JP2014152791A - 油量調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン側に圧力導入通路が不要な油量調整装置を提供する。
【解決手段】油量調整装置1は、バルブ部Aとソレノイド部Bとを備える。バルブ部Aは、流入孔20と流出孔21とリーク孔22とを有するハウジング2と、流出孔21とリーク孔22とを仕切り流出孔21側にバルブ収容室Rを区画し隔壁側連通孔30を有する隔壁3と、バルブ収容室Rを導入室Raと圧力室Rbとに仕切ると共にバルブ側連通孔400を有するバルブ4と、バルブ4を付勢するバルブ付勢部材50と、を有する。ソレノイド部Bは、リーク経路L2を開閉可能なシャフト612を有する。シャフト612がリーク経路L2を閉じると、バルブ4が流出孔21を閉じる閉弁状態に切り替わる。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、ピストンジェットや、クランクシャフトとの軸受との間に介在する摺動部などに供給されるオイルの流量の調整に用いられる油量調整装置に関する。
特許文献1には、ピストンジェット用の油量調整装置が開示されている。同文献のFig.1に開示されているように、油量調整装置は、バルブ部と、ソレノイド部と、を備えている。
エンジンには、オイル経路が形成されている。オイル経路には、ピストンジェット用通路と、圧力導入通路と、が形成されている。バルブ部は、ピストンジェット用通路を開閉可能なバルブを備えている。すなわち、バルブが裏側に移動すると、ピストンジェット用通路を開くことができる。反対に、バルブが表側に移動すると、ピストンジェット用通路を閉じることができる。
バルブの表面には、ピストンジェット用通路からオイルの圧力(供給圧)が加わる。バルブの裏面には、圧力導入通路を介して、ピストンジェット用通路からオイルの圧力(制御圧)が導入される。圧力導入通路は、ソレノイド部のシャフトにより、開閉されている。
シャフトが圧力導入通路を開くと、バルブに対して、表側から供給圧が、裏側から制御圧が、各々加わる。しかしながら、供給圧と、制御圧と、は釣り合っている。このため、供給圧と制御圧とは互いに相殺される。ここで、バルブ部には、バルブを表側(閉弁側)に付勢するスプリングが配置されている。したがって、バルブは、当該スプリングの付勢力により、ピストンジェット用通路を閉じる。よって、ピストンジェットにオイルが供給されない。
一方、シャフトが圧力導入通路を閉じると、バルブに対して、表側から供給圧が加わる。しかしながら、バルブに対して、裏側から制御圧が加わらない。このため、バルブは、スプリングの付勢力と、供給圧による荷重と、の大小関係により、移動する。供給圧による荷重の方が、スプリングの付勢力よりも大きい場合、ピストンジェット用通路が開く。このため、ピストンジェットにオイルが供給される。
国際公開第2010/029085号パンフレット
しかしながら、同文献記載の油量調整装置によると、バルブの裏側に制御圧を導入するために、エンジンのオイル経路に、圧力導入通路を配置する必要がある。すなわち、本来、オイル供給とは無関係の圧力導入通路を、敢えてエンジンに配置する必要がある。このため、エンジンの構造が複雑化してしまう。
そこで、本発明は、エンジンのオイル経路に圧力導入通路を配置する必要がない油量調整装置を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の油量調整装置は、軸方向一端に開設される流入孔と、側壁に開設される流出孔と、該軸方向他端に開設されるリーク孔と、を有する筒状のハウジングと、該ハウジングの内部において該流出孔と該リーク孔とを仕切り、該流出孔側にバルブ収容室を区画し、自身を軸方向に貫通する隔壁側連通孔を有する隔壁と、該バルブ収容室に配置され、該軸方向に往復動可能であって、該バルブ収容室を、該流入孔側の導入室と、該隔壁側の圧力室と、に仕切ると共に、自身を軸方向に貫通するバルブ側連通孔を有するバルブと、該バルブ収容室に配置され、該バルブを該軸方向一端側に付勢するバルブ付勢部材と、を有するバルブ部と、往復動可能なシャフトを有するソレノイドを有するソレノイド部と、を備え、該流入孔、該導入室、該バルブ側連通孔、該圧力室、該隔壁側連通孔、該リーク孔を有するオイルの経路をリーク経路として、該シャフトは、該圧力室の下流側において、該リーク経路の延在方向に対して交差する方向から、該リーク経路を開閉可能であり、該シャフトが該リーク経路を閉じると、該バルブが該流出孔を閉じる閉弁状態に切り替わることを特徴とする。
本発明の油量調整装置は、バルブ部とソレノイド部とを備えている。バルブ部は、バルブを備えている。バルブは、バルブ収容室を、導入室と圧力室とに、容量可変的に仕切っている。ここで、バルブには、バルブ側連通孔が配置されている。このため、バルブ側連通孔を介して、導入室から圧力室に、オイルを供給することができる。
シャフトが、圧力室の下流側においてリーク経路を閉じると、圧力室の下流端が封止される。一方、圧力室には、バルブ側連通孔を介して、オイルが供給される。このため、圧力室の内圧と、導入室の内圧と、が等しくなる。したがって、バルブ付勢部材の付勢力により、バルブが軸方向一端側(閉弁位置側)に移動し、流出孔を閉じる。よって、閉弁状態になる。
これに対して、シャフトが、圧力室の下流側においてリーク経路を開くと、圧力室のオイルは、リーク経路を介して、ハウジングの外部に漏出する。このため、圧力室の内圧が小さくなる。したがって、バルブが軸方向他端側(開弁位置側)に移動して流出孔を開きやすくなる。よって、開弁状態に切り替わりやすくなる。
このように、本発明の油量調整装置によると、バルブにバルブ側連通孔が配置されている。このため、エンジンのオイル経路に圧力導入通路を配置する必要がない。したがって、エンジンの構造が複雑化しない。
(1−1)好ましくは、上記(1)の構成において、前記バルブは、前記導入室に連通する開弁側切替孔を有し、該バルブが前記流出孔を開く開弁状態において、該開弁側切替孔は前記流出孔に連通する構成とする方がよい。
