JP2014153136A - 物理量センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】物理量センサによって計測できる周波数帯域を構造体の共振周波数に近づけることができる物理量センサを提供する。
【解決手段】物理量センサは、センサ部1と信号処理部2とを含み、センサ部1により計測された物理量に所定の信号処理を施す選択回路21、信号変換回路22、デジタル信号補正回路23、物理量の変化を周波数成分に変換するフーリエ変換回路25とを含み、サーボ制御回路26は、フーリエ変換回路25により変換された周波数成分にセンサ部1の共振周波数付近の周波数が含まれていた時に、サーボ電圧印加電極にサーボ電圧を印加して、センサ部1の動きを抑制する。
【選択図】図6
【解決手段】物理量センサは、センサ部1と信号処理部2とを含み、センサ部1により計測された物理量に所定の信号処理を施す選択回路21、信号変換回路22、デジタル信号補正回路23、物理量の変化を周波数成分に変換するフーリエ変換回路25とを含み、サーボ制御回路26は、フーリエ変換回路25により変換された周波数成分にセンサ部1の共振周波数付近の周波数が含まれていた時に、サーボ電圧印加電極にサーボ電圧を印加して、センサ部1の動きを抑制する。
【選択図】図6
Description
本発明は、物理量を検出する物理量センサに関する。
下記の特許文献1に記載されたMEMSデバイスが知られている。このMEMSデバイスは、可動電極と固定電極との間の距離が所定の距離未満である場合に、静電力を最小化することが記載されている。
しかしながら、MEMSデバイスとしての圧力センサ、加速度センサ、角加速度センサにおいて、MEMSデバイスの構造体における共振周波数付近で構造体が振動すると、振動幅が大きくなる。したがって、安定して出力を得ることができない。このため、上述したMEMSデバイスでは、仮に構造体の共振周波数に近くなるとフィルター処理によってセンサ出力をしないようにしている。
また、既存のMEMSデバイスは、構造体の共振周波数付近とは大きく異なる周波数帯域で構造体を振動させるよう設計されている。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、物理量センサによって計測できる周波数帯域を構造体の共振周波数に近づけることができる物理量センサを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る物理量センサは、構造体の変位に基づく物理量を計測する計測手段と、前記計測手段により計測された物理量に所定の信号処理を施して、当該物理量の時間変化を表す物理量データを生成する信号処理手段と、前記信号処理手段により生成された物理量データの周波数成分に前記構造体の共振周波数付近の周波数が含まれた場合における前記構造体の動きを抑制するように、前記計測された物理量の変化とは逆位相のサーボ電圧をサーボ電圧印加電極に印加するサーボ制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る物理量センサは、上記第1の態様の物理量センサであって、前記信号処理手段により生成された物理量データを周波数成分データに変換する変換手段を備え、前記サーボ制御手段は、前記変換手段により変換された周波数成分データに前記構造体の共振周波数に近い所定の周波数が含まれていた時に、前記サーボ電圧印加電極に前記サーボ電圧を印加して、前記構造体の動きを抑制することを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る物理量センサは、上記第1の態様の物理量センサであって、前記サーボ制御手段は、前記信号処理手段により生成された物理量データが表す物理量の時間変化に対し、当該変化とは逆位相のサーボ電圧を前記サーボ電圧印加電極に印加しているときに、当該サーボ電圧が所定の閾値よりも大きくなった場合に、前記構造体の動きを抑制するような大きなサーボ電圧を前記サーボ電圧印加電極に印加することを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る物理量センサは、上記第1乃至第3の態様の何れかの物理量センサであって、前記計測手段は、圧力の変化に応じて前記構造体が変位するものであることを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る物理量センサは、上記第4の態様の物理量センサであって、前記計測手段は、圧電素子から検出された電圧の変化、ピエゾ素子の抵抗の変化、又は、静電容量の変化の何れか又はその組み合わせによって圧力を検出することを特徴とする。
