JP2014153264A - 冷凍車の配送ルート算出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍車に搭載された冷凍装置の消費エネルギーを考慮した配送ルートを算出する技術を提供する。
【解決手段】管理センターは、冷凍車の出発地から目的地までの異なる候補ルートを複数個算出し(ステップ110)、算出した複数の候補ルートの各々を対象として、対象とする候補ルートを複数の区間に分け、各区間の走行時間、気温、天候、日射量、日陰係数を特定し(ステップ115〜135)、特定した各区間の走行時間、気温、天候、日射量、日陰係数等に基づいて、各区間を走行するときに冷凍装置のコンプレッサの駆動のためにエンジンが消費する燃料の量であるコンプレッサ負荷を算出し(ステップ140)、算出した各区間のコンプレッサ負荷および走行距離に基づいて、各区間における燃料消費量を算出し(ステップ145)、算出した各区間の燃料消費量の総和が最も少ないルートを配送ルートに決定する(ステップ155)。
【選択図】図3
【解決手段】管理センターは、冷凍車の出発地から目的地までの異なる候補ルートを複数個算出し(ステップ110)、算出した複数の候補ルートの各々を対象として、対象とする候補ルートを複数の区間に分け、各区間の走行時間、気温、天候、日射量、日陰係数を特定し(ステップ115〜135)、特定した各区間の走行時間、気温、天候、日射量、日陰係数等に基づいて、各区間を走行するときに冷凍装置のコンプレッサの駆動のためにエンジンが消費する燃料の量であるコンプレッサ負荷を算出し(ステップ140)、算出した各区間のコンプレッサ負荷および走行距離に基づいて、各区間における燃料消費量を算出し(ステップ145)、算出した各区間の燃料消費量の総和が最も少ないルートを配送ルートに決定する(ステップ155)。
【選択図】図3
Description
本発明は、冷凍車の配送ルート算出装置に関するものである。
従来、運搬業者は、積荷を冷凍車の保冷庫に入れて目的地へ配送する際、冷凍装置を用いて保冷庫内の温度を管理する。
上記のような温度管理方法においては、日射等の外的要因の変化によって、冷凍庫内の温度管理のために冷凍装置が消費するエネルギーが異なり、その結果、冷凍車の走行エネルギー源の消費量が異なる。
本発明は上記点に鑑み、冷凍車に搭載された冷凍装置の消費エネルギーを考慮した配送ルートを算出する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、走行エネルギー源を消費することで保冷庫を冷却して所定温度以下に維持するための冷凍装置(30)を備えた冷凍車(2)の、出発地および目的地を取得する取得手段(51)と、前記出発地から前記目的地までの各区間について、当該区間において太陽光が地上の構造物または地形に遮られるか否かを示す日陰係数を特定する日陰係数特定手段(135)と、前記各区間の日陰係数に基づいて、前記出発地から前記目的地までの各区間における走行エネルギー源の消費量を算出する消費量算出手段(145)と、前記出発地から前記目的地までのルートのうち、ルート全体を走行したときに消費する走行エネルギー源の総量が最も小さいルートを、配送ルートに決定する決定手段(155)と、を備えた配送ルート算出装置である。
このように、各区間の日射が地上の構造物または地形に遮られるか否かに基づいて、目的地までの各区間における走行エネルギー源の消費量を算出し、消費する走行エネルギー源の総量が最も小さいルートを、配送ルートに決定する。したがって、冷凍車に搭載された冷凍装置の消費エネルギーを考慮して、配送ルートを算出することができる。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の車両運行管理システムは、管理センター1(配送ルート算出装置の一例に相当する)、および冷凍車2を含む。冷凍車2については、図1ではそれぞれ1台のみ記載しているが、実際には、複数台存在する。