本構成によると、開弁状態において、開弁側切替孔を介して、流入孔と流出孔との連通を確保することができる。このため、バルブの外面に、オイルの流れによる荷重が加わりにくい。したがって、本構成によると、開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすい。よって、開弁状態から閉弁状態に切り替わる際の圧力と、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際の圧力と、のばらつきを小さくすることができる。すなわち、開閉時のヒステリシスを小さくすることができる。
(1−2)好ましくは、上記(1−1)の構成において、前記バルブの外周面および前記ハウジングの内周面のうち、少なくとも一方は、前記開弁状態において前記流出孔に連通する環状の連通溝を有し、前記開弁側切替孔は、前記導入室と、該連通溝と、を連通し、該開弁状態においては、前記流入孔、前記導入室、該開弁側切替孔、該連通溝、該流出孔を有する開弁時オイル供給経路が形成される構成とする方がよい。
連通溝は、バルブの外周面およびハウジングの内周面のうち、少なくとも一方に、環状に配置されている。このため、本構成によると、開弁状態においてバルブが回転する場合であっても、開弁側切替孔と流出孔との連通を確保することができる。
(1−3)好ましくは、上記(1)の構成において、前記バルブの外周面および前記ハウジングの内周面のうち、少なくとも一方は、前記閉弁状態において前記流出孔に連通する環状の圧力導入溝を有する方がよい。
本構成によると、閉弁状態において、流出孔を介して、圧力導入溝に、大気圧、または導入室の内圧よりも低い圧力(以下、「大気圧等」と略称する。)が導入される。このため、バルブには、全周的に大気圧等が加わる。したがって、バルブに局所的に大気圧等が加わる場合と比較して、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際のバルブの摺動抵抗を小さくすることができる。よって、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすくなる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記シャフトは、前記リーク孔の径方向に延在しており、該シャフトは該リーク孔を、該径方向から開閉する構成とする方がよい。
本構成によると、シャフトがリーク孔を軸方向から開閉する場合と比較して、開閉時のリーク孔の通路断面積(リーク孔の径方向の断面積)の変化速度を、小さくすることができる。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)に構成において、前記ソレノイドの磁力が消えると、前記シャフトが前記リーク経路を開く構成とする方がよい。本構成によると、ソレノイドの磁力が消えた場合(例えば、電源オフ、故障などの場合)、開弁圧を小さく設定することができる。このため、流入孔と流出孔との連通を確保することができる。
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記ソレノイドは、前記シャフトを、前記リーク経路から離間する方向に付勢するシャフト付勢部材を有する構成とする方がよい。本構成によると、ソレノイドの磁力が消えた場合、シャフト付勢部材の付勢力により、開弁圧を小さく設定することができる。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記ハウジングは、オイルフィルタの下流側に分岐して配置されるクランクシャフト用幹通路およびピストンジェット用幹通路と、該ピストンジェット用幹通路に分岐接続され、ピストンジェットに前記オイルを供給する複数のピストンジェット用枝通路と、を有するオイル経路の、該ピストンジェット用幹通路に配置され、エンジン始動直後であって該エンジンの暖機が未完了の冷間時においては、前記シャフトが前記リーク経路を閉じ、該エンジンの暖機完了後の温間時においては、該シャフトが該リーク経路を開くように制御する方がよい。
本構成の油量調整装置は、ピストンジェット用幹通路に配置されている。このため、複数のピストンジェットに供給されるオイルの流量を、総括的に調整することができる。また、本構成によると、冷間時においては、シャフトがリーク経路を閉じる。このため、閉弁状態になる。閉弁状態においては、流入孔と流出孔との連通を遮断することができる。すなわち、全てのピストンジェットに供給されるオイルの流量を0にすることができる。よって、低温のピストンの過冷却を防止することができる。
一方、温間時においては、シャフトがリーク経路を開く。このため、開弁状態に切り替わりやすくなる。開弁状態においては、流入孔と流出孔との連通を確保することができる。すなわち、全てのピストンジェットにオイルを供給することができる。よって、高温のピストンを冷却することができる。
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記バルブは、前記導入室に連通する閉弁側切替孔を有し、前記閉弁状態において、該閉弁側切替孔は前記流出孔に連通する構成とする方がよい。本構成によると、閉弁状態において、閉弁側切替孔を介して、流入孔と流出孔との連通を確保することができる。
本発明によると、エンジンのオイル経路に圧力導入通路を配置する必要がない油量調整装置を提供することができる。
第一実施形態の油量調整装置の配置図である。 図1のII−II方向断面図である。 同油量調整装置の斜視断面図である。 同油量調整装置の分解斜視断面図である。 同油量調整装置の閉弁状態の左右方向断面図である。 同油量調整装置の開弁状態の左右方向断面図である。 図5の枠VII内の拡大図である。 第二実施形態の油量調整装置の閉弁状態の左右方向断面図である。 第三実施形態の油量調整装置の開弁状態の左右方向断面図である。
