JP2014150675A - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチ電圧の検出時間が短くても確実に過電流を検出する。
【解決手段】ローサイド検出方式の過電流保護部19を有するスイッチング電源装置において、過電流保護部19は、下側スイッチ電圧SWLと閾値電圧VthLとを比較して過電流検出信号S3を生成する過電流検出コンパレータ191と、過電流検出信号S3をラッチして最小オフ時間延長信号Saを生成するラッチ部(192及び19A)と、最小オフ時間延長信号Saに応じて最小オフ時間MINOFFを延長する最小オフ時間延長部19Xと、を含む。
【選択図】図6
【解決手段】ローサイド検出方式の過電流保護部19を有するスイッチング電源装置において、過電流保護部19は、下側スイッチ電圧SWLと閾値電圧VthLとを比較して過電流検出信号S3を生成する過電流検出コンパレータ191と、過電流検出信号S3をラッチして最小オフ時間延長信号Saを生成するラッチ部(192及び19A)と、最小オフ時間延長信号Saに応じて最小オフ時間MINOFFを延長する最小オフ時間延長部19Xと、を含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、スイッチング電源装置に関する。
図12は、スイッチング電源装置の一従来例を示す図である。従来のスイッチング電源装置において、外付け部品(センス抵抗など)を用いることなく過電流保護を行う構成としては、上側スイッチ(出力トランジスタ)のオン時間中に得られる上側スイッチ電圧SWH(スイッチ電圧SWのハイレベル(=IN−IOUT×RonH))と閾値電圧VthHとを比較する構成(ハイサイド検出方式)、ないしは、下側スイッチ(同期整流トランジスタ)のオン時間中に得られる下側スイッチ電圧SWL(スイッチ電圧SWのローレベル(=GND−IOUT×RonL))と閾値電圧VthLとを比較する構成(ローサイド検出方式)が考えられる。
ハイサイド検出方式では、上側スイッチのオン時間中に流れるインダクタ電流ILが閾値よりも大きくなった時点で、遅滞なく上側スイッチをオフすることにより、上側スイッチのオン時間が短縮される。これにより、インダクタ電流ILの山値(極大値)が閾値に制限される。
一方、ローサイド検出方式では、下側スイッチのオン時間中に流れるインダクタ電流ILが閾値よりも大きい場合、インダクタ電流ILが閾値よりも小さくなるまで、下側スイッチのオン時間(上側スイッチのオフ時間)が延長される。これにより、インダクタ電流ILの谷値(極小値)が閾値に合わせ込まれる。
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
しかしながら、上側スイッチのオン時間中に過電流を検出するハイサイド検出方式は、上側スイッチのオン時間が短い低デューティアプリケーションに適用しにくく、逆に、下側スイッチのオン時間中に過電流を検出するローサイド検出方式は、下側スイッチのオン時間が短い高デューティアプリケーションに適用しにくいという問題があった。また、スイッチング駆動を高周波化する場合には、過電流検出用のコンパレータ等も高速化する必要があるので、消費電流が増えるという問題もあった。
本発明は、本願の発明者により見出された上記の問題点に鑑み、スイッチ電圧の検出時間が短くても確実に過電流を検出することのできるスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るスイッチング電源装置は、上側スイッチをオンして下側スイッチをオフする固定長のオン時間と、前記上側スイッチをオフして前記下側スイッチをオンする可変長のオフ時間と、を交互に切り替えることにより、入力電圧を降圧して出力電圧を生成するスイッチング制御部と;前記オフ時間中に前記上側スイッチと前記下側スイッチとの接続ノードで得られる下側スイッチ電圧が閾値電圧を下回っているときには、前記下側スイッチ電圧が前記閾値電圧を上回るまで前記オフ時間を延長する過電流保護部と;を有し、前記過電流保護部は、前記オフ時間中に前記下側スイッチ電圧と前記閾値電圧とを比較して過電流検出信号を生成する過電流検出コンパレータと、前記過電流検出信号をラッチして最小オフ時間延長信号を生成するラッチ部と、前記最小オフ時間延長信号に応じて最小オフ時間を延長する最小オフ時間延長部と、を含む構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成るスイッチング電源装置において、前記スイッチング制御部は、前記出力電圧を分圧して帰還電圧を生成する帰還電圧生成部と、所定の基準電圧を生成する基準電圧生成部と、前記帰還電圧と前記基準電圧とを比較してオン信号を生成するメインコンパレータと、所定のオン時間をカウントしてオフ信号を生成するオン時間設定部と、前記オン信号と前記オフ信号に応じて出力信号の論理レベルが切り替わるフリップフロップと、前記フリップフロップの出力信号に応じて前記上側スイッチと前記下側スイッチのオン/オフ制御を行うドライバと、を含む構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第2の構成から成るスイッチング電源装置は、前記オン時間中に前記帰還電圧が前記基準電圧を下回っているときには、前記帰還電圧が前記基準電圧を上回るか、或いは、所定の最大オン時間が経過するまでの間、前記オン時間を延長するオン時間延長部をさらに有する構成(第3の構成)にするとよい。
また、上記第3の構成から成るスイッチング電源装置において、前記過電流保護部は、過電流の検出結果に応じて次周期における前記オン時間延長部の有効/無効を決定する構成(第4の構成)にするとよい。
また、上記第4の構成から成るスイッチング電源装置において、前記過電流保護部は、前記オン信号が出力低下時の論理レベルであり、前記最小オフ時間延長信号が過電流検出時の論理レベルであり、かつ、前記過電流検出信号が過電流未検出時の論理レベルである状態が所定時間に亘って継続したときに、前記オン時間延長部の無効を解除するタイマ部をさらに含む構成(第5の構成)にするとよい。
また、上記第1〜第5いずれかの構成から成るスイッチング電源装置において、前記スイッチング制御部は、前記基準電圧にリップル成分を注入するリップルインジェクション部をさらに含む構成(第6の構成)にするとよい。
