車間の通信が確立する場合が殆どであるから、入射光IOの送出の中断時点をID格納フレームU1の受信時点に合わせると、中断が早すぎる場合が多くなるからである。
例えば、上記遅延時間を100m秒に設定し、前述の中断期間T1を90m秒に設定する場合には、アップリンク受信時点から100m秒間は入射光IOの送出が継続され、その後の中断期間T1(=90m秒)に入射光IOの送出が停止され、この中断期間T1の経過後に入射光IOの送出が再開されることになる。
上記の通り、中断期間T1の始期は、アップリンク受信の検出時点であってもよいし、アップリンク受信の検出時点から所定の遅延時間が経過した時点であってもよい。
また、中断期間T1の始期について遅延時間を設定する場合には、その中断期間T1の始期を、光ビーコン4との路車間通信が可能であってその通信領域Aにおいてアップリンク信号を送信した車両20(以下、「アップリンク車両」ともいう。)が、入射領域Bに入る時点までに設定すればよい。
このように、中断期間T1の始期の遅延時間は固定値に設定してもよいが、後述の「第5の変形例」に記載の通り、路車間通信の際に光ビーコン4側でアップリンク車両の速度を検出可能な場合には、ビーコン制御機7は、検出した車両20の速度から求めた入射領域Bへの到達時点までに、入射光IOの発光の中断を開始すればよい。
アップリンク信号を利用して検出した速度は、通信領域Aを走行中のアップリンク車両の実際の速度を概ね正確に反映しているので、その速度から求めた入射領域Bへの到達時点もほぼ正確であると考えられるからである。
〔第3の変形例:疑似データの出力タイミング〕
ビーコン制御機7が疑似データを生成した後の当該疑似データの出力タイミングは、アップリンク車両が入射領域Bに到達する推定時点(アップリンク車両の速度から求めた算出値でもよいし、固定値でもよい。)から200m秒以内に設定すればよい。
その理由は、感知データ(パルス信号)の出力タイミングについては、パルス検出から200m秒以内に送信すべきことが、車両感知器の仕様で定められているからである。
なお、アップリンク車両の速度を時速40km(≒秒速11m)とし、アップリンク信号を受信できた車両位置から入射領域Bの上流端までの距離を約5.4mとすれば、アップリンク信号の検出始点から5.4/11≒0.5秒後にアップリンク車両が入射領域Bに到達したと仮定できる。
従って、この場合、アップリンク信号の検出始点から0.5秒が経過した時点から200m秒以内に、疑似データの送信を開始すればよいことになる。
〔第4の変形例:中断期間の終期〕
中断期間T1の終期は、アップリンク信号の受信を検出した時点から、少なくとも190m秒経過した時点に設定すればよい。
また、高低2種類の伝送速度でのアップリンク受信が可能な次世代型の光ビーコン4に対して、高低2種類の伝送速度でのアップリンク送信が可能な次世代型の車載機2が、低速フレーム(アップリンク1)とその次の高速フレーム(アップリンク2)を所定の時間間隔を開けてそれぞれアップリンク送信する場合には、中断期間T1の終期を、低速フレームの受信を検出した時点から少なくとも190m秒経過した時点に設定すればよい。
その理由は、光ビーコン4の通信規約では、車載機2が、最大80フレームの下りフレームDL2で構成されるダウンリンク切り替え後のダウンリンク情報を2回分(=160フレーム)受信できることが必要とされており(この点は、次世代型でも同様)、その160フレーム分の下りフレームDL2を光ビーコン4が送信するのに、最初のアップリンク受信の検出から概ね190m秒かかるからである。
このため、中断期間の終期T1を上記の時点に設定すれば、少なくとも通信規約で要請されるダウンリンク情報のデータ量を車載機2が受信する間は、入射光IOの発光が中断されることになり、入射光IOの干渉によって必要最低限のダウンリンク受信が阻害されるのを未然に防止することができる。
なお、中断期間T1の終期は、更に遅延させてもよく、例えば、予め設定されたダウンリンク情報の最大送出期間(例えば、アップリンク信号の受信検出から350m秒)の終了時点としてもよい。
〔第5の変形例:疑似データのオン時間の動的設定〕
