JP5534580B2 - 医用画像表示装置及び医用画像表示方法 - Google Patents

医用画像表示装置及び医用画像表示方法 Download PDF

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Description

本発明はX線CT装置、MRI装置、超音波装置、核医学診断装置を含む医用画像診断装置から得られた医用画像を表示する医用画像表示装置および医用画像の表示方法に係り、管腔臓器を抽出して表示する技術に関する。
医用画像診断装置から得られた医用画像の中から注目臓器領域を抽出する方法として、特許文献1に開示されているような注目画素とその周辺画素との画素値の連続性を利用する方法や、操作者のマウス操作等により画像上に描画された関心領域内を注目臓器領域とする方法がある。
注目管腔臓器の芯線を抽出する方法としては、例えば特許文献1に記載の方法を用いてあらかじめ抽出された注目管腔臓器領域について、非特許文献1に開示されているような細線化と呼ばれる手法によるものがある。
特許第4219456号公報
T.Saito, K.Mori and J.Toriwaki, "A Sequential Thinning Algorithm for Three Dimensional Digital Pictures Using the Euclidean Distance Transformation and Its Properties" ,信学論D‐II,Vol.J79‐D‐II, No.10, pp.1675‐1685(1996).
しかしながら、注目臓器領域を抽出するときに、前記周辺画素値との連続性を利用する方法は、注目臓器の周辺に同等の画素値をもつ他の組織が存在し、画像ノイズ、アーチファクトなどにより注目臓器と他の組織が1画素でもつながってしまうと、注目臓器領域以外が過剰に抽出される。このような過剰に抽出された領域の修正に膨大な作業を要するという課題があった。
また、前記関心領域を用いて注目臓器領域を抽出する方法は、ほとんどの場合、複数の関心領域を描画する必要があり、作業が煩雑であるという課題は未解決であった。
注目管腔臓器の芯線を抽出するときに細線化と呼ばれる手法を用いた場合、腸管のように管腔臓器内壁が複雑に入り組んでいる臓器において、芯線が分岐のない1本の曲線にはならず、入り組んでいる領域に分岐するという課題があった。
そこで本発明は、少ない作業量で、周辺組織や画像ノイズの影響を受けずに観察対象となる管腔臓器の芯線を抽出可能な医用画像表示装置及び医用画像表示方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、管腔臓器を含む断面像上若しくは3次元画像上で移動操作される関心領域の移動情報に基づき作成された3次元関心領域に基づいて芯線を抽出する医用画像表示装置及び医用画像表示方法である。
具体的には、被検体の管腔臓器を含む断面像若しくは前記断面像に基づき作成された3次元画像を表示する表示部を備えた医用画像表示装置であって、前記断面像若しくは前記3次元画像上に関心領域を設定する関心領域設定部と、前記関心領域の移動操作情報を取得する移動操作情報取得部と、前記移動操作情報に基づき前記関心領域の位置情報及び形状情報を更新する関心領域更新部と、更新された関心領域の位置情報及び形状情報を更新される毎に記憶する記憶部と、更新される毎に記憶された位置情報及び形状情報を連結して3次元関心領域を作成する3次元関心領域作成部と、前記3次元関心領域に基づき前記管腔臓器の芯線を抽出する芯線抽出部を備えることを特徴とする。
また、被検体の管腔臓器を含む断面像若しくは前記断面像に基づき作成された3次元画像を表示する表示ステップを備えた医用画像表示装置であって、前記断面像若しくは前記3次元画像上に関心領域を設定する関心領域設定ステップと、前記関心領域の移動操作情報を取得する移動操作情報取得ステップと、前記移動操作情報に基づき前記関心領域の位置情報及び形状情報を更新する関心領域更新ステップと、更新された関心領域の位置情報及び形状情報を更新される毎に記憶する記憶ステップと、更新される毎に記憶された位置情報及び形状情報を連結して3次元関心領域を作成する3次元関心領域作成ステップと、前記3次元関心領域に基づき前記管腔臓器の芯線を抽出する芯線抽出ステップを備えることを特徴とする。
本発明によれば、少ない作業量で、周辺組織や画像ノイズの影響を受けずに観察対象となる管腔臓器の芯線を抽出可能な医用画像表示装置及び医用画像表示方法を提供することができる。