管理センター1は、各冷凍車2の運行データを収集および蓄積し、必要に応じて当該運行データの全部または一部を、図示しない事務所に設置されたコンピュータ(PC等)に送信する装置であり、通信部11、記憶部12、および制御部13を有している。
通信部11は、広域ネットワーク6(例えばインターネット、携帯通信網)、無線基地局5等を介して上記事務所に設置されたコンピュータおよび各冷凍車2と通信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、上記運行データおよび地図データ等を記録するための、書き込み可能な不揮発性記憶媒体(例えば、磁気記憶媒体、フラッシュメモリ)である。制御部13は、上記通信部11および記憶部12内のデータを用いて各種処理を行うための装置であり、例えば、CPU、RAM、ROM、I/O等から成る装置として実現可能である。
各冷凍車2は、冷凍して配送する必要がある積荷を格納するための保冷庫を有しており、また、操作部20、通信器21、表示装置22、位置検出器23、地図データ記憶媒体24、および車載機25が搭載されている。これら装置20〜25は、車載システムを構成する。
また、各冷凍車2には、保冷庫内を冷却して所定温度以下に維持する(例えば所定温度に維持する)ための冷凍装置30が搭載されている。この冷凍装置30は、冷媒の放熱を行うコンデンサ31と、コンデンサ31で放熱された冷媒を減圧する膨張弁32と、膨張弁32で減圧された冷媒を蒸発させて保冷庫内を冷却するエバポレータ33と、を備えている。また、冷凍装置30は、エバポレータ33およびコンデンサ31の間において冷媒を吸入および圧縮するコンプレッサ34と、エアコンECU35とを備えている。
このコンプレッサ34は、電磁クラッチ(図示せず)等の断続機構を介して冷凍車2の走行用エンジン(図示せず)の動力出力軸に連結可能となっている。これにより、コンプレッサ34と走行用エンジンが連結されている間は、コンプレッサ34は、走行用エンジンが発生する動力により駆動されて、冷媒を吸入して圧縮する。また、コンプレッサ34と走行用エンジンが連結されていない間は、コンプレッサ34が作動せず、その結果、冷凍装置も作動しない。ただし、走行用エンジンの作動が停止しているときは、コンプレッサ34と走行用エンジンが連結されていても、コンプレッサ34は作動しない。
エアコンECU35は、断続機構を制御することで、コンプレッサ34と走行用エンジンとの連結、非連結を必要に応じて周知の方法で切り替えることができる。具体的には、エアコンECU35は、図示しない外気温センサおよび庫内温度センサの検出結果等に基づいて、保冷庫内が所定温度(例えば0℃以下の特定の温度)に維持されるよう、コンプレッサ34と走行用エンジンとの連結、非連結を切り替える。このような作動により、エアコンECU35は、コンプレッサ34の作動、非作動を切り替える。
また、エアコンECU35は、コンプレッサ34の平均駆動率の情報をメモリ(例えばフラッシュメモリ)に記憶している。この平均駆動率は、単位時間当たりのコンプレッサ34の駆動時間の平均値であり、無次元量である。エアコンECU35は、過去の断続機構の状態(連結、非連結)および走行用エンジンの状態(作動、非作動)に基づいて、この平均駆動率を算出してメモリに記録するようになっていてもよいし、あるいは、エアコンECU35のメモリにあらかじめこの平均駆動率が固定値として記録されていてもよい。
操作部20は、冷凍車2の乗員の操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を車載機25に出力する装置(例えば、メカニカルボタン、タッチパネル)である。
通信器21は、近傍の無線基地局5と無線接続することで、広域ネットワーク6を介して管理センター1と通信するための無線機である。表示装置22は、自機が搭載される冷凍車2の乗員に画像を表示する装置である。位置検出器23は、搭載先の冷凍車2の現在位置および進行方向(方位角)を特定するための信号を出力するための装置群であり、ジャイロセンサ、車速センサ、GPS受信器等を含む。