以下、本発明の油量調整装置の実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[油量調整装置の配置]
まず、本実施形態の油量調整装置の配置について説明する。図1に、本実施形態の油量調整装置の配置図を示す。図2に、図1のII−II方向断面図を示す。図1、図2に示すように、エンジン9は、シリンダブロック90と、複数のピストン91と、複数のコンロッド92と、クランクシャフト93と、複数のピストンジェット94と、複数のカムシャフト95と、タイミングチェーン97と、チェーンジェット98と、チェーンカバー99と、複数のメイン軸受84と、複数のクランク軸受85と、を備えている。
クランクシャフト93は、複数のメインジャーナル930と、複数のクランクピン931と、複数のクランクアーム932と、クランクシャフトタイミングギア933と、を備えている。複数のメインジャーナル930に対して、複数のクランクピン931は、複数のクランクアーム932を介して、偏心して接続されている。クランクシャフトタイミングギア933は、クランクシャフト93の軸方向端部に配置されている。
メイン軸受84は、メインジャーナル930に回転可能に環装されている。メイン軸受84の内周面とメインジャーナル930の外周面との間には、メイン摺動部S1が設定されている。メイン軸受84は、シリンダブロック90の支持部900と、キャップ901と、の間に取り付けられている。すなわち、複数のメイン軸受84は、シリンダブロック90に対して、クランクシャフト93を、回転可能に支持している。
クランク軸受85は、クランクピン931に回転可能に環装されている。クランク軸受85の内周面とクランクピン931の外周面との間には、ピン摺動部S2が設定されている。
コンロッド92は、クランク軸受85を介して、クランクピン931に回転可能に環装されている。ピストン91は、コンロッド92に取り付けられている。ピストンジェット94は、ピストン91の裏面に、オイルOを噴射可能である。
図2に示すように、カムシャフト95は二つ並置されている。カムシャフト95は、カムシャフトタイミングギア953を備えている。カムシャフトタイミングギア953は、カムシャフト95の軸方向端部に配置されている。
タイミングチェーン97は、一対のカムシャフトタイミングギア953と、クランクシャフトタイミングギア933と、の間に、一対のテンションレバー970の押圧力により、張設されている。チェーンジェット98は、タイミングチェーン97に、オイルOを供給可能である。
チェーンカバー99は、鋼製であって、シリンダブロック90の前面に伏設されている。チェーンカバー99の内部には、タイミングチェーン97、一対のカムシャフトタイミングギア953、クランクシャフトタイミングギア933、一対のテンションレバー970、後述する油量調整装置1が、収容されている。また、チェーンカバー99の壁部には、後述するオイル経路8のクランクシャフト側通路81の一部が、一体的に形成されている。
オイル経路8は、吐出通路80と、クランクシャフト側通路81と、を備えている。吐出通路80には、オイルパン800と、オイルポンプ801と、リリーフバルブ802と、オイルフィルタ803と、が配置されている。オイルOは、オイルパン800に貯留されている。
オイルポンプ801から吐出されるオイルOの流量は、リリーフバルブ802により、統合的に調整されている。すなわち、リリーフバルブ802の開弁圧を小さく設定すると、リリーフバルブ802が開きやすくなる。このため、オイルポンプ801からオイルフィルタ803側に流れるオイルOの流量を小さくすることができる。一方、リリーフバルブ802の開弁圧を大きく設定すると、リリーフバルブ802が開きにくくなる。このため、オイルポンプ801からオイルフィルタ803側に流れるオイルOの流量を大きくすることができる。
クランクシャフト側通路81は、メインオイルホール810と、複数のクランクシャフト用枝通路811と、複数のメイン軸受内部通路812と、複数のクランクシャフト内部通路813と、サブオイルホール819と、複数のピストンジェット用枝通路818と、を備えている。メインオイルホール810は、本発明の「クランクシャフト用幹通路」の概念に含まれる。サブオイルホール819は、本発明の「ピストンジェット用幹通路」の概念に含まれる。
メインオイルホール810とサブオイルホール819とは、オイルフィルタ803の下流側に分岐接続されている。図2に示すように、メインオイルホール810とサブオイルホール819との分岐部分は、チェーンカバー99の壁部に一体的に形成されている。
クランクシャフト用枝通路811は、支持部900の内部に形成されている。クランクシャフト用枝通路811は、メインオイルホール810に分岐接続されている。メイン軸受内部通路812は、メイン軸受84の内部に形成されている。メイン軸受内部通路812は、クランクシャフト用枝通路811に接続されている。メイン軸受内部通路812は、メイン摺動部S1に接続されている。
複数のクランクシャフト内部通路813は、クランクシャフト93の内部に形成されている。クランクシャフト内部通路813は、メイン摺動部S1とピン摺動部S2とを連結している。
ピストンジェット用枝通路818は、サブオイルホール819に分岐接続されている。ピストンジェット94は、ピストンジェット用枝通路818に接続されている。
このように、オイル経路8のオイルフィルタ803の下流側には、摺動部(メイン摺動部S1およびピン摺動部S2)にオイルOを供給するメインオイルホール810と、ピストンジェット94にオイルOを供給するサブオイルホール819と、が並列に接続されている。
本実施形態の油量調整装置1は、サブオイルホール819に配置されている。言い換えると、本実施形態の油量調整装置1は、複数のピストンジェット用枝通路818の上流側に配置されている。
[油量調整装置の構成]
次に、本実施形態の油量調整装置の構成について説明する。以下の図において、左右方向は、本発明の「ハウジングの軸方向」に対応している。また、右側は、「ハウジングの軸方向一端側」に対応している。また、左側は、「ハウジングの軸方向他端側」に対応している。