また、本発明に係るテレビは、受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局するチューナ部と、前記チューナで選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成するデコーダ部と、前記映像信号を映像として出力する表示部と、前記音声信号を音声として出力するスピーカ部と、ユーザ操作を受け付ける操作部と、外部入力信号を受け付けるインタフェイス部と、上記各部の動作を統括的に制御する制御部と、上記各部に電力供給を行う電源部と、を有し、前記電源部は、上記第1〜第6いずれかの構成から成るスイッチング電源装置を含む構成(第7の構成)とされている。
本発明によれば、スイッチ電圧の検出時間が短くても確実に過電流を検出することのできるスイッチング電源装置を提供することが可能となる。
<全体構成>
図1は、スイッチング電源装置の全体構成を示すブロック図である。本構成例のスイッチング電源装置1は、非線形制御方式(ここではボトム検出オン時間固定方式)により入力電圧INから出力電圧OUTを生成する降圧型DC/DCコンバータである。スイッチング電源装置1は、半導体装置10と、半導体装置10に外付けされる種々のディスクリート部品(インダクタL1、キャパシタC1、抵抗R1及びR2)とを有する。
図1は、スイッチング電源装置の全体構成を示すブロック図である。本構成例のスイッチング電源装置1は、非線形制御方式(ここではボトム検出オン時間固定方式)により入力電圧INから出力電圧OUTを生成する降圧型DC/DCコンバータである。スイッチング電源装置1は、半導体装置10と、半導体装置10に外付けされる種々のディスクリート部品(インダクタL1、キャパシタC1、抵抗R1及びR2)とを有する。
半導体装置10は、外部との電気的な接続を確立するために外部端子T1〜T3を有する。半導体装置10の外部において、外部端子(入力電圧端子)T1は、入力電圧INの印加端に接続されている。外部端子(スイッチ電圧端子)T2は、インダクタL1の第1端に接続されている。インダクタL1の第2端、キャパシタC1の第1端、及び、抵抗R1の第1端は、いずれも出力電圧OUTの印加端に接続されている。キャパシタC1の第2端は、接地端に接続されている。抵抗R1の第2端、及び、抵抗R2の第1端は、いずれも半導体装置1の外部端子(帰還端子)T3に接続されている。抵抗R2の第2端は、接地端に接続されている。抵抗R1及びR2は、互いの接続ノードから出力電圧OUTを分圧した帰還電圧FBを出力する帰還電圧生成部として機能する。外部端子(出力電圧端子)T4は、出力電圧OUTの印加端に接続されている。
半導体装置10は、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ11及び12と、ドライバ13と、RSフリップフロップ14と、オン時間設定部15と、メインコンパレータ16と、基準電圧生成部17と、リップルインジェクション部18と、過電流保護部19を集積化したモノリシック半導体集積回路装置(いわゆるスイッチング電源IC)である。
トランジスタ11は、外部端子T1と外部端子T2との間に接続され、ドライバ13から入力されるゲート信号G1に応じてオン/オフ制御される上側スイッチ(出力トランジスタ)である。接続関係について具体的に述べると、トランジスタ11のドレインは、外部端子T1に接続されている。トランジスタ11のソースは、外部端子T2に接続されている。トランジスタ11のゲートは、ゲート信号G1の印加端に接続されている。
トランジスタ12は、外部端子T2と接地端との間に接続され、ドライバ13から入力されるゲート信号G2に応じてオン/オフ制御される下側スイッチ(同期整流トランジスタ)である。接続関係について具体的に述べると、トランジスタ12のドレインは、外部端子T2に接続されている。トランジスタ12のソースは、接地端に接続されている。トランジスタ12のゲートは、ゲート信号G2の印加端に接続されている。
ドライバ13は、RSフリップフロップ14の出力信号Qに応じてゲート信号G1及びG2を生成し、トランジスタ11及び12を相補的(排他的)にスイッチング制御する。なお、本明細書中で用いられる「相補的(排他的)」という文言は、トランジスタ11及び12のオン/オフが完全に逆転している場合のほか、貫通電流防止の観点からトランジスタ11及び12のオン/オフ遷移タイミングに所定の遅延が与えられている場合(同時オフ時間が設けられている場合)も含む。
RSフリップフロップ14は、メインコンパレータ16から入力されるセット信号Sの立上がりエッジで出力信号Qをハイレベルにセットし、オン時間設定部15から入力されるリセット信号Rの立上がりエッジで出力信号Qをローレベルにリセットする。
オン時間設定部15は、RSフリップフロップ14の反転出力信号QBがローレベルに立ち下げられてから、所定のオン時間Tonが経過した後、リセット信号Rにハイレベルのトリガパルスを発生させる。
メインコンパレータ16は、外部端子T3(抵抗R1と抵抗R2との接続ノード)から反転入力端(−)に入力される帰還電圧FB(出力電圧OUTの分圧電圧)と、基準電圧生成部17からリップルインジェクション部18を介して非反転入力端(+)に入力されるリップル注入済みの基準電圧REF2とを比較してセット信号Sを出力する。帰還電圧FBが基準電圧REF2よりも高ければセット信号Sはローレベルとなり、帰還電圧FBが基準電圧REF2よりも低ければセット信号Sはハイレベルとなる。
基準電圧生成部17は、バンドギャップ回路などを用いて、入力電圧INや周囲温度の変動に依存しない一定の基準電圧REFを生成する。
リップルインジェクション部18は、スイッチ電圧SW(またはゲート信号G1)を用いて生成したリップル成分を基準電圧REFに注入し、リップル注入済みの基準電圧REF2をメインコンパレータ16の非反転入力端(+)に出力する。このようなリップルインジェクション技術を導入すれば、出力電圧OUT(延いては帰還電圧FB)のリップル成分がそれほど大きくなくても、安定したスイッチング制御を行うことができるので、キャパシタC1としてESR[equivalent series resistance]の小さい積層セラミックコンデンサなどを用いることが可能となる。なお、出力電圧OUTのリップル成分が十分大きい場合には、リップルインジェクション部18を省略して、基準電圧生成部17からメインコンパレータ16に基準電圧REFを直接供給することも可能である。
