JP2014151107A - 画像処理装置及び予測プロット方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2次元画像上の血管を少ない操作数で明瞭に表示することが可能な画像処理装置及び予測プロット方法を提供する。
【解決手段】3次元原画像に基づいて生成された2次元画像上の複数の点をマウスクリック等により指定すると、画像処理装置100は、指定された複数点を既得点とし、既得点の位置情報及び所定の誘導条件(画素値条件)に基づいて次の点の誘導方向及び位置を予測する。予測された点を既得点に含め、誘導条件が不成立となるまで次の点の位置の予測を繰り返し行う。予測により得た各既得点に対応する点を上述の2次元画像に重畳表示する。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像処理装置及び予測プロット方法に係り、詳細には、2次元画像に含まれる血管の走行を明瞭に示す画像処理装置及び予測プロット方法に関する。
従来より、X線CT(computed tomography)装置やMRI(magnetic resonance imaging)装置等によって撮影される一連の断層像に基づいて、診断に適した各種の画像を生成する方法が知られている。例えば、血管の走行を観察する場合には、最大値投影法(MIP;Maximum intensity Projection)を使うことがある。最大値投影法とは、断層像を積み上げてなる3次元原画像を所定の投影面に投影する際に、投影方向にある画素のうち最大の画素値を選択して投影面の画素値とするものである。
また、画像から関心領域を抽出する方法としては、画像の局所的な濃度差を参照して関心領域の輪郭を追跡する輪郭追跡法、関心領域の内部の点から所定の拡張条件を満たす画素を順に取り込んで領域を拡張していく領域拡張方法、画素値の度数分布グラフを作成して濃度閾値の範囲を決定し、閾値範囲内の画素を抽出する方法等がある。特許文献1には、2次元画像または3次元画像を対象として、血管等の分岐枝領域を抽出する方法が開示されている。特許文献1の領域抽出方法では、分岐枝領域を含む領域中に分岐開始点と関心領域方向を表すターゲット領域点とを操作者が指定する。演算装置は分岐開始点から関心領域方向へ向かって拡張条件に該当する画素を探索し、領域拡張する。拡張条件は、同一領域内では各点の濃度値はある濃度範囲に属し、また隣接点同士の濃度差は小さい、というものである。
特開2000−163555号公報
しかしながら、2次元画像の場合、複数の血管が重なって表示される。そのため、上述の領域抽出方法では重なった血管の中から一本の血管を他の血管と分けて抽出するのは困難であった。また、血管上の各点を操作者がマウス等でプロットすることで血管位置を指定することは可能である。しかし、血管は細長く、曲がりくねっているため、血管上の全ての点を手動でプロットするのは容易な作業ではない。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、2次元画像上の血管を少ない操作数で明瞭に表示することが可能な画像処理装置及び予測プロット方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために第1の発明は、被検体を撮影した複数の断層像を積み重ねた3次元原画像に基づいて生成された2次元画像を表示する画像表示部と、前記2次元画像上の複数の点の指定を受け付ける入力部と、前記入力部で指定された複数点を既得点とし、既得点の位置情報及び所定の誘導条件に基づいて次の点の誘導方向及び位置を予測する予測点演算部と、前記予測点演算部により予測された点を既得点に含め、前記誘導条件が不成立となるまで次の点の位置の予測を繰り返し行う演算制御部と、前記既得点を前記2次元画像に重畳表示する既得点表示部と、を備えることを特徴とする画像処理装置である。
第2の発明は、コンピュータを用いて画像上に予測点をプロットする予測プロット方法であって、被検体を撮影した複数の断層像を積み重ねた3次元原画像に基づいて生成された2次元画像を表示する画像表示ステップと、前記2次元画像上の複数の点の指定を受け付ける入力ステップと、指定された複数点を既得点とし、既得点の位置情報及び所定の誘導条件に基づいて次の点の誘導方向及び位置を予測し、予測された点を既得点に含め、前記誘導条件が不成立となるまで次の点の位置の予測を繰り返し行う演算制御ステップと、前記既得点を前記2次元画像に重畳表示する既得点表示ステップと、を含むことを特徴とする予測プロット方法である。
本発明の画像処理装置及び予測プロット方法により、2次元画像上の血管を少ない操作数で明瞭に表示することが可能となる。
画像処理装置100の全体構成を示す図 操作画面2の一例 本発明において処理対象とする2次元画像と3次元原画像30との関係を示す図 画像処理装置100が実行する予測点演算処理(予測プロット処理)の手順を説明するフローチャート クリック点P、Pの位置関係に基づいて次の予測点Pを演算する際の探索範囲54について説明する図 クリック点P、P及び予測点P〜P10を示す図 予測点の誘導方向を変更する際に入力する分岐点Qについて説明する図 分岐点Qと既得点列との角度を考慮して誘導方向を変更し再予測する再予測処理の流れを説明するフローチャート 分岐点Qと既得点列との角度を考慮して誘導方向を変更し再予測する再予測処理について説明する図 分岐点Qと既得点とを結ぶ距離の差に基づいて誘導方向を変更し再予測する再予測処理の流れを説明するフローチャート 分岐点Qと既得点とを結ぶ距離の差に基づいて誘導方向を変更し再予測する再予測処理について説明する図 再予測処理の結果を示す図 図4に示す予測点演算処理により求められた既得点列を元の2次元画像に重畳表示した図 既得点を中心として設定される切り出しROIについて説明する図 切り出しROI内のデータを使用して2次元画像を生成する際の処理の流れを説明する図 切り出しROI内のデータを使用して生成されたMIP画像 切り出しROI内のデータを使用して生成されたMIP画像と、周囲の2次元画像とを合成した2次元画像 誤って別の臓器上にプロットされた予測点を修正する修正処理の流れを説明するフローチャート 誤って別の臓器上にプロットされた予測点の一例 修正処理において操作者が入力するROI71を示す図
