JP2014150748A - 変異微生物、並びに、コハク酸の生産方法 - Google Patents

変異微生物、並びに、コハク酸の生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】合成ガス等からコハク酸を生産することができる一連の技術を提供する。
【解決手段】乳酸デヒドロゲナーゼ活性の欠損若しくは抑制、アセチルCoAハイドロラーゼ活性の欠損若しくは抑制、及びピルビン酸ギ酸リアーゼ活性の欠損若しくは抑制からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように遺伝子が改変され、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有し、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物からコハク酸を生産可能である変異微生物が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、一酸化炭素等の特定のC1化合物からコハク酸を生産可能な変異微生物、及び当該変異微生物を用いるコハク酸の生産方法に関する。
コハク酸は、樹脂原料、医療原料、メッキ薬、写真現像薬、調味料等に使用されている。コハク酸は、食品用を除いて、その大部分が石油から製造される無水マレイン酸の水素添加によって生産されている。しかしながら、近年、石油に依存した化学品プロセスの持続性が懸念される中、石油に依存しないコハク酸の製造法の確立が期待されている。
一方、コハク酸はTCA(トリカルボン酸)サイクルにおける代謝中間体の1つである。そして、微生物を用いたコハク酸の生産技術が開発されている。ここで、微生物によるコハク酸の生産性を向上させるためには、TCAサイクルの炭素供給量の向上と、TCAサイクル内でのコハク酸の蓄積が重要であるとされている。
TCAサイクルへの炭素供給を促すための技術として、乳酸デヒドロゲナーゼの活性抑制若しくは欠損(特許文献1,2)、アセチルCoAハイドロラーゼの活性抑制(特許文献3)、ピルビン酸ギ酸リアーゼの活性抑制若しくは欠損(特許文献4,5)、等の手法が知られている。
好気的条件下でTCAサイクル内でのコハク酸の蓄積を促すための技術として、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性の増強(特許文献6)、コハク酸デヒドロゲナーゼ活性の抑制(特許文献7)、等の手法が知られている。
一方、嫌気的(還元的)条件下、重炭酸イオンもしくは炭酸ガスを含む糖溶液内等で機能する還元型TCAサイクルにおけるコハク酸の蓄積を促すための技術として、フマル酸リダクターゼ活性の増強(特許文献2)、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増強(特許文献1,8)、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ活性の増強(特許文献9)、等の手法が知られている。
ところで、合成ガス(Synthesis gas, Syngas)は、廃棄物や天然ガスから高温・高圧下で金属触媒の作用によって効率よく得られる、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素を主成分とする混合ガスである。合成ガスを起点とする化学触媒によるC1ケミストリーの分野では、ホルムアルデヒドやメタノール等の化学品を安価かつ大量に生産するプロセスが開発されている。
国際公開第2005/010182号 特開2005−95169号公報 国際公開第2005/113744号 特表2012−521190号公報 特開2010−263911号公報 国際公開第2007/099867号 特開2011−120508号公報 特開2007−125030号公報 国際公開第2009/072562号
一酸化炭素や二酸化炭素は、廃棄物由来の合成ガスや工場排ガス、または天然ガス由来の合成ガスに含まれており、ほぼ永久的に利用可能である。しかしながら、これらを炭素源とした微生物による化学品生産の例は、極めて少ないのが現状である。
上記の特許文献に記載された微生物によるコハク酸の生産技術は、いずれも糖やグリセロールを初めとする炭素数2以上の有機化合物を原料としたものである。微生物によって一酸化炭素や二酸化炭素のようなC1化合物からコハク酸を生産する技術については知られていない。
上記現状に鑑み、本発明は、合成ガス等からコハク酸を生産することができる一連の技術を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するための本発明の1つの様相は、フマル酸リダクターゼ活性の増強、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増強、及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ活性の増強からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように遺伝子が改変され、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有し、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物からコハク酸を生産可能である変異微生物である。
上述のように、嫌気的(還元的)条件下では還元型TCAサイクルが機能する。そして、微生物によってコハク酸を生産させる場合において、還元型TCAサイクルにおけるコハク酸の蓄積を促すために、フマル酸リダクターゼ活性、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性、又はホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ活性を増強することが有用である。そして本発明の変異微生物では、これらの酵素活性の少なくとも1つが増強されるように遺伝子が改変されており、還元型TCAサイクルにおけるコハク酸の蓄積が向上している。また、本発明の変異微生物は、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有している。そして、本発明の変異微生物は、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物からコハク酸を生産可能である。
本発明の変異微生物によれば、「メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能」を基礎として、特に嫌気的条件下で、前記したC1化合物からコハク酸を効率的に生産することができる。本発明の変異微生物を用いることにより、例えば、一酸化炭素や二酸化炭素を含む合成ガスから、コハク酸を効率的に生産することができる。