上述の実施形態では、疑似データのオン時間(立ち上がり時刻から立ち下がり時刻までの時間長)を所定の想定速度に応じて固定値に設定しているが、受信したアップリンク信号から光ビーコン4がアップリンク車両の速度を検出できる場合には、検出した速度に応じて疑似データのオン時間を動的に求めることにしてもよい。
例えば、所定の基準速度Vsに対応する感知信号のオン時間(パルス長)がTsである場合において、アップリンク車両の検出速度がVdであれば、疑似パルスのオン時間(パルス長)Tdを、Td=(Vd/Vs)×Tsの式により調整すればよい。
また、光ビーコン4のビーコン制御機7は、検出した車両20の速度から、その車両20が入射領域Bに進入する進入予測時刻と、入射領域Bから退出する退出予測時刻を算出し、その進入予測時刻が立ち上がり時刻となりかつその退出予測時刻が立ち下がり時刻となるように、疑似データを生成することにしてもよい。
このようにすれば、オン時間を固定値に設定した疑似データの場合に比べて、実際の感知データに近い精度の高い疑似データを生成することができる。
ここで、光ビーコン4がアップリンク車両の速度を検出する方法としては、例えば、次の方法1〜3がある。
方法1:現時点の車両20の速度を車載機2がアップリンク信号(上りフレームUL1)に含めるようにし、光ビーコン4のビーコン制御機7が、受信したアップリンク信号からその速度を抽出して、アップリンク車両の速度を特定する。
方法2:アップリンク信号に車両20の複数の軌跡データ(プローブ情報のうち、車両20の複数の位置とそれぞれの通過時刻)が含まれている場合において、光ビーコン4のビーコン制御機7が、受信した軌跡データを用いてアップリンク車両の速度を算出する。
方法3:光ビーコン4が、アップリンク信号を送信した車両20の位置標定が可能である場合において、光ビーコン4が位置標定した複数地点の位置とその時刻差から、アップリンク車両の速度を特定する。
方法3を採用する場合に必要となる、光ビーコン4によるアップリンク車両の位置標定の方法としては、例えば、PSD(Position Sensitive Detector)に対するアップリンク光の受光位置から車両位置を特定する方法や、アップリンク領域UAを車両進行方向に分割した分割領域にそれぞれ対応する複数の受光素子のうち、どの受光素子でアップリンク光を検出したかによって車両位置を特定する方法などがある(例えば、特開2009−116566号公報参照)。
方法3の場合には、アップリンク車両が通信領域Aを通過する間に、所定の時間間隔だけ離れたタイミングで、少なくとも2回の上りフレームを送信する必要がある。
かかる2回のアップリンク送信は、例えば、アップリンク方向で高低2種類の伝送速度で光通信を行う次世代型の光ビーコン4に対して、車載機2が、低速フレームとその次の高速フレームを所定の時間間隔を開けてそれぞれアップリンク送信する場合がある。また、光ビーコン4が最初の低速フレームのアップリンク受信を失敗した場合に、車載機2が所定時間後に低速フレームを再度アップリンク送信する場合も、2回のアップリンク送信が行われる場合に該当する。
〔第6の変形例:感知データのオン時間のタイミング調整〕
上述の実施形態では、中断期間T1よりも後に終了する所定の判定期間T2に車両20を感知した場合に、実際の感知データがそのまま出力されるようになっている(図6のステップST5〜ST7)。
しかし、アップリンク車両が入射領域Bを通過中に中断期間T1が終了して入射光IOの発光が再開され、その入射光IOの反射光ROによって得られた感知データの場合は、実際に感知された感知データと雖も、必ずしも正確なオン時間であるとは言えない。
すなわち、車両20の入射領域Bへの進入→中断期間T1の終了→入射光IOの発光再開→反射光ROによる車両20の感知→車両20の入射領域Bからの退出、の順序で取得された感知データは、入射光IOの発光を中断しない場合に比べてオン時間の立ち上がり時刻が遅れており、オン時間が短めに計測されることになる。
そこで、センサユニット12で感知された信号をそのまま出力するのではなく、擬似データとの前後関係から、感知データのオン時間のタイミングを調整することが好ましい。
図7は、感知データのオン時間のタイミング調整例を示すタイムチャートである。
