JP2014150421A - 撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体 - Google Patents

撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】データ量および演算量を削減しつつ高精度な画像回復処理が可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、撮影画像を取得する撮像素子と、撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、2次元のフィルタ値の分布が撮影画像内の位置に関して一定かつ絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段と、絞り値が所定値未満の場合に第1の光学伝達関数を取得し、絞り値が所定値以上の場合に画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数に基づいて生成された第2の光学伝達関数を取得するデータ取得手段と、第1または第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された第1または第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するフィルタ生成手段と、画像回復フィルタを用いて撮影画像から回復画像を生成する画像処理手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮影画像から回復画像を生成可能な撮像装置および画像処理装置に関する。
撮像装置により得られた撮影画像は、撮像光学系の球面収差、コマ収差、像面湾曲、非点収差等の各収差の影響および光の回折の影響により画像のぼけ成分を含み、劣化している。このような収差による画像のぼけ成分は、無収差で回折の影響もない場合に、被写体の一点から発した光束が撮像面上で再度一点に集まるべきものが広がっていることを意味しており、点像分布関数PSF(Point Spread Function)で表される。
点像分布関数PSFをフーリエ変換して得られる光学伝達関数OTF(Optical Transfer Function)は、収差の周波数成分情報であり、複素数で表される。光学伝達関数OTFの絶対値、すなわち振幅成分をMTF(Modulation Transfer Function)と呼び、位相成分をPTF(Phase Transfer Function)と呼ぶ。振幅成分MTFおよび位相成分PTFはそれぞれ、収差による画像劣化の振幅成分および位相成分の周波数特性であり、位相成分を位相角として以下の式で表される。
PTF=tan−1(Im(OTF)/Re(OTF))
ここで、Re(OTF)およびIm(OTF)はそれぞれ、光学伝達関数OTFの実部および虚部を表す。このように、撮像光学系の光学伝達関数OTFは、画像の振幅成分MTFと位相成分PTFに劣化を与えるため、劣化画像は被写体の各点がコマ収差のように非対称にぼけた状態になっている。また倍率色収差は、光の波長ごとの結像倍率の相違により結像位置がずれ、これを撮像装置の分光特性に応じて例えばRGBの色成分として取得することで発生する。従って、RGB間で結像位置がずれ、各色成分内にも波長ごとの結像位置のずれ、すなわち位相ずれによる像の広がりが発生する。
振幅成分MTFおよび位相成分PTFの劣化を補正する方法として、撮像光学系の光学伝達関数OTFの情報を用いて補正するものが知られている。この方法は、画像回復や画像復元という言葉で呼ばれており、以下、撮像光学系の光学伝達関数(OTF)の情報を用いて撮影画像の劣化を補正する処理を画像回復処理という。詳細は後述するが、画像回復の方法のひとつとして、光学伝達関数(OTF)の逆特性を有する画像回復フィルタを入力画像に対して畳み込む(コンボリューション)方法が知られている。
画像回復を効果的に用いるためには、撮像光学系のより正確なOTF情報を得る必要がある。一般的な撮像光学系のOTFは、像高(画像の位置)によって大きく変動する。また光学伝達関数OTFは2次元データであり、複素数であるため実部と虚部を有する。また、RGBの3つの色成分を有するカラー画像を対象とした画像回復処理を行う場合、一つの像高のOTFデータは、縦方向のタップ数×横方向のタップ数×2(実部、虚部)×3(RGB)となる。ここで、タップ数とはOTFデータの縦横のサイズである。これらを、像高、Fナンバー(絞り値)、ズーム(焦点距離)、撮影距離など全ての撮影条件について保持すると、膨大なデータ量となる。画像の位置に応じて回復の特性を変更するためには、画像回復処理は周波数空間にて一括で処理するのではなく、実空間で回復フィルタを切り換えながら処理することが望ましい。
また、画像がぼける原因として、撮像光学系のFナンバーに依存した光の回折現象がある。図9は、回折限界曲線であり、横軸は空間周波数、縦軸はMTFをそれぞれ示している。図9に示されるように、Fナンバーが暗くなるほど遮断周波数が低周波側にシフトする。例えば、画素サイズが4μmの撮像素子のナイキスト周波数は125本/mmである。このため、F2.8など明るい場合、その影響は小さい。しかし、F16やF32など暗い場合、その影響は大きくなる。回折現象も収差と同様にOTFやPSFで記述できるため、上記の画像回復処理により回折によるぼけを補正することができる。
特許文献1には、画像回復に用いるOTFを係数化して保持し、撮像装置の種々の撮影条件に対応して画像回復処理を行う方法が開示されている。
特開2012−73691号公報
しかしながら、OTFは、絞りや撮影距離やズームレンズにおける焦点距離により変化する。またOTFは、画面内の像高によっても変化する。このため、高精度なOTFデータの全体は非常に大きなデータ量となる。また、1つの画像について画像回復処理を行う場合にも、像高に応じてOTFを変更して用いるため、演算量は大きくなる。特許文献1の方法では、画像回復に用いるOTFを係数化して保持することでデータ量を削減している。しかしながら、データ量や演算量は撮像装置の画像処理回路の演算速度やメモリのコストに影響するため、データ量および演算量の更なる削減が求められる。