酵素活性の「増強」とは、非改変微生物(例えば野生株、宿主微生物)と比較して当該酵素活性が高いことを指す。
「遺伝子の改変」には、少なくとも、既存の遺伝子に対する改変、既存の遺伝子と別の遺伝子との置換、及び新たな遺伝子の導入(付加)が含まれる。
「メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能」を有する微生物としては、図1に示すアセチルCoA経路(Wood-Ljungdahl pathway)及びメタノール経路(Methanol pathway)を有する嫌気性微生物が例示される。
好ましくは、さらに、乳酸デヒドロゲナーゼ活性の欠損若しくは抑制、アセチルCoAハイドロラーゼ活性の欠損若しくは抑制、及びピルビン酸ギ酸リアーゼ活性の欠損若しくは抑制からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように遺伝子が改変されている。
上述のように、微生物によってコハク酸を生産させる場合において、TCAサイクルへの炭素供給を促すために、乳酸デヒドロゲナーゼの活性、アセチルCoAハイドロラーゼの活性、又はピルビン酸ギ酸リアーゼの活性を抑制することが有用である。そして本発明の変異微生物は、さらに、これらの酵素活性の少なくとも1つが欠損若しくは抑制されるように遺伝子が改変されており、TCAサイクルへの炭素供給量が向上している。本発明の変異微生物によれば、前記したC1化合物から、特に嫌気的条件下で、より効率的にコハク酸を生産することができる。
酵素活性の「抑制」とは、非改変微生物(例えば野生株、宿主微生物)と比較して当該酵素活性が低いことを指す。また、酵素活性の「欠損」とは、当該酵素活性が消失していることを指す。
同様の課題を解決するための本発明の他の様相は、乳酸デヒドロゲナーゼ活性の欠損若しくは抑制、アセチルCoAハイドロラーゼ活性の欠損若しくは抑制、及びピルビン酸ギ酸リアーゼ活性の欠損若しくは抑制からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように遺伝子が改変され、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有し、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物からコハク酸を生産可能である変異微生物である。
本発明の変異微生物では、TCAサイクルへの炭素供給を促すために、乳酸デヒドロゲナーゼ活性、アセチルCoAハイドロラーゼ活性、及びピルビン酸ギ酸リアーゼ活性の少なくとも1つが欠損若しくは抑制されるように遺伝子が改変されている。また、本発明の変異微生物は、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有している。そして、本発明の変異微生物は、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物からコハク酸を生産可能である。
本発明の変異微生物によれば、「メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能」を基礎として、前記したC1化合物からコハク酸を効率的に生産することができる。本発明の変異微生物を用いることにより、例えば、一酸化炭素や二酸化炭素を含む合成ガスからコハク酸を効率的に生産することができる。
好ましくは、一酸化炭素脱水素酵素を有するものである。
一酸化炭素脱水素酵素(例えば、EC 1.2.99.2/1.2.7.4)(一酸化炭素デヒドロゲナーゼ、CO dehydrogenase、CODH)は、一酸化炭素と水から二酸化炭素とプロトンを生成させる作用、及びその逆反応である、二酸化炭素とプロトンから一酸化炭素と水を生成させる作用、を有する。一酸化炭素脱水素酵素は、アセチルCoA経路(図1)で作用する酵素の1つである。
好ましくは、偏性嫌気性微生物である。
好ましくは、Clostridium属細菌、Moorella属細菌、又はAcetobacterium属細菌である。
好ましくは、前記遺伝子の改変が、ゲノム上に導入されている
好ましくは、コハク酸の細胞外排出を促進する輸送体タンパク質をコードする遺伝子が導入され、当該遺伝子が発現する。
かかる構成により、生産されたコハク酸が効率よく細胞外に排出される。
本発明の他の様相は、上記の変異微生物を、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を炭素源として用いて培養し、当該変異微生物にコハク酸を生産させるコハク酸の生産方法である。
本発明はコハク酸の生産方法に係るものである。本発明では、上記した変異微生物を、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を炭素源として培養することにより、当該変異微生物にコハク酸を生産させる。本発明によれば、一酸化炭素や二酸化炭素を含む合成ガスや、ギ酸、メタノールからコハク酸を生産することができる。
本発明の他の様相は、上記の変異微生物に、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を接触させ、当該変異微生物に前記C1化合物からコハク酸を生産させるコハク酸の生産方法である。
本発明では、上記した変異微生物に、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を接触させ、当該C1化合物からコハク酸を生産させる。本発明によっても、一酸化炭素や二酸化炭素を含む合成ガスや、ギ酸、メタノールからコハク酸を生産することができる。
好ましくは、一酸化炭素と水素とを主成分とするガス、あるいは二酸化炭素と水素とを主成分とするガスを、前記変異微生物に提供する。
「変異微生物にガスを提供する」とは、炭素源等としてガスを変異微生物に与える、あるいは、変異微生物にガスを接触させる、という意味である。
好ましくは、前記変異微生物は、Clostridium属細菌、Moorella属細菌、又はAcetobacterium属細菌である。
二酸化炭素に代えて、重炭酸塩を用いてもよい。
本発明の変異微生物によれば、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、又はメタノールからコハク酸を効率的に生産することができる。例えば、一酸化炭素や二酸化炭素を含む合成ガスからコハク酸を効率的に生産することが可能となる。
本発明のコハク酸の生産方法についても同様であり、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、又はメタノールからコハク酸を効率的に生産することができる。