図3に、本実施形態の油量調整装置の斜視断面図を示す。図4に、同油量調整装置の分解斜視断面図を示す。図5に、同油量調整装置の閉弁状態の左右方向断面図(図2のV−V方向断面図)を示す。図6に、同油量調整装置の開弁状態の左右方向断面図を示す。図7に、図5の枠VII内の拡大図を示す。図3〜図7に示すように、油量調整装置1は、バルブ部Aとソレノイド部Bとを備えている。
{バルブ部A}
バルブ部Aは、チェーンカバー99のサブオイルホール819の取付孔819aに、左側から挿入されている。バルブ部Aは、ハウジング2と、隔壁3と、バルブ4と、スプリング50と、を備えている。スプリング50は、本発明の「バルブ付勢部材」の概念に含まれる。
(ハウジング2)
ハウジング2は、ハウジング本体2aと、プラグ2bと、を備えている。ハウジング本体2aは、鋼製であって、左右方向に延在する段付き円筒状を呈している。ハウジング本体2aは、流入孔20と、二つの流出孔21と、段差23、24と、シャフト挿通孔25と、バルブ収容室Rと、を備えている。
流入孔20は、ハウジング本体2aの右端に開設されている。流入孔20は、サブオイルホール819(上流側)に連通している。流出孔21は、ハウジング本体2aの側壁に開設されている。流出孔21は、サブオイルホール819(下流側)に連通している。流出孔21は、ハウジング本体2aの周方向に延在する長孔状を呈している。二つの流出孔21は、ハウジング本体2aの周方向に180°離間して配置されている。
段差23は、ハウジング本体2aの内周面に配置されている。段差23は、左側から右側に向かって縮径するスロープ状(テーパ状)を呈している。段差23は、後述するバルブ4のストロークの右端(つまり閉弁位置)を決定している。段差24は、ハウジング本体2aの内周面に配置されている。段差24は、ハウジング本体2aの左端開口に近接して配置されている。段差24は、左側から右側に向かって縮径するステップ状を呈している。バルブ収容室Rは、後述する隔壁3により、ハウジング本体2aの内部に区画されている。シャフト挿通孔25は、ハウジング本体2aの側壁に開設されている。シャフト挿通孔25は、段差24よりも、左側に配置されている。
プラグ2bは、鋼製であって、左右方向に延在する短軸円柱状を呈している。プラグ2bは、ハウジング本体2aの左端開口を封止している。プラグ2bは、リーク孔22と、シャフト挿通孔26と、を備えている。リーク孔22は、プラグ2bを左右方向に貫通している。
シャフト挿通孔26は、前後方向(リーク孔22の径方向)に延在している。シャフト挿通孔26の径方向内端は、リーク孔22に接続されている。シャフト挿通孔26の径方向外端は、ハウジング本体2aのシャフト挿通孔25に接続されている。
(隔壁3)
隔壁3は、鋼製であって、円板状を呈している。隔壁3は、段差24に配置されている。隔壁3は、プラグ2bの右側(軸方向内側)に配置されている。ハウジング本体2aの流入孔20と、隔壁3と、の間には、バルブ収容室Rが区画されている。隔壁3は、隔壁側連通孔30と環状リブ31とを備えている。隔壁側連通孔30は、隔壁3を左右方向に貫通している。隔壁側連通孔30は、リーク孔22に接続されている。環状リブ31は、隔壁3の右面に配置されている。環状リブ31は、隔壁側連通孔30の径方向外側に配置されている。環状リブ31は、後述するバルブ4のストロークの左端(つまり開弁位置)を決定している。
(バルブ4)
バルブ4は、鋼製であって、左側に開口する有底円筒状(カップ状)を呈している。バルブ4は、バルブ収容室Rに配置されている。バルブ4は、バルブ収容室Rを左右方向に往復動可能である。バルブ4は、底壁40と、側壁41と、を備えている。
底壁40は、円板状であって、バルブ側連通孔400とバルブ側テーパ部401とを備えている。底壁40は、バルブ収容室Rを、表側(流入孔20側)の導入室Raと、裏側(隔壁3側)の圧力室Rbと、に可動的に仕切っている。バルブ側連通孔400は、底壁40を左右方向に貫通している。バルブ側連通孔400は、導入室Raと圧力室Rbとを連通している。バルブ側テーパ部401は、バルブ4の右端の外周面に配置されている。バルブ側テーパ部401は、左側から右側に向かって縮径している。図5に示すように、閉弁状態において、バルブ側テーパ部401は、段差23に、全周的に面接触している。
側壁41は、円筒状であって、圧力導入溝410aを備えている。圧力導入溝410aは、側壁41の外周面に、全周的に凹設されている。閉弁状態において、圧力導入溝410aは、流出孔21に連通している。
(スプリング50)
スプリング50(図3においては透過して示す)は、コイルスプリングである。スプリング50は、圧力室Rbに収容されている。スプリング50は、隔壁3の右面と、底壁40の左面と、の間に介装されている。スプリング50は、バルブ4を、右側(閉弁側)に付勢している。
{ソレノイド部B}
ソレノイド部Bは、ブラケット60とソレノイド61とを備えている。ソレノイド61は、ブラケット60を介して、チェーンカバー99の前面に取り付けられている。ソレノイド61は、コイル610と、ボビン611と、シャフト612と、スプリング613と、アーマチュア614と、コア615と、ケース616と、プレート617と、を備えている。スプリング613は、本発明の「シャフト付勢部材」の概念に含まれる。
ケース616は、強磁性体製であって、円筒状を呈してる。ケース616は、ブラケット60の前面に伏設されている。プレート617は、強磁性体製であって、円板状を呈してる。プレート617は、ケース616の前端開口を封止している。ボビン611は、絶縁材料製であって、前後両端にフランジを有する円筒状を呈している。コイル610は、絶縁銅線製であって、ボビン611の外周面に巻装されている。コア615は、強磁性体製であって、後端にフランジを有する円筒状を呈している。コア615のフランジは、ケース616の後端開口を封止している。コア615の前端は、ボビン611の内部に収容されている。