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の画像処理装置100を適用した画像処理システム1の構成について説明する。
図1に示すように、画像処理システム1は、表示装置107、入力装置109を有する画像処理装置100と、画像処理装置100にネットワーク110を介して接続される画像データベース111と、医用画像撮影装置112とを備える。
画像処理装置100は、画像生成、画像解析等の処理を行うコンピュータである。画像処理装置100は、図1に示すように、CPU101(Central Processing Unit)101、主メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース(通信I/F)104、表示メモリ105、マウス108等の外部機器とのインタフェース(I/F)106を備え、各部はバス113を介して接続されている。
CPU101は、主メモリ102または記憶装置103等に格納されるプログラムを主メモリ102のRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス113を介して接続された各部を駆動制御し、画像処理装置100が行う各種処理を実現する。
またCPU101は、2次元画像に含まれる血管の走行を明瞭に表示するために、血管上に点を描く(プロット)処理である予測点演算処理(図2参照)を実行する。予測点演算処理の詳細については後述する。
主メモリ102は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。ROMはコンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。また、RAMは、ROM、記憶装置103等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、CPU101が各種処理を行う為に使用するワークメモリ領域を備える。
記憶装置103は、HDD(ハードディスクドライブ)や他の記録媒体へのデータの読み書きを行う記憶装置であり、CPU101が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OSに相当する制御プログラムや、アプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、CPU101により必要に応じて読み出されて主メモリ102のRAMに移され、各種の手段として実行される。
通信I/F104は、通信制御装置、通信ポート等を有し、画像処理装置100とネットワーク110との通信を媒介する。また通信I/F104は、ネットワーク110を介して、画像データベース111や、他のコンピュータ、或いは、X線CT装置、MRI装置等の医用画像撮影装置112との通信制御を行う。
I/F106は、周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器とのデータの送受信を行う。例えば、マウス108やスタイラスペン等のポインティングデバイスをI/F106を介して接続させるようにしてもよい。
表示メモリ105は、CPU101から入力される表示データを一時的に蓄積するバッファである。蓄積された表示データは所定のタイミングで表示装置107に出力される。
表示装置107は、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路で構成され、表示メモリ105を介してCPU101に接続される。表示装置107はCPU101の制御により表示メモリ105に蓄積された表示データを表示する。
入力装置109は、例えば、キーボード等の入力装置であり、操作者によって入力される各種の指示や情報をCPU101に出力する。操作者は、表示装置107、入力装置109、及びマウス108等の外部機器を使用して対話的に画像処理装置100を操作する。
ネットワーク110は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、インターネット等の各種通信網を含み、画像データベース111やサーバ、他の情報機器等と画像処理装置100との通信接続を媒介する。
画像データベース111は、医用画像撮影装置112によって撮影された画像データを蓄積して記憶するものである。図1に示す画像処理システム1では、画像データベース111はネットワーク110を介して画像処理装置100に接続される構成であるが、画像処理装置100内の例えば記憶装置103に画像データベース111を設けるようにしてもよい。
次に、画像処理装置100が実行する予測点演算処理について説明する。
予測点演算処理とは、操作者が2次元画像上で指定した血管上の複数点の位置情報と所定の誘導条件に基づいて血管の走行方向を予測し、次の点位置(予測点)を順次求めてプロットする処理である。
画像処理装置100のCPU101は、主メモリ102から図4の予測点演算処理に関するプログラム及びデータを読み出し、このプログラム及びデータに基づいて処理を実行する。
なお、予測点演算処理の実行開始に際して、処理対象とする2次元画像の元となる3次元原画像データは画像データベース111等からネットワーク110及び通信I/F104を介して取り込まれ、画像処理装置100の記憶装置103に記憶されているものとする。
まず、画像処理装置100のCPU101は、例えば図2に示すような操作画面2を表示装置107に表示する。
操作画面2には、第1画像表示エリア21、第2画像表示エリア22、「演算」ボタン23、「終了」ボタン24、使用データ選択エリア25、サジタル選択エリア26、表示/修正操作エリア27、重ね合わせ表示選択エリア28、画像表示選択エリア29等が設けられる。