アセチルCoA経路とメタノール経路を表す説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明において「遺伝子」という用語は、全て「核酸」あるいは「DNA」という用語に置き換えることができる。また以下の説明において、遺伝子改変の対象となるオリジナルの微生物を「宿主微生物」と呼ぶことがある。
本発明の変異微生物は、基本的に、「メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能」を有し、かつコハク酸合成に関与する酵素の活性が欠損若しくは抑制、又は増強されるような遺伝子改変が施されたものである。
本発明の変異微生物は、「メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能」を有する。ここで、メチルテトラヒドロ葉酸([CH3]−THF)、一酸化炭素(CO)、及びCoAからアセチルCoAを合成する経路は、例えば、図1に示すアセチルCoA経路(Wood-Ljungdahl pathway)とメタノール経路(Methanol pathway)に含まれている。すなわち、「メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能」を有することの代表例は、アセチルCoA経路及び/又はメタノール経路を有することである。
ここで、アセチルCoA経路とメタノール経路について説明する。図1に示すように、アセチルCoA経路では、二酸化炭素(CO2)が2つの経路で別々に、一酸化炭素(CO)とメチルカチオン源に還元される。そして、これら2つの炭素源を基質としてCoA(図1ではHSCoAと表記)のチオール基がアセチル化され、1分子のアセチルCoAが合成される。アセチルCoA経路では、アセチルCoAシンターゼ(Acetyl-CoA synthase、ACS)、メチルトランスフェラーゼ(Methyltransferase)、一酸化炭素脱水素酵素(CODH)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(Formate dehydrogenase、FDH)、等の酵素が作用している。なお、ホルミルテトラヒドロ葉酸([CHO]−THF)から[CH3]−THFに至る経路は、メチルブランチ(Methyl branch)と呼ばれる。
一方、メタノール経路は、メタノールをホルムアルデヒド(HCHO)、さらにギ酸(HCOOH)に変換する経路と、メタノールから[CH3]−THFを誘導する経路を含んでいる。
すなわち、メチルテトラヒドロ葉酸([CH3]−THF)、一酸化炭素(CO)、及びCoAからアセチルCoAを合成する経路は、アセチルCoA経路とメタノール経路とで共通している。
好ましい実施形態では、変異微生物が一酸化炭素脱水素酵素(CODH)を有する。詳細には、主に一酸化炭素代謝、すなわち一酸化炭素脱水素酵素の働きにより、一酸化炭素と水から二酸化炭素とプロトンを発生する機能によって生育する変異微生物であることが好ましい。
一般に、アセチルCoA経路とメタノール経路を有する嫌気性微生物は、一酸化炭素脱水素酵素(CODH)を有している。したがって、当該嫌気性微生物を宿主微生物として遺伝子改変を行うことにより、本発明の変異微生物であってCODHを有するものを得ることができる。
当該嫌気性微生物として、Clostridium ljungdahlii、Clostridium autoethanogenumn、Clostridium carboxidivorans、Clostridium ragsdalei(Kopke M. et al., Appl. Environ. Microbiol. 2011, 77(15), 5467-5475)、Moorella thermoacetica(Clostridium thermoaceticumと同じ) (Pierce EG. Et al., Environ. Microbiol. 2008, 10, 2550-2573)、Acetobacterium woodii(Dilling S. et al., Appl. Environ. Microbiol. 2007, 73(11), 3630-3636)等のClostridium属細菌、Moorella属細菌、又はAcetobacterium属細菌が代表例として挙げられる。特に、Clostridium属細菌は、宿主−ベクター系や培養方法が確立しており、本発明における宿主微生物として好適である。
上記5種のClostridium属細菌、Moorella属細菌、又はAcetobacterium属細菌は、合成ガス資化性微生物の代表例として知られている。
Clostridium属細菌、Moorella属細菌、及びAcetobacterium属細菌以外では、Carboxydocella sporoducens sp. Nov. (Slepova TV. et al., Inter. J. Sys. Evol. Microbiol. 2006, 56, 797-800)、Rhodopseudomonas gelatinosa(Uffen RL, J. Bacteriol. 1983, 155(3), 956-965)、Eubacterium limosum (Roh H. et al., J. Bacteriol. 2011, 193(1), 307-308),Butyribacterium methylotrophicum (Lynd, LH. Et al., J. Bacteriol. 1983, 153(3), 1415-1423)等の細菌が挙げられる。
なお、上記した細菌の増殖及びCODH活性は全て酸素感受性であるが、酸素非感受性のCODHも知られている。例えば、Oligotropha carboxidovorans (Schubel, U. et al., J. Bacteriol., 1995, 2197-2203)、Bradyrhizobium japonicum (Lorite MJ. Et al., Appl. Environ. Microbiol., 2000, 66(5), 1871-1876)を始め、その他のバクテリア種には酸素非感受性のCODHが存在する(King GM et al., Appl. Environ. Microbiol. 2003, 69 (12), 7257-7265)。好気性水素酸化細菌であるRalsotonia属菌にも酸素非感受性のCODHが存在する (NCBI Gene ID: 4249199, 8019399)。
このように、CODHを有する細菌は広く存在しており、その中から本発明の変異微生物の基となる宿主微生物を適宜選択することができる。例えば、CO、CO/H2(COとH2を主成分とするガス)、もしくはCO/CO2/H2(COとCO2とH2を主成分とするガス)を唯一の炭素源かつエネルギー源とした選択培地を用い、嫌気、微好気、もしくは好気的条件で、宿主微生物として使用可能なCODHを有する細菌を分離することができる。
