JP2014153346A - 原子力発電プラント - Google Patents

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Abstract

【課題】大規模地震に伴う大津波発生時に、原子炉冷却機能の確保・維持に障害となるプラント常用系の循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプを確実に停止できる原子力発電プラントを提供すること。
【解決手段】取水路102,104から海水を汲み上げて蒸気タービン復水器に冷却水として供給する循環水ポンプ120と、取水路から海水を汲み上げて蒸気タービン建屋200内の補機210に冷却水として供給するタービン補機冷却海水ポンプ122と、大規模地震発生した場合に、循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプの停止予想時刻が津波到達予想時刻よりも後のとき、循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプを停止する制御装置とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、大規模地震にともなう大津波発生時などに原子炉冷却機能の確保・維持を可能とする原子力発電プラントに関する。
原子力発電プラントは、原子炉建屋内及びタービン建屋内に設置される各補機を冷却するため系統として補機冷却水系統を備えている。そして、当該補機冷却水系統に供給するための海水(冷却水)を取水路から汲み上げる海水ポンプ群には、原子炉建屋内の原子炉補機を冷却するための原子炉補機冷却海水ポンプと、タービン建屋内の蒸気タービンを駆動した蒸気を復水器で冷却(復水)するための循環水ポンプ(CWP)と、タービン建屋内のタービン補機を冷却するためのタービン補機冷却海水ポンプ(TSWポンプ)が含まれる。大規模地震に伴う大規模な津波(押し波及び引き波)の発生時には、前述の海水ポンプ群の中でプラント常用系の循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプは、原子炉冷却機能を確保・維持するために、あらかじめ規定されている津波対策の運転手順に基づいて各種の状況情報を確認した上で運転員の判断により手動操作にて停止される。一方、原子炉冷却に必要な原子炉補機冷却海水ポンプの運転は継続させ、安定した原子炉冷却機能を確保・維持するように計画されている。
津波発生時における海水ポンプの水源確保に関する技術としては、例えば、取水路に堰を設け、当該取水路の上方に非常用系海水貯蔵プールを設置し、地震による津波が発生した際には、原子炉補機冷却海水ポンプによって取水路から汲み上げられ補機の冷却に使用された海水(温水)を当該非常用系海水貯蔵プールに導き、当該プールから溢れ出た海水を取水路に還流させる構造とすることで、海水水位が地震による引き波で低下しても取水路からの冷却水の確保を可能としたものがある(特開2001−116880号公報参照)。
特開2001−116880号公報
大規模地震発生時には、蒸気タービンは停止することが通常予定されるため、プラント常用系である循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプによる海水の汲み上げの必要性は低く、既述のとおり、各種の状況情報を確認した上で運転員の判断により手動操作にて停止される。そのため、循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプは、耐震基準上では大規模地震発生時の機能維持は要求されていない。しかし、循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプの性能や種々の事情によっては、大規模地震発生時にも循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプの稼働が継続することも想定される。
そのため、上記文献の技術のように取水路の堰内の水を原子炉補機冷却系に循環利用可能なように構成しても、取水路の堰内の水が常用系と共用されている場合であって、循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプの稼働が継続した場合には、堰内の水が低減するおそれがある。したがって、原子炉冷却機能の確保・維持に必要な量の海水を取水路内に確保するためにも、停止が可能な場合にはできるだけ早期に循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプを停止させる必要がある。