過電流保護部19は、トランジスタ11がオフされてトランジスタ12がオンされているときに外部端子T2で得られる下側スイッチ電圧SWL(スイッチ電圧SWのローレベル(=GND−IOUT×RonL))が閾値電圧VthLを下回っているときには、下側スイッチ電圧SWLが閾値電圧VthLを上回るまで、トランジスタ11がオフされてトランジスタ12がオンされた状態を継続させる。このようなローサイド検出方式による過電流保護動作により、インダクタ電流ILの谷値(極小値)を閾値電流Ithに固定することができるので、出力電流IOUTの上昇を抑制することが可能となる。過電流保護部19の構成及び動作については、後ほど詳細に説明する。
なお、上記したドライバ13、RSフリップフロップ14、オン時間設定部15、メインコンパレータ16、基準電圧生成部17、及び、リップルインジェクション部18は、帰還電圧FBと基準電圧REFとの比較結果に応じて、固定長のオン時間Ton(=トランジスタ11をオンしてトランジスタ12をオフする第1フェイズ)と、可変長のオフ時間Toff(=トランジスタ11をオフしてトランジスタ12をオンする第2フェイズ)とを交互に切り替えることにより、入力電圧INを降圧して出力電圧OUTを生成するスイッチング制御部として機能する。
<過電流保護部(第1構成例)>
図2は、過電流保護部19の第1構成例を示す図である。第1構成例の過電流保護部19は、過電流検出コンパレータ191と、RSフリップフロップ192と、NANDゲート193と、ANDゲート194及び195と、オン時間延長部196と、INVゲート197及び198と、を含む。
図2は、過電流保護部19の第1構成例を示す図である。第1構成例の過電流保護部19は、過電流検出コンパレータ191と、RSフリップフロップ192と、NANDゲート193と、ANDゲート194及び195と、オン時間延長部196と、INVゲート197及び198と、を含む。
過電流検出コンパレータ191は、反転入力端(−)に印加される下側スイッチ電圧SWLと、非反転入力端(+)に印加される閾値電圧VthL(<GND)とを比較して、過電流検出信号S3を生成する。過電流検出信号S3は、下側スイッチ電圧SWLが閾値電圧VthLよりも高いときにローレベル(過電流未検出時の論理レベル)となり、下側スイッチ電圧SWLが閾値電圧VthLよりも低いときにハイレベル(過電流検出時の論理レベル)となる。
RSフリップフロップ192は、セット端(S)に入力される反転マスク信号S2Bの立上がりエッジで出力端(Q)から出力されるオン時間延長無効信号S6をハイレベルにセットし、リセット端(R)に入力される反転NAND信号S4Bの立上がりエッジでオン時間延長無効信号S6をローレベルにリセットする。
NANDゲート193は、過電流検出信号S3とマスク信号S2との否定論理積演算により、NAND信号S4(=マスク処理済みの過電流検出信号)を生成する。マスク信号S2がハイレベルであるときには、過電流検出信号S3の論理反転信号がNAND信号S4として出力される。一方、マスク信号S2がローレベルであるときには、過電流検出信号S3に依ることなくNAND信号S4がハイレベルとなる。なお、マスク信号S2は、トランジスタ11がオフされてから所定のマスク時間Tmaskに亘ってローレベルとされる。マスク時間Tmaskは、例えば、デッドタイムDT(=トランジスタ11とトランジスタ12の同時オフ時間)と、最小オフ時間MINOFF(=オフ時間Toffの最小値)との合算値に設定すればよい。
ANDゲート194は、オン信号S1(=メインコンパレータ16の出力信号)と、マスク信号S2と、NAND信号S4との論理積演算により、RSフリップフロップ14のセット信号S5を生成する。マスク信号S2とNAND信号S4がいずれもハイレベルであるときには、オン信号S1がそのままセット信号S5として出力される。一方、マスク信号S2とNAND信号S4の少なくとも一方がローレベルであるときには、オン信号S1に依ることなくセット信号S5がローレベルとなる。
ANDゲート195は、オン信号S1とオン時間延長無効信号S6との論理積演算により、オン時間延長信号S8を生成する。オン時間延長無効信号S6がハイレベルであるときには、オン信号S1がそのままオン時間延長信号S8として出力される。一方、オン時間延長無効信号S6がローレベルであるときには、オン信号S1に依ることなくオン時間延長信号S8がローレベルとなる。
オン時間延長部196は、オン時間Ton中に帰還電圧FBが基準電圧REF2を下回っているときには、帰還電圧FBが基準電圧REF2を上回るか、或いは、所定の最大オン時間MAXON(=Ton+αmax)が経過するまでの間、オン時間Tonを延長するようにリセット信号S9を生成する。
より具体的に述べると、オン時間延長部196は、オフ信号S7(=オン時間設定部15の出力信号)とオン時間延長信号S8に応じて、RSフリップフロップ14のリセット信号S9を生成する。オン時間延長信号S8がローレベルであるときには、オフ信号S7がそのままリセット信号S9として出力される。一方、オン時間延長信号S8がハイレベルであるときには、オフ信号S7にハイレベルのトリガパルスが発生してもリセット信号S9がローレベルに維持される。ただし、オフ信号S7の立上がりエッジから所定の最大延長時間αmaxが経過した時点で、オン時間延長信号S8がローレベルに立ち下がっていない場合には、オン時間延長信号S8に依ることなくリセット信号S9にハイレベルのトリガパルスが生成される。
なお、図2では、過電流検出時のオン時間延長無効機能を説明する便宜上、オン時間延長部196を過電流保護部19の構成要素として描写したが、オン時間延長部196は、負荷急変時の意図しない出力低下を抑制するための回路部であり、必ずしも過電流保護部19に必須の構成要素ではない。
INVゲート197は、NAND信号S4を論理反転させて反転NAND信号S4Bを生成する。