第1画像表示エリア21には、処理対象とする2次元画像が表示される。処理対象とする2次元画像は、CT画像やMR画像等の被検体断層像を積み上げてなる3次元原画像に基づいて生成される。例えば、MIP画像、デプス画像、レントゲン画像、サーフェイス3D画像等が好適である。以下の説明では、血管の観察に好適な画像の一例として骨を除去したMIP画像を用いる。第1画像表示エリア21に表示された2次元画像に対して、操作者により少なくとも2つ以上の点(既得点)が指定入力される。操作者は2次元画像の血管上の比較的近い2点を例えばマウス108のクリック操作により指定する。
第2画像表示エリア22には、予測点演算処理の処理結果として生成される画像や、第1画像表示エリア21に表示される2次元画像を別の投影方向から投影した2次元画像等が表示される。第2画像表示エリア22に表示する画像は、画像表示選択エリア29で選択できる。
画像表示選択エリア29は、第2画像表示エリア22に表示する画像を選択するエリアである。画像表示選択エリア29には、「A方向」、「B方向」、「A/切り出し 並列」、「B/切り出し 合成」、「B画像を動画」のように複数の選択肢がラジオボタンとともに表示される。「A方向」が選択された場合は、第1画像表示エリア21に表示されている画像と同様に第1の投影方向(便宜的にA方向と呼ぶ)から投影した2次元画像が表示される。「B方向」が選択された場合は、第1画像表示エリア21に表示されている画像と別の第2の投影方向(便宜的にB方向と呼ぶ)から投影した2次元画像が表示される。
「A/切り出し 並列」が選択された場合は、CPU101は第1画像表示エリア21に表示されている画像と同一の投影方向(A方向)であって、後述する切り出しROI内のデータを用いて生成された2次元画像(例えばMIP画像)を表示する(図16参照)。図2の操作画面2の第2画像表示エリア2は、この「A/切り出し 並列」が選択された状態を示している。
「B/切り出し 合成」が選択された場合は、CPU101は第1画像表示エリア21に表示されている画像と別の投影方向(B方向)の2次元画像と、上述の切り出しROI内のデータを用いて生成された2次元画像(例えばMIP画像)とを合成して表示する(図17参照)。
「B画像を動画」が選択されている場合は、CPU101は上述した切り出しROI内のデータを用いて生成された画像の投影方向を連続的に変化させた切り出し動画像を表示する。
「演算」ボタン23は、予測点演算処理の開始を指示する際に操作されるボタンである。
「終了」ボタン24は、予測点演算処理を終了する際に操作されるボタンである。
使用データ選択エリア25は、処理対象とする2次元画像を生成する際に使用する3次元原画像のデータ範囲を選択するための操作エリアである。選択肢として「全データ」、「分割データ」、及び「切り出しデータ」等が設けられる。
ここで、図3を参照して2次元画像を生成する際に使用するデータ範囲について説明する。
処理対象とする2次元画像(血管に点をプロットする画像)は、上述したように被検体の断層像を積み上げてなる3次元原画像のデータを使用して生成される。使用データ選択エリア25の各選択肢は、3次元原画像の全範囲のデータである「全データ」を使用するか、所定の平面または曲面(以下、限定面という)で分割された「分割データ」を使用するか、一部のデータである「切り出しデータ」を使用するかを選択するためのものである。
一例として、MIP画像を生成する場合の使用データについて説明する。図3は、3次元原画像30と投影面S、Sとの位置関係の例を示している。被検体の体軸方向をZ軸、体幅方向をX方向、前後方向をY方向としている。
3次元原画像30は複数の断層像30a、30b、…30jを積み上げてなるボリュームデータである。処理対象とする2次元画像は、投影面及び投影方向を任意の位置及び方向に設定してよい。例えば、被検体の前から後ろ方向(A方向)に投影方向を設定し、投影方向に対して直交する面を投影面Sに設定する。或いは、被検体の左右方向(B方向)に投影方向を設定し、投影方向に対して直交する面を投影面Sに設定する。
頭部の血管31、32を描出する場合は、使用するデータ範囲のデータに対して骨除去処理を施した後にMIP処理することが好適である(骨抜きMIP処理)。骨除去処理とは、骨に該当する画素値の画素を除く処理である。MIP処理とは、投影方向で最大の画素値を投影面の該当する画素に投影する処理である。
操作画面2の使用データ選択エリア25において「全データ」が選択されている場合は、CPU101は3次元原画像30全体のデータを使用して骨抜きMIP処理を行う。「分割データ」が選択されている場合は、CPU101は3次元原画像30のデータのうち、例えば限定面βmからβnまでの間にあるデータを使用して骨抜きMIP処理を行う。限定面βm、βnは平面としてもよいし、曲面としてもよい。「切り出しデータ」が選択された場合は、CPU101は3次元原画像30に対して設定された3次元ROI内のデータを使用して骨抜きMIP処理を行う。
操作画面2には、上述の限定面βm、βnや3次元ROIをどの位置に設けるかを設定するためのGUI等を更に設けるようにしてもよい。また、血管31、32のうち一方の血管32を描出しようとする場合には、血管32を含むように限定面βm、βnや3次元ROIを設定することが望ましい。また、限定面βm、βnや3次元ROIは、操作者による点指定操作(クリック操作)に連動して設定されるようにしてもよい。すなわち、血管位置で操作者がマウス108をクリックすると、CPU101がクリック位置の座標値に基づいて2つの限定面βm、βnの位置を決定し、限定面βm、βnで挟まれる範囲を「分割データ」の範囲としてもよい。