本発明の変異微生物では、乳酸デヒドロゲナーゼ活性の欠損若しくは抑制、アセチルCoAハイドロラーゼ活性の欠損若しくは抑制、及びピルビン酸ギ酸リアーゼ活性の欠損若しくは抑制からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように、及び/又は、フマル酸リダクターゼ活性の増強、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増強、及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ活性の増強からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように、遺伝子が改変されている。
乳酸デヒドロゲナーゼ(Lactate dehydrogenase)は、ピルビン酸を乳酸に変換する酵素である。アセチルCoAハイドロラーゼ(Acetyl-CoA hydrolase)は、アセチルCoAと水から酢酸を生成する酵素である。ピルビン酸ギ酸リアーゼ(Pyruvate formate lyase)は、ピルビン酸と補酵素CoAからアセチルCoAとギ酸を生成させる酵素である。これらの酵素の活性を欠損若しくは抑制することによって、コハク酸の大量生産に重要であるTCAサイクルへの炭素流入を高レベルに保つことが可能となる。また、ギ酸や酢酸の生成は細胞増殖を強く阻害するので、アセチルCoAハイドロラーゼ活性とピルビン酸ギ酸リアーゼ活性を欠損若しくは抑制することによって、細胞増殖の阻害を回避できる。
これら3種の酵素活性の欠損や抑制は、1つの酵素のみについて行ってもよいし、2つ以上の酵素について行ってもよい。
これらの酵素は、例えば、合成ガス資化性菌の代表であるClostridium属細菌のゲノムにコードされている(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ:Genbank No.HQ876025;アセチルCoAハイドロラーゼ:ZP_06892002;ピルビン酸ギ酸リアーゼ:Genbank No. X93463)。乳酸デヒドロゲナーゼ(Genbank No.HQ876025)をコードする遺伝子の塩基配列と対応のアミノ酸配列を配列番号1に、アミノ酸配列のみを配列番号2に示す。アセチルCoAハイドロラーゼ(ZP_06892002)をコードする遺伝子の塩基配列と対応のアミノ酸配列を配列番号3に、アミノ酸配列のみを配列番号4に示す。ピルビン酸ギ酸リアーゼ(Genbank No. X93463)をコードする遺伝子の塩基配列と対応のアミノ酸配列を配列番号5に、アミノ酸配列のみを配列番号6に示す。使用する宿主微生物における当該各酵素遺伝子が未知の場合は、宿主微生物のゲノムから、例えば、配列番号1〜6に示される塩基配列等の情報から、PCR法、DNAハイブリダイゼーション法等の手法を使用して目的遺伝子のクローニングを行えばよい。
Clostridium属細菌以外由来の上記酵素の例を以下に挙げる。
・乳酸デヒドロゲナーゼ(Lactate dehydrogenase;例えば EC1.1.2.3, 1.1.2.4, 1.1.1.27,1.1.1.28)
遺伝子の例(UniProt KB/Swiss-Prot No.で表示):P06149 (E. coli); P33232 (E. coli); P52643 (E. coli); P13714 (Bacillus subtilis); P00175(Saccharomyces cerevisiae)等
・アセチルCoAハイドロラーゼ(Acetyl CoA hydrolase;例えば EC 3.1.2.1)
遺伝子の例(UniProt KB/Swiss-Prot No.で表示):Q81S17 (Bacillus anthracis); P32316 (Saccharomyces cerevisiae); C4R404(Pichia pastoris)等
・ピルビン酸ギ酸リアーゼ(pyruvate formate lyase;例えば EC 2.3.1.54)
遺伝子の例(UniProt KB/Swiss-Prot No.で表示):P09373 (E. coli); P32674 (E. coli); Q7A7X6 (Staphylrococcus aureus); P43753 (Haemophilus influenzae)等
上述したように、酵素活性の「抑制」とは、非改変微生物(例えば野生株、宿主微生物)と比較して当該酵素活性が低いことを指す。好ましくは、非改変微生物と比較して酵素活性が20%以下である。また、酵素活性の「欠損」とは、当該酵素活性が消失していることを指す。
一方、フマル酸リダクターゼ(Fumarate reductase)は、フマル酸をコハク酸に変換する酵素である。ピルビン酸カルボキシラーゼ(Pyruvate carboxylase)は、ピルビン酸をオキザロ酢酸に変換する酵素である。ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(Phosphoenolpyruvate carboxykinase)は、オキザロ酢酸を脱炭酸してホスホエノールピルビン酸を合成する反応、及びその逆反応を触媒する酵素である。
上述したように、嫌気的(還元的)条件下では還元型TCAサイクルが機能する。例えば、Clostridium属細菌のような合成ガス資化性微生物は、一般に嫌気的かつ二酸化炭素が存在する条件で培養、もしくは反応に使用されるため、還元型TCAサイクルが働く。そのため、嫌気的条件下において還元型TCAサイクルにおけるコハク酸の蓄積を促すために、フマル酸リダクターゼ活性、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性、又はホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ活性を増強することで、TCA回路の中間代謝産物であるコハク酸を多量蓄積させることが可能となる。
これら3種の酵素活性の増強は、1つの酵素のみについて行ってもよいし、2つ以上の酵素について行ってもよい。
フマル酸リダクターゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼの例を以下に挙げる。
・フマル酸リダクターゼ (Fumarate reductase;例えばEC 1.3.1.6, EC 1.3.5.4等)
遺伝子の例(Uni-Prot/Swiss-Prot No.で表示):P0A8Q3 (E. coli); P0A8Q0 (E. coli); P0A8Q4 (E. coli); P00363 (E. coli); P0AC47 (E. coli); Q4QM68 (Haemophilus influenza); A5UDP2 (Haemophilus influenza); A5UHY2 (Haemophilus influenza)等