アーマチュア614は、強磁性体製であって円筒状を呈している。アーマチュア614は、ボビン611の内部に収容されている。アーマチュア614とコア615とは、ボビン611の内部において、前後方向に対向している。シャフト612は、前後方向に延在する丸棒状を呈している。シャフト612の前端は、アーマチュア614の内部に圧入、固定されている。シャフト612は、コア615の径方向内側を貫通している。シャフト612は、ブラケット60のシャフト挿通孔600、サブオイルホール819のシャフト挿通孔819cを介して、プラグ2bのシャフト挿通孔26に挿入されている。シャフト612の後端(先端)は、リーク孔22に対して、径方向から出没可能である。シャフト612は、リーク孔22を、径方向から開閉する。
スプリング613(図3においては透過して示す)は、いわゆるコイルスプリングである。スプリング613は、アーマチュア614の後面と、コア615の前面と、の間に介装されている。スプリング613は、シャフト612を前側(リーク孔22から離間する方向)に付勢している。
[油量調整装置の動き]
次に、本実施形態の油量調整装置の動きについて説明する。図5、図6に示すように、バルブ4の底壁40には、右側から、サブオイルホール819のオイルOの圧力による荷重FR1が加わる。反対に、底壁40には、左側から、圧力室Rbの内圧(オイルOの圧力)による荷重FL1が加わる。並びに、底壁40には、左側から、スプリング50の付勢力(押圧力)による荷重FL2が加わる。
このように、バルブ4には、右側から荷重FR1が、左側から荷重FL1、FL2が、加わる。これらの荷重の大小関係に応じて、バルブ4は、左右方向に往復動する。つまり、油量調整装置1は、図5に示す閉弁状態と、図6に示す開弁状態と、に切り替わる。なお、バルブ4には、油量調整装置1の取付方向に応じて、バルブ4の自重や浮力などによる荷重も作用するが、ここでは、説明の便宜上、割愛する。
{通電時}
ソレノイド部Bの電源をオンにすると、図5に示すように、コイル610に磁力が発生する。このため、アーマチュア614がコア615に吸引される。したがって、アーマチュア614つまりシャフト612が、スプリング613の付勢力に抗して、後側に移動する。シャフト612の後端は、リーク孔22を、前側から閉じる。このように、圧力室Rbの下流側に配置されているリーク孔22は閉塞される。これに対して、圧力室Rbの上流側に配置されているバルブ側連通孔400は開いている。このため、圧力室Rbの内圧は、導入室Raの内圧と等しくなる。すなわち、荷重FL1=荷重FR1となる。このように、荷重FL1と荷重FR1とは、互いに相殺される。したがって、スプリング50の付勢力に基づく荷重FL2により、底壁40つまりバルブ4は、右側に移動する。バルブ4は、閉弁位置で停止する。バルブ側テーパ部401は、段差23に、全周的に面接触する。このため、流入孔20と流出孔21との連通が遮断される。
このように、通電時においては、油量調整装置1は閉弁状態を維持する。閉弁状態においては、サブオイルホール819から、全てのピストンジェット用枝通路818に、オイルOが供給されない。したがって、全てのピストンジェット94にオイルOが供給されない。一例として、冷間時においては、閉弁状態を確保したいため、ソレノイド部Bの電源をオンにしている。
{非通電時}
ソレノイド部Bの電源をオフにすると、図6に示すように、コイル610の磁力が消滅する。このため、スプリング613の付勢力により、アーマチュア614がコア615から離間する。したがって、アーマチュア614つまりシャフト612が、前側に移動する。シャフト612の後端は、リーク孔22を、前側から開く。このように、圧力室Rbの下流側に配置されているリーク孔22、および圧力室Rbの上流側に配置されているバルブ側連通孔400は、共に開放される。このため、図6に太線(点線)で示すように、上流側から下流側に向かって、流入孔20、導入室Ra、バルブ側連通孔400、圧力室Rb、隔壁側連通孔30、リーク孔22を備えるリーク経路L2が形成される。サブオイルホール819のオイルOの一部は、当該リーク経路L2を経由して、チェーンカバー99の外部に漏出する。
リーク経路L2が形成されるため、圧力室Rbの内圧は、導入室Raの内圧よりも小さくなる。すなわち、荷重FL1<荷重FR1となる。このため、荷重FR1>(荷重FL1+荷重FL2)の場合、つまりサブオイルホール819のオイルOの圧力が大きい場合は、バルブ4は、左側に移動する。バルブ4は、開弁位置で停止する。側壁41の左端は、環状リブ31に、当接する。したがって、図6に太線(実線)で示すように、上流側から下流側に向かって、流入孔20、導入室Ra、流出孔21を備える開弁時オイル供給経路L1が形成される。サブオイルホール819のオイルOは、当該開弁時オイル供給経路L1を経由して、流動する。
このように、非通電時であって、かつサブオイルホール819のオイルOの圧力が大きい場合(荷重FR1>(荷重FL1+荷重FL2)の場合)は、油量調整装置1は開弁状態に切り替わる。このため、サブオイルホール819から、全てのピストンジェット用枝通路818に、オイルOが供給される。したがって、全てのピストンジェット94にオイルOが供給される。
これに対して、非通電時であって、かつサブオイルホール819のオイルOの圧力が小さい場合(荷重FR1≦(荷重FL1+荷重FL2)の場合)は、油量調整装置1は閉弁状態に切り替わる。このため、サブオイルホール819から、全てのピストンジェット用枝通路818に、オイルOが供給されない。したがって、全てのピストンジェット94にオイルOが供給されない。一例として、温間時においては、オイルOの圧力に応じて、閉弁状態と開弁状態とを切り替えたいため、ソレノイド部Bの電源をオフにしている。
[作用効果]
次に、本実施形態の油量調整装置の作用効果について説明する。本実施形態の油量調整装置1のバルブ4には、バルブ側連通孔400が配置されている。このため、バルブ側連通孔400を介して、導入室Raから圧力室Rbに、オイルOを供給することができる。
