JP2014152286A - 界面活性剤、コーティング組成物及びレジスト組成物 - Google Patents

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良平 清水
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弘行 濱野
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啓 高野
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Abstract

【課題】 レベリング性に優れ、起泡しにくく、且つ起泡しても、短時間で消泡するコーティング組成物が得られる界面活性剤及び、これを用いたコーティング組成物とレジスト組成物を提供すること。
【解決手段】 アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜3であるフッ素化アルキル基(a1)と、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6であるフッ素化アルキル基(a2)と、ポリオキシアルキレン鎖(a3)とを有する界面活性剤、該界面活性剤を含有するコーティング組成物及び該界面活性剤を含有するレジスト組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、平滑性(レベリング性)に優れ、起泡しても、短時間で消泡するコーティング組成物が得られる界面活性剤及び、これを用いたコーティング組成物とレジスト組成物に関する。
従来、各種コーティング分野において、得られる塗膜の平滑性を向上させる目的で、炭化水素系、シリコーン系、フッ素系等の様々なレベリング剤と称される界面活性剤が使用されている。その中でもフッ素原子を含有するフッ素系界面活性剤は、その表面張力低下能が高いこと、塗工後の汚染が少ないことから幅広く用いられている。
このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキル基や、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキルエーテル基をフッ素源として側鎖に有する界面活性剤が知られている。しかしながら、このような界面活性剤は、特に炭素原子数が8以上の上記フッ素源を有するフッ素系界面活性剤は、コーティング組成物の各種原料とともに配合し撹拌混合する際に、起泡し、しかもその泡が長時間消えないという問題があった。加えて、炭素原子数が8よりも小さいフッ素源を有するフッ素系界面活性剤は、レベリング性が十分でない問題があった。
レベリング性に優れ、起泡しても、短時間で消泡するコーティング組成物が得られる界面活性剤として、例えば、炭素原子数4〜6のフッ素化アルキル基や炭素原子数4〜6のフッ素化アルキルエーテル基と共に、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する界面活性剤が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、例えば、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレートと、平均繰り返し単位数22のオキシエチレン部位と平均繰り返し単位数22のオキシプロピレン部位を有するポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノアクリレートとを共重合させて得られるフッ素系界面活性剤が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された界面活性剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに1質量%で含有する溶剤溶液を100mlのガラス瓶に50g加え、このガラス瓶を20cm幅で10回浸とうした場合、生じた泡の消失により液面が露出し始める時間が45秒を超えるなど、消泡性が未だ十分ではない。
特開2012−072287号公報
本発明が解決しようとする課題は、レベリング性に優れ、起泡しても、短時間で消泡するコーティング組成物が得られる界面活性剤及び、これを用いたコーティング組成物とレジスト組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、前記特許文献1に記載された界面活性剤の構造中に、更に炭素原子数が小さいフッ素化アルキル基を含有させた界面活性剤を用いた組成物は、特許文献1の実施例等で用いられ、実質的に開示されているフッ素系界面活性剤を用いて得られる組成物に比べて生じた泡が消える時間が短くなり消泡性が大きく向上すること、該界面活性剤はレジスト組成物に好適に使用できること等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜3であるフッ素化アルキル基(a1)と、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6であるフッ素化アルキル基(a2)と、ポリオキシアルキレン鎖(a3)とを有することを特徴とする界面活性剤を提供するものである。
また、本発明は、前記界面活性剤を含有することを特徴とするコーティング組成物を提供するものである。
更に、本発明は、前記界面活性剤を含有することを特徴とするレジスト組成物を提供するものである。
本発明により、レベリング性に優れると共に、コーティング組成物に添加しても該組成物に生じた泡の消泡性に優れる界面活性剤を提供できる。また、本発明の界面活性剤はスピンコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、プレードコーティング、スリットコーティング、カーテンコーティング、グラビアコーティング等の多様な塗工方法に適応でき、高度な表面平滑性を有する塗膜を得ることができる。
図1は、実施例1で得られた界面活性剤(1)のIRスペクトルのチャート図である。 図2は、実施例1で得られた界面活性剤(1)の13C−NMRスペクトルのチャート図である。 図3は、実施例1で得られた界面活性剤(1)のGPCのチャート図である。
本発明の界面活性剤は、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜3であるフッ素化アルキル基(a1)と、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6であるフッ素化アルキル基(a2)と、ポリオキシアルキレン鎖(a3)とを有する。このようにフッ素原子が結合した炭素原子の数が異なるアルキル基を重合体中に共存させることにより、コーティング組成物に発生した泡の膜上に表面張力の異なる部分が生じ、これによって泡膜の部分的な薄化が促進されることで消泡性が向上したと本発明者らは考えている。
起泡しても短時間で消泡するという優れた効果は、本発明において初めて奏することができた効果であり、例えば、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜3であるアルキル基とポリオキシアルキレン鎖とを有する界面活性剤と、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6であるアルキル基とポリオキシアルキレン鎖とを有する界面活性剤とを単に併用したのでは奏し得ない効果である。