サジタル選択エリア26は、サジタル断面のMIP画像を作成するときに用いる画像データの指定に関する設定を行うエリアである。「左」が選択されている場合は、CPU101はボリュームデータの左側半分を投影してMIP画像を作成する。「右」が選択されている場合は、CPU101はボリュームデータの右側半分を投影してMIP画像を作成する。「全」が選択されている場合は、CPU101はボリュームデータ全体を投影してMIP画像を作成する。「連動」が選択されている場合は、CPU101は予測点演算処理により求められた予測点を中心に設定した範囲を投影してMIP画像を作成する。特に、ボリュームデータの左側半分のデータを使用したMIP画像と、右側半分のデータを使用したMIP画像とを作成し、第1画像表示エリア21及び第2画像表示エリア22にそれぞれ表示すれば、左右比較をしながらの診断が可能となる。頭部は概ね左右対称であるので左右の画像が大きく異なっていれば異常の存在が分かり易くなる。また、データ全体を使用してMIP画像を作成した場合には、血管の走行が分かりにくい場合があるが、左右のデータのうちいずれか一方のデータに限定することにより血管の走行を予測しやすくなる。
表示/修正選択エリア27は、第1画像表示エリア21、第2画像表示エリア22に表示される各画像に、予測点演算処理の予測結果である既得点列を表示させるか、修正するかを選択入力するエリアである。「対応点表示」が選択されている場合は、CPU101は第1画像表示エリア21、第2画像表示エリア22に表示される各画像の対応点に既得点列を表示する。「対応点修正」は、第1画像表示エリア21、第2画像表示エリア22に表示されている既得点列を修正する場合に選択される。
重ね合わせ表示選択エリア28は、予測点演算の結果として得た既得点列をどのように表示するかを選択するための操作エリアである。「ずらす」が選択されると、CPU101は既得点列に対応する各点を所定の画素数だけ右または左にずらして表示する。何画素分ずらすかは、重ね合わせ表示選択エリア28内の数値入力欄にて指定可能である。既得点列を対象(血管)からずらして重ね合わせ表示することにより、元の画像の血管を観察しやすくなる。「真上」が選択されると、CPU101は既得点列に対応する点をずらさずに血管の上に表示する。
マウスポインタ8は、マウス108の移動操作に伴って移動される。第1画像表示エリア21に表示されている画像上でマウスポインタ8が任意の位置に移動され、マウス108の左ボタンが押下された場合は、CPU101はマウスポインタ8が指し示す位置の座標をクリックデータとして読み取る。
次に、図4のフローチャートを参照しながら、予測点演算処理について説明する。
CPU101は、まず操作画面2の第1画像表示エリア21に処理対象とする画像を表示する(ステップS101)。表示する画像は、上述したように、X線CT装置やMR装置、或いは超音波装置等により被検体の内部を計測した3次元原画像(ボリュームデータ)に基づいて生成される2次元画像である。例えば、MIP画像、デプス画像、レントゲン画像等が表示される。
図2の操作画面2の例では、骨除去MIP処理したMIP画像が第1画像表示エリア21に表示されている。このMIP画像は、被検体の頭部の前後方向(Y方向)を投影方向、投影面をX−Z面としている。なお、上述したように投影方向及び投影面は任意の位置及び方向を投影面としてよい。例えば、被検体の左右方向(X方向)を投影方向とし、投影面をY-Z面としてもよい。また、本実施形態では処理対象を頭部として説明するが、本発明の適用範囲は頭部に限定されず、その他の部位を処理対象としても良い。
CPU101は、第1画像表示エリア21に表示されているMIP画像に対するクリック操作を検知すると(ステップS102;Yes)、クリックされた点Pの2次元座標位置を最初の既得点として読み込む(ステップS103)。なお、本実施形態では点を指定する操作の一例として「クリック」操作を例示しているが、「クリック」操作に限定されるものではなく、その他の方法でもよい。入力装置109としてタッチパネルを使用する場合は、クリックに該当する操作として例えば「タップ」操作等も含まれる。
また、CPU101は、第1画像表示エリア21に表示されているMIP画像に対する2回目のクリック操作(点指定操作)を検知すると、クリックされた点の2次元座標位置を2番目の既得点Pとして読み込む(ステップS104)。一般には、n回目のクリック操作(点指定操作)をn番目の既得点として読み込む。
クリック操作により指定されたn個(少なくとも2個)の既得点の2次元座標情報を読み込むと、CPU101は読み込んだ既得点の2次元座標情報と誘導条件に基づいて予測点を演算する(ステップS105)。
図5は、MIP画像に描画されている血管5を対象とする予測点演算の具体的な方法を説明する図である。
図5の黒丸で示す各点はクリックにより指定された点である。点Pは1回目のクリック操作による指定点、点Pは2回目のクリック操作による指定点である。以下、クリック操作により指定された点を「クリック点」と呼ぶ。
CPU101は既得点P、Pの並び方(位置情報)と誘導条件に基づいて既得点Pの次の点Pの位置を予測する。
点Pまでが既得点として指定(或いは予測)され、次の点Pn+1を探索する場合の誘導条件を以下に示す。
(a)1つ前の既得点Pn−1を含まない角度範囲であって、点Pから所定距離離れた距離範囲を探索範囲とする。
(b1)処理対象となる2次元画像がMIP画像の場合は、画素値が最大となる画素を含む角度を誘導方向とする。
(b2)処理対象となる2次元画像がデプス画像の場合は、画素値(デプス距離)が極大または極小となる画素を含む角度を誘導方向とする。
(b3)処理対象となる2次元画像がレントゲン画像(ray sum画像)の場合は、画素値が最大または最小となる画素を含む角度を誘導方向とする。
図5に示す「×」マークはサンプリング点S、S、S、Sである。CPU101は、既得点の終点P(図5ではP)を基点として所定の探索範囲内の複数の方向に1または複数のサンプリング点S(またはS、S、S、S)を設定する。そして、サンプリング点S(またはS、S、S、S)の画素値を取得する。CPU101は、サンプリング点の画素値が誘導条件に合致するか否かを判別する。誘導条件に合致する場合は、点Pからサンプリング点へ向かうベクトルを誘導方向とする。そして、誘導方向にある点であって点Pから所定距離離れた点を予測点とする。