図5に示すように、シャフト612がリーク孔22を閉じると、圧力室Rbの下流側が封止される。一方、圧力室Rbには、バルブ側連通孔400を介して、オイルOが供給される。したがって、圧力室Rbの内圧が大きくなる。よって、(荷重FL1+荷重FL2)が大きくなる。このため、油量調整装置1は、閉弁状態に切り替わる。閉弁状態においては、バルブ4が右側に移動して流出孔21を閉じる。
これに対して、図6に示すように、シャフト612がリーク孔22を開くと、圧力室Rbの下流側が開放される。このため、圧力室RbのオイルOは、リーク経路L2を介して、ハウジング本体2aの外部に漏出する。したがって、圧力室Rbの内圧が小さくなる。よって、(荷重FL1+荷重FL2)が小さくなる。このため、開弁状態に切り替わりやすくなる。開弁状態においては、バルブ4が左側に移動して流出孔21を開く。
このように、本実施形態の油量調整装置1によると、バルブ4にバルブ側連通孔400が配置されている。このため、チェーンカバー99のオイル経路8に、サブオイルホール819のオイルOの圧力を圧力室Rbに導入するための、圧力導入通路を配置する必要がない。したがって、チェーンカバー99、延いてはエンジン9の構造が複雑化しない。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、図6に示すように、ソレノイド61が電源オフ状態の場合に、スプリング613の付勢力により、シャフト612がリーク孔22を開く。このため、油量調整装置1が開弁状態に切り替わりやすくなる。よって、流入孔20と流出孔21との連通を確保しやすい。
また、本実施形態の油量調整装置1は、図1、図2に示すように、サブオイルホール819に配置されている。このため、複数のピストンジェット94に供給されるオイルOの流量を、総括的に調整することができる。
また、図5に示すように、ソレノイド部Bの電源をオンにすると、シャフト612がリーク孔22を閉じる。このため、閉弁状態に切り替わる。閉弁状態においては、流入孔20と流出孔21との連通を遮断することができる。すなわち、全てのピストンジェット94に供給されるオイルOの流量を0にすることができる。よって、低温のピストン91の過冷却を防止することができる。
一方、図6に示すように、ソレノイド部Bの電源をオフにすると、シャフト612がリーク孔22を開く。このため、開弁状態に切り替わりやすくなる。開弁状態においては、流入孔20と流出孔21との連通を確保することができる。すなわち、全てのピストンジェット94にオイルOを供給することができる。よって、高温のピストンを冷却することができる。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、図5に示すように、閉弁状態において、流出孔21を介して、圧力導入溝410aに、大気圧等が導入される。このため、バルブ4の側壁41には、全周的に大気圧等が加わる。したがって、側壁41に局所的に大気圧等が加わる場合と比較して、図5に示す閉弁状態から図6に示す開弁状態に切り替わる際のバルブ4の摺動抵抗を小さくすることができる。よって、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすくなる。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、図5、図6に示すように、シャフト612が径方向からリーク孔22を開閉する。このため、シャフト612がリーク孔22を軸方向から開閉する場合と比較して、開閉時のリーク孔22の通路断面積(リーク孔22の径方向の断面積)の変化速度を、小さくすることができる。
<第二実施形態>
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置との相違点は、バルブに連通溝、閉弁側切替孔が配置されている点である。また、油量調整装置がメインオイルホールに配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図8に、本実施形態の油量調整装置の閉弁状態の左右方向断面図を示す。なお、図5と対応する部位については、同じ符号で示す。
本実施形態の油量調整装置1は、図1に示すオイル経路8のメインオイルホール810の円α部分に配置されている。言い換えると、本実施形態の油量調整装置1は、複数のクランクシャフト用枝通路811の上流側に配置されている。
図8に示すように、バルブ4は、中間壁45を備えている。中間壁45は、バルブ4の内部を、左右に仕切っている。中間壁45には、バルブ側連通孔450が穿設されている。バルブ4の側壁41であって、中間壁45の右側(上流側)には、二つの閉弁側切替孔411a、連通溝410bが配置されている。二つの閉弁側切替孔411aは、側壁41の周方向に180°離間して配置されている。連通溝410bは、側壁41の外周面に、全周的に凹設されている。閉弁側切替孔411aの径方向外端は、連通溝410bの溝底面(内周面)に開口している。
閉弁状態において、閉弁側切替孔411a、連通溝410bは、導入室Raと流出孔21とを連通している。すなわち、図8に太線(実線)で示すように、上流側から下流側に向かって、流入孔20、導入室Ra、閉弁側切替孔411a、連通溝410b、流出孔21を備える閉弁時オイル供給経路L3が形成される。メインオイルホール810のオイルOは、当該閉弁時オイル供給経路L3を経由して、流動する。
本実施形態の油量調整装置1と、第一実施形態の油量調整装置とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。また、本実施形態の油量調整装置1によると、複数の摺動部(図1に示すメイン摺動部S1、ピン摺動部S2)に供給されるオイルOの流量を、総括的に調整することができる。