本発明の界面活性剤が有するフッ素化アルキル基(a1)は、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜3のものである。フッ素化アルキル基(a1)は、炭化水素基が有する全ての水素原子がフッ素原子に置換されたもの(パーフルオロアルキル基)でも良いし、炭化水素基の一部の水素原子がフッ素原子に置換されたもの(部分フッ素化アルキル基)でも良い。このようなフッ素化アルキル基としては、例えば、2,2,2トリフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3,3-ジフルオロプロピル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、3,3,4,4-テトラフルオロブチル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロペンチル基等が挙げられる。フッ素化アルキル基(a1)の中でも泡が消える時間が短くなり、優れたレベリング性が示せることからアルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1のものが好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基がより好ましい。
本発明の界面活性剤が有するフッ素化アルキル基(a2)は、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6のものである。フッ素化アルキル基(a2)は、炭化水素基が有する全ての水素原子がフッ素原子に置換されたもの(パーフルオロアルキル基)でも良いし、炭化水素基の一部の水素原子がフッ素原子に置換されたもの(部分フッ素化アルキル基)でも良い。このようなフッ素化アルキル基としては、例えば、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6−ヘプタフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロヘプチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−デカフルオロヘプチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロオクチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8−ウンデカフルオロオクチル基等が挙げられる。フッ素化アルキル基(a2)の中でも泡が消える時間が短くなり、優れたレベリング性が示せることからアルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4または6のものが好ましく、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基または3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基がより好ましい。
本発明の界面活性剤が有するポリオキシアルキレン鎖(a3)としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖、ポリオキシテトラメチレン鎖等が挙げられる。中でも、炭素原子数3または4のポリオキシアルキレン鎖が本発明のフッ素系界面活性剤をコーティング組成物、レジスト組成物等の塗材に添加した場合により優れたレベリング性を発揮して表面平滑性が極めて高い塗膜が得られることから好ましい。尚、本発明において、「ブチレン」とは炭素原子数4つの分岐状のアルキレンをいい、「テトラメチレン」とは炭素原子数4つの直鎖状のアルキレンをいう。
本発明の界面活性剤は、例えば、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜3であるフッ素化アルキル基(a1)を有するラジカル重合性単量体(A1)と、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6であるフッ素化アルキル基(a2)を有するラジカル重合性単量体(A2)と、ポリオキシアルキレン鎖(a3)を有するラジカル重合性単量体(A3)とを共重合させることにより好適に得ることができる。
前記ラジカル重合性単量体(A1)、ラジカル重合性単量体(A2)としては、例えば、下記一般式(1)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2014152286
〔上記一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、ベンジル基を表す。Lは、下記式(L−1)〜(L−8)のいずれか1つの基を表す。Rfはラジカル重合性単量体(A1)の場合、下記式(Rf−1)〜(Rf−6)から選ばれるいずれか一つの基を表し、ラジカル重合性単量体(A2)の場合、下記式(Rf−7)〜(Rf−12)から選ばれるいずれか一つの基を表す。
Figure 2014152286
〔上記式(L−1)、(L−3)〜(L−5)及び(L−9)中のnは1〜8の整数を表す。上記式(L−6)、(L−7)及び(L−8)中のmは1〜8の整数を表し、nは0〜8の整数を表す。上記式(L−9)中のRf’’は、はラジカル重合性単量体(A1)の場合、下記式(Rf−1)〜(Rf−6)から選ばれるいずれか一つの基を表し、ラジカル重合性単量体(A2)の場合、下記式(Rf−7)〜(Rf−15)から選ばれるいずれか一つの基を表す。〕
Figure 2014152286
Figure 2014152286
本発明で用いるラジカル重合性単量体(A1)のより好ましい具体的な例として下記の単量体(A1−1)〜(A1−12)等が挙げられる。また、本発明で用いるラジカル重合性単量体(A2)のより好ましい具体的な例として下記の単量体(A2−1)〜(a2−15)等が挙げられる。
Figure 2014152286
Figure 2014152286
式(A1−9)〜(A1−12)中のnは0〜2である。
Figure 2014152286
Figure 2014152286
式(A2−13)〜(A2−15)中のnは3〜5である。
上記のラジカル重合性単量体(A1)とラジカル重合性単量体(A2)との組み合わせとしては、前記式(A1−5)で表されるラジカル重合性単量体と前記式(A2−8)及び、前記式(A1−5)で表されるラジカル重合性単量体と前記式(A2−9)で表されるラジカル重合性単量体の組合せが好ましい。尚、ラジカル重合性単量体(A1)とラジカル重合性単量体(A2)は、それぞれ2種以上を併用しても良い。
本発明の界面活性剤の中でも、より高い低起泡性と表面平滑性を両立する界面活性剤が得られることからラジカル重合性単量体(A1)とラジカル重合性単量体(A2)とを、質量比で〔(A1)/(A2)〕=80/20〜5/95となる範囲で用いて得られる界面活性剤が好ましく、重量比で〔(A1)/(A2)〕=75/25〜10/90となる範囲で用いて得られる界面活性剤がより好ましい。
本発明で用いるポリオキシアルキレン鎖を有するラジカル重合性単量体(A3)としては、例えば、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(テトラエチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(トリメチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(ブチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体(B)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