図5を参照して具体的に説明する。
CPU101は、まず探索範囲を設定する。探索範囲は、既得点Pの一つ前の点Pを含まない角度範囲54であって、点Pから所定距離離れた範囲とする。角度範囲54の設定例としては、例えば、既得点の終点(図5の例では点P)とその一つ手前の既得点(図5の例では点P)とを結ぶ直線に直交し、点Pを通る直線上であって、少なくとも着目する血管の幅を除く点を設定範囲54の端部53、55とする。或いは、点Pから点Pに向かうベクトルの方向を前方とし、点Pを基点とする視野範囲(180°+α)を角度範囲54としてもよい。
CPU101は、設定した角度範囲54内であって、点Pから所定の距離だけ離れた位置にある点をサンプリング点Sとして同心円状に走査する。複数のサンプリング点に基づいて誘導方向を探索する場合は、点Pからそれぞれ所定距離だけ離れた位置にある複数の点をサンプリング点S、S、S、S,…として同心円状に走査する。CPU101は、各サンプリング点S(、S、S、S、…)からは画素値情報を取得する。
そして、各サンプリング点S(、S、S、S、…)の画素値情報のうち上記条件(b1)〜(b3)を満たす点を探索する。
処理対象とする画像がMIP画像の場合は、CPU101は各サンプリング点S(、S、S、S,…)の画素値が最大となる角度を見つける。この角度を誘導方向とする(上述の誘導条件(b1))。
一つのサンプリング点Sの情報に基づいて上記誘導条件を判定する場合は、探索する角度範囲54から画素値最大となるサンプリング点Sを見つけて、その角度方向を予測点の誘導方向とする。
複数のサンプリング点S、S、S、S,…に基づいて上記誘導条件を判定する場合は、既得点の終点(図5の点P)から同一方向であって距離の異なる複数のサンプリング点S、S、S、S、…を参照し、各サンプリング点の画素値の平均値に基づいて上記条件を満たす角度を見つける。なお、サンプリング点数は任意である。おおむね10個〜50個程度が望ましい。また、複数の点からサンプリングした画素値の平均値を判定パラメータとする場合は、平均値が大きいもの(或いは小さいもの)を上記条件を満たす角度として決定する。更に、サンプリングした画素値の標準偏差を判定パラメータに含めてもよい。この場合は、平均値が大きく、標準偏差が小さいものを上記条件を満たす角度として決定する。
更に、誘導条件(b1)〜(b3)は組み合わせて判定してもよい。
この場合、(b1)、(b2)、(b3)で異なる誘導方向が得られた場合は、例えば、各誘導条件で得られる結果(誘導方向)のうち、近い結果のものがあれば、それらの平均を誘導方向とする。或いは、誘導条件に優先順位を設けておき、優先順位の高い条件から得られる結果を採用するようにしてもよい。
CPU101は、探索範囲内に誘導条件を満たす点を見つけると(ステップS106;Yes)、この点(予測により求めた予測点)を既得点Pとする(ステップS107)。なお、予測演算の結果、求められた点を「予測点」と呼ぶが、これは「クリック点」と区別するための呼び方である。「予測点」及び「クリック点」は、いずれも同様に「既得点」としてCPU101に認識される。
CPU101はステップS105へ戻り、次の予測点Pの演算を行う。次の予測点Pを演算する際も、上述の処理と同様に既得点Pとその直前の既得点Pの位置情報及び画素値情報に基づいて次の予測点Pを予測する。これを上記誘導条件を満たす点がなくなるまで繰り返す(ステップS105〜ステップS107)。
なお、n+1番目の予測点Pn+1を予測する際は、上述したように、既得点Pとその一つ手前の点Pn−1との位置関係を参照してもよいが、最大n個の既得点P〜Pの位置関係を参照してもよい。
以上のようにして、CPU101は、誘導条件を満たす予測点を順次繰り返し探索する。
探索範囲内に誘導条件を満たす予測点を見つけられない場合は(ステップS106;No)、予測点の演算を終了する。そしてCPU101は、ステップS106までの処理で得た既得点列(P、P、…、P、Pn+1、…)を第1画像表示エリア21に表示されている2次元画像に重ねて表示する(ステップS108)。
図6の黒丸P、Pはクリック点、白丸P、P、P、・・・は算出された予測点を示している。
なお、各クリック点及び予測点(既得点列)の間を補間して、点数を多く表示しても良い。既得点列の表示態様については後述する。
図2の操作画面2に示すように、第2画像表示エリア22に第1画像表示エリア21の画像とは異なる種類の画像を表示するようにしてもよい。図2の例では、第2画像表示エリア22には、切り出しMIP画像が表示されている。切り出しMIP画像は既得点列の周囲に設定された3次元ROIを処理範囲としてMIP処理された画像である。切り出しMIP画像については後述する。
このように、本発明に係る画像処理装置100は、血管上の少なくとも2点を操作者が指定すると、指定された複数点の位置情報を参照して所定の誘導条件に基づいて次の点位置を予測する。これを繰り返すことにより、血管の走行に沿って点を前進させることができる。そして、予測の結果得られた各既得点は2次元画像の対応する位置に重畳表示される。このため、血管の位置が明瞭に表示されることとなる。複数の既得点の位置を参照して次の点を予測してプロットするため、複数の血管が重なっている領域でも、1本の血管を取り出してその血管の走行に沿ってプロットすることが可能であり、血管走行を明瞭に示すことが可能となる。
図4のステップS109以降の処理は、ステップS107までの処理で得た予測点(既得点)の誘導方向を修正して、操作者が指定した分岐点の誘導方向に再予測して予測点を前進させる処理(再予測処理)である。
図7は、血管5が矢印51の方向と矢印52の方向とに分岐している。そして図4のステップS107までの処理で矢印52の方向に予測点P〜P10が前進した状態を示している。
予測点の誘導方向を矢印51の方向に修正する場合は、操作者は誘導方向としたい血管の付け根(分岐点)でクリック操作する。
CPU101は、予測点の予測がある程度進行した状態でクリック操作を検知すると(ステップS109;Yes)、クリックされた点を分岐点Qとして、その2次元座標情報を読み込む(ステップS110)。