地図データ記憶媒体24は、ルート表示およびルート案内に用いられる周知の地図データを記憶する記憶媒体である。車載機25は、上記装置20〜24を用いて各種処理を行うための装置であり、例えば、周知のマイクロコンピュータを用いて実現可能である。
次に、この運行管理システムにおけるルート決定の作動について説明する。この作動における車載機25と管理センター1との信号のやりとりのシーケンスを、図2に示す。
まず、ある1台の冷凍車2の乗員は、これから目的地に向かって運行を開始する際に、出発地(すなわち現在地)から目的地までの配送ルート(以下、単にルートという)を決めるために、操作部20に対して、所定の操作を行う。この操作が為されたことに基づいて、車載機25は、図2のルート要求送信処理50を実行する。このルート要求送信処理50では、位置検出器23の出力に基づいて、搭載先の冷凍車2の出発地(すなわち現在地)を特定する。ルート要求送信処理50では更に、乗員による操作部20に対する目的地の入力操作に従って、目的地の特定を行う。ルート要求送信処理50では更に、エアコンECU35から上記平均駆動率を取得する。そして、上記のようにして特定した出発地、目的地、および、平均駆動率を含むルート要求51を、通信機21を用いて、管理センター1に送信する。なお、ルート要求51には、搭載先の冷凍車2を他の冷凍車2と区別するための識別コードとして、車両IDを含める。
管理センター1では、制御部13が、通信部11を介してこのルート要求51を受信する(ステップ52)。そして、受信したことに基づいて、ルート決定処理53を実行する。図3に示すように、このルート決定処理53では、まずステップ110では、受信したルート要求51中の出発地から目的地までの異なるルートを複数個算出し、これらを複数の候補ルートとする。これら複数個のルートを算出する方法としては、例えば、記憶部12中の地図データを利用した周知のダイクストラ法等の探索アルゴリズムを用いて、異なる探索条件で、上記複数個のルートの各々を算出する方法を採用する。探索条件としては、例えば、周知の有料道路優先という探索条件、一般道優先という探索条件、距離優先という探索条件を用いてもよい。
あるいは、探索条件としては、出発地から目的地までの経路に高速道路を含む場合には、以下のような探索条件を用いて上記複数個のルートの各々を算出してもよい。
探索条件A:当該高速道路を降りるときに用いるインターチェンジを、目的地に最も近いインターチェンジに限定する探索条件。
探索条件B:目的地に最も近いインターチェンジよりも1個手前(出発地側)のインターチェンジに限定する探索条件。
探索条件C:目的地に最も近いインターチェンジよりも2個手のインターチェンジに限定する探索条件件。
探索条件A:当該高速道路を降りるときに用いるインターチェンジを、目的地に最も近いインターチェンジに限定する探索条件。
探索条件B:目的地に最も近いインターチェンジよりも1個手前(出発地側)のインターチェンジに限定する探索条件。
探索条件C:目的地に最も近いインターチェンジよりも2個手のインターチェンジに限定する探索条件件。
続いては、ステップ110で算出した複数の候補ルートの各々を対象として、ステップ115〜145の処理を実行する。例えば3個の異なる候補ルートX、Y、Zを算出した場合は、候補ルートXを対象としてステップ115〜145を実行し、次に候補ルートYを対象としてステップ115〜145を実行し、次に候補ルートZを対象としてステップ115〜145を実行する。
ステップ115では、対象とする候補ルートを複数の区間に分け、各区間について、当該区間の走行に要する時間(すなわち、走行時間)を特定する。区間分けの方法は、例えば、地図データ中の1つのリンクを1区間としてもよい。その場合は、各リンクのリンク旅行時間(地図データに含まれているものとする)を各区間の走行に要する時間とする。
続いてステップ120では、各区間の現在の気温を特定する。この処理のために、制御部13は、通信部11を用いて、各地の現在の気温の情報を提供する気温サーバと通信することで、当該気温サーバから当該各区間の現在の気温を取得する。あるいは、この処理のために、管理センター1の記憶部12には、各地の現在の気温の情報が記録されるようになっていてもよい。その場合は、制御部13は、当該記憶部12から当該各区間の現在の気温を取得する。