本発明の医用画像表示装置のハードウェア構成 本発明の第1の実施形態の処理フロー 断面像の表示例 関心領域の輪郭線上の制御点の設定例 ステップ205の処理フロー 抽出された領域の表示例 マウスの操作方向の例 関心領域の移動例 変位幅の説明 バネモデルの説明 ポテンシャルエネルギーに基づいた制御点の変形 本発明の第2の実施形態の処理フロー ステップ1203の処理フロー 3次元画像上に設定された関心領域の例 ポテンシャルエネルギーの設定例
以下、添付図面に従って本発明に係る医用画像表示装置の好ましい実施形態について説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
図1は医用画像表示装置1のハードウェア構成を示す図である。医用画像表示装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、主メモリ3、記憶装置4、表示メモリ5、表示装置6、マウス8に接続されたコントローラ7、キーボード9、ネットワークアダプタ10がシステムバス11によって信号送受可能に接続されて構成される。医用画像表示装置1は、ネットワーク12を介して医用画像撮影装置13や医用画像データベース14と信号送受可能に接続される。ここで、「信号送受可能に」とは、電気的、光学的に有線、無線を問わずに、相互にあるいは一方から他方へ信号送受可能な状態を示す。
CPU2は、各構成要素の動作を制御する装置である。CPU2は、記憶装置4に格納されるプログラムやプログラム実行に必要なデータを主メモリ3にロードして実行する。記憶装置4は、医用画像撮影装置13により撮影された医用画像情報を格納する装置であり、具体的にはハードディスク等である。また、記憶装置4は、フレシキブルディスク、光(磁気)ディスク、ZIPメモリ、USBメモリ等の可搬性記録媒体とデータの受け渡しをする装置であっても良い。医用画像情報はLAN(Local Area Network)等のネットワーク12を介して医用画像撮影装置13や医用画像データベース14から取得される。また、記憶装置4には、CPU2が実行するプログラムやプログラム実行に必要なデータが格納される。主メモリ3は、CPU2が実行するプログラムや演算処理の途中経過を記憶するものである。
表示メモリ5は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置6に表示するための表示データを一時格納するものである。マウス8やキーボード9は、操作者が医用画像表示装置1に対して操作指示を行う操作デバイスである。マウス8はトラックパッドやトラックボールなどの他のポインティングデバイスであっても良い。コントローラ7は、マウス8の状態を検出して、表示装置6上のマウスポインタの位置を取得し、取得した位置情報等をCPU2へ出力するものである。ネットワークアダプタ10は、医用画像表示装置1をLAN、電話回線、インターネット等のネットワーク12に接続するためのものである。
医用画像撮影装置13は、被検体の断層画像等の医用画像情報を取得する装置である。医用画像撮影装置13は、例えば、MRI装置やX線CT装置、超音波診断装置、シンチレーションカメラ装置、PET装置、SPECT装置など、である。医用画像データベース14は、医用画像撮影装置13によって撮影された医用画像情報を記憶するデータベースシステムである。
次に第1及び第2の実施形態について図面を用いて説明する。なお、ここでは観察対象臓器として腸管(特に大腸)を観察する場合を例にとり説明する。対象とする臓器は腸管に限らず、心臓、肺、気管支、肝臓、腎臓や血管などの他の臓器でもよい。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について、図2〜11を用いて説明する。図2は本発明の第1の実施形態の処理フローの一例である。図2の各ステップについて以下に説明する。
(ステップ201)
CPU2は、操作者がマウス8やキーボード9を操作して選択した観察対象となる画像データを医用画像撮影装置13または医用画像データベース14からネットワーク12を介して取得する。
(ステップ202)
CPU2は、取得された画像データを用いて断面像や3次元画像を作成し、表示メモリ5を介して表示装置6に作成された断面像や3次元画像を表示させる。ここで、断面像とはステップ201で取得された3次元的に積層された医用画像データを任意の角度で切断したときの断面に相当する画像であり、3次元画像とはボリュームレンダリング法やサーフェイスレンリング法など種々の3次元画像再構成法を用いて作成された画像を指す。例えば、x軸、y軸、z軸それぞれの方向で断面像を作成し、図3に示すように同時に表示装置6に表示する。図3の例では、アキシャル像300、サジタル像301、コロナル像302を表示している。
(ステップ203)