本発明の目的は、大規模地震に伴う大津波発生時に、原子炉冷却機能の確保・維持に障害となるプラント常用系の循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプを確実に停止できる原子力発電プラントを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、取水路から海水を汲み上げて蒸気タービン復水器に冷却水として供給する循環水ポンプと、前記取水路から海水を汲み上げて蒸気タービン建屋内の補機に冷却水として供給するタービン補機冷却海水ポンプと、津波予想到達時刻に基づいて前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプを停止する制御装置とを備えるものとする。
本発明によれば、大規模地震に伴う大津波発生時にプラント常用系の循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプを確実に停止できる。
本発明の実施の形態に係る原子力発電プラントの概略図。 本発明の実施の形態に係る原子力発電プラントの制御システムの構成図。 本発明の実施の形態に係る原子力発電プラントの制御システムが実行する処理のフローチャート。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、同一の構成要素が複数存在する場合、符号の末尾にアルファベットの大文字を付すことがあるが、当該アルファベットの大文字を省略して当該複数の構成要素をまとめて表記することがある。例えば、同一の3つのポンプ190A、190B、190Cが存在するとき、これらをまとめてポンプ190と表記することがある。
図1は本発明の実施の形態に係る原子力発電プラントの概略図である。この図に示す原子力発電プラントは、循環水ポンプ(Circulating Water Pump:CWP)120と、タービン補機冷却海水(Turbine Building Sea Water System:TSW)ポンプ122と、原子炉補機冷却海水ポンプ130を備えている。
CWP120は、取水路102を介して海洋108から引き込んだ海水を汲み上げ、当該海水をタービン建屋200内の蒸気タービン復水器(図示せず)に対して、タービンを回転駆動した蒸気を復水するための冷却水として供給するポンプである。
取水路102の取水口は、海辺に設けられており、海洋108に開口している。取水口の入口には、ごみを取り除くためのスクリーン106が設置されている。また、取水路102の取水口の近傍には堰100が設けられている。堰100の高さは、少なくとも平常の潮位より低くかつ引き波時の潮位より高く設定されており、引き波の発生時にも取水路102内に海水が残るようになっている。取水路102は堰100よりもプラント側(タービン建屋200及び原子炉建屋300)の場所で補機冷却用取水路104に分岐しており、補機冷却用取水路104内にも海水が導入されている。
TSWポンプ122A,122B,122Cは、取水路102から海水を汲み上げて、当該海水をタービン建屋200内の各補機210を冷却するための冷却水として、タービン補機冷却水系熱交換器212に供給するポンプであり、タービン補器冷却海水系125を構成している。図1に示したプラントでは、3機のTSWポンプ122A,122B,122Cが設置されているが、ポンプの数はこれだけに限らない。TSWポンプ122A,B,Cに汲み上げられ、タービン補機冷却水系熱交換器212に導入された海水は、タービン補機冷却系215において各補機210を冷却して加熱された熱媒体(例えば、水)と熱交換して加熱された後に、放水路110に排出され海洋108に戻される。CWP120とTSWポンプ122は、主として原子炉及び蒸気タービンの通常運転時に稼働されるので、常用系の海水ポンプと称されることがある。
原子炉補機冷却海水ポンプ130は、取水路102又は補機冷却用取水路104から海水を汲み上げて、当該海水を原子炉建屋300内の各補機310を冷却するための冷却水として、原子炉補機冷却水系熱交換器312に供給するポンプであり、原子炉補機冷却海水系135を構成している。図1に示したプラントでは、3系統の原子炉補機冷却海水ポンプ130A,130B,130Cが設置されており、各系統は2機のポンプを備えるが、各系統の数及び各系統における海水ポンプの数はこれだけに限らない。原子炉補機冷却海水ポンプ130A,B,Cに汲み上げられ、原子炉補機冷却水系熱交換器312に導入された海水は、原子炉補機冷却系315において各補機310を冷却して加熱された熱媒体(例えば、水)と熱交換して加熱された後に、放水路110に排出され海洋108に戻される。
なお、図1の例では、取水路102と補機冷却用取水路104を海水源としたが、CWP120、TSWポンプ122および原子炉補機冷却海水ポンプ130は、津波によって海洋との接続が遮断される水源を共用していれば良く、図1の例に限られない。すなわち、例えば、全てのポンプ120,122,130の水源を取水路102としても良い。