続いてステップ125では、各区間の天候(具体的には、晴れ、曇り、雨の別)を特定する。この処理のために、制御部13は、通信部11を用いて、各地の現在の天候の情報を提供する天候サーバと通信することで、当該天候サーバから当該各区間の現在の天候を取得する。あるいは、この処理のために、管理センター1の記憶部12には、各地の現在の天候の情報が記録されるようになっていてもよい。その場合は、制御部13は、当該記憶部12から当該各区間の現在の天候を取得する。
続いてステップ130では、各区間の日射量を特定する。この処理のために、管理センター1の記憶部12には、各地区(例えば各県)の年間日射量テーブルがあらかじめ記録されている。例えば、1つの地区の年間日射量テーブルは、図4に例示するような構成となっている。つまり、1つの地区の年間日射量テーブルは、1年間の各月における各時間帯(例えば、6月の7:00〜9:00の時間帯)で受ける日射量(単位はkWh)が、方位角毎に記録されている。
制御部13は、ステップ130では、各区間について、当該区間の属する年間日射量テーブルを記憶部12中で特定し、特定した年間日射量テーブルから、現在の属する月および時間帯に対応するデータ(すなわち、仰角毎の日射量)を抽出する。そして、抽出したデータのうち、当該区間に沿った進行方向に最も近い方位角に対応する日射量を抽出する。そして、抽出した日射量に、当該区間の走行に要する時間を乗算し、更にその乗算結果を、年間日射量テーブル中の現在の属する時間帯の長さ(例えば7:00〜9:00なら2時間)で除算する。そして、その除算結果の日射量を、当該区間の日射量として特定する。
続いてステップ135では、各区間の日陰係数を特定する。この処理のために、記憶部12中の地図データは、地図上の各地点の最高位置の標高を表すデータを含んでいる。ここで、最高位置とは、その地点にビル等の構造物が無ければ地表の位置をいい、その地点に構造物があればその構造物の上端の位置をいう。
制御部13は、ステップ135で、まず、現在の日時における、各区間の代表位置(例えば中央位置)での太陽の位置(方位角、仰角)を特定する。現在の日時における各地の太陽の位置(方位角、仰角)を算出する方法は周知である。例えば、各日時における各地点の太陽の位置(方位角、仰角)のデータを、記憶部12に記録しておき、そのデータを参照して、各区間における太陽の位置を特定してもよい。なお、現在の日時における各区間の代表位置での太陽の位置(方位角、仰角)ではなく、当該候補ルートを通った場合に各区間を通ると予測される時刻における各区間の代表位置での太陽の位置を特定するようになっていてもよい。
続いて、当該区間の代表位置から、当該区間について特定した太陽の位置に向いて伸びる線分(例えば、標高が500メートルになるまで伸びる線分)を算出する。そして、この線分中から複数個の参照点を選び出し、これら複数の参照点の各々について、標高を算出する。そして、上述の標高を表すデータに基づいて、当該各参照点と同じ平面位置(すなわち、同じ緯度、経度)にある上記最高位置の標高とを比較し、すべての参照点の標高が、比較対象の最高位置の標高よりも高い場合には、当該区間の日陰係数を1とし、それ以外の場合は、当該区間の日陰係数を0とする。このような判定により、各区間について、現時点において、太陽光が当たり得る(日陰係数=1)か、太陽光がビル等の地上の構造物または山等の地形に遮られて日が当たらない(日陰係数=0)かを判定することができる。
続いてステップ140では、各区間におけるコンプレッサ負荷を算出する。コンプレッサ負荷(単位はリットル)は、対象とする区間を走行するときにコンプレッサ34の駆動のためにエンジンが消費する燃料の量であり、例えば、以下のような式で算出する。
コンプレッサ負荷=平均駆動率×KTPY×走行時間+(KT×気温+KTS×日射量×KWTH)×日陰係数