そして、分岐点Qの位置に基づいて既得点列のどの点から先を修正するかを決定する。そして修正すべき既得点の位置を再予測する(ステップS111)。
以下、再予測処理(ステップS111)について説明する。
分岐点Qでの再予測の方法としては、以下の2つの方法が考えられる。
(1)既得点列と分岐点との角度に基づいて再予測する方法
(2)既得点と分岐点との距離の差分に基づいて再予測する方法
既得点列とは、分岐点がクリックされた段階で既に求められている既得点の集合(ステップS107の処理により「既得点」と認識されている点の集合)、またはこれらの既得点を結ぶ線のことをいう。
まず、図8及び図9を参照して、上述の(1)既得点列と分岐点との角度に基づいて再予測する方法について説明する。
CPU101は、まず分岐点としてクリックされた点Qから近傍にあるいくつかの各既得点に向けて直線を下す。そしてこの直線と既得点同士を結ぶ線(既得点列)とのなす角度θを求める。図9には、分岐点Qと既得点Pとを結ぶ直線と既得点列との角度と、分岐点Qと既得点Pn+1とを結ぶ直線と既得点列との角度とが例示されている。
CPU101は、θ>90°であって、分岐点Qに最も近い既得点Pを見つける(ステップS201)。
図9に示すように、上記条件(θ>90°、かつ分岐点Qに最も近い)を満たす既得点はPである。
CPU101は、上記条件を満たす点Pを見つけると、点Pより先の(番号が大きい)既得点Pn+1、Pn+2、…を削除する(ステップS202)。
次にCPU101は、分岐点Qをn+1番目の既得点Pn+1に再設定する(ステップS203)。その後、次の点Pn+2を再予測する。
つまり、分岐点Qを既得点Pn+1とし、既得点P→分岐点Q(既得点Pn+1)の順に点列がつながるようにする。そして、少なくとも既得点P、Pn+1(分岐点Q)の位置情報と上述の誘導条件に基づいて、次の予測点を求める。既得点Pより手前の(番号が小さい)既得点の位置情報を参照してもよい。このようにして、図7の矢印51の方向に誘導方向が変更される。
CPU101は予測点の演算を続行する(ステップS204)。予測点の演算方法は図3のステップS105〜ステップS107と同様である。
次に、図10、図11を参照して、上述の(2)既得点列に含まれる既得点と分岐点との長さの差分に基づいて再予測する方法について説明する。
まず、CPU101は、隣り合う2つの既得点P、Pi+1について分岐点Qからの長さの差(R−Ri+1)を求める。そして、長さの差(R−Ri+1)が正、かつ最小となる点Pを見つける(ステップS301)。
「長さの差」により分岐点Qの一つ手前の既得点を見つける理由は、もし「長さ」に基づいて決定すると、例えば図11の点Pi+1のように分岐点の直近の点で接続されてしまい、急カーブになる。多くの血管のカーブ形状としてはふさわしくないからである。
次にCPU101は、ステップS301の条件を満たす点P以降の予測点(既得点)Pi+1、Pi+2、…を削除する(ステップS302)。
次にCPU101は、分岐点Qをi+1番目の既得点Pi+1に再設定する(ステップS303)。その後、次の点Pi+2を再予測する。
つまり、分岐点Qを既得点Pi+1とし、少なくとも既得点P、Pi+1の位置情報と上述の誘導条件に基づいて次の予測点を求める。既得点Pより手前の既得点の位置情報を参照してもよい。図7の矢印51の方向が誘導方向となる。
CPU101は、予測点の演算を続行する(ステップS304)。予測点の演算方法は図3のステップS105〜ステップS107と同様である。
クリックされた分岐点の位置での既得点の再予測が終了すると、図4のフローチャートのステップS108へ戻り、再予測により得た既得点を表示する。
図12に、分岐点Qで誘導方向を修正し、再予測する処理の結果を示す。
図12の「×」マークは図8のステップS202、または図10のステップS302で削除した点、「○」は予測点、「●」はクリック点である。
図4のステップS108で予測結果を表示する際、予測点とクリック点とを異なる色やマークで表示しても良い。削除点は、図12に示すようにマークを表示してもよいし、非表示としてもよい。
このように、既得点列に含まれない分岐点を操作者が指定すると、画像処理装置100は、指定された分岐点と各既得点との位置関係に基づいて分岐点以降の点の誘導方向を修正して再予測する。このため、予測が誤った場合にも、数少ない操作で誘導方向を改めて、点を前進させることができるようになる。
図13は、2次元画像上に重ねて表示されている既得点列の例を示している。
図2に示す操作画面2の重ね合わせ表示エリア28で「ずらす」が選択されている場合は、図13に示すように、CPU101は既得点列に対応する点を所定の画素数だけ右または左にずらして表示する。操作画面2の重ね合わせ表示エリア28で「真上」が選択されている場合は、CPU101は既得点列に対応する点をずらさずに表示する。すなわち、血管の真上に既得点列を示す点群が表示される。
ステップS108の既得点表示処理における表示形態の別の例について、図14〜図17を参照して説明する。
図14は切り出しROI35a〜35jについて説明する図、図15は切り出しROI内のデータを用いて2次元画像を生成・表示する処理の手順を説明するフローチャートである。
図15のフローチャートに示すように、既得点列が求められると、CPU101は各既得点の3次元位置情報を取得する。そして、3次元原画像30から既得点を中心として3次元ROIを切り出す(ステップS401)。具体的には、図14に示すように、CPU101は、3次元原画像30の各断層像30a、30b、・・・30jからそれぞれ各既得点を中心とする2次元ROI35a、35b、・・・35jを切り出す。2次元ROI35a、35b、・・・35jを積み重ね上げたものが切り出し3次元ROIである。2次元ROI35a、35b、・・・35jの形状は、図14の例では円形としているが、矩形やその他の図形、或いは任意形状としてもよい。また、既得点を含み血管の画素値を示す画素範囲を抽出してもよい。なお、図14の例では、3次元ROIの形状は既得点列に沿って湾曲した管状となるが、その他の形状としてもよい。例えば、球、直方体、円柱等となるように3次元ROIを設定してもよい。
