本発明の一実施形態に係る2層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係る2層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係る3層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係る3層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るさらなる2層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るさらなる2層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るさらに別の2層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るさらに別の2層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るさらに別の2層圧縮タブレットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るさらに別の2層圧縮タブレットを示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
チューインガムタブレットの圧縮
チューインガムタブレットは一般的には、適切な圧縮手段を用いて、ある量の粉末に圧力を加えることにより製造される。適切な圧縮手段については、以下に開示、説明される。粉末は次いで緻密な合着(結着)タブレットへと圧縮される。
粉末は、例えばいわゆる一次粒子または凝集一次粒子(顆粒とも呼ばれる)を含むことができる。これら粒子が圧縮されると、粒子間または顆粒間に結合が形成され、それによりある種の機械的強度が圧縮タブレットに付与される。
本明細書および請求の範囲において使用する粉末、一次粒子および顆粒の各用語は、一次粒子と顆粒との間の差異が使用者の背景によって異なった捉えられ方をする場合が多い、という意味で多少誤解を招き得る、ということに留意すべきである。例えばソルビトールが、ユーザーに配送された場合、ソルビトールに関して実施す前処理のためにはむしろ何らかの種類の顆粒とみなすべきであるという事実にかかわらず、ソルビトールなどの甘味料を一次粒子とみなす者もいる。本発明の説明に使用される定義は、顆粒は多少前処理された一次粒子を含む大型粒子を指すというものである。しかしながら、各用語のかかる使用はあくまで背景従来技術の説明に関するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するために必須であるというわけではないということに留意すべきである。
粉末原料に圧力が加えられると、かさ容積が低減され、空気の量が低減される。この処理にエネルギーが消費される。粒子が容積低減処理中に互いにより近接するようになるので、粒子間または顆粒間に結合が形成され得る。結合の形成は、エネルギーが放出される際の系のエネルギーの低減に関連づけられる。
容積低減は種々のメカニズムにより起こり、加えられる圧力および粒子または顆粒の特性に応じて、異なる種類の結合が粒子間または顆粒間に形成され得る。
粉末が圧縮されて最初に起こることは、粒子が低圧縮圧下で再配列され、より密なパッキング構造を形成することである。規則的形状を有する粒子は、不規則形状を有するものより容易に再配列を受けると考えられる。圧力が増大すると、タブレット粒子の可塑性および弾性変形および/または断片化により、さらなる再配列が妨げられ、その後の容積低減が得られる。脆い粒子は、断片化、即ちより小さい単位の粒子への破壊を受ける可能性が高い。塑性変形は、不可逆的過程であり、粒子形状の恒久的変化を生じるが、一方、これら粒子は弾性変形後にそれらの元の形状に戻る。明らかに、塑性変形および弾性変形の双方がチューインガムタブレットを圧縮した場合に起こり得る。
圧縮タブレットにおける結合の種類についてのいくつかの研究は、典型的には製薬の分野において長年に亘ってなされており、利用可能な粉末を基礎にした圧縮タブレットを生成するいくつかの手法が提供されている。このような研究は、容積低減が実施されると何が起こるか、そして所定の目的のために最終製品が如何に最適化されるかの点にかなり集中してきた。圧縮タブレットに関するいくつかの改良が、例えば放出に関する許容し得る特性を保持しながら、最終圧縮タブレットに十分な強度を与える目的のためにタブレット原料中に例えば結合剤を付加することについてなされてきた。
長年に亘って、特に製薬産業では、口腔中で活性成分を放出させるための一手段としてチューインガムを漸次導入してきた。従来は、上記の圧縮手法は製薬産業においてチューインガムの製造のために好んで用いられてきた。上述したように、圧縮手法に関連した問題は、チューインガム顆粒の性質が純粋に薬学的な従来のタブレット粉末のものと全く異なることである。さらなる、そしてより重大であり得る問題は、必要とされるテクスチャーが、基本的に、ユーザーの口腔内で完全に溶解するよう意図されたタブレットのテクスチャーとは完全に異なることである。それゆえ、この圧縮手法は、それを用いて得られるチューインガムの基本的なテクスチャー特性に関して劣るものとみなされてきた。
しかしながらここ数年、当該手法は、特に圧縮を意図したガムベース顆粒の開発に関連して急速に改良されてきた。このようなガムベース顆粒の例は、PCT/DK02/00461およびPCT/DK02/00462(これらの記載内容は、参照により本明細書中に取り込まれる)に記載されている。
本発明によれば、異なるモジュールは可塑性および弾性に関して非常に異なる性質を示すという事実にかかわらず、多数の合着チューインガムモジュールを含むマルチモジュールチューインガムは、実際、初期咀嚼を含めた許容し得る程度以上のテクスチャーを有するチューインガムの単一片を形成し得ることがここに分かった。それゆえ、例えば、そのモジュールの単独成分または主要成分として甘味料、例えばソルビトールを含むチューインガムモジュールが初期咀嚼中に多少崩壊すると予測される場合でも、非常に特徴的な結果が達成された。
また、さらに、異なるモジュールは可塑性および弾性に関して非常に異なる性質を示すという事実にもかかわらず、2つの異なるモジュールを含む圧縮チューインガムタブレットを、実際に圧縮により製造することができることも分かった。それゆえ、例えばガムベースを含む(各)弾性モジュールが非常に低い弾性を示す他の(各)層の圧縮に影響を及ぼすことが予測される場合でも、最終チューインガムタブレットを、実際に、1以上の圧縮工程における1回の圧縮処理で製造することができることがここに確立された。
本発明のガムベース含有チューインモジュールは、典型的には圧縮ガムベース顆粒を基に製造し得る。
ガムベース顆粒はガムベースを基に製造される。本明細書中で用いる場合、「ガムベース」という表現は、一般に、典型的には全チューインガム処方物の10〜90重量%、例えば15〜50重量%の範囲を構成するチューインガムの非水溶性部分を指す。チューインガムベース処方物は典型的には、合成または天然起源のものであり得る1種以上のエラストマー化合物、合成または天然起源のものであり得る1種以上の樹脂状化合物、充填剤、軟化化合物、ならびに少量の各種成分、例えば酸化防止剤および着色料等を含む。