図7において、時間は左から右に進行するものとし、「PD」はビーコン制御機7が擬似的に生成した感知データ(疑似データ)、「RD」はセンサユニット12が実際に感知した感知データ(以下、「実際データ」という。)、「OD」はタイミング調整を行った後の感知データ(以下、「調整データ」という。)を示している。
図7上段の(a)〜(c)は、実際データRDのオン時間が疑似データPDのオン時間と重複している場合の、オン時間のタイミング調整例を示している。
図7(a)は、立ち上がり時刻と立ち下がり時刻がともに実際データRDの方が早い場合を示し、図7(b)は、実際データRDのオン時間が疑似データPDのオン時間に含まれる場合を示し、図7(c)は、立ち上がり時刻と立ち下がり時刻がともに疑似データPDの方が早い場合を示している。
これらの図に示すように、実際データRDと疑似データPDのオン時間が互いに重複している場合は、ビーコン制御機7は、調整データODの立ち上がり時刻として、実際データRDと疑似データPDのうちの早い方の立ち上がり時刻を採用する。
その理由は、実際データRDの立ち上がり時刻が疑似データPDの立ち上がり時刻よりも遅い場合には、中断期間T1のために車両感知が遅れたものと推定でき、疑似データPDの立ち上がり時刻の方が正確と考えられるからである。
また、ビーコン制御機7は、調整データODの立ち下がり時刻として、実際データRDの立ち下がり時刻を採用する。
その理由は、中断期間T1の終期(例えば、アップリンク信号の受信から190m秒)の前に車両20が入射領域Bを退出するほど高速で走行する車両20は、それほど多くは発生しないと推定されることから、立ち下がり時刻については実際データRDの方が正確と考えられるからである。
図7下段の(d)及び(e)は、実際データRDのオン時間が疑似データPDのオン時間と重複していない場合の、オン時間のタイミング調整例を示している。
これらの図に示すように、ビーコン制御機7は、アップリンク信号を受信してから所定期間T0内において、疑似データPDと重複しない実際データRDを検出した場合には、両データPD,RDの時間帯を繋げた調整データODを生成するか(図7(d))、或いは、いずれか一方のデータRDを調整データODとして採用する(図7(e))。
このようにすれば、実際データRDが何らかの原因で疑似データPDと重複しない場合でも、車両1台分の調整データODを生成することができ、それらのデータPD,RDがそれぞれ出力されることによる、車両台数の誤カウントを防止することができる。
かかる趣旨から、上記の所定期間T0は、複数のデータPD,RDが重複しない場合でも、1台の車両20の感知データと見なせる程度の時間長であればよく、例えば、6.6m/秒速10m=0.66秒に設定すればよい。
なお、図7下段の(d)及び(e)の例において、疑似データPDと実際データRDの順序は逆であってもよいし、図7(e)の例において、実際データRDではなく疑似データPDを選択することにしてもよい。
また、図7に示す疑似データPDは、実際データRDの修正に用いるデータなので、立ち上がり時刻と立ち下がり時刻がなるべく正確であることが好ましい。このため、図7の疑似データPDは、例えば第5の変形例で述べたように、アップリンク車両の速度に応じてオン時間を動的に求めた疑似データであることが好ましい。
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る光ビーコン4のビーコン制御機7が行う別の中断制御を示すフローチャートである。
第1実施形態の中断制御(図6)と第2実施形態の中断制御(図8)を対比すれば明らかな通り、第2実施形態の中断制御(図8)では、ビーコン制御機7は、アップリンク信号の受信があった場合に、入射光IOの発光を中断するだけでなく、実際の感知データを出力せずに、疑似データの生成と出力(ステップST7)のみを行う。
すなわち、第2実施形態の中断制御(図8)では、判定期間T2内における車両感知の有無の判定(図6のステップST5)と、この判定が肯定的である場合における実際の感知データの出力(図6のステップST6)とが省略されており、ビーコン制御機7は、中断期間T1が経過すると(ステップST3)、車両感知用の発光の再開(ステップST4)とともに、疑似データの生成と出力(ステップST7)を行う。