本発明の第6の態様に係る物理量センサは、上記第1乃至第3の態様の何れかの物理量センサであって、前記計測手段は、加速度の変化に応じて前記構造体が変位するものであることを特徴とする。
本発明の第7の態様に係る物理量センサは、上記第6の態様の物理量センサであって、前記計測手段は、圧電素子から検出された電圧の変化、ピエゾ素子の抵抗の変化、又は、静電容量の変化の何れか又はその組み合わせによって加速度を検出することを特徴とする。
本発明の第8の態様に係る物理量センサは、上記第1乃至第3の態様の何れかの物理量センサであって、前記計測手段は、角加速度の変化に応じて前記構造体が変位するものであることを特徴とする。
本発明の第9の態様に係る物理量センサは、上記第8の態様の物理量センサであって、前記計測手段は、圧電素子から検出された電圧の変化、ピエゾ素子の抵抗の変化、又は、静電容量の変化の何れか又はその組み合わせによって角加速度を検出することを特徴とする。
本発明によれば、物理量データの周波数成分に構造体の共振周波数付近の周波数が含まれた場合における構造体の動きを抑制するようサーボ制御するので、物理量センサによって計測できる周波数帯域を構造体の共振周波数に近づけることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施形態として示す物理量センサは、例えば図1に示すように構成されている。この物理量センサは、センサ部1に、当該センサ部1の動作を出力するための信号処理部2(物理量センサの信号処理回路)が接続されている。
センサ部1は、物理量に応じて変位する構造体を有する各種のセンサである。このセンサ部1は、構造体の変位に基づく物理量を計測する計測手段として機能する。センサ部1は、例えば図2に示すように、可動部11、アンカー部12、及び、バネ部13を有する。バネ部13は、一方端がアンカー部12に接続され、他方端が可動部11に接続されている。アンカー部12は、バネ部13の一方端を固定するよう構成されている。一方、可動部11は、バネ部13が両端部に接続される。これにより可動部11はバネ部13によって揺動自在に支持されている。このセンサ部1は、上下方向に可動部11が振動するよう構成されている。
センサ部1における可動部11は、後述するようにサーボ制御の対象となる。センサ部1は、可動部11の近傍に、サーボ制御のためのサーボ電圧印加電極を配設している(図示せず)。物理量センサは、当該サーボ電圧印加電極に電圧を印加することによって、可動部11の振動を抑制するフィードバック制御を行うことができる。
この可動部11は、例えば圧力の変化、加速度の変化、角加速度の変化に応じて変位する。センサ部1は、静電容量検出方式、圧電検出方式、ピエゾ抵抗検出方式といった方式によって物理量を計測するよう構成されている。なお、この構造体の具体的な構成については後述する。
センサ部1は、例えば、可動部11を含む構造体の空洞内圧力及び振動周波数に対して図3に示すように出力ゲインが変化する。
可動部11は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術によって製造される小さなサイズである。よって、可動部11が小さすぎるために周辺の空気の影響を受けやすい(エアダンピング効果)。つまり、高速に加速度を可動部11に印加した場合、可動部11の変位が加速度に対して遅れてしまう。高速な加速度の印加を繰り返した場合、加速度が可動部11に印加されているのに、可動部11が変位しない。これに対し、構造体周辺における空気密度を小さくすることで、可動部11を動きやすくすることができる。すると、図3に示すように、特定の周波数(共振周波数)で可動部11が共振してしまい、可動部11が大きく変位してしまう。