ここで、平均駆動率は、受信したルート要求51に含まれる平均駆動率(コンプレッサ34の平均駆動率)であり、区間に依存しない。また、走行時間、気温、日射量、日陰係数は、それぞれ、コンプレッサ負荷の計算対象となる区間についてステップ115、120、130、135で特定された走行時間、気温、日射量、日陰係数である。
コンプレッサ負荷=平均駆動率×KTPY×走行時間+(KT×気温+KTS×日射量×KWTH)×日陰係数
ここで、平均駆動率は、受信したルート要求51に含まれる平均駆動率(コンプレッサ34の平均駆動率)であり、区間に依存しない。また、走行時間、気温、日射量、日陰係数は、それぞれ、コンプレッサ負荷の計算対象となる区間についてステップ115、120、130、135で特定された走行時間、気温、日射量、日陰係数である。
また、基本負荷係数KTPYは、リットル/時間の次元を有する係数であり、受信したルート要求51に含まれる車両IDによらない固定値であってもよいし、車両ID毎に異なるようにあらかじめ設定されて記憶部12に記録された値のうち、受信したルート要求51に含まれる車両IDに対応する値であってもよい。
また、気温係数KTは、リットル/温度の次元を有する係数であり、受信したルート要求51に含まれる車両IDによらない固定値であってもよいし、車両ID毎に異なるようにあらかじめ設定されて記憶部12に記録された値のうち、受信したルート要求51に含まれる車両IDに対応する値であってもよい。
また、日射係数KTSは、リットル/日射量の次元を有する係数であり、受信したルート要求51に含まれる車両IDによらない固定値であってもよいし、車両ID毎に異なるようにあらかじめ設定されて記憶部12に記録された値のうち、受信したルート要求51に含まれる車両IDに対応する値であってもよい。
また、天候係数KWTHは、コンプレッサ負荷の計算対象となる区間についてステップ125で特定された天候に応じて変化する無次元量である。具体的には、コンプレッサ負荷の計算対象となる区間について特定された天候が「晴れ」であるか、「曇り」であるか、「雨」であるかに応じて、それぞれ、天候係数KWTHが「1」、「0.2」、「0」のように変化する。
続いてステップ145では、各区間における燃料消費量を算出する。具体的には、ある区間の燃料消費量は、例えば、以下のような式で算出する。当該区間についてステップ140で算出されたコンプレッサ負荷に所定の燃費係数KAを加算した値とする。この燃費係数KAは、当該区間の走行距離(地図データから特定する)を基本燃費で除算した量である。ここで、基本燃費は、コンプレッサ負荷を無視した場合の燃費に相当する。基本燃費は、車両IDによらない固定値であってもよいし、車両ID毎に異なるようにあらかじめ設定されて記憶部12に記録された値のうち、受信したルート要求51に含まれる車両IDに対応する値であってもよい。
続いてステップ150では、ステップ145で算出された各区間の燃料消費量の総和を算出し、算出結果を、今回のステップ115〜150で対象となっている候補ルート全体の、総燃料消費量として特定する。この総燃料消費量は、対象となる候補ルート全体を走行したときに消費する燃料の総量である。
候補ルートのすべてについてステップ115〜150の処理を行って各候補ルートの総燃料消費量を算出した後は、ステップ155で、すべての候補ルートのうち、総燃料消費量が最も低い1つの候補ルートを、案内ルート(すなわち、案内用の配送ルート)に決定する。ステップ155の後、ルート決定処理53を終了する。
ルート決定処理53の後、管理センター1の制御部13は、ルート情報送信処理54を実行する。ルート情報送信処理54では、ルート決定処理53で決定した案内ルートを表す情報を、ルート情報55として、通信部11を用いて、車載機25に送信する。
車載機25は、通信器21を介してこのルート情報55を受信し、受信したことに基づいて、表示装置22を用いて、当該ルート情報55に含まれる案内ルートの表示および案内を開始する(ステップ56)。