・ピルビン酸カルボキシラーゼ (Pyruvate carboxylase;例えばEC 6.4.4.1)
遺伝子の例(Uni-Prot/Swiss-Prot No.で表示):P9KWU4 (Bacillus subtilis); P32327 (Saccharomyces cerevisiae); P11154 (Saccharomyces cerevisiae); P78992 (Pichia pastoris)等
・ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(Phosphoenolpyruvate carboxykinase;例えば EC 4.1.1.32)
遺伝子の例(Uni-Prot/Swiss-Prot No.で表示):P22259 (E. coli); P54418 (Bacillus subtilis); P10963 (Saccharomyces cerevisiae); Q4QM91 (Haemophilus influenza); Q3KJP4 (Pseudomonas fluorescens); A4QHQ4 (Corynebacterium glutamicum)等
上述したように、酵素活性の「増強」とは、非改変微生物(例えば野生株、宿主微生物)と比較して当該酵素活性が高いことを指す。好ましくは、非改変微生物と比較して酵素活性が5〜10倍以上である。
好ましい実施形態では、フマル酸リダクターゼ活性の増強、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増強、及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ活性の増強からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるような遺伝子の改変、並びに、乳酸デヒドロゲナーゼ活性の欠損若しくは抑制、アセチルCoAハイドロラーゼ活性の欠損若しくは抑制、及びピルビン酸ギ酸リアーゼ活性の欠損若しくは抑制からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるような遺伝子の改変の両方が、宿主微生物に対して施されている。本実施形態によれば、TCAサイクルへの炭素供給量向上と、還元型TCAサイクルにおけるコハク酸の蓄積向上の両方が行われ、コハク酸をより効率的に生産することができる。
上述したように、「遺伝子の改変」には、既存の遺伝子に対する改変、既存の遺伝子と別の遺伝子との置換、新たな遺伝子の導入(付加)、の3つが少なくとも含まれる。
上記酵素の活性を欠損、抑制、又は増強させる遺伝子改変の手法としては、発現する酵素の分子数を増減させる手法と、発現する酵素自体の活性を増減させる手法の2つが大きく挙げられる。前者の例としては、標的酵素遺伝子の発現量を転写レベルあるいは翻訳レベルで増減させる手法が挙げられる。具体的には、プロモーター配列やシャインダルガルノ(SD)配列等の発現調節配列を改変することが挙げられる。
後者の例としては、ゲノム上の標的酵素遺伝子に変異を導入することが挙げられる。
酵素活性を欠損若しくは抑制する場合には、宿主微生物が有する既存の酵素遺伝子を別の酵素遺伝子に置換する態様が好ましく採用される。例えば、ゲノム上にある既存の酵素遺伝子を、フレームシフトを生じさせた配列、点変異を生じさせた配列、標的酵素の部分断片遺伝子、等に置換することにより、酵素活性の欠損や抑制を実現することができる。
なお、酵素活性を増強したい場合には、既存の酵素遺伝子を、例えばコドン改変等によって酵素活性が増強された遺伝子に置換すればよい。
遺伝子の置換は、例えば相同組換えにより行うことができる。相同組換えに求められる塩基配列の相同性は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。なお、相同組換え法による遺伝子操作法は多くの細菌等ですでに確立されており、直鎖状DNAを用いる方法や、プラスミドを用いる方法等がある(米国特許第6303383号;特開平05−007491号公報)。
Clostridium属菌でのプラスミドによる相同組換えの手法は「Heap JT et al., J. Microbiol. Methods 2007, 70(3), 452-64」に記載されている。なお、Clostridium属菌への遺伝子導入では、導入遺伝子が制限酵素Cac824I等による分解を受けやすく極めて不安定である。そこで、導入遺伝子を一旦、大腸菌例えばER2275株にて複製してメチル化する方法(Mermelstein LD et al., Apply. Environ. Microbiol. 1993, 59(4), 1077-1081)、あるいはCac824I遺伝子の欠損株を用いる方法(Dong H. et al., PLoS ONE 2010, 5 (2), e9038)等を用いれば、効率よく遺伝子導入及び相同組換えを行うことができる。
宿主微生物に変異誘発剤等による変異処理を行うことによっても、目的の遺伝子改変を行うことができる。例えば、放射線照射や、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)や亜硝酸等の変異剤によって宿主微生物を処理し、標的酵素の活性が欠損、抑制、又は増強された変異微生物を選抜することができる。
宿主微生物に対して新たな遺伝子を導入(付加)することによっても、目的の変異微生物を得ることができる。この態様は、主に標的酵素の活性を増強したい場合に有用である。例えば、宿主微生物が元々有する酵素遺伝子と同じ遺伝子を外部からさらに導入し、遺伝子のコピー数を増加させることが挙げられる。その他、宿主微生物に適したコドンに改変した酵素遺伝子を導入することが挙げられる。導入する酵素遺伝子は、宿主微生物と同じ由来のものが好ましいが、別の由来であってもかまわない。原核生物由来、真核生物由来のいずれであってもよい。使用可能な酵素の種類、遺伝子配列、アミノ酸配列、活性等の情報は、例えば酵素情報システム“Enzyme Database-BRENDA”(http://www.brenda-enzymes.info/)より入手可能である。
細胞内でコハク酸濃度が高まるとコハク酸生成の抑制がかかる。これを改善するには、余剰に生成するコハク酸の細胞外排出を促進する機能を有することが好ましい。そこで、好ましい実施形態では、コハク酸の細胞外排出を促進する輸送体タンパク質をコードする遺伝子が導入され、当該遺伝子が変異微生物内で発現する。