下記のようなチューインガム成分と混合されるチューインガムベース処方物の組成は、調製される特定の物質、ならびに最終製品の所望の咀嚼およびその他の感覚特徴に応じて、実質的に変わり得る。しかしながら、上記ガムベース成分の典型的範囲(重量%)は、以下のようである:5〜50重量%のエラストマー化合物、5〜55重量%のエラストマー可塑剤、0〜50重量%の充填剤/テクスチャー剤、5〜35重量%の軟化剤および0〜1重量%の種々雑多な成分、例えば酸化防止剤、着色料等。
ガムベース顆粒は、従来の方法により、または例えばPCT/DK02/00461およびPCT/DK02/00462(これらの記載内容は、参照により本明細書中に取り込まれる)に記載された方法により製造され得る。
チューインガム成分
本発明においては、チューインガム成分には、バルク甘味料、高度甘味料、香料、軟化剤、乳化剤、着色料、結合剤、酸味料、充填剤、酸化防止剤、および薬学的または生物学的に活性な物質等、チューインガム最終製品に望ましい特性を付与するその他の成分を含む。
適当な甘味料の例は以下で述べている。
適当なバルク甘味料としては、例えば糖質および非糖質成分の両者がある。バルク甘味料は典型的にはチューインガムの約5〜95重量%、より典型的にはガムの約20〜80重量%、例えば30〜60重量%を構成する。
有用な糖質甘味料は、チューインガムの技術分野で広く知られている糖含有成分、例えば、ショ糖、デキストロース、マルトース、デキストリン、トレハロース、D−タガトース、乾燥転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース、固形コーンシロップ等の、単独または組合せであるが、これらに限定はされない。
ソルビトールを非糖質甘味料として使用できる。その他の有用な非糖質甘味料としては、その他の糖アルコール、例えばマンニトール、キシリトール、水素添加デンプン加水分解物、マルチトール、イソマルトール、エリスリトール、ラクチトール等の単独または組合せがあるが、これらに限定はされない。
高度人工甘味料はまた、単独、または上記甘味料との組合せで使用できる。好ましい高甘味度甘味料には、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファム塩、アリテーム、サッカリンおよびその塩、ネオテーム、シクラミン酸およびその塩、グリチルリチン、ジヒドロカルコン類、タウマチン、モネリン、ステビオサイド等の単独または組合せが挙げられるが、これらに限定はされない。甘さと香味感がより長く持続するように、人工甘味料の少なくとも一部を封止することが、また封止しない場合でも放出を制御することが望ましい。さらに、封止は成分を安定化するために適用される。湿式造粒、ワックス造粒、噴霧乾燥、噴霧冷却、流動床コーティング、コアセルベーション、酵母細胞内封止、繊維状押出等の技術を使用して、必要な放出特性が得られる。甘味料の封止は、例えば封止剤として樹脂状化合物等他のチューインガム成分を使用することによって可能である。
人工甘味料の使用濃度は、例えば、甘味料の性能、放出速度、所望の製品甘味度、使用するフレーバーの濃度と種類、およびコスト的な配慮等の要因に応じて著しく相違する。したがって、人工甘味料の実効濃度は、約0.02〜8重量%の範囲で変更できる。封止のために用いた担体も含めるならば、封止した甘味料の使用濃度はそれに比例してより高くなる。本発明により製造されるチューインガムの処方物には、糖質甘味料および/または非糖質甘味料の組合せを使用できる。また、液糖またはアルジトール溶液のように、軟化剤もさらなる甘味を与えることができる。
低カロリーガムが必要とされるのであれば、低カロリーの増量剤を使用できる。低カロリー増量剤の例としては、ポリデキストロース、ラフチロース、ラフチリン、イヌリン、フルクトオリゴ糖(NutraFlora(商標))、パラチノースオリゴ糖、グアーガム加水分解物(例えばSun Fiber(商標))または非消化性デキストリン(例えば、Fibersol(商標))等がある。しかし、その他の低カロリー増量剤も使用できる。
さらに、本発明方法で製造されるチューインガム混合物に含めることのできるチューインガム添加剤としては、薬学的、美容的または生物学的に活性な成分が存在する場合には特に、界面活性剤および/または可溶化剤が挙げられる。本発明によるチューインガム組成物中で可溶化剤として使用される界面活性剤の種類の例としては、参考文献としてH. P Fiedlerの「Lexikon der Hilfstoffe fur Pharmacie、Kosmetik und Angrenzende Gebiete」63〜64頁(1981年)に記載があり、国ごとに承認されている食品乳化剤のリストがある。アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性可溶化剤を使用できる。適切な可溶化剤には、レシチン、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸塩、食用脂肪酸モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のショ糖エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、相互エステル化ヒマシ油脂肪酸ポリグリセロールエステル(E476)、ステアロイル乳酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、および脂肪酸およびポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油のソルビタンエステル(例えば、CREMOPHORの商品名で販売されている製品)、酸化エチレンと酸化プロピレンのブロックコポリマー(例えば、PLURONICおよびPOLOXAMERの商品名で販売されている商品)、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸のソルビタンエステルおよびポリオキシエチレンステアリン酸エステル等が挙げられる。
特に適切な可溶化剤は、例えばポリオキシエチレン(8)ステアレートやポリオキシエチレン(40)ステアレート等のステアリン酸ポリオキシエチレン、例えばTWEEN20(モノラウレート)、TWEEN80(モノオレエート)、TWEEN40(モノパルミテート)TWEEN60(モノステアレート)またはTWEEN65(トリステアレート)等TWEENの商品名で販売されているポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、食用脂肪酸のモノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油、酸化エチレンと酸化プロピレンのブロックコポリマー、およびポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテルである。可溶化剤は、単独の化合物であっても、あるいは数種の化合物を組み合わせたものでよい。なお、本明細書中で使用される表現「可溶化剤」は、そのどちらの可能性も含めて使用され、使用される可溶化剤は食品および/または医薬品としての用途に適したものでなければならない。