そこで本発明は、データ量および演算量を削減しつつ高精度な画像回復処理が可能な撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体を提供する。
本発明の一側面としての撮像装置は、撮影画像から回復画像を生成可能な撮像装置であって、撮像光学系を介して形成された被写体像を光電変換して前記撮影画像を取得する撮像素子と、撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、2次元のフィルタ値の分布が該撮影画像内の位置に関して一定かつ絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段と、前記絞り値が所定値未満の場合に前記第1の光学伝達関数を取得し、該絞り値が所定値以上の場合に前記画像回復フィルタまたは前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数に基づいて生成された該第2の光学伝達関数を取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により前記第1の光学伝達関数または前記第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された該第1の光学伝達関数または該第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するフィルタ生成手段と、前記記憶手段に記憶された前記画像回復フィルタまたは前記フィルタ生成手段で生成された前記画像回復フィルタを用いて、前記撮影画像から前記回復画像を生成する画像処理手段とを有する。
本発明の他の側面としての画像処理装置は、撮影画像から回復画像を生成可能な画像処理装置であって、前記撮影画像および該撮影画像の撮影条件を取得する取得手段と、前記撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、2次元のフィルタ値の分布が該撮影画像内の位置に関して一定かつ絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段と、前記絞り値が所定値未満の場合に前記第1の光学伝達関数を取得し、絞り値が所定値以上の場合に前記画像回復フィルタまたは前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数に基づいて生成された該第2の光学伝達関数を取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により前記第1の光学伝達関数または前記第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された該第1の光学伝達関数または該第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するフィルタ生成手段と、前記記憶手段に記憶された前記画像回復フィルタまたは前記フィルタ生成手段で生成された前記画像回復フィルタを用いて、前記撮影画像から前記回復画像を生成する画像処理手段とを有する。
本発明の他の側面としての画像処理方法は、撮影画像から回復画像を生成する画像処理方法であって、前記撮影画像および該撮影画像の撮影条件を取得するステップと、前記撮影条件のうち絞り値が所定値未満の場合に用いられる、前記撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、該絞り値が所定値以上の場合に用いられる、2次元のフィルタ値の分布が該撮影画像内の位置に関して一定かつ該絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段から、前記第1の光学伝達関数を取得するステップと、前記絞り値が所定値以上の場合、前記記憶手段から、前記画像回復フィルタまたは前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数に基づいて生成された該第2の光学伝達関数を取得するステップと、データ取得手段により前記第1の光学伝達関数または前記第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された該第1の光学伝達関数または該第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するステップと、前記記憶手段に記憶された前記画像回復フィルタまたはフィルタ生成手段で生成された前記画像回復フィルタを用いて、前記撮影画像から前記回復画像を生成するステップとを有する。
本発明の他の側面としての画像処理プログラムは、撮影画像から回復画像を生成する画像処理プログラムであって、前記撮影画像および該撮影画像の撮影条件を取得するステップと、前記撮影条件のうち絞り値が所定値未満の場合に用いられる、前記撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、該絞り値が所定値以上の場合に用いられる、2次元のフィルタ値の分布が該撮影画像内の位置に関して一定かつ該絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段から、前記第1の光学伝達関数を取得するステップと、前記絞り値が前記所定値以上の場合、前記記憶手段から、前記画像回復フィルタまたは前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数に基づいて生成された該第2の光学伝達関数を取得するステップと、データ取得手段により前記第1の光学伝達関数または前記第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された該第1の光学伝達関数または該第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するステップと、前記記憶手段に記憶された前記画像回復フィルタまたはフィルタ生成手段で生成された前記画像回復フィルタを用いて、前記撮影画像から前記回復画像を生成するステップと、を情報処理装置に実行させるように構成されている。