本実施形態の物理量センサは、センサ部1における空洞内圧力を低くして可動部11を振動しやすくする。また、物理量センサは、可動部11の共振周波数に近い周波数まで可動部11を振動させるよう設定されている。これに対し、本実施形態の物理量センサは、後述するようにサーボ制御を行うことによって、広い周波数帯域で安定した出力結果を得るようにする。
信号処理部2は、選択回路21、信号変換回路22、デジタル信号補正回路23、信号出力回路24、フーリエ変換回路25(変換手段)、及び、サーボ制御回路26を含む。信号処理部2は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現できる。信号処理部2は、センサ部1により計測された物理量に所定の信号処理を施す。これにより信号処理部2は、物理量の時間変化を表す物理量データを生成する(信号処理手段)。
選択回路21は、センサ部1における各部の物理量を検出するための複数の端子を含む。任意の端子間には、センサ部1の物理量の変化に応じた値のアナログ電圧が印加される。選択回路21は、何れかの端子間に印加されたアナログ電圧値が信号変換回路22によって読み取られる。
信号変換回路22は、アンプ回路22aとA/D変換回路22b(ADC)とを含む。選択回路21の端子部間に印加された物理量の変化に応じたアナログ電圧値は、アンプ回路22aによって増幅される。増幅されたアナログ電圧値は、A/D変換回路22bによってデジタル値に変換される。このデジタル値は、センサ部1における物理量の変化に応じた物理量データである。この物理量データは、デジタル信号補正回路23に供給される。
デジタル信号補正回路23は、信号変換回路22から供給された物理量データを補正する。例えば、デジタル信号補正回路23は、個々のセンサ部1によって異なるオフセット値によって物理量データを補正する。センサ部1の感度が個体によって異なる場合、当該センサ部1の感度に応じたオフセット値が設定されている。補正された物理量データは、信号出力回路24に供給される。
信号出力回路24は、デジタル信号補正回路23から供給された物理量データの形式を変換して、出力データにする。信号出力回路24は、予め設定された形式(プロトコル)が設定されている。これにより、信号出力回路24は、物理量データを、圧力、加速度、角加速度といった値として出力できる。
フーリエ変換回路25は、信号出力回路24から物理量データが供給される。フーリエ変換回路25は、供給された物理量データに対してフーリエ変換を施す。これにより、フーリエ変換回路25は、物理量データに含まれる周波数成分及び当該周波数成分ごとの強度を表す周波数成分データを取得する。この周波数成分データはサーボ制御回路26に供給される。
サーボ制御回路26は、フーリエ変換回路25から周波数成分データが供給される。サーボ制御回路26は、周波数成分データに基づいて、センサ部1における可動部11を制御対象としてサーボ制御を行うサーボ制御手段として機能する。サーボ制御回路26は、計測された物理量の変化とは逆位相のサーボ電圧を、センサ部1内のサーボ電圧印加電極に印加する。このとき、サーボ制御回路26は、物理量の変化の周波数成分に可動部11の共振周波数付近の周波数が含まれた場合における可動部11の動きを抑制するようサーボ制御を行う。すなわち、サーボ制御回路26は、センサ部1における可動部11が当該可動部11の共振周波数に近い周波数で振動している状態において、当該振動を抑制するようサーボ制御を行う。
例えば図4(a)に示す2Hzの振動波形と図4(b)に示す6Hzの振動波形とを合成して図4(c)に示す振動波形の物理量データがフーリエ変換回路25に供給されたとする。この場合、フーリエ変換回路25は、図4(d)に示すように、2Hzと6Hzに出力値Psを含む周波数成分データを生成する。サーボ制御回路26は、予め設定された周波数成分が2Hzと6Hzであり、図4(d)に示す周波数成分データが供給されたことを検知した場合に、サーボ電圧印加電極に電圧を印加する。
サーボ制御回路26は、可動部11の振動を抑制するとき、可動部11が振動している周波数とは逆位相となる電圧を各サーボ電圧印加電極に印加する。これにより、サーボ制御回路26は、可動部11の振動を抑制する。なお、このサーボ制御を行うことを判定する周波数は、可動部11の共振周波数に近い周波数が予め設定されている。例えば図3に示したような出力ゲイン特性を有する場合、630Hzに近い所定周波数が設定される。サーボ制御回路26は、所定周波数以上となる成分が周波数成分データに含まれている場合に、可動部11の振動に対して逆位相のフィードバック制御を実施する。