このため、第2実施形態の光ビーコン4では、アップリンク車両については、センサユニット12による車両感知が行われず、必ず疑似データが生成されることになる。
なお、第2実施形態の中断制御は、アップリンク車両についての車両感知を諦める処理内容であるから、図8のフローチャートにおいて、疑似データを生成する処理(ステップST7)は、必ずしも車両感知用の発光再開(ステップST4)の後に行う必要はなく、アップリンク信号の受信の検出以後に何時でも行うことができる。
以上の通り、第2実施形態の光ビーコン4においても、ビーコン制御機7が、アップリンク信号の受信を契機として入射光IOの送出を中断するので(図8のステップST1〜ST4)、中断期間T1を適切な時間に設定することにより、車載機2がダウンリンク領域DA内に存在している間は入射光IOが送出されず、ダウンリンク光DOに対する入射光IOの干渉を防止することができる。
このため、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコン4を用いた路車間通信において、車両感知のための入射光IOによって下り方向の通信が阻害されるのが抑制され、下り方向の通信をより確実に行うことができる。
〔第1の変形例:複数車線の場合の制御方法〕
第1実施形態に係る第1の変形例の特徴は、ビーコンヘッド8ごとに中断制御を独立して行うに当たり、アップリンク受信を検出した車線R1のビーコンヘッド8についてのみ入射光IOの送出を中断し、アップリンク受信を検出していない他の車線R2〜R4のビーコンヘッド8については、入射光IOの送出を中断させないことにより、他の車線R2〜R4における車両20の感知漏れの発生を防止する点にある。
この点、第2実施形態においても、特定の車線R1において中断制御(図8)を行う場合に、他の車線R2〜R4の入射光IOの発光を止めると、他の車線R2〜R4における車両20の感知漏れが発生し得る。
従って、第1実施形態に係る第1の変形例(複数のビーコンヘッド8に対する制御方法)は、第2実施形態の光ビーコン4にも採用することが好ましい。
〔第2の変形例:中断期間の始期〕
第1実施形態に係る第2の変形例の特徴を纏めると、次の通りである。
1) 中断期間T1の始期は、アップリンク受信の検出時点だけでなく、アップリンク受信の検出時点から所定の遅延時間が経過した時点であってもよい。
2) 中断期間T1の始期を、アップリンク受信の検出時点よりも後に設定する場合には、アップリンク車両が入射領域Bに入る時点までとする。
3) 中断期間T1の始期とする場合のアップリンク車両が入射領域Bに入る時点は、アップリンク受信の検出時点からの固定値で設定してもよいし、アップリンク車両の検出速度から動的に設定してもよい。
この点、第2実施形態においても、アップリンク信号の受信を契機として入射光IOの送出の中断を開始するので(図8のステップST1,ST2)、中断期間T1の始期を何時にすべきかについては、上記特徴1)〜3)をそのまま採用し得る。
従って、第1実施形態に係る第2の変形例(中断期間の始期)の内容は、第2実施形態の光ビーコン4に援用することができる。
〔第3の変形例:疑似データの出力タイミング〕
第1実施形態に係る第3の変形例の特徴は、疑似データの出力タイミングを、アップリンク車両が入射領域Bに到達する時点(速度からの算出値又は固定値)から200m秒以内に設定する点にある。
この点、第2実施形態においては、疑似データの生成と出力は必須であり(図8のステップST7)、疑似データの出力タイミングをどのように設定するかについては、上記特徴をそのまま採用し得る。
従って、第1実施形態に係る第3の変形例(疑似データの出力タイミング)の内容についても、第2実施形態の光ビーコン4に援用することができる。
〔第4の変形例:中断期間の終期〕
第1実施形態では、中断期間T1の後に車両感知を行うことから、中断期間T1の終期を、アップリンク信号の受信を検出した時点から、少なくとも190m秒経過した時点に設定するようにしているが、第2実施形態では、アップリンク車両の車両感知を行わないので、中断期間T1の終期を、アップリンク信号の受信を検出した時点から、入射領域Bを退出する時点以後に設定すればよい。
すなわち、第2実施形態の光ビーコン4では、アップリンク車両については車両感知を行わず、必ず疑似データを生成するので、センサユニット12による車両感知のために中断期間T1の終期を早めに設定して発光を再開する必要がない。