活性成分を含んでいる場合には、チューインガムは本技術分野で既知の担体も含むことが好ましい。
本発明方法の大きな利点は、作業中の温度を初めから終わりまで、以下に述べるように比較的低温に保持できることである。このことは、高温で劣化および/蒸発する傾向のある添加香料成分の芳香を維持するという意味で有利な特徴である。本発明方法で製造されるチューインガムに有用な芳香剤および香料は、味覚特性に効果を及ぼすことのできる酸またはその他の物質を含む、例えば、凍結乾燥天然植物成分、精油、エッセンス、エキス、粉末の形をした天然および合成香料(天然香料を含む)である。液体および粉末香料の例としては、ココナッツ、コーヒー、チョコレート、バニラ、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、メントール、カンゾウ、カラメルアロマ、ハニーアロマ、ピーナツ、クルミ、カシュー、ヘーゼルナッツ、アーモンド、パイナップル、ストロベリー、ラズベリー、トロピカルフルーツ類、チェリー類、シナモン、ペパーミント、ウインターグリーン、スペアミント、ユーカリ、ミント、およびリンゴ、ナシ、モモ、ストロベリー、アンズ、ラズベリー、チェリー、パイナップルから等の果実エッセンス、およびプラムエッセンスがある。精油には、ペパーミント、スペアミント、メントール、ユーカリ、クローブ油、ベイ油、アニス、タイム、シーダーリーフ油、ナツメグ、および上記果実のオイルが挙げられる。
好ましい一実施形態では、香料は、凍結乾燥され、好ましくは粉末、スライスまたはそれが組み合わさった小片の形である1種以上の天然香料である。その粒子径は、粒子の最長部で測って3mm未満、例えば2mm未満、より好ましくは1mm未満である。天然香料は、粒子径が約3μm〜2mm、例えば4μm〜1mmの形でよい。好ましい天然香料には、ストロベリー、ブラックベリー、ラズベリー等の果物の種が挙げられる。
本発明では、混合フルーツ香料等、様々な合成香料も使用できる。上記のように、使用する香料の量は一般に使用されている量よりも少なくてよい。芳香剤および/または香料は、使用する芳香剤および/または香料の所望の強度に応じて、最終製品の重量に対して0.01重量%〜約30重量%を使用できる。好ましくは、芳香剤/香料の含有量は、全組成物の重量に対して0.2重量%〜3重量%の範囲である。
本発明によれば、封止香料または活性成分は、最終配合物に圧縮前に添加することができる。
ガムベース中に混合される香料または活性成分ならびにチューインガム中に圧入される香料または活性成分の双方を含む香料または活性成分の封止方法としては、例えば噴霧乾燥、噴霧冷却、薄塗、コアセルベーション、ダブルエマルション法(押出技術)またはプリリングが挙げられ得る。
上記の封止法のために用いる物質としては、例えばゼラチン、小麦タンパク質、大豆タンパク質、カゼインナトリウム、カゼイン、アラビアゴム、化工デンプン、加水分解デンプン(マルトデキストリン)、アルギン酸塩、ペクチン、カラジーナン、キサンタンゴム、イナゴマメゴム、キトサン、蜜蝋、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、硬化植物油、ゼインおよび/またはスクロースが挙げられ得る。
各種活性成分をチューインガムに添加することができる。好ましくはこれらの成分は、任意の有意の加熱または混合後に添加されるべきである。すなわち、活性成分は、好ましくは最終タブレットの圧縮直前に付加されるべきである。
製造過程では、活性成分の添加は、タブレットの最終圧縮直前に、予備混合したガムベース顆粒やさらなる所望の各成分と注意深く配合することができる。
適切な活性成分の例を以下に列挙する。
一実施形態において、本発明に係るチューインガムは、薬学的、美容的または生物学的に活性な物質を含んでいる。これら活性物質の例としては、その包括的リストが例えば国際公開WO 00/25598中に見出され、参照として本明細書中に組み込まれるが、薬剤、栄養補助食品、防腐剤、pH調整剤、抗喫煙剤、ならびに過酸化水素や咀嚼中に尿素を放出し得る化合物等、口腔や歯をケアまたは治療するための物質が挙げられる。防腐剤の形態で有用な活性物質の例としては、グアニジンおよびビグアニジンの塩または誘導体(例えば、クロルヘキシジン二酢酸塩)、ならびに限定水溶性を有する以下のタイプの物質:第四級アンモニウム化合物(例えば、セラミン、クロロキシレノール、クリスタルバイオレット、クロラミン)、アルデヒド(例えば、パラホルムアルデヒド)、デクアリン誘導体、ポリノキシリン、フェノール(例えば、チモール、p−クロロフェノール、クレゾール)、ヘキサクロロフェン、サリチル酸アニリド化合物、トリクロサン、ハロゲン(ヨウ素、ヨードフォア、クロロアミン、ジクロロシアヌル酸塩)、アルコール(3,4−ジクロロベンジルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェニルエタノール)が挙げられる。Martindale, The Extra Pharmacopoeia, 28th edition, pages 547-578も参照のこと。限定水溶性を有する金属塩、錯体および化合物、例えばアルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウムカリウムAlK(SO4)2・12H2O)、ならびにホウ素、バリウム、ストロンチウム、鉄、カルシウム、亜鉛(酢酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛)、銅(塩化銅、硫酸銅)、鉛、銀、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、モリブデン、バナジウムの塩、錯体および化合物等を含めるべきであり、口腔および歯のケアのための他の組成物:例えば、フッ素を含有する塩、錯体または化合物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アミノ、フッ化スズ)、リン酸塩、炭酸塩およびセレンも挙げられる。さらに、J. Dent. Res. Vol. 28 No. 2, pages 160-171, 1949も活性な物質が記載されている。
口腔内のpHを調整する作用物質の形態の活性物質の例には、アジピン酸、コハク酸、フマル酸等の酸またはその塩、またはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸およびグルタール酸の塩、許容し得る塩基、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウムまたはカルシウム、特にマグネシウムおよびカルシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩または酸化物が挙げられる。