INVゲート198は、マスク信号S2を論理反転させて反転マスク信号S2Bを生成する。
図3は、過電流保護部19の一動作例を示すタイムチャートであり、上から順番に、帰還電圧FB、インダクタ電流IL、各種信号S1〜S9、及び、スイッチ電圧SWが描写されている。
まず、時刻t1〜t5を参照しつつ、過電流未検出状態(IL<Ith、S3=L、S4=H、S6=H)での通常動作について説明する。時刻t1において、帰還電圧FBが基準電圧REF2(図3では、図示の便宜上、一定電圧として描写)まで低下すると、オン信号S1(延いてはセット信号S5)がハイレベルに立ち上がり、RSフリップフロップ14の出力信号Qがハイレベルにセットされる。従って、トランジスタ11がオンされて、トランジスタ12がオフされるので、スイッチ電圧SWがハイレベル(≒入力電圧IN)となり、帰還電圧FBが上昇に転ずる。
その後、固定長のオン時間Tonが経過すると、時刻t2において、オフ信号S7(延いてはリセット信号S9)がハイレベルに立ち上がり、RSフリップフロップ14の出力信号Qがローレベルにリセットされる。従って、トランジスタ11がオフされて、トランジスタ12がオンされるので、スイッチ電圧SWがローレベル(≒接地電圧GND)となり、帰還電圧FBが再び下降に転ずる。また、続く時刻t3において、帰還電圧FBが基準電圧REF2まで低下すると、時刻t1と同様に、スイッチ電圧SWがハイレベルとなり、帰還電圧FBが上昇に転ずる。なお、時刻t2〜t3のオフ時間Toffは、入出力電圧差や負荷の重さ(帰還電圧FBの低下度合い)に応じた可変長となる。
以降の時刻t3〜t5においても、時刻t1〜t3と同様の通常動作が繰り返されることにより、入力電圧INから出力電圧OUTの生成動作が継続される。
次に、時刻t5〜t10を参照しつつ、過電流未検出状態(IL<Ith、S3=L、S4=H、S6=H)でのオン時間延長動作について説明する。時刻t5において、出力電流IOUT(延いてはインダクタ電流IL)が急激に増大し、帰還電圧FBが基準電圧REF2を大きく下回ると、スイッチ電圧SWがハイレベルとされて帰還電圧FBが上昇に転じた後も、オン信号S1がローレベルに立ち下がらない状態となる。
過電流未検出状態では、上記のオン信号S1がオン時間延長信号S8としてオン時間延長部196に入力されている。従って、オフ信号S7がハイレベルに立ち上がる時刻t6において、オン信号S1がハイレベルに維持されていた場合には、オフ信号S7がオン時間延長信号S8でマスクされる形となり、リセット信号S9がオフ信号S7に依ることなくローレベルに維持される。その結果、時刻t6以降も、オン信号S1(延いてはオン時間延長信号S8)がローレベルに立ち下がるまで、オン時間Tonが延長された状態(Ton+α)となるので、スイッチ電圧SWがハイレベルに維持されて、帰還電圧FBが上昇し続ける。
その後、時刻t7において、帰還電圧FBが基準電圧REF2よりも高くなると、オン信号S1(延いてはオン時間延長信号S8)がローレベルに立ち下がるので、リセット信号S9にハイレベルのトリガパルスが生成される。その結果、スイッチ電圧SWがローレベルに立ち下げられて、上記一連のオン時間延長動作が完了される。
このようなオン時間延長動作により、スイッチング駆動のオンデューティ(一周期に占めるオン時間の割合)を通常時よりも高めることができるので、負荷急変時の意図しない出力低下を抑制することが可能となる。
なお、時刻t7以降、帰還電圧FBは再び下降に転じ、時刻t8において基準電圧REF2まで低下する。ただし、この時点で帰還電圧FBが基準電圧REF2を大きく下回ることはないので、オン信号S1は一旦ハイレベルに立ち上がった後、速やかにローレベルに立ち下がる。その結果、時刻t8〜t10では、先述の時刻t1〜t3(または時刻t3〜t5)と同じく、オン時間延長動作を伴わない通常の出力動作が行われる。
次に、時刻t10〜t20を参照しつつ、過電流検出時の保護動作について説明する。時刻t10において、出力地絡(出力電圧OUTの印加端が接地端またはこれに準じる低電位端にショートした状態)が生じると、帰還電圧FBが接地電圧GNDまで低下し、オン信号S1がハイレベルに固定される。
時刻t10〜t12では、出力地絡に起因するオン信号S1(延いてはオン時間延長信号S8)のハイレベル固定に伴い、オン時間Tonがその最大値である最大オン時間MAXON(=Ton+αmax)まで延長されている。これは、出力地絡直前のオフ時間Toff(時刻t9〜t10)に過電流が未検出(S3=L)であり、オン時間延長無効信号S6がハイレベルに維持されているためである。このような出力地絡時のオン時間延長動作は、過電流を助長する結果となるので、速やかに無効とすることが望ましい。
時刻t12において、RSフリップフロップ14のリセット信号S9にハイレベルのトリガパルスが生成されると、RSフリップフロップ14の出力信号Qがローレベルにリセットされる。従って、トランジスタ11がオフされて、トランジスタ12がオンされるので、スイッチ電圧SWがローレベルとなり、インダクタ電流ILが減少に転じる。
このとき、閾値電流Ithを上回るインダクタ電流ILが流れている場合には、過電流検出信号S3がハイレベルに立ち上がる。ただし、時刻t12〜t13(DT+MINOFF)には、マスク信号S2がローレベルとされるので、NAND信号S4は、過電流検出信号S3に依らずハイレベルに維持される。また、マスク信号S2がローレベルであるときには、オン信号S1がマスク信号S2によってマスクされるので、RSフリップフロップ14のセット信号S5がローレベルとなる。
その後、時刻t13において、マスク信号S2がハイレベルに立ち上がると、過電流検出信号S3のマスクが解除されるので、NAND信号S4がローレベルに立ち下がる。なお、NAND信号S4がローレベルであるときには、オン信号S1がNAND信号S4によってマスクされるので、RSフリップフロップ14のセット信号S5は、引き続きローレベルに維持される。その結果、オン信号S1がハイレベルに張り付いた状態でも、オフ時間Toffは、過電流検出信号S3がローレベルに立ち下がるまで延長されるので、インダクタ電流ILが減少し続ける。
