JP2014155176A - データ処理装置及びデータ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】データ転送に伴う処理を行うデータ処理装置、及びデータ処理方法の提供を目的とする。
【解決手段】データ処理部は、受信したデータの期間毎に2遷移が含まれているか否かを判断する。データ処理部は、含まれていた2遷移のうちの時間的に先となる先遷移と2遷移が含まれている期間の開始点及び中央点との誤差を算出する。またデータ処理部は、含まれていた2遷移のうちの時間的に後となる後遷移と2遷移が含まれている期間の中央点及び終了点との誤差を算出する。データ処理部は、算出結果に基づいて、含まれていた2遷移の時間的位置を変更して得られて修正データを出力する。
【選択図】図6
【解決手段】データ処理部は、受信したデータの期間毎に2遷移が含まれているか否かを判断する。データ処理部は、含まれていた2遷移のうちの時間的に先となる先遷移と2遷移が含まれている期間の開始点及び中央点との誤差を算出する。またデータ処理部は、含まれていた2遷移のうちの時間的に後となる後遷移と2遷移が含まれている期間の中央点及び終了点との誤差を算出する。データ処理部は、算出結果に基づいて、含まれていた2遷移の時間的位置を変更して得られて修正データを出力する。
【選択図】図6
Description
本発明は、データ転送に伴う処理を行うデータ処理装置、及びデータ処理方法に関する。
データ転送方法の一つとして、同期データ転送方法が知られている。この方法では、クロック情報(時間情報)が埋め込まれたデータを転送するため、データ転送の送信側および受信側は転送されたデータを容易に同期できるようになる。同期データ転送方法で使用するデータとして、マンチェスタ符号化方式で符号化されたデータを用いる装置が実用化されている(例えば、特許文献1)。このようにして符号化されたデータの転送は、車両における無線方式を用いた施錠・解錠処理などにも用いられている。
マンチェスタ符号化方式は、2位相偏移変調の変調方式であり、「0」及び「1」の連続からなるシリアルデータにクロック情報が埋め込んである。マンチェスタ符号化方式では、シリアルデータの1ビットである「0」の位相から「1」の位相への遷移および「1」から「0」への遷移を1マンチェスタビットとして処理する。
しかしながらデータ転送をする際には、データの送受信処理に起因した位相ジッタ等の影響により、受信側が受信した転送データに揺らぎが生じる場合がある。このような揺らぎが生じたデータに基づいて受信側がその後の処理を行った場合には、送信側が送信すべきであった元となる転送データを反映しないような結果が得られる事態が生じ得る。
図1は、受信側が受信したマンチェスタ符号化方式のデータに揺らぎが生じている場合を示す説明図である。マンチェスタ符号化方式のデータでは、原則として、一定期間毎に1遷移がその期間の中央点(期間の開始点及び終了点の中央となる時間的位置)に位置することになる。図1では、原則通りの適切なデータとして第一期間のデータが記載してあり、揺らぎが生じたデータとして第二期間のデータが記載してある。また図1では、第一期間から第二期間へと時間が経過し、ハイレベルの位相「1」からローレベルの位相「0」への遷移をマンチェスタ符号化方式におけるロジック「0」と規定し、ローレベルの位相「0」からハイレベルの位相「1」への遷移をマンチェスタ符号化方式におけるロジック「1」と規定する例について記載してある。
図1の第一期間にあるデータは、その波形からも明らかなように、データが時系列的にハイレベル「1」からローレベル「0」へ期間の中央点で遷移しているため、ロジック「0」となることが容易に理解できる。しかしながら、生じた揺らぎに起因して遷移が中央点から移動している図1の第二期間にあるデータの場合、中央点に位置すべき遷移が揺らぎにより時間的前方に移動したのか後方に移動したのかを容易に推測できない。つまり、送信側が送信すべき元となるデータではロジック「0」であったのかロジック「1」であったのかを容易に判断できない。推測に基づいてロジック「0」であったと判断してその後の処理を行った場合と、ロジック「1」であったと判断してその後の処理を行った場合とでは、得られる結果が異なることになる。したがって、送信側が送信すべき元となる転送データを反映しない結果が得られる事態が生じ得る。