活性成分は、下記の化合物またはその誘導体を含み得るが、これらに限定されない:アセトアミノフェン、アセチルサリチルシレ、ブプレノルフィン、ブロムヘキシン、セルコキシブ、コデイン、ジフェンヒドラミン、ジクロフェナク、エトリコキシブ、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ルミラコキシブ、モルヒネ、ナプロキセン、オキシコドン、パレコキシブ、ピロキシカム、プソイドエフェドリン、ロフェコキシブ、テノキシカム、トラマドール、バルデコキシブ、炭酸カルシウム、マガルドレート、ジスルフィラム、ブプロピオン、ニコチン、アジトロマイシン、クラリトロマイシン、クロトリマゾール、エリスロマイシン、テトラサイクリン、グラニセトロン、オンダンセトロン、プロメタジン、トロピセトロン、ブロムフェニラミン、セテリジン、レコ−セテリジン、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、フェノフェナジン、グアイフェネシン、ロラチジン、デス−ロラチジン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリダミン、テルフェナジン、トロキセルチン、メチルドパ、メチルフェニデート、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、エカベト-ナトリウム、ハロペリドール、アロプリノール、コルヒチン、テオフィリン、プロパノロール、プレドニソロン、プレドニソン、フッ化物、尿素、アクトット、グリベンクラミド、グリピジド、メトフォルミン、ミグリトール、レパグリニド、ロシグリタゾン、アポモルフィン、シアリス、シルデナフィル、バルデナフィル、ジフェノキシレート、シメチコン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ラチニジン、セトリジン、ロラタジン、アスピリン、ベンゾカイン、デクストロメトルファン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シサプリド、ドンペリドン、メトクロプラミド、アシクロビル、ジオクチルスルホコハク酸塩、フェノールフタレイン、アルモトリプタン、エレトリプタン、エルゴタミン、ミゲア(Migea)、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、アルミニウム塩、カルシウム塩、第一鉄塩、銀塩、亜鉛塩、アムホテリシンB、クロルヘキシジン、ミコナゾール、トリアムシノロンアセトニド、メラトニン、フェノバルビトール、カフェイン、ベンゾジアゼピン、ヒドロキシジン、メプロバメート、フェノチアジン、ブクリジン、ブロメタジン、シンナリジン、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリネート、ブフロメジル、アンフェタミン、カフェイン、エフェドリン、オルリスタット、フェニルエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シブトラミン、ケトコナゾール、ニトログリセリン、ニスタチン、プロゲステロン、テストステロン、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ピロカルピン、アルミニウムアミノアセテート、シメチジン、エソメプラゾール、ファモチジン、ランソプラゾール、酸化マグネシウム、ニザチドおよび/またはラチニジン。
本発明は、栄養補助食品、口腔および歯科組成物、防腐剤、pH調整剤、抗喫煙剤、甘味料、香料、芳香剤または薬剤からなる群より選択される活性作用物質の放出の増大または促進に適している。それらのうちのいくつかを以下に記載する。
本発明に関連して用いられる活性作用物質は、チューインガムから放出されることが所望される任意の物質であり得る。放出速度の制御および/または促進が望ましい活性作用物質は、主に、限定された、典型的には10g/100 mlより低い水溶性を有する物質、例えば全体的に非水溶性である物質である。例としては、医薬品、栄養補助食品、口腔組成物、抗喫煙剤、強力甘味料、pH調整剤、香料等がある。
その他の活性成分は、例えばパラセタモール、ベンゾカイン、シンナリジン、メントール、カルボン、カフェイン、二酢酸クロルヘキシジン、塩酸シクリジン、1,8−シネオール、ナンドロロン、ミコナゾール、マイスタチン、フッ化ナトリウム、ニコチン、塩化セチルピリジニウム、その他の第四級アンモニウム化合物、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD、グリベンクラミドまたはその誘導体、プロゲステロン、アセチルサリチル酸、ジメンヒドリネート、シクリジン、メトロニダゾール、炭酸水素ナトリウム、イチョウからの活性成分、プロポリスからの活性成分、チョウセンニンジンからの活性成分、メタドン、ペパーミントの油、サリチルアミド、ヒドロコルチゾンまたはアステミゾールである。
栄養補助食品の形態での活性作用物質の例は、例えばビタミンB2(リボフラビン)、B12、フォリン酸、葉酸、ナイアシン、ビオチン、低可溶性グリセロホスフェート、アミノ酸、ビタミンA、D、EおよびKの栄養作用を有する塩および化合物、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、クロム、セレン、モリブデン、カリウム、ナトリウムまたはコバルトを含有する塩、錯体および化合物の形態の無機物である。
さらに、異なる国々の当局により許諾された栄養分の一覧、例えばUS code of Federal Regulations, Title 21, Section 182.5013.182 5997および182.8013-182.8997等も参照される。
口腔および歯のケアまたは治療のための化合物の形態の活性作用物質の例は、例えば結合過酸化水素および咀嚼中に尿素を放出し得る化合物である。
防腐剤の形態の活性作用物質の例は、例えばグアニジンおよびビグアニジンの塩および化合物(例えば二酢酸クロルヘキシジン)、ならびに限定水溶性を有する以下の種類の物質:第四級アンモニウム化合物(例えばセラミン、クロロキシレノール、クリスタルバイオレット、クロラミン)、アルデヒド(例えばパラホルムアルデヒド)、デクアリンの化合物、ポリノキシリン、フェノール(例えばチモール、p−クロロフェノール、クレゾール)、ヘキサクロロフェン、サリチル酸アニリド化合物、トリクロサン、ハロゲン(ヨウ素、ヨードフォア、クロロアミン、ジクロロシアヌル酸塩)、アルコール(3,4−ジクロロベンジルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェニルエタノール)であり、さらにMartindale, The Extra Pharmacopoeia, 28th edition, pages 547-578を参照;限定水溶性を有する金属塩、錯体および化合物、例えばアルミニウム塩(例えば硫酸アルミニウムカリウムAlK(SO4)2・12H2O)、ならびにさらにホウ素、バリウム、ストロンチウム、鉄、カルシウム、亜鉛(酢酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛)、銅(塩化銅、硫酸銅)、鉛、銀、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、モリブデン、バナジウムの塩、錯体および化合物が挙げられるべきであり、口腔および歯のケアのための他の組成物:例えばフッ素を含有する塩、錯体および化合物(例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アミノ、フッ化スズ)、リン酸塩、炭酸塩およびセレンも含まれる。