このように可動部11の振動に対してサーボ制御を実施することによって可動部11の振動は抑制される。これにより、図5(a)に示すように、信号処理部2の出力は略0となる。一方で、サーボ制御を実施しない場合(フィルタ無し)には、可動部11が大きく振動することによって、図5(b)に示すように、信号処理部2の出力上限及び出力下限を超えたために断続的に一定値となっている。
したがって、可動部11の共振周波数に近い周波数で可動部11が振動すると、例えば図6(a)に示すように大きな振幅の加速度変位が生ずる。これに対し、物理量センサは、所定の検知時間に亘って共振周波数に近い所定周波数を含む周波数成分データがフーリエ変換回路25によって生成されたことを、サーボ制御回路26によって判定する。この場合、サーボ制御回路26は、図6(b)に示すように、検知時間後に、加速度変位とは逆位相のサーボ電圧Vfbをサーボ電圧印加電極に印加する。これによりサーボ制御回路26は、サーボ制御を実施する。このサーボ制御を実施すると、可動部11は、振動を抑制するような応力が印加される。これにより、加速度変位は、図6(c)に示すように、次第に減衰する。なお、図6(b)は加速度変位が負方向になるタイミングで、逆位相の正方向にサーボ電圧を印加した例を示している。
以上のように、本実施形態として示す物理量センサによれば、センサ部1により計測された物理量の変化の周波数成分に可動部11の共振周波数付近の周波数が含まれた場合における可動部11の動きを抑制する。このために、物理量センサは、計測された物理量の変化とは逆位相のサーボ電圧をサーボ電圧印加電極に印加する。これにより、この物理量センサによれば、計測できる周波数帯域を可動部11の共振周波数に近づけることができる。
より具体的には、物理量センサは、フーリエ変換回路25によって得た周波数成分データに可動部11の共振周波数付近の周波数が含まれていた時に、サーボ電圧印加電極にサーボ電圧を印加して、可動部11の動きを抑制する。これによって、計測できる周波数帯域を可動部11の共振周波数に近づいたことを検知して、可動部11の振動が大きくなることを抑制できる。また、この物理量センサによれば、可動部11が振動する周波数が共振周波数に近くなった時のみにサーボ制御を実施するので、常時サーボ制御を実施する必要なく消費電力を抑制できる。
また、上述した物理量センサにおいて、可動部11が振動している周波数に拘わらず、常にサーボ制御を実施してもよい。この物理量センサは、信号出力回路24から供給された物理量データによって可動部11が動いたことを検出すると、当該可動部11の動きを停止させる。このとき、物理量センサは、可動部11の動きに対して逆位相のサーボ電圧をサーボ電圧印加電極に印加する。これにより、物理量センサは、常に可動部11が振動しないようフィードバック制御する。
このようなフィードバック制御を実施しているときに、可動部11が共振周波数付近の周波数で振動すると、可動部11が振動する力が大きくなる。これに対し、サーボ制御回路26は、フィードバック制御によってサーボ電圧を大きくすると、当該サーボ電圧が所定の閾値よりも大きくなる。このサーボ電圧が所定の閾値を超えたことを検出すると、サーボ制御回路26は、可動部11の動きを抑制するような大きなサーボ電圧をサーボ電圧印加電極に印加する。この大きなサーボ電圧は、常時印加しているサーボ電圧よりも段階的に大きな値である。これによって、センサ部1は、センサ部1により計測された物理量の変化の周波数成分に可動部11の共振周波数付近の周波数が含まれた場合のように、可動部11が大きく振動する際に、当該可動部11の動きを抑制できる。
したがって、このような物理量センサは、計測できる周波数帯域を構造体の共振周波数に近づけることによって可動部11の振動が大きくなっても、可動部11の衝撃を抑制し、センサ部1の破壊や損傷等を抑制できる。