図2は本発明の実施の形態に係る原子力発電プラントの制御装置のシステム構成図である。この図に示す制御装置は、情報入力装置1と、運転状態診断装置2と、状況判断回路(津波対策検討装置)3と、ポンプ停止予想時刻演算回路4と、津波対策ロジック回路5aと、対策指令信号発生回路5bと、原子炉停止指令発生ロジック回路6と、CWP全台自動停止指令発生ロジック回路7aと、TSWポンプ全台自動停止指令発生ロジック回路7bと、原子炉緊急スクラム警報発生ロジック回路8aと、CWP緊急停止警報発生ロジック回路8bと、TSWポンプ緊急停止警報発生ロジック回路8cと、スクラム警報装置9aと、CWP停止警報装置9bと、TSWポンプ停止警報装置9cと、引き波検出器10と、引き波警報発生ロジック回路11と、引き波警報装置12を備えている。なお、ここでは、図示は省略するが、図2に示した制御装置に係る各部は、各種プログラムを実行するための演算手段としての演算処理装置(例えば、CPU)と、当該プログラムをはじめ各種データを記憶するための記憶手段としての記憶装置(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ等の半導体メモリや、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置)と、演算処理装置の処理結果等を表示するための表示装置(例えば、液晶モニタ等)と、各装置へのデータ及び指示等の入出力制御を行うための入出力演算処理装置を備えているものとする。なお、これらは複数の装置で共用しても良い。
情報入力装置1には、気象庁(またはこれに類する機関)が発表した緊急地震速報・震度速報(大規模地震情報)、大津波警報、津波到達予想時刻(第一波(押し波又は引き波)の到達予想時刻)が入力されている。以下では、これらの情報をまとめて地震・津波情報と称することがある。
運転状態診断装置2には、原子炉の稼働状況(稼働中か停止中かを示す情報)、蒸気タービン及び発電機の稼働状況、CWPの稼働状況、TSWポンプの稼働状況、補機電源系統の稼働状況が入力されている。運転状態診断装置2は、これら入力情報に基づいて、原子炉と、蒸気タービン及び発電機と、CWP120と、TSWポンプ122と、CWP120及びTSWポンプ122に電力を供給する補機電源系統が稼働しているか又は停止しているかを診断する。
状況判断回路3は、情報入力装置1を介して入力した地震・津波情報と、運転状態診断装置2の診断により得られた原子炉冷却機能の確保・維持に係わる各装置の稼働状況とを総合判断して、ポンプ停止予想時刻演算回路4にCWP120とTSWポンプ122の停止予想時刻を算出する処理を要求する。ポンプ停止予想時刻演算回路4は、事故時運転操作手順(事故発生時の操作手順が記載されたマニュアル)に基づいてCWP120とTSWポンプ122の停止予想時刻を算出し、当該算出結果を状況判断回路3に出力する。CWP120とTSWポンプ122の停止予想時刻は、大規模地震発生時刻や、事故時運転操作が開始された時刻を基準として算出することができる。
ポンプ停止予想時刻演算回路4から停止予想時刻が入力されたら、状況判断回路3は、情報入力装置1から入力される津波到達予想時刻よりも当該ポンプ停止予想時刻が後になるようであれば、原子炉冷却機能の確保に支障をきたすため引き波対策モードに切換える。また、状況判断回路3には、取水路102内の水位に基づいて引き波発生の有無を検出する引き波検出器10の出力値が入力されている。状況判断回路3は、引き波発生がポンプ停止より後になる予測がされた場合であっても、予測に反して引き波検出器(センサ)10で引き波の発生が実際に検知された場合には、同様に引き波対策モードに切換える。
なお、第一波が「押し波」のときは、「引き波」の到達予想時刻は津波到達予想時刻より遅れることになる。そのため、第一波が押し波と判別可能な場合には、状況判断回路3において、津波到達予想時刻から引き波の到達予想時刻を推定し、当該引き波の到達予想時刻に基づいて各処理を実行しても良い。
津波対策ロジック回路5aは、状況判断回路3が引き波対策モードに切り換えられた場合に、原子炉スクラム警報と、ポンプ120,122の緊急停止警報を発生する旨の指令生成し、これを原子炉緊急スクラム警報発生ロジック回路8aと、CWP緊急停止警報発生ロジック回路8bと、TSWポンプ緊急停止警報発生ロジック回路8cに出力する。これにより、対策指令信号発生回路5bの対策指令とともに又はこれに先だって運転員に注意喚起することを目的として、原子炉緊急スクラム警報発生ロジック回路8aはスクラム警報装置9aによりスクラム警報を発生し、CWP緊急停止警報発生ロジック回路8bはCWP停止警報装置9bによりCWP停止警報を発生し、TSWポンプ緊急停止警報発生ロジック回路8cはTSW停止警報装置9cによりTSWポンプ停止警報を発生する。
また、状況判断回路3が引き波対策モードに切り換えられた場合に、対策指令信号発生回路5bは、原子炉のスクラムと、ポンプ120,122の全台自動停止を行う旨の指令生成し、これを原子炉停止指令発生ロジック回路6と、各ポンプ自動停止指令発生ロジック回路7a,7bに出力する。これにより、原子炉停止指令発生ロジック回路6は原子炉をスクラムし、ポンプ自動停止指令発生ロジック回路7aはCWPポンプ120を全台停止し、ポンプ自動停止指令発生ロジック回路7bはTSWポンプ122を全台停止する。