本発明の他の側面としての記憶媒体は、前記画像処理プログラムを格納している。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、データ量および演算量を削減しつつ高精度な画像回復処理が可能な撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
実施例1における画像処理方法のフローチャートである。 本実施例における画像回復フィルタの説明図である。 本実施例における画像回復フィルタの説明図である。 本実施例における点像分布関数PSFの説明図である。 本実施例における光学伝達関数の振幅成分MTFと位相成分PTFの説明図である。 実施例1における撮像装置の構成図である。 実施例2における画像処理方法のフローチャートである。 実施例3における画像処理システムの構成図である。 回折限界曲線の説明図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本実施例で説明される用語の定義および画像回復処理(画像処理方法)について説明する。ここで説明される画像処理方法は、後述の各実施例において適宜用いられる。
[入力画像]
入力画像は、撮像光学系を介して撮像素子で受光することで得られたデジタル画像(撮影画像)であり、レンズと各種の光学フィルタ類を含む撮像光学系の収差による光学伝達関数OTFにより劣化している。撮像光学系は、レンズだけでなく曲率を有するミラー(反射面)を用いて構成することもできる。
入力画像の色成分は、例えばRGB色成分の情報を有する。色成分としては、これ以外にもLCHで表現される明度、色相、彩度や、YCbCrで表現される輝度、色差信号など一般に用いられている色空間を選択して用いることができる。その他の色空間として、XYZ、Lab、Yuv、JChを用いることが可能である。更に、色温度を用いてもよい。
入力画像や出力画像には、レンズの焦点距離、絞り値、撮影距離などの撮影条件や、この画像を補正するための各種の補正情報を付帯することができる。撮像装置から別の画像処理装置に画像を受け渡して補正処理を行う場合、上述のように撮影画像に撮影条件や補正に関する情報を付帯することが好ましい。撮影条件や補正に関する情報の他の受け渡し方法として、撮像装置と画像処理装置を直接または間接的に接続して受け渡すようにしてもよい。
[画像回復処理]
続いて、画像回復処理の概要について説明する。撮影画像(劣化画像)をg(x,y)、もとの画像をf(x,y)、光学伝達関数OTFのフーリエペアである点像分布関数PSFをh(x,y)としたとき、以下の式(1)が成立する。
g(x,y)=h(x,y)*f(x,y) … (1)
ここで、*はコンボリューション(畳み込み積分、積和)、(x,y)は撮影画像上の座標である。
また、式(1)をフーリエ変換して周波数面での表示形式に変換すると、周波数ごとの積で表される式(2)が得られる。
G(u,v)=H(u,v)・F(u,v) … (2)
ここで、Hは点像分布関数PSF(h)をフーリエ変換することにより得られた光学伝達関数OTFであり、G,Fはそれぞれ劣化した画像g、もとの画像fをフーリエ変換して得られた関数である。(u,v)は2次元周波数面での座標、すなわち周波数である。
撮影された劣化画像gからもとの画像fを得るには、以下の式(3)のように両辺を光学伝達関数Hで除算すればよい。
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v) … (3)
そして、F(u,v)、すなわちG(u,v)/H(u,v)を逆フーリエ変換して実面に戻すことにより、もとの画像f(x,y)が回復画像として得られる。
−1を逆フーリエ変換したものをRとすると、以下の式(4)のように実面での画像に対するコンボリューション処理を行うことで、同様にもとの画像f(x,y)を得ることができる。
g(x,y)*R(x,y)=f(x,y) … (4)
ここで、R(x,y)は画像回復フィルタと呼ばれる。画像が2次元画像である場合、一般的に、画像回復フィルタRも画像の各画素に対応したタップ(セル)を有し、2次元のフィルタ値の分布を有する。また、画像回復フィルタRのタップ数(セルの数)は、一般的に多いほど回復精度が向上する。このため、要求画質、画像処理能力、収差の特性などに応じて実現可能なタップ数が設定される。画像回復フィルタRは、少なくとも収差や回折の特性を反映している必要があるため、従来の水平垂直各3タップ程度のエッジ強調フィルタ(ハイパスフィルタ)などとは異なる。画像回復フィルタRは光学伝達関数OTFに基づいて設定されるため、振幅成分および位相成分の劣化の両方を高精度に補正することができる。
また、実際の画像にはノイズ成分が含まれるため、上記のように光学伝達関数OTFの完全な逆数をとって作成した画像回復フィルタRを用いると、劣化画像の回復とともにノイズ成分が大幅に増幅されてしまう。これは、画像の振幅成分にノイズの振幅が付加されている状態に対して、光学系のMTF(振幅成分)を全周波数に渡って1に戻すようにMTFを持ち上げるためである。光学系による振幅劣化であるMTFは1に戻るが、同時にノイズのパワースペクトルも持ち上がってしまい、結果的にMTFを持ち上げる度合(回復ゲイン)に応じてノイズが増幅されてしまう。
したがって、ノイズが含まれる場合には、鑑賞用画像としては良好な画像は得られない。このことは、以下の式(5−1)、(5−2)で表される。