また、この物理量センサによれば、センサ部1の空洞内圧力を低く調整して、低周波数帯域から数百といった高周波数帯域に亘って可動部11を振動させて、物理量を計測することができる。例えばセンサ部1の空洞内圧力を0.1Torr付近に調整した場合、可動部11の共振周波数は630Hz付近である。この物理量センサは、数Hzといった低周波数帯域から数百Hzといった高周波数帯域まで計測範囲を広げる。物理量センサは、可動部11の振動周波数が共振周波数に近い所定の周波数以上となることを検知すると、大きなサーボ電圧をサーボ電圧印加電極に印加して、可動部11の振動を抑制できる。
また、物理量センサは、低周波数帯域から数百といった高周波数帯域まで計測範囲を広げ、可動部11の振動を抑制するよう常時サーボ制御をする。そして、可動部11の振動している周波数が共振周波数付近となって可動部11の振動が大きくなると、段階的に大きなサーボ電圧をサーボ電圧印加電極に印加して、可動部11の振動を停止させることができる。
以上より、本実施形態によれば、数Hzといった低周波数帯域から数百Hzといった高周波数帯域に亘って使用可能な物理量センサを実現できる。
つぎに、上述した物理量センサにおいてセンサ部1の具体的な構成例について説明する。
図7に示すセンサ部1は、圧電素子を有する圧電薄膜型のものである。この圧電薄膜型の物理量センサは、圧力、加速度又は角加速度の変化に応じて可動部11が変位するものである。
このセンサ部1は、可動部11、アンカー部12、及び、バネ部13によってダイヤフラム型センサを構成している。可動部11に対して圧力、加速度、角加速度が印加されると、可動部11と接続したバネ部13が変形する。アンカー部12、及び、バネ部13を含む構造体上には、圧電薄膜18(18a、18b、18c)が形成されている。
圧電薄膜18aは、リファレンス用の圧電薄膜である。この圧電薄膜18aは、貫通配線ガラス14を貫通した導体16aを介して端子15aに導通している。圧電薄膜18b、18cは、物理量計測用の圧電薄膜である。圧電薄膜18bは、バネ部13上に円周状に形成されている。圧電薄膜18cは、圧電薄膜18bと接続され、バネ部13からアンカー部12に亘って形成されている。圧電薄膜18cは、端部が導体16cを介して端子15cに導通している。この構成により、可動部11の振動に応じたバネ部13の変位を圧電薄膜18cから検出した電圧によって検知可能である。
貫通配線ガラス14の可動部11側にはサーボ電圧印加電極17が配設されている。このサーボ電圧印加電極17は、可動部11の表面全体に対向するような形状となっている。サーボ電圧印加電極17は、貫通配線ガラス14を貫通した導体16bを介して端子15bに導通している。サーボ電圧印加電極17は、信号処理部2によって印加されたサーボ電圧に応じて可動部11の振動を抑制するような応力を可動部11に与える。
信号処理部2は、リファレンス用端子Vref、フィードバック用端子Vfb、計測用端子Vsens、接地端子GNDを備えている。センサ部1の端子15aはリファレンス用端子Vrefに接続されている。センサ部1の端子15cは計測用端子Vsensに接続されている。センサ部1の端子15bはフィードバック用端子Vfbに接続されている。貫通配線ガラス14上の端子15dは接地端子GNDに接続されている。
これにより、信号処理部2は、リファレンス用端子Vrefと接地端子GNDとの間のリファレンス電圧を検出する。信号処理部2は、計測用端子Vsensと接地端子GNDとの間の計測電圧を検出する。これにより信号処理部2は、圧電薄膜18cにより検出された電圧の変化を検出する。信号処理部2は、センサ部1が計測している物理量を取得し、上述した処理によって物理量データを出力できる。また、信号処理部2は、フィードバック用端子Vfbと接地端子GNDとの間に電圧を印加することによって、サーボ電圧印加電極17にサーボ電圧を印加できる。これにより、信号処理部2は、可動部11の振動を抑制するようなフィードバック制御を行うことができる。
なお、この圧電薄膜型のセンサ部1は、圧電薄膜18から検出された電圧の変化のみならず、ピエゾ素子の抵抗の変化又は静電容量の変化の何れかと組み合わせたものであってもよい。また、この圧電薄膜型のセンサ部1は、圧電薄膜18から検出した電圧の変化に加え、ピエゾ素子の抵抗の変化、静電容量の変化の双方の組み合わせによって物理量を検出するものであってもよい。
図8に示す物理量センサは、ピエゾ抵抗素子を有するピエゾ抵抗型のものである。このピエゾ抵抗型の物理量センサは、圧力、加速度又は角加速度の変化に応じて可動部11が変位するものである。