しかしながら、大規模地震によりCWPポンプ120と、TSWポンプ122の制御回路などに損傷がある場合等は、原子炉停止指令発生ロジック回路6と各ポンプ自動停止指令発生ロジック回路7a,7bによる緊急自動停止指令が不能になるので、運転員により手動にて遮断器を別途開放させ停止させる必要がある。
また、津波対策ロジック回路5aには引き波検出器10からの出力値が入力されている。これにより、引き波発生予想時刻に間違いがあった場合と、地震をともなわない遠方からの津波に対しても対応可能なように配慮している。
図3は本発明の実施の形態に係る原子力発電プラントの制御システムが実行する処理のフローチャートである。図3中の2点鎖線内に示した処理は対策システムとして主要なものを表す。
図3において、地震が発生して緊急地震速報・震度速報(大規模地震情報)が情報入力装置1に入力されたら、津波対策検討装置3は、その情報が大規模地震に係るものであるか否かを判定する(S110)。ここで大規模地震でないと判定された場合(例えば、震度速報が震度5未満の場合)には、プラント運転を継続する(S180)。
一方、S110で大規模地震が発生したと判定された場合には、津波対策検討装置3は、運転状態診断装置2からの診断に基づいて、蒸気タービン及び発電機の稼働状況と、CWP120及びTSWポンプ122の稼働状況を判定する(S112,114)。
S112において、CWP120及びTSWポンプ122が停止していると判定された場合には、対策対象外となるので、S190に進み、処理を終了する。なお、CWP120及びTSWポンプ122の耐震基準はBクラスなので、大規模地震時の停止は許容されている。一方、S112において、CWP120及びTSWポンプ122の稼働が継続していると判定された場合には、S116に進む。なお、このようにCWP120及びTSWポンプ122の稼働が継続する場合は、CWP120及びTSWポンプ122の耐震性能が優れていたために、結果として稼働を継続したことを意味する。
また、S114において、蒸気タービン及び発電機がトリップしたと判定された場合には、S120に進み、プラント停止操作を開始する。なお、蒸気タービン及び発電機の耐震基準はBクラスなので、大規模地震時の停止は許容されている。一方、S114において、蒸気タービン及び発電機の稼働が継続していると判定された場合には、S116に進む。なお、このように蒸気タービン及び発電機の稼働が継続する場合は、蒸気タービン及び発電機の耐震性能が優れていたために、結果として稼働を継続したことを意味する。
S120では、事故時操作手順に基づいてプラント停止操作が開始される。ポンプ停止予想時刻演算回路4は、当該停止操作の開始時刻に基づいてCWP120及びTSWポンプ122の停止予想時刻を算出し(S124)、S130に進む。なお、S120で開始されるプラント停止操作には原子炉スクラムが含まれる。
S116では、状況判断回路3は、情報入力装置1から入力される情報に基づいて、大津波警報が発令されているか否かを判定する。ここで大津波警報が発令されていないと判定された場合には、S190に進み処理を終了する。一方、大津波警報が発令されていることが確認できたら、状況判断回路3は、情報入力装置1から入力される津波到達予想時刻に基づいて引き波開始予想時刻を算出し、S130に進む。
S130では、状況判断回路3は、S124で取得したCWP120及びTSWポンプ122の停止予想時刻と、S118で取得した津波到達予想時刻とを比較する。そして、津波到達予想時刻の方が先の場合には、引き波対策モードに移行する(S138)。一方、ポンプ120,122の停止予想時刻の方が先の場合には、S190に進み処理を終了する。
また、S130では、上記の処理に並行して、引き波検出器10で引き波の発生が検知されたか否かを判定している。これにより、ポンプ120,122の停止予想時刻の方が津波到達予想時刻より後になると予測された場合であっても、当該予測に反して引き波検出器(センサ)10で引き波の発生が実際に検知された場合には、先と同様にS138に進んで引き波対策モードに移行する。すなわち、予想時刻の比較よりも、引き波検出器10による引き波検知の方が優先される。なお、引き波検出器10で引き波の発生が検知された場合には、引き波警報発生ロジック回路11は、引き波警報装置12を介して引き波警報を発生し、運転員に注意喚起する。
S130からS138に進むに際して、津波対策ロジック回路5aは、原子炉緊急スクラム警報発生ロジック回路8a及びスクラム警報装置9aによりスクラム警報を発生し(S132)、CWP緊急停止警報発生ロジック回路8b及びCWP停止警報装置9bによりCWP停止警報を発生し(S134)、TSWポンプ緊急停止警報発生ロジック回路8c及びTSW停止警報装置9cによりTSWポンプ停止警報を発生する(S136)。