さらに、J. Dent. Res. Vol. 28 No. 2, pages 160-171, 1949を参照されたい。これには、広範囲の試験化合物が記述されている。
口腔におけるpHを調整する作用物質の形態の活性作用物質の例としては、例えば:許容し得る酸、例えばアジピン酸、コハク酸、フマル酸またはそれらの塩、あるいはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸およびグルタル酸の塩、ならびに許容し得る塩基、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウムまたはカルシウム、特にマグネシウムおよびカルシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩または酸化物が挙げられる。
抗喫煙剤の形態の活性作用物質の例としては、例えば:ニコチン、タバコ粉末または銀塩、例えば酢酸銀、炭酸銀および硝酸銀が挙げられる。
さらなる実施形態では、スクロース脂肪酸エステルも甘味料、例えばいわゆる高度甘味料、例えばサッカリン、シクラメート、アスパルテーム、タウマチン、ジヒドロカルコン、ステビオサイド、グリシリジンあるいはそれらの塩または化合物の放出を増大させるために利用され得る。甘味料の放出を増大させるためには、スクロース脂肪酸は、好ましくは少なくとも40%、例えば少なくとも50%のパルミテートの含量を有する。
活性作用物質のさらなる例は、任意の種類の医薬である。
医薬の形態の活性作用物質の例としては、カフェイン、サリチル酸、サリチルアミドおよび関連物質(アセチルサリチル酸、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム)、パラセタモール、ペンタゾシンの塩(塩酸ペンタゾシンおよび乳酸ペンタゾシン)、塩酸ブプレノルフィン、塩酸コデインおよびリン酸コデイン、モルヒネおよびモルヒネ塩(塩酸塩、硫酸塩、酒石酸塩)、塩酸メタドン、ケトベミドンおよびケトベミドンの塩(塩酸塩)、β遮断薬(プロプラノロール)、カルシウム拮抗薬、塩酸ベラパミル、ニフェジンピン、ならびにPharm. Int., Nov. 85, pages 267-271, Barney H. Hunter and Robert L. Talbertに記述された適切な物質およびそれらの塩、ニトログリセリン、四硝酸エリスリチル、ストリキニンおよびその塩、リドカイン、塩酸テトラカイン、塩酸エトルフィン、アトロピン、インスリン、酵素(例えばパパイン、トリプシン、アミログルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナーゼ、デキストラナーゼ、αアミラーゼ)、ポリペプチド(オキシトシン、ゴナドレリン)(LH.RH)、酢酸デスモプレシン(DDAVP)、塩酸イソクスプリン、エルゴタミン化合物、クロロキン(リン酸塩、硫酸塩)、イソソルバイド、デモキシトシン、ヘパリンが挙げられる。
その他の活性成分としては、β−ルペオール、レチゲン(商標)、クエン酸シルデナフィルおよびそれらの誘導体が挙げられる。
歯科用製品としては、カルバミド、CPPカゼインホスホペプチド;クロルヘキシジン、二酢酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、二グルコン酸クロルヘキシジン、ヘキセテジン、塩化ストロンチウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、フッ素含有成分、フッ化物、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化スズ、その他のフッ素含有成分、フルオロケイ酸アンモニウム、フルオロケイ酸カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、モノフルオルリン酸アンモニウム、モノフルオルリン酸カルシウム、モノフルオルリン酸カリウム、モノフルオルリン酸ナトリウム、フッ化アンモニウムオクタデセンチル、ジヒドロフッ化プロピレンジアミントリヒドロキシエチルステアリルが挙げられる。
ビタミンとしては、A、B1、B2、B6、B12、フォリン酸、葉酸、ナイアシン、パントテンシレ、ビオチン、C、D、E、Kが挙げられる。無機物としては、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、クロム、セレン、モリブデンが挙げられる。その他の活性成分としては、Q10(商標)、酵素が挙げられる。天然薬剤としては、イチョウ(Ginkgo Biloba)、ショウガおよび魚油が挙げられる。
本発明は、偏頭痛薬、例えばセロトニン拮抗薬:スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン;催吐薬、例えばシクリジン、シンナリジン、ジメンヒドラミン、ジフェンヒドリナト;花粉症薬、例えばセトリジン、ロラチジン、疼痛軽減薬、例えばブプレノルフィン、トラマドール、口腔疾患薬、例えばミコナゾール、アムホテリシンB、トリアムシノロナセトン;ならびに薬剤シサプリド、ドンペリドン、メトクロプラミドの使用にも関する。好ましい実施形態では、本発明はニコチン酸およびその塩の放出に関する。
上記の活性成分および/または香料は、ガムベース中に予備混合し得るか、または当然のこととして、CGが組み込まれていない層あるいはCGがわずかに組み込まれた層に添加し得る。
ガムベース顆粒が予備混合活性成分を含んでいる場合、活性成分の被制御放出は、少なくとも二重活性成分緩衝剤により得ることができる。第一の緩衝剤は圧縮直前に最終混合物中に配合された各活性成分を含んでおり、第二の緩衝剤はガムベース配合前にガムベース中に配合された活性成分と各ガムベース成分を含む。
本発明によれば、チューインガム要素は、チューインガム芯部に付与された約0〜約75重量%の外部コーティングを含む。ここで、適切な外部コーティングとは、被覆されていない同一組成のチューインガムに比べ、上記のような圧縮チューインガム製品の貯蔵安定性を高めることを可能にする任意の被膜をいう。したがって安定被膜型としては、チューインガム、医薬品および菓子類のコーティングに一般に用いられるものを含めた任意の組成のハードコーティング、フィルムコーティングおよびソフトコーティングが挙げられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、フィルムコーティングが圧縮チューインガムタブレットに施される。