G(u,v)=H(u,v)・F(u,v)+N(u,v) … (5−1)
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v)+N(u,v)/H(u,v) … (5−2)
ここで、Nはノイズ成分である。
ノイズ成分が含まれる画像に関しては、例えば以下の式(6)で表されるウィナーフィルタのように、画像信号とノイズ信号の強度比SNRに応じて回復度合を制御する方法がある。
Figure 2014150421
ここで、M(u,v)はウィナーフィルタの周波数特性、|H(u,v)|は光学伝達関数OTFの絶対値(MTF)である。この方法では、周波数ごとに、MTFが小さいほど回復ゲイン(回復度合)を小さくし、MTFが大きいほど回復ゲインを大きくする。一般的に、撮像光学系のMTFは低周波側が高く高周波側が低くなるため、この方法では、実質的に画像の高周波側の回復ゲインを低減することになる。
続いて、図2および図3を参照して、画像回復フィルタについて説明する。画像回復フィルタは、撮像光学系の収差特性や要求される回復精度に応じてそのタップ数が決定される。図2の画像回復フィルタは、一例として、11×11タップの2次元フィルタである。また図2では、各タップ内の値を省略しているが、この画像回復フィルタの一断面を図3に示す。画像回復フィルタの各タップの値の分布は、収差により空間的に広がった信号値又は画素値を、理想的には元の1点に戻す機能を有する。
画像回復フィルタの各タップは、画像の各画素に対応して画像回復処理の工程でコンボリューション処理(畳み込み積分、積和)される。コンボリューション処理では、所定の画素の信号値を改善するために、その画素を画像回復フィルタの中心と一致させる。そして、画像と画像回復フィルタの対応画素ごとに画像の信号値とフィルタの各タップの値の積をとり、その総和を中心画素の信号値として置き換える。
続いて、図4および図5を参照して、画像回復の実空間と周波数空間での特性について説明する。図4は、点像分布関数PSFの説明図であり、図4(a)は画像回復前の点像分布関数PSF、図4(b)は画像回復後の点像分布関数PSFを示している。図5は、光学伝達関数OTFの振幅成分MTF(図5(a))と位相成分PTF(図5(b))の説明図である。図5(a)中の破線(A)は画像回復前のMTF、一点鎖線(B)は画像回復後のMTFを示す。また図5(b)中の破線(A)は画像回復前のPTF、一点鎖線(B)は画像回復後のPTFを示す。図4(a)に示されるように、画像回復前の点像分布関数PSFは、非対称な広がりを有し、この非対称性により位相成分PTFは周波数に対して非直線的な値を有する。画像回復処理は、振幅成分MTFを増幅し、位相成分PTFがゼロになるように補正するため、画像回復後の点像分布関数PSFは対称で先鋭な形状になる。
このように画像回復フィルタは、撮像光学系の光学伝達関数OTFの逆関数に基づいて設計された関数を逆フーリエ変換して得ることができる。本実施例で用いられる画像回復フィルタは適宜変更可能であり、例えば上述のようなウィナーフィルタを用いることができる。ウィナーフィルタを用いる場合、式(6)を逆フーリエ変換することで、実際に画像に畳み込む実空間の画像回復フィルタを作成することが可能である。
また、光学伝達関数OTFは、1つの撮影状態においても撮像光学系の像高(画像の位置)に応じて変化する。このため、画像回復フィルタは像高に応じて変更して用いられる。一方、絞り値(Fナンバー)が大きくなるに従って回折の影響が支配的になる光学伝達関数(OTF)に対しては、光学系のビネッティング(けられ)の影響が小さい場合、像高に対して一律な(一定の)光学伝達関数OTFとして扱うことができる。
《実施例1》
次に、図1を参照して、本発明の実施例1における画像処理方法について説明する。図1は、本実施例における画像処理方法(画像回復処理)を示すフローチャートである。本実施例の画像処理方法は、画像処理装置または撮像装置の画像処理部により実行される。以下、各ステップを実行するステップの主体の代表として画像処理部を主体として記載するが、画像処理装置と置き換えることができる。
まず、ステップS11において、画像処理部は、撮影画像を入力画像として取得する。画像処理装置を用いて画像処理方法を実行する場合、画像処理装置と撮像装置とを有線または無線で接続して撮影画像を取得することができる。また画像処理装置は、記憶媒体を介して撮影画像を取得することも可能である。一方、撮像装置を用いて画像処理方法を実行する場合、撮像装置は現像処理の入力データ(入力画像)としてRAW画像(撮影画像)を取得する。このように、画像処理装置または撮像装置の取得手段は、撮影画像を取得する。
続いてステップS12において、画像処理部は、撮影条件を取得する。撮影条件は、絞り値(Fナンバー)、焦点距離、および、撮影距離などを含む。また、撮像装置本体(カメラ本体)に対して着脱可能なレンズ装置(交換レンズ)を用いる場合、撮影条件はレンズIDやカメラIDを含む。撮影条件に関する情報は、撮像装置から直接取得可能であり、または、画像に付帯された情報から取得することもできる。
次に、ステップS13において、画像処理部は、入力画像(撮影画像)に関して、絞り値が所定値以上であるか否かを判定する。絞り値が所定値未満の場合、収差の影響が支配的であると判定し、ステップS14に進む。一方、絞り値が所定値以上の場合、回折の影響が支配的であると判定し、ステップS18に進む。このように、本実施例の画像処理方法では、絞り値に応じて、以降の処理が切り替えられる。
本実施例において、所定値(処理を切り替えるための閾値)は、例えば絞り値がF16に設定される。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、所定値は撮像光学系の収差量や撮像素子の画素ピッチに応じて適宜変更可能である。例えば、以下の条件式(7)で表されるように、絞り値に応じて決定される回折による遮断周波数が撮像素子の画素ピッチで決定されるサンプリング周波数より小さくなる絞り値を所定値として設定することが好ましい。