図1の第二期間には、時系列的に前後関係となっている2つの遷移が含まれている。特許文献1では、図1の第二期間における後方の遷移の位置関係に基づいて、送信側が送信すべき元となる転送データでの位置を判断するための装置・方法が記載してある。しかしながら、図1の第二期間における前方の遷移の位置関係が十分に考慮されておらず、元となる転送データでの位置判断に対する改善の余地があった。したがって、従来の装置及び方法では、データ転送に起因した揺らぎに対する適切な処理を行っていたとは言い難い。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、受信したデータに位相ジッタ等による揺らぎが生じている場合であっても、揺らぎにより移動した遷移の位置の適切な位置を判断し、揺らぎの影響を取り除いてその後の処理を適切に行うようにするデータ処理装置及びデータ処理方法の提供を目的とする。
本発明に係るデータ処理装置は、一期間内における位相の遷移に基づいて論理値を定めるマンチェスタ符号化方式により符号化されており、前記期間が時系列的に複数連なるデータを受け付け、前記論理値の定めに係る遷移を開始点後及び終了点前の間に2つ含む期間を特定し、特定した期間の開始点、中央点または終了点に前記2遷移それぞれが位置するように、前記2遷移を処理するデータ処理装置において、前記2遷移のうち時間的に先となる先遷移が位置する時点と前記開始点との第一差分、前記先遷移が位置する時点と前記中央点との第二差分、前記2遷移のうち時間的に後となる後遷移が位置する時点と前記中央点との第三差分、及び前記後遷移が位置する時点と前記終了点との第四差分に基づいて、前記先遷移が位置する時点を前記開始点または中央点に変更する処理、及び前記後遷移が位置する時点を前記中央点または終了点に変更する処理を行う処理部を備えることを特徴とする。
上述のデータ処理装置では、開始点後および終了点前の間に2遷移を含む期間を特定し、特定した期間に含まれる2遷移の時間的位置、特定した期間の開始点、中央点及び終了点に基づいて、特定した期間に含まれる2遷移の時間的位置を変更する処理を行う。
また本発明に係るデータ処理装置は、前記処理部は、前記第一差分及び前記第三差分の二乗和平方根を算出する第一算出手段と前記第二差分及び前記第四差分の二乗和平方根を算出する第二算出手段と、前記第一算出手段が算出した二乗和平方根及び前記第二算出手段が算出した二乗和平方根を比較する比較手段を備え、前記第一算出手段が算出した二乗和平方根が前記第二算出手段が算出した二乗和平方根よりも小さい場合、前記処理を行って前記先遷移が位置する時点を前記開始点に、前記後遷移が位置する時点を前記中央点に変更するようにしてあることを特徴とする。
上述のデータ処理装置では、二乗和平方根の値を用いて、特定した期間に含まれる2遷移の時間的な位置を変更する処理を行う。二乗和平方根は、検出値のばらつき具合を示す数値である。特定した期間に含まれる2遷移の時間的位置を変更した場合のばらつき具合を指標として、2遷移の時間的位置に対する変更処理を実行する。より小さいばらつきを示す位置への変更は、より大きいばらつきを示す位置への変更よりも、元となる転送データでの位置を正確に反映する処理であると仮定する。したがって、先遷移の位置を開始点へと変更して後遷移の位置を中央点へと変更した場合のばらつきがより小さいとき、そのように2遷移の時間的位置を変更する処理を行う。
また本発明に係るデータ処理装置は、前記処理部は、前記第一差分及び前記第三差分の二乗和平方根と前記第二差分及び前記第四差分の二乗和平方根とを比較し、前記第二算出手段が算出した二乗和平方根が前記第一算出手段が算出した二乗和平方根よりも小さい場合、前記処理を行って前記先遷移が位置する時点を前記中央点に、前記後遷移が位置する時点を前記終了点に変更するようにしてあることを特徴とする。
上述のデータ処理装置では、先遷移の位置を中央点へと変更して後遷移の位置を終了点へと変更した場合のばらつきがより小さいとき、そのように2遷移の時間的位置を変更する処理を行う。
本発明に係るデータ処理方法は、一期間内における位相の遷移に基づいて論理値を定めるマンチェスタ符号化方式により符号化されており、前記期間が時系列的に複数連なるデータを受け付け、前記論理値の定めに係る遷移を開始点後及び終了点前の間に2つ含む期間を特定し、特定した期間の開始点、中央点または終了点に前記2遷移それぞれが位置するように、前記2遷移を処理するデータ処理方法において、前記2遷移のうち時間的に先となる先遷移が位置する時点と前記開始点との第一差分、前記先遷移が位置する時点と前記中央点との第二差分、前記2遷移のうち時間的に後となる後遷移が位置する時点と前記中央点との第三差分、及び前記後遷移が位置する時点と前記終了点との第四差分に基づいて、前記先遷移が位置する時点を前記開始点または中央点に変更する処理、及び前記後遷移が位置する時点を前記中央点または終了点に変更する処理を行うことを特徴とする。