このため、中断期間T1の終期を、車両20が入射領域Bから退出する時点以後まで延ばすことにより、入射光IOによる干渉をより確実に防止することが好ましい。
もっとも、中断期間T1の終期が遅くなり過ぎると、アップリンク車両に続く後続車両のカウント漏れが生じる可能性が高まる。そこで、中断期間T1の終期は、例えば、アップリンク信号の受信時点から約660m秒経過した時点に設定することが好ましい。
その理由は、アップリンク車両が、比較的低速(ここでは、時速36km≒秒速10mとする。)で走行し、アップリンク送信地点から入射領域Bを出るまでの走行距離が約6.6mであるとすると、アップリンク信号の受信から約660m秒経過した時点で、アップリンク車両が入射領域Bを退出することになるからである。
また、第2実施形態において、受信したアップリンク信号から光ビーコン4がアップリンク車両の速度を検出できる場合には、検出した速度に応じて上記の中断期間T1の終期(具体的には、入射領域Bを退出する時点)を決定することにしてもよい。例えば、アップリンク送信地点から入射領域Bを出るまでの走行距離を6.6mとし、検出した速度を秒速vmとすると、アップリンク受信時点に6.6/v(秒)を加えた時点を、中断期間T1の終期とすればよい。
このようにすれば、中断期間T1の終期を、アップリンク車両の速度に応じて動的かつ適切な時点に設定することができ、中断期間T1の終期を固定値とする場合に比べて、後続車両の感知漏れを確実に防止することができる。
〔第5の変形例:疑似データのオン時間の動的設定〕
第1実施形態に係る第5の変形例の特徴は、受信したアップリンク信号から光ビーコンが検出した車両20の速度に応じて、疑似データのオン時間を動的に求める点にある。
この点、第2実施形態においては、疑似データの生成と出力は必須であり(図8のステップST7)、疑似データのオン時間をどのように設定するかについては、上記特徴をそのまま採用し得る。
従って、第1実施形態に係る第5の変形例(疑似データのオン時間の動的設定)の内容についても、第2実施形態の光ビーコン4に援用することができる。
ところで、現状では、光通信対応の車載機2の搭載率は多くても10%程度であるから、疑似データのオン時間が不正確であっても、大多数の90%の車両20についての感知データのオン時間によって時間占有率が得られれば足りるという考え方もあり得る。
そこで、ビーコン制御機7が、通常の感知データと識別可能なパルス幅の特殊なパターンである疑似データを生成し、中央装置3が、その疑似データについては、時間占有率の算出には利用せず車両台数のカウントのみに用いることにしてもよい。
なお、上記の特殊な疑似データとしては、感知データとして規約上必要とされる保持時間(=115m秒)未満のパルス幅(例えば、50m秒)のデータや、極端に短いパルス幅(例えば1m秒)でオンオフを繰り返すデータなどが考えられる。
もっとも、後者の疑似データを採用する場合には、短周期で繰り返す所定数のパルスの一群を1台の車両20とカウントするように、中央装置3における車両カウントのアルゴリズムを改良する必要がある。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の権利範囲は、上述の実施形態の内容ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及びその範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 車載機
4 光ビーコン
7 ビーコン制御機(制御部)
8 ビーコンヘッド(投受光器)
11 送受信ユニット
12 センサユニット
20 車両
T1 中断期間
T2 判定期間(所定期間)
IO 入射光
RO 反射光

Claims (17)

  1. 光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコンであって、
    車載機との間で光信号の送受信を行う送受信ユニットと、
    ダウンリンク領域の下流側に入射光を送出して反射光を検出するセンサユニットと、