また、時刻t13において、NAND信号S4がローレベルに立ち下がると、RSフリップフロップ192のリセット端(R)に入力される反転NAND信号S4Bがハイレベルに立ち上がるので、オン時間延長無効信号S6がローレベルにリセットされる。
時刻t14において、インダクタ電流ILが閾値電流Ithまで低下し、過電流検出信号S3がローレベルに立ち下がると、NAND信号S4がハイレベルに立ち上がり、オン信号S1のマスクが解除される。従って、RSフリップフロップ14のセット信号S5がハイレベルに立ち上がり、RSフリップフロップ14の出力信号Qがハイレベルにセットされる。その結果、トランジスタ11がオンされてトランジスタ12がオフされるので、スイッチ電圧SWがハイレベルとなり、インダクタ電流ILが増大に転じる。
その後、固定長のオン時間Tonが経過すると、時刻t15において、オフ信号S7にハイレベルのトリガパルスが生成される。この時点では、オン時間延長無効信号S6がローレベルにラッチされているので、オン時間延長信号S8もローレベルとなる。従って、オン時間延長部196では、オフ信号S7がそのままRSフリップフロップ14のリセット信号S9として出力されるので、RSフリップフロップ14の出力信号Qがローレベルにリセットされる。その結果、トランジスタ11がオフされて、トランジスタ12がオンされるので、スイッチ電圧SWがローレベルとなり、インダクタ電流ILが再び減少に転じる。このように、出力地絡の発生以降、ローサイド検出方式の過電流保護部19では、インダクタ電流ILの谷値(極小値)が閾値電流Ithに合わせ込まれる。
また、前周期で過電流が検出されていた場合には、次周期におけるオン時間延長動作が無効とされるので、不要なオン時間延長動作による過電流の助長を速やかに解消することが可能となる。
なお、時刻t15において、RSフリップフロップ14のリセット信号S9にハイレベルのトリガパルスが生成された後に、マスク信号S2がローレベルに立ち下げられると、RSフリップフロップ192のセット端(S)に入力される反転マスク信号S2Bがハイレベルに立ち上がるので、オン時間延長無効信号S6がハイレベルにセットされる。従って、時刻t15以降においても、前周期における過電流の検出結果に応じて次周期におけるオン時間延長部196の有効/無効がその都度決定される。
<過電流保護部(第2構成例)>
図4は、最小オフ時間MINOFFと回路遅延時間Td1及びTd2の相関図である。先出の第1構成例では、過電流検出コンパレータ191の回路遅延を考慮せずに、過電流保護部19の動作説明を行ったが、現実の過電流検出コンパレータ191には、不可避的な回路遅延が生じる。具体的に述べると、下側スイッチ電圧SWLが閾値電圧VthLを下回ってから過電流検出信号S3がハイレベルに立ち上がるまでには回路遅延時間Td1が生じ、下側スイッチ電圧SWLが閾値電圧VthLを上回ってから過電流検出信号S3がローレベルに立ち下がるまでには回路遅延時間Td2が生じる。
図4は、最小オフ時間MINOFFと回路遅延時間Td1及びTd2の相関図である。先出の第1構成例では、過電流検出コンパレータ191の回路遅延を考慮せずに、過電流保護部19の動作説明を行ったが、現実の過電流検出コンパレータ191には、不可避的な回路遅延が生じる。具体的に述べると、下側スイッチ電圧SWLが閾値電圧VthLを下回ってから過電流検出信号S3がハイレベルに立ち上がるまでには回路遅延時間Td1が生じ、下側スイッチ電圧SWLが閾値電圧VthLを上回ってから過電流検出信号S3がローレベルに立ち下がるまでには回路遅延時間Td2が生じる。
ところで、先出の第1構成例は、過電流検出信号S3がハイレベルである間、オフ時間Toffを延長する構成とされていた。そのため、過電流検出信号S3がハイレベルに立ち上がるよりも先に、最小オフ時間MINOFFが経過してしまうと、オフ時間Toffの延長が間に合わなくなり、過電流保護が効かなくなるという問題があった。すなわち、第1構成例の過電流保護部19を有効に機能させるためには、Td1<MINOFFという関係が成り立つように、最小オフ時間MINOFFを設定しなければならなかった。
しかしながら、スイッチング電源装置1を高デューティアプリケーション(例えば、IN=5.4V、OUT=5V)に適用する場合には、最小オフ時間MINOFFを非常に短い値(例えば150ns)に設定しなければならないので、Td1<MINOFFという関係を維持することが困難であった。
図5は、第1構成例における過電流検出動作の不具合を示すタイムチャートであり、上から順番に、スイッチ電圧SW、インダクタ電流IL、及び、過電流検出信号S3が描写されている。
時刻t21〜t22では、最小オフ時間MINOFFの経過前に過電流検出信号S3がハイレベルに立ち上がり、過電流保護動作が正常に機能した結果、インダクタ電流ILが閾値電流Ithを下回るまでオフ時間Toffが延長される様子が描写されている。
時刻t22〜t23では、前周期で過電流が検出された結果、オン時間延長動作が無効とされ、オン時間Tonが固定長に設定される様子が描写されている。従って、時刻t22〜t23では、インダクタ電流ILがさほど増大することなく減少に転じている。
時刻t23〜t24では、過電流検出信号S3がハイレベルに立ち上がる前に最小オフ時間MINOFFが経過してしまった結果、過電流保護動作が正常に機能せず、オフ時間Toffの延長が間に合わなかった様子が描写されている。
時刻t24〜t25では、前周期で過電流が検出されなかった結果、オン時間延長動作が無効とされず、オン時間Tonが最大オン時間MAXONまで延長される様子が描写されている。従って、時刻t24〜t25では、インダクタ電流ILが閾値電流Ithを大きく上回るレベルまで増大している。
時刻t25以降においても、時刻t21〜t25と同様の挙動が繰り返される。なお、図5では、2周期に1回、過電流を正しく検出することができているが、これは何ら保証された動作ではなく、インダクタ電流ILがいくら大きくなっても、Td1>MINOFFである限り、過電流の未検出状態が継続する場合は十分にあり得る。このような過電流の未検出状態が続くと、最大オン時間MAXONと最小オフ時間MINOFFが交互に繰り返されることになるので、インダクタ電流ILが際限なく増大してしまい、素子の破壊や発煙・発火などの重大な不具合を招くおそれがあった。