現在好ましい外部コーティングの一つはハードコーティングであり、この用語は糖コーティングおよび無糖(またはシュガーレス)コーティングならびにそれらの組合せを含めたその用語の従来の意味で用いられる。ハードコーティングの目的は、消費者に好まれる甘く歯応えが良い層を生成することと、種々の理由からガム芯部を保護することである。チューインガム芯部に保護用糖コーティングを付与する典型的一方法では、ガム芯部を、適切なコーティング装置中で、達成されるコーティングの段階に応じて、他の機能性成分、例えば充填剤、着色料等を含有し得るスクロースまたはデキストロースのような結晶化可能な糖の水溶液で連続処理する。この場合、糖コーティングは、さらなる機能性または活性化合物、例えば香料化合物、薬学的活性化合物および/またはポリマー分解物質を含有し得る。
しかしながらチューインガムの製造においては、コーティング中の齲蝕原性糖化合物を、齲蝕原性を有さない他の、好ましくは結晶化可能な甘味化合物により置き換えることが好ましい。本技術分野では、このようなコーティングは一般に、シュガーレスまたは無糖コーティングと呼ばれる。目下好ましい非齲蝕原性ハードコーティング物質としては、それぞれD−グルコース、マルトース、フルクトースまたはレブロース、キシロース、エリトロース、ラクトース、イソマルツロースおよびD−ガラクトースの水素化により工業的方法で得られるポリオール、例えばソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルトおよびタガトースが挙げられる。
以下に詳細に説明するような典型的硬質コーティング法では、結晶化可能な糖および/またはポリオールを含有するシロップがガム芯部に施与され、それが含有する水は温乾燥空気を吹き付けることにより蒸発させられる。このサイクルは、必要とされる膨潤に達するために、数回、典型的には10〜80回繰り返し得る。「膨潤」という用語は、開始時との比較によりコーティング操作の終了時に考察した場合の、そして被覆製品の最終重量に関連した製品の重量の増大を指す。本発明に従って、コーティング層は、完成チューインガム要素の約0〜75重量%、例えば約10〜60重量%、例えば約15〜50重量%を構成する。
さらなる有用な実施形態においては、本発明のチューインガム要素の外部コーティングは、フィルムコーティング処理に付され、したがって1種以上の皮膜形成高分子作用物質およびさらに所望により1種以上の補助化合物、例えば可塑剤、顔料および不透明化剤を含む要素である。フィルムコーティングは、上記形態のいずれかのチューインガム芯部に付与された薄いポリマーベースのコーティングである。このようなコーティングの厚さは、通常は20〜100μmである。一般にフィルムコーティングは、適切な水性または有機溶媒ビヒクル中コーティング物質の霧状化した小滴の存在する噴霧ゾーン中にチューインガム芯部を通過させ、その後、ガム芯部に付着している物質を次のコーティング部分を付与する前に乾燥させることにより得られる。このサイクルをコーティングが完了するまで繰り返す。
これに関連して、適切なフィルムコーティングポリマーとしては、食用セルロース誘導体、例えばセルロースエーテル、例えばメチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が挙げられる。その他の有用なフィルムコーティング剤は、アクリルポリマーおよびコポリマー、例えばメチルアクリレートアミノエステルコポリマーまたはセルロース誘導体とアクリルポリマーの混合物である。機能性ポリマーとしても言及されるフィルムコーティングポリマーの特定の一群は、その皮膜形成特性に加え、チューインガム処方物の活性成分に関して改質された放出性能を付与するポリマーである。このような放出改質ポリマーとしては、メチルアクリレートエステルコポリマー、エチルセルロース(EC)および酸性の胃環境に耐え、さらに十二指腸中で容易に溶解するよう設計された腸溶性ポリマーが挙げられる。後者の群のポリマーとしては、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、シェラック、メタクリル酸コポリマー、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)およびHPMCが挙げられる。本発明による外部フィルムコーティングは上記のフィルムコーティングポリマーの任意の組合せを含み得る。
その他の実施形態では、本発明のチューインガム要素のフィルムコーティング層は、皮膜形成物質としてのその機能を行うに際してそれをさらに有用にさせるためにポリマーの物理的特性を変更する能力を有する可塑剤を含む。一般に、可塑剤の作用は、可塑剤分子自体が個々のポリマー鎖間に介在してポリマー−ポリマー相互作用を破壊するので、ポリマーをより柔軟且つより順応性にすることである。フィルムコーティングに用いられるほとんどの可塑剤は非晶質であるかまたは非常に低い結晶化度を有する。これに関連して、適切な可塑剤としては、ポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、例えばこれの200〜6,000等級、有機エステル、例えばフタル酸エステル、セバシン酸ジブチル、クエン酸エステルおよびトリアセチン、油/グリセリド、例えばヒマシ油、アセチル化モノグリセリドおよび分留ココナツ油が挙げられる。
本発明のチューインガム要素の任意の外部コーティングのための(各)皮膜形成ポリマーおよび(各)可塑剤の選択は、水分および気体の皮膜を通過する溶解および拡散に関して該コーティングの最良のバリア性を達成するための十分な考察を経た上でなされる。
チューインガム要素のフィルムコーティングは、1種以上の着色剤または不透明化剤も含有し得る。所望の色調を提供するほかに、このような作用物質は、特に水分および気体に対するバリアを形成することにより、予備咀嚼反応に対して圧縮ガムベースを保護するのに寄与し得る。適切な着色剤/不透明化剤としては、有機染料およびそれらのレーキ、無機着色剤、例えば酸化チタンならびに天然着色剤、例えばβ−カロテンが挙げられる。
さらにフィルムコーティングは、1種以上の補助物質、例えば香料および蝋または糖類化合物、例えばポリデキストロース、デキストリン、例えばマルトデキストリン、ラクトース、変性デンプン、タンパク質、例えばゼラチンまたはゼイン、植物ゴムおよびそれらの任意の組合せを含有し得る。
チューインガム要素の外部コーティングが1種以上の薬学的または化粧品的成分、例えば本明細書中に上記されたものを含有し得ることも本発明の一態様である。
したがって、さらなる実施形態では、本発明の上記のハードコーティングまたはフィルムコーティングチューインガム要素は、外部コーティングが、結合剤、水分吸収成分、皮膜形成剤、分散剤、非付着性成分、増量剤、香料、着色料、薬学的または化粧品的活性成分、脂質成分、蝋成分、糖および酸から選択される少なくとも1つの添加剤成分を含む要素である。チューインガムの咀嚼まで外部コーティング中のこれらの添加剤成分のいずれかの作用を延期することが望ましい場合、このような成分は、本発明に従って、任意の従来の封止剤、例えばタンパク質、例えばゼラチンおよびダイズタンパク質、セルロース誘導体、例えば上記のもののいずれか、デンプン誘導体、食用合成ポリマーおよび脂質物質(後者は任意にリポソーム封止の形態である)を用いて封止され得る。