S138では、対策指令信号発生回路5bは、CWP120とTSWポンプ122に電力を供給するための補機電源系統が正常か否かを判定する(S140)。すなわち、S140ではCWP120とTSWポンプ122の稼働が継続している状況であるが、これらを停止指令発生ロジック回路7a,7bを用いて自動的に停止できるか否かは定かではないからである。S140において、補機電源系統が正常であると判定された場合には、対策指令信号発生回路5bは、ポンプ120,122の全台自動停止を行う旨の指令生成し、これを各ポンプ自動停止指令発生ロジック回路7a,7bに出力する(S142,144)。これにより、CWPポンプ120とTSWポンプ122が自動的に全台停止する(S150,152)。なお、ここでは簡略してCWPポンプ120とTSWポンプ122に係る補機電源系統の双方が正常の場合を例に挙げて説明したが、一方の電源系統のみが正常の場合には、当該正常な電源系統に係るポンプのみを自動的に停止すれば良いことは言うまでもない(続いて説明する電源系統に異常が発生した場合についても同様である)。
S140において、補機電源系統に異常が発生していると判定された場合(例えば、地震によりCWPポンプ120と、TSWポンプ122の制御回路が損傷して、原子炉停止指令発生ロジック回路6と各ポンプ自動停止指令発生ロジック回路7a,7bによる緊急自動停止指令が不能になった場合)には、運転員の手動操作(例えば、補機電源系統に係る遮断器を運転員により手動で開放して、ポンプ120,122との電気的接続を切断する)等によりCWPポンプ120とTSWポンプ122の全台を強制的に停止する(S146,148)。この場合の処理手順の一例としては、まず、補機電源系統に異常が発生している旨を警報装置を介して運転員に報知し、当該警報に基づいて運転員がCWPポンプ120とTSWポンプ122を強制的に停止するものがある。
上記の処理によれば、大規模地震に伴う大津波発生時にプラント常用系のCWPポンプ120とTSWポンプ122の稼働が継続している場合にも、これらを確実に停止できるので、非常用ポンプである原子炉補機冷却海水ポンプ130の水源を確保することができ、原子炉冷却機能を確保することができる(S160)。
なお、S114において蒸気タービンと発電機がトリップしていない場合には、対策指令信号発生回路5bは、原子炉停止指令発生ロジック回路6を介して原子炉スクラム操作を行い(S156)、蒸気タービンと発電機を停止する(S158)。これにより原子炉冷温停止状態の維持が実現される(S170)。
ところで、大規模地震発生時は、安全系の対応操作やプラントの健全性の確認が優先されるため、CWP120とTSWポンプ122による取水路102内の海水の汲み上げが地震発生後に継続される事態が状況によっては発生することを予め想定すべきである。例えばCWP120とTSWポンプ122の稼働が継続した場合には、堰100内の水が低減するおそれがある。したがって、原子炉冷却機能の確保・維持に必要な量の海水を取水路102内に確保するためにも、停止が可能な場合にはできるだけ早期にCWP120とTSWポンプ122を停止させることが好ましい。また、大規模地震発生時、運転員は、津波に対する事故時操作要領書などの手順書やメディア等から入手した情報に基づいて、多岐にわたる状況判断や運転操作をしなければならないが、運転員ごとの対応の相違ができるだけ発生しないようなシステムを構築することが好ましい。
このように、本発明は、大津波発生時にともなう引き波(津波)において原子炉冷却機能の確保・維持に障害となるプラント常用系のCWP120とTSWポンプ122の運転員による停止操作に不確実性があるという点を課題とした。そこで、当該課題を解決するために、本実施の形態では、地震・津波に関する事象検知と原子炉冷却機能の確保・維持に係わるプラント各補機の運転状態を判断して事故時運転操作手順よりCWP120とTSWポンプ122の停止時刻を予想し、そのポンプ停止予想時刻と津波到達予想時刻の比較により津波到達予想時刻が早い場合、または、ポンプ停止予想時刻前に引き波の検知が確認された場合に、プラントとして適切な対応として原子炉スクラムとともにCWP120とTSWポンプ122を停止させる指令を発報することとした。
このように、本実施の形態の地震・津波対策システムは、地震・津波の事象検知と原子炉冷却機能の確保・維持に係わる各補機の運転状態、さらに停止操作にともなう循環水ポンプとタービン補機冷却海水ポンプの停止時刻を予測した上で、状況判断をしてプラント運転の対応操作手順を決定する。そのため、刻々と変化する状況からの対応の変更を運転員に委ねることなく、原子炉冷却機能の確保・維持が確実にできるという利点がある。また、地震発生のない遠方からの津波に対しても引き波検知により緊急停止指令が実行されることから有効であり、運転員の負担も軽減できる効果がある。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。
また、上記の制御装置に係る各構成や当該各構成の機能及び実行処理等は、それらの一部又は全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現しても良い。また、上記の制御装置に係る構成は、演算処理装置(例えばCPU)によって読み出し・実行されることで当該制御装置の構成に係る各機能が実現されるプログラム(ソフトウェア)としてもよい。当該プログラムに係る情報は、例えば、半導体メモリ(フラッシュメモリ、SSD等)、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ等)及び記録媒体(磁気ディスク、光ディスク等)等に記憶することができる。