この物理量センサは、可動部11の片方をバネ部13によって支持した片持ち梁型のものである。可動部11は、可動部11の上下方向に揺動可能となっている。これにより、可動部11は、圧力、加速度、角加速度に応じて変位する。アンカー部12及びバネ部13上には、ピエゾ抵抗素子19(19a、19b)が形成されている。
ピエゾ抵抗素子19aは、リファレンス用である。このピエゾ抵抗素子19aは、導体16aを介して端子15aに導通している。ピエゾ抵抗素子19bは、可動部11の振動に応じた物理量計測用のピエゾ抵抗である。ピエゾ抵抗素子19bは、バネ部13上の一部のみに形成されている。ピエゾ抵抗素子19bは、端部が導体16cを介して端子15cに導通している。この構成により、可動部11の振動に応じたバネ部13の変位をピエゾ抵抗素子19bの抵抗変化によって検知可能である。また、貫通配線ガラス14上には、計測用の端子15d、リファレンス用の端子15eが設けられている。
サーボ電圧印加電極17は、図7のセンサ部1と同様に、貫通配線ガラス14の可動部11側に配設されている。
信号処理部2は、リファレンス用端子Vref−、フィードバック用端子Vfb、計測用端子Vsens−、計測用端子Vsens+、リファレンス用端子Vref+を備えている。センサ部1の端子15aはリファレンス用端子Vref−に接続されている。センサ部1の端子15eはリファレンス用端子Vref+に接続されている。信号処理部2は、リファレンス用端子Vref+とリファレンス用端子Vref−との間の電圧を検知できる。この電圧はリファレンス電圧となる。センサ部1の端子15cは計測用端子Vsens−に接続されている。センサ部1の端子15dは計測用端子Vsens+に接続されている。信号処理部2は、計測用端子Vsens+と計測用端子Vsens−との間の電圧を検知できる。この電圧はセンサ部1により検知されるピエゾ抵抗素子19bの抵抗値に応じた値となる。したがって、この電圧は物理量に応じた値となる。信号処理部2は、リファレンス電圧と物理量に応じた電圧とから、物理量データを生成できる。
信号処理部2は、フィードバック用端子Vfbと接地端子(Vsens+又はVref+)との間に電圧を印加することによって、サーボ電圧印加電極17にサーボ電圧を印加できる。これにより、信号処理部2は、可動部11の振動を抑制するようなフィードバック制御を行うことができる。
このように、信号処理部2は、ピエゾ抵抗素子19bの抵抗値変化に応じた物理量の変化を検出して物理量データを出力できる。また、信号処理部2は、サーボ電圧印加電極17にサーボ電圧を印加して可動部11の振動を抑制するようなフィードバック制御を行うことができる。
なお、このピエゾ抵抗型のセンサ部1は、ピエゾ抵抗素子19における抵抗の変化のみならず、圧電薄膜から検出された電圧の変化又は静電容量の変化の何れかと組み合わせたものであってもよい。また、このピエゾ抵抗型のセンサ部1は、ピエゾ抵抗素子19における抵抗の変化に加え、圧電薄膜から検出された電圧の変化、静電容量の変化の双方の組み合わせによって物理量を検出するものであってもよい。
図9に示す物理量センサは、静電容量を検出する静電容量型(トーション型)のものである。この静電容量型の物理量センサは、圧力、加速度又は角加速度の変化に応じて可動部11が変位するものである。
この物理量センサは、可動部11の中央をビーム部13’によって支持したものである。図中のA−A’を軸としてビーム部13’が捻れ、可動部11が図中のB−B’方向に揺動可能となっている。これにより、可動部11は、圧力、加速度、角加速度に応じ、貫通配線ガラス14に対して傾く。
貫通配線ガラス14の可動部11側には、B−B’方向にビーム部13’を挟んで2つの測定電極20a、20bが形成されている。可動部11がB−B’方向に傾くことによって、測定電極20aと可動部11との間の静電容量及び測定電極20bと可動部11との間の静電容量が変化する。測定電極20a、20bは、貫通配線ガラス14を貫通する導体16d、16eを介して端子15d、15eと接続されている。