CPU2は、操作者が行うマウス8やキーボード9の操作に基づき、ステップ202で表示されたアキシャル像300、サジタル像301、コロナル像302上に関心領域303を設定する。アキシャル像300、サジタル像301、コロナル像302上で操作者が行う操作は、マウスドラッグによる自由曲線の描画でも良いし、予め準備された楕円や長方形などの基本図形の大きさや向き、位置の調整でも良い。図3の例では、アキシャル像300、サジタル像301、コロナル像302上に設定された関心領域303を点線で示している。
(ステッS204)
CPU2は、ステップ203で設定された関心領域303の輪郭線上に制御点を設定する。図4(a)、(b)を用いて制御点の設定例を説明する。
図4(a)に示した関心領域303は円形状であり、重心401と輪郭線403を有する。重心401から複数の半直線402を放射状に等角度間隔で伸ばしたとき、各半直線402と輪郭線403との交点404を制御点とする。
また図4(b)に示した関心領域303の輪郭線403は点群405からなる。点群405の中から数点おきに制御点404を設定する。
(ステップ205)
CPU2は、観察対象となる臓器の領域抽出、もしくは観察対象となる臓器の芯線を抽出するために抽出処理を実行する。本ステップの詳細については、図5を用いて後述する。
(ステップ206)
CPU2は、ステップ205で抽出された領域もしくは芯線を表示装置6に表示させる。例えば、抽出された領域を、ステップ201で取得された画像データから作成された断面像上に重畳表示したり、ボリュームレンリングやサーフェイスレンリング法などの3次元画像再構成法を用いて3次元画像として表示したりする。
図6に表示例として、抽出された領域600をアキシャル像300、サジタル像301、コロナル像302上に半透明の色で重畳表示した重畳画像と、抽出された領域の3次元画像601を示す。なお、前記重畳画像と前記3次元画像は、同時に表示しても良いし、別々に表示しても良い。
さらに、図6に示したような重畳画像や3次元画像に、抽出された芯線を投影表示しても良い。
次に、ステップ205の詳細について図5を用いて説明する。
(ステップ501)
CPU2は、操作者が行うマウス8やキーボード9の操作に基づき、移動操作開始トリガを取得する。本ステップにおける操作者が行う操作とは、マウスボタンのボタンダウンや、キーボード9中の特定のキーを押すこと等であり、この操作が移動操作開始トリガとなる。CPU2は移動操作開始トリガを取得することにより、ステップ203で設定された関心領域を活性状態に遷移させる。ここで活性状態とは、本ステップ以降に行われるマウス8やキーボード9の操作に合わせて関心領域の位置や大きさを変えられる状態にあることである。関心領域が活性状態であるとき、活性状態であることを操作者に明示するために関心領域の輪郭線の色や線種を変更しても良い。
(ステップ502)
CPU2は、操作者が行うマウス8やキーボード9の操作に基づき、ポインティングデバイスのポインタ移動情報を取得する。本ステップにおける操作者が行う操作とは、マウスのドラッグ操作や、マウスホイールの回転操作、カーソルキー等の特定のキーを押すことである。また、ポインタ移動情報とは、ポインタの移動方向、移動量、移動速度である。操作者が行う操作とポインタ移動情報は予め関連付けられる。本実施形態では、ポインタの移動方向として、マウスのドラッグ操作は断面像と平行な方向に、マウスホイールの回転操作は断面像と垂直な方向に関連付けられる。例えば、表示中の画像に対して手前方向/奥方向へポインタを移動させる場合は、マウスホイールを順方向/逆方向に回転させる。またポインタの移動量は、マウスのドラッグ長さや、マウスホイールの回転量に関連付けられる。
このような関連付けに基づき、操作者が行う操作に応じたポインタの移動方向及び移動量が予め設定された時間間隔で取得される。一定の時間間隔でポインタの移動量を取得することで、ポインタの移動量をポインタの移動速度に換算することができる。
なお、操作者が行う操作とポインタの移動方向・移動量の関連付けは上記の説明に限定されるものではない。例えば、ポインタの移動方向として断面像と平行な方向をカーソルキーに、垂直な方向をマウスの左右ボタンに関連付けてもよい。また、ポインタの移動量としてカーソルキーやマウスのボタンを押している時間や押した回数に関連付けても良い。
(ステップ503)
CPU2は、ステップ502で取得したポインタ移動情報に基づき関心領域を断面像上で移動させる。例えば図7に示すようにコロナル像302上で701の方向にマウスのドラッグ操作が行われると、図8に示すように関心領域が800の位置から801の位置へ移動させられる。関心領域を移動させるときの基準点は、例えば関心領域の重心とし、移動前後の関心領域の基準点を結んだものが関心領域の移動ベクトルとなる。