なお、前記「ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのランダム共重合物を意味し、「ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのブロック共重合物を意味し、他のものも同様である。これらのラジカル重合性単量体(A3)の中でも、本発明のコーティング組成物中の他の成分との相溶性が良好となる界面活性剤が得られることから、炭素原子数3または4のオキシアルキレン基を繰り返し単位とするポリオキシアルキレン鎖、具体的には、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖又はポリオキシテトラメチレン鎖を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
また、本発明で用いるラジカル重合性単量体(A3)中のポリオキシアルキレン鎖(a3)のオキシアルキレン鎖の繰り返し単位としては、1〜80が好ましく、2〜50がより好ましい。
前記ラジカル重合性単量体(A3)の市販品としては、例えば、新中村化学工業株式会社製の「NKエステルAMP−10G」、「NKエステルAMP−20G」、「NKエステルAMP−60G」、日油株式会社製の「ブレンマーPME−100」、「ブレンマーPME−200」、「ブレンマーPME−400」、「ブレンマーPME−4000」、「ブレンマーPP−1000」、「ブレンマーPP−500」、「ブレンマーPP−800」、「ブレンマー70PEP−350B」、「ブレンマー55PET−800」、「ブレンマー50POEP−800B」、「ブレンマー10PPB−500B」、「ブレンマーNKH−5050」、「ブレンマーAP−400」、サートマー社製の「SR604」等が挙げられる。ラジカル重合性単量体(A3)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明の界面活性剤の中でも、前記ラジカル重合性単量体(A1)、ラジカル重合性単量体(A2)及びラジカル重合性単量体(A3)を質量比[(A1)+(A2)]/(a3)で10/90〜80/20となる範囲で反応させて得られる界面活性剤がレベリング性に優れる界面活性剤となることから好ましく、15/85〜70/30となる範囲で反応させて得られる界面活性剤がより好ましく、25/75〜60/40の範囲で反応させて得られる界面活性剤が更に好ましい。
本発明の界面活性剤を調製する為に、前記ラジカル重合性単量体(A1)、ラジカル重合性単量体(A2)、ラジカル重合性単量体(A3)とともに、本発明の効果を損なわない範囲でアルキル基を有する単量体(A4)を併用する事もできる。アルキル基を有する単量体(A4)としては、例えば、下記一般式(2)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2014152286
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状又は環構造を有するアルキル基である。)
なお、上記一般式(2)中のRは炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状又は環構造を有するアルキル基であるが、このアルキル基は、脂肪族又は芳香族の炭化水素基、水酸基等の置換基を有していてもよい。上記アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数が1〜18のアルキルエステル;
ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜18の橋架け環状アルキルエステルなどが挙げられる。これらの単量体(A4)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
さらに、本発明の界面活性剤の原料として、前記単量体(A1)、単量体(A2)、単量体(A3)及び単量体(A4)以外の単量体として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類等も用いることもできる。
本発明の界面活性剤を製造する方法としては、特に制限はないが、前記ラジカル重合性単量体(A1)、ラジカル重合性単量体(A2)、ラジカル重合性単量体(A3)及び必要に応じてラジカル重合性単量体(A4)等の単量体を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を使用して重合させる方法が挙げられる。ここで用いる有機溶媒としては、ケトン類、エステル類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、炭化水素類が好ましく、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは、沸点、相溶性、重合性を考慮して適宜選択される。ラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が例示できる。さらに必要に応じてラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノ−ル、チオグリセロール、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオグリコ−ル酸等の連鎖移動剤を使用することができる。
本発明の界面活性剤の数平均分子量(Mn)は、コーティング組成物等の樹脂組成物に添加した際の他の配合成分との相溶性が良好であり、高度なレベリング性を実現することができることから、1,000〜100,000の範囲が好ましく、1,500〜50,000の範囲がより好ましい。なお、数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
本発明において、数平均分子量は以下の条件に従って測定した
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテック製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
本発明の界面活性剤中のフッ素含有率は、コーティング組成物のレベリング性を十分なものとでき、コーティング組成物中の他の成分との相溶性を良好なものとできることから、2〜40質量%の範囲が好ましく、5〜30質量%の範囲がより好ましく、10〜25質量%の範囲がさらに好ましい。なお、本発明の前記フッ素含有率は、本発明の界面活性剤の調製に用いた原料の合計量に対するフッ素原子の質量比率から算出したものである。
本発明のコーティング組成物は、上記の本発明の界面活性剤を添加剤として用いたものである。コーティング組成物中の該界面活性剤の添加量は、コーティング樹脂の種類、塗工方法、目的とする膜厚等によって異なるが、コーティング組成物のうち固形分100質量部に対して0.0001〜10質量部が好ましく、0.001〜5質量部がより好ましく、0.01〜2質量部がさらに好ましい。本発明の界面活性剤がこの範囲の添加量であれば、十分に表面張力を低下させることができ、目的とするレベリング性が得られ、塗工時の泡立ち等不具合の発生を抑制できる。