なお、過電流検出コンパレータ191の駆動電流を増大すれば、回路遅延時間Td1及びTd2を短縮することは可能である。しかしながら、このような対策は、過電流検出コンパレータ191の低消費電力化と逆行する形になるので、最善の策とは言えなかった。
図6は、過電流保護部19の第2構成例を示す図である。第2構成例の過電流保護部19は、先に説明した第1構成例の改良型であり、Dフリップフロップ19Aと、ANDゲート19Bと、NORゲート19Cと、最小オフ時間延長部19Xを追加した点に特徴を有する。そこで、第1構成例と同様の部分については、図2と同一の符号を付すことで重複した説明は割愛し、以下では第2構成例の特徴部分についてのみ重点的な説明を行う。
Dフリップフロップ19Aは、クロック端に入力される反転マスク信号S2Bの立上がりエッジで、データ端(D)に入力されるオン時間延長無効信号S6をラッチし、反転出力端(QB)から最小オフ時間延長信号Sa(オン時間延長無効信号S6の反転ラッチ信号)を出力する。
なお、先出のRSフリップフロップ192と、第2構成例で追加されたDフリップフロップ19Aは、過電流検出信号S3をラッチして最小オフ時間延長信号Saを生成するラッチ部として機能する。
ANDゲート19Bは、第1入力端(反転形式)に入力されるオン信号S1と、第2入力端(反転形式)に入力されるマスク信号S2との論理積演算により、AND信号Sbを生成し、これをRSフリップフロップ192のセット端(S)に出力する。つまり、RSフリップフロップ192のセット端(S)には、反転マスク信号S2Bに代えてAND信号Sbが入力されている。なお、AND信号Sbは、オン信号S1とマスク信号S2の双方がローレベルである場合にハイレベルとなり、その余の場合にローレベルとなる。
NORゲート19Cは、第1入力端(反転形式)に入力されるオン時間延長無効信号S6と、第2入力端に入力される最小オフ時間延長信号Saとの否定論理和演算により、NOR信号Scを生成し、これをANDゲート195に出力する。つまり、ANDゲート195には、オン時間延長無効信号S6に代えてNOR信号Scが入力されている。なお、NOR信号Scは、オン時間延長無効信号S6がハイレベルであって最小オフ時間延長信号Saがローレベルである場合にハイレベルとなり、その余の場合にローレベルとなる。
最小オフ時間延長部19Xは、最小オフ時間延長信号Saに応じて最小オフ時間MINOFFを延長するようにドライバ13を制御する。具体的に述べると、最小オフ時間延長信号Saがローレベルであるときには、最小オフ時間MINOFFが通常時の長さ(MINOFF1:例えば150ns)に設定される一方、最小オフ時間延長信号Saがハイレベルであるときには、最小オフ時間MINOFFが延長時の長さ(MINOFF2:例えば300ns)に設定される。
図7は、第2構成例における過電流検出動作の改善例を示すタイムチャートであり、上から順番に、インダクタ電流IL、スイッチ電圧SW、オン時間延長無効信号S6、最小オフ時間延長信号Sa、マスク信号S2、及び、過電流検出信号S3が描写されている。
図7の例では、最大オン時間MAXON中にインダクタ電流ILが閾値電流Ithを上回った後、最小オフ時間MINOFF1の経過後に過電流検出信号S3がハイレベルに立ち上がっており、その立上りエッジでオン時間延長無効信号S6がローレベルにリセットされている(白抜き矢印Xを参照)。なお、出力地絡に起因してオン信号S1がハイレベルに張り付いている間、AND信号Sbがローレベルに維持されるので、オン時間延長無効信号S6がマスク信号S2の立下りエッジでハイレベルにセットされることはない。その結果、次周期のオン時間延長動作が無効となり、オン時間Tonが固定長に設定されるので、不要なオン時間延長動作による過電流の助長を速やかに解消することができる。
また、図7の例では、続くマスク信号S2の立下りエッジで最小オフ時間延長信号Saがハイレベルにラッチされている(白抜き矢印Yを参照)。その結果、オフ時間Toffの最小値がMINOFF1からMINOFF2に延長されるので、過電流検出信号S3の立ち上がりが最小オフ時間MINOFF2の経過前に間に合うようになる。従って、オフ時間Toffは、過電流検出信号S3がローレベルに立ち下がるまで延長されるので、インダクタ電流ILを閾値電流Ithまで引き下げることが可能となる。
上記したように、第2構成例の過電流保護部19は、過電流検出信号S3がハイレベルに立ち上がったときにはこれがローレベルに立ち下がるまでオフ時間Toffを継続させるという従来の過電流保護動作に加え、過電流検出信号S3のラッチ出力を用いてオン時間延長動作の無効化と最小オフ時間の延長を行う構成とされている。このような構成であれば、過電流保護部19を有効に機能させるための条件として、(Td2−Td1)>0という関係を満足すれば足りるようになる。従って、下側スイッチ電圧SWLの検出時間(オフ時間Toff)が短い高デューティアプリケーションへの適用に際しても、適切な過電流保護を行うことが可能となり、延いては、高デューティアプリケーションから低デューティアプリケーションまで、幅広い用途において適切な過電流保護を実現することが可能となる。また、スイッチング駆動の高周波化に対しても、技術ハードルがなくなる。
<過電流保護部(第3構成例)>
ところで、先出の第2構成例では、過電流が検出されてオン時間延長動作が無効になると、その後に過電流が解消された場合であっても、帰還電圧FBが基準電圧REF2を上回るレベルに復帰してオン信号S1がローレベルに立ち下がるまで、オン時間延長動作の無効が解除されることはない。
ところで、先出の第2構成例では、過電流が検出されてオン時間延長動作が無効になると、その後に過電流が解消された場合であっても、帰還電圧FBが基準電圧REF2を上回るレベルに復帰してオン信号S1がローレベルに立ち下がるまで、オン時間延長動作の無効が解除されることはない。
しかしながら、例えば入出力電圧差が小さい高デューティアプリケーションでは、オン時間延長動作が無効になっていると、固定長のオン時間Ton中における出力電圧OUTの上昇量が小さ過ぎて、帰還電圧FBが基準電圧REF2を上回るレベルまで復帰せず、いつまで経ってもオン時間延長動作の無効を解除することができない状態(いわゆるデッドロックモード)に陥るおそれがあった。