さらに、マウスのドラッグ操作とともにマウスホイールの回転操作が行われた場合は、ドラッグ操作に対応する断面像平行ベクトル701と回転操作に対応する断面像垂直ベクトル702を加算することで得られる移動ベクトル703によって関心領域が移動させられる。このとき、複数の断面像を同時に表示している場合は、常にポインタが指す座標を含む断面を表示するように、操作者の行う操作に応じて各断面像を更新するようにしてもよい。
なおステップ502でポインタが移動できる範囲を、閾値処理等を用いて予め抽出した領域内に制限するようにしてもよい。ポインタが移動できる範囲を制限することにより、関心領域を過剰に移動させてしまう等の誤操作を低減できる。
(ステップ504)
CPU2は、ステップ502で取得したポインタ移動情報と関心領域周辺の画素値に基づき、移動後の関心領域を変形させる。関心領域の変形のさせ方の一例を説明する。
簡単のため、移動後の関心領域を移動ベクトル703の方向から見た場合を例にとり図9を用いて説明する。具体的には、ポインタの移動速度を基に、移動後の関心領域801において重心805に対する制御点804の相対的な位置が変動可能な幅を変位幅900として設定する。前記制御点804を中心に、移動速度が速い場合は前記変位幅900を小さく設定し、移動速度が遅い場合は前記変位幅900を大きく設定する。例えば、移動速度をvとして変位幅dを(1)式のように設定する。
Figure 0005534580
ここでαはあらかじめ経験的に設定された係数とする。
重心座標805から制御点804を通る半直線802上において、制御点804を中心として変位幅900の範囲の画素値プロファイル曲線901を取得する。取得した画素値プロファイル曲線901上の最適な画素へ制御点804を移動させることで関心領域を変形させる。ここで、最適な画素とは、画素値プロファイル曲線901上の極小値をもつ画素902にしてもよいし、極大値をもつ画素903にしてもよい。あるいは移動前の対応する制御点位置の画素値と最も近い画素値をもつ画素にしてもよい。さらには、前記極大値をもつ画素と極小値をもつ画素とを結ぶ線分の中点の画素としてもよい。
関心領域の変形後に重心座標を求めなおす。
(ステップ505)
CPU2は、移動後の関心領域の位置と形状を主メモリ3または記憶装置4に記憶させる。
(ステップ506)
CPU2は、操作者の操作に基づき、移動操作が終了したか否かを判定する。終了であれば関心領域を不活性状態に遷移させた後ステップ507へ進み、終了でなければステップ502へ戻る。
本ステップにおける操作者が行う操作とは、マウスボタンのクリックや、キーボード9中の特定のキーを押すこと等である。ここで不活性状態とは、マウス8やキーボード9の操作が行われても関心領域の位置や大きさを変えられない状態にあることであり、不活性状態であることを操作者に明示するために関心領域の輪郭線の色や線種をもとに戻しても良い。
(ステップ507)
CPU2は、主メモリ3または記憶装置4に記憶された関心領域群の位置と形状を補間処理により3次元的に連結し、1つの領域として3次元の関心領域を作成する。作成された3次元の関心領域は観察対象領域として設定されても良いし、作成された3次元の関心領域のうち予め設定された閾値範囲内の画素値をもつ領域を抽出して、抽出された領域が観察対象領域として設定されても良い。
また、関心領域群の各重心座標を補間処理により連結した曲線を観察対象の芯線とする。
以上の処理の流れを実行するにより、観察対象領域と芯線を抽出できる。ステップ504の関心領域変形時に変位幅と呼ばれる変形可能な範囲の制限を含むため、関心領域変形時にノイズや周辺組織の影響を受けにくく、結果的に画像ノイズや周辺組織の影響が少ない領域抽出が可能となる。また、領域抽出の過程で抽出した領域の重心を連結して芯線とするため、大腸のように、襞などの複数の構造物が入り組んで存在する臓器においても、それらの構造物の影響を受けにくい芯線算出を実現できる。また、関心領域を1つ1つ正確に描画する必要がないため、少ない操作数かつ高速で領域抽出や芯線算出が実現できる。
なお、ステップ504では変位幅を(1)式のように設定したが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示す各制御点1000間をバネ1001で接続したバネモデルを用いて、変位幅を設定しても良い。図10に示したバネモデルでは、各バネ1001には同一のバネ定数が与えられ、バネ1001の長さの初期値としてステップ204で設定された各制御点間の距離が与えられる。ステップ502からステップ506の処理が繰り返される間は、バネ1001の長さは1つ前の繰り返し処理で求められた各制御点間の距離に設定される。ここで、バネ定数kをポインタの移動速度vを基に(2)式のように設定する。