コーティング組成物の添加剤として、本発明の界面活性剤を用いることで、平滑性(レベリング性)に優れ、起泡しても、短時間で消泡するコーティング組成物が得られる。このようなコーティング組成物としては、例えば、各種塗料用組成物や感光性樹脂組成物が挙げられる。
前記塗料用組成物としては、例えば、石油樹脂塗料、セラック塗料、ロジン系塗料、セルロース系塗料、ゴム系塗料、漆塗料、カシュー樹脂塗料、油性ビヒクル塗料等の天然樹脂を用いた塗料;フェノール樹脂塗料、アルキッド樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、アミノ樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料等の合成樹脂を用いた塗料等が挙げられる。
また、上記で例示した塗料用組成物の他、塗料用組成物として活性エネルギー線硬化型組成物にも本発明の界面活性剤を用いることもできる。この活性エネルギー線硬化型組成物は、その主成分して、活性エネルギー線硬化型樹脂又は活性エネルギー線硬化性単量体を含有する。なお、前記の活性エネルギー線硬化型樹脂と活性エネルギー線硬化性単量体とは、それぞれ単独で用いてもよいが、併用しても構わない。
前記活性エネルギー線硬化型樹脂は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、アクリル(メタ)アクリレート樹脂、マレイミド基含有樹脂等が挙げられるが、本発明では、特に透明性や低収縮性等の点からウレタン(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
ここで用いるウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられ、また、芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の3価のアルコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε−カプロラクトンで変性した水酸基含有モノ及びジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1官能の水酸基と3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、該化合物をさらにε−カプロラクトンで変性した水酸基含有多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記した脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有アクリレート化合物との反応は、例えば、ウレタン化触媒の存在下、常法により行うことができる。ここで使用し得るウレタン化触媒は、具体的には、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン類;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィンなどのホフィン類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫などの有機錫化合物;オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。
これらのウレタンアクリレート樹脂の中でも特に脂肪族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるものが硬化塗膜の透明性に優れ、かつ、活性エネルギー線に対する感度が良好で硬化性に優れる点から好ましい。
次に、不飽和ポリエステル樹脂は、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物、芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物、及び、グリコール類の重縮合によって得られる硬化性樹脂であり、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸、及びこれらのエステル等が挙げられる。芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。脂肪族あるいは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げられ、その他にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も同様に使用できる。
次に、エポキシビニルエステル樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるものが挙げられる。
また、マレイミド基含有樹脂としては、N−ヒドロキシエチルマレイミドとイソホロンジイソシアネートとをウレタン化して得られる2官能マレイミドウレタン化合物、マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコールとをエステル化して得られる2官能マレイミドエステル化合物、マレイミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチレンオキサイド付加物とをエステル化して得られる4官能マレイミドエステル化合物、マレイミド酢酸と多価アルコール化合物とをエステル化して得られる多官能マレイミドエステル化合物等が挙げられる。これらの活性エネルギー線硬化型樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記活性エネルギー線硬化性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、数平均分子量が150〜1000の範囲にあるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、数平均分子量が150〜1000の範囲にあるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングルリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリスチリルエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、2−マレイミドエチル−エチルカーボネート、2−マレイミドエチル−プロピルカーボネート、N−エチル−(2−マレイミドエチル)カーバメート、N,N−ヘキサメチレンビスマレイミド、ポリプロピレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエチル)カーボネート、1,4−ジマレイミドシクロヘキサン等のマレイミド類等が挙げられる。
これらのなかでも特に硬化塗膜の硬度に優れる点からトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが好ましい。これらの活性エネルギー線硬化性単量体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記活性エネルギー線硬化型組成物は、基材に塗布後、活性エネルギー線を照射することで硬化塗膜とすることができる。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線をいう。活性エネルギー線として紫外線を照射して硬化塗膜とする場合には、活性エネルギー線硬化型組成物中に光重合開始剤を添加し、硬化性を向上することが好ましい。また、必要であればさらに光増感剤を添加して、硬化性を向上することもできる。一方、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を用いなくても速やかに硬化するので、特に光重合開始剤や光増感剤を添加する必要はない。