3次元ROIを切り出すと、CPU101は切り出したROI内のデータを使用して2次元画像を生成する。生成する画像は、MIP画像や陰影付け3D回転画像等が好適である(ステップS402)。陰影付け3D回転画像とは、切り出しROI内のデータを用いて生成される陰影付け3D画像の投影方向を連続的に変化させ、回転させて表示する動画像である。
CPU101はステップS402で生成した2次元画像を、操作画面2の第2画像表示エリア22(図2参照)に表示する(ステップS403)。
切り出しROI内のデータのみを使用して生成したMIP画像の例を図16に示す。除去しそこなった骨の影響がほとんど無いので、血管を明瞭に表示できる。
また、図17に示すように、切り出しROI内のデータを使用して生成したMIP画像を、周囲のデータを含めて生成したMIP画像に合成表示してもよい。図17は図14のB方向から、全データ範囲を使用して生成したMIP画像と、切り出しROI内のデータを使用して生成したMIP画像(図16のMIP画像)とを合成したものである。図17のように合成表示すると、血管を観察する際に周囲の臓器との位置関係が確認しやすくなる。
なお、図17に示す合成表示は、図2の操作画面2の画像表示選択エリア29にて「B/切り出し 合成」が選択されている場合に実行される。
次に、図18〜図20を参照して、図2の操作画面2の表示/修正選択エリア27において、「対応点修正」が選択されている場合に実行される修正処理について説明する。
図18のフローチャートに示すように、まずCPU101は、既得点の対応点をMIP画像上に重ね合わせ表示する(ステップS501)。このステップは図4のステップS108に対応する。
図19の例では、既得点列のうち矢印で示す点は血管以外の臓器上に誤って予測された点である。MIP画像では投影線上で最大値を持つ画素であれば採用となるので、血管陰影中に骨等の陰影が混在している場合がある。そのため、骨の方向に誤って予測点が誘導されることがある。これは誘導条件に「画素値最大」の条件が含まれるためである。
誤って予測された点を修正する場合、CPU101はROIの設定を受け付ける(ステップS502)。図20の「○」は既得点である。図20に示すように、操作者は修正しようとする点Pn−1、Pを囲むようにROI71を設定する。
CPU101はROI71内の既得点を削除し、ROI71の外側の隣接点の情報に基づいて削除した既得点の代わりの点を補間する(ステップS503)。図20の例では、ROI71内の既得点Pn−1、Pを削除し、ROI外の両隣の既得点Pn−2、Pn+1の座標情報で補間して修正点を求める。図20の「△」はそれぞれPn−1、Pに対応する修正点である。
なお、修正する点は操作者が設定するのではなく、CPU101が自動検出するようにしてもよい。例えば、隣り合う既得点との距離(3次元の距離)が所定の値より大きい場合は、その既得点を削除する。そして、CPU101は両隣の既得点の座標情報に基づいて補間することにより修正点を求める。既得点同士がどの程度離れると修正対象とするかは操作者が任意に設定してよい。例えばサンプリング点間の距離に所定の係数を乗じた値等とすればよい。
また、CPU101は、既得点列の近似曲線を求め、この近似曲線から所定距離以上外れた点を修正対象としてもよい。
これにより、予測により得た既得点を簡単な操作で修正することができる。
以上説明したように、本発明の画像処理装置100は、3次元原画像に基づいて生成された2次元画像を表示装置107に表示し、2次元画像上の複数の点をクリック等の操作により指定すると、指定された複数点を既得点とし、既得点の位置情報及び所定の誘導条件に基づいて次の点の位置を予測する。そして予測した点を既得点に含め、上述の誘導条件が不成立となるまで次の点の位置の予測を繰り返し行う。更に、既得点を元の2次元画像上に重畳表示したり、別の画像の対応する位置に重畳表示する。
また、予測点演算処理により得た既得点列とは別の誘導方向に前進させたい場合は、画像処理装置100は再予測処理を行う。再予測処理では、既得点列に含まれない分岐点の指定を受け付け、指定された分岐点と上述の既得点列に含まれる各点との位置関係に基づいて既得点列の方向を修正する。
これにより、少ないクリック操作数で血管の走行を予測してプロットすることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1・・・・・・・・・画像処理システム
100・・・・・・・画像処理装置
101・・・・・・・CPU101
102・・・・・・・主メモリ
103・・・・・・・記憶装置
104・・・・・・・通信I/F
105・・・・・・・表示メモリ
106・・・・・・・I/F
107・・・・・・・表示装置
108・・・・・・・マウス
109・・・・・・・入力装置
110・・・・・・・ネットワーク
111・・・・・・・画像データベース
112・・・・・・・医用画像撮影装置
113・・・・・・・バス
2・・・・・・・・・操作画面
21・・・・・・・・第1画像表示エリア
22・・・・・・・・第2画像表示エリア
23・・・・・・・・演算ボタン
24・・・・・・・・終了ボタン
25・・・・・・・・使用データ選択エリア
26・・・・・・・・サジタル選択エリア
27・・・・・・・・表示/修正選択エリア
28・・・・・・・・重ね合わせ表示選択エリア
29・・・・・・・・画像表示選択エリア
30・・・・・・・・3次元原画像
30a〜30j・・・断層像
31、32・・・・・血管
35a〜35j・・・切り出しROI
5・・・・・・・・・血管
51・・・・・・・・第1の血管走行方向
52・・・・・・・・第2の血管走行方向
53、55・・・・・探索範囲の端部
54・・・・・・・・探索範囲(角度範囲)
71・・・・・・・・ROI(修正範囲)