当該輸送体タンパク質としては、原核細胞においてコハク酸その他のジカルボン酸等を細胞外へ排出させることが可能な物性と機能を有するものであれば、その種類や由来生物種は特に限定されない。好ましくは、糖鎖付加等の翻訳後修飾を受けずに、原核生物でも機能するものであり、例えば細菌由来、さらに好ましくはグラム陽性細菌由来のものである。
コハク酸の細胞外排出に適した輸送体タンパク質の例としては、原核生物由来では、Drug/metabolite transporter (DMT)、C4-dicarboxylate ABC transporter (ABC)、MFS family major facilitator transporter (MFS)、C4-dicarboxylate transporter A (DctA)、C4-dicarboxylate uptake B (DcuB)、L-tartrate/succinate antiporter (TtdT、YgjE)、Dicarboxylate amino acid-cation symporter (DAACS)、Divalent anion sodium symporter (DASS)、Tripartite ATP-independent periplasmic (TRAP)、CitMHS、MaeN等のファミリーに属する輸送体タンパク質、及びその変異体が挙げられる。
真核生物由来では、Mitochondrial succinate/fumarate carrier (SFC)、Sodium/dicarboxylate co-transporter、Tonoplast dicarboxylate transporter (TDT)、Aluminum-activated malate transporter (ALMT)等のファミリーに属する輸送体タンパク質、及びこれらの変異体が挙げられる。
なお、各種輸送体機能は、細胞内外コハク酸濃度のみならず、酸化還元電位、pH、カチオン濃度、アニオン濃度、及びリン酸濃度等にも依存するため、培養条件検討との組合せによって効率の良いコハク酸の細胞外排出が達成できる場合もある。
宿主微生物に遺伝子を導入する方法としては特に限定はなく、宿主微生物の種類等によって適宜選択すればよい。例えば、宿主微生物に導入可能でかつ組み込まれた遺伝子を発現可能なベクターを用いることができる。
例えば、宿主微生物が細菌等の原核生物の場合には、当該ベクターとして、宿主微生物において自立複製可能ないしは染色体中への組み込みが可能で、挿入された上記遺伝子を転写できる位置にプロモーターを含有しているものを用いることができる。例えば、当該ベクターを用いて、プロモーター、リボソーム結合配列、上記遺伝子、および転写終結配列からなる一連の構成を宿主微生物内で構築することが好ましい。
宿主微生物がClostridium属細菌(Moorella属細菌のような近縁種を含む)の場合について説明すると、Clostridium属細菌と大腸菌とのシャトルベクターpIMP1(Mermelstein LD et al., Bio/technology 1992, 10, 190-195)を用いることができる。本シャトルベクターは、pUC9 (ATCC 37252)とBacillus subtilisから分離されたpIM13 (Projan SJ et al., J. Bacteriol. 1987, 169 (11), 5131-5139)との融合ベクターであり、Clostridium属細菌内でも安定的に保持される。
なお、Clostridium属細菌への遺伝子導入には、通常、エレクトロポレーション法が使用されるが、前述したように、遺伝子導入直後の導入された外来プラスミドは制限酵素Cac824I等による分解を受けやすく極めて不安定である。そのため、Bacillus subtilis ファージΦ3T1由来メチルトランスフェラーゼ遺伝子が保持されたpAN1 (Mermelstein LD et al., Apply. Environ. Microbiol. 1993, 59(4), 1077-1081)を保有する大腸菌、例えばER2275株等で、pIMP1に由来するベクターを一旦増幅し、メチル化処理を行ってから、これを大腸菌から回収しエレクトロポレーションによる形質転換に使用することが好ましい。なお最近では、Cac824I遺伝子が欠損したClostridium acetobuthylicumが開発されており、メチル化処理されていないベクターも安定的に可能である(Dong H. et al., PLoS ONE 2010, 5 (2), e9038)。
Clostridium属細菌における異種遺伝子発現のプロモーターとしては、例えばthl (thiolase)プロモーター(Perret S et al., J. Bacteriol. 2004, 186(1), 253-257)、Dha (glycerol dehydratase)プロモーター(Raynaud C. et al., PNAS 2003, 100(9), 5010-5015)、ptb (phosphotransbutyrylase)プロモーター (Desai RP et al., Appl. Environ. Microbiol. 1999, 65(3), 936-945)、adc (acetoacetate decarboxylase)プロモーター(Lee J et al., Appl. Environ. Microbiol. 2012, 78 (5), 1416-1423)等がある。ただし、本発明ではこれらに限定されることなく、宿主微生物等に見出される様々な代謝系のオペロンに使用されているプロモーター領域の配列が使用可能である。
またベクターを用いて複数種の遺伝子を宿主微生物に導入する場合、各遺伝子を1つのベクターに組み込んでもよいし、別々のベクターに組み込んでもよい。さらに1つのベクターに複数の遺伝子を組み込む場合には、各遺伝子を共通のプロモーターの下で発現させてもよいし、別々のプロモーターの下で発現させてもよい。複数種の遺伝子を導入する例としては、フマル酸リダクターゼ遺伝子、ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子、及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子からなる群より選ばれた2以上の遺伝子が挙げられる。他の例としては、フマル酸リダクターゼ遺伝子、ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子、及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子からなる群より選ばれた少なくとも1つの遺伝子と、コハク酸輸送体タンパク質遺伝子とを導入する態様が挙げられる。