上述のデータ処理方法では、開始点後および終了点前の間に2遷移を含む期間を特定し、特定した期間に含まれる2遷移の時間的な位置、特定した期間の開始点、中央点及び終了点に基づいて、特定した期間に含まれる2遷移の時間的位置を変更する処理を行う。
本発明にあっては、開始点後および終了点前に2遷移を含む期間を特定し、2遷移のうちの後遷移の時間的位置だけでなく先遷移の時間的位置と、当該期間の開始点、中央点及び終了点とを比較する。また、その比較結果に基づいて、これら2遷移の時間的位置の変更を行う。複数の遷移の時間的位置と、各遷移に対するクロックの開始点、中央点および終了点とに基づいて遷移の時間的位置を変更する処理を行うため、遷移の時間的位置が揺らぎの影響によりどのように移動したのかをより適切に判断することが可能となる。
(実施の形態)
本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて、以下に具体的に説明する。無線通信で送信されたデータを受信して構成要素間で転送し、その後の処理を行うデータ処理装置1について例示してある。
本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて、以下に具体的に説明する。無線通信で送信されたデータを受信して構成要素間で転送し、その後の処理を行うデータ処理装置1について例示してある。
図2は、データ処理装置1の構成を示すブロック図である。データ処理装置1は、マンチェスタ符号化方式により処理されたデータ(符号化データ)の電波を受信し、受信した電波に基づいてデータ処理を行う装置であり、アンテナ11、高周波受信部12、データスライサ13、データ処理部14、データ制御部15により構成してある。マンチェスタ符号化方式により処理されたデータとは、クロック情報が埋め込まれた「0」及び「1」の連続からなるシリアルデータの「0」の位相から「1」の位相への遷移および「1」から「0」への遷移を1マンチェスタビットとなるように処理されたデータである。クロック情報から定まる一期間が連続する構成となっており、各期間内の遷移に基づいてその期間のデータに対する論理値を付すようにしてある。
アンテナ11は、空中の電波を受信して高周波信号に変換する空中線である。400MHz帯無線端末用のアンテナ11として構成してある。その他の周波数帯域を受信する構成としてもよいことは言うまでもない。アンテナ11は、受信して変換した高周波信号を、後述する高周波受信部12に送信する。
高周波受信部12は、アンテナ11により受信して変換された高周波信号から信号波を復元するため、復調処理を実行する復調処理器である。高周波受信部12は、復調処理により得られた信号波データを、後述するデータスライサ13に送信(アナログ送信)する。
データスライサ13は、高周波受信部12からアナログ送信された信号波データを所定の閾値でスライスして、デジタル波形に整形するコンパレータである。データスライサ13は、高周波受信部12から送信された信号波データを受信してスライスし、整形したデジタル波形データを後述するデータ処理部14に送信する。
データ処理部14は、データスライサ13から送信されたデジタル波形データを受信して処理を行うマイクロコントローラである。データ処理部14は、データスライサ13から受信したデジタル波形データに生じた揺らぎを検出し、検出した揺らぎを修正する処理を行うように構成してある。またデータ処理部14は、修正する処理を行った後にマンチェスタ符号化されたデータを後述するデータ制御部15に出力する。データ処理部14が行う処理の具体的な内容については後述する。
データ制御部15は、データ処理部14が出力したデータを制御し、NRZ(Non Return to Zero)符号化方式のデータに変換する制御処理を行うマイクロコントローラである。データ制御部15は、他の符号化方式に変換する制御処理を行うように構成してもよい。また制御処理は、データ処理部14が出力したデータに基づいたその他のデータ処理であってもよい。
図3は、データ処理装置1内での転送により送受信されるデータの一例を示す説明図である。図3の上段は、データスライサ13から送信されるデータの波形を示す。図3の中段は、上段のデータに対してデータ処理部14が符号化を行ったマンチェスタ符号化方式のロジックを示す。図3の下段は、データ処理部14が出力したデータに対してデータ制御部15によりNRZ符号化方式への変換が行われたデータの波形を示す。