前記光重合開始剤としては、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
前記水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4´−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。
上記の光重合開始剤の中でも、活性エネルギー線硬化型塗料組成物中の前記活性エネルギー線硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性単量体との相溶性に優れる点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及びベンゾフェノンが好ましく、特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記光増感剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン類、o−トリルチオ尿素等の尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。
これらの光重合開始剤及び光増感剤の使用量は、活性エネルギー線硬化型組成物中の不揮発成分100質量部に対し、各々0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.3〜7質量部がさらに好ましい。
また、上記塗料用組成物中には必要に応じて、有機溶剤;顔料、染料、カーボン等の着色剤;シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の無機粉末;高級脂肪酸、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油樹脂、フッ素樹脂(PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種樹脂微粉末;帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、防錆剤、スリップ剤、ワックス、艶調整剤、離型剤、相溶化剤、導電調整剤、分散剤、分散安定剤、増粘剤、沈降防止剤、シリコーン系又は炭化水素系界面活性剤等の各種添加剤を適宜添加することが可能である。
前記有機溶剤は、上記塗料組成物の溶液粘度を適宜調整する上で有用であり、特に薄膜コーティングを行うためには、膜厚を調整することが容易となる。ここで使用できる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、上記の塗料組成物の塗工方法は用途により異なるが、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケーター、バーコーター、静電塗装等を用いた塗布方法、あるいは各種金型を用いた成形方法等が挙げられる。
上記の感光性樹脂組成物は、可視光、紫外光等の光を照射することにより樹脂の溶解性、粘度、透明度、屈折率、伝導度、イオン透過性等の物性が変化するものである。この感光性樹脂組成物の中でも、レジスト組成物(フォトレジスト組成物、カラーフィルター用のカラーレジスト組成物等)は、高度なレベリング性が要求される。通常、半導体又は液晶に関するフォトリソグラフィーにおいては、レジスト組成物をスピンコーティングによって、厚さが1〜2μm程度になるようにシリコンウェハー又は各種金属を蒸着したガラス基板上に塗布するのが一般的である。この際、塗布膜厚の振れは、半導体や液晶素子の品質の低下や欠陥となり得るが、本発明のフッ素系界面活性剤は、この感光性樹脂組成物の添加剤として用いることで、その高いレベリング性により均一な塗膜を形成することができるため、半導体、液晶素子の生産性向上、高機能化等が可能となる。
次に、本発明のレジスト組成物について説明する。本発明のレジスト組成物は、本発明の界面活性剤を含有することを特徴とする。通常、レジスト組成物は、本発明の界面活性剤とフォトレジスト剤からなり、このフォトレジスト剤は、(1)アルカリ可溶性樹脂、(2)放射線感応性物質(感光性物質)、(3)溶剤、そして必要に応じて(4)他の添加剤とを含む。
本発明のレジスト組成物に用いられる前記(1)アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、レジストのパターン化時に使用する現像液であるアルカリ性溶液に対して可溶な樹脂が挙げられる。前記アルカリ可溶性樹脂の例としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、フロログリシノール、ハイドロキノン等の芳香族ヒドロキシ化合物及びこれらのアルキル置換又はハロゲン置換芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド化合物とを縮合して得られるノボラック樹脂、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノール、α−メチルビニルフェノール等のビニルフェノール化合物及びこれらのハロゲン置換化合物の重合体又は共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸系又はメタアクリル酸系重合体もしくは共重合体、ポリビニルアルコール、更に上記各種樹脂の水酸基の一部を介してキノンジアジド基、ナフトキノンアジド基、芳香族アジド基、芳香族シンナモイル基等の放射性線感応性基を導入した変性樹脂等が挙げられる。これらのアルカリ可溶性樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
更に、前記アルカリ可溶性樹脂としては、分子中にカルボン酸やスルホン酸等の酸性基を含むウレタン樹脂を用いることが可能であり、またこのウレタン樹脂を上記のアルカリ可溶型樹脂と併用することも可能である。
本発明のレジスト組成物に用いられる(2)放射性感応性物質(感光性物質)としては、上記アルカリ可溶性樹脂と混合し、紫外線、遠紫外線、エキシマレーザー光、X線、電子線、イオン線、分子線、γ線、等を照射することにより、アルカリ可溶性樹脂の現像液に対する溶解性を変化させる物質であれば用いることができる。
前記放射線感応性物質としては、例えば、キノンジアジド系化合物、ジアゾ系化合物、ジアジド系化合物、オニウム塩化合物、ハロゲン化有機化合物、ハロゲン化有機化合物と有機金属化合物との混合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物、そして特開昭59−152号公報に記載されているポリ(オレフィンスルホン)化合物等が挙げられる。
前記キノンジアジド系化合物としては、例えば、1,2−ベンゾキノンアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、その他1,2−ベンゾキノンアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド等のキノンジアジド誘導体のスルホン酸クロライド等が挙げられる。