また、図8に示すように、ソレノイド部Bの電源をオンにすると、シャフト612がリーク孔22を閉じる。このため、閉弁状態に切り替わる。閉弁状態においては、閉弁時オイル供給経路L3が形成される。ここで、閉弁側切替孔411aは、流出孔21よりも、通路断面積(通路方向に対して直交する方向(閉弁側切替孔411aの径方向)の断面積)が小さい。このため、図6に示す開弁時オイル供給経路L1と比較して、閉弁側切替孔411aが介挿される分だけ、全ての摺動部に供給されるオイルの流量を小さく(0ではない)することができる。したがって、オイルによる冷却効果を小さくすることができる。よって、これらの摺動部に介在するオイルの温度を上げることができる。すなわち、当該オイルの粘度を下げることができる。よって、これらの摺動部の摩擦抵抗を小さくすることができる。
これに対して、ソレノイド部Bの電源をオフにすると、図6同様に、シャフト612がリーク孔22を開く。このため、開弁状態に切り替わりやすくなる。開弁状態においては、図6に示す開弁時オイル供給経路L1が形成される。このため、全ての摺動部に供給されるオイルの流量を大きくすることができる。したがって、オイルによる冷却効果を大きくすることができる。また、オイルによる潤滑効果を大きくすることができる。
また、冷間時において、油量調整装置1がない場合と比較して、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に供給されるオイルの流量を、小さくすることができる。
また、冷間時において、図1に示すオイル経路8に接続される他の摺動部と比較して、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に供給されるオイルの流量を、小さくすることができる。
また、本実施形態の油量調整装置1は、環状の連通溝410bを備えている。このため、バルブ4が回転する場合であっても、閉弁側切替孔411aと流出孔21との連通を、確保することができる。
<第三実施形態>
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置との相違点は、バルブに連通溝、開弁側切替孔が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図9に、本実施形態の油量調整装置の開弁状態の左右方向断面図を示す。なお、図6と対応する部位については、同じ符号で示す。
図9に示すように、バルブ4は、中間壁45を備えている。中間壁45は、バルブ4の内部を、左右に仕切っている。中間壁45には、バルブ側連通孔450が穿設されている。バルブ4の側壁41であって、中間壁45の右側(上流側)には、二つの開弁側切替孔411b、連通溝410bが配置されている。二つの開弁側切替孔411bは、側壁41の周方向に180°離間して配置されている。連通溝410bは、側壁41の外周面に、全周的に凹設されている。開弁側切替孔411bの径方向外端は、連通溝410bの溝底面(内周面)に開口している。
開弁状態において、開弁側切替孔411b、連通溝410bは、圧力室Rbと流出孔21とを連通している。すなわち、図9に太線(実線)で示すように、上流側から下流側に向かって、流入孔20、導入室Ra、開弁側切替孔411b、連通溝410b、流出孔21を備える開弁時オイル供給経路L1が形成される。サブオイルホール819のオイルOは、当該開弁時オイル供給経路L1を経由して、流動する。
本実施形態の油量調整装置1と、第一実施形態の油量調整装置とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。また、本実施形態の油量調整装置1によると、開弁状態において、開弁側切替孔411bを介して、流入孔20と流出孔21との連通を確保することができる。すなわち、バルブ4の内部を経由して、流入孔20と流出孔21との連通を確保することができる。このため、側壁41の外周面に、オイルの流れによる荷重が加わりにくい。したがって、本実施形態の油量調整装置1によると、開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすい。よって、開閉時のヒステリシスを小さくすることができる。
また、本実施形態の油量調整装置1は、環状の連通溝410bを備えている。このため、バルブ4が回転する場合であっても、開弁側切替孔411bと流出孔21との連通を、確保することができる。
<その他>
以上、本発明の油量調整装置の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
上記実施形態においては、図5、図6、図8、図9に示すように、サブオイルホール819またはメインオイルホール810に、油量調整装置1を配置した。しかしながら、サブオイルホール819およびメインオイルホール810に、油量調整装置1を配置してもよい。
また、図1に示すクランクシャフト用枝通路811、ピストンジェット用枝通路818に、油量調整装置1を配置してもよい。また、リリーフバルブ802として、油量調整装置1を用いてもよい。また、図6、図9に示すリーク経路L2から漏出するオイルを、図1に示すチェーンジェット98に供給してもよい。
上記実施形態においては、図6に示すように、電源オフ時にシャフト612がリーク孔22を開くタイプ(ノーマルオープンタイプ)のソレノイド部Bを配置したが、電源オフ時にシャフト612がリーク孔22を閉じるタイプ(ノーマルクローズタイプ)のソレノイド部Bを配置してもよい。また、ソレノイド61は、プッシュタイプでもプルタイプでもよい。
流入孔20、流出孔21、リーク孔22、バルブ側連通孔400、隔壁側連通孔30、バルブ収容室R、圧力導入溝410a、連通溝410b、閉弁側切替孔411a、開弁側切替孔411bの配置数、通路方向に直交する方向の断面形状は特に限定しない。例えば、真円状、楕円状、多角形状(三角形、四角形、五角形、六角形など)などであってもよい。
上記実施形態においては、図6、図9に示すように、バルブ4のストロークの左端を決定する部材(環状リブ31)を配置した。しかしながら、バルブ4のストロークの左端を決定する部材を配置しなくてもよい。すなわち、スプリング50の付勢力および圧力室Rbの内圧により、バルブ4のストロークの左端を規制してもよい。