図3の上段のデータは、所定時間からなる一期間の繰り返しから構成されており、ハイレベルの位相「1」及びローレベルの位相「0」を各期間に含む時系列的なデータである。各期間は、その期間の開始点、終了点、及びその開始点と終了点との中央に位置する中央点とを有する。原則的には、各期間の中央点に、ハイレベル「1」からローレベル「0」へ遷移またはローレベル「0」からハイレベル「1」への遷移が存在する。
ハイレベル「1」からローレベル「0」へ遷移を中央点に有する期間のデータは、図3の中段に示すように、マンチェスタ符号化方式のロジック「0」として表現される。また、ローレベル「0」からハイレベル「1」への遷移を中央点に有する期間のデータは、図3の中段に示すように、マンチェスタ符号化方式のロジック「1」として表現される。
マンチェスタ符号化方式のロジック「0」となる期間のデータは、図3の下段に示すように、NRZ符号化方式ではローレベル「0」のデータ波形を示すように変換される。マンチェスタ符号化方式のロジック「1」となる期間のデータは、NRZ符号化方式ではハイレベル「1」のデータ波形を示すように変換される。
図4は、データ処理部14が処理するデータに揺らぎが生じている一例を示す説明図である。図4の上段は、データスライサ13から送信されるデータの波形を示しており、揺らぎにより第二期間の中央点に一遷移が位置しておらず、第二期間の開始点後および終了点前の間に2遷移が含まれている。このままではマンチェスタ符号化方式による符号化が適切に行えないため、アンテナ11から受信して処理すべき元のデータでは第二期間がマンチェスタ符号化方式のロジック「1」であったか「0」であったか判断する必要がある。
揺らぎにより第二期間のデータが時間的に前方にずれたと推測した場合、アンテナ11から受信して処理すべき元のデータでは第二期間がマンチェスタ符号化方式のロジック「1」であったと判断することになる。よって図4の中段に示すように、データ処理部14が出力するデータにおけるマンチェスタ符号化方式のロジックは「1」となるように処理する。また、図4の下段に示すように、NRZ符号化方式ではローレベル「1」のデータ波形を示すようにデータ制御部15によって変換される。
揺らぎにより第二期間のデータが時間的に後方にずれたと推測した場合、アンテナ11から受信して処理すべき元のデータでは第二期間がマンチェスタ符号化方式のロジック「0」であったと判断することになる。よって図4の中段に示すように、データ処理部14が出力するデータにおけるマンチェスタ符号化方式のロジックは「0」となるように処理する。また、図4の下段に示すように、NRZ符号化方式ではローレベル「0」のデータ波形を示すようにデータ制御部15によって変換される。
図4からも明らかなように、揺らぎが生じた期間のデータに対する推測結果・判断結果によって、データ制御部15により変換されたデータに相違が生じることになる。アンテナ11から受信して処理すべき元のデータをより適切に反映させるためにデータ処理部14が行う処理内容について、以下に説明する。
図5は、一期間に含まれる2遷移の時間的位置を変更するデータ処理部14の処理を説明する説明図である。中段は、データ処理部14が受信したデータを示しており、第二期間に揺らぎが生じている。上段は、揺らぎにより中段のデータが時間的に後方にずれていると推測した場合における元のデータでの遷移の位置を示す。2遷移のうちの時間的に先となる先遷移の時間的位置と第二期間の開始点との間には、誤差Aが生じており、2遷移のうちの時間的に後となる後遷移の時間的位置と第二期間中央点との間には、誤差Bが生じている。下段は、揺らぎにより中段のデータが時間的に前方にずれていると推測した場合における元のデータでの遷移の位置を示す。先遷移の時間的位置と中央点との間には、誤差Cが生じており、後遷移の時間的位置と第二期間の終了点との間には、誤差Dが生じている。