    前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信を契機として、前記センサユニットによる前記入射光の送出を中断する中断制御を行う制御部と、を備えていることを特徴とする光ビーコン。
  2. 前記制御部は、所定の条件を満たす場合に、車両の擬似的な感知信号を生成する請求項1に記載の光ビーコン。
  3. 前記所定の条件は、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信時点から所定期間が経過するまでに前記センサユニットによる車両感知がないことである請求項2に記載の光ビーコン。
  4. 前記送受信ユニットと前記センサユニットの対が複数の車線にそれぞれ対応して設けられ、
    前記制御部は、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信があった前記車線に対応する前記センサユニットについてのみ前記入射光の送出を中断する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  5. 前記制御部は、車両の想定速度を時速70km未満の通常想定速度に設定して前記擬似的な感知信号を生成する請求項2又は3に記載の光ビーコン。
  6. 前記制御部は、車両の想定速度を時速70km以上の高速想定速度に設定して前記擬似的な感知信号を生成する請求項2又は3に記載の光ビーコン。
  7. 前記制御部は、同じ車両からの所定回数以上のアップリンク信号の受信が繰り返された場合には、その車両の想定速度を前記通常想定速度に設定し、それ以外の場合は、その車両の想定速度を前記高速想定速度に設定する請求項5又は6に記載の光ビーコン。
  8. 前記制御部は、アップリンク信号を送信した車両の速度に応じて、当該車両の擬似的な感知信号のオン時間を求める請求項2に記載の光ビーコン。
  9. 前記制御部は、前記センサユニットで検出した実際の感知信号のオン時間が車両の擬似的な感知信号のオン時間と重複する場合は、立ち上がり時刻については早い方の信号の当該時刻を採用し、立ち下がり時刻については実際の感知信号の当該時刻を採用して、出力する感知信号のオン時間を調整する請求項2,3,5〜8のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  10. 前記制御部は、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信から所定時間以内に、前記センサユニットで検出した実際の感知信号のオン時間が車両の擬似的な感知信号のオン時間と重複しない場合は、両信号を連続させるか或いはいずれか一方の信号を選択して、出力する感知信号のオン時間を調整する請求項2,3,5〜8のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  11. 前記所定の条件は、前記送受信ユニットによるアップリンク信号の受信である請求項2又は8に記載の光ビーコン。
  12. 前記制御部は、入射光の送出を中断する中断期間の終期を、入射光を送出する入射領域を車両が通過する時点以後に設定する請求項11に記載の光ビーコン。
  13. 前記制御部は、アップリンク信号を送信した車両の速度に応じて、前記中断期間の終期を求める請求項12に記載の光ビーコン。
  14. 前記制御部は、実際の感知信号と識別可能なパターンの疑似の感知信号を生成する請求項11〜13のいずれか1項に記載に記載の光ビーコン。
  15. 前記制御部は、前記送受信ユニットが受信したアップリンク信号から車両の速度を抽出する請求項8又は13に記載の光ビーコン。
  16. 前記制御部は、前記送受信ユニットが受信したアップリンク信号に含まれる車両の軌跡データから車両の速度を算出する請求項8又は13に記載の光ビーコン。
  17. 前記制御部は、前記送受信ユニットが受信した複数のアップリンク信号のアップリンク位置の標定結果から車両の速度を算出する請求項8又は13に記載の光ビーコン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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