前記ジアゾ化合物としては、例えば、p−ジアゾジフエニルアミンとホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとの縮合物の塩、例えばヘキサフルオロ燐酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩又は過ヨウ素酸塩と上記縮合物との反応性生物であるジアゾ樹脂無機塩、USP3,300,309号明細書に記載されているような、上記縮合物とスルホン酸類との反応生成物であるジアゾ樹脂有機塩等が挙げられる。
前記アジド化合物及びジアジド化合物としては、例えば、特開昭58−203438号公報に記載されているようなアジドカルコン酸、ジアジドベンザルメチルシクロヘキサノン類及びアジドシンナミリデンアセトフェノン類、日本化学会誌No.12、p1708−1714(1983年)記載の芳香族アジド化合物又は芳香族ジアジド化合物等が挙げられる。
前記ハロゲン化有機化合物としては、例えば、有機化合物のハロゲン化物であれば用いることができるが、具体例としては、ハロゲン含有オキサジアゾール系化合物、ハロゲン含有トリアジン系化合物、ハロゲン含有アセトフェノン系化合物、ハロゲン含有ベンゾフェノン系化合物、ハロゲン含有スルホキサイド系化合物、ハロゲン含有スルホン系化合物、ハロゲン含有チアゾール系化合物、ハロゲン含有オキサゾール系化合物、ハロゲン含有トリゾール系化合物、ハロゲン含有2−ピロン系化合物、ハロゲン含有脂肪族炭化水素系化合物、ハロゲン含有芳香族炭化水素系化合物、その他のハロゲン含有ヘテロ環状化合物、スルフェニルハライド系化合物等の各種化合物、更に例えばトリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモ−3−クロロプロピル)ホスフェート、クロロテトラブロモメタン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモビフェニル、トリブロモフェニルアリルエーテル、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ブロモエチルエーテル)テトラブロモビスフェノールA、ビス(クロロエチルエーテル)テトラクロロビスフェノールA、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のハロゲン系難燃剤として使用されている化合物、ジクロロフェニルトリクロロエタン等の有機クロロ系農薬として使用されている化合物等も挙げられる。
前記有機酸エステルとしては、例えば、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。また、前記有機酸アミドとしては、カルボン酸アミド、スルホン酸アミド等が挙げられる。さらに、有機酸イミドとしては、カルボン酸イミド、スルホン酸イミド等が挙げられる。これらの放射線感応性物質は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明のレジスト組成物において、放射線感応性物質の配合割合は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して1〜100質量部の範囲が好ましく、3〜50質量部の範囲がより好ましい。
本発明のレジスト組成物に用いられる(3)溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ブチロラクトン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコールエーテル類;蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類;
セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類;ジエチレルグリコールモノメチルエーテル、ジエチレルグリコールモノエチルエーテル、ジエチレルグリコールジメチルエーテル、ジエチレルグリコールジエチルエーテル、ジエチレルグリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコール類;トリクロロエチレン、フロン溶剤、HCFC、HFC等のハロゲン化炭化水素類;パーフロロオクタンの様な完全フッ素化溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族類;ジメチルアセチアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤など、成書「溶剤ポケットハンドブック」(有機合成化学協会編、オ−ム社)に記載されている溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明のレジスト組成物の塗布方法としては、スピンコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、プレードコーティング、スリットコーティング、カーテンコーティング、グラビアコーティング等の方法が挙げられ、塗布前にレジスト組成物をフィルターによって濾過して、固形の不純物を取り除くこともできる。
上記の通り、本発明の界面活性剤は、コーティング組成物(塗料用組成物、感光性樹脂組成物等)の添加剤として有用である。本発明の界面活性剤の応用例としては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ(PDP)等の各種ディスプレイ画面用ハードコート材グラビア印刷用インク、インクジェットインク;携帯電話筐体用塗料又はハードコート材;携帯電話の画面用ハードコート材;CD、DVD、ブルーレイディスク等の光学記録媒体用ハードコート材;インサートモールド(IMD、IMF)用転写フィルム用ハードコート材;化粧板等の各種建材用印刷インキ又は塗料;住宅の窓ガラス用コート材;家具等の木工用塗料;人工・合成皮革用コート材;家電の筐体等の各種プラスチック成形品用塗料又はコート材;FRP浴槽用塗料又はコート材;液晶ディスプレイ用カラーフィルターに使用されるRGBの各画素を形成するためのカラーレジスト又はブラックマトリックスを形成するためのブラックレジスト;半導体製造に用いられるフォトレジスト;平版印刷版(PS版)用感光材料;その他のフォトファブリケーション工程等の単層、あるいは多層コーティング組成物等が挙げられる。これらのコーティング組成物に本発明のフッ素系界面活性剤添加することでピンホール、ゆず肌、塗りムラ、ハジキ等の無い優れた平滑性を発現させることができる。
さらに、本発明の界面活性剤は、フッ素樹脂を含有する塗料、コーティング材に配合すると、フッ素化アルキル基の作用により該フッ素樹脂の分散性を向上させ、単にレベリング性だけでなく、フッ素樹脂の分散剤としての機能も期待できる。
以下、本発明の実施例を挙げ、比較例と比較しながら本発明を詳述する。例中、「部」、「%」は特に断りのない限り質量基準である。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。例中、「部」、「%」は特に断りのない限り質量基準である。なお、得られた界面活性剤のIRスペクトル、13C−NMRスペクトル及びGPCの測定条件は下記の通りである。
[IRスペクトル測定条件]
装置:株式会社島津製作所製「FTIR−8400S」