データ処理部14は、誤差A、B、C及びDに基づいて、先遷移および後遷移の時間的位置を変更する処理を行う。具体的には、検出値のばらつきを考慮する二乗和平方根を用いて、誤差A及びBのばらつきα(A2 +B2 の平方根)と誤差C及びDのばらつきβ(C2 +D2 の平方根)とを算出して比較し、先遷移および後遷移の時間的位置を変更する処理を行う。より小さいばらつきとなる位置への変更は、より大きいばらつきとなる位置への変更よりも、元となるデータでの遷移の位置を正確に反映するであろうとする仮定の下、データ処理部14は、αがβよりも小さい場合に図5の中段にある第二期間のデータが図5の上段に示したものとなるように、先遷移および後遷移の時間的位置を変更する処理を行う。βがαよりも小さい場合には、図5の中段にある第二期間のデータが図5の下段に示したものとなるように、先遷移および後遷移の時間的位置を変更する処理を行う。
図6は、データ処理部14が実行する処理手順を示すフローチャートである。データ処理部14はタイマーを有しており、一期間の開始点に合わせてタイマーによる計時及び遷移の検出を開始し、期間毎に2遷移がデータ中に含まれるか否かを判断する(ステップS11)。
判断対象である期間のデータに2遷移が含まれていないと判断した場合(S11:NO)、時間的に次に来る期間のデータが存在するか否か判断する(ステップS12)。時間的に次に来る期間のデータが存在すると判断した場合(S12:YES)、次に来る期間のデータに対してS11を繰り返す。時間的に次に来る期間のデータが存在しないと判断した場合(S12:NO)、データ処理部14は処理を終了する。
判断対象である期間のデータに2遷移が含まれていると判断した場合(S11:YES)、データ処理部14は、判断により特定された期間にある2遷移のうちの時間的に先となる先遷移の時間的位置と特定された期間の開始点との誤差A、先遷移の時間的位置と特定された期間の中央点との誤差C、特定された期間にある2遷移のうちの時間的に後となる後遷移の時間的位置と特定された期間の中央点との誤差B、及び後遷移の時間的位置と特定された期間の終了点との誤差Dを計算する(ステップS13)。
データ処理部14は、先遷移の時間的位置と特定された期間の開始点との誤差A及び後遷移の時間的位置と特定された期間の中央点との誤差Bに対する二乗和平方根αを算出し、先遷移の時間的位置と特定された期間の中央点との誤差C及び後遷移の時間的位置と特定された期間の終了点との誤差Dに対する二乗和平方根βを算出する(ステップS14)。
データ処理部14は、算出した2つの二乗和平方根α、βを比較し、二乗和平方根αが二乗和平方根βより小さいか否かを判断する(ステップS15)。より小さいと判断した場合(S15:YES)、データ処理部14は、特定された期間の開始点へと先遷移の時間的位置を変更し、特定された期間の中央点へと後遷移の時間的位置を変更する第一変更処理を行う(ステップS16)。より小さいと判断しなかった場合(S15:NO)、データ処理部14は、特定された期間の中央点へと先遷移の時間的位置を変更し、特定された期間の終了点へと後遷移の時間的位置を変更する第二変更処理を行う(ステップS17)。データ処理部14は変更処理後、S12を繰り返す。
図5の中段に示す第二期間の場合には、図6で示した処理手順により、誤差A及びBのばらつきα(A2 +B2 の平方根)と誤差C及びDのばらつきβ(C2 +D2 の平方根)とがデータ処理部14により算出されて比較されることになる。ばらつきαがより小さいと判断された場合には、データ処理部14は図5の中段に示すデータを図5の上段に示すデータに修正する。ばらつきαがより小さいと判断されなかった場合には、データ処理部14は図5の中段に示すデータを図5の下段に示すデータに修正する。
データ処理部14が二乗和平方根を用いて処理を行う一例について記載したが、誤差AおよびBそれぞれの絶対値の和と誤差CおよびDそれぞれの絶対値の和との計算に基づいて処理を行う構成とすることも可能である。また、誤差A、B、C及びDを用いたその他の計算に基づいて処理を行ってもよいことは言うまでもない。先遷移及び後遷移が共に期間の開始点後及び中央点前の間に位置する場合には、このような計算をすることなく、先遷移の時間的位置をクロックの開始点に変更して後遷移の時間的位置を中央点に変更する処理を行ってもよい。また、先遷移及び後遷移が共に期間の中央点後及び終了点前の間に位置する場合には、このような計算をすることなく、先遷移の時間的位置を期間の中央点に変更して後遷移の時間的位置を終了点に変更する処理を行ってもよい。
データ処理部14は、図6で示して処理手順により、揺らぎの影響を受けた遷移の時間的位置を変更して修正したデータに基づき、図3の中段に示すようなマンチェスタ符号化を行い、マンチェスタ符号化されたデータをデータ制御部15に出力する。
上述したように、揺らぎの影響を受けた遷移の時間的位置を変更して修正したデータに基づいてデータ制御部15がその後の処理を実行するため、アンテナ11から受信して処理すべき元のデータを反映させた処理結果が得られるものと期待できる。