サーボ電圧印加電極17(17a、17b、17c)は可動部11の下部に配置された回路基板30上に形成されている。サーボ電圧印加電極17a、17bは、可動部11を介して測定電極20a、20bに対向して配置されている。サーボ電圧印加電極17a、17bは、フィードバック制御時に、サーボ電圧が印加される。サーボ電圧印加電極17cは、端子15a、15cと電極17a、17bを接続する配線である。これらのサーボ電圧印加電極17は、回路基板30、貫通配線ガラス14を介して端子15a、15cと接続されている。
信号処理部2は、計測用端子C1、C2、比較用端子Ccom、フィードバック用端子Vfb1、fb2を備えている。センサ部1の端子15d、15eは計測用端子C1、C2と接続されている。比較用端子Ccomは端子15bと接続されている。フィードバック用端子Vfb1、Vfb2は端子15c、15aと接続されている。
信号処理部2は、端子15dと計測用端子C1間に印加されている電圧によって測定電極20aと可動部11との間の静電容量を計測する。信号処理部2は、端子15eと計測用端子C2間に印加されている電圧によって測定電極20bと可動部11との間の静電容量を計測する。信号処理部2は、端子15bと比較用端子Ccomとの間の比較用静電容量を計測する。信号処理部2は、それぞれの計測した静電容量と、比較用静電容量とに基づいて、可動部11の傾きに応じた物理量データを取得する。
信号処理部2は、サーボ制御時に、フィードバック用端子Vfb1、Vfb2を介して端子15a、15cに電圧印加を実施する。これにより、信号処理部2は、サーボ電圧印加電極17(17a、17b、17c)にサーボ電圧を印加する。サーボ電圧が印加されたサーボ電圧印加電極17a、17bは、可動部11の揺動を抑制するような応力を可動部11に与える。これによって、信号処理部2は、可動部11の振動を抑制するフィードバック制御を行うことができる。
このように、信号処理部2は、静電容量の変化に応じた物理量の変化を検出して物理量データを出力できる。また、信号処理部2は、サーボ電圧印加電極17にサーボ電圧を印加して可動部11の振動を抑制するようなフィードバック制御を行うことができる。
なお、この静電容量型のセンサ部1は、静電容量の変化のみならず、圧電薄膜から検出された電圧の変化又はピエゾ抵抗における抵抗の変化の何れかと組み合わせたものであってもよい。また、この静電容量型のセンサ部1は、静電容量の変化に加え、圧電薄膜から検出された電圧の変化、ピエゾ抵抗における抵抗の変化の双方の組み合わせによって物理量を検出するものであってもよい。
上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1 センサ部(計測手段)
2 信号処理部(信号処理手段、サーボ制御手段)
11 可動部(構造体)
12 アンカー部(構造体)
13 バネ部(構造体)
13’ ビーム部(構造体)
17(17a、17b、17c) サーボ電圧印加電極(サーボ制御手段)
18(18a、18b、18c) 圧電薄膜
19(19a、19b) ピエゾ抵抗素子
20a、20b 測定電極
22 信号変換回路(信号処理手段)
23 デジタル信号補正回路(信号処理手段)
25 フーリエ変換回路(変換手段)
26 サーボ制御回路(サーボ制御手段)
2 信号処理部(信号処理手段、サーボ制御手段)
11 可動部(構造体)
12 アンカー部(構造体)
13 バネ部(構造体)
13’ ビーム部(構造体)
17(17a、17b、17c) サーボ電圧印加電極(サーボ制御手段)
18(18a、18b、18c) 圧電薄膜
19(19a、19b) ピエゾ抵抗素子
20a、20b 測定電極
22 信号変換回路(信号処理手段)
23 デジタル信号補正回路(信号処理手段)
25 フーリエ変換回路(変換手段)
26 サーボ制御回路(サーボ制御手段)
Claims (9)
- 構造体の変位に基づく物理量を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された物理量に所定の信号処理を施して、当該物理量の時間変化を表す物理量データを生成する信号処理手段と、
前記信号処理手段により生成された物理量データの周波数成分に前記構造体の共振周波数付近の周波数が含まれた場合における前記構造体の動きを抑制するように、前記計測された物理量の変化とは逆位相のサーボ電圧をサーボ電圧印加電極に印加するサーボ制御手段と
を備えることを特徴とする物理量センサ。 - 前記信号処理手段により生成された物理量データを周波数成分データに変換する変換手段を備え、