F≧p/λ … (7)
ここで、FはFナンバー(絞り値)、pは画素ピッチ、λは可視光の波長帯域のうち所定の波長である。或いは、λを撮像素子が受光可能な波長帯域の中心波長としてもよい。すなわち絞り値の所定値は、F=p/λを満たすか近い値に設定すればよい。例えば、画素ピッチをp=0.006mmとすると、サンプリング周波数は167本/mmとなる。このため、波長をλ=550nmとすると、絞り値の所定値はF11である。
ステップS13にて絞り値が所定値未満であると判定された場合、ステップS14において、画像処理部は、撮影条件に適した光学伝達関数(第1の光学伝達関数)を取得する。光学伝達関数は、予め記憶手段に記憶されたデータから選択することができる。また、光学伝達関数を生成するための関数とその係数群とを予めデータとして記憶しておき、光学伝達関数を本ステップで新たに生成することもできる。また、絞り値、撮影距離、ズームレンズの焦点距離について、予め係数データが記憶された撮影条件の間を補間処理で生成することにより、予め記憶する光学伝達関数のデータ量を削減することができる。補間処理の方法としては、例えばバイリニア補間(線形補間)やバイキュービック補間などが知られているが、これらに限定されるものではない。
次に、ステップS15において、画像処理部は、光学伝達関数(第1の光学伝達関数)を用いて画像回復フィルタを生成する。本実施例において、画像回復フィルタは、撮影画像内の位置に応じて、すなわち像高ごとに生成される。続いてステップS16において、画像処理部は、撮影画像に画像回復フィルタをコンボリューション(畳み込み)することで画像回復処理を行い、回復画像を生成する。そしてステップS17において、画像処理部は回復画像を出力画像として出力する。
一方、ステップS13にて絞り値が所定値以上である判定された場合、ステップS18において、画像処理部は、撮影条件に適した画像回復フィルタを取得する。絞り値が所定値以上である場合、画像の劣化の要因は回折が支配的である。このため、画像回復フィルタは、撮影距離や焦点距離などの撮影条件には依存せず、絞り値のみに応じて選択すればよい。すなわち画像処理部は、絞り値に応じた画像回復フィルタを取得する。
ステップS18にて取得される画像回復フィルタのタップ数は、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
1<T・p/(0.0016・F)<6 … (8)
ここで、Tは水平方向および垂直方向のタップ数、pは撮像素子の画素ピッチ(画素サイズ)、FはFナンバー(絞り値)である。上記条件式の下限を超えると、収差や回折によるPSFの広がりに対してタップ数が不足するため、十分な補正効果を得ることができない。一方、上記条件式の上限を超えると、畳み込み処理の演算量が肥大化し、処理速度が低下する。例えば、p=0.006mm、F=22とし、タップ数を奇数とすると、7<T<35となる。
また、ステップS16において、ステップS15にて生成された画像回復フィルタとステップS18にて選択した画像回復フィルタとを同じタップ数に設定し、ステップS16での畳み込み処理を共通化してもよい。この場合、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
1<T・p/(0.0016・F)<12 … (9)
条件式(9)のように、条件式(8)の上限を上げることにより、収差が支配的な撮影条件においてもPSFの広がりに対するタップ数の不足を回避することができる。
続いてステップS16において、上述と同様に、画像処理部は、撮影画像に画像回復フィルタをコンボリューション(畳み込み)することで画像回復処理を行い、回復画像を生成する。そしてステップS17において、画像処理部は回復画像を出力画像として出力する。
このように本実施例では、画像処理装置または撮像装置(画像処理部)に予め記憶されるデータとしては、絞り値が所定値未満の場合の光学伝達関数または光学伝達関数を生成するための係数データ、および、絞り値が所定値以上の場合の画像回復フィルタとなる。これにより、絞り値が所定値以上の光学伝達関数に関するデータが削減される。また、絞り値が所定値以上の場合には、ステップS15での像高ごとの画像回復フィルタの生成が不要であり、またステップS16では像高に応じて画像回復フィルタを切り替えることなく、画像全域を同一の画像回復フィルタを用いることができる。
次に、図6を参照して、本実施例における撮像装置について説明する。図6は、本実施例における撮像装置100の構成図である。撮像装置100は、図1を参照して説明した本実施例の画像処理方法(画像回復処理)を実行することにより、撮影画像から回復画像を生成可能である。
撮像装置100において、被写体(不図示)は、絞り101aおよびフォーカスレンズ101bを含む撮像光学系101を介して撮像素子102に結像する。撮像素子102は、撮像光学系101を介して形成された被写体像を光電変換して撮影画像を取得する。撮像素子102上に結像した被写体像は、電気信号に変換され、A/Dコンバータ103に出力される。A/Dコンバータ103は、入力された電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、デジタル信号を画像処理部104に出力する。以上の処理により、撮影画像が取得される。