以上のように、本発明で使用できる既知のベクターを示したが、プロモーター、ターミネーター等の転写制御、複製領域等に関わる領域を、目的に応じて改変することができる。改変方法としては各宿主微生物、もしくはその近縁種における天然の他の遺伝子配列に変更してもよく、また人工の遺伝子配列に変更してもよい。
また、以上の遺伝子導入による改変に加え、突然変異、ゲノムシャッフリング等の変異手法をも組み合わせることで、宿主微生物での導入遺伝子の発現量、宿主微生物のコハク酸排出機能、コハク酸耐性、等を向上させることにより、コハク酸の生産性をさらに向上させることが可能となる。
本発明の変異微生物においては、上記以外の遺伝子がさらに導入されていてもよい。導入する遺伝子としては、アセチルCoA経路やメタノール経路で作用する酵素、例えば、アセチルCoAシンターゼ(Acetyl-CoA synthase、ACS)、メチルトランスフェラーゼ、一酸化炭素脱水素酵素(CODH)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(formate dehydrogenase、FDH)、等をコードする遺伝子が挙げられる。これらの遺伝子を導入することにより、アセチルCoA合成の増強が期待できる。
本発明のコハク酸の生産方法の1つの様相では、上記した変異微生物を、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を炭素源として用いて培養し、当該変異微生物にコハク酸を生産させる。炭素原として用いるこれらのC1化合物については、1つのみを用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらのC1化合物は、主たる炭素原として用いることが好ましく、唯一の炭素原であることがより好ましい。
また、エネルギー源として水素(H2)を同時に提供することが好ましい。
本発明の変異微生物を培養する方法としては特に限定はなく、その種類等に応じて適宜行うことができる。変異微生物がClostridium属細菌(偏性嫌気性、絶対嫌気性)の場合には、例えば、生育に必要な無機塩類及び、合成ガスからなる栄養条件で培養する。好ましくは0.2〜0.3Mpa(絶対圧)程度の加圧状態で培養する。さらには、初期増殖及び到達細胞密度を良好にするためには、ビタミン、酵母エキス、コーンスティープリカー、バクトトリプトン等の有機物を少量加えてよい。
なお、変異微生物が好気性や通性嫌気性の場合には、例えば、液体培地を用いた通気・撹拌培養を行うことができる。
本発明のコハク酸の生産方法の別の様相では、上記した変異微生物に、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を接触させ、当該変異微生物に前記C1化合物からコハク酸を生産させる。すなわち、細胞分裂(細胞増殖)を伴うか否かにかかわらず、変異微生物に前記したC1化合物を接触させて、コハク酸を生産させることができる。例えば、固定化した変異微生物に前記したC1化合物を連続的に供給し、コハク酸を連続的に生産させることができる。
本様相においても、これらのC1化合物については、1つのみを用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。また、エネルギー源として水素(H2)を同時に接触させることが好ましい。
好ましい実施形態では、一酸化炭素と水素とを主成分とするガス、あるいは二酸化炭素と水素とを主成分とするガスを、前記変異微生物に提供する。すなわち、これらのガスを炭素源として用いて変異微生物を培養したり、あるいは、これらのガスを変異微生物に接触させて、ガス中の一酸化炭素又は二酸化炭素からコハク酸を生産させる。この場合も、水素はエネルギー源として使用される。
ギ酸及び/又はメタノールを変異微生物に提供し、ギ酸及び/又はメタノールからもコハク酸を生産することもできる。すなわち、一酸化炭素や二酸化炭素に加えて、もしくは単独で、ギ酸やメタノールを炭素源として用いて変異微生物を培養したり、ギ酸やメタノールを変異微生物に接触させることにより、ギ酸やメタノールからもコハク酸を生産することができる。
生産されたコハク酸は、細胞内に蓄積されるか、細胞外に放出される。例えば、上述したClostridium属細菌又はMoorella属細菌を宿主微生物とした変異微生物を用い、細胞外に放出されたコハク酸を回収し、単離精製することにより、純化されたコハク酸を取得することができる。
なお、二酸化炭素に代えて重炭酸塩を用いることができる場合がある。すなわち、Clostridium属細菌及びその近縁種は、炭酸脱水素酵素(Carbonic anhydrase, CA)(EC 4.2.1.1: H2O+CO2 ⇔ HCO3 -+H+)を有することが知られており(Braus-Stromeyer SA et al., J. Bacteriol. 1997, 179(22), 7197-7200)、CO2源として、HCO3 -源となるNaHCO3等の重炭酸塩を用いることができる。
ここで、変異微生物がアセチルCoA経路とメタノール経路(図1)を有している場合において、変異微生物に提供され得る一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールの組み合わせについて説明する。
アセチルCoA経路によるアセチルCoA合成では、メチルトランスフェラーゼ(Methyltransferase)、コリノイド鉄−硫黄タンパク質(Corrinoid iron-sulfur protein、CoFeS−P)、アセチルCoAシンターゼ(Acetyl-CoA synthase、ACS)、及びCODHの作用による、CoA、メチルテトラヒドロ葉酸(methyltetrahydrofolate、[CH3]−THF)、及びCOからのアセチルCoAの合成過程が必須である(Ragsdale SW et al., B.B.R.C. 2008, 1784(12), 1873-1898)。
一方、Butyribacterium methylotrophicumの培養において、炭素源としてCOやCO2以外にギ酸やメタノールを添加することは、CO代謝すなわち、アセチルCoA経路のメチルブランチ(Methyl branch)におけるテトラヒドロ葉酸(tetrahydrofolate、THF)含量、及び、CO代謝で必要とされるCODH、ギ酸デヒドロゲナーゼ(formate dehydrogenase、FDH)及びヒドロゲナーゼ(hydrogenase)の活性を増大させることが知られている(Kerby R. et al., J. Bacteriol. 1987, 169(12), 5605-5609)。Eubacterium limosum等においても、嫌気条件下CO2及びメタノールを炭素源とした場合でも、高い増殖を得ることが示されている(Genthner BRS. et al., Appl. Environ. Microbiol., 1987, 53(3), 471-476)。