前記サーボ制御手段は、前記変換手段により変換された周波数成分データに前記構造体の共振周波数に近い所定の周波数が含まれていた時に、前記サーボ電圧印加電極に前記サーボ電圧を印加して、前記構造体の動きを抑制すること
を特徴とする請求項1に記載された物理量センサ。 - 前記サーボ制御手段は、前記信号処理手段により生成された物理量データが表す物理量の時間変化に対し、当該変化とは逆位相のサーボ電圧を前記サーボ電圧印加電極に印加しているときに、当該サーボ電圧が所定の閾値よりも大きくなった場合に、前記構造体の動きを抑制するような大きなサーボ電圧を前記サーボ電圧印加電極に印加すること
を特徴とする請求項1に記載された物理量センサ。 - 前記計測手段は、圧力の変化に応じて前記構造体が変位するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の物理量センサ。
- 前記計測手段は、圧電素子から検出された電圧の変化、ピエゾ素子の抵抗の変化、又は、静電容量の変化の何れか又はその組み合わせによって圧力を検出することを特徴とする請求項4に記載の物理量センサ。
- 前記計測手段は、加速度の変化に応じて前記構造体が変位するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の物理量センサ。
- 前記計測手段は、圧電素子から検出された電圧の変化、ピエゾ素子の抵抗の変化、又は、静電容量の変化の何れか又はその組み合わせによって加速度を検出することを特徴とする請求項6に記載の物理量センサ。
- 前記計測手段は、角加速度の変化に応じて前記構造体が変位するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の物理量センサ。
- 前記計測手段は、圧電素子から検出された電圧の変化、ピエゾ素子の抵抗の変化、又は、静電容量の変化の何れか又はその組み合わせによって角加速度を検出することを特徴とする請求項8に記載の物理量センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013021953A JP2014153136A (ja) | 2013-02-07 | 2013-02-07 | 物理量センサ |
Applications Claiming Priority (1)
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Family
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JP2013021953A Pending JP2014153136A (ja) | 2013-02-07 | 2013-02-07 | 物理量センサ |
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JP (1) | JP2014153136A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017009562A (ja) * | 2015-06-26 | 2017-01-12 | 国立大学法人 東京大学 | 圧力センサ |
JP2017009563A (ja) * | 2015-06-26 | 2017-01-12 | 国立大学法人 東京大学 | 圧力センサ |
WO2017068711A1 (ja) * | 2015-10-23 | 2017-04-27 | 株式会社日立製作所 | Mems装置 |
-
2013
- 2013-02-07 JP JP2013021953A patent/JP2014153136A/ja active Pending
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WO2017068711A1 (ja) * | 2015-10-23 | 2017-04-27 | 株式会社日立製作所 | Mems装置 |
JPWO2017068711A1 (ja) * | 2015-10-23 | 2018-04-19 | 株式会社日立製作所 | Mems装置 |
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