画像処理部104(画像処理手段)は、所定の処理と併せて画像回復処理を行う。まず、状態検知部107から撮像装置100の撮影条件(撮影条件情報)を取得する。撮像条件情報は、絞り値、撮影距離、ズームレンズにおける焦点距離などを含む。状態検知部107は、システムコントローラ110から直接に撮像条件情報を取得可能であり、また、例えば撮像光学系101に関する撮像条件情報を撮像光学系制御部106から取得することもできる。記憶部108(記憶手段)は、撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数を記憶している。また記憶部108は、2次元のフィルタ値の分布が撮影画像内の位置に関して一定かつ絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数(係数データ)を記憶している。ここで、「撮影画像内の位置に関して一定」の「画像回復フィルタ」を記憶するとは、次のように言い換えられる。記憶部108は、第1画素値に対して演算される画像回復フィルタと第2画素値に対して演算される画像回復フィルタとして共通の第3の画像回復フィルタを記憶する。ここで、第1画素値とは被写体像の第1像高に対応する画素値であり、第2画素値とは被写体像の第2像高に対応する画素値であり、第1像高と第2像高は互いに異なる像高である。
画像処理部104は、画像取得手段104a、データ取得手段104b、フィルタ生成手段104c、および、画像処理手段104dを備えて構成される。画像取得手段104a(取得手段)は、撮影画像および撮影画像の撮影条件を取得する。データ取得手段104bは、絞り値が所定値未満の場合、第1の光学伝達関数を取得する。一方、データ取得手段104bは、絞り値が所定値以上の場合、画像回復フィルタ、または、第2の光学伝達関数を生成するための関数に基づいて生成された第2の光学伝達関数を取得する。フィルタ生成手段104cは、データ取得手段104bで第1の光学伝達関数または第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された第1の光学伝達関数または第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成する。画像処理手段104dは、記憶部108に記憶された画像回復フィルタ、または、フィルタ生成手段104cで生成された画像回復フィルタを用いて、撮影画像から回復画像を生成する。なお本実施例において、絞り値が所定値以上の場合には絞り値に応じた画像回復フィルタが選択される。この場合、第2の光学伝達関数を生成する必要はない。
画像処理部104で処理された出力画像(回復画像)は、画像記録媒体109に所定のフォーマットで記録される。表示部105には、本実施例における画像処理後の画像に表示用の所定の処理を行った画像が表示される。または、高速表示のために簡易的な処理を行った画像を表示してもよい。
撮像装置100における一連の制御はシステムコントローラ110により行われる。また、撮像光学系101の機械的な駆動は、システムコントローラ110の指示に基づいて撮像光学系制御部106により行われる。絞り101aは、絞り値(Fナンバー)の撮影状態設定として、その開口径が制御される。フォーカスレンズ101bは、被写体距離に応じてピント調整を行うためにオートフォーカス(AF)機構や手動のマニュアルフォーカス機構(いずれも不図示)により、その位置が制御される。
撮像光学系101は、光学ローパスフィルタや赤外線カットフィルタなどの光学素子を含んでもよい。光学ローパスフィルタなどの光学伝達関数(OTF)の特性に影響を与える素子を用いる場合、画像回復フィルタを生成する際にその影響を考慮することが好ましい。赤外カットフィルタにおいても、分光波長の点像分布関数(PSF)の積分値であるRGBチャンネルの各PSF、特にRチャンネルのPSFに影響するため画像回復フィルタを生成する際にその影響を考慮することが好ましい。この場合、画像回復フィルタは、更に、光学ローパスフィルタによる第3の光学伝達関数に基づいて生成される。
また、画素開口の形状も光学伝達関数に影響を与えるため、その影響を考慮することがより好ましい。この場合、画像回復フィルタは、更に、画素開口による第4の光学伝達関数に基づいて生成される。絞り値が所定値以上の場合に用いられる画像回復フィルタに関しても、光学ローパスフィルタ、赤外カットフィルタ、画素開口などの要因を考慮して用意することが好ましい。
本実施例において、撮像光学系101(レンズ装置)は、撮像装置(撮像装置本体)と一体的に構成されているが、これに限定されるものではない。撮像光学系101は、一眼レフカメラなどの撮像装置本体に対して着脱可能に構成された交換レンズであってもよい。
《実施例2》
次に、図7を参照して、本発明の実施例2における画像処理方法について説明する。図7は、本実施例における画像処理方法(画像回復処理)を示すフローチャートである。本実施例の画像処理方法は、画像処理装置または撮像装置の画像処理部により実行される。以下、各ステップを実行するステップの主体の代表として画像処理部を主体として記載するが、画像処理装置と置き換えることができる。なお本実施例において、図7のステップS11〜S17は図1を参照して説明した実施例1と同様であるため、それらの説明は省略する。
ステップS13で絞り値が所定値以上と判定された場合、ステップS28において、画像処理部は、撮影条件に適した光学伝達関数(第2の光学伝達関数)を計算して生成する。本実施例において、記憶部108に記憶された第2の光学伝達関数を生成するための関数は、絞り値に依存する光学伝達関数の計算式である。
絞り値が所定値以上である場合、画像劣化の要因は回折の影響によるものが支配的である。このため、撮影距離や焦点距離の撮影条件には依存せず、絞り値のみに応じて光学伝達関数(第2の光学伝達関数)を計算すればよい。ここで、回折による光学伝達関数は、絞り値以外に光の波長に依存する。複数の波長での光学伝達関数を計算し、想定する光源の分光や撮像素子の受光感度情報に基づいて、波長ごとの重み付けにより色成分ごとの光学伝達関数を生成することができる。または、所定の色成分ごとの代表波長で計算を行ってもよい。
次に、ステップS15において、画像処理部は、光学伝達関数(第2の光学伝達関数)を用いて画像回復フィルタを生成する。本実施例において、画像回復フィルタは、2次元のフィルタ値の分布が撮影画像内の位置に関して一定であり、かつ、絞り値に応じて異なる。続いてステップS16において、画像処理部は、撮影画像に画像回復フィルタをコンボリューション(畳み込み)することで画像回復処理を行い、回復画像を生成する。そしてステップS17において、画像処理手段は回復画像を出力画像として出力する。