これらのメタノールの合成ガス資化性微生物へ影響、及びMoorella thermoacetica(Clostridium thermoaceticum)及びClostridium ljungdahlii等のゲノム解析(Pierce E. et al., Environ. Microbiol. 2008, 10(10), 2550-2573; Durre P. et al., PNAS 2010, 107(29), 13087-13092)の結果から、これらの微生物種では、図1に示されるようなメタノール経路(methanol pathway)がアセチルCoA経路(Wood-Ljungdahl pathway)にメチル基のドナーとして関与することが説明できる。
また実際に、いくつかのClostridium属細菌ではギ酸デヒドロゲナーゼ(FDH)(EC 1.2.1.2/1.2.1.43:Formate+NAD(P)+ ⇔ CO2+NAD(P)H)の正方向の活性(FormateからのCO2形成)が確認されている(Liu CL et al., J. Bacteriol. 1984, 159(1), 375-380; Keamy JJ et al., J. Bacteriol. 1972, 109(1), 152-161)。このことから、これらの株ではCO2やCOが欠乏状態にある場合、部分的にメタノール(CH3OH)やギ酸(HCOOH)からCO2の生成方向の反応が働くことができる(図1)。このことは、前述したCH3OHを加えることによる、ギ酸ヒドロゲナーゼ(formatede hydrogenase)活性、及びCODHの活性増大の現象 (Kerby R et al., J. Bateriol. 1987, 169(12), 5605-5609)からも説明できる。すなわち、ギ酸(HCOOH)もしくはメタノール(CH3OH)を唯一の炭素源としても増殖可能である。
宿主微生物が、元々、ギ酸デヒドロゲナーゼの正方向の活性を有しない株であっても、変異導入、外来遺伝子導入、もしくはゲノムシャッフリングのような遺伝子改変によって、正方向の活性を付与させればよい。
以上のことから、変異微生物がアセチルCoA経路とメタノール経路を有している場合には、以下のガスや液体を用いて、コハク酸を生産することができる。
・CO
・CO2
・CO/H2
・CO2/H2
・CO/CO2/H2
・CO/HCOOH
・CO2/HCOOH
・CO/CH3OH
・CO2/CH3OH
・CO/H2/HCOOH
・CO2/H2/HCOOH
・CO/H2/CH3OH
・CO2/H2/CH3OH
・CO/CO2/H2/HCOOH
・CO/CO2/H2/CH3OH
・CH3OH/H2
・HCOOH/H2
・CH3OH
・HCOOH
なお、本発明の変異微生物について、コハク酸生産を目的とせず、専ら細胞を増やす目的で培養する場合には、一酸化炭素や二酸化炭素を炭素源として用いる必要はない。例えば糖類やグリセリンといった他の炭素源を用いて、変異微生物を培養すればよい。

Claims (13)

  1. フマル酸リダクターゼ活性の増強、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増強、及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ活性の増強からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように遺伝子が改変され、
    メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有し、
    一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物からコハク酸を生産可能である変異微生物。
  2. さらに、乳酸デヒドロゲナーゼ活性の欠損若しくは抑制、アセチルCoAハイドロラーゼ活性の欠損若しくは抑制、及びピルビン酸ギ酸リアーゼ活性の欠損若しくは抑制からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように遺伝子が改変された請求項1に記載の変異微生物。
  3. 乳酸デヒドロゲナーゼ活性の欠損若しくは抑制、アセチルCoAハイドロラーゼ活性の欠損若しくは抑制、及びピルビン酸ギ酸リアーゼ活性の欠損若しくは抑制からなる群より選ばれた少なくとも1つが行われるように遺伝子が改変され、
    メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有し、
    一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物からコハク酸を生産可能である変異微生物。
  4. 一酸化炭素脱水素酵素を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の変異微生物。
  5. 偏性嫌気性微生物である請求項1〜4のいずれかに記載の変異微生物。
  6. Clostridium属細菌、Moorella属細菌、又はAcetobacterium属細菌である請求項1〜5のいずれかに記載の変異微生物。
  7. 前記遺伝子の改変が、ゲノム上に導入されている請求項1〜6のいずれかに記載の変異微生物。
  8. コハク酸の細胞外排出を促進する輸送体タンパク質をコードする遺伝子が導入され、当該遺伝子が発現する請求項1〜7のいずれかに記載の変異微生物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の変異微生物を、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を炭素源として用いて培養し、当該変異微生物にコハク酸を生産させるコハク酸の生産方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の変異微生物に、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を接触させ、当該変異微生物に前記C1化合物からコハク酸を生産させるコハク酸の生産方法。
  11. 一酸化炭素と水素とを主成分とするガス、あるいは二酸化炭素と水素とを主成分とするガスを、前記変異微生物に提供する請求項9又は10に記載のコハク酸の生産方法。
  12. 前記変異微生物は、Clostridium属細菌、Moorella属細菌、又はAcetobacterium属細菌である請求項9〜11のいずれかに記載のコハク酸の生産方法。
  13. 二酸化炭素に代えて、重炭酸塩を用いる請求項9〜12のいずれかに記載のコハク酸の生産方法。
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