以上のように、本実施形態の管理センター1は、冷凍車2の出発地から目的地までの複数の候補経路のうち、最も総燃料消費量の少ない経路を選択する。そして、総燃料消費量の計算時には、コンプレッサ負荷が大きくなるほど総燃料消費量が大きくなるような計算方法を採用する。そして、コンプレッサ負荷の計算時には、日陰フラグがゼロの区間(つまり日陰部分)の走行距離(または走行時間)が長くなるほどコンプレッサ負荷が小さくなるような計算方法を採用する一方で、全体の走行時間が長くなるほどコンプレッサ負荷が大きくなるような計算方法を採用する。
例えば、管理センター1が、図5に示すように、候補ルートとして、高速道路61をインターチェンジ62から降りて目的地Gに向かうルート63、および、高速道路61をインターチェンジ64から降りて目的地Gに向かうルート65を算出したとする。そして、点ハッチング部分のみが日陰であった(日陰フラグが0となる区間であった)とする。
この場合、管理センター1は、両ルート63、65の走行時間が同じ場合、日陰の区間をより多く通るルート65を、案内ルートとして選択する。これにより、エンジン負荷となるコンプレッサの稼動時間を軽減させる事が可能となり燃費向上にもなる。
しかしながら、ルート65の方が日陰の区間が長かったとしても、ルート63よりもルート65の方が走行時間が非常に長い場合は、結果としてルート63の方が燃料消費量が少なくなり、ルート63を案内ルートとして選択する。
以上説明した通り、管理センター1は、冷凍車(2)の出発地から目的地までの異なる候補ルートを複数個算出する(ステップ110)。そして、算出した複数の候補ルートの各々を対象として、対象とする候補ルートを複数の区間に分け、各区間の走行時間、気温、天候、日射量、日陰係数を特定する(ステップ115〜135)。そして、特定した各区間の走行時間、気温、天候、日射量、日陰係数に加え、平均駆動率に基づいて、各区間を走行するときにコンプレッサ34の駆動のためにエンジンが消費する燃料の量であるコンプレッサ負荷を算出する(140)。そして、特定した各区間のコンプレッサ負荷および走行距離に基づいて、各区間における燃料消費量を算出する(ステップ145)。そして、算出した各区間の燃料消費量の総和を算出し、算出結果を、対象とする候補ルート全体の、総燃料消費量として特定し(ステップ150)、上記複数の候補ルートのうち、最も総燃料消費量の少ない候補ルートを配送ルートに決定する(ステップ155)。
このように、各区間の日射が地上の構造物または地形に遮られるか否かに基づいて、目的地までの各区間における燃料の消費量を算出し、消費する燃料の総量が最も小さいルートを、配送ルートに決定する。したがって、冷凍車に搭載された冷凍装置の消費エネルギーを考慮して、配送ルートを算出することができる。
なお、車載機25は、搭載先の冷凍車2の走行中も、繰り返し(例えば10分に1回、1km走行毎に1回)、ルート要求52を送信するようになっている。すると、図2に示した作動が、ルート要求52が送信される都度実現する。これにより、管理センター1により案内ルートの計算は出発地から目的地までの間で逐次実行される。
なお、管理センター1の制御部13は、図2のステップ51を実行することで取得手段の一例として機能し、図3のステップ120を実行することで気温特定手段の一例として機能し、ステップ125を実行することで天候特定手段の一例として機能する。また、ステップ135を実行することで日陰係数特定手段の一例として機能し、ステップ140を実行することで負荷算出手段の一例として機能する。また、ステップ145を実行することで消費量算出手段の一例として機能し、ステップ155を実行することでルート決定手段の一例として機能する。
(他の実施形態)
『なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。』
(変形例1)
例えば、上記実施形態では、冷凍装置30は、走行用エンジンが発生する動力により駆動されるコンプレッサ34を有し、このコンプレッサ34によって冷凍装置30が作動するようになっている。この場合、冷凍装置30は、走行用エンジンの燃料(走行エネルギー源の一例に相当する)を消費することで保冷庫を冷却する。
(他の実施形態)
『なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。』