その他の実施形態では、本発明によるチューインガム要素は、ソフトコーティングとして本技術分野で一般に記載される形態で外部コーティングを付与される。このようなソフトコーティングは従来の方法を用いて施され、そして糖または上記の非齲蝕原性、低糖甘味化合物およびデンプン加水分解物のいずれかの混合物からなるのが有益であり得る。
再び、上述したコーティングは任意的なものであり、またそれにより施与されたバリアー層は周囲環境からタブレット内への水分の移動に対する完全あるいは少なくとも部分的なバリアとしても作用するので製造工程の最終段階に至るまでその実施を先延ばしすることができるものと理解されるべきである。
一般に、本発明の範囲内で適用可能なガムベース処方物に関して、有用な合成エラストマーとしては、食品医薬品局のCFR, Title 21, Section 172,615, the Masticatory Substances, Synthesicに列挙された合成エラストマー、例えば約10,000〜1,000,000の範囲の、例えば50,000〜80,000の範囲のガス圧クロマトグラフィー(GPC)平均分子量を有するポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー(ブチルエラストマー)、例えば約1:3〜3:1のスチレン−ブタジエン比を有するスチレン−ブタジエンコポリマー、例えば2,000〜90,000の範囲の、例えば3,000〜80,000の範囲の、例えば30,000〜50,000の範囲を含むGPC平均分子量を有するポリビニルアセテート(PVA)(この場合、より高い分子量を有するポリビニルアセテートが典型的にはバブルガムベース中に用いられる)、ポリイソプレン、ポリエチレン、例えば約5〜50重量%、例えばコポリマーの10〜45重量%のビニルラウレート含量を有するビニルアセテート−ビニルラウレートコポリマー、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
高分子量を有する合成エラストマーと低分子量エラストマーとをガムベース中で併用することは本産業分野においては一般的である。合成エラストマーの目下好ましい組合せとしては、ポリイソブチレンおよびスチレン−ブタジエン、ポリイソブチレンおよびポリイソプレン、ポリイソブチレンおよびイソブチレン−イソプレンコポリマー(ブチルゴム)、ならびにポリイソブチレン、スチレン−ブタジエンコポリマーおよびイソブチレン−イソプレンコポリマーの組合せ、ならびにそれぞれポリビニルアセテート、ビニルアセテート−ビニルラウレートコポリマーとの混合物中の上記の個々の合成ポリマーの全て、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明による方法中で有利に使用され得る、特に興味深いエラストマー化合物や樹脂状ポリマー化合物は、一般に使用されるエラストマーや樹脂とは対照的に、チューインガム使用後の環境下で物理的、化学的または酵素によって分解し得るポリマーを含む。したがって、これら化合物は非分解性ポリマーに基づくチューインガムよりも環境汚染を生じにくい。これは、使用済み分解性チューインガムの残留物は最終的に分解し、かつ/または、物理的方法または化学的方法によって、捨てられた場所からより容易に除去され得るためである。
本発明に従って、本明細書中で用いられるチューインガムベース成分は、所望の咀嚼特性を得るのに寄与し、そしてガムベース組成物のエラストマーのための可塑剤として作用する1つまたは複数の樹脂状化合物を包含し得る。これに関連して、有用なエラストマー可塑剤としては、しばしばエステルガムと呼ばれる天然ロジンエステル、例えば部分的水素化ロジンのグリセロールエステル、重合化ロジンのグリセロールエステル、部分的二量体化ロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、部分的水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルエステル、ロジンの部分的水素化メチルエステルおよびロジンのペンタエリスリトールエステルが挙げられるが、これらに限定されない。その他の有用な樹脂状化合物としては、合成樹脂、例えばアルファ−ピネン、ベータ−ピネンおよび/またはd−リモネン由来のテルペン樹脂、天然テルペン樹脂;ならびに上記の任意の適切な組合せが挙げられる。エラストマー可塑剤の選択は、特定の用途によって、ならびに用いられている(各)エラストマーの種類によって変わる。
チューインガムベース処方物は、所望により、1種以上の充填剤/テクスチャー剤を包含し、例としては炭酸マグネシウムおよびカルシウム、硫酸ナトリウム、粉砕石灰石、ケイ酸塩化合物、例えばケイ酸マグネシウムおよびアルミニウム、カオリンおよび粘土、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク、酸化チタン、第一、第二および第三リン酸カルシウム、セルロースポリマー、例えば木材、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
充填剤/テクスチャー剤は、天然有機繊維、例えば果実植物繊維、穀物、コメ、セルロースおよびそれらの組合せも包含し得る。
ガムベース処方物は、本発明に従って、1種以上の軟化剤、例えばスクロースポリエステル、例えばWO 00/25598(この記載内容は、参照により本明細書中に組み込まれる)に開示されたもの、獣脂、水素化脂肪、例えば獣脂、水素化および部分水素化植物油、ココアバター、グリセロールモノステアレート、グリセロールトリアセテート、レシチン、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、脂肪酸(例えばステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸およびリノール酸)ならびにそれらの組合せを含む。本明細書中で用いる場合、「軟化剤」という用語は、ガムベースまたはチューインガム処方物を軟化し、そして蝋、脂肪、油、乳化剤、界面活性剤および可溶化剤を包含する成分を意味する。
ガムベースをさらに軟化するために、そしてそれに水結合特性を提供する(これはガムベースに心地よい平滑表面を付与し、その接着特性を低減する)ために、1つまたは複数の乳化剤が通常は組成物に、典型的にはガムベースの0〜18重量%、好ましくは0〜12重量%の量で付加される。可食性脂肪酸のモノ−およびジグリセリド、可食性脂肪酸のモノおよびジグリセリドの乳酸エステルおよび酢酸エステル、アセチル化モノおよびジグリセリド、可食性脂肪酸の糖エステル、Na−、K−、Mg−およびCa−ステアレート、レシチン、ヒドロキシル化レシチン等は、チューインガムベースに付加され得る慣用的に用いられる乳化剤の例である。下記のような生物学的または薬学的に活性な成分が存在する場合、活性成分の分散および放出を増強するために、処方物はある種の特定の乳化剤および/または可溶化剤を含み得る。