上記実施形態においては、図5に示すように、圧力導入溝410aを側壁41の外周面に配置した。しかしながら、圧力導入溝410aを、ハウジング本体2aの内周面に配置してもよい。上記実施形態においては、図8、図9に示すように、連通溝410bを側壁41の外周面に配置した。しかしながら、連通溝410bを、ハウジング本体2aの内周面に配置してもよい。
上記実施形態においては、図5に示すように、スプリング50を圧力室Rbに配置したが、スプリング50を導入室Raに配置してもよい。この場合、スプリング50の付勢力(引張力)により、バルブ4に荷重FL2を加えてもよい。
上記実施形態においては、図3に示すように、チェーンカバー99とハウジング2とを別体にしたが、チェーンカバー99とハウジング2の少なくとも一部(例えば、ハウジング本体2a、プラグ2b)とを一体化してもよい。上記実施形態においては、図5に示すように、シャフト612がリーク孔22を開閉したが、隔壁側連通孔30の左端(下流端)開口を開閉してもよい。
1:油量調整装置。
2:ハウジング、2a:ハウジング本体、2b:プラグ、20:流入孔、21:流出孔、22:リーク孔、23:段差、24:段差、25:シャフト挿通孔、26:シャフト挿通孔。
3:隔壁、30:隔壁側連通孔、31:環状リブ。
4:バルブ、40:底壁、400:バルブ側連通孔、401:バルブ側テーパ部、41:側壁、410a:圧力導入溝、410b:連通溝、411a:閉弁側切替孔、411b:開弁側切替孔、45:中間壁、450:バルブ側連通孔。
50:スプリング(バルブ付勢部材)。
60:ブラケット、600:シャフト挿通孔。
61:ソレノイド、610:コイル、611:ボビン、612:シャフト、613:スプリング(シャフト付勢部材)、614:アーマチュア、615:コア、616:ケース、617:プレート。
8:オイル経路、80:吐出通路、800:オイルパン、801:オイルポンプ、802:リリーフバルブ、803:オイルフィルタ、81:クランクシャフト側通路、810:メインオイルホール(クランクシャフト用幹通路)、811:クランクシャフト用枝通路、812:メイン軸受内部通路、813:クランクシャフト内部通路、818:ピストンジェット用枝通路、819:サブオイルホール(ピストンジェット用幹通路)、819a:取付孔、819c:シャフト挿通孔、84:メイン軸受、85:クランク軸受。
9:エンジン、90:シリンダブロック、900:支持部、901:キャップ、91:ピストン、92:コンロッド、93:クランクシャフト、930:メインジャーナル、931:クランクピン、932:クランクアーム、933:クランクシャフトタイミングギア、94:ピストンジェット、95:カムシャフト、953:カムシャフトタイミングギア、97:タイミングチェーン、970:テンションレバー、98:チェーンジェット、99:チェーンカバー。
A:バルブ部、B:ソレノイド部、L1:開弁時オイル供給経路、L2:リーク経路、L3:閉弁時オイル供給経路、O:オイル、R:バルブ収容室、Ra:導入室、Rb:圧力室、S1:メイン摺動部、S2:ピン摺動部。

Claims (6)

  1. 軸方向一端に開設される流入孔と、側壁に開設される流出孔と、該軸方向他端に開設されるリーク孔と、を有する筒状のハウジングと、
    該ハウジングの内部において該流出孔と該リーク孔とを仕切り、該流出孔側にバルブ収容室を区画し、自身を軸方向に貫通する隔壁側連通孔を有する隔壁と、
    該バルブ収容室に配置され、該軸方向に往復動可能であって、該バルブ収容室を、該流入孔側の導入室と、該隔壁側の圧力室と、に仕切ると共に、自身を軸方向に貫通するバルブ側連通孔を有するバルブと、
    該バルブ収容室に配置され、該バルブを該軸方向一端側に付勢するバルブ付勢部材と、
    を有するバルブ部と、
    往復動可能なシャフトを有するソレノイドを有するソレノイド部と、
    を備え、
    該流入孔、該導入室、該バルブ側連通孔、該圧力室、該隔壁側連通孔、該リーク孔を有するオイルの経路をリーク経路として、
    該シャフトは、該圧力室の下流側において、該リーク経路の延在方向に対して交差する方向から、該リーク経路を開閉可能であり、
    該シャフトが該リーク経路を閉じると、該バルブが該流出孔を閉じる閉弁状態に切り替わる油量調整装置。
  2. 前記シャフトは、前記リーク孔の径方向に延在しており、
    該シャフトは該リーク孔を、該径方向から開閉する請求項1に記載の油量調整装置。
  3. 前記ソレノイドの磁力が消えると、前記シャフトが前記リーク経路を開く請求項1または請求項2に記載の油量調整装置。
  4. 前記ソレノイドは、前記シャフトを、前記リーク経路から離間する方向に付勢するシャフト付勢部材を有する請求項3に記載の油量調整装置。
  5. 前記ハウジングは、オイルフィルタの下流側に分岐して配置されるクランクシャフト用幹通路およびピストンジェット用幹通路と、該ピストンジェット用幹通路に分岐接続され、ピストンジェットに前記オイルを供給する複数のピストンジェット用枝通路と、を有するオイル経路の、該ピストンジェット用幹通路に配置され、
    エンジン始動直後であって該エンジンの暖機が未完了の冷間時においては、前記シャフトが前記リーク経路を閉じ、
    該エンジンの暖機完了後の温間時においては、該シャフトが該リーク経路を開く請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の油量調整装置。
  6. 前記バルブは、前記導入室に連通する閉弁側切替孔を有し、
    前記閉弁状態において、該閉弁側切替孔は前記流出孔に連通する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の油量調整装置。
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