8・・・・・・・・・マウスポインタ
、S・・・・・・投影面
βm、βn・・・・・限定面
〜P・・・・・既得点
Q・・・・・・・・・分岐点
〜S・・・・・・サンプリング点

Claims (13)

  1. 被検体を撮影した複数の断層像を積み重ねた3次元原画像に基づいて生成された2次元画像を表示する画像表示部と、
    前記2次元画像上の複数の点の指定を受け付ける入力部と、
    前記入力部で指定された複数点を既得点とし、既得点の位置情報及び所定の誘導条件に基づいて次の点の誘導方向及び位置を予測する予測点演算部と、
    前記予測点演算部により予測された点を既得点に含め、前記誘導条件が不成立となるまで次の点の位置の予測を繰り返し行う演算制御部と、
    前記既得点を前記2次元画像に重畳表示する既得点表示部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記既得点がなす既得点列に含まれない分岐点の指定を受け付ける分岐点入力部と、
    前記分岐点入力部で指定された分岐点と各既得点との位置関係に基づいて分岐点以降の点の誘導方向を修正して予測する再予測部と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記再予測部は、前記分岐点から前記既得点に下した直線と前記既得点列とのなす角度θが90度より大きくなる既得点であって、前記分岐点に最も近い点Pを選出し、選出した既得点Pの先に設定されている既得点Pn+1、Pn+2、・・・を削除し、前記分岐点を分岐先の次の既得点Pn+1に設定して、次の点の誘導方向及び位置を再予測することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記再予測部は、連続する2つの既得点Pi+1、Pと前記分岐点との各距離の差(Ri+1−R)が正かつ最小となる既得点Pを選出し、選出した既得点Pの先に設定されている前記既得点列中の既得点Pi+1、Pi+2、・・・を削除し、前記分岐点を分岐先の次の既得点Pi+1に設定して、次の点の誘導方向及び位置を再予測することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記誘導条件は、前記2次元画像の種類に応じた画素値情報に関する条件であり、
    前記予測点演算部は、前記既得点列の終点のひとつ手前の既得点を含まない角度範囲を探索範囲として次の点の誘導方向及び位置を予測することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記誘導条件は、
    前記2次元画像がMIP画像の場合は画素値が最大であることであり、
    前記2次元画像がデプス画像の場合は画素値であるデプス値が極大または極小であることであり、
    前記2次元画像がレントゲン画像の場合は画素値が最大または最小であることとし、
    前記予測点演算部は前記誘導条件に基づいて次の点の誘導方向及び位置を予測することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記既得点列のうち一部の点の指定を受け付ける既得点指定入力部と、
    前記既得点指定入力部で指定された既得点を消去し、消去した既得点の前後の既得点の3次元位置情報に基づいて消去した既得点の代わりの点の位置を補間する点位置修正部と、
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  8. 前記既得点列に含まれる既得点のうち、位置を修正する既得点を所定の条件判断により決定する修正点決定部と、
    前記修正点決定部により決定された既得点を消去し、消去した既得点の前後の既得点の3次元位置情報に基づいて消去した既得点の代わりの点の位置を補間する点位置修正部と、
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  9. 前記既得点列を中心として前記3次元原画像に3次元ROIを設定するROI設定部と、
    前記ROI設定部により設定された3次元ROI内のデータを使用して結果表示用画像を生成する画像生成部と、
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  10. 前記3次元原画像のデータのうち前記入力部で指定された複数の点位置に連動して設定される分割領域内のデータを使用して、前記2次元画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  11. 前記2次元画像を生成するために使用するデータ範囲を前記3次元原画像の全データ範囲とするか、所定の面で分割された分割データ範囲とするか、一部の切り出されたデータ範囲とするかを選択するデータ範囲選択部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  12. 前記既得点表示部は、前記既得点列を前記2次元画像に重畳表示する際に、前記既得点列を所定画素数だけずらして表示することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  13. コンピュータを用いて画像上に予測点をプロットする予測プロット方法であって、
    被検体を撮影した複数の断層像を積み重ねた3次元原画像に基づいて生成された2次元画像を表示する画像表示ステップと、
    前記2次元画像上の複数の点の指定を受け付ける入力ステップと、
    指定された複数点を既得点とし、既得点の位置情報及び所定の誘導条件に基づいて次の点の誘導方向及び位置を予測し、予測された点を既得点に含め、前記誘導条件が不成立となるまで次の点の位置の予測を繰り返し行う演算制御ステップと、
    前記既得点を前記2次元画像に重畳表示する既得点表示ステップと、
    を含むことを特徴とする予測プロット方法。
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