測定方法:neat法
13C−NMRスペクトル測定条件]
装置:日本電子株式会社製「JNM−ECA500」
溶媒:CDCl−d
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテックジャパン株式会社製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
実施例1(本発明の界面活性剤の調製)
撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラスコに、メチルイソブチルケトン133gを加え、窒素気流中、撹拌しながら88℃に昇温した。ついで、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート32g、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート12g、平均繰り返し単位数5のポリプロピレングリコールモノメタクリレート57gおよび2,2’−アゾビスイソ酪酸メチル15gをメチルイソブチルケトン100gに溶解させた滴下液を滴下装置にセットし、フラスコ内を88℃に保ちながら6時間かけて滴下した。滴下終了後、88℃で3時間撹拌した。その後、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去することにより、本発明の界面活性剤(1)を得た。界面活性剤(1)は、数平均分子量2370、重量平均分子量3598であった。また、フッ素含有率は22.9質量%であった。なお、界面活性剤(1)のIRスペクトルのチャート図を図1に、13C−NMRスペクトルのチャート図を図2に、GPCのチャート図を図3に示す。
得られた界面活性剤(1)を含む溶剤溶液を調製し、この溶剤溶液の消泡性と起泡性を評価した。溶剤溶液の調製方法と評価方法を下記に示す。また、この評価の結果を第1表に示す。
<消泡性の評価方法>
界面活性剤(1)を、質量換算による含有率が1.0%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと略記する)に加え、溶剤溶液を得た。この溶剤溶液を100mlのガラス瓶に50g加え密封し、このガラス瓶を25℃の恒温層で30分間放置した。その後、このガラス瓶を20cm幅で10回振とうすることにより、溶剤溶液の液面上に泡を発生させた。泡を発生させたあとすぐにガラス瓶を静置し、静置した時を起点として泡の消失により溶剤溶液の液面が露出し始めるまでの時間(T0)を測定した。この時間が短い程、消泡性に優れる溶剤溶液が得られる界面活性剤であることを示す。
比較例1(比較対照用界面活性剤の調製)
撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラスコに、メチルイソブチルケトン544gを加え、窒素気流中、撹拌しながら110℃に昇温した。ついで、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート158g、平均繰り返し単位数5のポリプロピレングリコールモノメタクリレート251gをメチルイソブチルケトン204gに溶解させた滴下液およびt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート20gをメチルイソブチルケトン204gに溶解させた滴下液をそれぞれ別の滴下装置にセットし、フラスコ内を110℃に保ちながら同時に6時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃で10時間撹拌した後、減圧下で溶媒を留去することにより、比較対照用界面活性剤(1´)を得た。比較対照用界面活性剤(1´)は、数平均分子量3279、重量平均分子量5164であった。また、フッ素含有率は22.9質量%であった。
得られた比較対照用界面活性剤(1´)を用いて実施例1と同様にして溶剤溶液を調製し、この溶剤溶液の消泡性と起泡性を評価した。評価結果を第1表に示す。
Figure 2014152286
実施例2(本発明の界面活性剤の調製)
撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラスコに、メチルイソブチルケトン133gを加え、窒素気流中、撹拌しながら88℃に昇温した。ついで、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルアクリレート33g、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート16g、平均繰り返し単位数5のポリプロピレングリコールモノメタクリレート51gおよび2,2’−アゾビスイソ酪酸メチル15gをメチルイソブチルケトン100gに溶解させた滴下液を滴下装置にセットし、フラスコ内を88℃に保ちながら6時間かけて滴下した。滴下終了後、88℃で3時間撹拌した。その後、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去することにより、本発明の界面活性剤(2)を得た。界面活性剤(2)は、数平均分子量2539、重量平均分子量3736であった。また、フッ素含有率は22.9質量%であった。
得られた界面活性剤(2)を用いて実施例1と同様にして溶剤溶液を調製し、この溶剤溶液の消泡性と起泡性を評価した。評価結果を第2表に示す。
比較例2(比較対照用界面活性剤の調製)
撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラスコに、メチルイソブチルケトン544gを加え、窒素気流中、撹拌しながら110℃に昇温した。ついで、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルアクリレート174g、平均繰り返し単位数5のポリプロピレングリコールモノメタクリレート234gおよびt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート20gをメチルイソブチルケトン408gに溶解させた滴下液を滴下装置にセットし、フラスコ内を110℃に保ちながら6時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃で10時間撹拌した後、減圧下で溶媒を留去することにより、比較対照用界面活性剤(2´)を得た。比較対照用界面活性剤(2´)は、数平均分子量3104、重量平均分子量3608であった。また、フッ素含有率は22.9質量%であった。
得られた比較対照用界面活性剤(2´)を用いて実施例1と同様にして溶剤溶液を調製し、この溶剤溶液の消泡性と起泡性を評価した。評価結果を第2表に示す。
Figure 2014152286
実施例3(本発明の界面活性剤の調製)
撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラスコに、メチルイソブチルケトン133gを加え、窒素気流中、撹拌しながら88℃に昇温した。ついで、2−[ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)メトキシカルボニルアミノ]エチルメタクリレート39g、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート6g、平均繰り返し単位数5のポリプロピレングリコールモノメタクリレート55gおよび2,2’−アゾビスイソ酪酸メチル15gをメチルイソブチルケトン100gに溶解させた滴下液を滴下装置にセットし、フラスコ内を88℃に保ちながら6時間かけて滴下した。滴下終了後、88℃で3時間撹拌した。その後、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去することにより、本発明の界面活性剤(3)を得た。界面活性剤(3)は、数平均分子量2160、重量平均分子量3543であった。また、フッ素含有率は22.9質量%であった。