(変形例1)
例えば、上記実施形態では、冷凍装置30は、走行用エンジンが発生する動力により駆動されるコンプレッサ34を有し、このコンプレッサ34によって冷凍装置30が作動するようになっている。この場合、冷凍装置30は、走行用エンジンの燃料(走行エネルギー源の一例に相当する)を消費することで保冷庫を冷却する。
しかし、必ずしもこのようなものに限らず、冷凍車2が電気モータの動力のみにより走行する電気自動車である場合は、冷凍装置30は、電気モータが発生する動力により駆動されるコンプレッサを有し、このコンプレッサによって冷凍装置30が作動するようになっていてもよい。あるいは、冷凍装置30は、電気モータが使用するバッテリから直接電力供給を受けて作動するコンプレッサを有し、このコンプレッサによって冷凍装置30が作動するようになっていてもよい。これら場合、冷凍装置30は、当該バッテリ(走行エネルギー源の一例に相当する)を消費することで保冷庫を冷却する。
(変形例2)
また例えば、ステップ120では、候補ルートの各区間の現在の気温ではなく、当該候補ルートを通った場合に各区間を通ると予測される時刻における気温を特定するようになっていてもよい。
また例えば、ステップ120では、候補ルートの各区間の現在の気温ではなく、当該候補ルートを通った場合に各区間を通ると予測される時刻における気温を特定するようになっていてもよい。
(変形例3)
また例えば、ステップ125では、候補ルートの各区間の現在の天候ではなく、当該候補ルートを通った場合に各区間を通ると予測される時刻における天候を特定するようになっていてもよい。
また例えば、ステップ125では、候補ルートの各区間の現在の天候ではなく、当該候補ルートを通った場合に各区間を通ると予測される時刻における天候を特定するようになっていてもよい。
1 管理センター
2 冷凍車
25 車載機
30 冷凍装置
34 コンプレッサ
2 冷凍車
25 車載機
30 冷凍装置
34 コンプレッサ
Claims (4)
- 走行エネルギー源を消費することで保冷庫を冷却して所定温度以下に維持するための冷凍装置(30)を備えた冷凍車(2)の、出発地および目的地を取得する取得手段(51)と、
前記出発地から前記目的地までの各区間について、当該区間において太陽光が地上の構造物または地形に遮られるか否かを示す日陰係数を特定する日陰係数特定手段(135)と、
前記各区間の日陰係数に基づいて、前記出発地から前記目的地までの各区間における走行エネルギー源の消費量を算出する消費量算出手段(145)と、
前記出発地から前記目的地までのルートのうち、ルート全体を走行したときに消費する走行エネルギー源の総量が最も小さいルートを、配送ルートに決定するルート決定手段(155)と、を備えた配送ルート算出装置。 - 前記出発地から前記目的地までの各区間の気温を特定する気温特定手段(120)と、
前記消費量算出手段は更に、前記各区間の気温に基づいて、前記出発地から前記目的地までの各区間における走行エネルギー源の消費量を算出することを特徴とする請求項1に記載の配送ルート算出装置。 - 前記出発地から前記目的地までの各区間の天候を特定する天候特定手段(125)と、
前記消費量算出手段は更に、前記各区間の気温に基づいて、前記出発地から前記目的地までの各区間における走行エネルギー源の消費量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の配送ルート算出装置。 - 前記出発地から前記目的地までの各区間について、当該区間を前記冷凍車が走行するときに前記コンプレッサの駆動のためにエンジンが消費する燃料の量であるコンプレッサ負荷を、当該区間の前記日陰係数に基づいて算出する負荷算出手段(140)を備え、
前記消費量算出手段は、前記各区間のコンプレッサ負荷に基づいて、前記出発地から前記目的地までの各区間における走行エネルギー源の消費量を算出することを特徴とする請求項1に記載の配送ルート算出装置。
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