したがって、画像処理装置または撮像装置に予め保持するデータとしては、絞り値が所定値未満の場合の光学伝達関数または光学伝達関数を生成するための係数データとなり、絞り値が所定値以上の光学伝達関数に関するデータが削減される。またステップS16において、絞り値が所定値以上の場合には像高に応じて画像回復フィルタを切り替えることなく、画像全域を同一の画像回復フィルタを用いることができる。
本実施例の撮像装置の構成は、図6を参照して説明した実施例1の撮像装置100と同様であるため、その説明は省略する。本実施例によれば、撮像装置の記憶部に保持するデータ量が削減されるとともに、絞り値が所定値以上の場合の演算量が削減される。
《実施例3》
次に、図8を参照して、本発明の実施例3における画像処理システムについて説明する。図8は、本実施例における画像処理システム300の構成図である。なお、本実施例の画像回復処理の処理フロー(画像処理方法)は、図1を参照して説明した実施例1、または、図7を参照して説明した実施例2と同様であるため、その説明は省略する。
図8において、画像処理装置301は、本実施例の画像処理方法をコンピュータ(情報処理装置)に実行させるための画像処理ソフトウェア306を搭載したコンピュータ機器である。画像処理装置301は、図6を参照して説明した画像処理部104と同様に、画像取得手段(取得手段)、データ取得手段、フィルタ生成手段、および、画像処理手段を備えている。撮像機器302は、カメラ、顕微鏡、内視鏡、または、スキャナなどの撮像装置である。記憶媒体303は、半導体メモリ、ハードディスク、または、ネットワーク上のサーバなど、撮影画像を記憶した記憶手段である。
また、本実施例は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたはCD−ROMなどの各種記憶媒体307を介してシステム或いは装置に供給して格納する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPU、MPUなど)がプログラムを読み出して実行する。
画像処理装置301は、撮像機器302または記憶媒体303から撮影画像データを取得し、所定の画像処理を行った画像データを出力機器305、撮像機器302、記憶媒体303のいずれか一つまたは複数に出力する。また、その出力先を画像処理装置301に内蔵された記憶部に保存することもできる。出力機器305は、例えばプリンタである。
画像処理装置301には、モニタである表示機器304が接続されている。このため、ユーザは表示機器304を通して画像処理作業を行うとともに、補正された画像を評価することができる。画像処理ソフトウェア306は、実施例1または実施例2の画像回復処理(画像処理方法)を行うほか、必要に応じて現像やその他の画像処理を行う。
本実施例において、画像処理を行うためのデータの内容と機器間におけるデータの受け渡し(まとめて「補正情報」という。)については、個々の画像データに付帯させることが好ましい。必要な補正情報を画像データに付帯させることで、本実施例の画像処理装置を搭載した機器であれば、補正処理(画像回復処理)を適切に行うことができる。
上記各実施例によれば、収差が支配的な撮影条件と回折が支配的な撮影条件とを判定し、これに基づいて画像回復処理を変更して行うことができる。このため、各実施例によれば、データ量および演算量を削減しつつ高精度な画像回復処理が可能な撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
101:撮像光学系
102:撮像素子
104:画像処理部
107:状態検知部
108:記憶部

Claims (11)

  1. 撮影画像から回復画像を生成可能な撮像装置であって、
    撮像光学系を介して形成された被写体像を光電変換して前記撮影画像を取得する撮像素子と、
    撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、2次元のフィルタ値の分布が該撮影画像内の位置に関して一定かつ絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段と、
    前記絞り値が所定値未満の場合に前記第1の光学伝達関数を取得し、該絞り値が所定値以上の場合に前記画像回復フィルタまたは前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数に基づいて生成された該第2の光学伝達関数を取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段により前記第1の光学伝達関数または前記第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された該第1の光学伝達関数または該第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するフィルタ生成手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記画像回復フィルタまたは前記フィルタ生成手段で生成された前記画像回復フィルタを用いて、前記撮影画像から前記回復画像を生成する画像処理手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記記憶手段に記憶された前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数は、前記絞り値に依存する光学伝達関数の計算式であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記画像回復フィルタは、更に、光学ローパスフィルタによる第3の光学伝達関数に基づいて生成されることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記画像回復フィルタは、更に、画素開口による第4の光学伝達関数に基づいて生成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記画像回復フィルタのタップ数をT、前記撮像素子の画素ピッチをp、前記絞り値をFとするとき、