図8は、過電流保護部19の第3構成例を示す図である。第2構成例の過電流保護部19は、先に説明した第2構成例の改良型であり、タイマ部19Dと、ORゲート19Eとを追加した点に特徴を有する。そこで、第2構成例と同様の部分については、図6と同一の符号を付すことで重複した説明は割愛し、以下では第3構成例の特徴部分についてのみ重点的な説明を行う。
タイマ部19Dは、クロック信号(不図示)のパルス数をカウントし、そのカウント値が所定値(例えば16パルス)に達した時点でタイマ信号Sdにハイレベルのトリガパルスを生成する。タイマ部19Dのカウント値は、最小オフ時間延長信号Saの立上りエッジ、または、反転NAND信号S4Bの立上りエッジでゼロ値にリセットされる。
つまり、タイマ部19Dは、オン信号S1がハイレベル(出力低下時の論理レベル)であり、最小オフ時間延長信号Saがハイレベル(過電流検出時の論理レベル)であり、かつ、過電流検出信号S3がローレベル(過電流未検出時の論理レベル)である状態が所定時間Txに亘って継続したときに、オン時間延長部196の無効を解除するためのタイマ信号Sdを生成する。
ORゲート19Eは、AND信号Sbとタイマ信号Sdとの論理和演算により、OR信号Seを生成し、これをRSフリップフロップ192のセット端(S)に出力する。つまり、RSフリップフロップ192のセット端(S)には、AND信号Sbに代えてOR信号Seが入力されている。OR信号Seは、AND信号Sbとタイマ信号Sdの少なくとも一方がハイレベルである場合にハイレベルとなり、その余の場合にローレベルとなる。
図9は、第3構成例におけるOCPタイマ解除動作の一例を示すタイムチャートであって、上から順に、インダクタ電流IL、スイッチ電圧SW、出力電圧OUT、オン信号S1、過電流検出信号S3、タイマ信号Sd、オン時間延長無効信号S6、及び、最小オフ時間延長信号Saが描写されている。
図9に示したように、出力電圧OUTが目標値Vtargetを下回っており(S1=H)、OCPラッチが掛かっており(Sa=H)、かつ、OCPが検出されていない状態(S3=L)が所定時間Txに亘って継続した場合、タイマ信号Sdにハイレベルのトリガパルスが生成されるので、OCPラッチが解除(S6=L→H)される。従って、オン時間延長動作が強制的に有効とされるので、この時点で出力地絡等の異常が解消されていれば、出力電圧OUTを目標値Vtargetまで復帰させることが可能となる。一方、出力地絡等の異常が解消されていなければ、過電流検出信号S3が再びハイレベルに立ち上がるので、過電流保護と出力復帰を繰り返すヒカップ動作が行われる。
<テレビへの適用>
図10は、先述のスイッチング電源装置1を搭載したテレビの一構成例を示すブロック図である。また、図11A〜図11Cは、それぞれ、先述のスイッチング電源装置1を搭載したテレビの正面図、側面図、及び、背面図である。本構成例のテレビAは、チューナ部A1と、デコーダ部A2と、表示部A3と、スピーカ部A4と、操作部A5と、インタフェイス部A6と、制御部A7と、電源部A8と、を有する。
図10は、先述のスイッチング電源装置1を搭載したテレビの一構成例を示すブロック図である。また、図11A〜図11Cは、それぞれ、先述のスイッチング電源装置1を搭載したテレビの正面図、側面図、及び、背面図である。本構成例のテレビAは、チューナ部A1と、デコーダ部A2と、表示部A3と、スピーカ部A4と、操作部A5と、インタフェイス部A6と、制御部A7と、電源部A8と、を有する。
チューナ部A1は、テレビAに外部接続されるアンテナA0で受信された受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局する。
デコーダ部A2は、チューナA1で選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成する。また、デコーダ部A2は、インタフェイス部A6からの外部入力信号に基づいて、映像信号と音声信号を生成する機能も備えている。
表示部A3は、デコーダ部A2で生成された映像信号を映像として出力する。
スピーカ部A4は、デコーダ部A2で生成された音声信号を音声として出力する。
操作部A5は、ユーザ操作を受け付けるヒューマンインタフェイスの一つである。操作部A5としては、ボタン、スイッチ、リモートコントローラなどを用いることができる。
インタフェイス部A6は、外部デバイス(光ディスクプレーヤやハードディスクドライブなど)から外部入力信号を受け付けるフロントエンドである。
制御部A7は、上記各部A1〜A6の動作を統括的に制御する。制御部A7としては、CPU[central processing unit]などを用いることができる。
電源部A8は、上記各部A1〜A7に電力供給を行う。電源部A8としては、先述のスイッチング電源装置1を好適に用いることができる。
<その他の変形例>
なお、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
なお、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明に係るスイッチング電源装置は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、BDレコーダ/プレーヤ、セットトップボックスなど、種々の電子機器に搭載される電源として利用することが可能である。
1 スイッチング電源装置
10 半導体装置(スイッチング電源IC)
11 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(出力トランジスタ)
12 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(同期整流トランジスタ)
13 ドライバ
14 RSフリップフロップ
15 オン時間設定部
16 メインコンパレータ
17 基準電圧生成部
18 リップルインジェクション部
19 過電流保護部
191 過電流検出コンパレータ
192 RSフリップフロップ
193 NANDゲート
194、195 ANDゲート
196 オン時間延長部
197、198 INVゲート