Figure 0005534580
ここでβは経験的に設定された係数とする。制御点がN個の場合、制御点iとi-1との間の距離とバネ901の長さの初期値との差(変位)をx(i)とすると、前記バネモデルによるポテンシャルエネルギーの総和Eは(3)式のようになる。
Figure 0005534580
一方、関心領域の重心805と制御点804(制御点iとする)とを結ぶ半直線802上の画素値プロファイル曲線1100を取得し、その曲線を図11で示すようにポテンシャルエネルギーui(j)(図11の1101)に変換する。例えば、画素値プロファイル曲線1100の各位置jでの微分値の絶対値をポテンシャルエネルギーui(j)とする。
ここでjは半直線802上の位置であり、各制御点iでのポテンシャルエネルギーui(j)の総和をUとする。
全制御点の位置の組み合わせにおいて全エネルギーEall((4)式)が最小となるように全制御点の位置の組み合わせを決定する。
Figure 0005534580
これにより、よリノイズや周辺組織の影響を受けにくい領域抽出処理、芯線抽出処理を実現できる。なお、エネルギー最小となる制御点の位置の組み合わせを算出する際に、各制御点が独立な位置関係をとるようにしてもよいし、たとえば全制御点が重心を中心とした円周上に乗るという制限内での位置の組み合わせを算出するようにしてもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について、図を用いて説明する。第1の実施形態では、医用画像から観察対象となる領域と芯線を同時に抽出する場合を例にとり説明した。本実施形態では、例えば大腸などの観察対象となる管腔臓器領域は既に抽出されている状態で、大腸襞などの構造物の影響を受けずに芯線を抽出する場合について説明する。図12に第2の実施形態の処理フローを示す。なお、第1の実施形態と同じ処理のステップについては説明を省略する。
(ステップ201〜202)
第1の実施形態と同じである。
(ステップ1201)
CPU2は、特許文献1に開示されているような注目画素とその周辺画素との画素値の連続性を利用する方法等を用いて観察対象となる領域を抽出する。なお、本ステップの抽出処理の代わりとして、ステップ202で表示された画像上に操作者のマウス操作等により描画された領域を観察対象となる領域としても良い。
(ステップ1202)
CPU2は、ステップ1201で抽出された領域を表示装置6に表示させる。例えば、抽出された領域を、ステップ201で取得された画像データから作成された断面像上に重畳表示したり、ボリュームレンリングやサーフェイスレンリング法などの3次元画像再構成法を用いて3次元画像として表示したりする。なお、前記重畳画像と前記3次元画像は、同時に表示しても良いし、別々に表示しても良い。
(ステップ203〜204)
第1の実施形態と同じである。ただし関心領域の設定に関しては、図14に示すように、ステップ1202で表示された3次元画像501中の抽出された領域1400に対し、関心領域1401を設定するようにしても良い。
(ステップ1203)
CPU2は、観察対象となる臓器の芯線を抽出するために抽出処理を実行する。本ステップの詳細については、図13を用いて後述する。
(ステップ1204)
CPU2は、ステップ1203で抽出された芯線を表示装置6に表示させる。例えば、図5に示したような重畳画像や3次元画像に、抽出された芯線を投影表示する。なお、前記重畳画像と前記3次元画像は、同時に表示しても良いし、別々に表示しても良い。
次に、ステップ1203の詳細について図13を用いて説明する。なお、図13に示した処理フローは図6に示した処理フローと一部重複するので、重複するステップについては説明を省略する。
(ステップ501〜503)
図6と同じである。
(ステップ1304)
CPU2は、ステップ502で取得したポインタ移動情報と周辺の画素値に基づき、移動後の関心領域を変形させる。関心領域の変形のさせ方は第1の実施形態と同様であるが、ポテンシャルエネルギーui(j)を以下のように設定してもよい。
関心領域の重心805と制御点804(制御点iとする)とを結ぶ半直線802上の位置に依存するポテンシャルエネルギーui(j)((図15の1501や1502)を設定する。ステップ1201で抽出された領域を500とし、領域内と領域外の境界で最もポテンシャルエネルギーが低くなるように設定する。大腸などのように分岐がない臓器には図15の1501に示すような制御点が領域内部に入るとポテンシャルエネルギーが高くなるよう設定するのが望ましい。一方、血管や気管支のように分岐がある臓器の場合は、図15の1502のように、領域内部においても境界付近であればポテンシャルが小さくなるように設定するのが望ましい。