また、上記の各実施の形態の説明では、制御線や情報線は、当該実施の形態の説明に必要であると解されるものを示したが、必ずしも実際の構成に係る全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
1…情報入力装置、2…運転状態診断装置、3…状況判断回路、4…ポンプ停止予想時刻演算回路、5a…津波対策ロジック回路、5b…対策指令信号発生回路、6…原子炉停止指令発生ロジック回路、7a…CWP全台自動停止指令発生ロジック回路、7b…TSWポンプ全台自動停止指令発生ロジック回路、8a…原子炉緊急スクラム警報発生ロジック回路、8b…CWP緊急停止警報発生ロジック回路、8c…TSWポンプ緊急停止警報発生ロジック回路、9a…スクラム警報装置、9b…CWP停止警報装置、9c…TSW停止警報装置、10…引き波検出器、11…引き波警報発生ロジック回路、12…引き波警報装置、100…堰、102,104…取水路、120…CWPポンプ、122…TSWポンプ、130…原子炉補機冷却海水ポンプ、200…タービン建屋、210…各補機、310…各補機

Claims (7)

  1. 取水路から海水を汲み上げて蒸気タービン復水器に冷却水として供給する循環水ポンプと、
    前記取水路から海水を汲み上げて蒸気タービン建屋内の補機に冷却水として供給するタービン補機冷却海水ポンプと、
    津波到達予想時刻に基づいて前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプを停止する制御装置とを備えることを特徴とする原子力発電プラント。
  2. 請求項1に記載の原子力発電プラントにおいて、
    前記制御装置は、前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプの停止予想時刻が津波到達予想時刻よりも後のとき、前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプを停止することを特徴とする原子力発電プラント。
  3. 請求項2に記載の原子力発電プラントにおいて、
    前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプの停止予想時刻が津波到達予想時刻よりも後のとき、前記制御装置が前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプを停止する前に、前記制御装置が前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプを停止する旨を、報知する報知装置をさらに備えることを特徴とする原子力発電プラント。
  4. 請求項2に記載の原子力発電プラントにおいて、
    前記制御装置は、前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプの停止予想時刻が津波到達予想時刻よりも後のとき、その停止操作を先に実行することを特徴とする原子力発電プラント。
  5. 請求項1に記載の原子力発電プラントにおいて、
    取水路の水位に基づいて引き波の発生を検知する引き波検出器をさらに備え、
    前記制御装置は、前記引き波検出器が引き波の発生を検知した場合に、前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプを停止することを特徴とする原子力発電プラント。
  6. 取水路から海水を汲み上げて蒸気タービン復水器に冷却水として供給する循環水ポンプと、前記取水路から海水を汲み上げて蒸気タービン建屋内の補機に冷却水として供給するタービン補機冷却海水ポンプとを備える原子力発電プラントの制御方法において、
    前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプの停止予想時刻が津波到達予想時刻よりも後のとき、前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプを停止することを特徴とする原子力発電プラントの制御方法。
  7. 請求項6に記載の原子力発電プラントの制御方法において、
    前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプの電源系統に異常があり、前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプの稼働が継続しているとき、前記循環水ポンプと前記タービン補機冷却海水ポンプを停止することを特徴とする原子力発電プラントの制御方法。
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