19A Dフリップフロップ
19B ANDゲート
19C NORゲート
19D タイマ部
19E ORゲート
19X 最小オフ時間延長部
L1 インダクタ
R1、R2 抵抗
C1 キャパシタ
T1〜T3 外部端子
A テレビ
A0 アンテナ
A1 チューナ部
A2 デコーダ部
A3 表示部
A4 スピーカ部
A5 操作部
A6 インタフェイス部
A7 制御部
A8 電源部
10 半導体装置(スイッチング電源IC)
11 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(出力トランジスタ)
12 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(同期整流トランジスタ)
13 ドライバ
14 RSフリップフロップ
15 オン時間設定部
16 メインコンパレータ
17 基準電圧生成部
18 リップルインジェクション部
19 過電流保護部
191 過電流検出コンパレータ
192 RSフリップフロップ
193 NANDゲート
194、195 ANDゲート
196 オン時間延長部
197、198 INVゲート
19A Dフリップフロップ
19B ANDゲート
19C NORゲート
19D タイマ部
19E ORゲート
19X 最小オフ時間延長部
L1 インダクタ
R1、R2 抵抗
C1 キャパシタ
T1〜T3 外部端子
A テレビ
A0 アンテナ
A1 チューナ部
A2 デコーダ部
A3 表示部
A4 スピーカ部
A5 操作部
A6 インタフェイス部
A7 制御部
A8 電源部
Claims (7)
- 上側スイッチをオンして下側スイッチをオフする固定長のオン時間と、前記上側スイッチをオフして前記下側スイッチをオンする可変長のオフ時間と、を交互に切り替えることにより、入力電圧を降圧して出力電圧を生成するスイッチング制御部と;
前記オフ時間中に前記上側スイッチと前記下側スイッチとの接続ノードで得られる下側スイッチ電圧が閾値電圧を下回っているときには、前記下側スイッチ電圧が前記閾値電圧を上回るまで前記オフ時間を延長する過電流保護部と;
を有し、
前記過電流保護部は、
前記オフ時間中に前記下側スイッチ電圧と前記閾値電圧とを比較して過電流検出信号を生成する過電流検出コンパレータと、
前記過電流検出信号をラッチして最小オフ時間延長信号を生成するラッチ部と、
前記最小オフ時間延長信号に応じて最小オフ時間を延長する最小オフ時間延長部と、
を含むことを特徴とするスイッチング電源装置。 - 前記スイッチング制御部は、
前記出力電圧を分圧して帰還電圧を生成する帰還電圧生成部と、
所定の基準電圧を生成する基準電圧生成部と、
前記帰還電圧と前記基準電圧とを比較してオン信号を生成するメインコンパレータと、
所定のオン時間をカウントしてオフ信号を生成するオン時間設定部と、
前記オン信号と前記オフ信号に応じて出力信号の論理レベルが切り替わるフリップフロップと、
前記フリップフロップの出力信号に応じて前記上側スイッチと前記下側スイッチのオン/オフ制御を行うドライバと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。 - 前記オン時間中に前記帰還電圧が前記基準電圧を下回っているときには、前記帰還電圧が前記基準電圧を上回るか、或いは、所定の最大オン時間が経過するまでの間、前記オン時間を延長するオン時間延長部をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
- 前記過電流保護部は、過電流の検出結果に応じて次周期における前記オン時間延長部の有効/無効を決定することを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
- 前記過電流保護部は、前記オン信号が出力低下時の論理レベルであり、前記最小オフ時間延長信号が過電流検出時の論理レベルであり、かつ、前記過電流検出信号が過電流未検出時の論理レベルである状態が所定時間に亘って継続したときに、前記オン時間延長部の無効を解除するタイマ部をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
- 前記スイッチング制御部は、前記基準電圧にリップル成分を注入するリップルインジェクション部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスイッチング電源装置。
- 受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局するチューナ部と、
前記チューナで選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成するデコーダ部と、
前記映像信号を映像として出力する表示部と、
前記音声信号を音声として出力するスピーカ部と、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
外部入力信号を受け付けるインタフェイス部と、
上記各部の動作を統括的に制御する制御部と、
上記各部に電力供給を行う電源部と、
を有し、
前記電源部は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のスイッチング電源装置を含むことを特徴とするテレビ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018137991A (ja) * | 2018-04-19 | 2018-08-30 | ローム株式会社 | 過電流保護回路 |
US11029365B2 (en) | 2016-11-09 | 2021-06-08 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor device |
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- 2013-02-01 JP JP2013018504A patent/JP2014150675A/ja active Pending
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