    前記画像回復フィルタは、
    1<T・p/(0.0016・F)<6
    を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記絞り値をF、前記撮像素子の画素ピッチをp、可視光の波長帯域のうちの所定の波長をλとするとき、
    前記絞り値の前記所定値は、
    F=p/λ
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記撮影条件は、撮影距離および焦点距離を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 撮影画像から回復画像を生成可能な画像処理装置であって、
    前記撮影画像および該撮影画像の撮影条件を取得する取得手段と、
    前記撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、2次元のフィルタ値の分布が該撮影画像内の位置に関して一定かつ絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段と、
    前記絞り値が所定値未満の場合に前記第1の光学伝達関数を取得し、該絞り値が所定値以上の場合に前記画像回復フィルタまたは前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数に基づいて生成された該第2の光学伝達関数を取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段により前記第1の光学伝達関数または前記第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された該第1の光学伝達関数または該第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するフィルタ生成手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記画像回復フィルタまたは前記フィルタ生成手段で生成された前記画像回復フィルタを用いて、前記撮影画像から前記回復画像を生成する画像処理手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  9. 撮影画像から回復画像を生成する画像処理方法であって、
    前記撮影画像および該撮影画像の撮影条件を取得するステップと、
    前記撮影条件のうち絞り値が所定値未満の場合に用いられる、前記撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、該絞り値が所定値以上の場合に用いられる、2次元のフィルタ値の分布が該撮影画像内の位置に関して一定かつ該絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段から、前記第1の光学伝達関数を取得するステップと、
    前記絞り値が所定値以上の場合、前記記憶手段から、前記画像回復フィルタまたは前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数に基づいて生成された該第2の光学伝達関数を取得するステップと、
    データ取得手段により前記第1の光学伝達関数または前記第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された該第1の光学伝達関数または該第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するステップと、
    前記記憶手段に記憶された前記画像回復フィルタまたはフィルタ生成手段で生成された前記画像回復フィルタを用いて、前記撮影画像から前記回復画像を生成するステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
  10. 撮影画像から回復画像を生成する画像処理プログラムであって、
    前記撮影画像および該撮影画像の撮影条件を取得するステップと、
    前記撮影条件のうち絞り値が所定値未満の場合に用いられる、前記撮影条件および撮影画像内の位置に応じて異なる第1の光学伝達関数と、該絞り値が所定値以上の場合に用いられる、2次元のフィルタ値の分布が該撮影画像内の位置に関して一定かつ該絞り値に応じて異なる画像回復フィルタまたは第2の光学伝達関数を生成するための関数を記憶する記憶手段から、前記第1の光学伝達関数を取得するステップと、
    前記絞り値が前記所定値以上の場合、前記記憶手段から、前記画像回復フィルタまたは前記第2の光学伝達関数を生成するための前記関数に基づいて生成された該第2の光学伝達関数を取得するステップと、
    データ取得手段により前記第1の光学伝達関数または前記第2の光学伝達関数が取得された場合、取得された該第1の光学伝達関数または該第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成するステップと、
    前記記憶手段に記憶された前記画像回復フィルタまたはフィルタ生成手段で生成された前記画像回復フィルタを用いて、前記撮影画像から前記回復画像を生成するステップと、を情報処理装置に実行させるように構成されていることを特徴とする画像処理プログラム。
  11. 請求項10に記載の画像処理プログラムを格納していることを特徴とする記憶媒体。
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