上述した実施の形態では、データ処理部14とデータ制御部15とを異なる構成要素とする一例について記載していたが、データ処理部14とデータ制御部15とを一つのマイクロコントローラで実現するように変更してもよいことは言うまでもない。データ処理部14がマンチェスタ符号化したデータをデータ制御部15に送信する一例について記載していたが、遷移の時間的位置変更のみをデータ処理部14が行ってデータ制御部15に送信し、受信したデータにデータ制御部15がマンチェスタ符号化の処理を行った上でNRZ符号化方式への変換を行うように構成してもよいことは言うまでもない。また、クロック情報が組み込まれて他の符号化方式により処理された符号化データを受信して処理するように、データ処理装置1を構成してもよいことは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上で例示した内容だけで無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての更新が含まれることが意図される。
1 データ処理装置
12 高周波受信部
13 データスライサ
14 データ処理部
15 データ制御部
12 高周波受信部
13 データスライサ
14 データ処理部
15 データ制御部
Claims (4)
- 一期間内における位相の遷移に基づいて論理値を定めるマンチェスタ符号化方式により符号化されており、前記期間が時系列的に複数連なるデータを受け付け、前記論理値の定めに係る遷移を開始点後及び終了点前の間に2つ含む期間を特定し、特定した期間の開始点、中央点または終了点に前記2遷移それぞれが位置するように、前記2遷移を処理するデータ処理装置において、
前記2遷移のうち時間的に先となる先遷移が位置する時点と前記開始点との第一差分、前記先遷移が位置する時点と前記中央点との第二差分、前記2遷移のうち時間的に後となる後遷移が位置する時点と前記中央点との第三差分、及び前記後遷移が位置する時点と前記終了点との第四差分に基づいて、前記先遷移が位置する時点を前記開始点または中央点に変更する処理、及び前記後遷移が位置する時点を前記中央点または終了点に変更する処理を行う処理部を備える
ことを特徴とするデータ処理装置。 - 前記処理部は、前記第一差分及び前記第三差分の二乗和平方根を算出する第一算出手段と前記第二差分及び前記第四差分の二乗和平方根を算出する第二算出手段と、前記第一算出手段が算出した二乗和平方根及び前記第二算出手段が算出した二乗和平方根を比較する比較手段を備え、前記第一算出手段が算出した二乗和平方根が前記第二算出手段が算出した二乗和平方根よりも小さい場合、前記処理を行って前記先遷移が位置する時点を前記開始点に、前記後遷移が位置する時点を前記中央点に変更するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。 - 前記処理部は、前記第一差分及び前記第三差分の二乗和平方根と前記第二差分及び前記第四差分の二乗和平方根とを比較し、前記第二算出手段が算出した二乗和平方根が前記第一算出手段が算出した二乗和平方根よりも小さい場合、前記処理を行って前記先遷移が位置する時点を前記中央点に、前記後遷移が位置する時点を前記終了点に変更するようにしてある
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。 - 一期間内における位相の遷移に基づいて論理値を定めるマンチェスタ符号化方式により符号化されており、前記期間が時系列的に複数連なるデータを受け付け、前記論理値の定めに係る遷移を開始点後及び終了点前の間に2つ含む期間を特定し、特定した期間の開始点、中央点または終了点に前記2遷移それぞれが位置するように、前記2遷移を処理するデータ処理方法において、
前記2遷移のうち時間的に先となる先遷移が位置する時点と前記開始点との第一差分、前記先遷移が位置する時点と前記中央点との第二差分、前記2遷移のうち時間的に後となる後遷移が位置する時点と前記中央点との第三差分、及び前記後遷移が位置する時点と前記終了点との第四差分に基づいて、前記先遷移が位置する時点を前記開始点または中央点に変更する処理、及び前記後遷移が位置する時点を前記中央点または終了点に変更する処理を行う
ことを特徴とするデータ処理方法。
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