第1の実施形態と同様に、全制御点の位置の組み合わせにおいて全エネルギーEall((4)式)が最小となるように全制御点の位置の組み合わせを決定する。
これにより、よリノイズや周辺組織の影響を受けにくい領域抽出処理、芯線抽出処理を実現できる。なお、エネルギー最小となる制御点の位置の組み合わせを算出する際に、各制御点が独立な位置関係をとるようにしてもよいし、たとえば全制御点が重心を中心とした円周上に乗るという制限内での位置の組み合わせを算出するようにしてもよい。
(ステップ505〜506)
図6と同じである。
(ステップ507)
CPU2は、主メモリ3または記憶装置4に記憶された関心領域群の各重心座標を補間処理により連結した曲線を観察対象の芯線とする。
以上の処理フローを実行することにより、襞などの構造物の多い大腸や、分岐の多い気管支、血管などにおいても、内部の様々な構造物や分岐の影響を受けずに、少ない作業量で、高精度に芯線を抽出することが可能となる。
1 医用画像表示装置、2 CPU、3 主メモリ、4 記憶装置、5 表示メモリ、6 表示装置、7 コントローラ、8 マウス、9 キーボード、10 ネットワークアダプタ、11 システムバス、12 ネットワーク、13 医用画像撮影装置、14 医用画像データベース

Claims (5)

  1. 被検体の管腔臓器を含む断面像若しくは前記断面像に基づき作成された3次元画像を表示する表示部を備えた医用画像表示装置であって、
    前記断面像若しくは前記3次元画像上に関心領域を設定する関心領域設定部と、
    前記関心領域の移動操作情報を取得する移動操作情報取得部と、
    前記移動操作情報に基づき前記関心領域の位置情報及び形状情報を更新する関心領域更新部と、
    更新された関心領域の位置情報及び形状情報を更新される毎に記憶する記憶部と、
    更新される毎に記憶された位置情報及び形状情報を連結して3次元関心領域を作成する3次元関心領域作成部と、
    前記3次元関心領域に基づき前記管腔臓器の芯線を抽出する芯線抽出部を備え
    前記移動操作情報取得部は前記移動操作情報として移動速度を取得し、
    前記関心領域更新部は、移動後の関心領域の周辺の画素値プロファイル曲線を取得する範囲を前記移動速度に応じて決定し、前記範囲で取得した画素値プロファイル曲線に基づいて前記関心領域の変形の程度を制御することを特徴とする医用画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の医用画像表示装置において、
    前記移動操作情報取得部は前記移動操作情報として、移動量、移動方向を含むことを特徴とする医用画像表示装置。
  3. 請求項に記載の医用画像表示装置において、
    前記関心領域更新部は前記移動速度が速い場合は前記範囲を小さくし、前記移動速度が遅い場合は前記範囲を大きくすることを特徴とする医用画像表示装置。
  4. 請求項1に記載の医用画像表示装置において、
    前記関心領域更新部は前記画素値プロファイル曲線の極値に基づいて前記関心領域の変形の程度を制御することを特徴とする医用画像表示装置。
  5. 被検体の管腔臓器を含む断面像若しくは前記断面像に基づき作成された3次元画像を表示する表示ステップを備えた医用画像表示方法であって、
    前記断面像若しくは前記3次元画像上に関心領域を設定する関心領域設定ステップと、
    前記関心領域の移動操作情報を取得する移動操作情報取得ステップと、
    前記移動操作情報に基づき前記関心領域の位置情報及び形状情報を更新する関心領域更新ステップと、
    更新された関心領域の位置情報及び形状情報を更新される毎に記憶する記憶ステップと、
    更新される毎に記憶された位置情報及び形状情報を連結して3次元関心領域を作成する3次元関心領域作成ステップと、
    前記3次元関心領域に基づき前記管腔臓器の芯線を抽出する芯線抽出ステップを備え
    前記移動操作情報取得ステップは前記移動操作情報として移動速度を取得し、
    前記関心領域更新ステップは、移動後の関心領域の周辺の画素値プロファイル曲線を取得する範囲を前記移動速度に応じて決定し、前記範囲で取得した画素値プロファイル曲線に基づいて前記関心領域の変形の程度を制御することを特徴とする医用画像表示方法。
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