蝋および脂肪は、チューインガムベースを調製する場合、粘稠度の調整のために、そしてチューインガムベースの軟化のために、慣用的に用いられる。本発明に関連して、任意の慣用的に用いられるそして適切な種類の蝋および脂肪、例えば米糠蝋、ポリエチレン蝋、石油蝋(精製パラフィンおよびマイクロクリスタリンワックス)、パラフィン、蜜蝋、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、ココアバター、脱脂ココア粉末および任意の適切な油または脂肪、例えば完全または部分的水素化植物油あるいは完全または部分的水素化動物脂肪が用いられ得る。
さらにガムベース処方物は、本発明に従って、着色剤および白色染料、例えばFD&C型染料およびレーキ、果実および植物抽出物、二酸化チタンならびにそれらの組合せを含み得る。さらに有用なチューインガムベース成分としては、酸化防止剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレートおよびトコフェロール、ならびに防腐剤が挙げられる。
図1aは、本発明に係る圧縮マルチモジュールチューインガムタブレットの一例を示す断面図であり、図1bはその上面図を示す。
図示されたチューインガムタブレット10は、2つのチューインガムモジュール11と12とから成る。
この実施形態によれば、各モジュールはただ1層で構成されている。マルチモジュールタブレットは、この実施形態では2層チューインガムタブレット10とみなされ得る。
このチューインガムタブレット10は、例えば約1.5グラムの重量であり、GB非含有チューインガムモジュール11およびGB含有モジュール12(GB:ガムベース)から成る。
GB非含有チューインガムモジュール11は約0.2グラムの重量であり、ガムベース含有モジュール12は約1.3グラムの重量である。
このタブレットは、直径約16mmであり、そして中心の最厚点での厚さは約7mmである。
ここでチューインガムのガムベース保有部分を形成するチューインガムモジュール12は、
16%のプレミックス(12%メントールおよび88%ガムベースを含む)、
58%のソルビトール粉末、
1%のビーズ、
0.15%のアスパルテーム、
0.15%のアセスルファム、
1.3%のペパーミント粉末、および
24%のガムベース
を含んでいる。
ガムベースは、例えば
エラストマー: 19重量%
天然樹脂: 20重量%
合成樹脂: 20重量%
脂肪/充填剤: 26重量%
蝋: 15重量%
を含有していてもよい。
チューインガムモジュール11は、
85%のソルビトール
3%のメントール粉末
2%のユーカリ粉末
10%のカンゾウ粉末
を含む。
2つのモジュール11および12は互いに接着される。種々のプロセスがその目的のために適用され得る。しかしながら本発明の好ましい実施形態によれば、これら2つの層間の相互接着は、一方のモジュール11を他方のモジュール12の上に圧縮(圧着)することにより得られる。
本発明の一実施形態によれば、チューインガムタブレット10はコーティング、例えばフィルムコーティングを施され得る。
異なるモジュール(ここでは、層)中の種々の濃度のガムベースが本発明の範囲内で適用され得ることに留意すべきである。さらに本発明の好ましい実施形態によれば、GB非含有チューインガム層は、上述したように、いかなるガムベースも実質的に含有すべきでないことに留意すべきである。
GB非含有(または少量GB含有)モジュールは、例えば、真の圧縮を促進する目的のために多かれ少なかれ前処理された圧縮性チューインガム成分、例えば甘味料および香料を含むことができる。もし、GB非含有層または少量GB含有層(単数または複数)が非圧縮性成分を含まねばならない場合、これらは、例えば圧縮性材料中に導入するか、あるいは既知の技術により処理することができる。
ここで強調されるべきその他の任意の成分としては、例えば薬学的成分を含み得る。
他の用途においては、例えば異なる放出プロファイルを確立するという目的のために、異なるモジュールは異なる量(即ち濃度)のガムベースを含み得る。
さらにタブレットは、相互反応成分、例えばある種の酸および香料の間のバリアの確立のために適合する1つ以上のバリア層を含む(図示せず)ことができる。
図2aは、本発明に係る圧縮マルチモジュールチューインガムタブレットの他の例を示す断面図であり、図2bはその上面図を示す。
図示された本実施形態20は、最下層23があるガムベース濃度を有するガムベース含有チューインガムモジュールを含んでおり、中間層22はモジュール23とは異なるガムベース濃度のガムベース含有チューインガムモジュールを含んでおり、最後のモジュール21はガムベースを実質的に含有しないチューインガムモジュールを含んでいる。
GB非含有チューインガムモジュール21は、例えば圧縮チューインガム成分、例えば甘味料、香料、凍結乾燥果実等、あるいは図1aに示したような層11を含んでいることができる。
2つのGB含有モジュール22および23は、例えば特に放出後の変化を与える目的で、例えば異なる濃度のガムベースを含むことができ、一方、モジュール21は主に咀嚼時のタブレットの初期放出を決定する。
図3aは、本発明に係る圧縮マルチモジュールチューインガムタブレット30の断面図であり、図3bはその上面図を示す。
図示されたチューインガムタブレット30は、ガムベース含有チューインガムモジュール32を含んでおり、その上にGB非含有チューインガムベース31が配置されている。
図4aは、本発明に係るさらなる圧縮マルチモジュールチューインガムタブレット40の断面図を、図4bはその上面図を示す。
タブレット40は、タブレットが、ガム中心部を形成する圧縮GB含有チューインガムモジュール42を含んでいるという意味で、上述した他のタブレットと多少異なる。モジュール42は、周囲の実質的にGBを含有していないモジュール41により封止されている。
図5aは、本発明に係る圧縮マルチモジュールチューインガムタブレット50の断面図を示し、図5bはその上面図を示す。
環形成2層タブレット50を示す図示の実施形態によれば、ベースチューインガムモジュール52はある濃度のガムベースを含んでおり、一方、他の層は、モジュールGB52を含む非GBを含んでいる。
あるいはチューインガムモジュール51は、チューインガムモジュール52のガムベース含有量と異なるガムベース含有量を有することで、一片のチューインガムが少なくとも2種類の異なる放出プロファイルを提供し得るようにすることができる。
タブレット
タブレットのサイズおよび個々のタブレット形状はタブレット毎に大きく変わり得る。
したがって、あるタブレット(1.1グラム)は、17mm×7mm×8mmであり得る。
別のサイズおよび形状の例としては、直径16mm、中心部厚7.1mm、周辺部厚約4.1mmの丸形タブレット(1.5グラム)であってもよい。
タブレットおよびモジュールは多数の異なる形状を有し得る。好ましい形状は、図1aおよび図1bに例示した形状、即ち薄片状モジュールである。このモジュール形状は、取扱いおよび処理が比較的容易であるため好ましい。しかしながら、もちろん、他のモジュール形状も本発明の範囲内においてとることができる。
それらのモジュール形状のうちのいくつかの例は、図3a、図4aおよび図4aに示されている。