得られた界面活性剤(3)を用いて実施例1と同様にして溶剤溶液を調製し、この溶剤溶液の消泡性と起泡性を評価した。評価結果を第3表に示す。
比較例3(比較対照用界面活性剤の調製)
撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラスコに、メチルイソブチルケトン544gを加え、窒素気流中、撹拌しながら110℃に昇温した。ついで、2−[ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)メトキシカルボニルアミノ]エチルメタクリレート178g、平均繰り返し単位数5のポリプロピレングリコールモノメタクリレート231gおよびt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート20gをメチルイソブチルケトン408gに溶解させた滴下液を滴下装置にセットし、フラスコ内を110℃に保ちながら6時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃で10時間撹拌した後、減圧下で溶媒を留去することにより、比較対照用界面活性剤(3´)を得た。比較対照用界面活性剤(3´)は、数平均分子量2774、重量平均分子量4100であった。また、フッ素含有率は22.9質量%であった。
得られた比較対照用界面活性剤(3´)を用いて実施例1と同様にして溶剤溶液を調製し、この溶剤溶液の消泡性と起泡性を評価した。評価結果を第3表に示す。
Figure 2014152286
実施例4〔本発明のコーティング組成物(レジスト組成物)〕
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとo−ナフトキシジアジド−5−スルホニルクロライドとの縮合物27部と、クレゾ−ルとホルムアルデヒドとを縮合してなるノボラック樹脂100部をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート400重量部に溶解して溶液を調整し、これに本発明の界面活性剤(1)0.5部を混合し、混合溶液を得た。この混合溶液を孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターで精密濾過し本発明のコーティング組成物(1)〔レジスト組成物(1)〕を得た。
コーティング組成物(1)〔レジスト組成物(1)〕を1辺が10cm角のクロム蒸着ガラス基板上に回転数500rpmの条件でスピンコーティングし、ガラス基板上にコーティング組成物(1)〔レジスト組成物(1)〕の塗膜を形成した。その後、塗膜を形成したガラス基板を110℃の環境に1分間静置し、塗膜を乾燥させた。
得られた乾燥塗膜について、ナトリウムランプを用いて塗膜表面の凹凸(塗布ムラ)の発生具合を目視で観察し、以下の判断基準で塗膜表面の平滑性を評価した。評価結果を第4表に示す。
○:塗膜ムラがほとんど観察されない。
△:塗布ムラが一部観察される。
×:塗布ムラが多く観測される。
実施例5及び6(同上)
第4表に示す界面活性剤を用いた以外は実施例4と同様にして本発明のコーティング組成物(2)〔レジスト組成物(2)〕及びコーティング組成物(3)〔レジスト組成物(3)〕を得た。実施例4と同様にして塗膜表面の平滑性を評価し、その結果を第4表に示す。
比較例4〜6〔比較対照用コーティング組成物(比較対照用レジスト組成物)〕
第4表に示す界面活性剤を用いた以外は実施例4と同様にして比較対照用コーティング組成物(1´)〔比較対照用レジスト組成物(1´)〕〜比較対照用コーティング組成物(3´)〔比較対照用レジスト組成物(3´)〕を得た。また、界面活性剤を用いない以外は実施例4と同様にして比較対照用コーティング組成物(4´)〔比較対照用レジスト組成物(4´)〕を得た。これらの比較対照用コーティング組成物(1´)〜(4´)を用いて実施例4と同様にして塗膜表面の平滑性を評価した。評価結果を第4表に示す。
Figure 2014152286

Claims (8)

  1. アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜3であるフッ素化アルキル基(a1)と、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6であるフッ素化アルキル基(a2)と、ポリオキシアルキレン鎖(a3)とを有することを特徴とする界面活性剤。
  2. アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜3であるフッ素化アルキル基(a1)を有するラジカル重合性単量体(A1)と、アルキル基の一部乃至全部の炭素原子にフッ素原子が直接結合し、且つ、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6であるフッ素化アルキル基(a2)を有するラジカル重合性単量体(A2)と、ポリオキシアルキレン鎖(a3)を有するラジカル重合性単量体(A3)とを共重合させて得られる請求項1記載の界面活性剤。
  3. 前記フッ素化アルキル基(a1)が2,2,2トリフルオロエチル基で、フッ素化アルキル基(a2)が3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基または3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基である請求項1記載の界面活性剤。
  4. 前記ラジカル重合性単量体(A1)とラジカル重合性単量体(A2)とを、質量比(A1)/(A2)で80/20〜5/95となる範囲で反応させて得られる請求項2記載の界面活性剤。
  5. 前記ポリオキシアルキレン鎖(a3)が、炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を繰り返し単位とするポリオキシアルキレン鎖である請求項1記載の界面活性剤。
  6. 前記ラジカル重合性単量体(A1)、ラジカル重合性単量体(A2)及びラジカル重合性単量体(A3)を、質量比[(A1)+(A2)]/(A3)で10/90〜70/30となる範囲で反応させて得られる請求項2記載の界面活性剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の界面活性剤を含有することを特徴とするコーティング組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項記載の界面活性剤を含有することを特徴とするレジスト組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017045631A (ja) * 2015-08-27 2017-03-02 セイコーエプソン株式会社 液状体、液状体の消泡性評価方法、および有機半導体層を含む素子の形成方法

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